JP2020069797A - 樹脂成形品の接合方法 - Google Patents

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和広 片田
Kazuhiro Katada
和広 片田
浩 野中
Hiroshi Nonaka
浩 野中
弘一朗 村松
Koichiro Muramatsu
弘一朗 村松
匡男 古屋
Masao Furuya
匡男 古屋
伸宜 土地
Nobutaka Tochi
伸宜 土地
良征 香河
Yoshiyuki Kagawa
良征 香河
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Abstract

【課題】複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる樹脂成形品の接合方法を提供する。【解決手段】合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して内圧を保持可能な樹脂成形品を接合する接合方法であって、一次成形された前記部分成形体を成形用金型にインサートして型締めし、前記接合面が対向当接した状態で前記接合面の外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して前記接合面に前記溶融樹脂を溶融固化させる。【選択図】図6

Description

本発明は、樹脂成形品の接合方法に関する。
樹脂半割体を突き合わせて形成した接合部を有し、この接合部が当該半割体を突き合わせて接触させた内側の半割体接触部分と、半割体材料が接触しない外側の半割体非接触部分からなり、この半割体非接触部分において当該中空体の外面の少なくとも一部が、上記樹脂半割体の少なくとも一方に形成された鍔部により形成されており、そして当該半割体非接触部分に2次樹脂が充填されている樹脂成形中空体が知られている(特許文献1)。
一方の第1半中空成形品を成形するための第1の金型と、他方の第2半中空成形品を成形するための第2の金型と、前記第1、2の金型内にそれぞれ軸方向に移動自在に設けられているキャビテイ部材とを使用し、一次成形で、前記第1、2の金型により一対の半中空成形品を、それぞれの接合端部の外周部にフランジ部を有するように成形し、そして、第2の金型を、1次成形で成形された他方の第2半中空成形品が残った状態で、第1の金型の方へ移動させて、他方の第2半中空成形品を第1の金型内に残っている一方の第1半中空成形品に整合させて、型締めし、二次成形で、型締めすることにより、一対の第1、2半中空成形品の、突き合わされたフランジ部の外側部と、キャビテイ部材とにより形成される射出空間に溶融樹脂を射出して、一対の第1、2半中空成形品のフランジ部を互いに溶着あるいは締め付けて中空成形品を得る合成樹脂中空成形品の成形方法も知られている(特許文献2)。
特開平10−3152663号公報 特許第2982033号公報
本発明は、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる樹脂成形品の接合方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法は、
合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して内圧を保持可能な樹脂成形品を接合する接合方法であって、
一次成形された前記部分成形体を成形用金型にインサートして型締めし、前記接合面が対向当接した状態で前記接合面の外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して前記接合面に前記溶融樹脂を溶融固化させる、
ことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記接合面の外周側面は、型締め方向と交差する外側方向に突出する凸条を有し、前記部分成形体が前記接合面で対向当接した際に、それぞれの前記部分成形体の前記凸条の間に凹条が形成され、前記溶融樹脂は前記凹条に充填されるとともに前記凸条を覆う、
ことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記凹条は、前記接合面の外周側面の型締め方向と交差する外側方向に向かって開口幅が狭くなるように形成されている、
ことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記接合面の外周側面は、型締め方向に突出する凸条を有し、前記部分成形体が前記接合面で対向当接した際に、それぞれの前記部分成形体の前記凸条が合わさって環状体が形成され、前記溶融樹脂は前記環状体を覆うように充填される、
ことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記部分成形体は前記成形用金型にインサートして型締めする前に、前記接合面にシール材が配設されている、
ことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記シール材は前記接合面を圧接シールする環状弾性体であり、前記部分成形体の前記接合面に設けられた凹溝に配設される、
ことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記シール材は液状封止材であって、前記部分成形体の前記接合面に塗工される、
ことを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記シール材は接着剤であり、前記部分成形体の前記接合面に塗工される、
