以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態にかかる衛生洗浄装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置2は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)4と、その上に設けられた衛生洗浄装置10と、を備える。衛生洗浄装置10は、ケーシング12と、便座14と、便蓋16と、を有する。便座14と便蓋16とは、それぞれケーシング12に対して開閉自在に軸支されている。
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」を用いるが、これらの方向は、図1に表すように、便座14に座った使用者から見た方向である。
腰掛け式の便器4は、ボウル4aと、リム面4bと、を有する。リム面4bは、換言すれば、便器4の上端面である。ボウル4aは、リム面4bから下方に凹む。便器4は、腰掛けた使用者の排泄物などをボウル4aによって受ける。
ケーシング12は、腰掛け式の便器4のリム面4bよりも上方に設けられる。ケーシング12は、例えば、ボウル4aよりも後方の部分において、リム面4bの上に着脱可能に設けられる。衛生洗浄装置10は、便器4に対して着脱可能に取り付けられる、いわゆるシートタイプの衛生洗浄装置である。但し、衛生洗浄装置10は、シートタイプに限ることなく、便器4と一体的に設けられた一体式の衛生洗浄装置でもよい。
ケーシング12は、便器4の後方のリム面4bの上に載置されるケースプレート12aと、ケースプレート12aを覆うカバー12bと、を有する。なお、図1に表す例では、ケースプレート12aがカバー12bによって覆われて隠れているため、ケースプレート12aを破線で表している。
ケーシング12の内部には、便座14に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング12には、使用者が便座14に座ったことを検知する着座検知センサ20(図2参照)が設けられている。着座検知センサ20が便座14に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの操作部6を操作すると、洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)22を便器4のボウル4a内に進出させることができる。なお、図1に表した衛生洗浄装置10では、ノズル22がボウル4a内に進出した状態を表している。
ノズル22は、人体局部に向けて水を吐出し、人体局部の洗浄を行う。ノズル22の先端部には、ビデ洗浄吐水口22a及びおしり洗浄吐水口22bが設けられている。ノズル22は、その先端に設けられたビデ洗浄吐水口22aから水を噴射して、便座14に座った女性の女性局部を洗浄することができる。あるいは、ノズル22は、その先端に設けられたおしり洗浄吐水口22bから水を噴射して、便座14に座った使用者の「おしり」を洗浄することができる。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
「おしり」を洗浄するモードのなかには、例えば、「おしり洗浄」と、「おしり洗浄」よりもソフトな水流で優しく洗浄する「やわらか洗浄」と、が含まれる。ノズル22は、例えば、「ビデ洗浄」と、「おしり洗浄」と、「やわらか洗浄」と、を実行することができる。
なお、図1に表したノズル22では、ビデ洗浄吐水口22aがおしり洗浄吐水口22bよりもノズル22の先端側に設けられているが、ビデ洗浄吐水口22aおよびおしり洗浄吐水口22bの設置位置は、これだけに限定されるわけではない。ビデ洗浄吐水口22aは、おしり洗浄吐水口22bよりもノズル22の後端側に設けられていてもよい。また、図1に表したノズル22では、2つの吐水口が設けられているが、3つ以上の吐水口が設けられていてもよい。
図2は、実施形態にかかる衛生洗浄装置の要部構成を模式的に表すブロック図である。 図2では、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
