JP2020069658A - インクジェット記録装置及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】低負荷の処理でノズルの詰まりを漏れなく検知することを目的とする。【解決手段】プリンターは、シートSを予め定められた搬送方向Yに搬送するシート搬送ユニットと、搬送方向Yと交差する方向Xに並ぶ複数のノズル81からインクを吐出してシートSに画像を形成する記録ヘッド8Kと、シートSに形成された画像を読み取る読取部9Kと、複数のノズル81の各々に対応する視認されない大きさのドットDを分散配置した画像を画像形成指示に含まれる画像に重畳した重畳画像を記録ヘッド8に形成させる記録ヘッド制御部と、読取部9Kにより読み取られた重畳画像に対応するノズル81を特定する特定部と、複数のノズル81のうちの1つ以上のノズル81が特定部により特定されなかった場合に、吐出不良のノズル81が有ると判定する判定部と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、ノズルからインクを吐出するインクジェット記録装置及びプログラムに関する。
ラインヘッドを備えたインクジェット記録装置が知られている。ラインヘッドは、シートの搬送方向と直交する方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出するように構成されており、画像形成を高速化することができる。
ところが、インクの乾燥や紙粉の付着等によりラインヘッドのノズルが詰まった場合、詰まったノズルの位置にシートの搬送方向に延びる筋状の欠陥が形成される。画像の検査を目視に頼っていると、欠陥が発見されるまでに欠陥を含んだ大量の印刷物が排出されてしまう。このような事態を未然に防ぐには、例えば、シートの余白に形成した検査用のパターンを搬送路上に設けられた光学センサーで読み取って検査することが考えられる。しかし、たとえ余白であっても、ユーザーが印刷した画像に検査用のパターンが残ることは望ましくない。検査用のパターンが残ることを回避するために、ユーザーが印刷する画像とは別のシートにパターンを形成すると、シートの消費量が増えてしまう。
そこで、従来、検査用のパターンを形成せずにノズルの詰まりを検知する技術が検討されている。例えば、特許文献1に記載された印刷装置は、ユーザーが印刷する画像のデータから不吐出ノズルを検出するのに使用可能な単色の特定パターンを検出し、ヘッドにより印刷された画像から特定パターンの画像をCIS(コンタクトイメージセンサー)に読み取らせ、読み取られた特定パターンの画像データに基づいて不吐出ノズルを検出するように構成されている。
特開2008−238419号公報
しかし、特許文献1に記載された構成では、印刷する画像のデータから特定パターンを抽出するため、処理の負荷が大きくなってしまう。また、特許文献1に記載された構成は、シリアルヘッド(シートの搬送方向と直交する方向にヘッドを移動させながらインクを吐出するもの)を前提としており、ラインヘッドの全てのノズルに対応するドットが印刷する画像のデータに含まれているとは限らないため、ノズルの詰まりを検知できない場合がある。
本発明は、上記事情を考慮し、低負荷の処理でノズルの詰まりを漏れなく検知することのできるインクジェット記録装置及びプログラムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るインクジェット記録装置は、シートを予め定められた搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記シートに画像を形成する記録ヘッドと、前記シートに形成された画像を読み取る読取部と、前記複数のノズルの各々に対応する視認されない大きさのドットを分散配置した画像を画像形成指示に含まれる画像に重畳した重畳画像を前記記録ヘッドに形成させる記録ヘッド制御部と、前記読取部により読み取られた重畳画像に対応するノズルを特定する特定部と、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルが前記特定部により特定されなかった場合に、吐出不良のノズルが有ると判定する判定部と、を備えることを特徴とする。