JP2020068614A - 制御装置 - Google Patents

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Tamotsu Iwasaki
保 岩崎
浩和 天下谷
Hirokazu Kegaya
浩和 天下谷
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Abstract

【課題】モータが発生するトルクの変動を低減する。【解決手段】シャント抵抗に基づいて、モータの各相の相電流の検出値を取得する検出値取得部と、2相の相電流の検出値から残りの1相の相電流の推算値を導出する推算値導出部と、検出値及び推算値に基づいて、モータの各相の参照電流値を設定する参照電流値設定部と、参照電流値に基づいて、モータの各相の通電をPWM制御する制御部とを含み、参照電流値設定部は、検出値に応じた値に、第1参照電流値を設定する第1設定部と、検出値と推算値とに基づいて、検出値及び推算値とは異なる値であって検出値又は推算値に対して所定の補正値を加算又は減算した値に、第2参照電流値を設定する第2設定部と、PWM制御に用いられる参照電流値を、第1参照電流値と第2参照電流値との間で切り替える第1切替部とを含む、制御装置が開示される。【選択図】図6A

Description

本開示は、制御装置に関する。
ステアリングのアシストモータとしてのモータの各相の下段(低電位側)に設けられるシャント抵抗を用いて、モータの各相の相電流を検出するとともに、低電位側の各FET(スイッチング素子)の何れかのオン時間が相電流の検出可能時間よりも短くなる場合には、当該FETに対応する電流検出不能相以外の二相の相電流の検出値に基づいて、その電流検出不能相の相電流の推算値を導出する技術が知られている。
特開2011−19378号公報
上記のような従来技術では、各相における相電流が検出できない区間に起因して、モータが発生するトルクに比較的大きな変動が生じる可能性がある。各相における検出値と推算値との間には、検出回路のばらつき等に起因して比較的大きな差がある場合があり、かかる場合、モータへの印加電流の値が不連続となり、モータが発生するトルクの変動(リップル)が顕著となりうる。なお、かかる問題は、ステアリングのアシストモータに限られず、他の用途のモータでも生じうる。
そこで、1つの側面では、本発明は、モータが発生するトルクに比較的大きな変動が生じる可能性を低減することを目的とする。
1つの側面では、インバータが出力する交流電圧により駆動される3相のモータの制御装置であって、
前記モータの各相の下段又は上段に設けられるシャント抵抗に基づいて、前記モータの各相の相電流の検出値を取得する検出値取得部と、
前記モータの3相のうち、2相の相電流の前記検出値から残りの1相の相電流の推算値を導出する推算値導出部と、
前記検出値及び前記推算値に基づいて、前記モータの各相の参照電流値を設定する参照電流値設定部と、
前記参照電流値に基づいて、前記モータの各相のデューティ指示値を生成し、各相の前記デューティ指示値に基づいて前記モータの各相の通電をPWM制御する制御部とを含み、
前記参照電流値設定部は、
各相において、前記検出値に応じた値に、第1参照電流値を設定する第1設定部と、
3相のうちの少なくともいずれか1つの相において、前記検出値と前記推算値とに基づいて、前記検出値及び前記推算値とは異なる値であって前記検出値又は前記推算値に対して所定の補正値を加算又は減算した値に、第2参照電流値を設定する第2設定部と、
3相のうちの少なくともいずれか1つの相において、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第1参照電流値と前記第2参照電流値との間で切り替える第1切替部とを含む、制御装置が提供される。
1つの側面では、本発明によれば、モータが発生するトルクに比較的大きな変動が生じる可能性を低減することが可能となる。
