JP2020070454A - 窒化材料の製造方法 - Google Patents

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【課題】チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体が緻密化されていても、深層まで窒化することにより硬度を高めることができる窒化材料の製造方法を提供する。【解決手段】チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体を、チタンがα相からβ相に転移する第一温度で第一時間加熱する第一加熱工程の後で、第一温度より高い第二温度で第二時間加熱する第二加熱工程を行い、少なくとも第二加熱工程を、窒素を含有するガス雰囲気で行う。β相の方が空間充填率が低いため、深層まで窒化できる。【選択図】図1

Description

本発明は、チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体の一部が窒化された窒化材料の製造方法に関するものである。
本出願人は、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、スズ、鉛、それらの合金等の非鉄金属のダイカストに使用されるスリーブを外筒と内筒との二重構造とし、鋼製の外筒に嵌め込まれる内筒を、チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料(以下、「TC複合材料」と称する)の焼結体で形成することを提案し、実施している(例えば、特許文献1参照)。
従来、一般的なスリーブはSKD61などの鋼製であったが、非鉄金属は鉄と反応しやすいため、鋼製のスリーブは充填対象の溶融金属との接触により溶損し易く、耐用期間が短いという問題があった。また、鋼は熱伝導率が大きいため、スリーブ内に供給された溶融金属の温度が低下し易い。スリーブ内に供給された溶融金属の温度が、キャビティに至る前にスリーブ内で低下することによって凝固片が生じると、成形後の製品においてその部分で剥離などの欠陥が生じやすく、機械的強度が低下するという問題がある。
これに対し、内筒に用いているTC複合材料は、非鉄金属との反応性が低いため耐溶損性に優れている。また、SKD61の熱伝導率は35.6W/mKと大きいのに対し、TC複合材料の熱伝導率は7.4W/mKと非常に小さく保温性に優れており、スリーブ内に供給された溶融金属の温度が低下しにくい利点を有している。更に、セラミックスのみで内筒を形成した場合、耐溶損性及び保温性については高めることは可能であるものの、脆性材料であるセラミックスは耐衝撃性が低いという難点があるところ、TC複合材料は、金属とセラミックスとの複合材料であるため、耐衝撃性にも優れているという利点がある。
ところが、TC複合材料は、耐溶損性、保温性、及び耐衝撃性に優れるという多くの利点を有するものの、硬度が低いという難点がある。ダイカストでは、スリーブの一端からプランジャチップを進入させてスリーブ内を軸方向に摺動させ、スリーブ内に供給された溶融金属をプランジャチップで押し出してキャビティ内に充填するため、スリーブの内筒の硬度が低いと、プランジャチップの摺動によって内周面が摩耗してしまう。内筒の内周面が摩耗すると、プランジャチップとの間に空隙が生じ、その空隙から溶融金属が漏出するおそれがある。そのため、従来の鋼製のスリーブでは、焼き入れや窒化など表面を硬化する処理を施した鋼を用いているが、TC複合材料は硬化処理した鋼より硬度が低い。
そこで、本出願人は、TC複合材料で形成された内筒を、窒素を含有する雰囲気下で加熱することによって窒化し、内筒の内周面に窒化チタン層を形成することを提案している(特許文献2参照)。窒化チタンは、TC複合材料より硬度が高いだけではなく、硬化処理した鋼と比べても硬度が非常に高いため、スリーブの内筒における耐摩耗性を高めることが可能である。
一方、本発明者らは過去の検討により、図4に示すように、TC複合材料の焼結体の窒化には気孔率が影響し、焼結体の気孔率が低いと窒化が進みにくいという知見を得ている。これは、開気孔が、窒素を含むガスを焼結体の内部まで浸透させる通路となるためと考えられる。しかしながら、気孔率が高いと、気孔に沿ってクラックが伸展するなど、焼結体の機械的強度が低下する。そのため、機械的強度を高めるためにTC複合材料の焼結体を緻密化すると、深層まで窒化することが困難となり、窒化チタン層がごく表層にしか形成されないという問題があった。窒化チタン層がごく表層にのみ形成されている場合は、外筒に嵌め込まれる内筒の寸法精度を高めるための加工を行う際に、窒化チタン層が失われてしまうことがある。
