JP2020072298A - 振動素子用の台座、振動子及び発振器 - Google Patents

振動素子用の台座、振動子及び発振器 Download PDF

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佐藤 雄一
Yuichi Sato
雄一 佐藤
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Abstract

【課題】 外部からの振動の影響を抑えて耐振動性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動素子用の台座、振動子及び発振器を提供する。【解決手段】 水晶片等の振動素子を搭載する搭載部11と、パッケージ130の基板に接続する複数の接続部12と、搭載部11の周囲に隙間部14を隔てて配置され、複数の接続部12を連結する外枠部13と、搭載部11と接続部12の電極を電気的に接続するワイヤ接続部15と、搭載部11と外枠部15とをワイヤによって接続して搭載部11を保持するワイヤ保持部16とを備え、接続部12は、外枠部13より厚みが厚く形成され、搭載部11は、外枠部13より厚みが薄く形成されている台座であり、それを備えた振動子及び発振器である。【選択図】 図1

Description

本発明は、振動素子を搭載する台座に係り、特に、外部からの振動への耐性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動素子用の台座、振動子及び発振器に関する。
[従来の技術]
従来の水晶振動子では、パッケージ及びパッケージ外部からの水晶片に与える影響を抑制する構成として、主に水晶から成る台座(水晶台座)を用いる構成が知られている。
また、パッケージを表裏に凹部が形成されたH構造とし、表側に水晶片と水晶台座を搭載し、裏面に発振回路のIC(Integrated Circuit)を搭載した水晶発振器がある。
また、パッケージの表面又は裏面に温度補償回路を設けた温度補償型水晶発振器(TCXO:Temperature Compensated Crystal Oscillator)がある。
[関連技術]
尚、関連する先行技術として、特許第3017750号公報「水晶振動子」(特許文献1)、特許第4715252号公報「圧電振動子」(特許文献2)、特開2013−098678号公報「水晶振動子」(特許文献3)がある。
特許文献1には、保持用水晶板に振動子用水晶片を搭載する位置に凹部を形成し、その凹部によって形成される隙間で振動子用水晶片を確実に励振させ、振動子用水晶片の長手方向での熱によるストレスを発生させない水晶振動子が示されている。
特許文献2には、基板における熱膨張の影響を小さくするために、隙間を有するスプリング部を備える圧電振動子が示されている。
特許文献3には、温度変化に伴う水晶片の変形を防ぎ、良好な周波数温度特性が得られる構成の水晶振動子が示されている。
特許第3017750号公報 特許第4715252号公報 特開2013−098678号公報
しかしながら、従来の水晶振動子又は水晶発振器における水晶台座では、外部からの振動が水晶片に影響してしまい、その振動によって位相雑音特性が劣化するという問題点があった。
尚、特許文献1〜3には、表面に振動片を搭載する搭載部と、パッケージの基板に接続する2つの接続部と、搭載部の周囲に隙間を隔てて形成され、接続部を連結する外枠部と、搭載部と外枠部とをワイヤによって接続するつり下げ部とを備えた台座については記載されていない。
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、外部からの振動の影響を抑えて耐振動特性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動素子用の台座、振動子及び発振器を提供することを目的とする。
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、振動素子を搭載する振動素子用の台座であって、表面に振動素子が搭載される搭載部と、パッケージの基板に接続する複数の接続部と、搭載部の周囲に隙間を隔てて配置され、複数の接続部を連結する外枠部と、搭載部の電極と接続部の電極とを電気的に接続するワイヤ接続部と、ワイヤで形成され、搭載部を保持するワイヤ保持部とを備え、接続部が、外枠部よりも厚みが厚く形成され、搭載部が、外枠部よりも厚みが薄く形成されていることを特徴としている。