車両用操舵装置の一例を概略的に示す全体図である。 ECUの主要な入出力の一例を示す図である。 ECUの構成の一例の説明図である。 モータ制御信号出力部の構成の一例の説明図である。 図4のモータ制御信号出力部により実現されるPWM制御の説明図である。 電流値補正部の機能構成を示す図である。 電流値補正部の各機能部の関係を示す図である。 図5のP部における各FETのオン/オフ状態の時系列を示す図である。 状態aにおけるインバータ及びアシストモータを流れる電流の状態を模式的に示す図である。 状態bにおけるインバータ及びアシストモータを流れる電流の状態を模式的に示す図である。 状態cにおけるインバータ及びアシストモータを流れる電流の状態を模式的に示す図である。 状態dにおけるインバータ及びアシストモータを流れる電流の状態を模式的に示す図である。 各相に流れる電流の時系列を4状態a〜dに関連付けて示す図である。 U相に係る参照電流値Iu1’とU相に係る参照電流値Iu3’との関係を示す図である。 PWM制御に用いられる参照電流値Iu’の特性(比較例)を示す図である。 PWM制御に用いられる参照電流値Iu’の特性(本実施例)を示す図である。 比較例の場合の図11AのP2部の拡大図である。 比較例の場合の図11AのP3部の拡大図である。 本実施例の場合の図11BのP2部の拡大図である。 本実施例の場合の図11BのP3部の拡大図である。 マイコンにより実行される処理の一例を示すフローチャートである。 マイコンにより実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら各実施例について詳細に説明する。
図1は、車両用操舵装置10の一例を概略的に示す全体図である。車両用操舵装置10は、運転者が操作するステアリングホイール11を含むステアリングコラム12を備える。ステアリングコラム12は、ステアリングホイール11の回転軸となるステアリングシャフト14を回転可能に支持する。ステアリングシャフト14は、ゴムカップリング13等を介して中間シャフト(インターミディエイトシャフト)16に接続される。中間シャフト16はピニオンシャフト(出力軸)に接続され、ステアリングギアボックス31内でピニオンシャフトのピニオン17がステアリングラック(ラックバー)18に噛合される。ステアリングラック18の両端には、それぞれタイロッド19の一端が接続されるとともに各タイロッド19の他端にはナックルアーム等(図示せず)を介して転舵輪(図示せず)が接続されている。また、中間シャフト16又はステアリングシャフト14には、ステアリングホイール11の操舵角に応じた信号を発生する舵角センサ26や、ステアリングシャフト14に付与される操舵トルクに応じた信号を発生するトルクセンサ15が設けられる。なお、トルクセンサ15は、例えば、トーションバーで結合された中間シャフト16(入力軸)とピニオンシャフト(出力軸)にそれぞれ設けられ、これらの軸の回転角度差に基づいてトルクを検出する計2個のレゾルバセンサから構成されてもよい。
車両用操舵装置10は、電動パワーステアリング装置20を備える。電動パワーステアリング装置20は、操舵補助用のアシストモータ22(以下、「アシストモータ22」という)を備える。アシストモータ22は、例えば3相ブラシレスモータで構成されてよい。アシストモータ22は、ステアリングギアボックス31内にステアリングラック18と同軸に設けられてよい。例えば、アシストモータ22は、ボールねじナットを介してステアリングラック18に噛合されてよい。アシストモータ22は、その駆動力によりステアリングラック18の移動を助勢する。即ち、アシストモータ22の作動時、ロータの回転によりボールねじナットが回転し、これにより、ステアリングラック18を軸方向に移動(助勢)させる。電動パワーステアリング装置20の機械的な構成自体は、アシストモータ22の配置場所を含め、任意であってよい。例えば、アシストモータ22は、ステアリングシャフト14(ピニオンシャフト等)に噛合されてもよいし、油圧装置を介して助成力を伝達してもよい。
なお、図1に示す車両用操舵装置10の構成はあくまで一例であり、車両用操舵装置10の構成自体は、電動パワーステアリング装置20を備える限り、任意であってよい。
図2は、ECU(Electronic Control Unit)80の主要な入出力の一例を示す図である。車両用操舵装置10は、以下で説明する各種制御を行うECU80を備える。ECU80は、マイクロコンピュータによって構成されており、例えば、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを格納するROM(Read Only Memory)、演算結果等を格納する読み書き可能なRAM(Random Access Memory)、タイマ、カウンタ、入力インターフェイス、及び出力インターフェイス等を有する。
