JP2020071432A - 光コネクタ及び光ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うこと。【解決手段】筒状のホルダと、ホルダの一端側に形成された収容部に収容されるレンズと、ホルダの他端側に保持される光ファイバとを有する光結合部材203を備える光ケーブル20に着脱可能に接続される光コネクタ10において、結合部材と同一の構成を有する光結合部材103と、光ケーブル側の光結合部材を、光コネクタ側の光結合部材の所定位置に案内して位置決めする位置決め部101bと、光コネクタ側の光結合部材に接続され、光信号(電気信号)を電気信号(光信号)に変換する光電気変換モジュールと、光電気変換モジュールに接続され、電気信号の入出力を行う入出力部102と、を有する構成とした。【選択図】図8
Description
本発明は、発光素子からの光を集光して光ファイバに入射したり、光ファイバから出射する光を受光素子に集光したりする場合に使用される光結合部材を備えた光コネクタ及び光ケーブルに関する。
近年、4K/8K映像などの大容量データ用の伝送ケーブルとして、アクティブ光ケーブルが注目されている。アクティブ光ケーブルは、光電気変換部を内蔵したコネクタ部と、光ケーブルを組み込んだケーブル部とを一体化した高速・大容量伝送が可能なケーブルで構成される。アクティブ光ケーブルでは、4K/8K映像等を長距離で伝送することが可能となっている。従来、このようなアクティブ光ケーブルにおける光学系の正常性を検査する検査方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
アクティブ光ケーブルでは、光ファイバを組み込んだケーブル部の両端に設けられたコネクタ部を有している。コネクタ部には、光ファイバで伝送される光信号を電気信号に変換する光電気変換部が内蔵されている。光電気変換部における光電気変換には、高精度な位置精度が要求される。このため、アクティブ光ケーブルは、ケーブル部とコネクタ部とが一体化された状態で市場に提供されている。
例えば、コネクタ部には、光電気変換部が内蔵されると共に、光ファイバで伝送される光信号を光電気変換部に誘導するレンズやミラーが収容される。このような構成を有することから、コネクタ部は、その外径寸法が大きくなってしまう。大容量のデータ伝送を行う際の配線態様として、アクティブ光ケーブルを壁面内で取り回すことが想定される。しかしながら、このような場合、コネクタ部の外形寸法を通過させるためのスペースを確保しなければならず、取回し作業が煩雑化する事態が発生し得る。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる光コネクタ及び光ケーブルを提供することを目的とする。
本発明の光コネクタは、筒状の保持部材と、前記保持部材の一端側に形成された収容部に収容されるレンズと、前記保持部材の他端側に保持される光ファイバとを有する第1の光結合部材を備えた光ケーブルに着脱可能に接続される光コネクタであって、前記第1の光結合部材と同一の構成を有する第2の光結合部材と、前記第2の光結合部材を位置決めすると共に、前記光コネクタの接続動作に伴って前記第1の光結合部材を前記第2の光結合部材の所定位置に案内して位置決めする位置決め部と、前記第2の光結合部材に接続され、光信号又は電気信号を電気信号又は光信号に変換する光電気変換部と、前記光電気変換部に接続され、電気信号の入出力を行う入出力部と、を有することを特徴とする。
上記光コネクタによれば、位置決め部によって光コネクタ側の第2の光結合部材が位置決めされると共に、光コネクタの接続動作に伴って光ケーブル側の第1の光結合部材が第2の光結合部材の所定位置に位置決めされ、光電気変換部によって光信号と電気信号とが交換されることから、光ケーブルと光コネクタとを別の構成としながら、簡単にこれらを接続することができる。これにより、例えば、壁面内に光ケーブルを配線する場合であっても、光コネクタを外した状態で配線作業を行い、配線後の光ケーブルの端部に光コネクタを接続することができる。この結果、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる。
上記光コネクタにおいて、前記位置決め部は、前記位置決め部は、前記第2の光結合部材の一部を収容する溝部を有し、前記溝部は、前記第1の光結合部材を前記第2の光結合部材の所定位置に案内することが好ましい。この場合には、共通の溝部で第2の光結合部材が位置決めされると共に、第1の光結合部材が第2の光結合部材の所定位置に案内されることから、複雑な接続作業を必要とすることなく簡単且つ高精度に第2の光結合部材に対して第1の光結合部材を位置決めすることができる。
また、上記光コネクタにおいて、前記溝部は、断面視にてV字形状部を有し、当該V字形状部は、前記光ケーブル側の端部にテーパ形状部を有することが好ましい。この場合には、溝部がV字形状部を有すると共に光ケーブル側の端部にテーパ形状部を有することから、光コネクタの接続動作に伴って第1の光結合部材を受け入れ易くでき、簡単に第2の光結合部材に案内することができる。