特開平3−142053号公報 特開平4−224066号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体が緻密化されていても、深層まで窒化することにより硬度を高めることができる窒化材料の製造方法の提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる窒化材料の製造方法(以下、単に「製造方法」と称することがある)は、
「チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体を、チタンがα相からβ相に転移する第一温度で第一時間加熱する第一加熱工程と、
該第一加熱工程の後で、前記第一温度より高い第二温度で前記焼結体を第二時間加熱する第二加熱工程とを具備し、
少なくとも前記第二加熱工程を、窒素を含有するガス雰囲気で行う」ものである。
以下では、窒素を含有するガスを「窒化ガス」と称することがあり、窒素を含有するガス雰囲気を「窒化ガス雰囲気」と称することがある。本製造方法では、チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料(TC複合材料)の焼結体を、チタンがα相からβ相に転移する温度で一定時間加熱するという処理を施してから、それより高い温度の窒化ガス雰囲気で更に加熱をする。このように、窒化処理における加熱を二段階で行うことにより、TC複合材料の焼結体が緻密化されていても、その深層まで窒化することができる。その理由については、次のように考察している。
すなわち、チタンは常温では結晶構造が六方最密充填構造のα相が安定相であるが、882℃〜900℃の第一温度で体心立方格子構造のβ相に転移する。六方最密充填構造の空間充填率(結晶構造における単位体積当たり原子が占める割合)は0.74であるのに対し、体心立方格子構造の空間充填率は0.68と小さくなるため、β相への転移に伴ってボイド(気孔)が生成する。このボイドは、機械的強度を低下させる原因となる気孔に比べると、ごく小さなものであり、アルキメデス法で測定される見掛け気孔率に影響を与えない程度である。このようなごく小さなボイドであっても、ガスの通路とはなり得る。そのため、焼結体が緻密化されていても、ボイドを通路として、窒化のために窒素を供給するガスの焼結体内部までの浸透拡散を高めることができ、深層まで窒化することができる。
加えて、六方最密充填構造は4個の四面体空隙と2個の八面体空隙を有している一方、体心立方格子構造は12個の四面体空隙と6個の八面体空隙を有しており、窒素原子が固溶する場合は八面体空隙に収容される。そのため、チタンをα相からβ相に転移させることにより、窒素原子が収容される八面体空隙の数が増加することによっても、窒化が進行しやすくなるものと考えられる。
本発明にかかる窒化材料の製造方法は、上記構成に加え、
「前記第二加熱工程は、前記第一加熱工程と同一の処理空間で前記第一加熱工程に引き続いて行われ、
前記処理空間を、前記第一加熱工程の開始前に窒素を含有するガス雰囲気とする」ものとすることができる。
本構成では、チタンをα相からβ相に転移させる第一加熱工程の段階で、処理空間を窒化ガス雰囲気とする。これにより、α相からβ相への転移に伴ってボイドが導入された時点で、直ちにボイド内に窒化ガスを流入させることがきる。そして、既にボイド内に窒化ガスが流入している状態で、より高温で加熱する第二加熱工程を引き続いて行うことによって、より容易に窒化を進行させることができる。
本発明にかかる窒化材料の製造方法は、上記構成に加え、
「前記複合材料に、ニッケルを含有させる」ものとすることができる。
TC複合材料にニッケルを含有させることにより、TC複合材料の焼結体を緻密化することができる。例えば、詳細は後述するように、ニッケルを含まないTC複合材料100重量部に対して0.1重量部〜10重量部のニッケルを添加したとき、アルキメデス法により測定された焼結体の見掛け気孔率は、0.07%〜0.5%と非常に小さい。一方、ニッケルは窒素を固溶せず窒化物も形成しないため、ニッケルを含有させることによってTC複合材料の窒化が阻害される。
このように、気孔率が極めて小さいために窒化ガスを浸透させる通路が殆どないことに加え、窒化の阻害要因となるニッケルを含有させたTC複合材料であっても、詳細は後述するように、チタンをα相からβ相に転移させる第一加熱工程の後で、より高温の窒化ガス雰囲気で加熱する第二加熱工程を行うことにより、深層まで窒化することができる。
以上のように、本発明によれば、チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体が緻密化されていても、深層まで窒化することにより硬度を高めることができる窒化材料の製造方法を、提供することができる。
実施例E1の窒化材料の深さ方向の硬度分布を比較例Rと対比したグラフである。 実施例E2の窒化材料の深さ方向の硬度分布を比較例Rと対比したグラフである。 実施例E3の窒化材料の深さ方向の硬度分布を比較例Rと対比したグラフである。 従来の製造方法により製造された窒化材料について、窒化処理の前後の硬度変化を見掛け気孔率に対してプロットしたグラフである。