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記特定部は、前記搬送方向と交差する方向の前記シート上の基準点からの距離に基づいて、前記重畳画像に対応するノズルを特定するように構成されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記特定部は、前記搬送方向と交差する方向の前記シートの端部を前記基準点として、前記重畳画像に対応するノズルを特定するように構成されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド制御部は、前記搬送方向と交差する方向の位置の基準となる基準ドットを前記記録ヘッドに形成させ、前記特定部は、前記基準ドットを前記基準点として、前記重畳画像に対応するノズルを特定するように構成されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記読取部は、前記記録ヘッドよりも前記搬送方向下流側における前記記録ヘッドに隣接した位置に配置されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド制御部は、前記判定部が吐出不良のノズルがあると判定した場合に、前記複数のノズルに対するパージ処理を実行するように構成されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド制御部は、前記判定部が吐出不良のノズルがあると判定した場合に、前記吐出不良のノズルに隣接するノズルを用いて前記吐出不良のノズルに対応するドットを形成するように構成されていてもよい。
本発明に係るインクジェット記録装置において、前記記録ヘッド制御部は、前記吐出不良のノズルに隣接するノズルを用いて前記吐出不良のノズルに対応するドットを形成することにより前記画像形成指示に含まれる画像を形成した後、パージ処理を実行するように構成されていてもよい。
本発明に係るプログラムは、シートを予め定められた搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記シートに画像を形成する記録ヘッドと、前記シートに形成された画像を読み取る読取部と、を備えるインクジェット記録装置を制御するコンピューターを、前記複数のノズルの各々に対応する視認されない大きさのドットを分散配置した画像を画像形成指示に含まれる画像に重畳した重畳画像を前記記録ヘッドに形成させる記録ヘッド制御部と、前記読取部により読み取られた重畳画像に対応するノズルを特定する特定部と、前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルが前記特定部により特定されなかった場合に、吐出不良のノズルが有ると判定する判定部として機能させる。
本発明によれば、低負荷の処理でノズルの詰まりを漏れなく検知することができる。
本発明の一実施形態に係るプリンターの内部構成を模式的に示す正面図である。 図1の記録ヘッドとその周辺部の拡大図である。 本発明の一実施形態に係る記録ヘッド、読取部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの電気的構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係るプリンターの吐出不良検知動作を示す流れ図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置及びプログラムについて説明する。
まず、図1乃至3を参照して、プリンター1(インクジェット記録装置の一例)の全体の構成について説明する。図1は、プリンター1の内部構成を模式的に示す正面図である。図2は、図1の記録ヘッド8(記録ヘッド8K、8C、8M、8Yの総称。)とその周辺部の拡大図である。図3は、記録ヘッド8K、読取部9Kを示す平面図である。以下、図1における紙面手前側をプリンター1の正面側(前側)とし、左右の向きはプリンター1を正面から見た方向を基準として説明する。各図において、U、Lo、L、R、Fr、Rrは、それぞれ上、下、左、右、前、後を示す。
プリンター1は、箱形の筐体2を備える。筐体2内の下部には、引き出し可能な複数の給紙カセット3が設けられており、各給紙カセット3には互いにサイズの異なるシートSが収容される。筐体2の左側面の上部に排出口25が設けられ、その下方に排出トレイ26が設けられている。搬送路6は、給紙カセット3から記録ヘッド8を経て排出口25に向かうように形成されている。筐体2の右側面の上部に手差し給紙口27が設けられ、その下方に手差しトレイ28が設けられている。
