JP3393634B2 - スーパールミネッセントダイオード - Google Patents

スーパールミネッセントダイオード

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JP3393634B2
JP3393634B2 JP22686196A JP22686196A JP3393634B2 JP 3393634 B2 JP3393634 B2 JP 3393634B2 JP 22686196 A JP22686196 A JP 22686196A JP 22686196 A JP22686196 A JP 22686196A JP 3393634 B2 JP3393634 B2 JP 3393634B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光ファイバジャイ
ロ、光計測器用の光源などとして有用なインコヒーレン
ト光を大きな強度でかつ小さい放射角で出射できるスー
パールミネッセントダイオードに関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性層の端面から大出力のインコヒーレ
ント光を取り出せるスーパールミネッセントダイオード
では、外部からの電流注入によって活性層内に利得を生
じさせ、さらに、活性層内で発生した光をファブリペロ
ーモードで発振させることなく、ストライプ方向に増幅
する。従って、ファブリペローモードによるレーザ発振
を抑制することが重要である。活性層の光導波路として
の特性、あるいは素子全体の寸法や電気特性は半導体レ
ーザダイオードと同様に考えられるため、電流の高注入
下でもファブリペローモードを押さえるためには、素子
端面での光の反射率を可能な限り低減することが重要と
なる。このため、端面の無反射コート、非励起領域の設
置、端面の斜めエッチング、端面埋め込みによる窓構造
等の各種対策が実施され、有効な結果を実現してきた。
【0003】従来のスーパールミネッセントダイオード
の一例を図8に示す。この従来例は、活性領域Iと接し
て吸収領域IIを設け、活性領域Iの導波路(活性層)
1の出射端面と反対側に曲がり導波路2を接続したもの
である。
【0004】活性層1はその上に形成された電極3から
電流を注入されて光を発生し、発生した光は活性層内で
増幅されて反射防止膜4が設けられた一方の端面から出
射する。反射防止膜は光の反射を完全に防ぐことができ
ないので反射した光は活性層1を経て曲がり導波路2に
入る。吸収領域側の端面5と曲がり導波路2の光軸との
交差角(θ)を臨界角以上にすると、曲がり導波路を伝
搬してきた反射光は全て端面5から出射して曲がり導波
路内には戻らない、というものである(永井他、Appl.
Phys. Lett. 54, pp. 1719 - 1721, 1989 参照)。しか
し、活性領域の導波光を伝搬させるためには曲がり導波
路2の曲率半径Rを500μm以上とする必要があるた
め、上記構造を実現するためには、吸収領域IIの長さ
として200μm以上が必要となり、素子長が大きくな
るほか、素子の横幅も大きくなるという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来素子の有する欠点を解決し、吸収領域における吸収
効率を向上し、また吸収領域側の端面の反射の影響を低
減し、さらに、これまで以上の狭出射角を有し、高出力
のインコヒーレントな光を出力用光ファイバ、あるいは
出力用光導波路素子に高効率、かつ高信頼度で接続し得
るスーパールミネッセントダイオードを実現することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明によるスーパールミネッセントダイオー
ドは、励起領域と、光出射面と反対側で前記励起領域に
隣接する吸収領域と、前記励起領域および前記吸収領域
を貫く光導波路を有する導波路型のスーパールミネッセ
ントダイオードにおいて、前記吸収領域が前記励起領域
に接する第1の吸収領域と該第1の吸収領域に接する第
2の吸収領域からなり、前記光導波路の横幅が前記第1
の吸収領域内の少なくとも第2の吸収領域側でで前記励
起領域から遠ざかるにつれて広くなっており、かつ前記
光導波路の光軸が前記第1の吸収領域と第2の吸収領域