さらに、上記光コネクタにおいて、前記位置決め部には、前記光ケーブルの一部に係合し、当該光ケーブルに対する前記光コネクタの接続角度を規制する係合片が設けられることが好ましい。この場合には、位置決め部に光ケーブルに対する光コネクタの接続角度を規制する係合片が設けられることから、光ケーブルに対して光コネクタが誤った角度で接続される事態を確実に防止することができる。
さらに、上記光コネクタにおいて、前記係合片は、前記光ケーブル内に設けられた電気配線と電気的に接続される電気接続部を構成することが好ましい。この場合には、光ケーブルに対する光コネクタの接続角度を規制する係合片で電気的に接続する機能を持たせることができるので、電気的な接続のための特別な構成を備える必要がない。このため、光コネクタと光ケーブルとを接続するだけで両者に接続される機器同士の電気的な接続を確保することができる。
本発明の光ケーブルは、上記した光コネクタに接続される光ケーブルであって、前記第1の光結合部材と、前記光コネクタの前記位置決め部により前記第1の光結合部材が位置決めされた状態で前記光ケーブルを前記光コネクタに固定する固定部材と、を有することを特徴とする。
上記光ケーブルによれば、光コネクタの位置決め部によって第1の光結合部材が、光コネクタ側の第2の光結合部材の所定位置に位置決めされた状態で、固定部材により光ケーブルが固定されることから、光コネクタと分離した状態で光ケーブルの配線を行い、配線後に固定部材で光ケーブルを光コネクタに固定することができる。この結果、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる。
本発明の光ケーブルは、上記した光コネクタに接続される光ケーブルであって、前記係合片を収容する収容部と、前記収容部に収容された前記係合片と電気的に接続される電気接続部と、を有することを特徴とする。
上記光ケーブルによれば、収容部で光コネクタの係合片を収容し、収容した係合片と電気接続部で電気的に接続されることから、電気的な接続のための特別な構成を備える必要がない。このため、光コネクタと光ケーブルとを接続するだけで両者に接続される機器同士の電気的な接続を確保することができる。
本発明によれば、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本実施の形態に係る着脱式アクティブ光ケーブル(Active Optical Cable: AOC)1の全体構成図である。図1Aにおいては、着脱式AOC1を構成する光ケーブル20に光コネクタ10が接続された状態を示し、図1Bにおいては、光ケーブル20から一方の光コネクタ10が分離した状態を示している。なお、図1Bにおいては、説明の便宜上、光ケーブル20の一部(後述するリング部材21)を分離して示している。
図1に示すように、本実施の形態に係る着脱式AOC1においては、光ケーブル20の端部に対して光コネクタ10(10A、10B)が着脱可能に構成されている。詳細について後述するように、光コネクタ10は、光ケーブル20の端部に配置されるリング部材21にその一部が圧入されて固定される。なお、以下の説明においては、光ケーブル20の両端部に光コネクタ10が接続される場合について説明するが、光コネクタ10の接続形態については、これに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、光ケーブル20の一端部にのみ光コネクタ10が接続され、他端部には既存の光コネクタが接続される形態であってもよい。
例えば、着脱式AOC1は、光コネクタ10Aに接続された機器から、光コネクタ10Bに接続された機器に対して4K/8K映像等を信号伝送する際に利用される。このような信号伝送に先立って着脱式AOC1は、これらの機器が設置される設備内に配線される。この際、着脱式AOC1においては、光コネクタ10が光ケーブル20から分離された状態で配線作業を行うことができる。すなわち、光ケーブル20のみを設備内で配線し、その配線後に光ケーブル20の端部に光コネクタ10を接続することができる。
以下、着脱式AOC1を構成する光コネクタ10及び光ケーブル20の構成について説明する。図2は、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光コネクタ10の斜視図である。図3A及び図3Bは、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光コネクタ10の接続部101周辺の拡大図及び後面図である。以下においては、図2及び図3に示す前後方向、左右方向及び上下方向を、光コネクタ10又は光ケーブル20の前後方向、左右方向及び上下方向として説明する。なお、図1に示す光コネクタ10A、10Bは、同一の構成を有するため、以下では、特に区別することなく、光コネクタ10として説明するものとする。
