JP2020072464A - Rfidタグ用基板、rfidタグおよびrfidシステム - Google Patents

Rfidタグ用基板、rfidタグおよびrfidシステム Download PDF

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Abstract

【課題】 周波数を調整可能なRFIDタグ用基板を提供する。【解決手段】 第1面11および第2面12を有する誘電体基板1と、誘電体基板1の第1面11に設けられた第1表面導体2と、第2面12に設けられた第2表面導体3と、第1表面導体2と第2表面導体3とを電気的に接続する短絡導体4と、誘電体基板1の内部に設けられ、第1表面導体2の一部と対向して第2表面導体3と電気的に接続されている、あるいは第2表面導体3の一部と対向して第1表面導体2と電気的に接続されている主容量導体5と、誘電体基板1の内部に設けられている少なくとも1つの副容量導体6と、誘電体基板1の露出面に設けられており、主容量導体5に電気的に接続されている第1電極7と、誘電体基板1の露出面に第1電極7と離間して並んで設けられており、副容量導体6に電気的に接続されている第2電極8と、を備えているRFIDタグ用基板30である。【選択図】 図1

Description

本開示は、RFIDタグ用基板、このRFIDタグ用基板を用いたRFIDタグおよびRFIDシステムに関する。
近年、電子マネー用のIC(Integrated Circuit)カードや在庫管理用のタグとして、RFID(Radio Frequency IDentification)システムを用いた非接触型の情報通信手段が広く使われるようになってきている。情報の授受は、リーダライタ等の外部機器との間で無線(RF)通信によって行なわれる。このようなRFIDシステムとして、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の周波数を情報通信に用いるものがあり、このUHF帯のRFIDタグとして、アンテナ機能を有する配線基板上にRFID用IC等の半導体素子が搭載されたものがある。RFIDシステムで送受される信号は、RFIDタグの半導体素子で記憶または呼び出し等が行なわれる。RFIDタグ用の配線基板としては、小型であることあることが重要であるので、アンテナ導体としての第1表面導体と第2表面導体とが誘電体である誘電体基板を挟んで対向して配置された、逆Fのアンテナ基板が用いられる場合がある。
国際公開第2007/083574号
従来のRFIDタグ用基板は半導体素子(RFID用IC)を搭載してRFIDタグとして用いる際に所定の周波数で通信できるように設計されている。しかしながら、搭載される半導体素子は、わずかではあるが内部回路の共振周波数にばらつきを有する場合がある。そのため、このような半導体素子半導体素子とRFIDタグ用基板とで発生する共振周波数によるRFIDタグの周波数にばらつきが発生し、例えば、アンテナ利得が小さくなって通信特性が低下する場合があった。
また、従来のRFIDタグ用基板では、異なる周波数のRFIDタグに用いることはできなかった。例えば日本で使用されるRFIDタグと欧州で使用されるRFIDタグとでは用いる周波数が異なり、搭載される半導体素子はこの周波数に応じたものを用いるためである。すなわち、この半導体素子の特性の違いは、上述した半導体素子のばらつきよりも大きいものであるため、日本用と欧州用とで異なる設計のRFIDタグ用基板を用いなければならず、コスト高になり易かった。
このように、従来のRFIDタグ用基板は、搭載される半導体素子に応じて共振周波数を変えることができないために不具合が生じる場合があった。
本開示の1つの態様のRFIDタグ用基板は、第1面および該第1面とは反対側の第2面を有する誘電体基板と、該誘電体基板の前記第1面に設けられた第1表面導体と、前記誘電体基板の前記第2面に設けられた第2表面導体と、前記第1表面導体と前記第2表面導体とを電気的に接続する短絡導体と、前記誘電体基板の内部に設けられ、前記第2表面導体の一部と対向して前記第2表面導体と電気的に接続されている、あるいは前記第2表面導体の一部と対向して前記第1表面導体と電気的に接続されている主容量導体と、前記
誘電体基板の内部に設けられている少なくとも1つの副容量導体と、前記誘電体基板の露出面に設けられており、前記主容量導体に電気的に接続されている第1電極と、前記誘電体基板の露出面に前記第1電極と離間して並んで設けられており、前記副容量導体に電気的に接続されている第2電極と、を備えている。
本開示の1つの態様のRFIDタグは、上記構成のRFIDタグ用基板と、該RFIDタグ用基板に搭載された半導体素子とを含む。
本開示の1つの態様のRFIDシステムは、上記構成のRFIDタグと該RFIDタグとの間で電波を送受するアンテナを備えるリーダライタとを含む。
本開示のRFIDタグ用基板によれば、第1電極と第2電極との間の電気的な接続関係を変えることで、搭載される半導体素子(RFID用IC)に応じて共振周波数を調節することが可能なものとなる。
本開示のRFIDタグによれば、周波数のばらつきが抑えられたものとなる。あるいは低コストなものとなる。
本開示のRFIDシステムによれば、上記構成のRFIDタグを含むことから、RFIDタグとリーダライタとの通信周波数のばらつきが低減されているので、物品とリーダライタとの間の情報の送受が安定したRFIDシステムを提供することができる。
