JP2020072048A - 充電池パック - Google Patents

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功 河邊
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夏樹 河田
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Abstract

【課題】無機固体電解質を備えたリチウムイオン二次電池を電池部として含む充電池パックにおいて、短絡の発生を抑制する。【解決手段】充電池パック1は、リチウムイオン電池からなる電池部10と、電池部10を内部に収容し且つ封止する外装部30とを備える。外装部30は、第1金属層313と第1熱融着性樹脂層315とを含む第1積層フィルム31と、第2金属層323と第2熱融着性樹脂層325とを含む第2積層フィルム32とを、融着部33にて熱融着して構成される。融着部33は、電池部10の外周縁よりも外側であって、第1積層フィルム31(第1金属層313)および第2積層フィルム32(第2金属層323)の外周縁よりも内側に形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、充電池パックに関する。
正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウムイオン伝導性を有し且つ正極と負極との間に介在する電解質とを含み、充放電が可能な電池部と、電池部を内部に収容することで電池部を外気等から封止する外装部とを備えたリチウムイオン二次電池(充電池パック)が知られている。
ここで、外装部には、気体、液体および固体に対する高いバリア性が要求される。特許文献1には、金属箔層と熱融着性樹脂層とを積層してなる2枚のラミネート外装材を用い、熱融着性樹脂層同士を熱融着することで外装部を構成することが記載されている。ここで、特許文献1には、各ラミネート外装材に設けられた熱融着性樹脂層の一部を除去することで内部に露出させた金属箔層を、それぞれ、電池部の正電極および負電極として利用することが記載されている。
また、電池部を構成する電解質としては、従来から有機電解液等が用いられてきた。これに対し、特許文献2には、電解質として無機材料からなる固体電解質を用いるとともに、負極、固体電解質および正極をすべて薄膜で構成することが記載されている。
特開2016−129091号公報 特開2013−73846号公報
例えば2枚のラミネート外装材のそれぞれに設けられた金属箔層を、電池部の正電極および負電極として利用する場合、2枚のラミネート外装材を融着させた際に、熱融着性樹脂層が溶融時に潰れてしまい、2枚の金属箔層同士が直接に接触してしまうおそれがある。そして、2枚の金属箔層同士が接触してしまうと、電池部が短絡することになってしまう。
本発明は、無機固体電解質を備えたリチウムイオン二次電池を電池部として含む充電池パックにおいて、短絡の発生を抑制することを目的とする。
本発明の充電池パックは、正極活物質を含む正極層と、無機固体電解質を含む固体電解質層と、負極活物質を含む負極層と、をこの順に有する電池部と、金属を含む第1金属層と、樹脂を含み且つ当該第1金属層の一方の面に当該第1金属層の一部が露出する第1露出部を形成する第1樹脂層と、をこの順に有し、当該第1露出部に露出する当該第1金属層には前記電池部の前記正極層側が対峙する第1積層フィルムと、金属を含む第2金属層と、樹脂を含み且つ当該第2金属層の一方の面に当該第2金属層の一部が露出する第2露出部を形成する第2樹脂層と、をこの順に有し、当該第2露出部に露出する当該第2金属層には前記電池部の前記負極層側が対峙する第2積層フィルムと、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを、前記電池部の外周縁よりも外側であって、前記第1金属層および前記第2金属層の外周縁よりも内側で融着する融着部とを含んでいる。
このような充電池パックにおいて、前記融着部は、前記電池部の全外周縁よりも外側に配置されることを特徴とすることができる。
また、前記第1積層フィルムの端部と前記第2積層フィルムの端部とが重なる部位を有していることを特徴とすることができる。
また、前記電池部は、導電性を有し且つ前記正極層側に設けられる正極集電体層と、導電性を有し且つ前記負極層側に設けられる負極集電体層とをさらに有し、前記正極集電体層と前記第1露出部に露出する前記第1金属層とを、導電性を確保しながら接着する第1接着部と、前記負極集電体層と前記第2露出部に露出する前記第2金属層とを、導電性を確保しながら接着する第2接着部とをさらに含むことを特徴とすることができる。
また、他の観点から捉えると、本発明の充電池パックは、正極活物質を含む正極層と、無機固体電解質を含む固体電解質層と、負極活物質を含む負極層と、をこの順に有する電池部と、金属を含む第1金属層と、樹脂を含み且つ当該第1金属層の一方の面に当該第1金属層の一部が露出する第1露出部を形成する第1樹脂層と、をこの順に有し、当該第1露出部に露出する当該第1金属層には前記電池部の前記正極層側が対峙する第1積層フィルムと、金属を含む第2金属層と、樹脂を含み且つ当該第2金属層の一方の面に当該第2金属層の一部が露出する第2露出部を形成する第2樹脂層と、をこの順に有し、当該第2露出部に露出する当該第2金属層には前記電池部の前記負極層側が対峙する第2積層フィルムと、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを融着することで、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとの間で前記電池部を封止する融着部とを含み、前記融着部は、前記第1積層フィルムの外周縁と前記第2積層フィルムの外周縁とを避けて形成されることを特徴としている。
本発明によれば、無機固体電解質を備えたリチウムイオン二次電池を電池部として含む充電池パックにおいて、短絡の発生を抑制することができる。
(a)は充電池パックの正面図であり、(b)はその背面図である。 (a)は充電池パックの斜視図であり、(b)は電池部の斜視図である。 (a)は図2(a)のIIIA−IIIA断面図であり、(b)は図2(a)のIIIB−IIIB断面図である。 (a)は第1積層フィルムを正面側からみた斜視図であり、(b)は第1積層フィルムを背面側からみた斜視図である。 (a)は第2積層フィルムを正面側からみた斜視図であり、(b)は第2積層フィルムを背面側からみた斜視図である。 充電池パックの製造方法を説明するためのフローチャートである。 (a)〜(d)は、第1融着工程〜第4融着工程を説明するための図である。 (a)、(b)は、塗布工程における導電性接着剤の塗布手法の第1の例を説明するための図である。 (a)、(b)は、塗布工程における導電性接着剤の塗布手法の第2の例を説明するための図である。 融着装置の概要を示す斜視図である。 第2融着工程を説明するためのフローチャートである。 (a)〜(f)は、第2融着工程における各工程を説明するための図である。 (a)、(b)は、第1積層フィルムと第2積層フィルムとを融着してなる融着領域およびその周辺の断面写真である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の説明で参照する図面における各部の大きさや厚さ等は、実際の寸法とは異なっている場合がある。
[充電池パックの構成]
図1は、本実施の形態が適用される充電池パック1の全体構成を説明するための図である。ここで、図1(a)は充電池パック1を正面側からみた正面図を、図1(b)は充電池パック1を背面側からみた背面図を、それぞれ示している。
また、図2(a)は、充電池パック1を正面側からみた斜視図を示しており、図2(b)は、充電池パック1の内部に収容され、充電池パック1の構成要素となる電池部10を正面側からみた斜視図を示している。
さらに、図3(a)は図2(a)に示す充電池パック1のIIIA−IIIA断面図であり、図3(b)は図2(a)に示す充電池パック1のIIIB−IIIB断面図である。
この充電池パック1は、充電および放電を行う電池部10と、電池部10を内部に収容することで電池部10を外気等から封止する外装部30と、外装部30の内部で電池部10と外装部30とを接着する接着部50とを備えている。ここで、本実施の形態の充電池パック1は、全体としてみたときに直方体状(実際にはカード状)の形状を呈している。また、本実施の形態の充電池パック1では、充電池すなわち電池部10として、リチウムイオンを用いたリチウムイオン二次電池を採用している。なお、以下の説明では、充電池パック1のうち、短手方向の一方の端部を第1短辺SS1、短手方向の他方の端部を第2短辺SS2、長手方向の一方の端部を第1長辺LS1、長手方向の他方の端部を第2長辺LS2、とそれぞれ称することがある(図1参照)。そして、これらは、例えば図1(a)では図中時計回りに、第1短辺SS1、第1長辺LS1、第2短辺SS2、第2長辺LS2の順となっている。
では、充電池パック1の各構成要素について、順番に説明を行う。
(電池部)
まず、電池部10の構成について説明を行う。
電池部10は、基板11と、基板11上に積層される正極層12と、正極層12上に積層される固体電解質層13と、固体電解質層13上に積層される負極層14と、負極層14上に積層される負極集電体層15とを有している。ここで、電池部10の一方の端部(図2(b)では下側)に位置する基板11は、接着部50を構成する第1接着部51(詳細は後述する)を介して、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313(詳細は後述する)と接触している(図3参照)。これに対し、電池部10の他方の端部(図2(b)では上側)に位置する負極集電体層15は、接着部50を構成する第2接着部52(詳細は後述する)を介して、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323(詳細は後述する)と接触している(図3参照)。
次に、電池部10の各構成要素について、より詳細な説明を行う。
〔基板〕
基板11としては、特に限定されず、金属、ガラス、セラミックスなど、各種材料で構成されたものを用いることができる。
ここで、本実施の形態では、基板11を、電子伝導性を有する金属製の板材で構成している。これにより、本実施の形態の基板11は、電池部10の正極集電体層としての機能を有している。より具体的に説明すると、本実施の形態では、基板11として、銅やアルミニウム等と比較して機械的強度が高いステンレス箔(板)を用いている。また、基板11として、錫、銅、クロム等の導電性金属でめっきした金属箔を用いてもよい。
また、基板11は、第1長辺LS1(第2長辺LS2)に沿う方向の長さが、基板長さL11に設定されており、第1短辺SS1(第2短辺SS2)に沿う方向の長さが、基板幅W11に設定されている(図2(b)参照)。ここで、基板長さL11>基板幅W11である。
