JP3189880B2 - 光半導体素子 - Google Patents

光半導体素子

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JP3189880B2 JP21635797A JP21635797A JP3189880B2 JP 3189880 B2 JP3189880 B2 JP 3189880B2 JP 21635797 A JP21635797 A JP 21635797A JP 21635797 A JP21635797 A JP 21635797A JP 3189880 B2 JP3189880 B2 JP 3189880B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信、光情報処
理、あるいは光計測等の技術分野に用いられる光半導体
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】高い性能、高い信頼性、さらに小型であ
ることなどの利点のために広く用いられているレーザダ
イオードと、モニタ用の受光フォトダイオード(受光P
D)等とを含む光モジュールには、低価格化が強く望ま
れている。このような光モジュールの低価格化を実現す
るためには、レーザダイオード自身の低価格化はもとよ
り、モニタ用の受光PDや光結合のためのレンズ等の部
品点数を減らすこと、レーザダイオードと光ファイバと
の結合を容易化して組立工数を低減することなどが有効
である。
【0003】そこで、レーザダイオードとモニタ用の受
光PDとを集積化した光半導体素子(従来例1)が、特
許第2538157号にて開示されている。図8を参照
して、従来例1による光半導体素子は、レーザダイオー
ド101と、モニタダイオード102とを有している。
この光半導体素子は、基板領域104および重畳半導体
層構造105を備える半導体本体103を備えている。
モニタダイオード102は、条溝110によってレーザ
ダイオード101と分離された半導体本体103の一部
分により形成する。条溝110の少くとも一つの壁部
は、レーザダイオード101の端面109を形成する。
層構造105は、第1放射案内層111と、第1不活性
層112と、活性層106(領域Cの下部)と、第2放
射案内層113(領域A、Bの下部およびモニタダイオ
ード102内)と、第2不活性層114と、接点層11
5とにより構成されている。活性層106を含む領域C
にリード線118,119を通して順方向にバイアスす
ることによって、レーザ光を発生する。領域Cから放出
されたレーザ光124は、活性層106よりも僅かに大
きいバンドギャップを有するモニタダイオード102の
第2放射案内層113を通って放射される。尚、符号1
40は、光ファイバを示す。逆バイアスがかけられたモ
ニタダイオード102の第2放射案内層113を通るレ
ーザ光は、僅かに吸収される。また、レーザ電流を制御
するのに必要とされる帰還信号は、リード線125,1
18にて得られる。
【0004】また、光ファイバとの結合を容易にするた
めにレーザダイオードとモード変換器とを集積化した光
半導体素子(従来例2)が、特願平7−283490号
公報にて開示されている。図9を参照して、従来例2に
よる光半導体素子は、利得領域Dと、モード変換領域E
とを有している。この光半導体素子では、利得領域Dの
活性層およびモード変換用の導波路を、1つのストライ
プ状の多重量子井戸構造206から構成し、かつ多重量
子井戸構造206を利得領域Dから遠ざかるにつれて薄
くして膜厚方向の光ビームの径を変換する構造になって
いる。この構造では、活性層を構成する量子井戸層の厚
さよりも、モード変換用導波路を構成する量子井戸層が
薄い。このため、量子井戸の基底準位は、モード変換用
の導波路の方が、活性層よりも高い。よって、出射端部
でのモード変換用の導波路の光吸収波長端は、活性層で
の発振波長よりも短波長である。したがって、出射端部
で多重量子井戸層構造206を導波する光は吸収され
ず、効果的にビーム径が変換される。具体的には、出射
されるレーザ光の放射角を10deg.程度に低減する
ことができ、よって、光ファイバとの結合が容易であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、レーザ光が
