JP2020070483A - ワーク保持枠体及びそれを用いためっき処理装置 - Google Patents

ワーク保持枠体及びそれを用いためっき処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】サイドバーにめっき層が形成されるのを防ぐことができるワーク保持枠体及びそれを用いためっき装置を提供することを目的とする。【解決手段】この目的を達成するため、矩形板状ワークWを保持するための上部支持バー11と下部支持バー21と一対のサイドバー31,41とを備え、上部支持バー11には、矩形板状ワークWの上辺を保持しつつ給電可能な第1の上部把持部材12が設けられ、下部支持バー21には、矩形板状ワークWの下辺W2を保持する下部把持部材22が設けられ、一対のサイドバー31,41は、第1の上部把持部材12によって保持された矩形板状ワークWの右辺W3及び左辺W4よりも内方に、矩形板状ワークWのめっき対象面WSから間隔を存して配置されるものであり、電気絶縁性を備えるワーク保持枠体Wを採用する。【選択図】図1

Description

本件出願に係る発明は、矩形板状ワークに対して電気めっき処理を行うために前記矩形板状ワークを保持するワーク保持枠体、及び、それを用いためっき処理装置に関する。
従来、電子部品等の製造に用いるワークの表面にめっきを施す場合に、バッチ式や連続式のめっき処理装置を用いて電気めっき処理を行う。一般に、めっき対象となる矩形板状のワークの上端部を保持治具によって保持した状態で前記ワークをめっき槽に貯留されためっき液に浸漬し、前記保持治具を搬送軌道に沿って移動させることにより、前記ワークのめっき対象面に対して連続的に電気めっき処理を行う。
矩形板状のワークを保持する構成として、例えば、特許文献1には、矩形板状ワークの外形に沿って配置される矩形状のワーク保持枠体が開示されている。前記ワーク保持枠体は、一方の対向する一組の辺を構成し、前記矩形板状ワークを保持して当該矩形板状ワークに給電する一対の支持バーと、当該支持バーに対して垂直に配置されて他方の対向する一組の辺を構成し、前記一対の支持バーを平行に保持する一対のサイドバーとを備える。前記サイドバーは、各支持バーに設けられ、前記矩形板状ワークのめっき対象面とは反対側に向けて延びる起立部と、当該各起立部間に亘って設けられ、前記矩形板状ワークのめっき対象面から離間して配置される連結部とを有する。そして、矩形板状ワークを保持した複数のワーク保持枠体が、搬送レールに取り付けられ、矩形板状ワークのめっき対象面に離間配置された陽極面を備えるめっき槽のめっき液中を搬送されることにより、各矩形板状ワークに電気めっき処理が施される。
特許文献1によれば、上述のワーク保持枠体は、局所的にめっき層が厚く形成されることを抑制し、ワークの表面全体を均一に電気めっき処理することができる。すなわち、サイドバーは、矩形板状ワークの側方に位置するのではなく、めっき対象面に対向して位置し、且つ、めっき対象面とサイドバーの連結部との間に一定の間隔を存して位置する。仮に、サイドバーが矩形板状ワークの側方に位置する場合には、サイドバーの存在のために、隣接する矩形板状ワーク同士を間隔を狭めて配置することができない。その結果、電気めっき処理を行う際に、矩形板状ワークの、隣接する他の矩形板状ワークに近い周端部では、電流が集中して局所的にめっき層が厚く形成されてしまう。これに対し、特許文献1に開示のワーク保持枠体では、サイドバーは、矩形板状ワークのめっき対象面に対向して位置するため、隣接する矩形板状ワーク同士を間隔を狭めて配置することが可能である。その結果、電気めっき処理を行う際に、矩形板状ワークの前記周端部に電流が集中せず、矩形板状ワークのめっき対象面の全体に亘って均一な膜厚のめっき層を形成することができる。
特開2015−63717号公報
しかしながら、電気めっき処理を行った際に、矩形板状ワークのめっき対象面だけでなく、ワーク保持枠体を構成するサイドバーにもめっき層が形成されるため、無駄が生じるという不都合がある。
そこで、本件発明は、サイドバーにめっき層が形成されるのを防ぐことができるワーク保持枠体及びそれを用いためっき装置を提供することを目的とする。