(a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図1に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図3に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図5に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図7に示すRFIDタグ用基板およびRFIDタグの分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図9に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図11に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図13に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 (a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの他の一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。 図15に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。 RFIDシステムの一例を示す模式図である。
本開示の実施形態のRFIDタグ用基板、RFIDタグおよびRFIDシステムを、添付の図面を参照して説明する。各図面には、説明の便宜上、xyz直交座標を付しており、以下、z方向の正側を上方として上面等の語を用いて説明する場合がある。なお、以下の説明における上下の区別は説明上の便宜的なものであり、実際にRFIDタグ用基板、RFIDタグまたはRFIDシステムが使用されるときの上下を限定するものではない。
図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13および図15の各図における(a)はRFIDタグ用基板およびRFIDタグの一例を示す、第1面側からの平面図(上面図)であり、(b)は(a)のB−B線における断面の一例を示す断面図であり、(c)は第2面側からの平面図(下面図)である。図2、図4、図6、図8、図10、図12、図14および図16は、ぞれぞれ、図1、図3、図5、図7、図9、図11、図13および図15に示すRFIDタグ用基板の分解斜視図である。各分解斜視図において、貫通導体は太い長破線で示し、接続位置を黒丸で示している。
RFIDタグ用基板10は、第1面11および第1面11とは反対側の第2面12を有する誘電体基板1と、誘電体基板1の第1面11に設けられた第1表面導体2と、誘電体基板1の第2面12に設けられた第2表面導体3と、第1表面導体2と第2表面導体3とを電気的に接続する短絡導体4と、誘電体基板1の内部に設けられ、第1表面導体2の一部と対向して第2表面導体3と電気的に接続されている、あるいは第2表面導体3の一部と対向して第1表面導体2と電気的に接続されている主容量導体5と、誘電体基板1の内部に設けられている少なくとも1つの副容量導体6と、誘電体基板1の露出面に設けられており、主容量導体5に電気的に接続されている第1電極7と、誘電体基板1の露出面に第1電極7と離間して並んで設けられており、副容量導体6に電気的に接続されている第2電極8と、を備えている。
RFIDタグ用基板10をRFIDタグ100として用いる際には、誘電体基板1の露出面にRFID用ICである半導体素子20が搭載され、RFIDタグ用基板10の第1面11または第2面12が外部(後述する物品等)に接合されて実装される。
誘電体基板1は、第1表面導体2および第2表面導体3等の導体部分を互いに電気的に絶縁させて配置するための電気絶縁性の基体として機能する。また、誘電体基板1は、半導体素子20等の部材を搭載して固定するための基体としても機能する。誘電体基板1は例えば、複数の誘電体層が積層されてなるものであり、図1〜図16に示す例では4層の誘電体層が積層されて一体化されたものである。誘電体層の層数はこれに限られるものではない。
誘電体基板1は、図1〜図4、図11および図12に示す例のRFIDタグ用基板10は平板状であり、図5〜図10、図13〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10は第1面11に凹部1aを1つ有する形状である。凹部1aを第2面12に有するものであってもよい。凹部1aを有する場合には、凹部1a内に半導体素子20を収容して搭載することで、半導体素子20がRFIDタグ用基板10の第1面11または第2面12から突
出しないようにすることができる。これにより半導体素子20が外部の物体等にぶつかる可能性が低減されるのでRFIDタグ100の信頼性が高いものとなる。
誘電体基板1には、第1表面導体2および第2表面導体3といった導体部分が設けられている。これら導体部分のうち、第1表面導体2、第2表面導体3およびこれらを電気的に接続している短絡導体4で、後述するリーダライタ200のアンテナ201との間で電波を送受するアンテナ(逆Fアンテナ)を構成している。逆Fアンテナはパッチアンテナをベースにしたアンテナであり、金属製の物品へ直接取り付けることが可能で、またパッチアンテナより小型化ができる点でRFIDタグ用基板10に適している。
この第1表面導体2は上述したようにアンテナ導体であり、外形が四角状のアンテナ導体の端部分(第1表面導体2の1つの辺に近い外周部)に短絡導体4の上端部分が接続されている。すなわち、短絡導体4は第1表面導体2の外周部の一部のみにおいて第1表面導体2と接続している。このように短絡導体4が第1表面導体2の中央部ではなく外周部に偏った位置で接続されているため、第2表面導体3とともに逆F型アンテナとして効果的に機能するアンテナを構成できる。図1〜図8および図11〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10は短絡導体4を1つ有しているが、図9および図10に示す例のRFIDタグ用基板10は短絡導体4を3つ有している。少なくとも1つの短絡導体4を有していればよく、2つあるいは4つ以上であってもよい。短絡導体4の数が多いと電気抵抗が小さくなって損失が小さくなるので、高利得化できる。