基板11の厚さは、例えば20μm以上2000μm以下とすることができる。基板11の厚さが20μm未満であると、電池部10の強度が不足するおそれがある。一方、基板11の厚さが2000μmを超えると、電池部10の厚さおよび重量の増加により体積エネルギー密度および重量エネルギー密度が低下する。
〔正極層〕
正極層12は、充電時にはリチウムイオンを放出するとともに放電時にはリチウムイオンを吸蔵する、正極活物質を含むものである。ここで、正極層12を構成する正極活物質としては、例えば、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、モリブデン(Mo)、バナジウム(V)から選ばれる一種以上の金属を含む、酸化物、硫化物あるいはリン酸化物など、各種材料で構成されたものを用いることができる。また、正極層12は、さらに固体電解質を含んだ合材正極であってもよい。
正極層12の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。正極層12の厚さが10nm未満であると、得られる電池部10(充電池パック1)の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、正極層12の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、電池部10(充電池パック1)に要求される電池容量が大きい場合には、正極層12の厚さを40μm超としてもかまわない。
また、正極層12の作製方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
〔固体電解質層〕
固体電解質層13は、無機材料からなる固体薄膜であって、外部から加えられた電場によってリチウムイオンを移動させることのできる無機固体電解質を含むものである。ここで、固体電解質層13を構成する無機固体電解質としては、特に限定されるものではなく、酸化物、窒化物、硫化物など、各種材料で構成されたものを用いることができる。
固体電解質層13の厚さは、例えば10nm以上10μm以下とすることができる。固体電解質層13の厚さが10nm未満であると、得られた電池部10(充電池パック1)において、正極層12と負極層14との間でのリークが生じやすくなる。一方、固体電解質層13の厚さが10μmを超えると、電池の内部抵抗が高くなり、高速での充放電には不利となる。
また、固体電解質層13の作製方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
〔負極層〕
負極層14は、充電時にはリチウムイオンを吸蔵するとともに放電時にはリチウムイオンを放出する、負極活物質を含むものである。ここで、負極層14を構成する負極活物質としては、例えば、炭素(C)やシリコン(Si)を用いることができる。また、リチウム(Li)自身を負極活物質とすることもできる。この場合、自身は負極活物質とはならず、負極活物質すなわち負極層14として機能するリチウム(Li)を内部に保持することが可能な、白金(Pt)等の貴金属材料やアルミニウム(Al)等の金属材料で構成された保持層を設けてもよい。
負極層14の厚さは、例えば10nm以上40μm以下とすることができる。負極層14の厚さが10nm未満であると、得られる電池部10(充電池パック1)の容量が小さくなりすぎ、実用的ではなくなる。一方、負極層14の厚さが40μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。ただし、電池部10(充電池パック1)に要求される電池容量が大きい場合には、負極層14の厚さを40μm超としてもかまわない。
また、負極層14の作製方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
〔負極集電体層〕
負極集電体層15は、電子伝導性を有する固体薄膜であって、負極層14への集電を行う機能を備えるものである。ここで、負極集電体層15を構成する材料は、電子伝導性を有するものであれば、特に限定されるものではなく、各種金属や、各種金属の合金を含む導電性材料を用いることができる。
また、負極集電体層15は、第1長辺LS1(第2長辺LS2)に沿う方向の長さが、負極集電体層長さL15に設定されており、第1短辺SS1(第2短辺SS2)に沿う方向の長さが、負極集電体層幅W15に設定されている。そして、本実施の形態では、正極層12、固体電解質層13および負極層14の第1長辺LS1(第2長辺LS2)に沿う方向の長さも、負極集電体層15と同じ負極集電体層長さL15に設定されている。また、正極層12、固体電解質層13および負極層14の第1短辺SS1(第2短辺SS2)に沿う方向の長さも、負極集電体層15と同じ負極集電体層幅W15に設定されている。ここで、負極集電体層長さL15>負極集電体層幅W15である。また、基板長さL11>負極集電体層長さL15であり、基板幅W11>負極集電体層幅W15である。
負極集電体層15の厚さは、例えば5nm以上50μm以下とすることができる。負極集電体層15の厚さが5nm未満であると、集電機能が低下し、実用的ではなくなる。一方、負極集電体層15の厚さが50μmを超えると、層形成に時間がかかりすぎるようになってしまい、生産性が低下する。
また、負極集電体層15の作製方法としては、各種PVDや各種CVDなど、公知の成膜手法を用いてかまわないが、生産効率の観点からすれば、スパッタ法を用いることが望ましい。
(外装部)
続いて、外装部30の構成について説明を行う。
外装部30は、第1積層フィルム31と、第2積層フィルム32とを有している。これら第1積層フィルム31および第2積層フィルム32は、電池部10を挟んで対向して配置されている。また、外装部30は、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32とを、電池部10の周囲の全周にわたって熱融着してなる融着部33をさらに備えている。その結果、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32と融着部33とによって、電池部10が封止されている。
次に、外装部30の各構成要素について、より詳細な説明を行う。
〔第1積層フィルム〕
図4は、第1積層フィルム31の構成を説明するための図であり、図4(a)は正面側(図2(a)では上側)からみた斜視図を、図4(b)は背面側(図2(a)では下側)からみた斜視図を、それぞれ示している。以下では、図1乃至図3に加えて図4も参照しながら、第1積層フィルム31の構成について説明を行う。
第1積層フィルム31は、第1耐熱性樹脂層311と、第1外側接着層312と、第1金属層313と、第1内側接着層314と、第1熱融着性樹脂層315とを、この順でフィルム状に積層して構成されている。すなわち、第1積層フィルム31は、第1耐熱性樹脂層311と第1金属層313と第1熱融着性樹脂層315とを、第1外側接着層312および第1内側接着層314を介して貼り合わせることで構成されている。
また、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315の形成面側(外装部30において内側)には、第1熱融着性樹脂層315および第1内側接着層314が存在しないことで第1金属層313の一方の面(内側の面)が一部露出する、第1内部接続用露出部316および第1外部接続用露出部317が設けられている。
これらのうち、第1露出部の一例としての第1内部接続用露出部316は、第1積層フィルム31の面方向における中央部側に設けられており、その形状は長方形状である。そして、第1内部接続用露出部316の全周囲には、第1内側接着層314および第1熱融着性樹脂層315による側壁が形成されている。
また、第1内部接続用露出部316は、第1長辺LS1(第2長辺LS2)に沿う方向の長さが、第1内部接続用露出部長さL316に設定されており、第1短辺SS1(第2短辺SS2)に沿う方向の長さが、第1内部接続用露出部幅W316に設定されている(図4(a)参照)。ここで、第1内部接続用露出部長さL316>第1内部接続用露出部幅W316である。
これに対し、第1外部接続用露出部317は、第1積層フィルム31における第1短辺SS1側に設けられており、その形状は長方形状である。そして、第1外部接続用露出部317の一端部には、第1内側接着層314および第1熱融着性樹脂層315による側壁が形成されている。
では、第1積層フィルム31の各構成要素について、より詳細な説明を行う。
{第1耐熱性樹脂層}
第1耐熱性樹脂層311は、外装部30における最外層であり、外部からの突き刺しや摩耗などに対する耐性が高く、且つ、第1熱融着性樹脂層315を熱融着する際の融着温度では溶融しない耐熱性樹脂が用いられる。ここで、第1耐熱性樹脂層311としては、第1熱融着性樹脂層315を構成する熱融着性樹脂の融点より10℃以上融点が高い耐熱性樹脂を用いるのが好ましく、この熱融着性樹脂の融点より20℃以上融点が高い耐熱性樹脂を用いるのが特に好ましい。また、本実施の形態では、後述するように、第1金属層313が電池部10の正の電極を兼ねることから、安全性の観点より、第1耐熱性樹脂層311として電気抵抗値の高い絶縁性樹脂が用いられる。
第1耐熱性樹脂層311としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリアミドフィルム、ポリエステルフィルム等が挙げられ、これらの延伸フィルムが好ましく用いられる。中でも、成形性および強度の点で、二軸延伸ポリアミドフィルムまたは二軸延伸ポリエステルフィルム、あるいはこれらを含む複層フィルムが特に好ましく、さらに二軸延伸ポリアミドフィルムと二軸延伸ポリエステルフィルムとが貼り合わされた複層フィルムを用いることが好ましい。ポリアミドフィルムとしては、特に限定されるものではないが、例えば、6−ポリアミドフィルム、6,6−ポリアミドフィルム、MXDポリアミドフィルム等が挙げられる。また、二軸延伸ポリエステルフィルムとしては、二軸延伸ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等が挙げられる。本実施の形態では、第1耐熱性樹脂層311としてナイロンフィルム(融点:220℃)を用いた。
第1耐熱性樹脂層311の厚さは、9μm以上50μm以下とすることができる。第1耐熱性樹脂層311の厚さが9μm未満であると、電池部10の外装部30として十分な強度を確保することが困難となる。一方、第1耐熱性樹脂層311の厚さが50μmを超えると、電池が厚くなるため好ましくなく、また、製造コストが高くなる。
{第1外側接着層}