光ファイバに入射され、かつその強度をモニタできるよ
うな光モジュールを構成することを考慮した場合に、従
来例1、2による光半導体素子には、次のような問題点
がある。
【0006】モニタ用の受光PDを含む光半導体素子で
ある従来例1には、素子自体に次のような問題点があ
る。まず、光の導波方向に対して4つの垂直面が存在す
るために、いわば複合共振器が構成されてしまい、レー
ザ光の縦モードが不安定になる。特に、素子温度が変化
した場合には、熱膨張によりレーザダイオード101と
モニタダイオード102とを分離している条溝110の
幅が変化するため、レーザ光の縦モードは、きわめて不
安定になる。また、条溝110をRIE(反応イオンエ
ッチング)法で形成しているため、活性層106にダメ
ージが及ぶことが避けられず、素子特性が劣化しやす
い。さらに、モニタ用の受光PDを集積化してあるので
部品点数が1点少いものの、光ファイバ140との結合
で十分な結合を得るためには、レンズによる光学系を構
築することや、光軸調整が必要である。よって、光モジ
ュールを構成することを考慮すると、高いコストであ
る。
【0007】一方、モード変換部を集積化した従来例2
は、光モジュール化する場合は、レンズが無くても、光
ファイバにある程度の結合度合いで結合することができ
るため、光学系は簡略化できる。しかし、レーザ光の強
度を制御するためのモニタ用の受光PDが別途必要であ
る。モニタ用の受光PDは受光面を利得領域から出てく
るレーザ光に対して垂直に配置する必要があるため、レ
ーザダイオードとモニタ用の受光PDとを同一平面上に
配置することは実質的に不可能である。レーザダイオー
ドとモニタ用の受光PDとを異平面上に配置する場合に
は、組立工数が多い。
【0008】さらに、従来例1、2では、光半導体素子
が完成した時点での導波路層の位置、即ち、端面での発
光位置について、何等言及されていない。したがって、
光ファイバへの結合に関しては、レーザダイオードを発
光させながら試行錯誤により光ファイバの結合位置を見
出だして組み立る必要がある。つまり、光モジュールを
製造する際の組立工数が多い。また、従来例1、2で
は、半導体をエッチングすることにより導波路層を形成
しているため、導波路の位置、形状等を正確に製造でき
ない可能性がある。
【0009】本発明の課題は、優れた特性を有している
ことは勿論、部品点数、組立工数が少い光モジュールを
構成できる光半導体素子を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、量子井
戸活性層への電流注入により光学利得を発生する利得領
域と、前記利得領域に比べ、量子井戸層および障壁層の
組成が短波長であり、前記量子井戸層および前記障壁層
の層厚が薄く、さらに、光導波路層の幅が狭く、導波路
における光の閉じ込めの度合いを緩くするモード変換領
域と、前記モード変換領域の光の出射端付近に配され、
逆バイアスの印加により光の一部を吸収して光の強度を
モニタするモニタ領域とを一素子内に有することを特徴
とする光半導体素子が得られる。
【0011】
【0012】本発明によればさらに、レーザ発振波長と
無バイアス時のモニタ領域の利得ピーク波長との差が、
80nm以上120nm以下である前記光半導体素子が
得られる。
【0013】本発明によればまた、前記利得領域、前記
モード変換領域、および前記モニタ領域は、連続的に形
成された1本の光導波路を含む前記光半導体素子が得ら
れる。
【0014】本発明によればさらに、電極の一部に、光
導波路層の光の出射口と所定の位置関係を持つマーカを
備える前記光半導体素子が得られる。
【0015】
【作用】本発明による光半導体素子は、一度の成長によ
って面内に異なる組成および異なる層厚を作り込める選
択MOVPE(選択有機金属気相成長)法を用い、利得
領域、モード変換領域、およびモニタ領域(モニタダイ
オード)を形成することにより製造される。
【0016】例えば、100InP基板上に、[01
1]方向に、一対のストライプマスクを、所定の開口幅
で形成する。この開口部に選択MOVPE成長を行う。
この際に、ストライプマスクのマスク幅を増加させる
と、選択成長層の膜厚が増加し、選択成長層がInGa