筐体2の上部には、シート搬送ユニット7(搬送部の一例)が配置されており、搬送路6を挟んでシート搬送ユニット7の上方に記録ヘッド8が配置されている。シート搬送ユニット7は、駆動ローラー71、従動ローラー72及びテンションローラー73に巻き掛けられた無端状の搬送ベルト70を備える。シート搬送ユニット7は、上下方向に昇降可能であり、画像形成動作時には、記録ヘッド8に近接した画像形成位置に配置され、非画像形成動作時には、記録ヘッド8から離間した退避位置に配置される。搬送ベルト70には多数の吸気孔(図示省略)が設けられ、搬送ベルト70を挟んで記録ヘッド8と対向する位置に吸気部74が設けられている。吸気部74は、例えば送風機を備え、搬送ベルト70の上方から吸気孔を通り搬送ベルト70の内側へと向かう気流を発生させ、シートSを搬送ベルト70に吸着させる。シート搬送ユニット7は、搬送ベルト70に吸着されたシートSを予め定められた搬送方向Yに搬送する。
記録ヘッド8K、8C、8M、8Yは、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクを吐出するラインヘッドであり、それぞれシートSの搬送方向Yと直交する方向(以下、直交方向Xという。)に並ぶ複数のノズル81を備える。ノズル81は、記録ヘッド8の下面に形成されている。記録ヘッド8の直交方向Xのノズル81の密度は、例えば、600dpi(dot per inch)である。図3には、記録ヘッド8Kだけが図示されているが、記録ヘッド8C、8M、8Yも記録ヘッド8Kと同様に構成されている。なお、直交方向Xは、シートSの搬送方向Yと交差する方向の一例である。
筐体2内の左下部には、インクコンテナ10K、10C、10M、10Yが装着される。インクコンテナ10K、10C、10M、10Yには、それぞれブラック、シアン、マゼンタ、イエローのインクが収容される。以下、インクコンテナ10K、10C、10M、10Yをインクコンテナ10と総称する。
インクコンテナ10K、10C、10M、10Yと記録ヘッド8K、8C、8M、8Yとの間には、それぞれ独立したインク供給路が設けられている。ブラックのインク供給路には、ポンプ12Kとサブインクタンク13Kが設けられている。ポンプ12Kは、インクコンテナ10Kからインクを吸い上げてサブインクタンク13Kに送り込む。サブインクタンク13Kは、所定量のインクを貯留し、記録ヘッド8Kにインクを供給する。シアン、マゼンタ、イエローのインク供給路も、同様の構成を備えている。以下、ポンプ12K、12C、12M、12Yをポンプ12と総称し、サブインクタンク13K、13C、13M、13Yをサブインクタンク13と総称する。
筐体2内の左上部には、キャップユニット15及びワイパーユニット16が備えられる。キャップユニット15及びワイパーユニット16は、画像形成動作時に、シート搬送ユニット7の左方の待機位置に配置される。非画像形成動作時には、シート搬送ユニット7が退避位置に移動し、キャップユニット15及びワイパーユニット16のいずれかがシート搬送ユニット7と記録ヘッド8との間の処理位置へ移動する。
キャップユニット15は、キャップ部材(図示省略)を備え、処理位置へ移動したときに、キャップ部材によって記録ヘッド8の下面を覆う。ワイパーユニット16は、ワイパー部材と廃インクトレイ(図示省略)を備え、処理位置へ移動したときに、ワイパー部材及び廃インクトレイが記録ヘッド8の下方に配置される。このとき、記録ヘッド8のパージ処理や、ワイパー部材による清掃処理が行われる。パージ処理は、ポンプ12の圧力を上昇させてサブインクタンク13内のインクを記録ヘッド8に送り出すことにより、ノズル81内部の紙粉、気泡、増粘したインクを強制的に排出する処理である。パージ処理や清掃処理で生じた廃インクは、廃インクトレイに回収され、インクコンテナ10の下方に備えられた廃インクタンク17に収容される。
次に、プリンター1の画像形成動作について説明する。プリンター1が外部コンピューター等から画像形成指示を受信すると、画像形成指示で指定されたサイズのシートSが、給紙カセット3又は手差しトレイ28から搬送路6に送り出され、吸気部74の吸引力によって搬送ベルト70の上面に吸着される。記録ヘッド8Y、8M、8C、8Kは、それぞれインクコンテナ10Y、10M、10C、10Kからインクの供給を受け、画像形成指示に従ってシートSにインクを吐出して画像を形成する。画像が形成されたシートSは、排出口25から排出トレイ26に排出される。
次に、図1乃至4を参照して、吐出不良のノズル81を検知するための構成について説明する。図4は、プリンター1の電気的構成を示すブロック図である。
図4に示されるように、プリンター1は、制御部4を備え、制御部4には、給紙カセット3、記憶部5、シート搬送ユニット7、記録ヘッド8、読取部9(9K、9C、9M、9Y)、キャップユニット15、ワイパーユニット16が接続されている。制御部4は、CPU等の演算装置である。記憶部5は、ROM、RAM等の記憶装置である。制御部4は、記憶部5に記憶された制御プログラムや制御用データを用いて、プリンター1の各部を制御する。制御部4は、後述する記録ヘッド制御部41、特定部42、判定部43として機能する。記憶部5には、直交方向XのシートS上の基準点から各ノズル81までの距離と各ノズル81の識別子とを関連付けたノズルデータが記憶されている。直交方向XのシートS上の基準点とは、例えば、直交方向XのシートSの端部の位置である。