ことを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記接合面の外周側面を全周に亘って覆うように前記溶融樹脂を注入するゲート口は、前記接合面の外周側面の接線方向に対して45度以下の角度で傾斜して配置されている、
ことを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂の樹脂温度を高くする、
ことを特徴とする。
請求項11に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記成形金型の金型温度を高くする、
ことを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂の射出速度を速くする、
ことを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂を射出した後の保圧を高くする、
ことを特徴とする
請求項14に記載の発明は、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法において、
前記合成樹脂が、結晶性ガラス繊維強化ポリアミド樹脂である、
ことを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、接合面の溶融結合と溶融樹脂の収縮締め込みで所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、接合面の溶融結合領域を増大させて所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、接合面の溶融結合と溶融樹脂の収縮締め込みで所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合強度を向上させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合面のシール性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合面のシール性を向上させ、接合強度が低下することを抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、液状封止材が塗工されていない場合に比べて、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合面のシール性をより向上させることができる。
請求項8に記載の発明によれば、接着剤が塗工されていない場合に比べて、複数の部分成形体を接合面で接合して所定の内圧を保持可能な樹脂成形品の接合面のシール性を向上させるとともに、接合面の接合強度をより増大させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、接合面の外周側面に溶融樹脂をスムーズに流動させ、接合面からの樹脂漏れを防止することができる。
請求項10に記載の発明によれば、接合面の外周側面に射出された溶融樹脂の温度低下を抑制することができる。
請求項11に記載の発明によれば、接合面の外周側面に射出された溶融樹脂の温度低下を抑制することができる。
請求項12に記載の発明によれば、接合面の外周側面に射出された溶融樹脂の温度低下を抑制することができる。
請求項13に記載の発明によれば、接合面の外周側面に射出された溶融樹脂と接合面の溶融結合を増大させることができる。
請求項14記載の発明によれば、樹脂成形品の耐圧強度を向上させることができる。
二つの部分成形体を接合面で接合した樹脂成形品を一部断面で示す斜視図である。 部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体の射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体の射出成形時の断面図である。 第1の部分成形体と第2の部分成形体を鍔部で突き合わせた状態を示す断面模式図である。 本実施形態に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図である。 成形金型におけるスプルーランナーとゲートの配置を示す断面模式図である。 (a)は樹脂成形品を一部断面で示す図、(b)は接合帯の作用を説明する接合部の拡大断面模式図である。 実施例に係る樹脂成形品の各部の寸法を示す断面図である。 実施例における成形条件と耐圧強度の関係を示し、(a)は樹脂温度と耐圧強度、(b)は射出速度と耐圧強度、(c)は保圧と耐圧強度の関係を示す図である。 比較例に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図である。 二つの部分成形体を接合面にシール材を配設して接合した樹脂成形品を一部断面で示す斜視図である 第2実施形態における部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体の射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体の射出成形時の断面図である。 第2実施形態における第1の部分成形体と第2の部分成形体を鍔部で突き合わせた状態を示す断面模式図である。 第2実施形態に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図である。 (a)は樹脂成形品を一部断面で示す図、(b)、(c)、(d)は接合帯の作用を説明する接合部の拡大断面模式図である。
「第1実施形態」
次に図面を参照しながら、本発明の実施形態の具体例を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