の境界で屈曲していることを特徴とする。
【0007】好ましくは、前記光導波路の横幅が前記第
2の吸収領域内で前記第1の吸収領域から遠ざかるにつ
れて広くなっている。
【0008】前記光導波路内を前記第1の吸収領域から
前記第2の吸収領域へ向かう方向に伝搬する光が、前記
第1の吸収領域と第2の吸収領域の境界で放射を伴わず
に、前記第2の吸収領域内の光導波路に入射することが
できる。
【0009】前記光導波路の横幅および厚さの少なくと
も一方が、前記励起領域内の少なくとも前記光出射端面
に近い部分で該光出射端面に近づくに従って小さくなっ
ていることが好ましい。
【0010】前記光導波路の前記光出射端面に近い部分
が発光波長において利得を有し、また前記光導波路の前
記光出射端面に近い部分が発光波長において透明である
とよい。
【0011】前記光導波路が前記光出射端面に近い部分
において突き合わせ接合構造を有し、該突き合わせ接合
の接合面が前記光導波路の光軸に対して傾いている。
【0012】前記吸収領域に電極が設けられていてもよ
い。
【0013】ここで、前記スーパールミネッセントダイ
オードが前記励起領域と前記光出射端面の間に導波領域
を有し、前記導波領域の光導波路はその活性層の実効的
なバンドギャップが前記励起領域の光導波路の活性層の
バンドギャップより大きな半導体層または多重量子井戸
構造からなる半導体導波路層からなる。
【0014】前記光出射端面および前記第2の吸収領域
の終端の少なくとも一方に窓構造を有するとよい。
【0015】
【発明の実施の形態】まず、図1を参照して、本発明の
一実施形態を簡単に説明する。本発明においては、吸収
領域IIを励起領域Iに接する第1の吸収領域IIA
と、この第1の吸収領域IIAに接する第2の吸収領域
IIBの二つの領域で構成する。励起領域、吸収領域を
貫いて、半導体基板上に形成された活性層からなる光導
波路(励起領域内の光導波路1、第1の吸収領域内の光
導波路2A、第2の吸収領域内の光導波路2B)が形成
され、光導波路2Aの横幅は第1の吸収領域内で励起領
域から遠ざかるにつれて広くなっており、かつ光導波路
の光軸が第1の吸収領域IIAと第2の吸収領域IIB
の境界で屈曲している。
【0016】励起領域において増幅された自然放出光
は、反射防止膜4を形成した光出射端から出射される
が、その一部は反射防止膜で反射されて励起領域に戻
り、さらに吸収領域に入る。この反射光は第1および第
2の吸収領域において吸収されるが、これらの領域では
導波路幅が広いので光の横方向の閉じこめが良く、従っ
て、光が効率よく吸収される。また、これらの領域で導
波路の幅が広がる場合には、テーパ状の形状をとるの
で、それぞれの領域の境界で導波路の等価屈折率が徐々
に変化するので、各領域の境界で光の反射が起こること
はない。
【0017】また、第1と第2の吸収領域の内部にある
光導波路が一定の角度をなすので、第2の吸収領域の終
端で反射されて戻ってくる光が、第1の吸収領域の内部
の光導波路に結合する割合が低くなり、反射光の抑制が
有効に行われる。
【0018】以上のような作用によって反射光が抑制さ
れるので、従来例のような大きな曲率半径の曲がり導波
路を使用しなくてもよいので、素子全体の寸法を小さく
することができる。
【0019】なお、第1の吸収領域の内部の光導波路の
中心線と、第2の吸収領域の内部の光導波路の中心線と
がなす角、図1に示された角θ、の2分の1が、光導波
路のコアとクラッドの境界面における全反射角より大き
くなると、第1の吸収領域の光導波路から第2の吸収領
域の光導波路に入射した光は、放射されることなく第2
の吸収領域の光導波を伝搬する。もし、放射光が発生す
ると、吸収されずにクラッドを伝搬した後、吸収領域の
端にある端面で反射され、その一部が再度光導波路に結
合するので好ましくない。しかし、本発明ではこのよう
な問題は発生しない。(なお、全反射角は、全反射が起
きている場合の、屈折率の異なる媒質の境界面の法線と
光の入射角とがなす角度と定義されている。) また、出力側にテーパ状に幅が狭くなっている、または
厚さが薄くなっている光導波路を設けることにより、出
力端面での光のスポットサイズが大きくなるので、狭い
出射角が実現できる。
【0020】
【実施例】再び図1を参照して本発明のスーパールミネ