以下、本発明の具体的な実施形態について説明する。本実施形態の製造方法は、TC複合材料の焼結体を、チタンがα相からβ相に転移する第一温度で第一時間加熱する第一加熱工程と、第一加熱工程の後で、第一温度より高い第二温度で第二時間加熱する第二加熱工程とを具備している。
より具体的に説明すると、第一加熱工程ではTC複合材料の焼結体を加熱炉内に配置し、常温から882℃〜900℃の第一温度まで昇温する。この際、窒化ガスを加熱炉内に導入し、処理空間の温度が第一温度に達する前に、処理空間を窒化ガスで満たす。窒化ガスとしては、窒素100%ガス、窒素と不活性ガスとの混合ガス、アンモニアガスとその分解により生じた窒素ガスの混合ガスを、例示することができる。
加熱炉の処理空間内の温度が882℃〜900℃の第一温度に達したら、その温度で第一時間保持する。TC複合材料の焼結体を第一温度で保持することにより、チタンがα相からβ相に転移し、微小なボイドが生成する。そして、生成したボイドを通路として、焼結体の内部まで窒化ガスが浸透する。第一時間は1時間〜4時間とすることができ、チタンの相転移を十分に進行させるためには3時間以上とすることが望ましい。
第一時間の経過後、処理空間の温度を第一温度より高い第二温度まで昇温する。第二温度は、第一温度より50℃〜400℃高い温度とすることができる。第一温度から第二温度までの昇温速度は、常温から第一温度までの昇温速度と同じであっても異なっていてもよい。
加熱炉の処理空間内の温度が第二温度に達したら、その温度で第二時間保持する。第一加熱工程で生成したボイドに窒化ガスが流入している状態で、更により高温である第二温度で保持することにより、TC複合材料に含まれるチタンが窒化され、Ti−N化合物(TiN、TiN)が形成されると共に、窒素がチタンに固溶する。第二時間は2時間〜5時間とすることができ、窒化を十分に進行させるためには3時間以上とすることが望ましい。
ここで、第一加熱工程及び第二加熱工程は、常圧下で行うこともできるが、加圧下で行うことが望ましい。加圧下で行うことにより、微小なボイドの奥深くまで窒化ガスが圧入されるため、より効率よく窒化を進行させることができる。加圧条件は、常圧の2倍〜3倍とすれば、扱いやすい圧力で効果的にガスをボイドに圧入することができる。なお、第一加熱工程と第二加熱工程の圧力は、同じであっても異なっていてもよい。
なお、TC複合材料には、金属としてチタンに加えてモリブデンを含有させることができる。モリブデンを含有させることにより、溶融した非鉄金属に対するTC複合材料の耐溶存性を高めることができる。この場合、TC複合材料におけるモリブデンの含有量は、チタン原子100重量部に対してモリブデン原子10重量部〜50重量部とすることが望ましく、20重量部〜45重量部とすることがより望ましい。
また、TC複合材料におけるセラミックスの割合は、金属原子100重量部に対してセラミックス1重量部〜15重量部とすることが望ましく、3重量部〜10重量部とすることがより望ましい。TC複合材料が金属としてチタンに加えてモリブデンを含有する場合、ここで言う「金属原子100重量部」は、チタン原子とモリブデン原子の和としての重量部である。このような割合とすることにより、セラミックスの長所を活かしつつ、脆性材料であるセラミックスの難点を金属の靭性で補うことができる。
本実施形態の製造方法は、上述したように、TC複合材料の焼結体が非常に緻密であって、本来はガスを流入させる気孔がほとんどない場合であっても、微小のボイドを生成させて窒化ガスを浸入させることができるため、TC複合材料の焼結体として、ニッケルの添加により緻密化させたTC複合材料の焼結体を使用することができる。これにより、緻密化によって機械的強度を高める効果と、窒化によって硬度を高める効果との双方を得ることができる。
ニッケルの添加によるTC複合材料の緻密化について、より具体的に説明する。例えば、チタン100重量部に対してモリブデン43重量部、セラミックスとしての炭化珪素をチタン原子とモリブデン原子の和100重量部に対して5重量部含有し、ニッケルを添加していないTC複合材料(試料S0)と、試料S0のTC複合材料にニッケルを異なる割合で添加した試料S1〜S12について、JIS R2205に則りアルキメデス法で見掛け気孔率を測定すると、表1のようである。ここで、ニッケルの添加割合は、ニッケルを除いたTC複合材料100重量部に対するニッケル原子の重量部で表している。
Figure 2020070454
表1から分かるように、ニッケルを除いたTC複合材料100重量部に対し、少なくともニッケル原子0.1重量部〜10重量部となる範囲でニッケルを添加することにより、TC複合材料を見掛け気孔率が0.07%〜0.5%の非常に緻密な焼結体とすることができる。