また、本発明は、上記台座において、ワイヤ保持部は、一端が搭載部の表面に接続し、他端が外枠部の表面に接続して、搭載部を吊り上げて保持する複数のワイヤを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記台座において、ワイヤ保持部は、搭載部の裏面を横切って、両端が外枠部の裏面に接続するよう配置され、搭載部を持ち上げて保持する2本のワイヤを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記台座において、ワイヤ保持部は、搭載部の裏面の四隅を横切って、両端が外枠部の裏面に接続するよう配置され、搭載部を持ち上げて保持する4本のワイヤを備えたことを特徴としている。
また、本発明は、上記台座において、外枠部の裏面及び搭載部の裏面に、ワイヤ保持部が収納される溝部を備えたことを特徴としている。
また、本発明は、振動子であって、上記いずれか記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージ内に設置したことを特徴としている。
また、本発明は、発振器であって、上記いずれか記載の台座に振動素子を搭載して、パッケージ表面凹部に設置し、パッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴としている。
本発明によれば、振動素子を搭載する振動素子用の台座であって、表面に振動素子が搭載される搭載部と、パッケージの基板に接続する複数の接続部と、搭載部の周囲に隙間を隔てて配置され、複数の接続部を連結する外枠部と、搭載部の電極と接続部の電極とを電気的に接続するワイヤ接続部と、ワイヤで形成され、搭載部を保持するワイヤ保持部とを備え、接続部が、外枠部よりも厚みが厚く形成され、搭載部が、外枠部よりも厚みが薄く形成されている台座としているので、外部からの振動が端子部に伝達されたとしても、変形の自由度が大きいワイヤ保持部で吸収して、搭載部への影響を小さくでき、位相雑音特性を良好にできる効果がある。
第1の台座に振動片を搭載した平面図である。 第1の台座に振動片を搭載した短辺側側面図である。 第1の台座を用いた水晶振動子の断面構成図である。 第2の台座に振動片を搭載した平面図である。 第2の台座に振動片を搭載した長辺側側面図である。 第3の台座に振動片を搭載した平面図である。 第3の台座に振動片を搭載した長辺側側面図である。 第3の台座に振動片を搭載した短辺側側面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
[実施の形態の概要]
本発明の実施の形態に係る台座(本台座)は、水晶片等の振動素子を搭載する搭載部と、パッケージの基板に接続する2つの接続部と、搭載部の周囲に隙間を隔てて形成され、接続部を連結する外枠部と、搭載部と接続部とを電気的に接続するワイヤ接続部と、搭載部と外枠部とをワイヤによって接続して搭載部を保持するワイヤ保持部とを備え、接続部は、外枠部より厚みが厚く形成され、搭載部は、外枠部より厚みが薄く形成されているものであり、外部からの振動が接続部に伝達されたとしても、ワイヤ保持部で吸収して搭載部への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、本発明の実施の形態に係る振動子は(本振動子)は、本台座に振動素子を搭載し、凹部を有するパッケージに本台座を設置したものである。
また、本発明の実施の形態に係る発振器(本発振器)は、本振動子のパッケージの裏面凹部等に発振回路を搭載したものである。
尚、本台座には、後述するように第1〜第3の台座がある。
[第1の台座:図1]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る台座(第1の台座)について図1,図2を参照しながら説明する。図1は、第1の台座に振動片を搭載した平面図であり、図2は、第1の台座に振動片を搭載した短辺側側面図である。
第1の台座1は、図1に示すように、振動片(水晶片)20を搭載する矩形の搭載部11と、搭載部11の一方の短辺に沿って形成された2つの接続部12a,12b(接続部12)と、2つの接続部12を連結して、搭載部11の周囲を取り囲むよう形成された外枠部13とを備えている。
接続部12及び外枠部13と、搭載部11とは、隙間部14によって隔てられている。
つまり、第1の台座1は、外枠部13及び接続部12から成る囲いの内部に、搭載部11が島状に配置された構成となっている。