As(P)の場合は、Inの組成が増加する。したがっ
て、利得領域でマスク幅を広くする一方、モード変換領
域でマスク幅を狭くすれば、モード変換領域では、利得
領域に比べ、組成が短波長化し、膜厚も薄くなる。ま
た、開口幅を変えることで、導波路幅を変えることが可
能である。一方、モード変換領域の端面側に位置するモ
ニタ領域では、組成の短波長化効果と膜厚が薄くなる効
果とが重なり合って、モニタダイオードのMQWの吸収
端が、利得領域での吸収端よりも、短波長化する。モニ
タダイオードに逆バイアスをかけることで、量子閉じ込
めシュタルク効果(QCSE:Quantum Confined Stark
Effect)で吸収端が長波長化し、利得領域での波長を
僅かに吸収することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる光半導体素子を説明する。
【0018】[実施の形態1]図1(a)は、本発明の
実施の形態1による光半導体素子の構造を示す斜視図で
ある。図1(b)は、本半導体素子の製造途中の状態、
特に、一素子分の選択成長用のマスクをパターンニング
した状態を示す上面図である。以下、製造方法にそっ
て、本発明の実施の形態1による光半導体素子を説明す
る。
【0019】図1(b)を参照して、部分的に回折格子
15を形成した第1導電型化合物半導体からなる基板1
上に、誘電体膜からなる成長阻止マスク21をパターン
ニングする。このとき、成長阻止マスク21の幅の変動
による影響が利得領域側に若干及ぶため、回折格子15
が形成してある領域は、利得領域とモード変換領域の界
面から10μm以上遠ざけることが好ましい。
【0020】図1(a)および(b)を参照して、第1
導電型化合物半導体からなる光ガイド層2、多重量子井
戸からなる活性層3、および第2電導型化合物半導体か
らなるクラッド層4を含む導波路を、開口部31に選択
成長法により直接形成する。
【0021】次に、開口部31以外のところに2回目の
選択成長により、第2電導型化合物半導体からなるブロ
ック層5、ノンドープの化合物半導体からなる電界緩和
層6、および第1導電型化合物半導体からなるブロック
層7を積層し、サイリスタ電流ブロック構造を形成す
る。
【0022】次に、第2導電型化合物半導体からなる埋
め込み層8で全体を埋め込んだ後、第2導電型化合物半
導体からなるキャップ層9を積層する。
【0023】高速応答用として、導波路の両脇にメサ溝
16を形成する。さらに、利得領域とモニタ領域とを電
気的に分離するために、キャップ層9を部分的に除去す
る。この電気的絶縁を十分なものにするためには、除去
するキャップ層の幅が50μm以上あることが好まし
い。
【0024】全体を誘電体絶縁膜10で覆った後に、利
得領域とモニタ領域の導波路層の直上に、コンタクト用
の窓17を開けた状態で、電極11を形成する。
【0025】導波路に関し、図1(b)に示すように、
開口部31の両脇の成長阻止マスク21の幅は、利得領
域では広く、モード変換領域では狭い。したがって、図
2に示すように、モード変換領域では、利得領域に比
べ、量子井戸層51や障壁層52のバンドギャップが広
く、また量子井戸層厚が薄い。このため、モード変換領
域では、利得領域に比べ、量子井戸での電子とホールと
の基底準位間のエネルギー差53が大きい。よって、無
バイアス時に、モード変換領域は、透明になる。この発
振波長と、無バイアス時のモニタ領域での利得ピーク波
長との差は、逆バイアス印加時に、光出力をあまり低下
させずに、かつモニタ電流として十分な受光電流を得る
ために、80nm以上120nm以下であることが好ま
しい。
【0026】利得領域の開口幅は、活性層である量子井
戸層にて高次の導波モードが起こらず、かつ十分な利得
が得られるようにするために、1.2μm〜1.8μm
であることが好ましい。利得領域は、十分な利得を得る
ためには200μm以上あることが好ましく、一枚のウ
ェハからの収量を増やすためには400μm以下である
ことが好ましい。モード変換領域は、モード変換ロスを
抑えるためには100μm以上あることが好ましく、一
枚のウェハからの収量を増やすためには200μm以下
であることが好ましい。
【0027】また、モード変換領域では、導波路自体の