本件発明に係るワーク保持枠体は、めっき槽に貯留されためっき液に浸漬する矩形板状ワークを保持するための矩形状のワーク保持枠体において、対向する一組の辺を構成する上部支持バー及び下部支持バーと、対向する他の一組の辺を構成する一対のサイドバーとを備え、当該上部支持バーには、当該矩形板状ワークの上辺を着脱自在に保持しつつ当該矩形板状ワークに給電可能な第1の上部把持部材が設けられ、当該下部支持バーには、当該矩形板状ワークの下辺を着脱自在に保持する下部把持部材が設けられ、当該一対のサイドバーは、前記第1の上部把持部材によって保持された当該矩形板状ワークの左辺及び右辺よりも内方に、当該矩形板状ワークのめっき対象面から間隔を存して配置されるものであり、電気絶縁性を備えることを特徴とする。
本件発明に係るワーク保持枠体において、前記サイドバーは以下の式(1)を満たす位置に配置されたものであることが好ましい。
X≧Y×2.5 ・・・(1)
但し、
X:当該サイドバーと前記矩形板状ワークのめっき対象面との離間距離
Y:当該矩形板状ワークのめっき対象面を正面とするときの当該サイドバーの正面における幅
本件発明に係るワーク保持枠体において、前記上部支持バーは、両端部に当該上部支持バーの延長線上に延出可能な上部延出部を備え、各当該上部延出部には、当該矩形板状ワークの上辺の端部を着脱自在に保持する第2の上部把持部材が設けられ、前記下部支持バーは、両端部に当該下部支持バーの延長線上に延出可能な下部延出部を備え、各当該上部延出部を伸長させると共に各当該下部延出部を伸長させることにより、各第2の上部把持部材間の間隔が広がると共に各前記サイドバー間の間隔が広がり、各前記サイドバーは、長手方向に伸縮可能であり、各当該サイドバーを伸長させることにより、前記上部支持バー及び前記下部支持バー間の間隔が広がることが好ましい。
また、本件発明に係るワーク保持枠体において、前記第2の上部把持部材は、前記矩形板状ワークに給電不能なものであることが好ましい。
そして、本件発明に係るめっき処理装置は、上述したワーク保持枠体に保持した複数の矩形板状ワークをめっき槽に貯留されためっき液に浸漬させながら搬送することにより、複数の当該矩形板状ワークに対して連続的に電気めっき処理を行うことを特徴とする。
本件発明に係るワーク保持枠体は、前記一対のサイドバーが電気絶縁材料からなるため、当該サイドバーにめっき層が形成されるのを防ぐことができる。そして、本件発明に係るワーク保持枠体によれば、前記ワーク保持枠体によって保持した複数の矩形板状ワークに対して連続的に電気めっき処理を行うことができる。
本件発明の実施の形態のワーク保持枠体の正面図である。 図1に示したワーク保持枠体の側面図である。 図1に示したワーク保持枠体を伸長した状態を示す図である。 図1に示したワーク保持枠体を適用しためっき処理装置の概略構成図である。
以下、図面を参照して、本件発明に係る「ワーク保持枠体」及びそれを用いた「めっき処理装置」の好適な実施形態についてそれぞれ説明する。
<本件発明に係るワーク保持枠体の実施形態>
はじめに、本件発明を適用した実施の形態としてのワーク保持枠体について、図1〜図3を参照しながら説明する。なお、図1は、保持される矩形板状ワークのめっき対象面を正面としたときのワーク保持枠体の正面図を示している。
図1に示す本実施形態のワーク保持枠体1は、後述のめっき槽52(図4参照)に貯留されためっき液に浸漬する矩形板状ワークWを、鉛直方向に沿って配するように吊下し保持するための矩形状の枠体である。本実施形態では、矩形板状ワークWは、例えば、厚さが0.1mmの矩形のプリント基板である。矩形板状ワークWのめっき対象面WSは、めっき槽52の内壁に沿って長手方向に配置される後述の陽極面53a(図4参照)と対峙する面である。そのため、めっき液に浸漬された矩形板状ワークWを挟んで一対の陽極面53aが対向配置される場合には、矩形板状ワークWの両面がめっき対象面WSである。
ワーク保持枠体1は、図1に示すように、対向する一組の辺を構成する上部支持バー11及び下部支持バー21と、対向する他の一組の辺を構成する一対のサイドバー31,41とを備え、矩形状をなしている。以下、各バー11,21,31,41の構成について順に説明する。