ッセントダイオードの第1の実施例を説明する。図1は
第1の実施例の模式的な上面図である。
【0021】光導波路1、2A、2Bからなる導波路構
造は、例えばInP等の半導体基板上に通常の結晶成長
法とフォトリソグラフ法によって、活性層とそれを囲む
クラッド層を堆積することによって形成できる。励起領
域Iの光導波路1はシングルモード構造である。励起領
域の上部には電流注入のための電極3が形成され、一方
素子の底面には図示しない底面電極が設けられ、接地電
位に保たれる。出射側端面には常法によって反射防止膜
4が形成されている。さらに、吸収領域の上部にも電極
6が形成されている。
【0022】図1の素子において、電極3に電圧を印加
して励起領域Iの活性層に電流を注入すると、キャリア
の再結合に伴って自然放出光が発生し、発生した光は励
起領域の光導波路中を進行する間に増幅されて、反射防
止膜4が形成されている光出射端から出力される。この
際、完全な無反射特性を有する反射防止膜は実際には製
造不可能であり、一定の反射光が励起領域に再入力する
ことになる。よって、本発明では第1と第2の吸収領域
IIA, IIBを設け、反射光の共振によるレーザ発振
を防ぐ手法を採用している。吸収領域における吸収効率
を高めるためには吸収領域の導波路幅を広くし、光閉じ
こめ率を高くすることが有効であるが、導波路幅がステ
ップ状に広がると導波構造の等価屈折率の変化率が大き
く、反射の原因となる。そこで、本発明では第1の吸収
領域IIAにおいて光導波路2Aの幅を励起領域Iの光
導波路1との接続部から第2の吸収領域IIBの光導波
路2Bとの接続部へ向かって徐々に、例えば1次関数的
にあるいは2次関数的にあるいは指数関数的にあるいは
それらを組み合わせた形状で、所用の幅まで広げること
によりこの反射を低減している。ただし、第1の吸収領
域の全域にわたって幅が広がるのでなく、励起領域の近
傍では幅が一定でもよい。また、第2の吸収領域IIB
において光導波路2Bの幅を端面5に向かって一定、ま
たは、好ましくは広げている。本実施例では光導波路2
Bの幅は直線状に広がっているが、曲線状に広がってい
てもよい。さらに光導波路2Bの中心線2bは励起領域
の光導波路1の中心線1a(第1の吸収領域の光導波路
2Aの中心線2a)とは傾けられている。第2の吸収領
域の光導波路2Bのこのような形状によって、光導波路
2Bに入射した反射光は高次の伝搬モードを励振しなが
ら吸収される。第2の吸収領域において吸収されずに素
子の後端面5に達した反射光は端面5で反射されて再び
第2の吸収領域に入射するが、光導波路2Bが端面5に
対して傾斜しているため、その反射率は低く、再入射光
は弱められる。ここで、光導波路2Bを端面5に向かっ
て伝搬する反射光の光軸が端面5の法線となす角度を大
きくしておけば、光導波路2Bに入る反射光はさらに少
なくなる。端面5で反射して第2の吸収領域と第1の吸
収領域において再び吸収されながら励起領域に達する。
しかし、このとき反射光は高次の伝搬モードを有してい
るのに対し、励起領域の光導波路1はシングルモードで
あるため、その結合率は小さい。以上の過程によって、
仮に素子の後端面5から反射光が戻ったとしても、励起
領域の光導波路1に入射する光強度は非常に弱く、レー
ザ発振は有効に抑制される。
【0023】上述した第1、第2の吸収領域を用いたレ
ーザ発振抑制法の一般的な問題点は、出力パワーが高い
場合に吸収領域内にフォトキャリアが発生し、吸収効率
が低下する点である。本発明では上述した構造に加え、
吸収領域上に独立した電極6を設け、この電極6を接地
電位とすること、あるいはpn接合に対して逆バイアス
となる電位とすることにより、フォトキャリヤを有効に
引き抜くことができ、高出力パワー時における吸収効率
の低下を防ぐことができる。吸収領域の電極6を接地電
位とするには素子の底面電極とショートサーキットを形
成するだけでよい。また、このとき吸収領域を素子の出
力光パワーモニター用のフォトダイオードとして用いる
ことも可能である。すなわち、電極6と底面電極の間
に、あるいは電極6と外部電源を結ぶ回路に電流計を挿
入することにより、吸収領域に発生したフォトキャリヤ
量を電流値として計測することができるためである。従
って、本発明のスーパールミネッセントダイオードでは
外部にフォトダイオードを外付けすることなしに出力パ