ECU80は、操舵システムを統括する単一のECUにより実現されてもよいし、2つ以上のECUにより協動して実現されてもよい。ECU80には、以下で説明する各種制御を実現するための情報ないしデータが入力される。例えば、ECU80には、トルクセンサ15、回転角センサ24、舵角センサ26、車速センサ(図示せず)等から各種のセンサ値が所定周期毎に入力されてよい。また、ECU80には、アシストモータ22の各相の相電流を検出する電流センサが接続又は内蔵される。また、ECU80には、制御対象としてアシストモータ22が接続されている。
ECU80は、トルクセンサ15や回転角センサ24等の出力信号に基づいて、アシストモータ22で発生させるべきアシストトルク(アシスト力)に関する目標値を決定する。アシストトルクに関する目標値は、電流や電圧等を含む任意の物理量であってよく、例えば、アシストモータ22に印加するアシストモータ電流値(モータ駆動用のデューティ指示値)であってよい。アシストトルクに関する目標値は、任意の態様で決定されてもよい。例えば、アシストトルクに関する目標値は、運転者による操舵トルクτの増加に応じてアシストトルクが大きくなるように決定され、車速Vが大きい場合は小さい場合よりアシストトルクが小さくなるように決定されてもよい。また、アシストモータ22に印加されるアシストモータ電流値は、アシストモータ22(ロータ)の回転角度を検出する回転角センサ24の出力信号に基づいてフィードバック制御されてよい。
図3は、ECU80の構成の一例の説明図である。図4は、ECU80の要素であるモータ制御信号出力部124の構成の一例の説明図である。図3に示すように、ECU80は、モータ制御信号を出力するマイコン(マイクロコンピュータ)117と、マイコン117の出力するモータ制御信号に基づいてアシストモータ22に3相の駆動電力を供給する駆動回路118とを備えている。
駆動回路118は、スイッチング素子としての複数のFET(Field Effect Transistor)118a〜118fを含み、各相に対応する3つのスイッチングアーム118u、118v、118wを並列に接続してなるインバータ7を形成する。具体的には、駆動回路118では、FET118a、118d、FET118b、118e、及びFET118c、118fの各組の直列回路が並列に接続されている。FET118a、118d、FET118b、118e、FET118c、118fの各接続点119u、119v、119wは、それぞれアシストモータ22の各相のモータコイル112u、112v、112wに接続されている。
マイコン117の出力するモータ制御信号は、駆動回路118を構成する各FET118a〜118fをオン/オフさせるゲートオン/オフ信号である。FET118a〜118fのそれぞれのゲート端子にモータ制御信号が印加されると、モータ制御信号に応答して各FET118a〜118fがオン/オフし、各相のモータコイル112u、112v、112wへの通電パターンが切り替わる。これにより、車載電源(バッテリ)120の直流電圧が3相(U、V、W)の駆動電力に変換され、アシストモータ22へと出力される。
ECU80には、電流センサ121u、121v、121wが設けられている。電流センサ121u、121v、121wは、アシストモータ22に通電される各相電流を検出する。以下では、電流センサ121u、121v、121wによる各相電流の検出値を、相電流検出値Iu、Iv、Iwとも称する。本実施例では、各電流センサ121u、121v、121wは、駆動回路118内に設けられる。各電流センサ121u、121v、121wは、アシストモータ22の各相に対応する3つのスイッチングアーム118u、118v、118w、即ちFET118a、118d、FET118b、118e、及びFET118c、118fの各組の低電位側(下段、すなわち図3中下側)に設けられている。
各電流センサ121u、121v、121wは、シャント抵抗(図示せず)を含む。各電流センサ121u、121v、121wは、回路に対して直列接続された抵抗(シャント抵抗)の端子間電圧に応じた電気信号を生成する。具体的には、各シャント抵抗は、各相に対応する各スイッチング素子対、即ち各組のFET118a、118d、FET118b、118e、及びFET118c、118fを並列接続する接続点119H、119Lのうちの接地側の接続点119Lと接地側の各FET118d、118e、118fとの間において、回路に対して直列に接続されている。