図2に示すように、光コネクタ10は、概して扁平の直方体形状を有する筐体100を有している。例えば、筐体100は、ABS樹脂などの樹脂材料で成形されている。筐体100の左右方向の側面には、前後方向の中央近傍に凹凸形状から成る把持部100aが設けられている。筐体100は、内部に空間を有すると共に、その後方側端部に接続部101が設けられている。
筐体100の内部空間には、図示しない光電気変換部を構成する光電気変換モジュールが収容されている。例えば、光電気変換モジュールには、光電気変換制御ICや制御回路が含まれる。また、筐体100の内部空間には、光ケーブル20を介して伝送される光信号を光電気変換モジュールに案内する光学系が収容されている。例えば、光学系には、光信号を誘導するレンズやミラーが含まれる。さらに、筐体100の内部空間には、後述する入出力部102の一部が収容される。なお、筐体100の内部空間に収容される構成については、光信号と電気信号とを交換することを前提として適宜変更が可能である。
接続部101は、概して円柱形状を有する基部101aと、基部101aの後方側端部から後方側に突出する位置決め部101bと、位置決め部101bの周辺にて、基部101aの後方側端部から後方側に突出する一対の壁部101cと、位置決め部101bの後方側端部から後方側に突出する係合片101dとを有している。基部101a及び壁部101cは、筐体100と同一の樹脂材料で成形されている。位置決め部101b及び係合片101dは、導電性を有する金属材料で構成されている。これらの位置決め部101b及び係合片101dは、筐体100にインサート成形されている。
図3A及び図3Bに示すように、位置決め部101bは、基部101aの中央付近に配置されている。位置決め部101bのうち、基部101aから突出する部分は、概して立方体形状を有している。位置決め部101bは、基部101a内にも配置されている(図9〜図11参照)。位置決め部101bの上下左右の側面の中央には、溝部101e(101e1〜101e4)が形成されている(図3B参照)。これらの溝部101eは、光コネクタ10の前後方向に延びて形成されている(図3A参照)。各溝部101e1〜101e4は、位置決め部101bの外側に向けて開口したV字形状を有している。また、各溝部101e1〜101e4の後端側(光ケーブル20と接続する際の光ケーブル20側)には、後方側に向けて溝の深さが大きくなるようにテーパ形状部101fが形成されている。
基部101a内における溝部101eに対応する位置に、第2の光結合部材の一例を構成する光結合部材103が配置されている。これらの光結合部材103は、後述するレンズ103bを後方側に向けた状態で、光軸が前後方向に配置されるように、基部101a内に配置されている。各光結合部材103は、基部101aの後方側端面から、後方側にレンズ103bを向けた状態で基部101aの内側に収容されている(図3A参照)。各光結合部材103は、後述するホルダ103aの一部が各溝部101e1〜101e4に収容された状態で配置されている。なお、この光結合部材103の構成については後述する。
壁部101cは、後面視にて、位置決め部101bの一方の対角線に沿って配置されるように、基部101aに設けられている。図3Bに示すように、一方の壁部101c1は、位置決め部101bの左上方側の角部近傍から左上方側に延びている。他方の壁部101c2は、位置決め部101bの右下方側の角部近傍から右下方側に延びている。これらの壁部101cの前後方向の中央周辺には、両面に突出片101gが設けられている(図3A参照)。これらの突出片101gは、後述するリング部材21の凹部213aに入り込んで光コネクタ10の前方側への脱落を防止する役割を果たす。
係合片101dは、後面視にて、概して直角二等辺三角形状を有している(図3B参照)。係合片101dは、その直角部が位置決め部101bの左下方側の角部に対応する位置に配置されており、直角部に対向する辺(最長の辺)が、一対の壁部101cの延在方向と平行に配置されている。係合片101dは、位置決め部101bの左下方側の領域に配置されている。係合片101dは、光ケーブル20に光コネクタ10を接続する際に、後述する光ケーブル20の凹部222bに挿入されることで、光ケーブル20に対する光コネクタ10の接続角度を規制する役割を果たす。また、係合片101dは、光ケーブル20内に設けられた電気配線と電気的に接続される電気接続部の一例を構成する。
筐体100の前方側端部には、前方側に向けて入出力部102の一部が突出している。入出力部102は、筐体100の前方側端部を貫通して配置されている。筐体100の内部空間において、入出力部102の一部は、光電気変換モジュールに接続されている。入出力部102は、光コネクタ10に接続される機器の接続孔に挿入され、当該機器に電気信号を出力し、或いは、当該機器から電気信号を入力する。
図4は、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光ケーブル20の斜視図である。図5は、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光ケーブル20の前面図である。図6は、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光ケーブル20のリング部材21の前面図である。図4においては、説明の便宜上、光ケーブル20からリング部材21を分離した状態を示している。図5においては、説明の便宜上、リング部材21を省略している。