ワーの監視が可能であり、あるいは吸収領域の電極6を
利用して定出力動作用の制御回路を構成することが可能
である。
【0024】以上に説明した各構成の相乗効果によっ
て、本発明のスーパールミネッセントダイオードではレ
ーザ発振の抑制のみならず、出射光のスペクトルのリッ
プル低減が可能となった。
【0025】図2は本発明のスーパールミネッセントダ
イオードの第2の実施例の模式的上面図である。
【0026】本実施例においては、励起領域の光導波路
1が吸収領域側の一定の幅の部分1Aと出射端側の部分
1Bとからなっている。光導波路1Bの幅は出射端側に
向かってテーパー状に減少している。このような構造に
よって、光出射端に向かって光の電界閉じこめが徐々に
弱くなり、基本伝搬モードにおける界分布が広がった結
果、出力光の光出射角が非常に狭くなる。そのために、
出力用光ファイバあるいは出力用光導波路素子に対して
レンズを用いずに高効率の接続が可能になり、接続にお
ける位置ずれに関する許容度も非常に大きくなり、その
結果、実装において位置合わせ用のマーカーを用いたパ
ッシブアラインメント法が使用できる。また、接続部の
信頼性も飛躍的に向上する。
【0027】さらに、光出射端における伝搬光の波面が
平面波に近づく効果によって、反射防止膜がより有効に
働くという利点も有する。
【0028】従来の反射低減手法の一つに光出射方向を
出射端面から傾けるという方法があるが、この従来法で
は、光出射方向が出射端面において屈折することにより
変化するため、上述したパッシブアラインメント法が困
難となる。光出射方向と出射端面の角度は本発明のよう
に垂直を保つことが重要である。
【0029】図3(a)は本発明のスーパールミネッセ
ントダイオードの第3の実施例の模式的上面図、図3
(b)はその部分拡大図である。
【0030】本実施例においては、励起領域Iの出射端
側に導波路領域IIIが設けられ、この導波路領域II
Iには、図2の実施例の光導波路1Bと同様に出射端側
に向かってテーパー状に幅が小さくなっている光導波路
7が形成され、光導波路1と接続されている。光導波路
7を構成する活性層は、光導波路1を構成する活性層の
半導体層よりも実効的なバンドギャップの大きい組成を
有する半導体層であり、あるいは多重量子井戸構造を持
っている。
【0031】本実施例の構造は図2の構造に比べて設
計、製作上の自由度が大きいため、より狭い出射角を得
ることができる。しかし、この構造においては、励起領
域の活性層(光導波路1)と導波路領域の活性層(光導
波路7)の接続点において新たな反射点が形成される可
能性がある。原理的には光導波路1と光導波路7の接続
部における等価屈折率の整合が十分であれば反射は極小
となるが、実際には設計上さけられない軸ずれ、あるい
はプロセスのゆらぎ等により反射が発生することがあ
る。本実施例においては、図3(b)に示すように、こ
の結合部の界面8を伝搬する光の光軸から傾けることに
よって、反射が発生した場合にも励起領域の光導波路1
に再結合せずに放射させることによって影響を排除する
ことが可能である。
【0032】図4は本発明のスーパールミネッセントダ
イオードの第4の実施例を示し、図4(a)は模式的斜
視図、図4(b)はその励起領域Iにおける断面図、図
4(c)は導波路領域IIIの出射端面における断面図
である。図4(a)においては、電流注入電極および吸
収領域上の電極は図示を省略してある。
【0033】この実施例は、図3に示した実施例と同様
に、励起領域I、吸収領域II、および導波路領域II
Iを有し、吸収領域IIは第1の吸収領域IIAと第2
の吸収領域IIBとからなっている。
【0034】n型InP基板11にリッジ部12が形成
され、リッジ部12上には励起領域Iおよび吸収領域I
Iにおいてはリッジ部12上に光導波路を構成するMQ
W活性層13が、導波路領域IIIにおいてはInGa
AsP光導波路層14がMQW活性層13と接続して形
成されている。MQW活性層13およびInGaAsP
光導波路層14を挟んでn型InP電流ブロック層15
が形成され、それらの全体を覆ってp型InP層16が
堆積されている。出射側の端面には反射防止膜17が設
けられている。励起領域Iの上面にはInGaAsPコ
ンタクト層18を介して電流注入電極19が設けられて