図2に表したように、衛生洗浄装置10は、導水部30を有する。導水部30は、水道や貯水タンクなどの給水源WSからノズル22に至る管路30aを有する。導水部30は、管路30aにより、給水源WSから供給された水をノズル22に導く。管路30aは、例えば、以下に説明する電磁弁32、貯湯式熱交換器40、流路切替部52などの各部と、これらの各部を接続する複数の配管と、によって形成される。
導水部30の上流側には、電磁弁32が設けられている。電磁弁32は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング12の内部に設けられた制御部24からの指令に基づいて水の供給を制御する。換言すれば、電磁弁32は、管路30aを開閉する。電磁弁32を開状態にすることにより、給水源WSから供給された水が、管路30aに流れる。
電磁弁32の下流には、調圧弁34が設けられている。調圧弁34は、給水圧が高い場合に、管路30a内の圧力を所定の圧力範囲に調整する。調圧弁34の下流には、逆止弁36が設けられている。逆止弁36は、管路30a内の圧力が低下した場合などに、逆止弁36よりも上流側への水の逆流を抑制する。
逆止弁36の下流には、貯湯式熱交換器40が設けられている。貯湯式熱交換器40は、貯湯タンクとヒータとを有し、給水源WSから供給された水を貯湯タンクに貯め、貯湯タンク内の水をヒータで加熱することにより、例えば規定の温度まで昇温する。すなわち、貯湯式熱交換器40は、温水を生成する。貯湯式熱交換器40は、ケーシング12内に収納される。換言すれば、ケーシング12は、貯湯式熱交換器40を収納する。
貯湯式熱交換器40は、制御部24と接続されている。制御部24は、例えば、使用者による操作部6の操作に応じて貯湯式熱交換器40を制御することにより、操作部6で設定された温度に水を昇温する。
貯湯式熱交換器40の下流には、電解槽ユニット44が設けられている。電解槽ユニット44は、内部を流れる水道水を電気分解することにより、水道水から次亜塩素酸を含む液(機能水)を生成する。電解槽ユニット44は、制御部24に接続されている。電解槽ユニット44は、制御部24による制御に基づいて、機能水の生成を行う。
電解槽ユニット44において生成される機能水は、例えば、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液であってもよい。あるいは、電解槽ユニット44において生成される機能水は、電解塩素やオゾンなどを含む溶液であってもよい。あるいは、電解槽ユニット44において生成される機能水は、酸性水やアルカリ水であってもよい。
電解槽ユニット44の下流には、バキュームブレーカ(VB)46が設けられている。バキュームブレーカ46は、例えば、水を流すための流路と、流路内に空気を取り込むための吸気口と、吸気口を開閉する弁機構と、を有する。弁機構は、例えば、流路に水が流れている時に吸気口を塞ぎ、水の流れの停止とともに吸気口を開放して流路内に空気を取り込む。すなわち、バキュームブレーカ46は、導水部30に水の流れが無い時に、管路30a内に空気を取り込む。弁機構には、例えば、フロート弁が用いられる。
バキュームブレーカ46は、上記のように管路30a内に空気を取り込むことにより、例えば、管路30aのバキュームブレーカ46よりも下流の部分の水抜きを促進させる。バキュームブレーカ46は、例えば、ノズル22の水抜きを促進する。
バキュームブレーカ46の下流には、流量調整部50が設けられている。流量調整部50は、水勢(流量)の調整を行う。流量調整部50の下流には、流路切替部52が設けられている。流路切替部52は、ノズル22やノズル洗浄室54への給水の開閉や切替を行う。流量調整部50及び流路切替部52は、1つのユニットとして設けてもよい。流量調整部50及び流路切替部52は、制御部24に接続されている。流量調整部50及び流路切替部52の動作は、制御部24によって制御される。なお、流量調整部50及び流路切替部52は一体であってもよい。
流路切替部52の下流には、ノズル22、ノズル洗浄室54、及び噴霧ノズル56が設けられている。ノズル22は、ノズルモータ58からの駆動力を受け、便器4のボウル4a内に進出したり後退したりする。つまり、ノズルモータ58は、制御部24からの指令に基づいてノズル22を進退させる。