図4に示すように、光ケーブル20は、リング部材21とケーブル本体部22とを有して構成される。例えば、リング部材21は、ケーブル本体部22の端部(図4では、前端部)に接着剤等により固定される。ケーブル本体部22は、光ケーブル20内に配設される不図示の電気配線及び光ファイバを被覆する被覆部221を有している。例えば、被覆部221は、ポリエステル系樹脂などの材料で構成されるが、これに限定されない。
被覆部221の前方側端部には、電気配線ブロック222が前方側に突出して設けられている。電気配線ブロック222は、導電性を有する金属材料で構成されている。電気配線ブロック222は、被覆部221の前方側端部に埋め込まれ(図9〜図11参照)、光ケーブル20内の電気配線の前端部に接続されている。図4に示すように、電気配線ブロック222は、被覆部221の中央付近に配置されている。電気配線ブロック222は、後述する凹部222bに収容された係合片101dと電気的に接続される電気接続部の一例を構成する。
電気配線ブロック222のうち、被覆部221から突出する部分は、概して立方体形状を有している。電気配線ブロック222の上下左右の側面の中央には、溝部222a(222a1〜222a4)が形成されている(図5参照)。これらの溝部222aは、光ケーブル20の前後方向に延びて形成されている。各溝部222a1〜222a4は、電気配線ブロック222の外側に向けて開口した円弧形状を有している。各溝部222a1〜222a4は、後述する光結合部材203のホルダ203aの一部を収容可能な形状(円弧形状)を有している。
被覆部221内に配設される光ファイバは、光結合部材203の一部として、ホルダ203aに保持されている。このように光ファイバを保持する光結合部材203の一部が溝部222aに収容されている。光結合部材203は、前方側端部を電気配線ブロック222よりも前方側に突出した状態で、ホルダ203aが溝部222aに収容される(図4参照)。すなわち、光結合部材203の前方側の一部は、電気配線ブロック222から前方側に突出した状態で配置される。光結合部材203は、第1の光結合部材の一例を構成する。
電気配線ブロック222の前方側端部には、凹部222bが形成されている。凹部222bは、後面視にて、概して直角二等辺三角形状を有している(図5参照)。凹部222bは、その直角部が電気配線ブロック222の右下方側の角部に対応する位置に配置されており、直角部に対向する辺(最長の辺)が、左上方側の角部に対向する位置に配置されている。凹部222bは、光コネクタ10の係合片101dを収容する収容部の一例を構成し、係合片101dを収容可能な形状及び寸法を有している。
リング部材21は、例えば、ABS樹脂などの樹脂材料で成形され、概して円筒形状を有している。リング部材21の内側には、後面視にて、電気配線ブロック222の外形形状に対応する貫通孔211が形成されている。貫通孔211は、光コネクタ10の位置決め部101bが圧入可能な寸法に構成されている。この貫通孔211の前端部近傍には、テーパ部212が形成されている(図9〜図11参照)。テーパ部212は、光コネクタ10の位置決め部101bを貫通孔211内に案内する役割を果たす。リング部材21は、貫通孔211で位置決め部101bの圧入を受けて光コネクタ10を固定する固定部材の一例を構成する。
リング部材21の前方側端部には、一対の切欠き部213が形成されている(図4参照)。これらの切欠き部213は、光コネクタ10の接続部101における壁部101cを収容可能な位置に配置されている。切欠き部213を規定するリング部材21の一部には、一対の凹部213aが形成されている。これらの凹部213aは、壁部101cの突出片101gを受け入れ可能な形状を有している。
ここで、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光結合部材103(203)の構成について、図7を参照して説明する。図7は、本実施の形態に係る着脱式AOC1が有する光結合部材103の断面図である。なお、光結合部材203は、光結合部材103とその前後方向の配置を除き、同一の構成を有するため、その説明を省略する。本明細書において、光結合部材203の構成部分は、説明の便宜上、光結合部材103の符号「103」を「203」に置換して示すものとする。
図7に示すように、本実施の形態に係る光結合部材103は、概して円筒形状を有する保持部材としてのホルダ103aと、このホルダ103aの後端側に保持されるレンズ103bと、ホルダ103aの前端側に保持される光ファイバ103cと、ホルダ103aの前端部に設けられた挿入孔103dから挿入され、光ファイバ103cの一部を保持するアダプタ103eと、を有して構成される。ホルダ103aは、例えば、金属材料で形成される。特に、防錆性の点、加工性の点、及び表面粗さの観点から、ホルダ103aは、ステンレス鋼、ニッケル(合金含む)で形成されることが好ましい。