マイコン117は、所定のサンプリング周期で、各電流センサ121u、121v、121wの出力信号に基づき各相電流検出値Iu、Iv、Iwを取得する。例えば、マイコン117は、低電位側の各FET118d、118e、118fの全てがオンとなるタイミング(図8D参照)で、各電流センサ121u、121v、121wの出力信号に基づき各相電流検出値Iu、Iv、Iwを取得してもよい。
マイコン117には、これらの各相電流検出値Iu、Iv、Iwとともに、トルクセンサ15及び車速センサ(図示せず)によりそれぞれ検出される操舵トルクτ及び車速V、並びにアシストモータ22に設けられた回転角センサ24により検出されるアシストモータ22の回転角度(電気角)θが入力される。そして、マイコン117は、これら各相電流検出値Iu、Iv、Iw及び回転角度θ、並びに操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、駆動回路118に対するモータ制御信号を出力する。
具体的には、マイコン117は、操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、操舵系に付与すべきアシスト力(アシストトルクの目標値)を決定し、当該アシスト力をアシストモータ22に発生させるべく、検出された各相電流検出値Iu、Iv、Iw及び回転角度θに基づく電流制御の実行によりモータ制御信号を生成する。
マイコン117は、モータトルクの制御目標値として電流指令値を演算する電流指令値演算部123と、電流指令値演算部123により算出された電流指令値に基づいてモータ制御信号を出力するモータ制御信号出力部124とを備えている。
電流指令値演算部123は、トルクセンサ15及び車速センサ(図示せず)により検出された操舵トルクτ及び車速Vに基づいて、アシストモータ22に発生させるべきアシストトルクの目標値を演算し、それに対応するモータトルクの制御目標値として電流指令値(Iq*)を演算する。上述のように、電流指令値演算部123は、入力される操舵トルクτが大きいほど、また車速Vが小さいほど、より大きなアシストトルクの目標値を演算する。そして、電流指令値演算部123は、演算したアシストトルクの目標値に対応する電流指令値をモータ制御信号出力部124に出力する。
モータ制御信号出力部124には、電流指令値演算部123の出力する電流指令値とともに、各相電流検出値Iu、Iv、Iw、及びアシストモータ22の回転角度θが入力される。ここで、電流指令値演算部123は、モータ制御信号出力部124に対し、その電流指令値として、q軸電流指令値Iq*を出力する。そして、モータ制御信号出力部124は、これら各相電流検出値Iu、Iv、Iw、及び回転角度θに基づいて、d/q座標系における電流フィードバック制御を実行することによりモータ制御信号を出力する。
本実施例では、図4に示すように、モータ制御信号出力部124に入力された各相電流検出値Iu、Iv、Iwは、電流値補正部131に入力される。
電流値補正部131は、各相電流検出値Iu、Iv、Iwに基づいて、アシストモータ22の各相の参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。参照電流値Iu’、Iv’、Iw’は、図4に示すように、3相/2軸変換部125に入力されることで、PWM制御に用いられる各デューティ指示値Du、Dv、Dwを間接的に決めるパラメータ値である。電流値補正部131の機能の詳細は、図6A以降を参照して後述する。
電流値補正部131で設定される参照電流値Iu’、Iv’、Iw’は、3相/2軸変換部125に入力され、3相/2軸変換部125によりアシストモータ22の回転角度θに基づくd/q座標系のd軸電流値Id及びq軸電流値Iqに変換される。そして、q軸電流値Iqは、電流指令値演算部123から入力されたq軸電流指令値Iq*とともに減算器126qに入力され、d軸電流値Idは、d軸電流指令値Id*(Id*=0)とともに減算器126dに入力される。
各減算器126d、126qにおいて演算されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqは、それぞれ対応するF/B制御部127d、127qに入力される。各F/B制御部127d、127qにおいて、電流指令値演算部123が出力するd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に実電流値であるd軸電流値Id及びq軸電流値Iqを追従させるべくフィードバック制御が行われる。