第1外側接着層312は、第1耐熱性樹脂層311と第1金属層313とを接着するための層である。第1外側接着層312としては、例えば、主剤としてのポリエステル樹脂と硬化剤としての多官能イソシアネート化合物とによる二液硬化型ポリエステル−ウレタン系樹脂、あるいは、ポリエーテル−ウレタン系樹脂を含む接着剤を用いることが好ましい。本実施の形態では、第1外側接着層312として二液硬化型ポリエステル−ウレタン系接着剤を用いた。
{第1金属層}
第1金属層313は、第1積層フィルム31を用いて外装部30を構成した場合に、外装部30の外部から、その内部に配置された電池部10に、酸素や水分等の侵入を阻止(バリア)する役割を担う層である。また、第1金属層313は、後述するように、電池部10の基板11と電気的に接続される正の内部電極(正の電極)としての役割と、外部に設けられた負荷(図示せず)と電気的に接続される正の外部電極(正の電極)としての役割とをさらに担う。このため、第1金属層313には、導電性を有する金属箔を用いる。
第1金属層313としては、特に限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、銅箔、ニッケル箔、ステンレス箔、あるいはこれのクラッド箔、これらの焼鈍箔または未焼鈍箔等が好ましく用いられる。本実施の形態では、第1金属層313としてアルミニウム箔を用いた。
第1金属層313の厚さは、20μm以上200μm以下とすることができる。第1金属層313の厚さが20μm未満であると、金属箔を製造する際の圧延時や熱封止時にピンホールや破れが生じやすく、また、電極として用いる場合の電気抵抗値が高くなってしまう。一方、第1金属層313の厚さが200μmを超えると、電池が厚くなるため好ましくなく、また、製造コストが高くなる。
{第1内側接着層}
第1内側接着層314は、第1金属層313と第1熱融着性樹脂層315とを接着するための層である。第1内側接着層314としては、例えば、ポリウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ポリオレフィン系接着剤、エラストマー系接着剤、フッ素系接着剤等により形成された接着剤を用いることが好ましい。中でも、アクリル系接着剤、ポリオレフィン系接着剤を用いるのが好ましく、この場合には、水蒸気に対する第1積層フィルム31のバリア性を向上させることができる。また、酸変成したポリプロピレンやポリエチレン等の接着剤を使用することが好ましい。
{第1熱融着性樹脂層}
第1樹脂層の一例としての第1熱融着性樹脂層315は、外装部30における最内層であり、電池部10の各層を構成する材料に対する耐性が高く、且つ、上記融着温度で溶融し、第2積層フィルム32の第2熱融着性樹脂層325(詳細は後述する)と融着する熱可塑性樹脂が用いられる。また、本実施の形態では、上述したように、第1金属層313が電池部10の正の電極を兼ねることから、安全性の観点より、第1熱融着性樹脂層315として電気抵抗値の高い絶縁性樹脂が用いられる。
第1熱融着性樹脂層315としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、オレフィン系共重合体、これらの酸変性物およびアイオノマー等が好ましく用いられる。ここで、オレフィン系共重合体としては、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合体)、EAA(エチレン・アクリル酸共重合体)、EMAA(エチレン・メタアクリル酸共重合体)を例示できる。また、第1耐熱性樹脂層311との融点の関係を満足できるのであれば、ポリアミドフィルム(例えば12ナイロン)やポリイミドフィルムを使用することもできる。本実施の形態では、第1熱融着性樹脂層315として無軸延伸ポリプロピレンフィルム(融点:165℃)を用いた。
第1熱融着性樹脂層315の厚さは、20μm以上80μm以下とすることができる。第1熱融着性樹脂層315の厚さが20μm未満であると、ピンホールが生じやすくなる。一方、第1熱融着性樹脂層315の厚さが80μmを超えると、電池が厚くなるため好ましくなく、また、製造コストが高くなる。
〔第2積層フィルム〕
図5は、第2積層フィルム32の構成を説明するための図であり、図5(a)は正面側(図2(a)では上側)からみた斜視図を、図5(b)は背面側(図2(a)では下側)からみた斜視図を、それぞれ示している。以下では、図1乃至図3に加えて図5も参照しながら、第2積層フィルム32の構成について説明を行う。
第2積層フィルム32は、第2耐熱性樹脂層321と、第2外側接着層322と、第2金属層323と、第2内側接着層324と、第2熱融着性樹脂層325とを、この順でフィルム状に積層して構成されている。すなわち、第2積層フィルム32は、第2耐熱性樹脂層321と第2金属層323と第2熱融着性樹脂層325とを、第2外側接着層322および第2内側接着層324を介して貼り合わせることで構成されている。
また、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325の形成面側(外装部30において内側)には、第2熱融着性樹脂層325および第2内側接着層324が存在しないことで第2金属層323の一方の面(内側の面)が一部露出する、第2内部接続用露出部326および第2外部接続用露出部327が設けられている。
これらのうち、第2露出部の一例としての第2内部接続用露出部326は、第2積層フィルム32の面方向における中央部側に設けられており、その形状は長方形状である。そして、第2内部接続用露出部326の全周囲には、第2内側接着層324および第2熱融着性樹脂層325による側壁が形成されている。
また、第2内部接続用露出部326は、第1長辺LS1(第2長辺LS2)に沿う方向の長さが、第2内部接続用露出部長さL326に設定されており、第1短辺SS1(第2短辺SS2)に沿う方向の長さが、第2内部接続用露出部幅W326に設定されている(図5(b)参照)。ここで、第2内部接続用露出部長さL326>第2内部接続用露出部幅W326である。また、第1内部接続用露出部長さL316=第2内部接続用露出部長さL326であり、第1内部接続用露出部幅W316=第2内部接続用露出部幅W326である。
では、第2積層フィルム32の各構成要素について、より詳細な説明を行う。
{第2耐熱性樹脂層}
第2耐熱性樹脂層321は、外装部30における最外層であり、外部からの突き刺しや摩耗などに対する耐性が高く、且つ、第2熱融着性樹脂層325を熱融着する際の融着温度では溶融しない耐熱性樹脂が用いられる。また、本実施の形態では、後述するように、第2金属層323が電池部10の負の電極を兼ねることから、安全性の観点より、第2耐熱性樹脂層321として電気抵抗値の高い絶縁性樹脂が用いられる。
そして、第2耐熱性樹脂層321としては、上記第1耐熱性樹脂層311のところで説明した材料を用いることができる。このとき、第2耐熱性樹脂層321と第1耐熱性樹脂層311とは、同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。また、第2耐熱性樹脂層321の厚さも、第1耐熱性樹脂層311と同じ厚さとしてもよいし、異なる厚さとしてもよい。
{第2外側接着層}
第2外側接着層322は、第2耐熱性樹脂層321と第2金属層323とを接着するための層である。
そして、第2外側接着層322としては、上記第1外側接着層312のところで説明した材料を用いることができる。このとき、第2外側接着層322と第1外側接着層312とは、同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
{第2金属層}
第2金属層323は、第2積層フィルム32を用いて外装部30を形成した場合に、外装部30の外部から、その内部に配置された電池部10に、酸素や水分等の侵入を阻止(バリア)する役割を担う層である。また、第2金属層323は、後述するように、電池部10の負極集電体層15と電気的に接続される負の内部電極(負の電極)としての役割と、外部に設けられた負荷(図示せず)と電気的に接続される負の外部電極(負の電極)としての役割とをさらに担う。このため、第2金属層323には、導電性を有する金属箔を用いる。
そして、第2金属層323としては、上記第1金属層313のところで説明した材料を用いることができる。このとき、第2金属層323と第1金属層313とは、同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。また、第2金属層323の厚さも、第1金属層313と同じ厚さとしてもよいし、異なる厚さとしてもよい。
{第2内側接着層}
第2内側接着層324は、第2金属層323と第2熱融着性樹脂層325とを接着するための層である。
そして、第2内側接着層324としては、上記第1内側接着層314のところで説明した材料を用いることができる。このとき、第2内側接着層324と第1内側接着層314とは、同じ材料で構成してもよいし、異なる材料で構成してもよい。
{第2熱融着性樹脂層}
第2樹脂層の一例としての第2熱融着性樹脂層325は、外装部30における最内層であり、電池部10の各層を構成する材料に対する耐性が高く、且つ、上記融着温度で溶融し、第1積層フィルム31の第1熱融着性樹脂層315と融着する熱可塑性樹脂が用いられる。また、本実施の形態では、上述したように、第2金属層323が電池部10の負の電極を兼ねることから、安全性の観点より、第2熱融着性樹脂層325として電気抵抗値の高い絶縁性樹脂が用いられる。
そして、第2熱融着性樹脂層325としては、上記第1熱融着性樹脂層315のところで説明した材料を用いることができる。このとき、第2熱融着性樹脂層325と第1熱融着性樹脂層315とは、同じ材料で構成してもよいし、2つの材料の融点が近く、溶解するものであれば、異なる材料で構成してもよい。また、第2熱融着性樹脂層325の厚さも、第1熱融着性樹脂層315と同じ厚さとしてもよいし、異なる厚さとしてもよい。
なお、本実施の形態では、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32として、同じ材質のものを用いた。したがって、図5に示す第2積層フィルム32の構造は、第1内部接続用露出部316および第2内部接続用露出部326の形成位置の違いを除けば、図4に示す第1積層フィルム31の構造とほぼ同じである。
〔融着部〕
こんどは、融着部33の構成について説明を行う。
融着部33は、第1融着部331と、第2融着部332と、第3融着部333と、第4融着部334とを有しており、これらを額縁状に連結して構成されている。より具体的に説明すると、融着部33は、第1短辺SS1側において第1短辺SS1に沿って形成される第1融着部331と、第1長辺LS1側において第1長辺LS1に沿って形成される第2融着部332と、第2短辺SS2側において第2短辺SS2に沿って形成される第3融着部333と、第2長辺LS2側において第2長辺LS2に沿って形成される第4融着部334とを有している。そして、融着部33では、第1融着部331の一端と第2融着部332の他端とが連結され、第2融着部332の一端と第3融着部333の他端とが連結され、第3融着部333の一端と第4融着部334の他端とが連結され、第4融着部334の一端と第1融着部331の他端とが連結されている。