上部支持バー11は、矩形板状ワークWの上辺W1に沿って配置されたステンレス製の矩形板材である。上部支持バー11には、矩形板状ワークWの上辺W1を着脱自在に保持しつつ矩形板状ワークWに給電可能な第1の上部把持部材12が4つ設けられている。本実施形態では、第1の上部把持部材12としてクランプを用いることができる。また、第1の上部把持部材12の数は任意である。第1の上部把持部材22には、他端が上部支持バー11に接続された電源ケーブル13が接続されている。上部支持バー11には、搬送レール54に吊り下げるための後述のアーム55が取り付けられる(図4参照)。アーム55に設けられた後述の被給電部56、上部支持バー11、電源ケーブル13及び第1の上部把持部材12を介して、矩形板状ワークWに給電が行われる(図4参照)。
さらに、上部支持バー11は、両端部に上部支持バー11の延長線上に延出可能な上部延出部11a,11aを備える。本実施形態では、図3に示すように、上部延出部11aは、左右方向にスライドすることによって上部支持バー11の延長線上に延出するものであるが、その構成は任意である。また、上部延出部11aの延出長さは、任意に変更することができ、ネジ部材等によって固定可能である。なお、上部支持バー11は、第1の上部把持部材12が設けられた部分が伸縮可能であってもよいが、第1の上部把持部材12からの給電が不安定になることがある。そのため、本実施形態のように、上部支持バー11を、第1の上部把持部材12が設けられていない両端部から上部延出部11a,11aが延出することによって伸縮可能な構成とすることにより、第1の上部把持部材12からの給電を安定に行うことができるため、より好ましい。
各上部延出部11aには、矩形板状ワークWの上辺W1の端部を着脱自在に保持する第2の上部把持部材14が設けられている。本実施形態では、第2の上部把持部材14として、第1の上部把持部材と同一のクランプを用いることができる。上部延出部11a,11aを伸長させると、第2の上部把持部材14,14が連動するため、図3に示すように、左右の第2の上部把持部材15,15間の間隔が広がる。
第2の上部把持部材14は、矩形板状ワークWに給電可能なものであってもよいが、給電不能なものであることがより好ましい。なぜなら、電気めっき処理を行うときに第2の上部把持部材14によって給電を行うと、第2の上部把持部材14によって保持した矩形板状ワークWの上辺W1の端部に電流が集中して、めっき層が他の部分よりも厚くなったり、ヤケが生じる等の問題が生じることがあるからである。そのため、第2の上部把持部材14によって給電しないのであれば、そのような問題が生じることを防ぐことができる。
また、各上部延出部11の第2の上部把持部材14が設けられた面とは反対側の面の、第2上部把持部材14よりも内方には、サイドバー31,41を取り付けるための第1の連結部材15が設けられている。
下部支持バー21は、矩形板状ワークWの下辺W2に沿って配置されたステンレス製の矩形板材である。下部支持バー21には、矩形板状ワークWの下辺W2を着脱自在に保持する下部把持部材22が4つ設けられている。下部把持部材22の数は任意である。本実施形態では、各下部把持部材22は矩形板状ワークWに給電不能なものであるが、給電可能なものであってもよい。
さらに、下部支持バー21は、図3に示すように、両端部に下部支持バー21の延長線上に延出可能な下部延出部21a,21aを備える。本実施形態では、下部延出部21aは、左右方向にスライドすることによって下部支持バー21の延長線上に延出可能なものであるが、その構成は任意である。また、下部延出部21aの延出長さは、任意に変更することができ、ネジ部材等によって固定可能である。
また、各下部延出部21aの下部把持部材22とは反対側の端部には、サイドバー31,41を取り付けるための第2の連結部材23が設けられている。
次に、サイドバー31,41の構成について説明する。右側のサイドバー31は矩形板状ワークWの右辺W3に沿って配置され、左側のサイドバー41は矩形板状ワークWの左辺W4に沿って配置される。右側のサイドバー31及び左側のサイドバー41は共に同一の構成を備えるため、右側のサイドバー31の構成について説明し、左側のサイドバー41の構成の説明は省略する。