いる。図示しないが、吸収領域IIの上面には同様にし
て先に説明した電極6が設けられている。n型InP基
板11の底面には底面電極20が設けられている。本実
施例の構造は図3の実施例に類似しているが、導波路領
域の光導波路層14の幅は一定であり、厚さが出射端面
に向かってテーパー状に減少している。光導波路層14
の厚さ方向のテーパー形成にはMOVPE(有機金属気
相成長法)による選択成長技術を用いた。
【0035】各部の寸法は、励起領域の長さL1が40
0μm、吸収領域の長さL2が155μm、導波路領域
の長さL3が300μm、光導波路層14の幅はMQW
活性層13の幅と同じく1.5μm、MQW活性層13
の厚さは0.3μm、光導波路層14の厚さはMQW活
性層13との接続部において0.3μm、出射端面にお
いて0.1μmである。なお、第2の吸収領域における
光導波路の端部の最大幅は7.5 μmである。
【0036】実際に作成した上述のスーパールミネッセ
ントダイオードの特性を図5、図6および図7に示す。
図5は電流−光出力特性の一例、図6は出力光スペクト
ル特性の一例(吸収領域電極は接地電位)、図7は出射
光のファーフィールドパタン特性の一例を示す特性図で
ある。それぞれ、良好な特性を示している。図5におい
て、吸収領域電極が解放の時には大出力が得られ、吸収
領域電極が接地電位の時には出力はやや低下するもの
の、図6に示すように非常にリップルの小さい出射光ス
ペクトル特性が得られており、使用目的によって特性の
選択が可能である。図7の出射光のファーフィールドパ
タンは従来素子に比べて、半値全幅が約10度と、画期的
な狭出射角特性を示すものであり、レンズなしでスポッ
トサイズ4μmの平端面光ファイバと−1.9dBとい
う高効率な接続が得られることが確認された。
【0037】以上の実施例では、InP系材料とpn埋
め込み構造の組み合わせによる素子構造を例として示し
たが、本発明のスーパールミネッセントダイオードが他
の材料系、例えばGaAs系材料、他の導波構造、例え
ばリブ型、リッジ等の組み合わせによっても実現できる
ことはいうまでもない。特に、リッジ型の導波路構造の
場合、出射端の光の電界分布を広げ、出射光が狭い出射
角を有するために、光導波路の幅を出射端面に向かって
小さくし、あるいは光導波路の厚さを出射端面に向かっ
て小さくすることが有効である。光出射側の端面、また
は素子の後端面、あるいはその両方に光導波路を構成す
る活性層の実効屈折率に比べて屈折率の小さい半導体層
による窓層を形成してもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
高出力かつスペクトルリップルの小さい良質なインコヒ
ーレント光を出射可能であり、光出力用光ファイバある
いは光出力用光導波路素子と容易にかつ高効率、高信頼
に接続し得るスーパールミネッセントダイオードを実現
することができる。
【0039】本発明によるスーパールミネッセントダイ
オードは以下に示すような効果を奏する。
【0040】(1)励起領域に比べて導波路幅を広く設
定した吸収領域を設け、レーザ発振を防ぐ手法におい
て、吸収領域を二つに分け、第1の吸収領域において導
波路幅を励起領域との接続部から横方向のテーパー形状
によって徐々に所要の幅まで広げることにより、接続部
における等価屈折率の不整合による反射の発生を防ぐこ
とができる。
【0041】また、上記第1の吸収領域において横方向
のテーパー形状なしに導波路を曲げると、曲がり部分に
おいてプロセス上の擾乱による変形が生じた場合に反射
を生じる可能性があるが、本発明の構造ではこの影響を
受けない。
【0042】(2)第2の吸収領域において素子後端の
端面に向かうにつれて導波路幅が一定もしくはさらに広
げられており、かつ光の導波方向が励起領域における光
の導波方向の延長軸上とは異なった方向に曲げられてい
ることによって、第2の吸収領域に入射した反射光は高
次の伝搬モードを励振しながら効率よく吸収される。ま
た、導波路が端面に対して傾斜しているため、素子後端
の反射率が低減される。さらに残留した弱い反射光は第
2の吸収領域と第1の吸収領域において再び吸収されな
がら励起領域に達するが、反射光は高次の伝搬モードを
有しているのに対し、励起領域の導波路はシングルモー