ノズル洗浄室54は、その内部に設けられた吐水部から機能水あるいは水を噴射することにより、ノズル22の外周表面(胴体)を洗浄する。噴霧ノズル56は、洗浄水や機能水をミスト状にしてボウル4aに噴霧する。この例では、人体を洗浄するためのノズル22とは別に噴霧ノズル56を設けている。これに限ることなく、ミスト状の液体をボウル4aに噴霧するための吐水口をノズル22に設けてもよい。
また、流路切替部52の下流には、おしり洗浄流路61と、やわらか洗浄流路62と、ビデ洗浄流路63と、が設けられている。おしり洗浄流路61及びやわらか洗浄流路62は、導水部30を介して給水源WSから供給された水や電解槽ユニット44において生成された機能水をおしり洗浄吐水口22bへ導く。ビデ洗浄流路63は、導水部30を介して給水源WSから供給された水や電解槽ユニット44において生成された機能水をビデ洗浄吐水口22aへ導く。
また、流路切替部52の下流には、表面洗浄流路64と、噴霧用流路65と、が設けられている。表面洗浄流路64は、導水部30を介して給水源WSから供給された水や電解槽ユニット44において生成された機能水をノズル洗浄室54の吐水部へ導く。噴霧用流路65は、導水部30を介して給水源WSから供給される水や電解槽ユニット44において生成された機能水を噴霧ノズル56に導く。
制御部24は、流路切替部52を制御することにより、おしり洗浄流路61、やわらか洗浄流路62、ビデ洗浄流路63、表面洗浄流路64、及び噴霧用流路65の各流路の開閉を切り替える。このように、流路切替部52は、ビデ洗浄吐水口22a、おしり洗浄吐水口22b、ノズル洗浄室54、及び噴霧ノズル56などの複数の吐水口のそれぞれについて、管路30aに連通させた状態と、管路30aに連通させない状態と、を切り替える。
制御部24は、電源回路70から電力を供給され、人体検知センサ72や、着座検知センサ20や、操作部6などからの信号に基づいて、電磁弁32や、貯湯式熱交換器40や、電解槽ユニット44や、流量調整部50や、流路切替部52や、ノズルモータ58などの動作を制御する。
人体検知センサ72は、ケーシング12内に設けられ、便座14に近づいた使用者(人体)を検知する。人体検知センサ72は、便蓋16を閉じた状態においても、使用者の存在を検知することができるように構成されている。制御部24は、例えば、人体検知センサ72による使用者の検知に応答して、便蓋16を自動的に開く。
また、ケーシング12には、便座14に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、ケーシング12の側面には、脱臭ユニットからの排気口及び室内暖房ユニットからの排出口が適宜設けられる。ただし、衛生洗浄装置10は、少なくとも衛生洗浄機能部を有していればよい。
図3(a)及び図3(b)は、実施形態に係る衛生洗浄装置を模式的に表す底面図である。
図4は、実施形態に係る衛生洗浄装置を模式的に表す断面図である。
図5は、実施形態に係る衛生洗浄装置を模式的に表す断面図である。
図4は、図3(a)のA1−A2線断面を模式的に表す。
図5は、図3(a)のB1−B2線断面を模式的に表す。
図3(a)、図3(b)、図4、及び図5に表したように、衛生洗浄装置10は、導水部30に水を供給するための給水部材80を備える。
給水部材80は、例えば、基端部82と、先端部84と、中間部86と、を有する。基端部82は、例えば、ケーシング12の下部に設けられる。基端部82は、例えば、ケースプレート12aの底面12cに取り付けられる。先端部84は、基端部82に対して離間して設けられる。先端部84は、例えば、基端部82に対して側方に離間する。中間部86は、側方に延び、基端部82と先端部84とを接続する。
基端部82及び先端部84は、上下方向に延びる管状である。中間部86は、側方に延びる管状である。中間部86は、基端部82の下端と先端部84の上端とを接続する。給水部材80は、例えば、クランク状に屈曲した給水管である。換言すれば、給水部材80は、L字状に屈曲した2つの管を接続した給水管である。
但し、給水部材80の構成は、これに限ることなく、例えば、L字状に屈曲した給水管などでもよい。給水部材80の構成は、少なくとも基端部82と先端部84とを有する任意の構成でよい。
給水部材80は、導水部30に水を供給するための給水源WSとの接続に用いられる。先端部84は、例えば、可撓性を有する給水パイプと接続され、給水パイプを介して給水源WSと接続される。