搭載部11には、水晶片20が導電性接着剤で固定されている。尚、図1,2では導電性接着剤は省略されている。
第1の台座1は、例えば、耐熱プラスチック等の樹脂、ガラス、絶縁膜が表面にコーティングされた金属等の絶縁材料で形成される。
また、第1の台座1は、振動片(水晶片)20と同様の水晶(水晶片20と同じATカットやZ板)により形成してもよい。その場合、台座10と水晶片20の熱膨張係数は略等しく、温度変化に伴う応力は発生しない。
第1の台座1の接続部12a,12bは、それぞれ、電極パターン17a,17bを備え、パッケージの基板に形成された金属パターンに電気的・物理的に接続するものであり、搭載部11の一方の短辺に沿って設けられている。
そして、接続部12は、外枠部13に比べて厚みが厚く形成されている。
また、搭載部11は、外枠部13に比べて厚みが薄く形成されている。
これにより、接続部12をパッケージの基板に接触させて、第1の台座1をパッケージに収納した状態において、外枠部13及び搭載部11は、基板に接触しないものであり、基板からの振動の影響を受けにくくしている。
尚、第1の台座を基板に搭載する際の安定性を考慮して、外枠部13において、接続部12が設けられた短辺に対向する短辺に、厚みが接続部12と等しく、電気的に接続しないダミーの接続部を設けている。
また、ここでは、接続部12を搭載部11の短辺側に2つ設けたが、長辺側に2つ設けてもよいし、振動片の構成に応じて対向する辺に1つずつ設けてもよい。
そして、第1の台座1の特徴部分として、図1に示すように、搭載部11は、複数のワイヤ保持部16によって外枠部13に接続されている。
ワイヤ保持部16は、複数のボンディングワイヤ(ワイヤ)等で構成され、搭載部11を吊り上げて、外枠部13に固定している。ワイヤ保持部16は、搭載部11を保持するものであって、電気的な接続は行わない。
また、ここでは、ワイヤ保持部16は14本設けられているが、最低4本あれば搭載部11を保持することは可能である。ワイヤ保持部16が多いと、安定性や強度が増す。
更に、ワイヤ保持部16は、ワイヤ接続部15a,15bと同一のワイヤボンディング工程で形成することができるため、製造が容易である。
このように、第1の台座1では、搭載部11を外枠部13に接続されたワイヤ保持部16によって吊り上げて保持する構成とすることにより、接続部12に外部からの振動が伝わったとしても、振動が複数のワイヤ保持部16に分散され、更にワイヤ保持部16が撓んで(たわんで)変形・復元(弾性変形)することにより、当該振動を吸収して、搭載部11に振動が伝達されるのを防ぎ、水晶片20への影響を抑えて位相雑音特性を良好にすることができるものである。
接続部12aに形成された電極パターン17aは、ワイヤ接続部15aによって水晶片20の表面の励振電極21aに接続している。
また、電極パターン17aは、接続部12aの表面、側面、底面に亘って形成され、パッケージ内の基板に形成された電極に半田等で接続する構成となっている。
同様に、接続部12bの電極パターン17bは、ワイヤ接続部15bによって水晶片20の裏面の励振電極21bに接続し、接続部12の表面、側面、底面に亘って形成され、基板に形成された電極に半田等で接続する。
また、ここでは、第1の台座1に搭載される振動素子として、ATカットの水晶片20からなる水晶共振子を用いたが、例えば、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)共振子、その他の圧電振動子や微小電子機械システム(MEMS:Micro Electro Mechanical Systems)振動子等の発振素子(振動素子)を用いてもよい。
[本水晶振動子:図3]
次に、第1の台座を用いた水晶振動子について図3を用いて説明する。図3は、第1の台座を用いた水晶振動子の断面構成図である。
図2に示すように、本水晶振動子は、水晶片20が搭載された第1の台座1が、パッケージ130の凹部底面となる基板に搭載されたものである。
具体的には、図3に示すように、本水晶振動子は、セラミック等で形成されたパッケージ130の凹部内部に、水晶片20を備えた第1の台座1が搭載され、第1の台座1の接続部12a,12bがパッケージ130の基板に形成された金属パターンに半田170等によって接続されている。
また、パッケージ130の表面の周囲にはシームリング150が形成される。
シームリング150は、シーム封止を行うためにパッケージの表面周囲に銀(Ag)ロウ等で形成される。
そして、パッケージ130の蓋となるリッド160が、シームリング150に接着するよう形成され、内部が封止される。リッド160は、コバールをニッケルメッキしたもの等が用いられる。