膜厚が薄いことと、量子井戸層や障壁層のバンドギャッ
プが広くて屈折率が小さいこととで、光閉じ込めが弱い
ため、ビームスポットが広い。
【0028】加えて、モード変換領域の端面付近のモニ
タ領域では、さらにマスク幅が狭いと共に、開口幅自体
が狭いため、光閉じ込めはさらに少く、ビームスポット
はさらに広い。最も狭い開口幅は、その後のブロック層
形成時に不具合を起こさないために、0.6μm以上で
あることが好ましい。利得領域から電気的に分離された
モニタ領域に逆バイアスをかけることで、図3に示すよ
うに、量子を閉じ込めるシュタルク効果(QCSE:Qu
antum Confined Stark Effect )を利用して発振光の強
度をモニタすることができる。
【0029】[実施例1]次に、本発明の実施例1によ
る光半導体素子について、実施の形態1と同様に図1
(a)および(b)ならびに図2を参照して説明する。
【0030】図1(b)を参照して、第1導電型化合物
半導体としての100n−InPからなる基板1上に、
部分的にピッチ約243nmの回折格子15を形成し、
[011]方向に一対のSiO2 ストライプマスクであ
る成長阻止マスク21を形成する。回折格子15の形成
してある部分の長さは280μmとし、利得領域は30
0μmとし、そしてモード変換領域は200μmとす
る。利得領域での開口幅は1.5μm、マスク幅は20
μmとする。モード変換領域では、利得領域側の100
μmの部分までは開口幅1.5μm、マスク幅5μmと
し、端面側では端面で開口幅0.8μm、マスク幅3μ
mとする。即ち、テーパーをつける。
【0031】開口部31には、歪量子井戸を活性層とす
る導波路層を有機金属気相成長法により形成する。利得
領域にて、第1導電型化合物半導体としての波長・組成
1.2μmのn−InGaAsPからなる光ガイド層2
(厚さ90nm、濃度1×1018cm-3)を成長する。
この後、波長・組成1.2μmのInGaAsPからな
る障壁層52(図2、厚さ10nm、ノンドープ)で分
離させられた波長・組成1.5μmのInGaAsPに
1%の圧縮歪を導入した量子井戸層51(図2、ノンド
ープ、厚さ5nm)を5層積層し、第2電導型化合物半
導体としてのp−InPからなるクラッド層4(厚さ
0.2μm、濃度7×1017cm-3)を成長し、導波路
を形成する。
【0032】マスク幅の違いから、遷移領域を経てモー
ド変換領域の中央部では、障壁層52および量子井戸層
51はそれぞれ、波長・組成1.2μmのInGaAs
Pに0.1%の引っ張り歪を導入した組成および波長・
組成1.5μmのInGaAsPに0.82%の圧縮歪
みを導入した組成である。また、それぞれの層厚は、利
得領域の約0.71倍である。
【0033】図2に、導波路方向での各領域におけるP
L波長を示す。利得領域での利得ピークは、PL波長よ
りも若干長い約1.55μmである。また、モード変換
領域での利得ピークも、やはりPL波長より若干長くな
り1.45μmである。一方、回折格子15により選択
された発振波長は、1.555μmである。開口幅が狭
い部分ではマスク幅も狭いため、利得ピークは、ほぼ
1.45μmに保たれている。
【0034】ここで、モード変換機能を備えた従来の光
半導体素子(従来例2)を比較例として、本発明と比較
すると、次の点で全く異なる。
【0035】比較例では、モード変換を層厚でのみ行っ
ているため、モード変換領域の利得領域付近と端面付近
とでは、2倍以上の膜厚差が必要である。したがって、
利得領域とモード変換領域とでの量子井戸の基底準位間
でのエネルギー差は極めて大きく、仮にモード変換領域
の端面側にモニタ用の電極をつけても、通常の逆バイア
ス程度では、発振光を吸収することができない。つま
り、モニタ領域を集積することはできない。
【0036】次に、導波路層の直上にのみSiO2 マス
クを残すと共に、導波路層の直上以外を、第2電導型化
合物半導体であるp−InPからなるブロック層5(厚
さ0.6μm、濃度3×1017cm-3)、ノンドープの
化合物半導体であるi−InPからなる電界緩和層6
(厚さ0.3mm、ノンドープ)、および第1導電型化
合物半導体であるn−InPからなるブロック層7(厚
さ0.6μm、濃度1×1018cm-3)により埋め込
む。