融着部33は、第1積層フィルム31に設けられた第1熱融着性樹脂層315の一部の領域と、第2積層フィルム32に設けられた第2熱融着性樹脂層325の一部の領域とを、無端状に融着して構成されている。このような融着部33を設けることにより、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32とを一体化してなる外装部30を構成している。また、融着部33は、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32とともにその内側に電池部10を収容することにより、電池部10を封止している。
(接着部)
さらに、接着部50の各構成について、より詳細な説明を行う。
接着部50は、電池部10と第1積層フィルム31とを接着する第1接着部51と、電池部10と第2積層フィルム32とを接着する第2接着部52とを有している(図3参照)。そして、これら第1接着部51および第2接着部52は、電池部10を挟んで対向している。
〔第1接着部〕
第1接着部51は、電池部10を構成する基板11の背面と、第1積層フィルム31のうち第1内部接続用露出部316によって露出する第1金属層313の一方の面(内側の面)とを、両者の導電性を確保しながら接着している。ここで、第1接着部51の外周面と、第1内部接続用露出部316の内周面すなわち第1内側接着層314および第1熱融着性樹脂層315によって形成される壁面との間には、隙間が存在していることが望ましい(図3参照)。
〔第2接着部〕
第2接着部52は、電池部10を構成する負極集電体層15の正面と、第2積層フィルム32のうち第2内部接続用露出部326によって露出する第2金属層323の一方の面(内側の面)とを、両者の導電性を確保しながら接着している。ここで、第2接着部52の外周面と、第2内部接続用露出部326の内周面すなわち第2内側接着層324および第2熱融着性樹脂層325によって形成される壁面との間には、隙間が存在していることが望ましい(図3参照)。
〔導電性接着剤〕
本実施の形態の接着部50は、導電性を有する接着剤すなわち導電性接着剤を硬化させたもので構成されている。ここで、導電性接着剤は、導電性を有する導電性粒子からなるフィラーを、有機材料等からなるバインダに均一に分散させた、有機・無機混合系の材料である。そして、導電性接着剤は、外部からエネルギー(加熱等)を得て、不可逆化学反応により硬化物となり、複数の被接着体を、これらの間の導電性を確保しつつ強固に接続する。なお、第1接着部51および第2接着部52は、同じ導電性接着剤で構成してもよいし、異なる導電性接着剤で構成してもよい。ただし、作業性をより効率化させるという観点からすれば、第1接着部51および第2接着部52を、同じ導電性接着剤を硬化させたもので構成することが望ましい。
ここで、フィラーとしては、Au(金)、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Al(アルミニウム)、C(カーボンあるいはグラファイト)等の各種金属粒子や、これら各種金属を樹脂粒子にめっきしてなる金属めっき樹脂粒子等が挙げられる。また、バインダとしては、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂等の各種熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、あるいは、各種ゴム材料等が挙げられる。
また、導電性接着剤には、ゴムや樹脂等からなる接着主材と硬化剤や架橋剤等からなる接着副材とを、使用直前に混合する2液混合型(2液型)と、潜在性硬化剤・触媒を予め導電性接着剤に混合してなる1液加熱硬化型(1液型)とが存在する。本実施の形態の接着部50の元となる導電性接着剤には、これら2液型あるいは1液型のどちらを採用しても差し支えないが、製造時の作業性をより効率化させるという観点からすれば、1液型を採用することが望ましい。
さらに、本実施の形態の充電池パック1の製造において、電池部10を構成する各部の熱的な劣化を抑制するという観点からすれば、接着部50を構成する導電性接着剤の硬化温度は、100℃以下であることが望ましい。
さらにまた、本実施の形態の充電池パック1が、高温環境下にて使用され得ることを考慮すれば、導電性接着剤を硬化させて得た接着部50は、150℃に加熱された状態において、各種ガス(特に水蒸気や酸素)を発生しにくいものであることが望ましい。
なお、接着部50の元となる導電性接着剤には、上述したフィラーおよびバインダの他に、トルエン等の各種溶剤が含まれていることがある。ただし、本実施の形態の場合、このような溶剤を含まない導電性接着剤を採用することが望ましい。
[充電池パックにおける電気的な接続構造]
次に、上述した充電池パック1における電気的な接続構造を説明する。
まず、電池部10では、基板11と正極層12と固体電解質層13と負極層14と負極集電体層15とが、この順番で電気的に接続される。
また、電池部10の基板11は、導電性を有する第1接着部51を介して、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313の一方の面(内側の面)のうち、第1内部接続用露出部316に露出する部位と電気的に接続される。また、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313の一方の面(内側の面)の一部は、第1外部接続用露出部317において外部に露出しており、外部に設けられた負荷(図示せず)と電気的に接続することが可能である。
これに対し、電池部10の負極集電体層15は、導電性を有する第2接着部52を介して、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323の一方の面(内側の面)のうち、第2内部接続用露出部326に露出する部位と電気的に接続される。また、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323の一方の面(内側の面)の一部は、第2外部接続用露出部327において外部に露出しており、外部に設けられた負荷(図示せず)と電気的に接続することが可能である。
そして、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313と、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323とは、第1積層フィルム31に設けられた第1熱融着性樹脂層315と第2積層フィルム32に設けられた第2熱融着性樹脂層325とによって、電気的に絶縁されている。また、これら第1熱融着性樹脂層315と第2熱融着性樹脂層325とによって形成される融着部33も、当然のことながら絶縁性を有しており、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313と、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323とが接触することに起因する、電池部10の短絡を生じ難くしている。
[充電池パックの製造方法]
図6は、図1等に示す充電池パック1の製造方法を説明するためのフローチャートである。また、図7(a)〜(d)は、充電池パック1の製造方法における第1融着工程〜第4融着工程(各工程の詳細については後述する)を説明するための図である。
なお、下記製造方法を実行するのに先だって、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32が用意される。このとき、第1積層フィルム31は、長方形状に裁断されているとともに、第1熱融着性樹脂層315側に第1内部接続用露出部316および第1外部接続用露出部317が形成されている。一方、第2積層フィルム32も、長方形状に裁断されているとともに、第2熱融着性樹脂層325側に第2内部接続用露出部326および第2外部接続用露出部327が形成されている。
また、下記製造方法を実行するのに先だって、電池部10も用意される。なお、電池部10は、基板11上に、スパッタ法等を用いて、正極層12、固体電解質層13、負極層14および負極集電体層15を、この順で積層することで得られる。
(第1融着工程)
まず、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315と、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325とを対峙させる。このとき、第1積層フィルム31に設けられた第1外部接続用露出部317を第1短辺SS1側に、第2積層フィルム32に設けられた第2外部接続用露出部327を第2短辺SS2側に、それぞれ配置する。また、このとき、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316と、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326とを対峙させ、且つ、第1内部接続用露出部316の全周縁に、第2内部接続用露出部326の全周縁を対向させる。
そして、大気中すなわち常圧雰囲気下で、第1融着部331を形成する、第1融着工程を実行する(ステップ10)。ステップ10では、第1短辺SS1側において第1短辺SS1に沿って、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315と、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325とを加圧および加熱し、その後加圧したまま加熱を停止する。これに伴い、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325が溶融および固化し、第1融着部331が形成される(図7(a)参照)。
(塗布工程)
次に、第1融着部331が形成されることによって一体化した第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の接合体を、第1融着部331を支点として開く。これにより、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316と、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326とが、上方に向けて露出した状態となる。