尚、図3では、パッケージ130として、表面側に凹部が形成されたものを示したが、裏面側にも凹部が形成され、断面が略H型の形状のものを用いてもよく、表面凹部に第1の台座1及び水晶片20を収納して配置し、裏面凹部に発振回路を収容して搭載して、発振器を形成してもよい。
パッケージへの第1の台座1と発振回路の搭載は、半田170等で固定されるようになっている。
[第1の台座の効果]
第1の台座1によれば、水晶片20等の振動素子を搭載する搭載部11と、パッケージ130の基板に接続する2つの接続部12と、搭載部11の周囲に隙間部14を隔てて形成され、接続部12を連結する外枠部13と、搭載部11と接続部12とを電気的に接続するワイヤ接続部15a,15bと、搭載部11と外枠部13とをワイヤによって接続して搭載部11を保持するワイヤ保持部16とを備え、接続部12は、外枠部13より厚みが厚く形成され、搭載部11は、外枠部13より厚みが薄く形成されているものであり、外部からの振動が接続部12に伝達されたとしても、変形の自由度が大きいワイヤ保持部16で吸収して搭載部11への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にできる効果がある。
また、第1の台座1によれば、2つの接続部12を搭載部11の一辺に沿って設けた場合に、当該一辺に対向する辺に沿って、電気的に接続せず、厚みが接続部12と等しいダミーの接続部を設けているので、第1の台座1を基板上に安定して設置することができる効果がある。
また、第1の台座1によれば、ワイヤ接続部15a,15bと、ワイヤ保持部16とを、同一のワイヤボンディング工程で形成することができ、容易に製造することができる効果がある。
[第2の台座:図4]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る台座(第2の台座)について図4,図5を用いて説明する。図4は、第2の台座に振動片を搭載した平面図であり、図5は、第2の台座に振動片を搭載した長辺側側面図である。
第2の台座は、第1の台座1と同様に、外枠部の内側に島状に搭載部を設けてワイヤで保持するものであるが、第1の台座のように表側からワイヤによって搭載部を吊り上げるのではなく、下から持ち上げて保持するものである。
図4,5に示すように、第2の台座2は、振動片(水晶片)40を搭載する搭載部31と、搭載部31の長辺側に設けられた接続部32a,32b(接続部32)と、接続部32a,32bを連結し、搭載部31を囲むように形成された外枠部33とを備えている。
接続部32は、外枠部33より厚みが厚く形成されており、搭載部31は、外枠部33より厚みが薄く形成されている。
そして、第2の台座2の特徴として、搭載部31が、2本のワイヤ保持部36a,36b(ワイヤ保持部36)によって外枠部33に取り付けられている。
ワイヤ保持部36は、ワイヤ等で構成され、搭載部31の下側(裏面側)から支えて保持する構成となっている。
第2の台座2では、図5に示すように、ワイヤ保持部36は、搭載部31の一辺に略平行に、搭載部31を横切るように配置されている。
具体的には、ワイヤ保持部36は、外枠部33及び搭載部31の裏面(基板側)に形成された溝部39a,39bの中を通るように配置され、両端部が外枠部33に半田等で固定されている。同様に、ワイヤ保持部36は、搭載部31にも半田等で固定されている。
第1の台座のワイヤ保持部16はワイヤボンディング用のものを用いていたが、第2の台座2のワイヤ保持部36は、それに比べて太くて固く、芯棒のように溝部39a,39bに埋め込まれるものである。
溝部39a,39bは、搭載部31及び外枠部33の一辺に平行に形成され、ワイヤ保持部36を収納可能で、且つ多少の振動があっても容易には外れない程度の幅及び深さに形成されている。
溝部39は、エッチングによって形成される。
また、図4、図5に示すように、溝部39aは、外枠部33の手前側(図4の下側)の長辺から、搭載部31の左寄りの位置を通って、外枠部33の奥側(図4の上側)の長辺まで略一直線に形成されている。
同様に、溝部39bは、外枠部33の手前側の長辺から、搭載部31の右寄りの位置を通って、外枠部33の奥側の長辺まで略一直線に形成されている。
尚、搭載部31の厚みよりも外枠部33の厚みの方が厚いため、溝部39は、搭載部31における深さよりも外枠部33における深さの方が深く形成されている。これにより、ワイヤ保持部36を一直線に張ることができるものである。