尚、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
(1)部分成形体の成形
図1は二つの部分成形体を接合面で接合した樹脂成形品を一部断面で示す斜視図、図2は部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体の射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体の射出成形時の断面図、図3は第1の部分成形体と第2の部分成形体を鍔部で突き合わせた状態を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る樹脂成形品の接合方法により製造される樹脂成形品の構成と接合強度について説明する。
(1.1)樹脂成形品
樹脂成形品1は、接合面の一例としての鍔部11を有する第1の部分成形体10と、接合面の一例としての鍔部21を有する第2の部分成形体20が、それぞれの鍔部11、21で付き合わされた状態で外周側面に接合帯3となる樹脂を二次成形して接合された中空体である。
樹脂成形品1は、第1の部分成形体10の上部に貫通孔13aが形成された膨出部13を有し、外部から膨出部13を介して液体が注入された場合は、注入された液体による所定の内圧を保持可能となっている。
第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の成形に用いられる合成樹脂としては、ポリアミド樹脂が挙げられる。具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12のような脂肪族ポリアミドやポリヘキサメチレンテレフタラミド、ポリヘキサメチレンイソフタラミドのような半芳香族ポリアミド樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、単独あるいは2つ以上の共重合から成り立っていても良い。更には、ガラス繊維やカーボン繊維等で強化したものでも良く、ガラス繊維が20%ないし40%充填された結晶性ガラス繊維強化ナイロン66がより好ましい。
このような樹脂成形品1は、その用途は特に限定されないが、使用する結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(PA66−G30)の優れた射出成形性、耐熱性、強靱性、耐クリープ特性などを利用して、温水洗浄装置の熱交換タンクとして利用される。特に、熱交換タンクとして利用される場合には、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20が鍔部11、21で接合された中空体に温水が充満した状態で加圧されることから、接合面の接合強度として耐水圧1.3MPa以上を有することが好ましい。
(1.2)部分成形体
第1の部分成形体10、第2の部分成形体20は、図2(a)、(b)に示すように、成形材料としてPA66−G30を用いて射出成形により製造されるが、係る射出成形には既知の射出成形機であればいずれも使用可能であり、特に制限されるものではない。
成形金型30、40は、PLをパーティングライン面とする固定側型31、41と可動側型32、42とからなり、固定側型31、41と可動側型32、42との間に樹脂が充填されるキャビティC1、C2が形成されている。尚、図2(a)、(b)においては、通常の成形金型に備えられている固定側の固定側取付板、ランナーストリッパープレート、樹脂が供給されるロケートリング等、及び可動側の可動側取付板、エジェクタ機構等は省略して不図示としている。
固定側型31、41と可動側型32、42が型締めされて形成されたキャビティC1、C2にはゲートGから溶融樹脂が充填される。PA66−G30の融点は約265℃であるので、成形材料をおよそ280〜320℃に加熱して溶融させて、所定の金型温度(100℃以下、70〜90℃)に加熱された成形金型30、40に充填する(射出工程)。その際、成形材料を所定の射出速度V=10mm/sec〜30mm/secで注入してキャビティC1、C2の隅々までに充填できるようにする。
その後、成形材料は徐々に固化していくため、固化に伴って成形材料が体積収縮する。そのため、体積収縮した分の成形材料を補填する必要があり、ゲートGから成形材料を一定の保圧P=5MPaで注入し続ける(保圧工程)。尚、第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の肉厚やスプルーランナー部(不図示)の太さによって、注入する圧力と時間を適宜調整する。
その後、固定側型31、41と可動側型32、42との型開きを行い、エジェクタ機構(不図示)でキャビティC1、C2内の第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を押圧して可動側型32、42上の成形体を取り出す。
このようにして成形された第1の部分成形体10の鍔部11、第2の部分成形体20の鍔部21には、図3に示すように、型締め方向と交差する外側方向に突出する凸条12、22が形成され、互いに鍔部11、21で突き合わされたときに、それぞれの凸条12、22の間に凹条2が形成されるようになっている。
凹条2は、図3(b)に示すように、鍔部11、21の外周側面の付き合わせ方向と交差する外側方向に向かって開口幅が狭くなるように形成されている(図3(b)においてA1<A2)。
(2)部分成形体の接合
図4は本実施形態に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図、図5は成形金型におけるスプルーランナーとゲートの配置を示す断面模式図、図9は比較例に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図である。