ホルダ103aの後方には、中空状の収容部103fが、後端側に開口部103gを有して形成されている。収容部103fの内径は、レンズ103b全体をその内側に収容可能な寸法で形成されており、レンズ103bが圧入可能に構成されている。収容部103fの前方には、中空状の貫通孔103hが形成されている。貫通孔103hの内径は、アダプタ103eの外径寸法よりも僅かに大径に構成されている。この貫通孔103hは、ホルダ103aの前端側の挿入孔103dにまで連通して設けられている。
レンズ103bは、例えば、ガラス材料で形成され、球形状を有する。レンズ103bは、収容部103f内に圧入されて収容される。収容部103f内に収容されたレンズ103bは、貫通孔103h内にアダプタ103eを介して保持された光ファイバ103cの後端面に臨むように配置される。例えば、レンズ103bは、光ファイバ103cから入射される光を平行状態に調整するレンズで構成することができる。
光ファイバ103cは、例えば、ガラス製光ファイバで構成される。光ファイバ103cは、その中心を貫通して設けられるコア103c1と、このコア103c1を被覆するクラッド103c2と、このクラッド103c2を被覆する紫外線硬化樹脂層103c3と、この紫外線硬化樹脂層103c3を被覆して補強する補強層103c4とから構成される。
コア103c1は、例えば、石英ガラスで構成され、50又は62.5μmの外径を有する。クラッド103c2は、コア103c1を被覆した状態で125μmの外径を有する。紫外線硬化樹脂層103c3は、クラッド103c2にコーティングされた状態で250μmの外径を有する。紫外線硬化樹脂103c3をコーティングすることで、コア103c1及びクラッド103c2は、曲げに強い構成とされる。補強層103c4は、例えば、アクリル系樹脂で構成される。補強層103c4は、アダプタ103eの外径と略同一の外径寸法を有することが好ましい。しかしながら、内側のコア103c1及びクラッド103c2を保護することを前提として、アダプタ103eの外径より小径であっても大径であっても構わない。
アダプタ103eは、例えば、ニッケル合金やステンレス等の金属材料、ジルコニア等のセラミック材料で形成される。特に、加工精度及び製造コストの点の観点から、アダプタ103eは、金属材料で形成されることが好ましい。図7に示すように、アダプタ103eは、概して円柱形状を有している。アダプタ103eの外径は、ホルダ103aの貫通孔103hの内径よりも僅かに小径に設けられている。アダプタ103eは、ホルダ103aの挿入孔103dから貫通孔103h内に挿入される。アダプタ103eは、ホルダ103aに対する挿入方向の前方側及び後方側に、それぞれ当該挿入方向と直交する平面と平行な前端面103e1、後端面103e2を有している。
また、アダプタ103eの中心には、前端面103e1から後端面103e2まで貫通する貫通孔103e3が形成されている。貫通孔103e3は、光ファイバ103cのクラッド103c2の外径より僅かに大径に設けられている。前端面103e1から後端面103e2までの寸法は、ホルダ103aの貫通孔103hよりも長く構成されている。
光ファイバ103cは、紫外線硬化樹脂層103c3及び補強層103c4が除去され、コア103c1及びクラッド103c2がアダプタ103eの貫通孔103e3に挿入される。光ファイバ103cは、アダプタ103eの前端面103e1に対向する紫外線硬化樹脂層103c3及び補強層103c4の端面で当該前端面103e1に接着固定される。光ファイバ103c(コア103c1及びクラッド103c2)におけるアダプタ103eの挿入方向の後方側の端面103c5は、アダプタ103eの後端面103e2と同一平面上に配置される。言い換えると、アダプタ103eは、コア103c1及びクラッド103c2の端面103c5が後端面103e2と同一平面上に配置されるように、光ファイバ103cを保持している。
また、光ファイバ103cは、アダプタ103eにコア103c1及びクラッド103c2を保持された状態で、挿入孔103dを介して貫通孔103hに挿入され、その先端部がレンズ103bの近傍でその球面に対向するように配置した状態で固定されている。光結合部材103においては、アダプタ103eの位置合わせを行った後、その状態でホルダ103aの一部に後述する陥没部103jを設けてこの陥没部103jの内面でアダプタ103eの外周面を挟持して固定する。
光ファイバ103cは、例えば、グレーデッドインデックス(GI)型光ファイバで構成され、ファイバ軸に垂直な断面で屈折率が連続的に変化するように構成されている。また、コア103c1及びクラッド103c2は、例えば、C−H結合のHをFに置換した全フッ素置換光学樹脂で構成されている。このように、光ファイバ103cを全フッ素置換光学樹脂で構成すると共に、GI型光ファイバで構成することにより、高速かつ大容量通信を実現することができる。