これにより、接続部32に基板から振動が伝わったとしても、ワイヤ保持部36が変形・復元して振動を吸収することができ、搭載部31への影響を抑え、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、第2の台座2では、接続部32a,32bに、それぞれ、電極パターン37a,37bが形成されている。電極パターン37a,37bは、接続部32a,32bの側面及び裏面に亘って形成されて、基板の金属パターンに接続する。
搭載部31には、対角となる角部に、水晶片40の励振電極(図示省略)と接続する電極パターン38a,38bが形成されている。
そして、搭載部31の電極パターン38aと接続部32aの電極パターン37aとがワイヤ接続部35aによって電気的に接続され、電極パターン38bと電極パターン37bとがワイヤ接続部35bによって電気的に接続されている。
尚、ここでは、接続部32a,32bを外枠部33の上下側の辺に設けているが、左右側の辺に設けてもよい。
更に、水晶片の構成に応じて、搭載部31の電極パターンを搭載部31のいずれかの短辺又は長辺に沿って設けてもよい。
[第2の台座の効果]
第2の台座2によれば、表面に水晶片40等の振動素子を搭載する搭載部31と、パッケージ130の基板に接続する2つの接続部32と、搭載部31の周囲に隙間部34を隔てて形成され、接続部32を連結する外枠部33と、搭載部31と接続部32を電気的に接続するワイヤ接続部35a,35bと、搭載部31及び外枠部33の裏面に形成された溝部39a,39bと、溝部39a,39bに収納されて、搭載部31を下から持ち上げて保持するワイヤ保持部36a,36bを備え、接続部32は、外枠部33より厚みが厚く形成され、搭載部31は、外枠部33より厚みが薄く形成されているものであり、外部からの振動が接続部32に伝達されたとしても、変形の自由度が大きいワイヤ保持部36で吸収して搭載部31への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にすることができる効果がある。
[第3の台座:図6,図7,図8]
次に、本発明の第3の実施の形態に係る台座(第3の台座)について図6,図7,図8を用いて説明する。図6は、第3の台座に振動片を搭載した平面図であり、図7は、第3の台座に振動片を搭載した長辺側側面図であり、図8は、第3の台座に振動片を搭載した短辺側側面図である。
図6に示すように、第3の台座3は、第1,第2の台座と同様に、水晶片40を搭載する搭載部51と、基板に接続する接続部52a,52b(接続部52)と、接続部52a,52bを連結し、搭載部51を囲むように形成された外枠部53とを備えている。
接続部52は、外枠部53より厚みが厚く形成されており、搭載部51は、外枠部53より厚みが薄く形成されている。
そして、第3の台座では、4本のワイヤ保持部56a,56b,56c,56d(ワイヤ保持部56)が設けられており、搭載部51の四隅を斜めに横切って保持するようになっている。
これにより、第3の台座では、2本の搭載部で保持する場合と比べて、強度及び安定性を向上させると共に、振動を吸収しやすくして、位相雑音特性を良好にできるものである。
また、ワイヤ保持部56が配置される位置に、搭載部51及び外枠部53の裏面に、ワイヤ保持部56を収納する溝部59が形成されている。
例えば、ワイヤ保持部56aは、図6において搭載部51の左上の角部を保持するものであり、外枠部53の左側短辺、搭載部51の左上角部、外枠部53の上側長辺を斜め一直線に貫通するよう、溝部59が形成されている。
他の溝部59としては、外枠部53の左側短辺、搭載部51の左下角部、外枠部53の下側長辺を貫通するものと、外枠部53の右側短辺、搭載部51の右上角部、外枠部53の上側長辺を貫通するものと、外枠部53の右側短辺、搭載部51の右下角部、外枠部53の下側長辺を貫通するものがある。
また、この例では、図8に示すように、外枠部53の短辺の外側端面においては、2本の溝部59が合体して、2本のワイヤ保持部56を収納するよう、幅が広く形成されている。
溝部59(ワイヤ保持部56)の位置については、搭載部51の形状に応じて任意に変更可能である。
第3の台座3においては、接続部52が台座本体の対角位置に設けられている。
これは、第3の台座3では、外枠部53の長辺の中央部分と短辺の中央部分とをワイヤ保持部で接続するため、それらの位置を避けて対角位置に設けている。図6の例では、左下と右上に設けられているが、左上と右下でもよい。