サイドバー31は、ラチェット部材32と、ラチェット部材32に連結された軸状部材33とを備える。ラチェット部材32は電気絶縁性を有する樹脂材料からなり、軸状部材33は金属製の部材の表面が電気絶縁性を有する樹脂材料で被覆されている。電気絶縁性を有する樹脂材料とは、例えば、テフロン(登録商標)である。このような構成を備えることにより、サイドバー31は電気絶縁性を有する。
ラチェット部材32は、第1の連結部材33に設けられた挿通部材34に挿通されている。挿通部材34には、ラチェット部材32のラチェット歯に係合可能な爪部35aを有するクリップ35が設けられている。ラチェット部材32は、爪部35aがラチェット歯へ係合しているときは固定され、係合が解除されているときは上下方向にスライド可能である。
軸状部材33は、上端部がラチェット部材32に連結されていて、下端部が略直角に屈曲し、その先端が第2の連結部材23に連結されている。第2の連結部材23には、軸状部材33の略延長線上に延びた支持脚部36が取り付けられている。
各サイドバー31,41がこのような構成を備えるため、ワーク保持枠体1に矩形板状ワークWが保持されたとき、図2に示すように、各サイドバー31,41は、矩形板状ワークWのめっき対象面WSから間隔を存して位置することになる。
ここで、各サイドバー31,41は、以下の式(1)を満たす位置に配置されたものであることがより好ましい。
X≧Y×2.5 ・・・(1)
但し、Xは、サイドバー31,41と矩形板状ワークWのめっき対象面WSとの離間距離であり、Yは、矩形板状ワークWのめっき対象面WSを正面とするときのサイドバー31,41の正面における幅である。Yは、例えば、サイドバー31,41の断面形状が矩形状である場合には、サイドバー31,41の正面における横幅であり、サイドバー31,41の断面形状が円形である場合には、サイドバー31,41の直径である。
各サイドバー31,41が上記式(1)を満たす位置に配置されている場合には、電気めっき処理を行う際に電流がめっき対象面WSのサイドバー31,41の陰になる領域にも確実に流れることができる。そのため、矩形板状ワークWのめっき対象面WSの全体に亘ってより均一な膜厚のめっき層を形成することができる。一方、各サイドバー31,41が上記式(1)を満たさない位置に配置されている場合には、電流がめっき対象面WSのサイドバー31,41の陰になる領域に十分に流れず、当該領域でめっき層の膜厚が薄くなることがあり好ましくない。
次に、矩形板状ワークWのワーク保持枠体1への取り付けについて説明する。まず、矩形板状ワークWの寸法に合わせて、ワーク保持枠体1の各バー11,21,31,41の長さを調整する。矩形板状ワークWの横寸法に合わせて、上部支持バー11の各上部延出部11aを左右方向にスライドさせると共に、下部支持バー21の各下部延出部21aを左右方向にスライドさせる。このとき、左右の第2の上部把持部材14,14によって矩形板状ワークWの上辺W1の端部、すなわち、角部を保持するために、左右の第2の上部把持部材14,14間の間隔を調整する。このとき、各上部延出部11a及び各下部延出部21aを左右外方向にスライドさせることにより、図3に示すように、右側サイドバー31及び左側サイドバー41間の間隔を広げることができる。
また、矩形板状ワークWの縦寸法に合わせて、各サイドバー31,41のラチェット部材32を上下方向にスライドさせる。これにより、図3に示すように、上部支持バー11及び下部支持バー21の間の間隔、すなわち、第1の上部把持部材12及び第2の上部把持部材14と下部把持部材22との間の間隔を広げることができる。