このように、衛生洗浄装置10では、給水源WSとの接続に用いられる給水部材80が、ケーシング12の下部に設けられる。従って、衛生洗浄装置10が便器4に取り付けられた状態において、給水部材80を便器4とケーシング12とで隠蔽することができる。これにより、給水部材80や給水部材80に接続される給水パイプなどが外部に露出することを抑制し、トイレ装置2及び衛生洗浄装置10のデザイン性を向上させることができる。
図3(a)及び図3(b)に表したように、基端部82は、上下方向を軸に先端部84を回動可能に構成されている。基端部82は、例えば、上端部分をケースプレート12aに回動可能に軸支されることにより、先端部84を回動可能とする。基端部82は、例えば、ケースプレート12a内に設けられる任意の部材に回動可能に軸支されてもよい。例えば、ケースプレート12aの一部に開口を設けることにより、開口を介して基端部82の少なくとも一部をケーシング12内に侵入させることにより、基端部82をケーシング12内の部材に軸支させてもよい。基端部82の構成は、先端部84を回動可能とする任意の構成でよい。
なお、基端部82は、水平方向を軸に先端部84を回動可能に構成されていてもよい。例えば、基端部82及び先端部84をL字状に構成し、基端部82を左右方向を軸に回動可能とすることにより、先端部84を前後方向及び下方に向けられるようにしてもよい。基端部82の回転する回転軸の方向は、任意の方向でよい。基端部82は、所定の方向を軸に先端部84を回動可能に構成されていればよい。基端部82による先端部84の回動は、基端部82を他の部材に回動可能に軸支させる構成でもよいし、基端部82自体が回動する構成でもよい。また、先端部84を回動可能とする必要が無い場合などには、基端部82をケースプレート12aなどに固定してもよい。
ケースプレート12aは、底面12cから上方に向かって凹むケース凹部12dを有する。また、ケースプレート12aは、便器4の上に載置された状態においてリム面4bの上に当接する取付平面FPを有する。
ケース凹部12dは、取付平面FPよりも上方に凹む。給水部材80は、ケース凹部12d内に配置される。給水部材80の基端部82及び中間部86は、例えば、取付平面FPよりも上方に位置する。一方、給水部材80の先端部84は、中間部86の一端から取付平面FPよりも下方に延びる。先端部84は、例えば、便器4の上に載置された状態において、便器4のリム面4bに設けられた開口に入り込む。これにより、衛生洗浄装置10を便器4の上に取り付けた状態においても、基端部82を軸に先端部84及び中間部86を回動させることができる。
ケース凹部12dは、例えば、ケースプレート12aの後端側及び一側端側に寄せて配置される。ケース凹部12dは、底面12cから上方に向かって凹むとともに、後方及び一側方に開口する。これにより、ケースプレート12aに対して給水部材80を配置し易くすることができる。なお、ケース凹部12dの開口する一側方は、例えば、カバー12bによって覆われる。これにより、ケース凹部12d及び給水部材80の側方への露出を抑制することができる。但し、ケース凹部12dの位置は、上記に限ることなく、ケースプレート12aの任意の位置でよい。
図4及び図5に表したように、貯湯式熱交換器40は、貯湯タンク100と、ヒータ102と、を備える。貯湯タンク100は、内部に湯水を貯める空間SPを有する。ヒータ102は、貯湯タンク100の空間SP内に設けられ、貯湯タンク100内の水を加熱する。前述のように、貯湯式熱交換器40は、ケーシング12内に収納される。すなわち、貯湯タンク100は、ケーシング12内に収納される。換言すれば、ケーシング12は、貯湯タンク100を収納する。給水部材80は、例えば、導水部30を介して貯湯タンク100に水を供給する。
貯湯タンク100は、底部100aから上方に向かって凹むタンク凹部110を有する。タンク凹部110は、貯湯タンク100の側部に寄せて配置され、貯湯タンク100の底部100aから上方に向かって凹むとともに、貯湯タンク100の側部から内側に向かって凹む。より詳しくは、タンク凹部110は、貯湯タンク100内の水を温める際に発生する対流に影響しない(水を温め難い)、ヒータ102よりも下方の領域に設けられる。換言すると、タンク凹部110は、ヒータ102よりも下方の領域の少なくとも一部が凹んだ部分である。また、タンク凹部110は、例えば、貯湯タンク100の後方側の側部に寄せて配置され、貯湯タンク100の後方側の側部から前方側に向かって凹む。但し、タンク凹部110の形状は、上記に限ることなく、底部100aから上方に向かって凹む任意の形状でよい。また、タンク凹部110は、ヒータ102よりも上方の領域まで凹んでいてもよい。