【0037】次に、導波路層直上のSiO2 マスクを除
去し、第2導電型化合物半導体であるp−InPからな
る埋め込み層8(厚さ5μm、濃度7×1017cm-3
により全体を埋め込む。この後、コンタクト用に、第2
導電型化合物半導体であるInGaAsからなるキャッ
プ層9(厚さ1μm、濃度3×1018cm-3)を形成す
る。
【0038】高速応答用に、導波路の両脇にメサ溝16
を形成する。さらに、利得領域とモニタ領域を電気的に
分離するために、モード変換領域におけるキャップ層9
を100μm除去する。
【0039】全体をSiO2 で覆った後に、利得領域と
モニタ領域の導波路層の直上に、コンタクト用の窓17
を開けた状態で、電極11を形成する。モニタ領域のコ
ンタクトの長さは、50μmとする。利得領域とモニタ
領域との間の電極は、ミリング等で除去する。
【0040】劈開後、モニタ領域側の端面に、SiNの
ARコート(反射率1%以下)を施し、利得領域側の端
面にSiO2 およびα−Siからなる多層高反射膜(反
射率95%以上)を形成する。
【0041】モニタ領域に2Vの逆バイアスをかけて光
出力特性を測定したところ、室温での閾値14mA、ス
ロープ効率0.2W/Aが得られた。また、光出力5m
W時のモニタ電流は、200μAであった。また、光出
力5mW時の水平放射角、垂直放射角共に、11de
g.であった。通常のシングルモードファイバにレンズ
無しで素子を発光させながら結合したところ、結合効率
損は3.5dBであった。
【0042】[実施の形態2]図4(a)および(b)
は、本発明の実施の形態2を説明するための図であり、
(a)は活性層側の電極パターンを示し、(b)は基板
側の電極パターンを示す。以下、本発明の実施の形態2
による光半導体素子を説明する。
【0043】利得領域、モード変換領域、およびモニタ
領域を備えていることは、実施の形態1と同様である。
実施の形態2は、実施の形態1と異なり、組立時に用い
るマーカが、電極パターンに組み込まれていることに特
徴がある。
【0044】活性層側では、利得領域用の電極11aお
よびモニタ領域用の電極11bを有している。電極11
aの一部のメタルが取り除かれ、マーカ20になってい
る。尚、符号10は、絶縁膜である。基板側では、中心
部11c以外のメタルが取り除かれ、基板1の表面が露
出している。
【0045】導波路層の位置と電極パターン上のマーカ
とは関連づけられており、マーカを基準にして組み立て
れば、光軸調整無しで光ファイバとの光結合が可能であ
る。例えば、本光半導体素子に赤外線を当てた場合に
は、電極メタル以外の部分では赤外線が透過するため、
マーカ20に対応する2つの丸い部分が浮かび上がる。
この丸い部分の重心を結んだ線の中央に導波路がある。
そして、重心を結んだ線からどのくらいのところに出射
面があり、また活性層側の表面からどのくらいの深さに
導波路層があるのかを把握しておけば、マーカ20を画
像認識することで、出射点を任意の場所に設定すること
ができる。したがって、光ファイバをある精度で予め固
定しておけば、光ファイバにレーザ光を光軸調整なしで
結合することができる。このように光学調整無しで光フ
ァイバとの結合が十分にとれる理由は、本発明において
は、モード変換領域があるために、放射されるビームが
狭いからである。
【0046】実施の形態2による光半導体素子の製造方
法では、赤外線を用いて素子側のマーカを画像認識して
位置合わせを行うビジュアルアライン形式の他にも、S
i基板上のバンプ電極に光素子側の電極がセルフアライ
ン的に調整されるパッシブアライン方式等が適用でき
る。
【0047】[実施例2]次に、本発明の実施例2によ
る光半導体素子について、図面を参照して説明する。
【0048】図5(a)、(b)、および(c)はそれ
ぞれ、実施例2を説明するための一素子分のマスクパタ
ーン図、導波路方向における導波路のPL波長の推移を
示す図、および導波路層の中央での断面図である。
【0049】実施例2では、回折格子を有していないフ
ァブリペロー型レーザの光半導体素子である。図5
(a)に示すように、SiO2 による成長阻止マスク2
1のマスクパターンは、利得領域にて、開口幅1.5μ
m、マスク幅20μm、長さ300μmである。また、
モード変換領域にて、利得領域との境界では開口幅1.