そして、大気中で、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32に導電性接着剤を塗布する、塗布工程を実行する(ステップ20)。ステップ20では、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316に導電性接着剤を塗布するとともに、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326に導電性接着剤を塗布する。
ここで、本実施の形態の塗布工程に関し、2つの具体例を挙げつつ説明を行う。
〔第1の例〕
図8は、塗布工程における導電性接着剤の塗布手法の第1の例を説明するための図である。塗布工程では、上述したように、第1融着部331が形成されることによって一体化した第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の接合体に対して、導電性接着剤の塗布を行う。ただし、ここでは、図8(a)に第1積層フィルム31側を記載し、図8(b)に第2積層フィルム32側を記載するようにした。なお、これらのことは、後述する図9においても同様である。
{第1積層フィルムに対する導電性接着剤の塗布}
第1の例では、まず、図8(a)に示すように、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316の形成部位に露出する第1金属層313に対し、第1積層フィルム31の長手方向に沿った3箇所に、導電性接着剤を塗布やポッティング等によって付着させる。なお、以下の説明においては、このようにして第1積層フィルム31に付着させた導電性接着剤を、第1導電性接着剤CA1と称する。
このとき、第1導電性接着剤CA1は、第1内部接続用露出部316の形成部位に露出する第1金属層313の全面に付着させないようにすることが望ましい。すなわち、第1導電性接着剤CA1を付着させた状態においても、第1内部接続用露出部316の形成部位において第1金属層313の一部が、引き続き露出した状態を維持させるようにすることが望ましい。特に、第1内部接続用露出部316の外周、すなわち、第1金属層313と第1内側接着層314および第1熱融着性樹脂層315との境界となる領域には、第1導電性接着剤CA1を付着させないようにしておくことが望ましい。
{第2積層フィルムに対する導電性接着剤の塗布}
また、第1の例では、図8(b)に示すように、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326の形成部位に露出する第2金属層323に対し、第2積層フィルム32の長手方向に沿った3箇所に、導電性接着剤を塗布やポッティング等によって付着させる。なお、以下の説明においては、このようにして第2積層フィルム32に付着させた導電性接着剤を、第2導電性接着剤CA2と称する。
このとき、第2導電性接着剤CA2は、第2内部接続用露出部326の形成部位に露出する第2金属層323の全面に付着させないようにすることが望ましい。すなわち、第2導電性接着剤CA2を付着させた状態においても、第2内部接続用露出部326の形成部位において第2金属層323の一部が、引き続き露出した状態を維持させるようにすることが望ましい。特に、第2内部接続用露出部326の外周、すなわち、第2金属層323と第2内側接着層324および第2熱融着性樹脂層325との境界となる領域には、第2導電性接着剤CA2を付着させないようにしておくことが望ましい。
〔第2の例〕
図9は、塗布工程における導電性接着剤の塗布手法の第2の例を説明するための図である。ただし、ここでは、上述した図8と同様に、図9(a)に第1積層フィルム31側を記載し、図9(b)に第2積層フィルム32側を記載するようにした。
{第1積層フィルムに対する導電性接着剤の塗布}
第2の例では、まず、図9(a)に示すように、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316の形成部位に露出する第1金属層313に対し、第1積層フィルム31の長手方向に沿って、第1導電性接着剤CA1を塗布やポッティング等によって付着させる。なお、このとき、第1導電性接着剤CA1を、第1内部接続用露出部316の形成部位に露出する第1金属層313の全面に付着させないようにすること、および、第1金属層313と第1内側接着層314および第1熱融着性樹脂層315との境界となる領域には、第1導電性接着剤CA1を付着させないようにしておくことが望ましい点については、第1の例と同じである。
{第2積層フィルムに対する導電性接着剤の塗布}
また、第2の例では、図9(b)に示すように、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326の形成部位に露出する第2金属層323に対し、第2積層フィルム32の長手方向に沿って、第2導電性接着剤CA2を塗布やポッティング等によって付着させる。なお、このとき、第2導電性接着剤CA2を、第2内部接続用露出部326の形成部位に露出する第2金属層323の全面に付着させないようにすること、および、第2金属層323と第2内側接着層324および第2熱融着性樹脂層325との境界となる領域には、第2導電性接着剤CA2を付着させないようにしておくことが望ましい点については、第1の例と同じである。
(装着工程)
続いて、大気中すなわち常圧雰囲気下で、導電性接着剤が塗布された第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の接合体に、電池部10を装着する、装着工程を実行する(ステップ30)。ステップ30では、まず、第1積層フィルム31に設けられた、第1導電性接着剤CA1が塗布された第1内部接続用露出部316に対し、電池部10の基板11を接触させる。それから、第1融着部331を支点として、第1積層フィルム31に対して第2積層フィルム32を閉じることによって、第2積層フィルム32に設けられた、第2導電性接着剤CA2が塗布された第2内部接続用露出部326に対し、電池部10の負極集電体層15を接触させる。このとき、電池部10に設けられた基板11の全周縁を、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316の全周縁(内周縁)よりも外側に位置させる(図8(a)参照)。また、電池部10に設けられた負極集電体層15の全周縁を、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326の全周縁(内周縁)よりも外側に位置させる(図8(b)参照)。
(加熱工程)
それから、大気中すなわち常圧雰囲気下で、まず、第1融着部331を介して一体化し且つ二箇所に導電性接着剤が塗布されてなる、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32と電池部10との接着体を加熱する、加熱工程を実行する(ステップ40)。ステップ40では、まず、上記接着体をホットプレートの上に積載するとともに、その上に重石を乗せる。ここで、重石は、塗布された導電性接着剤と電池部10とが密着する程度の重量に設定される。それから、ホットプレートを加熱することで、上記接着体の二箇所に塗布された導電性接着剤を硬化させる。その結果、第1積層フィルム31の第1内部接続用露出部316と、電池部10の基板11との間に存在していた導電性接着剤(第1導電性接着剤CA1)は、加熱による硬化に伴って第1接着部51となる。また、第2積層フィルム32の第2内部接続用露出部326と、電池部10の負極集電体層15との間に存在していた導電性接着剤(第2導電性接着剤CA2)は、加熱による硬化に伴って第2接着部52となる。
このとき、電池部10の基板11と、第1積層フィルム31の第1内部接続用露出部316に露出する第1金属層313との間に挟まれた液状の第1導電性接着剤CA1は、重石によって加えられた圧力により、面方向に広がろうとする。ここで、本実施の形態では、第1導電性接着剤CA1の外周面と第1内部接続用露出部316の内周面との間に隙間が設けられており、重石による圧力が加えられた状態においても、第1導電性接着剤CA1の外周面が第1内部接続用露出部316の内周面に到達しにくくなっている。また、仮に、第1導電性接着剤CA1の外周面が第1内部接続用露出部316の内周面に到達し、第1導電性接着剤CA1が、基板11と第1積層フィルム31の第1熱融着性樹脂層315との間に侵入してきたとしても、基板11の外周面には到達しにくくなっている。これは、基板長さL11が第1内部接続用露出部長さL316よりも大きく、且つ、基板幅W11が第1内部接続用露出部幅W316よりも大きいことに起因する。
そして、液状の第1導電性接着剤CA1を加熱することにより、第1導電性接着剤CA1は硬化し、第1接着部51となる。上述したように、第1導電性接着剤CA1は、基板11の外周面を乗り越えていないため、第1導電性接着剤CA1が硬化することで形成された第1接着部51が、正極層12〜負極層14の外周面を覆うことに起因する、電池部10の短絡を抑制することが可能になる。
また、このとき、電池部10の負極集電体層15と、第2積層フィルム32の第2内部接続用露出部326に露出する第2金属層323との間に挟まれた液状の第2導電性接着剤CA2も、重石によって加えられた圧力により、面方向に広がろうとする。ここで、本実施の形態では、第2導電性接着剤CA2の外周面と第2内部接続用露出部326の内周面との間に隙間が設けられており、重石による圧力が加えられた状態においても、第2導電性接着剤CA2の外周面が第2内部接続用露出部326の内周面に到達しにくくなっている。また、仮に、第2導電性接着剤CA2の外周面が第2内部接続用露出部326の内周面に到達し、第2導電性接着剤CA2が、負極集電体層15と第2積層フィルム32の第2熱融着性樹脂層325との間に侵入してきたとしても、負極集電体層15の外周面には到達しにくくなっている。これは、負極集電体層長さL15が第2内部接続用露出部長さL326よりも大きく、且つ、負極集電体層幅W15が第2内部接続用露出部幅W326よりも大きいことに起因する。
そして、液状の第2導電性接着剤CA2を加熱することにより、第2導電性接着剤CA2は硬化し、第2接着部52となる。上述したように、第2導電性接着剤CA2は、負極集電体層15の外周面を乗り越えていないため、第2導電性接着剤CA2が硬化することで形成された第2接着部52が、正極層12〜負極層14の外周面を覆うことに起因する、電池部10の短絡を抑制することが可能になる。なお、加熱工程はオーブンを用いて行ってもよい。
(第2融着工程)
次に、大気中すなわち常圧雰囲気下で、第2融着部332を形成する、第2融着工程を実行する(ステップ50)。ステップ50では、第1長辺LS1側において第1長辺LS1に沿って、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315と、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325とを加圧および加熱し、その後加圧したまま加熱を停止する。これに伴い、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325が溶融および固化し、第2融着部332が形成される(図7(b)参照)。また、このとき、第1融着部331の一端と第2融着部332の他端とが連結される。