給水部材80は、少なくとも一部をタンク凹部110の下方に配置可能に設けられている。給水部材80は、例えば、回動可能に設けられた先端部84の少なくとも一部をタンク凹部110の下方に配置可能とする。
タンク凹部110は、ケース凹部12dの上方に配置される。換言すれば、貯湯タンク100は、タンク凹部110がケース凹部12dの上方に位置するように、ケースプレート12aに取り付けられる。これにより、ケース凹部12d内に設けられた給水部材80の少なくとも一部をタンク凹部110の下方に配置し易くすることができる。
ケースプレート12aの上面12uは、第1部分P1と、第2部分P2と、を有する。第1部分P1は、上面12uにおいて、ケース凹部12dの上に位置する部分である。換言すれば、第1部分P1は、ケース凹部12dの反対側の部分である。第2部分P2は、第1部分P1と隣接し、第1部分P1よりも下方に位置する。
上記のように、タンク凹部110は、ケース凹部12dの上方に配置される。換言すれば、タンク凹部110は、ケースプレート12aの上面12uの第1部分P1と対向して配置される。一方、貯湯タンク100の底部100aは、第2部分P2と対向する。タンク凹部110は、第1部分P1の上方に配置され、底部100aは、第2部分P2の上方に配置される。貯湯タンク100の底部100aは、第1部分P1よりも下方に位置する。より詳しくは、底部100aの少なくとも一部は、第1部分P1の少なくとも一部の下方に位置する。
貯湯タンク100の空間SPは、タンク凹部110の側方に設けられた側方部120を有する。ヒータ102は、側方部120内に配置される。貯湯式熱交換器40では、ヒータ102よりも下方に位置する水を加熱し難い。このため、空間SPの下部に位置する側方部120内にヒータ102を配置することにより、空間SP内に貯められた水を効率良く加熱することができる。
図6(a)及び図6(b)は、実施形態に係る貯湯式熱交換器を模式的に表す平面図及び断面図である。
図6(b)は、図6(a)のC1−C2線断面を模式的に表す。
図6(a)及び図6(b)に表したように、貯湯タンク100は、流入口130と、流出口140と、を有する。
流入口130は、側方部120から空間SPに水を流入させるように配置されている。流入口130から流入した水は、側方部120に入り込む。すなわち、流入口130は、空間SPの下部から水を流入させるように配置されている。より詳しくは、流入口130の開口が、タンク凹部110によって形成される段差と対向しない位置に開口している。
一方、流出口140は、貯湯タンク100の上部に設けられている。ヒータ102によって加熱された温水は、空間SPの上部に貯まる。貯湯式熱交換器40は、下部に配置された流入口130から水を空間SPに流入させ、ヒータ102で加熱された温水を上部に配置された流出口140から流出させる。これにより、流入した水と加熱された温水とが空間SP内で混ざり合ってしまうことを抑制しつつ、流出口140から温水を流出させることができる。
流入口130には、配管部材150が接続される。配管部材150は、例えば、可撓性を有するチューブである。流入口130は、配管部材150を介して電磁弁32、調圧弁34、及び逆止弁36などと接続される。これにより、給水部材80から供給された水が、電磁弁32、調圧弁34、逆止弁36、及び配管部材150などを介して流入口130に流入し、貯湯タンク100(貯湯式熱交換器40)に供給される。
以上、説明したように、本実施形態に係る衛生洗浄装置10では、水を温め難い貯湯タンク100の底部100aにタンク凹部110を設けることにより、タンク凹部110によって貯湯タンク100の小型化を図りつつも、温水の持続時間の低下を抑制することができる。そして、給水部材80の少なくとも一部をタンク凹部110の下方に配置可能とすることにより、貯湯タンク100と給水部材80とをケーシング12に対して効率良く配置することができ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。従って、温水の持続時間の低下を抑制しつつ、装置全体をコンパクト化できる衛生洗浄装置10を提供することができる。