5μm、マスク幅5μmであり、この境界から端面では
開口幅0.9μm、マスク幅5μmから3μmまで長さ
150μmの間に変化するテーパ状である。
【0050】導波路部は、図5(c)に示すようにn−
InPからなる基板1上に、n−InPからなるクラッ
ド層19(厚さ0.1μm、濃度1×1018cm-3)、
多重量子井戸による活性層3、p−InPからなるクラ
ッド層4(厚さ0.1μm、濃度7×1017cm-3)、
p−InPからなる埋め込み層8(厚さ4.5μm、濃
度7×1017cm-3)、およびp−InGaAsからな
るキャップ層9(厚さ1μm、濃度3×1018cm-3
が配されている。キャップ層9は一部エッチングされ、
その上にSiO2 からなる絶縁膜10が被せられてい
る。これにより、利得領域とモニタ領域との電気的絶縁
が実現されている。モニタ領域の長さは、50μmであ
る。量子井戸による光導波路層は、図5(b)に示すよ
うに、利得領域でPL波長1.31μm、モニタ領域で
PL波長1.19μmになるように、量子井戸の組成、
障壁層の組成を調整する。実施例1の場合とは異なり、
ファブリペロー型レーザの光半導体素子であるため、発
振スペクトルがブロードであることを考慮し、発振波長
と無バイアス時のモニタ領域のPL波長との差は、12
0nm、即ち大きくしてある。利得領域とモニタ領域と
での導波路層全体の厚さの比は、約0.7である。ブロ
ック構造は、実施例1と同様である。
【0051】次に、実施例2による光半導体素子の製造
方法において、導波路層の位置を電極パターンのマーカ
に相関づける方法について述べる。
【0052】図6は、実施例2による光半導体素子にお
ける最初の導波路形成時の一素子分の成長阻止マスク2
1および目合わせ用のマーカを示す図である。図6を参
照して、基板1上の大きい十字状領域の成長阻止マスク
41の中に小さい十字状領域の成長阻止マスク42があ
り、両成長阻止マスク間に成長可能な領域である開口部
43がある。成長阻止マスク41および42の幅はそれ
ぞれ5μmであり、開口部43の幅も5μmである。し
たがって、導波路形成と同時に、十字状のマーカの選択
成長が行われる。十字の交点と導波路層との位置関係
は、300μmの整数倍の位置にある。そして、十字の
交点を原点にすると、モニタ側の端面の位置は(250
μm+900μm)の整数倍の位置にあり、利得領域側
の端面は(700μm+900μm)の整数倍の位置に
ある。以降のブロック層成長時、埋め込み成長時には、
このマーカ全体をSiO2 で覆い、このマーカ上への成
長を阻止する。そして、このマーカを基にして、図4
(a)および(b)に示したパターンに電極を形成すれ
ば、電極パターンの目合わせ用のマーカ20(直径40
μm)に導波路の位置を焼き付けることができる。
【0053】次に、赤外線の画像認識を用いてマーカ2
0(図4)を認識し、これに基づいて劈開を行い、マー
カ20と光ビーム出射面とを関連づける。この場合の劈
開位置の精度は、±0.5μm程度である。劈開後、劈
開領域側の端面にSiO2 とα−Siからなる多層高反
射膜(反射率95%以上)を形成すると共に、モニタ領
域側の端面にSiO2 からなる端面保護膜(反射率30
%)を形成し、特性を測定した。測定の結果は、モニタ
領域に1.5Vの逆バイアスをかけた状態で、閾値10
mA、スロープ効率0.45W/A、光出力5mW時の
モニタ電流150μAと、良好な特性であった。モニタ
領域からの出射光の放射角は、水平、垂直でそれぞれ1
2deg.と13deg.であった。また、導波路から
キャップ層上までの距離は、約5.7μmであった。仮
に、SiO2 絶縁膜の厚さを0.5μm、p側電極のト
ータルの厚さを0.3μmとし、p側電極をヒートシン
クに融着して組み立てるとすれば、ヒートシンク側のソ
ルダの厚さが1μmの場合には、ヒートシンクの上面か
ら約7.5μmのところに、光出射口が位置する。
【0054】図7は、光ファイバ固定用のV溝62およ
び画像認識用のマーカ66を備えるSi基板61に、本
発明の光半導体素子を融着する様子を示す斜視図であ
る。
【0055】図7を参照して、V溝62の角度および深
さを調整することで、光ファイバ63のコアをSi基板
61から約7.3μm上方に固定することができる。ま
た、光ファイバ63のクラッドをV溝62の突き当たり
に押し当てることで、光ファイバ63の端面をV溝62
の突き当たりに固定することができる。V溝62、マー
カ66、利得領域用ソルダ65、およびモニタ領域用ソ
ルダ64は、通常のフォトリソグラフ法で形成すること
が可能であるため、例えばマーカ66とV溝62との突
き当たりとの位置精度は、0.2μm程度である。尚、
赤外線による画像認識の位置合わせ精度は0.2μm以
下であることが、山内等によって示されている(電子情
報通信学会 1994年春季大会講演論文集 C−292
4−289)。
【0056】光導波路67の出射端面と光ファイバ63
のコアとの位置合わせ精度は、画像認識による劈開の精
度、マーカの合わせ込みの精度、および素子製造時の精
度等を勘案すると、±1.5μm程度になる。本発明の
場合、図7に示したように、レンズ無しで画像認識によ
る組立を行った結果、光結合のロスは平均5dBであっ