先ず、鍔部の外周方向に突出する凸条を有しない比較例に係る樹脂成形品100の接合方法及びこれに用いる成形金型について説明する。
比較例に係る樹脂成形品100は、図9に示すように、成形された第1の部分成形体110の鍔部111、第2の部分成形体120の鍔部121には、型締め方向に窪んだ凹条111a、121aが形成され、互いに鍔部111、121で突き合わされたときに、外部と繋がる空間Rが形成されるようになっている。
そして、第1の部分成形体110及び第2の部分成形体120を成形金型にインサートして型締めすると、接合面としての鍔部111、121には、空間Rとスプルーランナーとを連通する連通部100aが形成される。
このように、成形金型内で第1の部分成形体110と第2の部分成形体120を付き合わせた状態で第1の部分成形体110及び第2の部分成形体120と同種の溶融樹脂(PA66−G30)を所定の射出速度で射出すると、溶融樹脂は凹条111a、121aが形成された空間Rに充填されて一定の保圧下で鍔部111、121と溶融固化(溶着)する。
射出する樹脂の樹脂温度は、溶着強度を上げるために、樹脂が熱分解しない範囲内で極力高く設定される。具体的には、PA66−G30の融点は約265℃であるので、およそ280〜320℃に設定される。また、金型温度、射出速度、保圧は、第1の部分成形体110及び第2の部分成形体120の一次成形と同一条件下、具体的には金型温度70〜90℃、射出速度10mm/sec〜30mm/sec、保圧5MPaで成形される。
このようにして、鍔部111、121が接合された樹脂成形品100は、内部に温水が充満した状態で加圧された場合、接合面の境界面から剥離する虞がある。
空間Rに溶融樹脂を充填する際に、成形金型にインサートされた第1の部分成形体110、第2の部分成形体120の鍔部111、121の温度は金型温度よりも低く、ゲートから注入された溶融樹脂が空間R内を周方向に流動するときに温度低下が発生して鍔部111、121と充分に溶け合わない虞があった。
また、空間Rにおける凹条111a、121aの寸法を大きくして接合面積を増加させても、大幅な強度向上は得られず、生産性が低下して経済的に不利益となる虞があった。
(2.1)成形金型
本実施形態における樹脂成形品1は、一次成形された第1の部分成形体10と第2の部分成形体20を成形金型200にインサートして型締めし、接合面としての鍔部11、21が対向当接した状態で鍔部11、21の外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して接合面に溶融樹脂を溶融固化(溶着)させる。
本実施形態に係る樹脂成形品1は、図4に示すように、成形された第1の部分成形体10の鍔部11、第2の部分成形体20の鍔部21には、型締め方向と交差する外側方向に突出する凸条12、22が形成され、互いに鍔部11、21で突き合わされたときに、それぞれの凸条12、22の間に凹条2が形成されるようになっている。
凹条2は、鍔部11、12の外周側面の型締め方向と交差する外側方向に向かって開口幅が狭くなるように形成されている(図3(b)参照)。
第1の部分成形体10をインサートする固定側型210には、鍔部11、21が対向当接した状態で鍔部11、21の外周側面を全周に亘って覆うキャビティC3の一部と、溶融樹脂が最初に流入するスプルー211が形成されている。
第2の部分成形体20をインサートする可動側型220には、キャビティC3に溶融樹脂を導くスプルーランナー221とキャビティC3に溶融樹脂を充填するゲート222が形成されている。スプルーランナー221は、図5に示すように、キャビティC3に対して、周方向に全周を4分割する90度間隔で溶融樹脂の流動長さが等距離になるように4箇所配置されている。それぞれのスプルーランナー221の先端には、ゲート222がキャビティC3の接線方向に対して45度以下の角度(図5中 Θ参照)で傾斜して配置されている。
(2.2)成形条件
このように構成される成形金型200は、通常、成形材料が一次成形と同種のPA66−G30である場合、金型温度Tは100℃以下で70〜90℃の範囲に設定されるが、本実施形態においては、金型温度Tは、金型温度調節機構(不図示)によって120〜130℃の高温に設定される。
成形金型200の金型温度Tを、例えば120℃に設定することで、成形金型200内に充填された成形材料のキャビティC3内での急激な温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑制して、充填された樹脂とインサートされた第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の鍔部11、21とが溶け合いやすくなり、固化時に接合強度を向上させることができる。
成形材料の樹脂温度は、第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を成形する一次成形に比べて高く設定される。具体的には、成形装置(不図示)のシリンダ温度を樹脂が熱分解をしない範囲内で320〜360℃に設定する。
これにより、成形金型200内に充填された成形材料のキャビティC3内での温度低下とこれに伴う粘度上昇を抑制して、充填される溶融樹脂とインサートされた第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の鍔部11、21との溶け合いを向上させることができる。
成形材料の射出速度は、第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を成形する一次成形に比べて速く設定される。具体的には、一次成形の射出速度10〜30mm/secよりも速い35〜80mm/secに設定する。