また、衛生洗浄装置10では、給水部材80の基端部82が、所定の方向を軸に先端部84を回動可能に構成されており、給水源WSとの接続に用いられる給水部材80の先端部84を取りまわすことができる。これにより、例えば、衛生洗浄装置10の取り付けや取り外しをし易くすることができ、衛生洗浄装置10の施工性やメンテナンス性を向上させることができる。
また、衛生洗浄装置10では、タンク凹部110が、貯湯タンク100の側部に寄せて配置され、貯湯タンク100の底部100aから上方に向かって凹むとともに、貯湯タンク100の側部から内側に向かって凹む。これにより、貯湯タンク100と給水部材80とを、より配置し易くすることができる。また、給水部材80の先端部84を取りまわせるようにした場合に、先端部84の取りまわす自由度を向上させることができる。
また、衛生洗浄装置10では、貯湯タンク100が、側方部120から空間SPに水を流入させるように配置された流入口130を有し、貯湯タンク100の湯水を貯める空間SPの下部に位置する側方部120に水を流入させる。これにより、空間SP内の温水と流入した水との攪拌を抑制することができる。すなわち、空間SP内に貯められた温水が、流入した水と混ざり、温水の温度が低下してしまうことを抑制することができる。
また、衛生洗浄装置10では、ケーシング12が、腰掛け式の便器4のリム面4bよりも上方に設けられる場合においても、貯湯タンク100の底部100aにタンク凹部110を設け、給水部材80の少なくとも一部をタンク凹部110の下方に配置可能とすることにより、温水の持続時間の低下を抑制しつつ、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
また、衛生洗浄装置10では、給水部材80が、ケース凹部12d内に配置され、タンク凹部110が、ケース凹部12dの上方に配置される。これにより、ケーシング12に対して貯湯タンク100と給水部材80とをより効率良く配置することが可能となり、装置全体をよりコンパクトにすることができる。
また、衛生洗浄装置10では、貯湯タンク100の底部100aが、ケースプレート12aの上面12uの第1部分P1よりも下方に位置する。これにより、貯湯タンク100とケースプレート12aとの間に無駄な空間が生じることを抑制し、装置全体をよりコンパクトにすることができる。
なお、上記実施形態では、給水源WSとの接続に用いられる給水部材80が、タンク凹部110の下方に配置される例を示している。タンク凹部110の下方に配置可能に設けられる給水部材は、給水源WSとの接続に用いられる給水部材80に限ることなく、貯湯タンク100に水を供給するための任意の給水部材でよい。
例えば、図5に表したように、流入口130に接続される配管部材150は、タンク凹部110の下方に配置可能である。従って、配管部材150を貯湯タンク100に水を供給するための給水部材としてもよい。
また、配管部材150では、タンク凹部110の下方に配置可能であるとともに、少なくとも一部をタンク凹部110内に配置可能である。このように、給水部材の少なくとも一部をタンク凹部110内に配置可能とすることにより、ケーシング12に対して貯湯タンク100と給水部材とをより効率良く配置することができ、装置全体をよりコンパクトにすることができる。なお、給水部材は、例えば、電磁弁32、調圧弁34、あるいは逆止弁36などでもよい。給水部材は、例えば、給水源WSと貯湯タンク100との間に配置される任意の部材でよい。
また、タンク凹部110の下方には、ケースプレート12aが配置される構成を説明したが、ケースプレート12aを介さずに、給水部材80がタンク凹部110内に配置されるような構成であってもよい。さらに、ケースプレート12aを介さずに、給水部材80がタンク凹部110内において回転可能に構成されていてもよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、衛生洗浄装置10、貯湯式熱交換器40、及び貯湯タンク100などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。