た。放射角が12〜13deg.の場合に光結合のトレ
ランスは光結合のロス1dBにつき±2.5μm程度で
あるから、図7に示した組み立て方法は、十分に実用的
である。
【0057】
【発明の効果】本発明による光半導体素子は、量子井戸
活性層への電流注入により光学利得を発生する利得領域
と、導波路における光の閉じ込めの度合いを緩くするモ
ード変換領域と、モード変換領域の光の出射端付近に配
され、逆バイアスの印加により光の一部を吸収して光の
強度をモニタするモニタ領域とを一素子内に有している
ため、優れた特性を有していることは勿論、部品点数、
組立工数が少い光モジュールを構成できる。
【0058】例えば、実施例1によれば、従来例では、
レーザダイオード、モニタ用PD、およびレンズの3部
品が必要だったものが、1部品で済む。また、モニタ用
PDが集積されており、ワイヤボンディングが一平面上
にて可能であり、組立工数が少い。また、実施例2によ
れば、1部品で済むことに加え、組立時に光学調整が不
要であり、組立工数が少い。さらに、導波路を半導体の
エッチングなしで形成するため、素子特性が均一にな
り、歩留まりも良好である。よって、素子自体の低価格
化が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1による光半導体素子を説
明するための図であり、(a)は構造を示す斜視図であ
り、(b)は製造途中の状態を示す上面図である。
【図2】本発明の実施例1による光半導体素子の導波路
方向におけるPL波長の推移を示す図である。
【図3】QCSE効果を用いて出射光強度をモニタする
原理を説明する図である。
【図4】本発明の実施の形態2による光半導体素子をの
電極パターンを示す図である。
【図5】本発明の実施例2による光半導体素子を説明す
る図である。
【図6】本発明の実施例2による光半導体素子の製造方
法において、導波路層位置を電極パターンのマーカに相
関づける方法を説明するための図である。
【図7】本発明の実施例2による光半導体素子をSi基
板上に組み付ける様子を示す斜視図である。
【図8】従来例1による光半導体素子を示す断面図であ
る。
【図9】従来例2による光半導体素子を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 光ガイド層 3 活性層 4 クラッド層 5 ブロック層 6 電界緩和層 7 ブロック層 8 埋め込み層 9 キャップ層 10 誘電体絶縁膜 11a,11b 電極 11c 中心部 15 回折格子 16 メサ溝 17 窓 19 クラッド層 20,66 マーカ 21,41,42 成長阻止マスク 31,43 開口部 51 量子井戸層 52 障壁層 53 エネルギー差 61 Si基板 62 V溝 63 光ファイバ 64 モニタ領域用ソルダ 65 利得領域用ソルダ 67 光導波路 101 レーザダイオード 102 モニタダイオード 103 半導体本体 104 基板領域 105 重畳半導体層構造 106 活性層 109 端面 110 条溝 111 第1放射案内層 112 第1不活性層 113 第2放射案内層 114 第2不活性層 115 接点層 118,119,125 リード線 124 レーザ光 140 光ファイバ 206 多重量子井戸構造
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−116235(JP,A) 特開 平8−125279(JP,A) 特開 平7−283490(JP,A) 特開 平4−33386(JP,A) 特開 平2−299282(JP,A) 特開 平8−37341(JP,A) 特開 平8−116124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 G02B 6/14

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 量子井戸活性層への電流注入により光学
    利得を発生する利得領域と、前記利得領域に比べ、量子
    井戸層および障壁層の組成が短波長であり、前記量子井
    戸層および前記障壁層の層厚が薄く、さらに、光導波路
    層の幅が狭く、導波路における光の閉じ込めの度合いを
    緩くするモード変換領域と、前記モード変換領域の光の
    出射端付近に配され、逆バイアスの印加により光の一部
    を吸収して光の強度をモニタするモニタ領域とを一素子
    内に有することを特徴とする光半導体素子。
  2. 【請求項2】 レーザ発振波長と無バイアス時のモニタ
    領域の利得ピーク波長との差が、80nm以上120n
    m以下である請求項1に記載の光半導体素子。
  3. 【請求項3】 前記利得領域、前記モード変換領域、お
    よび前記モニタ領域は、連続的に形成された1本の光導
    波路を含む請求項1または2に記載の光半導体素子。
  4. 【請求項4】 電極の一部に、光導波路層の光の出射口
    と所定の位置関係を持つマーカを備える請求項1乃至3
    のいずれかに記載の光半導体素子。
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