また、誘電体基板1の内部に設けられ、第1表面導体2の一部と対向して第2表面導体3と電気的に接続されている、あるいは第2表面導体3の一部と対向して第1表面導体2と電気的に接続されている主容量導体5を有している。これによって、所定の静電容量をアンテナ導体に付与する機能を有している。第1表面導体2と第2表面導体3との間の容量成分が大きくなるので、周波数が低いアンテナとなる。同じ周波数で用いるのであれば第1表面導体2および第2表面導体3を小さくすることができ、逆Fアンテナをより小型化することができる。主容量導体5は、短絡導体4が接続されている端部分とは反対側の端から中央部に向かって伸びている。そして、短絡導体4が接続されている端部分とは反対側の端において、容量接続導体5aによって第1表面導体2あるいは第2表面導体3と電気的に接続されている。なお、図1〜図16に示す例では、主容量導体5は誘電体層を間に挟んで第2表面導体3の一部と対向して第1表面導体2と電気的に接続されている。図1〜図8および図11〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10は容量接続導体5aを1つ有しているが、図9および図10に示す例のRFIDタグ用基板10は容量接続導体5aを3つ有している。少なくとも1つの容量接続導体5aを有していればよく、2つあるいは4つ以上であってもよい。容量接続導体5aの数が多いと電気抵抗が小さくなって損失が小さくなるので、高利得化できる。
図1〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10においては、第1表面導体2は開口を有している。図1〜図12、図15および図16に示す例のRFIDタグ用基板10では、誘電体基板1が平板状である場合には第1面11の開口内が露出面であり、誘電体基板1が凹部1aを有する場合には開口内に凹部1aが設けられ、凹部1aの底面が露出面となる。この露出面に半導体素子20が搭載され、第1電極7および第2電極8が配置されている。図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10では、第1面11に凹部1aを有しており、凹部1a内に半導体素子20が搭載されているが、第2面12の第2表面導体3も開口を有しており、第2面12の開口内が露出面である。そのため第2面12に第1電極7および第2電極8が配置されている。
RFIDタグ用基板10は、誘電体基板1の内部に少なくとも1つの副容量導体6を有している。副容量導体6の数は、図1および図2に示す例では1つであり、図3〜14に
示す例では2つであり、図15および図16に示す例では3つである。副容量導体6と主容量導体5とで容量導体が形成される。副容量導体6と主容量導体5とが電気的に接続されることで容量導体が大きくなり、アンテナ導体に付与される静電容量が増加する。副容量導体6が主容量導体5と電気的に接続された状態から電気的に遮断されることで容量導体が小さくなり、アンテナ導体に付与される静電容量が減少する。すなわち、静電容量の増減によって周波数を調整することができる。
誘電体基板1の露出面に設けられている第1電極7は主容量導体5に電気的に接続されており、誘電体基板1の露出面に第1電極7と離間して並んで設けられている第2電極8は副容量導体6に電気的に接続されている。上述した、主容量導体5と副容量導体6との電気的な接続関係は、第1電極7と第2電極8との間の電気的な接続によって決定される。第1電極7および第2電極8は、誘電体基板1の露出面に並んで設けられているので、第1電極7と第2電極8との間の電気的な接続関係の変更が容易にできる。
図1〜図4および図9〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10では、誘電体基板1の露出面に第1電極7と第2電極8とは離間して並んで設けられている。離間している第1電極7と第2電極8とを、ボンディングワイヤ、導電性ペースト、はんだ等の導電性接続材30で電気的に接続することで容量導体が主容量導体5と副容量導体6とからなるものとなり、アンテナ導体に付与される静電容量を増加させ、周波数を低くすることができる。第1電極7と第2電極8との電気的に接続に、半導体素子20とRFIDタグ用基板10との電気的接続と同じ方法、例えばワイヤボンディングを用いると、これらを同時に行なうことができるので、より低コストでRFIDタグ100を作製することができる。
図1に示す例のRFIDタグ100においては、RFIDタグ用基板10の露出面には第1電極7、第2電極8および第3電極9が設けられている。第1電極7は第1接続導体7a、主容量導体5および容量接続導体5aを介して第1表面導体2に電気的に接続されている。第2電極8は第2接続導体8aによって副容量導体6と電気的に接続されている。第3電極9は第3接続導体9aによって第2表面導体3と電気的に接続されている。第1接続導体7a、第2接続導体8aおよび第3接続導体9aはいずれも複数の誘電体層を貫通する貫通導体である。そして、半導体素子(RFID用IC)20の電極(不図示)とRFIDタグ用基板10の電極(第1電極7および第3電極9)とがボンディングワイヤで接続されている。これによりRFIDタグ100として機能し、第1電極7、第3電極9および半導体素子20は、RFIDタグ100における給電部を構成する。RFIDタグ用基板10の第1電極7と第2電極8との電気的に接続もまた導電性接続材30としてボンディングワイヤで接続されている。これにより、図1に示す例のRFIDタグ用基板10は、図2に示す第1電極7と第2電極8との接続をする前のRFIDタグ用基板10に対して、周波数を低くするように容量が調節されている。すなわち、1つのRFIDタグ用基板10で2つの異なる周波数に対応することができる。例えば、日本でRFIDタグ用いられる周波数と欧州でRFIDタグに用いられる周波数とに対応するように、主容量導体5と副容量導体6の大きさを設定することができる。
図3に示す例のRFIDタグ100においては、2つの副容量導体6(61,62)が主容量導体5と同じ誘電体層間に並んで設けられている。2つの副容量導体6(61,62)は2つの第2電極8(81,82)にそれぞれ第2接続導体8aで接続されている。この例における第2接続導体8aは、誘電体層を貫通する貫通導体と誘電体層間の導体層とで構成されている。第1電極7と隣の第2電極81とがボンディングワイヤ30で接続され、この第2電極81はさらに隣の第2電極82とボンディングワイヤ30で接続されている。これにより、容量導体は主容量導体5と2つの副容量導体6(61,62)とで構成されている。第1電極7と第2電極81の間および2つの第2電極81,82間を接続する前の、図4に示す例のRFIDタグ用基板10に対して、周波数を低くするように