次に、ワーク保持枠体1に矩形板状ワークWを取り付ける。第1の上部把持部材12によって矩形板状ワークWの上辺W1を保持し、第2の上部把持部材14によって矩形板状ワークWの上辺W1の端部(角部)を保持する。また、下部把持部材22によって矩形板状ワークWの下辺W2を保持する。このとき、矩形板状ワークWの寸法に合わせて各バー11,21,31,41の長さが調整されているため、矩形板状ワークWに所定の張力を付与した状態で矩形板状ワークWを保持することができる。ワーク保持枠体1に矩形板状ワークWを取り付けたとき、各サイドバー31,41は、図1及び図3に示すように、矩形板状ワークWの右辺W3及び左辺W4よりも内方に位置すると共に、図2に示すように、矩形板状ワークWのめっき対象面WSに対して所定の間隔を存する。
ここで、各サイドバー31,41は電気絶縁性を備える。そのため、アーム55に設けられた被給電部56、上部支持バー11、電源ケーブル13及び第1の上部把持部材12を介して、矩形板状ワークWに給電を行うときに、各サイドバー31,41には給電は行われない。そのため、電気めっき処理を行うときに、各サイドバー31,41にめっき層が形成されるのを防ぐことができ、無駄が生じるのを防ぐことができる。
また、各サイドバー31,41が矩形板状ワークWの右辺W3及び左辺W3よりも内方に位置することから、矩形板状ワークWの右辺W3及び左辺W4は各サイドバー31,41の外方に突出する。そのため、後述するように、矩形板状ワークWをワーク保持枠体1に保持して搬送レール54によって搬送しながら電気めっき処理を行う際に、隣接する矩形板状ワークW同士を近接させて配置することが可能である。その結果、矩形板状ワークWの、隣接する他の矩形板状ワークWに近い周端部に電流が集中するのを防ぎ、矩形板状ワークWのめっき対象面WSの全体に亘って均一な膜厚のめっき層を形成することができる。
そして、本実施形態のワーク保持枠体1は、上述したように矩形板状ワークWの寸法に合わせて、各バー11,21,31,41の長さを調整可能である。そのため、本実施形態のワーク保持枠体1は、種々の寸法の矩形板状ワークWを保持することが可能である。これに対し、特許文献1に開示されているような従来技術のワーク保持枠体は、一対の支持バー及び一対のサイドバーの長さを調整することができない。その場合、矩形板状ワークの寸法に合わせたワーク保持枠体をそれぞれ用意する必要があるため、生産コストが増大するという問題がある。しかしながら、本実施形態のワーク保持枠体1は、上述したように、種々の寸法の矩形板状ワークWを保持可能であるので、生産コストの増大を抑制することができる。
なお、上部支持バー11、下部支持バー21、各のサイドバー31,41の長さ調整のための構成は、上述したものに限定されるものではない。
さらに、本実施形態のワーク保持枠体1は、第2の上部把持部材14によって矩形板状ワークWの上端W1の端部(角部)を保持する。そのため、矩形板状ワークWの厚さが薄いときにも、ワーク保持枠体1がめっき槽52中を搬送する間に、めっき液の噴流等の影響によって矩形板状ワークWが振動したり変形したりするのを抑制することができる。これに対し、第2の上部把持部材14によって矩形板状ワークWの上端W1の角部を保持しない場合には、ワーク保持枠体1がめっき槽52中を搬送する間に矩形板状ワークWが振動したり変形したりして、めっき層の密着性が低下したり均一な膜厚のめっき層を形成できないことがある。そのため、第2の上部把持部材14によって矩形板状ワークWの上端W1の端部(角部)を保持することがより好ましい。
さらに、本実施形態では、第2の上部把持部材14は給電不能なものとしている。矩形板状ワークWの上端W1の端部(角部)には給電が行われないため、当該端部に電流が集中してめっき層が他の部分よりも厚くなったりヤケが生じたりすることを防ぐことができる。
<本件発明に係るめっき処理装置>
次に、図4を参照しながら、上述のワーク保持枠体1を用いた本件発明に係るめっき処理装置について説明する。本実施の形態におけるめっき処理装置51は、上述のワーク保持枠体1に保持した複数の矩形板状ワークW,Wをめっき槽52に貯留されためっき液に浸漬させながら搬送することにより、複数の矩形板状ワークW,Wに対して連続的に電気めっき処理を行うことを特徴とする。
本実施の形態としてのめっき処理装置51は、めっき液を貯留するめっき槽52と、めっき液内に浸漬して設けられ、陽極面53aを構成する一対の陽極電極53,53と、矩形板状ワークWを保持した複数のワーク保持枠体1を保持すると共に、搬送及び給電を行う搬送レール54とを備える。