これにより、成形金型200内に充填された成形材料のキャビティC3内で流動速度を速くして温度低下を抑制し、充填される溶融樹脂とインサートされた第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の鍔部11、21との溶け合いを向上させることができる。
このように設定された成形条件で一次成形と同種のPA66−G30をキャビティC3内に充填するとともに、ゲート222から成形材料を一次成形に比べて高い保圧(8〜15MPa)で注入し続ける。ここで、保圧は、過度に高くすると、接合面となる鍔部11、21の当接部から樹脂成形品1の内部に漏出する虞があるが、本実施形態においては、ゲート222がキャビティC3の接線方向に対して45度以下の角度(図5中 Θ参照)で傾斜して配置されているために、樹脂漏れを防止しながら、保圧を高く設定することができる。
本実施形態に係る金型には、キャビティC3に対して溶融樹脂を導くスプルーランナー221が、周方向に全周を4分割する90度間隔で溶融樹脂の流動長さが等距離になるように配置されているためにキャビティC2内に充填される溶融樹脂の樹脂温度のバラツキが抑制される。また、それぞれのスプルーランナー221に形成されたゲート222は、キャビティC3の接線方向に対して45度以下の角度で傾斜して配置されているために、キャビティC3内での溶融樹脂の流動速度の低下を抑制することができる。
このようにしてキャビティC3内に充填された溶融樹脂は、キャビティC3内を周方向に流動しながら鍔部11、21の外周側面に形成された凹条2に充填されるとともに凸条12、22を覆う。そして、キャビティC3内に充填された溶融樹脂は、保圧状態で鍔部11、21と接触することで、鍔部11、21の凹条2の内面2a、凸条12、22の外側面12a、22a、凸条12、22の側面12b、22b、及び鍔部11、21の外側面11a、21aと溶け合って、固化すると鍔部11、21と一体化して鍔部11、21が接合される。
その後、固定側型210と可動側型220との型開きを行い、エジェクタ機構(不図示)で樹脂成形品1を押圧して可動側型220上の樹脂成形品1を取り出す。
(2.3)接合部の作用
図6(a)は樹脂成形品1を一部断面で示す図、(b)は接合帯の作用を説明する接合部の拡大断面模式図である。
樹脂成形品1の接合部は、図6に示すように、第1の部分成形体10の鍔部11と第2の部分成形体20の鍔部21が鉤状に突き合わされた外周側面に二次射出して形成された接合帯3を有している。
接合帯3は、鍔部11、21と接触する領域が鍔部11、21の表面領域と溶け合って固化している。
鍔部11、21の凹条2の内面2a、凸条12、22の外側面12a、22a、及び鍔部11、21の外側面11a、21aと接合帯3が溶け合っている領域(図中×で示す領域)は、鍔部11、21と接合帯3が溶け合って結合する結合力と、接合帯3が周方向に収縮して鍔部11、21を締め込む締め込み力(図6(b)中 実線矢印R1参照)とが作用することで接合強度を保持している。
そして、凸条12、22の側面12b、22bと接合帯3が溶け合っている領域(図中斜め線で示す領域)は、鍔部11、21と接合帯3が溶け合って結合する結合力と、接合帯3が厚み方向(第1の部分成形体10、第2の部分成形体20の当接方向:図6(b)中 破線矢印R2参照)に収縮して鍔部11、21を締め込む締め込み力とが作用することで接合強度を保持している。
また、鍔部11、21の凹条2の側面2b(凸条12、22の内側側面)と接合帯3が溶け合っている領域(図6(b)中 網点で示す領域)は、鍔部11、21と接合帯3が溶け合って結合する結合力が作用することで接合強度を保持している。
特に、凹条2は外側方向に向かって開口幅が狭くなるように形成されているために、凹条2の側面2bは、開口幅がストレートで形成されている場合に比べて、接合帯3の溶け合う長さが長くなり接合強度が増大する。
「実施例」
図7は実施例に係る樹脂成形品1の各部の寸法を示す断面図である。
本実施例においては、第1の部分成形体10及び第2の部分成形体20を合成樹脂材料として結晶性ガラス繊維強化ナイロン66(旭化成株式会社製の商品名「レオナ1300G」)を用いて一次成形した。
それぞれの代表寸法は、図7に示すとおりであり、基本肉厚は3mm、鍔部11、21の肉厚も3mmとなるように成形した。
このような第1の部分成形体10及び第2の部分成形体20を金型温度120℃に設定した成形金型200にインサートして型締めし、接合面としての鍔部11、21が対向当接した状態で鍔部11、21の外周側面を全周に亘って覆うように一次成形と同種の合成樹脂である「レオナ1300G」を注入して接合面に溶融樹脂を溶融固化させた。
耐圧強度は、第1の部分成形体10と第2の部分成形体20を溶着した樹脂成形品1内に水を満たした状態で、貫通孔13aが形成された膨出部13から水を加圧注入し、破壊時の圧力を測定することにより求めた。
図8に実施例における成形条件と耐圧強度[MPa]の関係を示す。
図8(a)に示すように、一次成形よりも高い樹脂温度320〜360℃で二次成形した樹脂成形品1は、接合面の耐圧強度はいずれも1.3MPaを超える1.5MPa〜2.3MPaであった。
図8(b)に示すように、一次成形よりも射出速度を速く35〜80mm/secに設定して二次成形した樹脂成形品1は、接合面の耐圧強度はいずれも1.3MPaを超える1.5MPa〜2.3MPaであった。
図8(c)に示すように、一次成形よりも保圧を高く8〜15MPaに設定して二次成形した樹脂成形品1は、接合面の耐圧強度はいずれも1.3MPaを超える1.5MPa〜2.3MPaであった。