容量が調節されている。2つの第2電極81,82間を接続せず、第1電極7と離れている第2電極82とを接続してもよい。また、2つの第2電極81,82間のうちのいずれか1つだけを第1電極7と接続すると、容量の増加量すなわち周波数の増大量を小さくすることができる。すなわち、副容量導体6の数に応じて周波数の増加量を調節することができる。搭載される半導体素子20の内部回路の共振周波数は製造ロット毎にわずかではあるがばらつきがある。例えばこのばらつきを3段階に分け、半導体素子20の周波数が最も高い段階の周波数である場合には主容量導体5のみを容量導体とし、最も低い周波数の場合は2つの副容量導体6を接続し、中間の周波数の場合は1つの副容量導体6を接続するようにすればよい。
図5に示す例のRFIDタグ100においては、図3に示す例と同様に2つの副容量導体6(61,62)と2つの第2電極8(81,82)を備えているが、第1電極7、第2電極8および第3電極9の並びが異なっている。第1電極7および第2電極8は半導体素子20より短絡導体4に近い位置に(−x方向に)、半導体素子20に近い方から(x方向に)第1電極7、第2電極81,82の順で配置されている。また、平面透視で第3電極9が主容量導体5と重なる位置にあるので、第3電極9と第2表面導体3とを接続する第3接続導体9aは主容量導体5を貫通している。主容量導体5には、第3接続導体9aと短絡しないように開口が設けられている。そして、図5および図6に示す例におけるRFIDタグ用基板10では、第1電極7と隣の第2電極81間および2つの第2電極81,82間は電極間導体7bで電気的に接続されている。このように、誘電体基板1の露出面において、第1電極7と第2電極8とが電極間導体7bを介して電気的に接続されているRFIDタグ用基板10とすることができる。
このようなRFIDタグ用基板10は、図3および図4に示す例が周波数を低くする調整が可能であったのに対して、周波数を高くする調整が可能なものとなる。図5および図6に示す例のRFIDタグ用基板10は周波数を調整していない場合であり、主容量導体5と2つの副容量導体6(61,62)とが電気的に接続されている。よってこの場合の容量導体は主容量導体5と2つの副容量導体6で構成されている。これに対して、2つの第2電極8(81,82)間の電極間導体7bを切断すると周波数を高くすることができ、第1電極7と第2電極8(81)との間の電極間導体7bを切断すると周波数をさらに高くすることができる。電極間導体7bの切断は、例えば、切削加工やレーザー加工(レーザートリミング)で行なうことができる。周波数の調整が2段階でよい場合には副容量導体6および第2電極8は1つであってもよい。また、副容量導体6および第2電極8の数を4つ以上にすることもできる。
図7に示す例のRFIDタグ100においては、図5に示す例と同様に2つの副容量導体6(61,62)と2つの第2電極8(81,82)を備えているが、第1電極7、第2電極8の並びが異なっている。2つの第2電極8(81,82)で第1電極7をy方向に挟むように配列されている。これにより、凹部1aおよび第1表面導体2の開口のx方向の長さが短くなっており、第1表面導体2の面積が大きくなっている。これにより、より高利得化することができる。そして、図7および図8に示す例におけるRFIDタグ用基板10では、第1電極7と隣の一方の第2電極81と間は電極間導体7bで電気的に接続され、第1電極7と隣の他方の第2電極82とは離間しており、電気的に接続されていない。
このように、副容量導体6(61,62)および第2電極8(81,82)を複数個備えており、複数の第2電極81,82は複数の副容量導体61,62のそれぞれに接続され、第2電極81が電極間導体7bを介して第1電極7に電気的に接続されているものを含んでいるRFIDタグ用基板10とすることができる。すべての第2電極8(81,82)が電極間導体7bを介して第1電極7に電気的に接続されている場合は、図5および
図6に示す例である。図7および図8に示す例のように、第1電極7に接続されている第2電極8(81)と第1電極7に接続されていない第2電極8(82)とを有する場合には、周波数の調整が大きくする場合と小さくする場合の両方が可能となる。例えば、上述したように半導体素子20の周波数のばらつきを3段階に分けた際に、半導体素子20の周波数が最も小さい周波数である場合には第1電極7と一方の第2電極81との間の電極間導体7bを切断し、最も大きい周波数の場合は第1電極7と他方の第2電極82との間を導電性接続材30で電気的に接続すればよい。
上述したように、図5〜図10、図13〜図16に示す例のRFIDタグ用基板10の誘電体基板1は、第1面11に凹部1aを1つ有する。図5、図7、図9、図13および図15に示す例のRFIDタグ100では、凹部1aの底面に半導体素子20が搭載されている。また、図5〜図10、図15および図16に示す例のRFIDタグ用基板10においては凹部1aの底面に第1電極7、第2電極8および第3電極9が設けられている。図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10においては、凹部1aの底面には第3電極9が設けられている。
図5〜図10、図15および図16に示す例のように、誘電体基板1が第1面11または第2面12のいずれかに凹部1aを有しており、凹部1aの底面に第1電極7および第2電極8が設けられているRFIDタグ用基板10とすることができる。このような場合には、周波数を調節するための第1電極7および第2電極8がRFIDタグ用基板10の最外表面に位置していない。そのため、外部の導電性の物体に接触することよって、第1電極7と第2電極8(81,82,83)との間または第2電極8(81,82,83)間で不所望の短絡が発生する、あるいは導電性接続材30による接続が切断される可能性が低減される。よって、RFIDタグ100の動作の信頼性が向上する。