(第3融着工程)
続いて、大気中すなわち常圧雰囲気下で、第3融着部333を形成する、第3融着工程を実行する(ステップ60)。ステップ60では、第2短辺SS2側において第2短辺SS2に沿って、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315と、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325とを加圧および加熱し、その後加圧したまま加熱を停止する。これに伴い、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325が溶融および固化し、第3融着部333が形成される(図7(c)参照)。また、このとき、第2融着部332の一端と第3融着部333の他端とが連結される。
(第4融着工程)
それから、減圧雰囲気下で、第4融着部334を形成する、第4融着工程を実行する(ステップ70)。ステップ70では、まず、グローブボックス内にて真空引きを行って減圧雰囲気とし、電池部10と外装部30(第1積層フィルム31および第2積層フィルム32)と接着部50との間に存在する空間の脱気を行う。続いて、ステップ70では、第2長辺LS2側において第2長辺LS2に沿って、第1積層フィルム31における第1熱融着性樹脂層315と、第2積層フィルム32における第2熱融着性樹脂層325とを加圧および加熱し、その後加圧したまま加熱を停止する。これに伴い、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325が溶融および固化し、第4融着部334が形成される(図7(d)参照)。また、このとき、第3融着部333の一端と第4融着部334の他端とが連結される。さらに、このとき、第4融着部334の一端と第1融着部331の他端とが連結される。その結果、第1融着部331〜第4融着部334が一体化することで額縁状の融着部33が形成され、図1等に示す充電池パック1が得られる。その後、グローブボックス内を大気圧に戻し、グローブボックス内から充電池パック1を取り出し、一連の処理を完了する。
[融着方法]
ではここで、融着部33を形成するための、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との融着方法について、ステップ50の第2融着工程を例として説明する。
(融着装置)
図10は、融着部33の形成すなわち第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との融着に用いる融着装置100の概要を示す斜視図である。本実施の形態の融着装置100は、2つのシールバーで対象物を挟み込んだ状態で、対象物を加熱・加圧する、所謂バーシール方式を採用している。
この融着装置100は、図中手前側から奥側に向かって延びる第1シールバー110と、図中手前側から奥側に向かって延び且つ第1シールバー110に対向して配置される第2シールバー120とを備えている。ここで、第1シールバー110および第2シールバー120は、それぞれが角柱状の形状を有しており、図中において第2シールバー120が第1シールバー110の上方に位置し、且つ、両者がほぼ平行となるように配置されている。
第1シールバー110は、図中に矢印で示す上下方向に進退可能に設けられている。そして、第1シールバー110における上方側には、第2シールバー120と対峙するとともに、図中上方への進出時に第2シールバー120に設けられた第2突当面121に突き当たる第1突当面111が設けられている。
第2シールバー120も、図中に矢印で示す上下方向に進退可能に設けられている。そして、第2シールバー120における下方側には、第1シールバー110と対峙するとともに、図中下方への進出時に第1シールバー110に設けられた第1突当面111に突き当たる第2突当面121が設けられている。
第1シールバー110における第1突当面111および第2シールバー120における第2突当面121の長手方向の長さは、同じ大きさとなるバー長さLBに設定されている。また、第1突当面111および第2突当面121の短手方向の長さは、同じ大きさとなるバー幅WBに設定されている。
第1シールバー110および第2シールバー120には、それぞれを加熱する加熱源(図示せず)が設けられている。この加熱源は、オン・オフが可能となっている。
(第2融着工程における融着手順)
次に、ステップ50の第2融着工程における、融着装置100を用いた具体的な融着手順について説明を行う。
図11は、ステップ50の第2融着工程を説明するためのフローチャートである。また、図12(a)〜(f)は、ステップ50の第2融着工程における各工程を説明するための図である。
なお、ステップ50の第2融着工程を実行するのに先だって、融着装置100が用意される。このとき、融着装置100を構成する第1シールバー110および第2シールバー120は、図10に示すように離間しており、第1シールバー110の第1突当面111と第2シールバー120の第2突当面121との間には、空間が存在している。なお、以下では、図10に示す状態を、「開状態」と称する。また、このとき、第1シールバー110および第2シールバー120のそれぞれに設けられた加熱源(図示せず)は、オフの状態に設定されている。
一方、このとき、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32は、ステップ10の第1融着工程で形成された第1融着部331によって一体化している。また、電池部10と第1積層フィルム31および第2積層フィルム32とは、ステップ20の塗布工程〜ステップ40の加熱工程で形成された第1接着部51および第2接着部52によって一体化している。なお、以下では、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32を第1融着部331にて一体化し、且つ、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32と電池部10とを第1接着部51および第2接着部52にて一体化したものを、「融着対象物」と称する。
〔設置工程〕
まず、融着装置100に対して融着対象物を設置する、設置工程を実行する(ステップ51)。ここで、図12(a)は、ステップ51の設置工程の概要を説明するための図である。
設置工程では、開状態にある、第1シールバー110の第1突当面111と第2シールバー120の第2突当面121との間に、図中矢印方向に沿って融着対象物を挿入していく。このとき、第1長辺LS1側を先頭とし、第1突当面111側には第1積層フィルム31の第1耐熱性樹脂層311を、第2突当面121側には第2積層フィルム32の第2耐熱性樹脂層321を、それぞれ対峙させるようにする。なお、融着対象物における第1長辺LS1側の端部では、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の両者の端面の位置が、ほぼ重なるように、第1融着部331(図7(a)参照)の形成が行われているものとする。そして、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の第1長辺LS1側の各端部が、第1突当面111と第2突当面121との対向部を通過し、且つ、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32に挟まれた電池部10(図示せず)が、この対向部に到達しない状態で、融着対象物の挿入を停止させ且つ固定する。
〔圧力付与工程〕
次に、融着装置100によって融着対象物に圧力を付与する、圧力付与工程を実行する(ステップ52)。ここで、図12(b)は、ステップ52の圧力付与工程の概要を説明するための図である。
圧力付与工程では、融着装置100を構成する第1シールバー110および第2シールバー120を、「開状態」から「閉状態」へと移行させる。より具体的に説明すると、第1シールバー110を第2シールバー120に近づける側(図中上方向)に、第2シールバー120を第1シールバー110に近づける側(図中下方向)に、それぞれ移動させる。そして、第1シールバー110と第2シールバー120とによって、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体を挟み込む。このとき、第1シールバー110の第1突当面111が第1積層フィルム31の第1耐熱性樹脂層311に、第2シールバー120の第2突当面121が第2積層フィルム32の第2耐熱性樹脂層321に、それぞれ突き当たる。その後、第1シールバー110と第2シールバー120とによって、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体に、予め定められた圧力を付与し、この状態で、第1シールバー110および第2シールバー120の移動を停止させる。この状態では、第1突当面111と第2突当面121との間に、融着対象物の第1長辺LS1側に存在する、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体が位置する。このとき、融着対象物を構成する第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体における第1長辺LS1側の端面は、第1突当面111と第2突当面121との対向部よりも外側(図中左側)に位置し、融着対象物を構成する電池部10(図示せず)は、この対向部よりも内側(図中右側)に位置する。以下では、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体のうち、第1突当面111と第2突当面121とによって挟み込まれた領域を、ニップ領域Nと称する。
なお、記載を簡略化するために図中には示していないが、ニップ領域Nでは、付与される圧力により、ニップ領域Nの図中左右に隣接する領域よりも、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体の厚さが小さくなる。このとき、第1金属層313および第2金属層323の厚さは、ほとんど変わらないが、第1耐熱性樹脂層311、第1熱融着性樹脂層315、第2耐熱性樹脂層321および第2熱融着性樹脂層325の厚さは小さくなり、つぶれる。特に、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325は、第1耐熱性樹脂層311および第2耐熱性樹脂層321よりもつぶれやすくなっている。