このように、結晶性ガラス繊維強化ナイロン66を成形材料として一次成形された第1の部分成形体10、第2の部分成形体20を成形金型200にインサートして型締めし、接合面となる鍔部11、21が対向当接した状態で接合面の外周側面の凸条12、22及び凸条12、22の間に形成される凹条2を覆うように全周に亘って溶融樹脂を注入して溶融固化(溶着)させることで、接合面の溶融結合及び溶融樹脂の収縮締め込みによって所定の内圧を保持可能な樹脂成形品1の接合強度を向上させることができる。
「第2実施形態」
図10は二つの部分成形体を接合面にシール材を配設して接合した樹脂成形品1Aを一部断面で示す斜視図、図11は部分成形体の射出成形を示し、(a)は第1の部分成形体10Aの射出成形時の断面図、(b)は第2の部分成形体20Aの射出成形時の断面図、図12は第1の部分成形体と第2の部分成形体を鍔部で突き合わせた状態を示す断面模式図、図13は本実施形態に係る接合方法及びこれに用いる成形金型を説明する説明図である。
以下、図面を参照しながら、本実施形態に係る樹脂成形品の接合方法により製造される樹脂成形品について説明する。
(1)部分成形体の成形
本実施形態に係る樹脂成形品の接合方法は、一次成形された第1の部分成形体10A、第2の部分成形体20Aの接合面としての鍔部11A、21Aが対向当接した状態で鍔部11A、21Aの外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して鍔部11A、21Aに溶融樹脂を溶融固化(溶着)させる点は同様であり、鍔部11A、21Aにシール材Sを配設して成形金型200Aにインサートして型締めする点で、第1実施形態に係る樹脂成形品の接合方法と異なっている。従って、第1実施形態に係る樹脂成形品の接合方法と共通の構成要素には同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(1.1)樹脂成形品
樹脂成形品1Aは、接合面の一例としての鍔部11Aを有する第1の部分成形体10Aと、接合面の一例としての鍔部21Aを有する第2の部分成形体20Aが、鍔部11A、21Aにシール材Sを配設して、それぞれの鍔部11A、21Aで付き合わされた状態で外周側面に接合帯3Aとなる樹脂を二次成形して接合された中空体である。
樹脂成形品1Aは、第1の部分成形体10Aの上部に貫通孔13aが形成された膨出部13を有し、外部から膨出部13を介して液体が注入された場合は、注入された液体による所定の内圧を保持可能となっている。
(1.2)部分成形体
第1の部分成形体10A、第2の部分成形体20Aは、図11(a)、(b)に示すように、成形材料としてPA66−G30を用いて射出成形により製造される。
成形金型30A、40Aは、PLをパーティングライン面とする固定側型31A、41Aと可動側型32A、42Aとからなり、固定側型31A、41Aと可動側型32A、42Aとの間に樹脂が充填されるキャビティC1、C2が形成されている。
固定側型31A、41Aと可動側型32A、42Aが型締めされて形成されたキャビティC1、C2にはゲートGから溶融樹脂が充填される。PA66−G30の融点は約265℃であるので、成形材料をおよそ280〜320℃に加熱して溶融させて、所定の金型温度(100℃以下、70〜90℃)に加熱された成形金型30A、40Aに所定の射出速度V=10mm/sec〜30mm/secで充填する(射出工程)。
その後、ゲートGから成形材料を一定の保圧P=5MPaで注入し続ける保圧工程を経て固定側型31A、41Aと可動側型32A、42Aとの型開きを行い、エジェクタ機構(不図示)でキャビティC1、C2内の第1の部分成形体10A、第2の部分成形体20Aを押圧して可動側型32A、42A上の成形体を取り出す。
このようにして成形された第1の部分成形体10Aの鍔部11A、第2の部分成形体20Aの鍔部21Aには、図12に示すように、型締め方向に突出する凸条12A、22Aが形成され、互いに鍔部11A、21Aで突き合わされたときに、凸条12A、22Aが合わさって環状体23が形成されるようになっている。
また、第1の部分成形体10Aの鍔部11Aには凹溝14が形成され、シール材Sが配設されるようになっている。
(2)部分成形体の接合
本実施形態における樹脂成形品1Aは、一次成形された第1の部分成形体10Aの鍔部11Aに形成された凹溝14にシール材Sを配設して第2の部分成形体20Aを成形金型300にインサートして型締めし、接合面としての鍔部11A、21Aが対向当接した状態で鍔部11A、21Aの外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して接合面に溶融樹脂を溶融固化(溶着)させる。
本実施形態に係る樹脂成形品1Aは、図12(b)に示すように、成形された第1の部分成形体10Aの鍔部11Aには凹溝14が形成され、凹溝14には型締め前に事前にシール材Sが配設される。
シール材Sとしては、対向当接した鍔部11A、21Aを圧接シールする環状弾性体を用いている。詳しくは、シール材Sとしてゴム製のOリングS1を採用している。圧縮されない状態で、OリングS1の断面は略真円形状となっている。
OリングS1は、第1の部分成形体10Aの鍔部11Aと第2の部分成形体20Aの鍔部21Aとの間で挟持され、対向当接した鍔部11A、21Aにより圧縮される。OリングS1は、弾性変形した状態では、少なくとも鍔部11A、21Aに接触して、鍔部11A、21Aには、OリングS1の弾性変形による反力が作用している。これにより、樹脂成形品1Aに外部から膨出部13を介して液体が注入された場合は、鍔部11A、21Aによる接合面のシール性を向上させ、注入された液体による所定の内圧を保持可能となっている。