図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10において、凹部1aの底面に第1電極7および第2電極8を設けるには、容量導体(主容量導体5および副容量導体6)と第2表面導体3との間に2層の誘電体層を設けて、第2表面導体3が接している誘電体層(最下層の誘電体層)に貫通孔を形成して第2面12に凹部1aを設けることができる。あるいは、図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10における最下層の誘電体層に貫通孔を形成して第2面12に凹部1aを設け、主容量導体5および副容量導体6(61,62)の凹部1aの底面に露出した部分をそれぞれ第1電極7および第2電極8(81,82)とみなしてもよい。
図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10のように、容量導体(主容量導体5および副容量導体6)が対向している表面導体(第2表面導体3)が設けられている側に第1電極7および第2電極8(81,82)を設けると、誘電体基板1の表面導体(第2表面導体3)が設けられている面(第2面12)側に露出面を設けなければならない。そのため、容量導体(主容量導体5および副容量導体6)が対向している表面導体(第2表面導体3)に開口を設けなければならない。開口の分だけ容量導体(主容量導体5および副容量導体6)と表面導体(第2表面導体3)との対向面積が小さくなるので、開口を有さない場合に対してアンテナ導体に付与される静電容量が小さくなってしまう。よって、第1電極7および第2電極8は、容量導体(主容量導体5および副容量導体6)を挟んで、容量導体(主容量導体5および副容量導体6)が対向する表面導体(第1表面導体2、第2表面導体3)とは反対側に位置するように配置するとよい。
図1〜図8、図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10では、主容量導体5と副容量導体6(61,62)とは平面透視でx方向に並んで配置されているが、図9および図10に示す例のRFIDタグ用基板10のように、これらがy方向に並んで配置されていてもよい。
また、図3〜図8に示す例のRFIDタグ用基板10では、2つの副容量導体6(61,62)は互いに同じ形状、同じ面積であるのに対して、図9および図10に示す例のRFIDタグ用基板10のように、複数の副容量導体6(61,62)はその形状および/または面積が互いに異なるものであってもよい。面積が異なる場合には、主容量導体5に接続される副容量導体6によって、アンテナ導体に付与される静電容量、周波数の調整量を異ならせることができる。図9および図10に示す例のRFIDタグ用基板10においては、主容量導体5に対して+y方向に位置する副容量導体61の面積より−y方向に位置する副容量導体62の方の面積の方が大きい。そのため、副容量導体61と第2表面導体3との間に形成される静電容量よりも副容量導体62と第2表面導体3との間に形成される静電容量の方が大きい。例えば、上述したように半導体素子20の周波数のばらつきを3段階に分けた際に、半導体素子20の周波数が最も高い周波数である場合には第1電極7と第2電極8(81.82)との間を電気的に接続せず、最も低い周波数の場合は第1電極7と面積の大きい第2電極82とを電気的に接続し、中間の周波数の場合は第1電極7と面積の小さい副容量導体61に接続されている第2電極81とを電気的に接続すればよい。
また、図11および図12に示す例のようなRFIDタグ用基板10の場合も、主容量導体5に接続される副容量導体6によって、アンテナ導体に付与される静電容量、周波数の調整量を異ならせることができる。この例においても2つの副容量導体6(61,62)を備えている。これらは、図1〜図8、図13および図14に示す例のRFIDタグ用基板10と同様に、主容量導体5と2つの副容量導体6(61,62)とは平面透視でx方向に並んで配置されているが、2つの副容量導体6(61,62)は対向する第2表面導体3からの距離が互いに異なっている。主容量導体5に近い位置にある副容量導体61と第2表面導体3との距離よりも主容量導体5から遠い位置にある副容量導体62と第2表面導体3との距離の方が大きい。そのため、副容量導体61と第2表面導体3との間に形成される静電容量よりも副容量導体62と第2表面導体3との間に形成される静電容量の方が小さい。例えば、上述したように半導体素子20の周波数のばらつきを3段階に分けた際に、半導体素子20の周波数が最も高い周波数である場合には第1電極7と第2電極8(81.82)との間を電気的に接続せず、最も低い周波数の場合は第1電極7と第2表面導体3との距離が小さい副容量導体61に接続されている第2電極81とを電気的に接続し、中間の周波数の場合は第1電極7と第2表面導体3との距離が大きい第2電極82とを電気的に接続すればよい。
図15に示す例のRFIDタグ100においては、全体の構成は図5に示す例と同様であるが、副容量導体6および第2電極8の数が異なっている。図5に示す例のRFIDタグ用基板10が2つの副容量導体6(61,62)と2つの第2電極8(81,82)を備えているのに対して、図15に示す例のRFIDタグ用基板10は3つの副容量導体6(61,62,63)と3つの第2電極8(81,82,83)を備えている。副容量導体6の数が多いので、より細かい周波数の調整が可能となる。また、この例では第1電極7と3つの第2電極8(81,82,83)との間は電気的に接続されていないので、周波数を低くする方向の調整が可能である。
そして、この例のRFIDタグ用基板10は、3つの副容量導体6(61,62,63)を備えており、これらの面積比率は1:2:4である。図15において最も面積の小さい副容量導体61の面積をS1、最も面積の大きい副容量導体63の面積をS3、中間の面積の副容量導体62の面積をS2とすると、S1:S2:S3=1:2:4である。副容量導体61、副容量導体62および副容量導体63は、ぞれぞれ、第2電極81、第2電極82および第2電極83にそれぞれ接続されている。第1電極7と第2電極81,82,83との電気的接続によって、7段階の周波数の調整(周波数を低くする調整)をす