ホルダ103aには、その外周面から工具等により押圧加工を施すことで形成される複数の陥没部103iが設けられている。これらの陥没部103iは、収容部103fと貫通孔103hとの間に設けられ、少なくとも、アダプタ103eの前後方向における位置決め用に利用される。これらの陥没部103iにより、収容部103fに収容されたレンズ103bと、貫通孔103hに保持されたアダプタ103eとは、ホルダ103a内で接触することなく、所定の間隔を空けて対向している。
また、ホルダ103aの前端部近傍には、その外周面から工具等により押圧加工を施すことで形成される複数の陥没部103jが設けられている。これらの陥没部103jは、挿入孔103dを介してアダプタ103eが挿入された状態で設けられる。これにより、これらの陥没部103jの内面でアダプタ103eの外周面が挟持されて固定される。なお、ホルダ103aに対するアダプタ103eの固定に関しては、これに限定されるものではなく、任意の固定方法が適用可能である。例えば、アダプタ103eは、貫通孔103hの内周面との間に塗布された接着剤によりホルダ103aに固定するようにしてもよい。
次に、上記構成を有する着脱式AOC1における接続方法について説明する。図8は、本実施の形態に係る着脱式AOC1における光コネクタ10と光ケーブル20との接続直前の状態を示す斜視図である。なお、図8においては、説明の便宜上、光ケーブル20からリング部材21を分離した状態を示している。
図8に示すように、本実施の形態に係る着脱式AOC1においては、光ケーブル20(より具体的には、リング部材21)の前方側から光コネクタ10が接続される。この際、光コネクタ10は、リング部材21の貫通孔211に接続部101の位置決め部101bが挿入されると共に、切欠き部213に壁部101cが挿入される。さらに、貫通孔211への位置決め部101bの挿入過程にて、係合片101dが電気配線ブロック222の凹部222b(図5参照)に挿入される。
図9は、本実施の形態に係る着脱式AOC1における光コネクタ10と光ケーブル20との接続直前の状態を示す断面図である。なお、図9においては、光コネクタ10及び光ケーブル20の左右方向の中心を通る断面(上下に配置された光結合部材103(203)の中心を通る断面)を示している。以下に示す図10及び図11についても同様である。
図9に示すように、光ケーブル20は、リング部材21の貫通孔211に電気配線ブロック222が挿入された状態で一体化されている。光ケーブル20は、リング部材21内において、電気配線ブロック222よりも光結合部材203が前方側に突出した状態となっている。このとき、光結合部材203のレンズ203bは、リング部材21における貫通孔211周辺の前方側端部の近傍に配置されている。
一方、光コネクタ10では、光結合部材103が、前後方向に光軸を配置した状態で、位置決め部101bの外側に配置されている。光結合部材103は、レンズ103bが基部101aの後方側端部の近傍に配置されるように基部101a内に収容されている。このとき、光結合部材103は、位置決め部101bの溝部101eにその一部が収容された状態で保持されている。
このような状態から、位置決め部101bがリング部材21の貫通孔211内に挿入されるように、光コネクタ10が光ケーブル20に接近される。より具体的には、位置決め部101bが、上下左右に配置された光結合部材203の内側に配置されるように、貫通孔211内に挿入される。このとき、光コネクタ10は、接続部101の一対の壁部101cの位置を、リング部材21の一対の切欠き部213(図4及び図6参照)に合わせた状態で接近される。
図10は、本実施の形態に係る着脱式AOC1における光コネクタ10と光ケーブル20との接続途中の状態を示す断面図である。図10においては、位置決め部101bに設けられた係合片101dの一部が、電気配線ブロック222の凹部222bに挿入された状態を示している。上述したように、係合片101d及び凹部222bは、ともに直角二等辺三角形状を有している。このため、凹部222bに係合片101dを挿入する過程において、誤った角度で光コネクタ10が光ケーブル20に接続されるのを確実に防止することができる。
係合片101dの後端部が凹部222bに挿入される過程で、光結合部材203は、位置決め部101bのテーパ形状部101fに到達する。また、壁部101cは、リング部材21の切欠き部213内に収容される。テーパ形状部101fに到達すると、光結合部材203は、テーパ形状部101fにより位置決め部101bの外側に案内され、溝部101e(図10では、溝部101e1、101e3のみを示している)に導かれる。このとき、光結合部材203は、溝部101eのV字形状部分にその一部(ホルダ203aの内側部分)が収容された状態で、溝部101e内を相対的に前方側に移動する。