読取部9K、9C、9M、9Yは、直交方向Xを長手方向とするCIS(コンタクトイメージセンサー)である。読取部9K、9C、9M、9Yは、それぞれ記録ヘッド8K、8C、8M、8Yよりも搬送方向Y下流側における記録ヘッド8K、8C、8M、8Yに隣接した位置に配置されている。以下、読取部9K、9C、9M、9Yを読取部9と総称する。読取部9は、下面に直交方向Xを長手方向とする開口部91が形成された筐体を備え、筐体内に光源とレンズアレイとCMOSイメージセンサーが収容されている。読取部9の読取解像度は、直交方向Xの記録ヘッド8のノズル密度以上であり、例えば、600dpiである。記憶部5には、直交方向XのシートS上の基準点(直交方向XのシートSの端部の位置)から読取部9のCMOSイメージセンサーの各画素までの距離と各画素の識別子とを関連付けた画素データが記憶されている。
次に、図3乃至5を参照して、吐出不良のノズル81を検知する動作について説明する。図5は、プリンター1の吐出不良検知動作を示す流れ図である。プリンター1に画像形成指示が投入されると、図示した流れ図に従って処理が実行される。ここでは、図3に示される記録ヘッド8Kと読取部9Kにおいて実行される処理について説明するが、記録ヘッド8C、8M、8Y、読取部9C、9M、9Yにおいても同様の処理が実行される。
最初に、ステップS01において、特定部42が、カウンターとフラグを初期化する。具体的には、カウンターは、読取部9Kにより読み取られたラインの数を表す。記憶部5には、記録ヘッド8Kが備える全てのノズル81の識別子と、各ノズル81のフラグとを関連付けたノズル特定データが記憶される。フラグは、各ノズル81の吐出の有無を示す。特定部42は、カウンターを「0」に初期化し、フラグを「0」に初期化する。
次に、ステップS03において、図3に示されるように、記録ヘッド制御部41が、画像形成指示に含まれる画像に分散ドット画像を重畳した重畳画像を、シート搬送ユニット7により搬送されるシートSに形成する。分散ドット画像とは、記録ヘッド8Kが備える複数のノズル81の各々に対応する視認されない大きさのドットDをシートSの余白を除く画像形成領域に分散させて配置した画像である。分散ドット画像を表す画像データは、予め記憶部5に記憶されている。記録ヘッド制御部41は、画像形成指示に含まれる最初のページの画像(この例では、文字列「ABC・・・M」)に分散ドット画像を重畳した重畳画像を形成するための制御信号を記録ヘッド8Kに出力する。
ドットDは、規則的に配置されてもよいが、重畳した場合のモアレを防ぐために不規則性を含んだ配置とすることが望ましい。なお、図3では、分散ドット画像の一部分だけが図示されており、実際には、設定された余白よりも内側の全領域に分散ドット画像が形成される。
なお、本実施形態に係るプリンター1は、ノズル81の吐出機能の維持のために分散ドット画像を形成するように構成されている。ノズル81の吐出機能の維持には、前述のパージ処理も有効であるが、パージ処理を行うには画像形成を休止する必要があり、生産性が低下してしまう。これに対して、分散ドット画像の形成は、生産性を低下させずにノズル81の吐出機能を維持できるという利点がある。本実施形態に係るプリンター1は、ノズル81の吐出機能の維持のために形成された分散ドット画像を利用して、吐出不良のノズル81の有無を判定するように構成されている。
次に、ステップS05において、読取部9Kが、シートSから1ライン分の画像を読み取る。
次に、ステップS07において、特定部42が、カウンターに1を加算する。
次に、ステップS09において、特定部42が、読み取られた1ライン分の画像から直交方向XのシートSの端部と重畳画像を検出する。重畳画像の検出は、例えば、1ラインの全ての画素の画素値と予め定められた閾値との比較により行う。画素値は、例えば、画素が受光した光の反射率や光学濃度等である。
次に、ステップS11において、特定部42が、検出された重畳画像に対応するノズル81を特定する。具体的には、特定部42が、重畳画像を検出した画素の基準点からの距離を、画素データを参照して特定し、特定された距離に対応するノズル81の識別子を、ノズルデータを参照して特定し、特定された識別子に関連付けられたフラグを「0」から「1」に書き換える。