ることができる。より具体的には、図15に示す例においては、最も面積の小さい副容量導体61の面積S1は、主容量導体5の面積の約2.5%である。そのため、主容量導体5と副容量導体6とを合わせた容量導体全体の面積(および容量導体と第2表面導体3との間の容量)を、+2.5%〜+17.5%まで、2.5%ずつの7段階で増加することができる。つまり、3つの副容量導体6(61,62,63)および第2電極8(81,82,83)で、等間隔の7段階の容量導体の面積(容量)を設定することができるので、周波数の調整をきめ細かに行なうことのできるRFIDタグ用基板10となる。最も面積の小さい副容量導体61の面積S1の主容量導体5の面積に対する比率は、これに限られるものではなく、想定される周波数ばらつきの程度に応じて設定することができる。
なお、第1電極7と第2電極81,82,83とがそれぞれ電極間導体7bで接続されているRFIDタグ用基板10とすることができる。この場合には、電極間導体7bを切断して容量導体の面積を7段間で減少させて周波数を7段階で高くする方向の調整が可能となる。
また、3つの副容量導体61,62,63の面積を同じにして、3つの副容量導体61,62,63と、これらと対向して容量を形成する第2表面導体3(または第1表面導体2)との距離の比率が1;2;4であるRFIDタグ用基板10とすることができる。この場合でも容量導体と第2表面導体3(または第1表面導体2)との間に形成される容量を7段階に調整することができる。
このように、3つの副容量導体6(61,62,63)の面積比率、あるいは3つの副容量導体6(61,62,63)と第2表面導体3(または第1表面導体2)との距離の比率を1:2:4とすることで、周波数を7段階で調整することが可能となる。距離の比率の設定に比較して、面積比率の設定の方が作製コストの観点では有利である。
誘電体基板1は、例えば一辺の長さが2mm〜40mmで、厚みが0.3mm〜3mmである矩形状の平板状である。
誘電体基板1は、例えば、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体またはガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体によって形成されている。誘電体基板1は、例えばガラスセラミック焼結体からなる場合であれば、次のようにして製作することができる。まず、ガラス成分となる酸化ケイ素、酸化ホウ素およびフィラー成分となる酸化アルミニウム等の粉末を主成分とする原料粉末を、有機溶剤、バインダと混練してスラリーとするとともに、このスラリーをドクターブレード法またはリップコータ法等の成形方法でシート状に成形して誘電体基板1の誘電体層となるセラミックグリーンシート(以下、グリーンシートともいう)を作製する。次に、複数のグリーンシートを積層して積層体を作製する。その後、この積層体を約900〜1000℃程度の温度で焼成することによって誘電体基板1を製作することができる。
誘電体基板1を含むRFIDタグ用基板10は、このようなRFIDタグ用基板10となる複数の配線基板領域が母基板に配列された多数個取り配線基板として製作することもできる。複数の配線基板領域を含む母基板を、配線基板領域毎に分割して複数のRFIDタグ用基板10をより効率よく製作することもできる。この場合には、母基板のうち配線基板領域の境界に沿って分割用の溝が設けられていてもよい。
実施形態のRFIDタグ用基板10では、上記セラミックグリーンシートが焼成されてなる複数の誘電体層(符号なし)が互いに積層されて誘電体基板1を形成している。このときに、一部のセラミックグリーンシートを厚み方向に打ち抜いて枠状に加工しておき、枠状のセラミックグリーンシートを最外層(最上層、最下層)等に積層して焼成すれば、
凹部1aを有する誘電体基板1を製作することができる。このようにして作製された誘電体基板1は、それぞれのセラミックグリーンシートが焼結してなる複数の誘電体層が互いに積層された積層体になっている。図5〜図10、図13〜図16に示す例において凹部1aは2層の誘電体層を貫通するものであるが、1層あるいは3層以上を貫通するものとすることもできる。
第1表面導体2および第2表面導体3は短絡導体4とともに逆Fアンテナを構成する導体であり、誘電体基板1と同様の矩形である導体層である。第2表面導体3の外寸を第1表面導体2の外形寸法より一回り大きくすることで、両者間の結合がRFIDタグ用基板10の作製時の位置ずれ等でばらつかないようにすることができる。
短絡導体4は、第1表面導体2と第2表面導体3とを電気的に接続するものであり、図1〜図16に示す例では、誘電体基板1を厚み方向に貫通する貫通導体である。短絡導体4は、誘電体基板1の側面に設けた側面導体とすることもできる。上述したように、短絡導体4は1つの貫通導体のみで構成することもできるが、複数の貫通導体で短絡導体4が構成されているときには、短絡導体4の導通抵抗を低減して接地電位を効果的に安定させること等において有利である。これらの複数の貫通導体は、例えば、第1表面導体2の外周部の一部に、互いに隣り合って配置される。
容量導体(主容量導体5および副容量導体6)は、上述したように、所定の静電容量をアンテナ導体に付与する機能を有している。第1表面導体2と第2表面導体3との間の容量成分を大きくしてRFIDタグ用基板10を小型化するためには、主容量導体5の面積を大きくすればよい。
容量導体(主容量導体5)の第1表面導体2または第2表面導体3との対向面積は、小型化の点では大きい方が有利であるが、高利得化の点では小さい方がよい。このような点およびRFIDタグ100としての生産性および経済性等を考慮したときに、例えば、平面視において第1表面導体2または第2表面導体3の面積の10〜90%程度の範囲で、主容量導体5と第1表面導体2または第2表面導体3とが互いに対向し合うように設定すればよい。
副容量導体6(61,62,63)はアンテナ導体に付与される静電容量値を調整して、周波数を調整するためのものである。そのためその調整量に応じて面積および配置を決定することができる。
第1電極7、第2電極8(81,82,83)および第3電極9の形状および配置は特に限定されるものではない。