〔加熱工程〕
続いて、融着装置100によって圧力が付与された融着対象物を加熱する、加熱工程を実行する(ステップ53)。ここで、図12(c)は、ステップ53の加熱工程の概要を説明するための図である。
加熱工程では、「閉状態」に設定された第1シールバー110および第2シールバー120の、それぞれに設けられた加熱源(図示せず)を、オフからオンに切り換える。すると、第1シールバー110および第2シールバー120から、融着対象物を構成する第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体に、熱が供給される。より具体的に説明すると、第1シールバー110の第1突当面111から、ニップ領域Nに位置する第1積層フィルム31の第1耐熱性樹脂層311に、熱が供給される。また、第2シールバー120の第2突当面121から、ニップ領域Nに位置する第2積層フィルム32の第2耐熱性樹脂層321に、熱が供給される。
このようにして、ニップ領域Nに存在する第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体に供給された熱は、次のようにしてその内部に伝達される。まず、第1シールバー110から供給された熱は、第1耐熱性樹脂層311から第1外側接着層312乃至第1内側接着層314を介して、第1熱融着性樹脂層315へと伝達される。これに対し、第2シールバー120から供給された熱は、第2耐熱性樹脂層321から第2外側接着層322乃至第2内側接着層324を介して、第2熱融着性樹脂層325へと伝達される。
このとき、第1シールバー110および第2シールバー120を介して、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体に供給される熱の大きさは、次のように設定される。すなわち、供給される熱の大きさは、第1耐熱性樹脂層311および第2耐熱性樹脂層321は溶融せず、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325は溶融する程度に設定される。すると、ニップ領域Nに存在する第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体において、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325は、加熱に伴って溶融する。その結果、ニップ領域Nでは、図中に網点で示したように、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325の溶融物が混在した状態となる。このとき、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325の溶融物は、例えば図中に示したように、ニップ領域Nよりも面方向(図中横方向)に広がることはあるものの、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の第1長辺LS1側の端部には到達しないよう、供給される熱の大きさが定められている。
〔冷却工程〕
次いで、融着装置100によって加熱された融着対象物を冷却する、冷却工程を実行する(ステップ54)。ここで、図12(d)は、ステップ54の冷却工程の概要を説明するための図である。
冷却工程では、「閉状態」に設定された第1シールバー110および第2シールバー120の、それぞれに設けられた加熱源(図示せず)を、オンからオフに切り換える。すると、第1シールバー110には、第1突当面111を介して、ニップ領域Nに位置する第1積層フィルム31の第1耐熱性樹脂層311から、熱が移動していく。また、第2シールバー120には、第2突当面121を介して、ニップ領域Nに位置する第2積層フィルム32の第2耐熱性樹脂層321から、熱が移動していく。さらに、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313および第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323により、ニップ領域Nの周辺に存在する熱が面方向に分散していく。その結果、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体において、ニップ領域Nの周辺に存在していた第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325の溶融物は、冷却されることによって固化する。その結果、ニップ領域Nに存在していた溶融物は、固化に伴い、第1熱融着性樹脂層315と第2熱融着性樹脂層325とを一体化した第2融着部332となる。このとき、第2融着部332は、例えば図中に示したように、上記溶融物と同様に、ニップ領域Nよりも面方向に広がることはあるものの、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の第1長辺LS1側の端部には到達しないようになっている。
〔圧力解除工程〕
それから、融着装置100によって融着対象物に付与していた圧力を解除する、圧力解除工程を実行する(ステップ55)。ここで、図12(e)は、ステップ55の圧力解除工程の概要を説明するための図である。
圧力解除工程では、融着装置100を構成する第1シールバー110および第2シールバー120を、「閉状態」から「開状態」へと移行させる。より具体的に説明すると、第1シールバー110を第2シールバー120から遠ざける側(図中下方向)に、第2シールバー120を第1シールバー110から遠ざける側(図中上方向)に、それぞれ移動させる。これにより、第1シールバー110および第2シールバー120を用いた、融着対象物における第1積層フィルム31と第2積層フィルム32との積層体の挟み込みが解除される。
〔回収工程〕
その後、融着装置100から融着対象物を回収する、回収工程を実行する(ステップ56)。ここで、図12(f)は、ステップ56の回収工程の概要を説明するための図である。
回収工程では、「開状態」にある、第1シールバー110の第1突当面111と第2シールバー120の第2突当面121との間から、図中矢印方向に沿って融着対象物を取り出して回収する。そして、このようにして得た、第1融着部331に加えて第2融着部332が形成された融着対象物を、次の工程(第3融着工程)へと送る。
このようにして回収された融着対象物において、第2融着部332の融着幅WFは、ニップ領域Nを形成していた第1シールバー110および第2シールバー120の各バー幅WBよりもわずかに大きくなっている。また、回収された融着対象物において、第2融着部332よりも第1長辺LS1の端部側(図中左側)には、第1積層フィルム31の第1熱融着性樹脂層315と第2積層フィルム32の第2熱融着性樹脂層325とが融着していない未融着領域Aが、第1長辺LS1に沿って存在することになる。
なお、ここでは詳細な説明を行わないが、第2融着部332とほぼ平行となる第4融着部334も、第2融着部332と同様の手法を用いて製造することができる。また、第2融着部332とほぼ垂直となる第1融着部331および第3融着部333も、第2融着部332と同様の手法を用いて製造することができる。その結果、本実施の形態では、図1および図7等に示すように、融着部33が、電池部10の外周縁よりも外側であって、第1積層フィルム31(第1金属層313)および第2積層フィルム32(第2金属層323)の外周縁よりも内側に形成されることになる。また、見方を変えれば、融着部33は、第1積層フィルム31(第1金属層313)の外周縁と第2積層フィルム32(第2金属層323)の外周縁とを避けて形成されている、とみなすこともできる。
(融着位置の違いと得られる融着物との関係)
では、融着位置の違いと得られる融着物との関係について、説明を行う。
図13は、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32とを、融着装置100を用いて融着してなる融着領域およびその周辺断面写真である。なお、融着領域は、上述した融着部33(第1融着部331〜第4融着部334)に対応するものである。ここで、図13(a)は、ニップ領域Nに第1積層フィルム31の端部が含まれるように、融着領域を形成した場合を示している。これに対し、図13(b)は、ニップ領域Nに第1積層フィルム31の端部が含まれないように、融着領域を形成した場合を示している。
まず、図13(a)に示す例では、ニップ領域N(特に第1積層フィルム31の端部)における第1金属層313と第2金属層323とのギャップが、ここよりも内側(図13(a)では右側)の部位における両者のギャップと比べて、狭まっていることがわかる。これは、図13(a)に示す例では、ニップ領域N(特に第1積層フィルム31の端部)における第1熱融着性樹脂層315と第2熱融着性樹脂層325との重なり厚さが、ここよりも内側の部位における両者の重なり厚さと比べて、小さくなっていることを意味する。
第1金属層313と第2金属層323とのギャップが狭くなっている領域では、このギャップが広くなっている領域に比べて、両者の間に、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325が存在しなくなる確率が増加する。その結果、第1金属層313と第2金属層323とのギャップが狭くなっている領域では、このギャップが広くなっている領域に比べて、第1金属層313と第2金属層323とが直接に接触する確率も増加することになる。
本実施の形態では、第1金属層313を電池部10(図3参照)の正の外部電極として、また、第2金属層323を電池部10の負の外部電極として、それぞれ利用している。このため、第1熱融着性樹脂層315および第2熱融着性樹脂層325を融着した結果として、第1金属層313と第2金属層323とが直接に接触してしまうと、電池部10に短絡が生じることになってしまう。
これに対し、図13(b)に示す例では、ニップ領域Nにおける第1金属層313と第2金属層323とのギャップが、ここよりも内側(図13(b)では右側)の部位における両者のギャップと、ほとんど変わっていないことがわかる。これは、図13(b)に示す例では、ニップ領域Nにおける第1熱融着性樹脂層315と第2熱融着性樹脂層325との重なり厚さが、ここよりも内側の部位における両者の重なり厚さと、ほとんど変わっていないことを意味する。
このため、図13(b)に示す例では、図13(a)に示す例とは異なり、局所的に、第1金属層313と第2金属層323とのギャップが狭くなっている領域が生じ難い。このため、第1金属層313と第2金属層323とが直接に接触する確率も増加し難くなり、上述した電池部10の短絡も生じ難くなる。
[まとめ]