次に、ステップS13において、特定部42が、未処理のラインの有無を判定する。具体的には、特定部42が、カウンターの積算値が1ページ分のラインの総数に達した場合には、未処理のラインが無いと判定し(ステップS13:NO)、ステップS15の処理に進む。一方、カウンターの積算値が1ページ分のラインの総数に達していない場合には、特定部42は、未処理のラインが有ると判定し(ステップS13:YES)、ステップS05以降の処理を繰り返す。
ステップS15においては、判定部43が、吐出不良のノズル81の有無を判定する。具体的には、判定部43が、ノズル特定データを記憶部5から読み出し、全てのノズル81のフラグが「1」である場合、すなわち、複数のノズル81の全てが特定部42により特定された場合には、吐出不良のノズル81が無いと判定し(ステップS15:NO)、処理を終了する。一方、フラグが「0」であるノズル81が有る場合、すなわち、複数のノズル81のうちの1つ以上のノズル81が特定部42により特定されなかった場合には、吐出不良のノズル81が有ると判定し(ステップS15:YES)、ステップS17の処理に進む。
ステップS17においては、記録ヘッド制御部41が、全てのノズル81に対するパージ処理を実行し、処理を終了する。
以上説明した本実施形態に係るプリンター1によれば、分散ドット画像を用いない場合と比べて、低負荷の処理でノズル81の詰まりを検知することができる。
また、本実施形態に係るプリンター1によれば、ノズル81の吐出機能の維持を目的として分散ドット画像を形成する機能が備えられており、この機能により形成される分散ドット画像を吐出不良の判定に利用することができるから、分散ドット画像を形成する機能を新たに設ける場合と比べて効率的である。
また、本実施形態に係るプリンター1によれば、直交方向XのシートS上の基準点からの距離に基づいて重畳画像に対応するノズル81を特定するから、シートSの斜行や直交方向Xの位置ずれによる誤判定を減らすことができる。
また、本実施形態に係るプリンター1によれば、読取部9が記録ヘッド8に隣接した位置に配置されているから、シートSの斜行による誤判定を減らすことができる。
また、本実施形態に係るプリンター1によれば、吐出不良のノズル81があると判定した場合にパージ処理を実行するから、定期的にパージ処理を実行する場合と比べて、インク消費量を減らすことができる。また、画像形成を休止する期間を減らすことができるから、生産性の低下を抑制することができる。
上記の実施形態が以下のように変形されてもよい。
上記実施形態では、直交方向XにおけるシートSの端部を基準点とする例が示されているが、直交方向Xにおける位置の基準となる基準ドットを記録ヘッド8に形成させ、特定部42が、読取部9により読み取られた画像から基準ドットを検出し、検出された基準ドットを基準点として、検出された重畳画像に対応するノズル81を特定するように構成されてもよい。なお、各ノズル81とCISの各画素とを予め対応付けておき、検出された重畳画像に対応するノズル81を特定するように構成されてもよい。
上記実施形態では、画像形成指示が投入された場合に、画像形成指示に含まれる最初のページの画像に分散ドット画像を重畳する例が示されているが、他のタイミングで分散ドット画像が重畳されてもよい。例えば、所定ページ数の画像形成が行われるたびに分散ドット画像の重畳が行われてもよいし、定期的に分散ドット画像の重畳が行われてもよい。また、分散ドット画像の重畳が行われるたびに吐出不良検知が行われてもよく、分散ドット画像の重畳よりも少ない頻度で吐出不良検知が行われてもよい。
上記実施形態では、吐出不良のノズル81が有ると判定した場合にパージ処理を実行する例が示されているが、吐出不良のノズル81があると判定した場合に、吐出不良のノズル81に隣接するノズル81の吐出方向を変化させることにより吐出不良のノズル81に対応する画像を形成するように構成されてもよい。この場合、画像形成指示に応じた画像形成の終了後にパージ処理を実行することが望ましい。
ノズル81の吐出機能の維持を目的として分散ドット画像を形成する機能が備えられていないプリンター1に本発明が適用されてもよい。この場合、分散ドット画像は、吐出不良検知を目的として形成される。
上記実施形態では、ステップS09において、1ラインの全ての画素の画素値と予め定められた閾値との比較により重畳画像を検出する例(第1の方法)が示されているが、記憶部5に記憶されている分散ドット画像を表す画像データが示すドットDの位置を中心として直交方向Xの前側(Fr側)と後側(Rr側)の複数画素を含む範囲の画素値から重畳画像の有無を判定してもよい(第2の方法)。画像形成指示に含まれる画像(この例では、文字列「ABC・・・M」)の密度が比較的高い場合には、第1の方法が、画像形成指示に含まれる画像も利用して吐出不良検知ができるので、効率的である。一方、画像形成指示に含まれる画像の密度が比較的低い場合には、第2の方法が、下地(白紙)部分に対する判定を減らすことができるので、効率的である。