実際に、TC複合材料の焼結体を作製し、本実施形態の製造方法で窒化を行った。TC複合材料の焼結体は、チタン粉末、モリブデン粉末、炭化珪素粉末、及びニッケル粉末を混合した原料から成形した成形体を、非酸化性雰囲気下で焼成する粉末冶金によって製造した。得られた焼結体の見掛け気孔率をJIS R2205に則りアルキメデス法で測定したところ、0.5%であり、非常に緻密であった。つまり、得られた焼結体は、ニッケルの添加によって緻密化されたTC複合材料焼結体である。
この焼結体を使用し、第一温度、第一時間、第二温度、及び第二時間を、表2に示すように設定した本実施形態の製造方法により、実施例E1,E2,及びE3の窒化材料を製造した。また、比較のために、実施例と同じ焼結体を使用し、チタンがα相からβ相に転移する温度より低い温度で、一段階のみの加熱処理をすることにより、比較例Rの窒化材料を製造した。何れの試料についても、窒化ガスとして窒素100%ガスを使用し、全工程を常圧の3倍の加圧下で行った。
Figure 2020070454
それぞれの試料を深さ方向に切断した試験片について、マイクロビッカース硬度試験機を使用し、深さ方向の硬度分布を荷重1kgfで測定した。実施例E1,E2,及びE3の硬度分布を、それぞれ比較例Rと対比して図1,図2,及び図3に示す。
比較例Rの窒化材料は、深さ0.1mmで約520Hvの硬度を示したものの、0.2mm以上の深さでは420〜450Hvとほぼ一定の硬度であった。この硬度420〜450Hvは、実施例及び比較例に使用したものと同一のTC複合材料の焼結体であって、窒化処理を行っていない試料の硬度と同程度であった。つまり、比較例Rでは、深さ0.2mmに満たないごく薄い表層のみが窒化されているに過ぎず、窒化により硬度を高める効果がほとんどないと考えられる。これは、焼結体の見掛け気孔率が0.5%と極めて小さいために、窒化ガスの通路となる空隙が殆どないことに加え、窒化を阻害するニッケルが添加されているためと考えられた。
これに対し、実施例E1,E2,及びE3の窒化材料の何れも、測定した深さの全範囲において比較例Rより高い硬度を示しており、少なくとも深さ1.8mmまで窒化が進行していると考えられた。また、比較例Rでは硬度の最大値が約520Hvであったのに対し、実施例E1,E2,及びE3では何れも800Hv以上であり、窒化によって硬度が大きく高められていることが確認された。
以上のように、本実施形態の製造方法によれば、見掛け気孔率が0.5%と極めて小さいために、本来は窒化ガスの通路となる空隙が殆どないことに加え、窒化を阻害するニッケルが添加されている焼結体であっても、深層まで窒化することにより硬度を高めることができる。これは、第一温度で一定時間加熱することにより、焼結体に含まれるチタンがα相からβ相に転移し、これにともなって生じる微小なボイドを通路として、窒素が焼結体の内部まで流入するためと考えられた。また、窒素をボイドに流入させた後、第一温度より高い第二温度で更に加熱しているため、窒素が焼結体に十分に浸透拡散し、窒化が十分に進行すると考えられた。
加えて、本実施形態では、チタンの相転移によりボイドを生成させる第一加熱工程の段階で、既に処理空間を窒化ガスで満たしているため、ボイドの生成に伴って直ちに窒化ガスがボイドに流入し、効率よく窒化させることができると考えられた。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記では、TC複合材料をダイカスト用スリーブの内筒に用いる場合の窒化に本発明を適用する場合を例示したが、これに限定されず、他の用途に使用されるTC複合材料を窒化する場合にも、もちろん本発明を適用することができる。
また、上記の実施例では、TC複合材料の原料とするセラミックスとして、炭化珪素(SiC)を例示したが、セラミックスの種類はこれに限定されず、例えば、TiC、TiB、MoBを好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. チタン又はチタン合金とセラミックスとの複合材料の焼結体を、チタンがα相からβ相に転移する第一温度で第一時間加熱する第一加熱工程と、
    該第一加熱工程の後で、前記第一温度より高い第二温度で前記焼結体を第二時間加熱する第二加熱工程とを具備し、
    少なくとも前記第二加熱工程を、窒素を含有するガス雰囲気で行う
    ことを特徴とする窒化材料の製造方法。
  2. 前記第二加熱工程は、前記第一加熱工程と同一の処理空間で前記第一加熱工程に引き続いて行われ、
    前記処理空間を、前記第一加熱工程の開始前に窒素を含有するガス雰囲気とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の窒化材料の製造方法。
  3. 前記複合材料に、ニッケルを含有させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の窒化材料の製造方法。
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