第1表面導体2、第2表面導体3、短絡導体4、主容量導体5、容量接続導体5a、副容量導体6(61,62,63)、第1電極7、第1接続導体7a、第2電極8(81,82,83)、第2接続導体8a、第3電極9、第3接続導体9aといった導体部分は、例えば、タングステン、モリブデン、マンガン、銅、銀、パラジウム、金、白金、ニッケルまたはコバルト等の金属材料によって形成されている。また、これらの導体部分は上記の金属材料を含む合金材料等によって形成されているものでもよい。このような金属材料等は、メタライズ導体またはめっき導体等の導体として誘電体基板1の所定部位に設けられている。この導体は、例えば誘電体層の露出表面または誘電体層同士の層間に層状に設けられたものと、誘電体層を厚み方向に貫通する貫通孔(符号なし)内に充填された柱状等のものとを含んでいる。
上記の導体部分は、誘電体基板1が上述したようなガラスセラミック焼結体からなる場
合であれば、例えば銅のメタライズ層で形成することができる。例えば、銅の粉末を有機溶剤および有機バインダと混合して作製した金属ペーストを誘電体基板1となるセラミックグリーンシートの所定位置にスクリーン印刷法等の方法で印刷した後に、これらを同時焼成する方法で形成することができる。
短絡導体4、容量接続導体5a、第1接続導体7a、第2接続導体8a、および第3接続導体9a等の貫通導体は、あらかじめセラミックグリーンシートに貫通孔を設けておき、この貫通孔内に上記と同様の金属ペーストを充填して焼成することで形成することができる。貫通孔は、機械的な孔あけ加工またはレーザー加工等の方法でセラミックグリーンシートに設けることができる。
また、このような導体部分がメタライズ層で形成されるときに、そのメタライズ層の露出表面をニッケル、コバルト、パラジウムおよび金等から適宜選択されためっき層で被覆して、酸化腐食の抑制および後述する半導体素子20との電気的接続を行なう接続部材の接合性等の特性の向上を行なうようにしてもよい。
RFIDタグ100は、上記のようなRFIDタグ用基板10と、RFIDタグ用基板10に搭載され半導体素子20とを含んでいる。本開示の1つの態様のRFIDタグによれば、上記構成のアンテナ特性の向上したRFIDタグ用基板10を含むことから、周波数のばらつきが抑えられ、通信特性に優れたたものとなる。あるいは、異なる周波数の半導体素子20を1つのRFIDタグ用基板10で作製することができるので低コストなものとなる。
図1,図3,図5,図7,図9,図11および図15に示す例では、半導体素子20は第1電極7と第3電極9に電気的に接続され、図13に示す例では、半導体素子20は2つの第3電極9に電気的に接続されている。これらの図においては、半導体素子20の端子(不図示)と第1電極7や第3電極9とは導電性接続材30としてボンディングワイヤで電気的に接続されている。導電性接続材30としては、はんだあるいは導電性ペーストをもちいることもできる。半導体素子20は接合材(不図示)でRFIDタグ用基板10の誘電体基板1における露出面に固定されている。接合材は、例えば金−シリコン(Au−Si)ろう等の低融点ろう材、ガラス複合材料または樹脂接着剤を用いることができる。また、露出面に半導体素子20の固定用の金属膜を設けることができる。
なお、半導体素子20は、封止樹脂で封止することができる。封止樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂およびシリコーン樹脂等が挙げられる。また、これらの樹脂材料にシリカ粒子またはガラス粒子等のフィラー粒子が添加されていても構わない。フィラー粒子は、例えば、封止樹脂の機械的な強度、耐湿性または電気特性等の各種の特性を調整するために添加される。封止樹脂は、このような各種の樹脂材料から、RFIDタグ100の生産時の作業性(生産性)および経済性等の条件に応じて適宜選択して用いることができる。誘電体基板1が平板状である場合は半導体素子20が搭載されている領域だけを封止樹脂で覆ってもよいし、この領域を含む第1面11または第2面12の全体を覆ってもよい。誘電体基板1が凹部1aを有し、凹部1a内に半導体素子20が収容されている場合は、封止樹脂で半導体素子20を覆って凹部1aを充填すればよい。
凹部1aを蓋体で塞ぐことで半導体素子20が封止することもできる。蓋体は、例えば金属、セラミックスからなる平板状のもので、樹脂接着剤、導電性接着剤、はんだ、ろう材等の接合材で第1表面導体2または第2表面導体3に接合される。このとき、金属等の導電性の材料からなる導電性の蓋体を用いて、導電性接着剤、はんだ、ろう材等の導電性の接合材を用いて、第1表面導体2または第2表面導体3に電気的に接続されるようにして接合することができる。このようにすると、蓋体が第1表面導体2または第2表面導体
3の一部として機能するので、凹部1aを設けてアンテナ導体の面積が減少することによるアンテナ特性への影響を改善することができる。上記した封止樹脂で封止した後に蓋体を設けてもよい。このとき封止樹脂の上面から第1表面導体2または第2表面導体3にかけて導電性樹脂を設けて導電性の蓋体とすると同時に、第1表面導体2または第2表面導体3に電気的に接続することもできる。
半導体素子20は上述したようにRFID用ICである。後述するRFIDシステム600において、RFIDタグ100が実装される物品300の情報等が記憶されている。
図17はRFIDシステム600を示す模式図であり、RFIDタグ100の斜視図およびリーダライタ200の斜視図を含んでいる。RFIDシステム600は、上記構成のRFIDタグ100と、RFIDタグ100のアンテナ導体との間で電波を送受するアンテナ201を備えるリーダライタ200とを含んでいる。RFIDタグ100は物品300に固定されている。
このようなRFIDシステム600によれば、上記構成のRFIDタグ100を含むことから、RFIDタグ100とリーダライタ200との通信周波数のばらつきが低減されているので、物品300とリーダライタ200との間の情報の送受が安定したRFIDシステム600を提供することができる。