めっき槽52は、上面に開口を有し、矩形板状ワークWを搬送する方向に沿って長く構成されている。めっき槽52内には、矩形板状ワークWのめっき処理に用いるめっき液が貯留されている。めっき液は、矩形板状ワークWのめっき対象面WSに所望のめっき層を形成するのに適しためっき液を適宜選択して用いる。
陽極電極53,53は、めっき槽52の長手方向に沿って所定間隔をおいて対向配置される。陽極電極53,53の間がワーク搬送経路となる。各陽極電極53は、例えば、ステンレス、白金、カーボン等の不溶性材料からなる板状部材によって構成される。不溶性材料は、不溶性電極として通常用いられているものであれば、これに限定されない。
搬送レール54は、前記ワーク搬送経路の上方にめっき槽52の長手方向に沿って配置される。搬送レール54は、上述のワーク保持枠体1がアーム55を介して脱着自在に取り付けられ、アーム55によって保持したワーク保持枠体1を搬送方向に沿って移動させる。また、搬送レール54には、給電レール(図示せず)が付設されている。この給電レールには、上述の陽極電極53と対を成す陰極(図示せず)が電気的に接続されている。アーム55には、給電レールに接触可能な被給電部56が設けられている。
なお、ワーク保持枠体1をめっき槽52内において搬送する搬送レール54の構成は、これに限定されない。すなわち、ワーク保持枠体1によって保持された矩形板状ワークWを、めっき槽52のめっき液中に浸漬した状態で当該めっき槽52内を移動させることによって、矩形板状ワークWのめっき対象面WSに連続的にめっき処理を施すことが可能な構成であれば、どのような構成も採用することができる。
さらに、めっき槽52の底部には、略U字状の案内溝57が長手方向に延設されている。ワーク保持枠体1のサイドバー31,41に設けられた各支持脚部36が案内溝57に遊嵌することによって、ワーク保持枠体1は、搬送中に略垂直に起立した姿勢を維持することができる。
次に、本実施の形態のめっき処理装置51の動作について説明する。まず、矩形板状ワークWを上述したワーク保持枠体1に保持し、ワーク保持枠体1を搬送レール54のアーム55に取り付ける。そして、搬送レール54を作動させることにより、ワーク保持枠体1によって保持された矩形板状ワークWをめっき槽52内に搬送する。ここで、めっき槽52よりも上流側に、矩形板状ワークWの表面を前処理する工程を行うための処理槽を備えていても良い。前処理として、矩形板状ワークWの表面の脱脂処理、湯洗処理、水洗処理、酸洗浄等を採用することができる。
搬送レール54によってめっき槽52内に搬送された矩形板状ワークWは、めっき槽52内に貯留されためっき液中に浸漬される。このとき、めっき液の液面は、矩形板状ワークWの上辺W1と略同一の高さである。そのため、上部支持バー11はめっき液の液面よりも高い位置に存在する。
そして、矩形板状ワークWを保持するワーク保持枠体1のアーム55が、搬送レール54に付設された給電レールに接触する。前記給電レールに接続された前記陰極が、アーム55の被給電部56と、ワーク保持枠体1の上部支持バー11と、第1の把持部材21とを介して、矩形板状ワークWに電気的に接続される。これにより、対向配置された陽極面53a,53aと陰極として作用する矩形板状ワークWとの間に通電が行われる。
この結果、めっき槽52内のめっき液が電気分解され、矩形板状ワークWのめっき対象面WSにめっき層が形成される。さらに、搬送レール54の作動により、複数の矩形板状ワークWが陽極面53a,53a間のワーク搬送経路内を移動することにより、連続的に電気めっき処理が行われる。
このとき、本実施の形態におけるめっき処理装置51では、矩形板状ワークWを保持する治具として上述したワーク保持枠体1を採用しているので、ワーク保持枠体1のサイドバー31,41が邪魔となることなく、ワーク保持枠体1に保持された矩形板状ワークW同士の間隔を狭めて隣接するワーク保持枠体1を配置することができる。これにより、矩形板状ワークWの、隣接する他の矩形板状ワークWに近い周端部への電流の集中を抑制し、各矩形板状ワークWのめっき対象面WSの全体に亘って均一な膜厚のめっき層を形成することができる。従って、本件発明のワーク保持枠体1を採用した本実施の形態のめっき処理装置51では、複数の矩形板状ワークWのめっき対象面WS全体を均一な膜厚でめっき処理することが可能となり、均一、且つ、高品質なめっき皮膜を形成することが可能である。