シール材Sとしては、図12(c)に示すように、液状封止剤S2を用いることもできる。液状封止剤S2としては、液状またはゲル状のシーリング材で構成される。鍔部11Aに形成された凹溝14に液状又はゲル状の液状封止剤S2を塗工し、その後、第1の部分成形体10Aの鍔部11Aと第2の部分成形体20Aの鍔部21Aとの間に塗工されたシール材Sを乾燥、加熱、化学反応等により硬化させる。凹溝14に塗工された液状封止剤S2は、一部が対向当接した鍔部11A、21Aの接合面11Aa、21Aaにも入り込み、鍔部11A、21Aによる接合面のシール性をより向上させることができる。
また、シール材Sとして、図12(d)に示すように、接着剤S3を用いることもできる。接着剤S3としては、二液混合型のアクリル系接着剤等が挙げられる。
なお、シール材Sとして接着剤S3を塗工する場合、第1の部分成形体10Aの鍔部11Aに凹溝14を形成する必要はなく、平面であることが望ましい。シール材Sとして接着剤S3を用いる場合、接着剤S3を鍔部11Aの接合面11Aaの全面に塗工した後、型締めにより第2の部分成形体20Aの鍔部21Aの接合面21Aaと圧着させる。
図13に示すように、成形金型200Aが型締めされた状態では、第1の部分成形体10Aと第2の部分成形体20Aが互いに鍔部11A、21Aで突き合わされて鍔部11A、21Aの外周側面には環状体23が形成される。そして、第1の部分成形体10をインサートする固定側型210Aには、鍔部11A、21Aが対向当接した状態で鍔部11A、21Aの外周側面を全周に亘って覆うキャビティC3Aと、溶融樹脂が最初に流入するスプルー211が形成されている。
第2の部分成形体20Aをインサートする可動側型220Aには、キャビティC3Aに溶融樹脂を導くスプルーランナー221とキャビティC3Aに溶融樹脂を充填するゲート222が形成されている。スプルーランナー221は、図5に示すように、キャビティC3Aに対して、周方向に全周を4分割する90度間隔で溶融樹脂の流動長さが等距離になるように4箇所配置されている。それぞれのスプルーランナー221の先端には、ゲート222がキャビティC3Aの接線方向に対して45度以下の角度(図5中 Θ参照)で傾斜して配置されている。
このように構成される成形金型200Aに対して、第1実施形態に係る樹脂成形品の接合方法で設定された同様の成形条件で、一次成形と同種のPA66−G30をキャビティC3A内に充填する。キャビティC3A内に充填された溶融樹脂は、キャビティC3A内を周方向に流動しながら鍔部11A、21Aの外周側面に形成された環状体23を覆う。
そして、キャビティC3A内に充填された溶融樹脂は、保圧状態で鍔部11A、21Aと接触することで、鍔部11A、21Aの凸条12A、22Aで形成された環状体23の外側面23a(図12(a)参照)、第1の部分成形体10Aと第2の部分成形体20Aの本体部10Aa、20Aaと溶け合って固化すると、鍔部11Aと鍔部21Aとの間にシール材Sが配設された状態で鍔部11A、21Aと一体化して鍔部11A、21Aが接合される。
その後、固定側型210Aと可動側型220Aとの型開きを行い、エジェクタ機構(不図示)で樹脂成形品1を押圧して可動側型220上の樹脂成形品1Aを取り出す。
このように、一次成形された第1の部分成形体10Aと第2の部分成形体20Aの接合面にシール材Sを配設して成形金型200Aにインサートして型締めし、接合面が対向当接した状態で接合面の外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して溶融固化させることで、所定の内圧を保持可能な樹脂成形品1Aの接合面のシール性を向上させることができる。
(3)接合部の作用
図14(a)は樹脂成形品1Aを一部断面で示す図、(b)、(c)、(d)は接合帯3Aの作用を説明する接合部の拡大断面模式図である。
樹脂成形品1の接合部は、図14に示すように、第1の部分成形体10Aの鍔部11Aと第2の部分成形体20Aの鍔部21Aが鉤状に突き合わされた外周側面に二次射出して形成された接合帯3Aを有している。
接合帯3Aは、鍔部11A、21Aと接触する領域が鍔部11A、21Aの表面領域と溶け合って固化している。また、接合帯3Aは、第1の部分成形体10A及び第2の部分成形体20Aの本体部10Aa、20Aaと接触する領域が本体部10Aa、20Aaの表面領域と溶け合って固化している。
鍔部11A、21Aの凸条12A、22Aの外側面12Aa、22Aa、及び本体部10Aa、20Aaと接合帯3Aが溶け合っている領域(図中×で示す領域)は、鍔部11A、21Aと接合帯3Aが溶け合って結合する結合力と、接合帯3Aが周方向に収縮して鍔部11A、21Aを締め込む締め込み力(図14(b)中 矢印R1参照)とが作用することで接合強度を保持している。
そして、凸条12A、22Aの側面12Ab、22Abと接合帯3Aが溶け合っている領域(図中斜め線で示す領域)は、鍔部11A、21Aと接合帯3Aが溶け合って結合する結合力と、接合帯3Aが厚み方向(第1の部分成形体10A、第2の部分成形体20Aの当接方向:図14(b)中 矢印R2参照)に収縮して鍔部11A、21Aを締め込む締め込み力とが作用することで接合強度を保持している。
また、図14(b)に示すように、鍔部11A、21Aの接合面にはシール材SとしてのOリングS1が挟み込まれているために、鍔部11A、21Aの接合面11Aa、21Aaに進入する高圧の液体をOリングS1でシールして高圧の液体が鍔部11A、21Aの接合面に進入して接合強度が低下することを抑制することができる。
また、図14(c)に示すように、シール材Sとして、液状封止剤S2を用いた場合には、凹溝14に充填された液状封止剤S2が鍔部11A、21Aの接合面11Aa、21Aaにも入り込み、鍔部11A、21Aによる当接面のシール性をより向上させることができる。