更に、図7,8に示すように、外枠部53において、接続部52が設けられていない角部付近に、接続部52と同等の厚みを有し、電気的に接続しないダミーの接続部52′を設けている。
ダミーの接続部52′を設けることにより、第3の台座3を安定して基板に設置できるものである。
そして、接続部52a,52bには、それぞれ、電極パターン57a,57bが形成されている。電極パターン57a,57bは、接続部52a,52bの側面及び裏面に亘って形成されて、基板の金属パターンに接続する。
搭載部51は、対角に近く、長辺に沿った位置に、水晶片40の励振電極と接続する電極パターン58a,58bが形成されている。
そして、搭載部51の電極パターン58aと接続部52aの電極パターン57aがワイヤ接続部55aによって電気的に接続され、電極パターン58bと電極パターン57bとがワイヤ接続部55bによって電気的に接続されている。
第1、第2の台座と同様に、第3の台座3でも各電極パターンの位置及び形状は、水晶片40の構成等に応じて、任意に変更可能である。
[第3の台座の効果]
第3の台座3によれば、表面に水晶片40等の振動素子を搭載する搭載部51と、パッケージ130の基板に接続する2つの接続部52と、搭載部51の周囲に隙間部54を隔てて形成され、接続部52を連結する外枠部53と、搭載部51と接続部52を電気的に接続するワイヤ接続部55a,55bと、搭載部51及び外枠部53の裏面に形成された溝部59と、溝部59に収納されて、搭載部51の四隅を下から持ち上げて保持する4本のワイヤ保持部56を備え、接続部52は、外枠部53より厚みが厚く形成され、搭載部51は、外枠部53より厚みが薄く形成されているものであり、外部からの振動が接続部52に伝達されたとしても、変形の自由度が大きいワイヤ保持部56で吸収して搭載部51への影響を小さくし、位相雑音特性を良好にすることができる効果がある。
また、第3の台座3によれば、4本のワイヤ保持部56によって搭載部51の四隅を保持する構成としているので、2本のワイヤ保持部で保持する場合に比べて、強度及び安定性を向上させることができる効果がある。
本発明は、外部からの振動の影響を抑えて耐振動性を向上させ、位相雑音特性を良好にできる振動素子用の台座、振動子及び発振器に適している。
1…第1の台座、 2…第2の台座、 3…第3の台座、 11,31,51…搭載部、 12,32,52…接続部、 13,33,53…外枠部、 14,34,54…隙間部、 15,35,55…ワイヤ接続部、 16,36,56…ワイヤ保持部、 37,38,57,58…電極パターン、 39,59…溝部、 20,40…振動片(水晶片)、 21…励振電極、 130…パッケージ、 150…シームリング、 160…リッド、 170…半田

Claims (7)

  1. 振動素子を搭載する振動素子用の台座であって、
    表面に振動素子が搭載される搭載部と、
    パッケージの基板に接続する複数の接続部と、
    前記搭載部の周囲に隙間を隔てて配置され、前記複数の接続部を連結する外枠部と、
    前記搭載部の電極と前記接続部の電極とを電気的に接続するワイヤ接続部と、
    ワイヤで形成され、前記搭載部を保持するワイヤ保持部とを備え、
    前記接続部が、前記外枠部よりも厚みが厚く形成され、
    前記搭載部が、前記外枠部よりも厚みが薄く形成されていることを特徴とする台座。
  2. ワイヤ保持部は、一端が搭載部の表面に接続し、他端が外枠部の表面に接続して、前記搭載部を吊り上げて保持する複数のワイヤを備えたことを特徴とする請求項1記載の台座。
  3. ワイヤ保持部は、搭載部の裏面を横切って、両端が外枠部の裏面に接続するよう配置され、前記搭載部を持ち上げて保持する2本のワイヤを備えたことを特徴とする請求項1記載の台座。
  4. ワイヤ保持部は、搭載部の裏面の四隅を横切って、両端が外枠部の裏面に接続するよう配置され、前記搭載部を持ち上げて保持する4本のワイヤを備えたことを特徴とする請求項1記載の台座。
  5. 外枠部の裏面及び搭載部の裏面に、ワイヤ保持部が収納される溝部を備えたことを特徴とする請求項3又は4記載の台座。
  6. 請求項1乃至5のいずれか記載の台座に振動素子を搭載し、パッケージ内に設置したことを特徴とする振動子。
  7. 請求項1乃至5のいずれか記載の台座に振動素子を搭載して、パッケージ表面凹部に設置し、前記パッケージの裏面凹部に発振回路を搭載したことを特徴とする発振器。
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