リーダライタ200は、例えば電気絶縁材料からなる基体にアンテナ201が設けられて形成されている。基体はアンテナ201を収容する筐体で、筐体内にはアンテナ201に接続された回路を有し、また、この回路に接続されており、RFIDタグ100の情報等が表示される表示部、情報の書き換え等を行なう入力部等を備えるものであってもよい。
RFIDタグ100が実装される物品300は、使用に際して、その使用履歴等が必要な各種の物品である。例えば、機械加工、金属加工、樹脂加工等の各種の工業用加工において用いられるジグまたは工具等の用具が挙げられる。この用具には、切削または研磨等の消耗性のものも含まれる。また、工業用に限らず、家庭用の日用品、農産物、交通機関用等の各種のプリペイドカードおよび医療用の器具等も上記の物品300に含まれる。
RFIDタグ100の物品300への実装は、例えば、RFIDタグ用基板10の第2表面導体3が物品300の金属部に接地する形態で行なわれる。このような実装の形態とすることで、物品300の金属部をRFIDタグ100のアンテナ(上記逆Fアンテナ等)の第2表面導体3として機能させることもできる。これによって、アンテナの利得が向上し、RFIDタグ100の通信範囲を広げることもできる。つまり、物品300とリーダライタ200との間の情報の送受の距離を大きくすること等について有利なRFIDシステム600を形成することができる。
また言い換えれば、上記実施形態のRFIDタグ100を含むRFIDシステム600によれば、金属部を含む物品300、さらには金型、はさみ等の切断用具等の金属製の物品300であっても、良好にリーダライタ200のアンテナ201との間で電波の送受が可能なRFIDシステム600を構成することができる。つまり、物品(金属)による電磁誘導に妨げられる可能性を低減することができる。したがって、例えば複数の金属製の物品300とリーダライタ200との間で同時に情報(電波)の授受が容易になり、実用性が効果的に向上したRFIDシステム600を構成することができる。
RFIDタグ用基板10の凹部1a設けた下面を物品への実装面とすると、実装面に設けられた表面導体は凹部1aの部分に開口を有する形状となる。RFIDタグは凹部を物
品の表面で塞ぐようにして実装する、すなわち、例えばRFIDタグは、下面を金属製の物品の表面に接触あるいは近接させて接合材で接合して用いられる。すると、凹部が存在する部分では、誘電体基板の下面に表面導体が存在しないので、上面の表面導体と接地電位を有する層との間の距離は上面の表面導体と物品の表面との距離となる。この距離は、接合材の厚みによって変動し、接合材の厚みばらつきによって距離もばらつきが出てしまう。このような上面の表面導体と接地電位を有する層との間の距離のばらつきに起因して共振周波数がばらついてしまい、物品への実装状態によって共振周波数がずれる場合がある。そのため、凹部1aを有さない面を実装面とすることができる。上述したように、R凹部1aを導電性の蓋体で塞ぐことで、接合材の厚みばらつきによる不具合を抑えることもできる。
1・・・誘電体基板
11・・・第1面
12・・・第2面
1a・・・凹部
2・・・第1表面導体
3・・・第2表面導体
4・・・短絡導体
5・・・主容量導体
5a・・・容量接続導体
6(61,62、63)・・・副容量導体
7・・・第1電極
7a・・・第1接続導体
7b・・・電極間導体
8(81、82、83)・・・第2電極
8a・・・第2接続導体
9・・・第3電極
9a・・・第3接続導体
10・・・RFIDタグ用基板
20・・・半導体素子
30・・・導電性接続材(ボンディングワイヤ)
100・・・RFIDタグ
200・・・リーダライタ
201・・・アンテナ
300・・・物品
600・・・RFIDシステム

Claims (8)

  1. 第1面および該第1面とは反対側の第2面を有する誘電体基板と、
    該誘電体基板の前記第1面に設けられた第1表面導体と、
    前記誘電体基板の前記第2面に設けられた第2表面導体と、
    前記第1表面導体と前記第2表面導体とを電気的に接続する短絡導体と、
    前記誘電体基板の内部に設けられ、前記第1表面導体の一部と対向して前記第2表面導体と電気的に接続されている、あるいは前記第2表面導体の一部と対向して前記第1表面導体と電気的に接続されている主容量導体と、
    前記誘電体基板の内部に設けられている少なくとも1つの副容量導体と、
    前記誘電体基板の露出面に設けられており、前記主容量導体に電気的に接続されている第1電極と、
    前記誘電体基板の露出面に前記第1電極と離間して並んで設けられており、前記副容量導体に電気的に接続されている第2電極と、
    を備えているRFIDタグ用基板。
  2. 前記誘電体基板の露出面において、前記第1電極と前記第2電極とが電極間導体を介して電気的に接続されている請求項1に記載のRFIDタグ用基板。
  3. 前記副容量導体および前記第2電極を複数個備えており、複数の前記第2電極は複数の前記副容量導体のそれぞれに接続されている請求項1または請求項2に記載のRFIDタグ用基板。
  4. 前記副容量導体および前記第2電極を複数個備えており、複数の前記第2電極は複数の前記副容量導体のそれぞれに接続され、前記第2電極が電極間導体を介して前記第1電極に電気的に接続されているものを含んでいる請求項1に記載のRFIDタグ用基板。
  5. 3つの前記副容量導体を備えており、これらの面積比率は1:2:4である請求項3または請求項4に記載のRFIDタグ用基板。
  6. 前記誘電体基板は前記第1面または前記第2面のいずれかに凹部を有しており、該凹部の底面に前記第1電極および前記第2電極が設けられている請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のRFIDタグ用基板。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のRFIDタグ用基板と、該RFIDタグ用基板に搭載された半導体素子と、を含むRFIDタグ。
  8. 請求項7に記載のRFIDタグと、
    該RFIDタグとの間で電波を送受するアンテナを備えるリーダライタと、を含むRFIDシステム。
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