以上説明したように、本実施の形態の充電池パック1では、固体電解質層13を含むリチウムイオン二次電池で構成された電池部10を、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32と融着部33とを含む外装部30を用いて封止するようにした。これにより、外装部30を設けずに電池部10をむき出しで使用する場合と比較して、充電池パック1の安全性を高めることができる。
また、本実施の形態では、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313を電池部10の正電極として利用し、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323を電池部10の負電極として利用するようにした。これにより、第1金属層313および第2金属層323ではなく、電池部10の正電極および負電極として別途タブ電極等を設ける場合と比較して、充電池パック1を構成する部品点数を削減することができ、充電池パック1の構成を簡易にすることができる。
ここで、本実施の形態では、第1積層フィルム31と第2積層フィルム32とを融着してなる融着部33(例えば第2融着部332)を、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の各端部よりも内側に形成するようにした。これにより、第1積層フィルム31および/または第2積層フィルム32の端部にて、第1積層フィルム31を構成する第1金属層313と第2積層フィルム32を構成する第2金属層323とが、融着に伴って直接に接触することが生じ難くなる。このため、これら第1金属層313と第2金属層323とが直接に接触することに起因する、充電池パック1(電池部10)の短絡を抑制することが可能になる。
さらに、本実施の形態では、電池部10に設けられた基板11と第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313とを、第1導電性接着剤CA1を硬化させた第1接着部51で接続した。さらにまた、本実施の形態では、電池部10に設けられた負極集電体層15と第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323とを、第2導電性接着剤CA2を硬化させた第2接着部52で接続した。これにより、導電性接着剤を使用しない場合と比較して、電池部10と第1金属層313との接触抵抗および電池部10と第2金属層323との接触抵抗を低下させることができ、得られた充電池パック1の内部抵抗の増加に伴う放電容量の低下を抑制することが可能となる。
ここで、本実施の形態では、電池部10における基板11の外周縁を、第1積層フィルム31に設けられた第1内部接続用露出部316の内周縁よりも外側に位置させるようにした。そして、第1内部接続用露出部316の内側に、第1導電性接着剤CA1を塗布するようにした。これにより、第1導電性接着剤CA1が、電池部10と第1積層フィルム31とに挟まれることで第1内部接続用露出部316からはみ出すような場合であっても、はみ出した第1導電性接着剤CA1は、基板11の表面を介して電池部10の側面に到達しにくくなる。このため、第1導電性接着剤CA1を硬化させて得た第1接着部51による、電池部10の短絡すなわち充電池パック1における短絡の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、第1内部接続用露出部316の内周縁と第1接着部51の外周縁との間の少なくとも一部に、隙間を存在させるようにした。これにより、電池部10と第1積層フィルム31とに挟まれた第1接着部51を、第1内部接続用露出部316からはみ出させにくくすることができる。
一方、本実施の形態では、電池部10における負極集電体層15の外周縁を、第2積層フィルム32に設けられた第2内部接続用露出部326の内周縁よりも外側に位置させるようにした。そして、第2内部接続用露出部326の内側に、第2導電性接着剤CA2を塗布するようにした。これにより、第2導電性接着剤CA2が、電池部10と第2積層フィルム32とに挟まれることで第2内部接続用露出部326からはみ出すような場合であっても、はみ出した第2導電性接着剤CA2は、負極集電体層15の表面を介して電池部10の側面に到達しにくくなる。このため、第2導電性接着剤CA2を硬化させて得た第2接着部52による、電池部10の短絡すなわち充電池パック1における短絡の発生を抑制することができる。
また、本実施の形態では、第2内部接続用露出部326の内周縁と第2接着部52の外周縁との間の少なくとも一部に、隙間を存在させるようにした。これにより、電池部10と第2積層フィルム32とに挟まれた第2接着部52を、第2内部接続用露出部326からはみ出させにくくすることができる。
[その他]
なお、本実施の形態では、基板11上に、正極層12、固体電解質層13、負極層14および負極集電体層15の順に積層を行うことで、電池部10を形成していた。すなわち、固体電解質層13からみて基板11に近い側に正極層12を配置し、基板11から遠い側に負極層14を配置する構成を採用していた。ただし、これに限られるものではなく、固体電解質層13からみて基板11に近い側に負極層14を配置し、基板11から遠い側に正極層12を配置する構成を採用してもかまわない。ただし、この場合は、基板11に対する各層の積層順が、上述したものとは逆になる。また、この場合は、外装部30において、第1積層フィルム31に設けられた第1金属層313が負の電極となり、第2積層フィルム32に設けられた第2金属層323が正の電極となる。
また、本実施の形態では、電池部10を構成する基板11において、基板長さL11>基板幅W11としていたが、これに限られるものではなく、基板長さL11≦基板幅W11としてもかまわない。一方、本実施の形態では、電池部10を構成する負極集電体層15において、負極集電体層長さL15>負極集電体層幅W15としていたが、これに限られるものではなく、負極集電体層長さL15≦負極集電体層幅W15としてもかまわない。そして、本実施の形態では、電池部10の全体形状を矩形状としていたが、矩形状以外の形状であってもよい。
さらに、本実施の形態では、外装部30を構成する第1積層フィルム31において、第1内部接続用露出部長さL316>第1内部接続用露出部幅W316としていたが、これに限られるものではなく、第1内部接続用露出部長さL316≦第1内部接続用露出部幅W316としてもかまわない。一方、本実施の形態では、外装部30を構成する第2積層フィルム32において、第2内部接続用露出部長さL326>第2内部接続用露出部幅W326としていたが、これに限られるものではなく、第2内部接続用露出部長さL326≦第2内部接続用露出部幅W326としてもかまわない。そして、本実施の形態では、第1内部接続用露出部316および第2内部接続用露出部326の形状をそれぞれ矩形状としていたが、矩形状以外の形状であってもよい。
また、本実施の形態では、図10に示す、所謂バーシール方式を採用した融着装置100を用いて、第1積層フィルム31および第2積層フィルム32の積層体に対する融着部33の形成を行っていたが、これに限られるものではない。このような融着部33の形成手法としては、他に、互いに回転する一対のロールを用いるロールシール方式や、互いに回転する一対の無端ベルトを用いるベルトシール方式等が挙げられる。
1…充電池パック、10…電池部、11…基板、12…正極層、13…固体電解質層、14…負極層、15…負極集電体層、30…外装部、31…第1積層フィルム、32…第2積層フィルム、33…融着部、50…接着部、51…第1接着部、52…第2接着部、CA1…第1導電性接着剤、CA2…第2導電性接着剤、100…融着装置、110…第1シールバー、111…第1突当面、120…第2シールバー、121…第2突当面

Claims (5)

  1. 正極活物質を含む正極層と、無機固体電解質を含む固体電解質層と、負極活物質を含む負極層と、をこの順に有する電池部と、
    金属を含む第1金属層と、樹脂を含み且つ当該第1金属層の一方の面に当該第1金属層の一部が露出する第1露出部を形成する第1樹脂層と、をこの順に有し、当該第1露出部に露出する当該第1金属層には前記電池部の前記正極層側が対峙する第1積層フィルムと、
    金属を含む第2金属層と、樹脂を含み且つ当該第2金属層の一方の面に当該第2金属層の一部が露出する第2露出部を形成する第2樹脂層と、をこの順に有し、当該第2露出部に露出する当該第2金属層には前記電池部の前記負極層側が対峙する第2積層フィルムと、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを、前記電池部の外周縁よりも外側であって、前記第1金属層および前記第2金属層の外周縁よりも内側で融着する融着部と
    を含む充電池パック。
  2. 前記融着部は、前記電池部の全外周縁よりも外側に配置されること
    を特徴とする請求項1記載の充電池パック。
  3. 前記第1積層フィルムの端部と前記第2積層フィルムの端部とが重なる部位を有していること
    を特徴とする請求項1または2記載の充電池パック。
  4. 前記電池部は、
    導電性を有し且つ前記正極層側に設けられる正極集電体層と、
    導電性を有し且つ前記負極層側に設けられる負極集電体層と
    をさらに有し、
    前記正極集電体層と前記第1露出部に露出する前記第1金属層とを、導電性を確保しながら接着する第1接着部と、
    前記負極集電体層と前記第2露出部に露出する前記第2金属層とを、導電性を確保しながら接着する第2接着部と
    をさらに含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の充電池パック。
  5. 正極活物質を含む正極層と、無機固体電解質を含む固体電解質層と、負極活物質を含む負極層と、をこの順に有する電池部と、
    金属を含む第1金属層と、樹脂を含み且つ当該第1金属層の一方の面に当該第1金属層の一部が露出する第1露出部を形成する第1樹脂層と、をこの順に有し、当該第1露出部に露出する当該第1金属層には前記電池部の前記正極層側が対峙する第1積層フィルムと、
    金属を含む第2金属層と、樹脂を含み且つ当該第2金属層の一方の面に当該第2金属層の一部が露出する第2露出部を形成する第2樹脂層と、をこの順に有し、当該第2露出部に露出する当該第2金属層には前記電池部の前記負極層側が対峙する第2積層フィルムと、
    前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とを融着することで、前記第1積層フィルムと前記第2積層フィルムとの間で前記電池部を封止する融着部と
    を含み、
    前記融着部は、前記第1積層フィルムの外周縁と前記第2積層フィルムの外周縁とを避けて形成されること
    を特徴とする充電池パック。
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