さらに、図14(d)に示すように、シール材Sとして接着剤S3を用いた場合、鍔部11A、21Aの接合面11Aa、21Aaそのものを接着して、鍔部11A、21Aによる接合面のシール性をより向上させるとともに、鍔部11A、21Aによる接合面の接合強度をより増大させることができる。
本実施形態においては、第1の部分成形体10A及び第2の部分成形体20Aが、互いに鍔部11A、21Aで突き合わされる部分成形体において、鍔部11A、21Aにシール材Sを配設して、それぞれの鍔部11A、21Aで付き合わされた状態で外周側面に接合帯3Aとなる樹脂を二次成形して接合する接合方法について説明したが、部分成形体としては、第1実施形態において説明した第1の部分成形体10の鍔部11、第2の部分成形体20の鍔部21に、型締め方向と交差する外側方向に突出する凸条12、22が形成され、互いに鍔部11、21で突き合わされたときに、それぞれの凸条12、22の間に凹条2が形成される部分成形体であってもよい。
1、1A、100・・・樹脂成形品
10、10A、110・・・第1の部分成形体
20、20A、120・・・第2の部分成形体
11、11A、21、21A、111、121・・・鍔部
12、12A、22、22A・・・凸条
14・・・凹溝
23・・・環状体
2・・・凹条
3、3A・・・接合帯
30、30A、40、40A、200、200A・・・成形金型
31、41、210、210A・・・固定側型
221・・・スプルーランナー
G、222・・・ゲート
32、32A、42、42A、220、220A・・・可動側型
C1、C2、C3、C3A・・・キャビティ
S・・・シール材

Claims (14)

  1. 合成樹脂からなり接合面を有する複数の部分成形体を前記接合面で接合して内圧を保持可能な樹脂成形品を接合する接合方法であって、
    一次成形された前記部分成形体を成形用金型にインサートして型締めし、前記接合面が対向当接した状態で前記接合面の外周側面を全周に亘って覆うように溶融樹脂を注入して前記接合面に前記溶融樹脂を溶融固化させる、
    ことを特徴とする樹脂成形品の接合方法。
  2. 前記接合面の外周側面は、型締め方向と交差する外側方向に突出する凸条を有し、前記部分成形体が前記接合面で対向当接した際に、それぞれの前記部分成形体の前記凸条の間に凹条が形成され、前記溶融樹脂は前記凹条に充填されるとともに前記凸条を覆う、
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法。
  3. 前記凹条は、前記接合面の外周側面の型締め方向と交差する外側方向に向かって開口幅が狭くなるように形成されている、
    ことを特徴とする請求項2に記載の樹脂成形品の接合方法。
  4. 前記接合面の外周側面は、型締め方向に突出する凸条を有し、前記部分成形体が前記接合面で対向当接した際に、それぞれの前記部分成形体の前記凸条が合わさって環状体が形成され、前記溶融樹脂は前記環状体を覆うように充填される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形品の接合方法。
  5. 前記部分成形体は前記成形用金型にインサートして型締めする前に、前記接合面にシール材が配設されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  6. 前記シール材は前記接合面を圧接シールする環状弾性体であり、前記部分成形体の前記接合面に設けられた凹溝に配設される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法。
  7. 前記シール材は液状封止材であって、前記部分成形体の前記接合面に塗工される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法。
  8. 前記シール材は接着剤であり、前記部分成形体の前記接合面に塗工される、
    ことを特徴とする請求項5に記載の樹脂成形品の接合方法。
  9. 前記接合面の外周側面を全周に亘って覆うように前記溶融樹脂を注入するゲート口は、前記接合面の外周側面の接線方向に対して45度以下の角度で傾斜して配置されている、
    ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  10. 前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂の樹脂温度を高くする、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  11. 前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記成形金型の金型温度を高くする、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  12. 前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂の射出速度を速くする、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  13. 前記合成樹脂を用いて前記部分成形体を一次成形する場合に比べて前記溶融樹脂を射出した後の保圧を高くする、
    ことを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
  14. 前記合成樹脂が、結晶性ガラス繊維強化ポリアミド樹脂である、
    ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の樹脂成形品の接合方法。
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