制御部4が、画像形成指示に含まれる画像の密度を算出し、算出した密度が予め定められた閾値以上である場合に第1の方法により吐出不良検知を行い、算出した密度が閾値未満である場合に第2の方法により吐出不良検知を行うように構成されてもよい。
1 プリンター(インクジェット記録装置)
7 シート搬送ユニット(搬送部)
8、8K、8C、8M、8Y 記録ヘッド
9、9K、9C、9M、9Y 読取部
41 記録ヘッド制御部
42 判定部
43 特定部
81 ノズル

Claims (9)

  1. シートを予め定められた搬送方向に搬送する搬送部と、
    前記搬送方向と交差する方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記シートに画像を形成する記録ヘッドと、
    前記シートに形成された画像を読み取る読取部と、
    前記複数のノズルの各々に対応する視認されない大きさのドットを分散配置した画像を画像形成指示に含まれる画像に重畳した重畳画像を前記記録ヘッドに形成させる記録ヘッド制御部と、
    前記読取部により読み取られた重畳画像に対応するノズルを特定する特定部と、
    前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルが前記特定部により特定されなかった場合に、吐出不良のノズルが有ると判定する判定部と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記特定部は、前記搬送方向と交差する方向の前記シート上の基準点からの距離に基づいて、前記重畳画像に対応するノズルを特定することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記特定部は、前記搬送方向と交差する方向の前記シートの端部を前記基準点として、前記重畳画像に対応するノズルを特定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッド制御部は、前記搬送方向と交差する方向の位置の基準となる基準ドットを前記記録ヘッドに形成させ、
    前記特定部は、前記基準ドットを前記基準点として、前記重畳画像に対応するノズルを特定することを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記読取部は、前記記録ヘッドよりも前記搬送方向下流側における前記記録ヘッドに隣接した位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録ヘッド制御部は、前記判定部が吐出不良のノズルがあると判定した場合に、前記複数のノズルに対するパージ処理を実行することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録ヘッド制御部は、前記判定部が吐出不良のノズルがあると判定した場合に、前記吐出不良のノズルに隣接するノズルを用いて前記吐出不良のノズルに対応するドットを形成することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録ヘッド制御部は、前記吐出不良のノズルに隣接するノズルを用いて前記吐出不良のノズルに対応するドットを形成することにより前記画像形成指示に含まれる画像を形成した後、パージ処理を実行することを特徴とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. シートを予め定められた搬送方向に搬送する搬送部と、前記搬送方向と交差する方向に並ぶ複数のノズルからインクを吐出して前記シートに画像を形成する記録ヘッドと、前記シートに形成された画像を読み取る読取部と、を備えるインクジェット記録装置を制御するコンピューターを、
    前記複数のノズルの各々に対応する視認されない大きさのドットを分散配置した画像を画像形成指示に含まれる画像に重畳した重畳画像を前記記録ヘッドに形成させる記録ヘッド制御部と、
    前記読取部により読み取られた重畳画像に対応するノズルを特定する特定部と、
    前記複数のノズルのうちの1つ以上のノズルが前記特定部により特定されなかった場合に、吐出不良のノズルが有ると判定する判定部として機能させるためのプログラム。
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