ドであるため、その結合率は小さい。以上の相乗効果に
よってレーザ発振は有効に抑制される。
【0043】(3)吸収領域に独立に設けた電極を接地
電位あるいは逆バイアス電位とすることにより、出力パ
ワーが高い場合に吸収領域内の吸収効率が低下する問題
を回避でき、前項の効果とさらなる相乗効果が得られる
ため、本発明のスーパールミネッセントダイオードでは
レーザ発振の抑制のみならず、出射光のスペクトルのリ
ップル低減が可能となった。
【0044】(4)吸収領域に独立に設けた電極を素子
の出力光パワーモニタ用のフォトダイオードとして用い
ることが可能である。そのために、外部にフォトダイオ
ードを外付けすることなしに出力パワーの監視が可能で
あり、あるいは定出力動作用の制御回路を構成すること
が可能である。
【0045】(5)出力光の出射角が非常に狭いため、
出力用光ファイバあるいは出力用光導波路素子に対して
レンズを用いずに高効率の接続が可能となり、接続にお
ける位置ずれに関する許容度も非常に大きいことから、
実装において位置合わせ用のマーカーを用いたパッシブ
アラインメント法が使用できる。また、長期の使用によ
って生じる接続部の微少な位置ずれの影響を受けないた
め、接続部の信頼性、ひいてはモジュールの信頼性も飛
躍的に向上する。
【0046】さらに、光出射端における伝搬光の波面が
平面波に近づく効果により、反射防止膜がより有効に働
くという利点も有する。
【0047】(6)励起領域の活性層と導波路領域の半
導体テーパー導波路層の接続点においても結合面を光軸
から傾けることにより、反射が発生した場合にも反射光
を励起領域に再結合させずに放出させることが可能であ
り、特性への影響を排除することができる。
【0048】本発明によるスーパールミネッセントダイ
オードは以上の効果を有するので、スーパールミネッセ
ントダイオードを光源として用いる光ファイバジャイ
ロ、携帯用OTDR装置、光計測機器等における素子の
実装が容易になり、実装コストが低減されるととに、こ
れらの装置の小型化が可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す模式的上面図であ
る。
【図2】本発明の第2の実施例を示す模式的上面図であ
る。
【図3】本発明の第3の実施例を示す模式的上面図であ
る。
【図4】本発明の第4の実施例を示す模式的上面図およ
び断面図である。
【図5】第4の実施例の電流−光出力特性の一例を示す
特性図である。
【図6】第4の実施例の出射光スペクトルの一例を示す
特性図である。
【図7】第4の実施例の出射光のファーフィールドパタ
ンの一例を示す特性図である。
【図8】従来のスーパールミネッセントダイオードの一
例を示す模式的上面図である。
【符号の説明】
I 励起領域 II 吸収領域 IIA 第1の吸収領域 IIB 第2の吸収領域 III 導波路領域 1 励起領域の光導波路 1a 励起領域の光導波路の中心線 2 曲がり導波路 2A 第1の吸収領域の光導波路 2a 第1の吸収領域の光導波路の中心線 2B 第2の吸収領域の光導波路 2b 第2の吸収領域の光導波路の中心線 3 電流注入用電極 4 反射防止膜 5 素子後端の端面 6 吸収領域の電極 7 導波路領域の光導波路 8 励起領域の光導波路と導波路領域の光導波路の接合
部の界面 11 n型InP基板 12 リッジ部 13 MQW活性層13 14 InGaAsP光導波路層 15 n型InP電流ブロック層 16 p型InP層 17 反射防止膜 18 InGaAsPコンタクト層 19 電流注入電極 20 底面電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 健治 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 野口 悦男 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (72)発明者 板屋 義夫 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日 本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−308577(JP,A) 特開 平2−310975(JP,A) 特開 平9−326504(JP,A) 特開 平6−45642(JP,A) 特開 平1−136382(JP,A) 特開 昭60−20589(JP,A) 特開 平1−129478(JP,A) 特開 平7−202261(JP,A) 特開 平2−205365(JP,A) 特開 平3−163891(JP,A) 特開 平7−131108(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 33/00