図11は、本実施の形態に係る着脱式AOC1における光コネクタ10と光ケーブル20との接続直後の状態を示す断面図である。図11においては、係合片101dが凹部222b内に完全に挿入された状態を示している。図11に示すように、係合片101dが凹部222bに完全に挿入されると、リング部材21の前端部が基部101aの後端部に当接する。また、壁部101cの突出片101gが切欠き部213内の凹部213a内に入り込む。これにより、光コネクタ10が光ケーブル20に固定された状態となる。
この状態において、光結合部材203は、レンズ203bが光結合部材103のレンズ103bと対向する位置に配置された状態となる。例えば、レンズ203bは、レンズ103bと一定の間隙を挟んだ状態で対向される。この場合において、光結合部材103と光結合部材203は、共通の構成を有している。また、光結合部材103及び光結合部材203は、共通の溝部101eにより位置決めされている。このため、レンズ103bとレンズ203bとは、高い精度で位置合わせされた状態となる。
このように接続された状態で、例えば、光ケーブル20から光信号が送り込まれると、光結合部材203のレンズ203b、光結合部材103のレンズ103bを介して光コネクタ10に光信号が伝播される。そして、光信号は、光結合部材103から光電気変換モジュールで電気信号に変換された後、入出力102を介して光コネクタ10に接続された機器に出力される。
以上説明したように、本実施の形態に係る光コネクタ10においては、位置決め部101bによって光結合部材103が位置決めされると共に、光コネクタ10の接続動作に伴って光結合部材203が光結合部材103の所定位置に位置決めされると共に、光コネクタ10内の光電気変換モジュールによって光信号と電気信号とが交換される。このため、光ケーブル20と光コネクタ10とを別の構成としながら、簡単にこれらを接続することができる。これにより、例えば、設備等の壁面内に着脱式AOC1を配線する場合であっても、光コネクタ10を外した状態で光ケーブル20の配線作業を行い、配線後の光ケーブル20の端部に光コネクタ10を接続することができる。この結果、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる。
位置決め部101bには、光結合部材103の一部を収容する溝部101eが設けられている。溝部101eは、光コネクタ10の接続動作に伴って光結合部材203を光結合部材103の所定位置に案内可能に構成されている。このため、共通の溝部101eを利用して光結合部材103が位置決めされると共に、光結合部材203が光結合部材103の所定位置に案内されることから、複雑な接続作業を必要とすることなく簡単且つ高精度に光結合部材103に対して光結合部材203を位置決めすることができる。
特に、溝部101eは、断面視にてV字形状に構成されている。そして、このV字形状を有する溝部101eには、光ケーブル20側の端部にテーパ形状部101fが設けられている(図3参照)。このように溝部101eがV字形状を有すると共に、光ケーブル側の端部にテーパ形状部101fを有することから、光コネクタ10の接続動作に伴って光結合部材203を受け入れ易くでき、簡単に光結合部材203を光結合部材103の所定位置に案内することができる。
また、位置決め部101bには、光ケーブル20の電気配線ブロック222の凹部222bに係合し、光ケーブル20に対する光コネクタ10の接続角度を規制する係合片101dが設けられている。これにより、光ケーブル20に対して光コネクタ10が誤った角度で接続される事態を確実に防止することができる。
特に、この係合片101dは、光ケーブル20内に設けられた電気配線と電気的に接続される電気接続部を構成している。このように光ケーブル20に対する光コネクタ10の接続角度を規制する係合片101dで電気的に接続する機能を持たせることができるので、電気的な接続のための特別な構成を備える必要がない。このため、光コネクタ10と光ケーブル20とを接続するだけで両者に接続される機器同士の電気的な接続を確保することができる。
一方、本実施の形態に係る光ケーブル20においては、光結合部材203と、光コネクタ10の位置決め部101bにより光結合部材203が位置決めされた状態で光ケーブル20を光コネクタ10に固定するリング部材21を有している。このため、光コネクタ10と分離した状態で光ケーブル20の配線を行い、配線後にリング部材21で光ケーブル20を光コネクタ10に固定することができる。この結果、煩雑な作業を必要とすることなく容易に配線を行うことができる。
また、本実施の形態に係る光ケーブル20においては、光コネクタ10の接続部101の係合片101dを収容する凹部222bと、凹部222bに収容された係合片101dと電気的に接続される電気配線ブロック222とを有している。このため、凹部222bで係合片101dを収容し、収容した係合片101dと電気配線ブロック222とで電気的に接続されることから、電気的な接続のための特別な構成を備える必要がない。このため、光コネクタ10と光ケーブル20とを接続するだけで両者に接続される機器同士の電気的な接続を確保することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、光ファイバ103c(203c)をガラス製光ファイバで構成する場合について説明している。しかしながら、本実施の形態に係る光コネクタ10及び光ケーブル20に適用する光ファイバについては、ガラス製光ファイバに限定されるものではなく適宜変更が可能である。例えば、光ファイバ103c(203c)をプラスチック製光ファイバで構成するようにしてもよい。