また、上述したように、各サイドバー31,41は電気絶縁性を備えるため、上部支持バー11等を介して矩形板状ワークWに通電したときに、各サイドバー31,41には通電しない。そのため、サイドバー31,41にめっき層が形成されるのを防ぐことができる。さらに、各サイドバー31,41に連結された下部支持バー21へも通電しないため、下部支持バー21にめっき層が形成されるのを防ぐことができる。従って、本件発明のワーク保持枠体1を採用した本実施の形態のめっき処理装置51では、無駄にめっき層が形成されるのを防ぐことができる。
本件発明に係るワーク保持枠体は、種々の用途に用いられる電子部品等の矩形板状ワークを電気めっき処理する際に使用することができる。
1 ワーク保持枠体
11 上部支持バー
11a 上部延出部
12 第1の上部把持部材
14 第2の上部把持部材
21 下部支持バー
21a 下部延出部
22 下部把持部材
31 右側サイドバー
41 左側サイドバー
51 めっき処理装置
52 めっき槽
53 陽極電極
53a 陽極面
54 搬送レール
55 ワーク搬送経路
55 アーム
56 被給電部
W 矩形板状ワーク
W1 矩形板状ワークの上辺
W2 矩形板状ワークの下辺
W3 矩形板状ワークの右辺
W4 矩形板状ワークの左辺
WS めっき対象面

Claims (5)

  1. めっき槽に貯留されためっき液に浸漬する矩形板状ワークを保持するための矩形状のワーク保持枠体において、
    対向する一組の辺を構成する上部支持バー及び下部支持バーと、対向する他の一組の辺を構成する一対のサイドバーとを備え、
    当該上部支持バーには、当該矩形板状ワークの上辺を着脱自在に保持しつつ当該矩形板状ワークに給電可能な第1の上部把持部材が設けられ、
    当該下部支持バーには、当該矩形板状ワークの下辺を着脱自在に保持する下部把持部材が設けられ、
    当該一対のサイドバーは、前記第1の上部把持部材によって保持された当該矩形板状ワークの左辺及び右辺よりも内方に、当該矩形板状ワークのめっき対象面から間隔を存して配置されるものであり、電気絶縁性を備えることを特徴とするワーク保持枠体。
  2. 前記サイドバーは以下の式(1)を満たす位置に配置されたものである請求項1に記載のワーク保持枠体。
    X≧Y×2.5 ・・・(1)
    但し、
    X:当該サイドバーと前記矩形板状ワークのめっき対象面との離間距離
    Y:当該矩形板状ワークのめっき対象面を正面とするときの当該サイドバーの正面における幅
  3. 前記上部支持バーは、両端部に当該上部支持バーの延長線上に延出可能な上部延出部を備え、
    各当該上部延出部には、当該矩形板状ワークの上辺の端部を着脱自在に保持する第2の上部把持部材が設けられ、
    前記下部支持バーは、両端部に当該下部支持バーの延長線上に延出可能な下部延出部を備え、
    各当該上部延出部を伸長させると共に各当該下部延出部を伸長させることにより、各第2の上部把持部材間の間隔が広がると共に各前記サイドバー間の間隔が広がり、
    各前記サイドバーは、長手方向に伸縮可能であり、
    各当該サイドバーを伸長させることにより、前記上部支持バー及び前記下部支持バー間の間隔が広がる請求項1又は請求項2に記載のワーク保持枠体。
  4. 前記第2の上部把持部材は、前記矩形板状ワークに給電不能なものである請求項3に記載のワーク保持枠体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のワーク保持枠体に保持した複数の矩形板状ワークをめっき槽に貯留されためっき液に浸漬させながら搬送することにより、複数の当該矩形板状ワークに対して連続的に電気めっき処理を行うことを特徴とするめっき処理装置。

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