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起領域と、光出射面と反対側で前記励
    起領域に隣接する吸収領域と、前記励起領域および前記
    吸収領域を貫く光導波路を有する導波路型のスーパール
    ミネッセントダイオードにおいて、 前記吸収領域が前記励起領域に接する第1の吸収領域と
    該第1の吸収領域に接する第2の吸収領域からなり、 前記光導波路の横幅が前記第1の吸収領域内の少なくと
    も第2の吸収領域側で前記励起領域から遠ざかるにつれ
    て広くなっており、かつ前記光導波路の光軸が前記第1
    の吸収領域と第2の吸収領域の境界で屈曲していること
    を特徴とするスーパールミネッセントダイオード。
  2. 【請求項2】 前記光導波路の横幅が前記第2の吸収領
    域内で前記第1の吸収領域から遠ざかるにつれて広くな
    っていることを特徴とする請求項1に記載のスーパール
    ミネッセントダイオード。
  3. 【請求項3】 前記光導波路内を前記第1の吸収領域か
    ら前記第2の吸収領域へ向かう方向に伝搬する光が、前
    記第1の吸収領域と第2の吸収領域の境界で放射を伴わ
    ずに、前記第2の吸収領域内の光導波路に入射すること
    を特徴とする請求項2に記載のスーパールミネッセント
    ダイオード。
  4. 【請求項4】 前記光導波路の横幅および厚さの少なく
    とも一方が、前記励起領域内の少なくとも前記光出射端
    面に近い部分で該光出射端面に近づくに従って小さくな
    っていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに
    記載のスーパールミネッセントダイオード。
  5. 【請求項5】 前記光導波路の前記光出射端面に近い部
    分が発光波長において利得を有することを特徴とする請
    求項1から4のいずれかに記載のスーパールミネッセン
    トダイオード。
  6. 【請求項6】 前記光導波路の前記光出射端面に近い部
    分が発光波長において透明であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載のスーパールミネッセント
    ダイオード。
  7. 【請求項7】 前記光導波路が前記光出射端面に近い部
    分において突き合わせ接合構造を有し、該突き合わせ接
    合の接合面が前記光導波路の光軸に対して傾いているこ
    とを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のスー
    パールミネッセントダイオード。
  8. 【請求項8】 前記吸収領域に電極が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載のスー
    パールミネッセントダイオード。
  9. 【請求項9】 前記スーパールミネッセントダイオード
    が前記励起領域と前記光出射端面の間に導波領域を有
    し、前記導波領域の光導波路はその活性層の実効的なバ
    ンドギャップが前記励起領域の光導波路の活性層のバン
    ドギャップより大きな半導体層または多重量子井戸構造
    からなる半導体導波路層からなることを特徴とする請求
    項1から8のいずれかに記載のスーパールミネッセント
    ダイオード。
  10. 【請求項10】 前記光出射端面および前記第2の吸収
    領域の終端の少なくとも一方に窓構造を有することを特
    徴とする請求項1から9のいずれかに記載のスーパール
    ミネッセントダイオード。
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