上記実施の形態においては、光コネクタ10をHDMI(High-Definition Multimedia Interface)規格(HDMIは登録商標)に対応した電気コネクタに適用する場合について説明したが、その適用対象についてはこれに限定されず、適宜変更が可能である。例えば、USB(Universal Serial Bus)規格に対応した他の電気コネクタ、サンダーボルト(登録商標)(Thunderbolt)規格に対応した電気コネクタ、イーサネット(Ethernet)規格(イーサネット及びEthernetは登録商標)に対応した電気コネクタ等に用いることができる。
10 :光コネクタ
100 :筐体
101 :接続部
101a :基部
101b :位置決め部
101c :壁部
101d :係合片
101e :溝部
101f :テーパ形状部
101g :突出片
102 :入出力部
103 :光結合部材
103a :ホルダ
103b :レンズ
103c :光ファイバ
103d :挿入孔
103e :アダプタ
103f :収容部
103g :開口部
103h :貫通孔
103i :陥没部
103j :陥没部
20 :光ケーブル
203 :光結合部材
21 :リング部材
211 :貫通孔
212 :テーパ部
213 :切欠き部
213a :凹部
22 :ケーブル本体部
221 :被覆部
222 :電気配線ブロック
222a :溝部
222b :凹部
100 :筐体
101 :接続部
101a :基部
101b :位置決め部
101c :壁部
101d :係合片
101e :溝部
101f :テーパ形状部
101g :突出片
102 :入出力部
103 :光結合部材
103a :ホルダ
103b :レンズ
103c :光ファイバ
103d :挿入孔
103e :アダプタ
103f :収容部
103g :開口部
103h :貫通孔
103i :陥没部
103j :陥没部
20 :光ケーブル
203 :光結合部材
21 :リング部材
211 :貫通孔
212 :テーパ部
213 :切欠き部
213a :凹部
22 :ケーブル本体部
221 :被覆部
222 :電気配線ブロック
222a :溝部
222b :凹部
Claims (7)
- 筒状の保持部材と、前記保持部材の一端側に形成された収容部に収容されるレンズと、前記保持部材の他端側に保持される光ファイバとを有する第1の光結合部材を備えた光ケーブルに着脱可能に接続される光コネクタであって、
前記第1の光結合部材と同一の構成を有する第2の光結合部材と、
前記第2の光結合部材を位置決めすると共に、前記光コネクタの接続動作に伴って前記第1の光結合部材を前記第2の光結合部材の所定位置に案内して位置決めする位置決め部と、
前記第2の光結合部材に接続され、光信号又は電気信号を電気信号又は光信号に変換する光電気変換部と、
前記光電気変換部に接続され、電気信号の入出力を行う入出力部と、
を有することを特徴とする光コネクタ。 - 前記位置決め部は、前記第2の光結合部材の一部を収容する溝部を有し、
前記溝部は、前記第1の光結合部材を前記第2の光結合部材の所定位置に案内することを特徴とする請求項1に記載の光コネクタ。 - 前記溝部は、断面視にてV字形状部を有し、当該V字形状部は、前記光ケーブル側の端部にテーパ形状部を有することを特徴とする請求項2に記載の光コネクタ。
- 前記位置決め部には、前記光ケーブルの一部に係合し、当該光ケーブルに対する前記光コネクタの接続角度を規制する係合片が設けられることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の光コネクタ。
- 前記係合片は、前記光ケーブル内に設けられた電気配線と電気的に接続される電気接続部を構成することを特徴とする請求項4に記載の光コネクタ。
- 請求項1に記載の光コネクタに接続される光ケーブルであって、
前記第1の光結合部材と、
前記光コネクタの前記位置決め部により前記第1の光結合部材が位置決めされた状態で前記光ケーブルを前記光コネクタに固定する固定部材と、
を有することを特徴とする光ケーブル。 - 請求項5に記載の光コネクタに接続される光ケーブルであって、
前記係合片を収容する収容部と、
前記収容部に収容された前記係合片と電気的に接続される電気接続部と、
を有することを特徴とする光ケーブル。
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-
2018
- 2018-11-02 JP JP2018207057A patent/JP2020071432A/ja active Pending
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