すなわち、F/B制御部127d、127qは、入力されたd軸電流偏差ΔId及びq軸電流偏差ΔIqに所定のF/Bゲイン(PIゲイン)を乗ずることにより、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を演算する。そして、その演算されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*が、回転角度θとともに2軸/3相変換部128に入力されることにより、2軸/3相変換部128において3相の相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*が演算される。
各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*は、PWM(Pulse Width Modulation)変換部129に入力され、PWM変換部129において当該各相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づく各デューティ指示値Du、Dv、Dwが生成される。モータ制御信号出力部124は、各デューティ指示値Du、Dv、Dwと三角波(図示せず)との比較に基づきPWM出力部130が演算するゲートオン/オフ信号、即ち各FET118a〜118fのスイッチング状態(オン/オフ作動)を規定するモータ制御信号を生成する。
マイコン117は、このモータ制御信号出力部124の出力するモータ制御信号を、駆動回路118を構成する各スイッチング素子(のゲート端子)に出力することにより、アシストモータ22に対する駆動電力の供給を通じて、アシストモータ22の作動を制御する。
なお、図4では、モータ制御信号出力部124のうちの、電流値補正部131を除く各部が、制御部の一例を形成する。
図5は、図4のモータ制御信号出力部124により実現されるPWM制御の説明図である。図5にグラフG50で示すように、アシストモータ22の各相に印加される電流は、位相が120度ずつずれる態様で正弦波状に変化する。図5のグラフG50では、横軸にアシストモータ22の回転角度θを取り、縦軸に電流を取り、波形501uは、U相に係る印加電流の特性を示し、波形501vは、V相に係る印加電流の特性を示し、波形501wは、W相に係る印加電流の特性を示す。
各FET118a〜118fのオン期間は、アシストモータ22の回転角度θに応じて変化させられる。高電位側のFET118a〜118cのオン期間が長くなるほど大きな電流をアシストモータ22に印加できる。なお、各相において、高電位側のFET118a〜118cのオン期間では、低電位側のFET118d〜118fはオフされる。高電位側のFET118a〜118cのオン期間は、デューティ指示値Du、Dv、Dwが高くなるほど長くなる。従って、デューティ指示値Du、Dv、Dwが高くなるほど大きな電流をアシストモータ22に印加できる。なお、図5におけるP部は、U相に係るデューティ指示値Duが高くなっている期間を表す。
このようにして、モータ制御信号出力部124は、各相において、アシストモータ22の制御目標値である電流指令値(Iq*)と参照電流値Iu’、Iv’、Iw’とアシストモータ22の回転角度θとに基づいて、増加方向(第1方向の一例)と、減少方向(第2方向の一例)とに、アシストモータ22の各相のデューティ指示値Du、Dv、Dwを変化させる。デューティ指示値Du、Dv、Dwの変化方向としての増加方向は、低電位側のFET118d〜118fのオン時間が短くなる方向に対応し、減少方向は、高電位側のFET118a〜118cのオン時間が短くなる方向に対応する。
図6Aは、電流値補正部131の機能を説明するブロック図である。図6Bは、電流値補正部の各機能部の関係を示す図である。なお、図6Bでは、U相について代表して図示されているが、V相及びW相についても同様である。
電流値補正部131は、検出値取得部133と、推算値導出部134と、参照電流値設定部136と、閾値記憶部138を含む。検出値取得部133、推算値導出部134、及び参照電流値設定部136は、マイコン117のCPUがマイコン117の記憶部に記憶されたプログラムを実行することで実現できる。閾値記憶部138は、マイコン117の記憶部(例えばROM)により実現できる。
検出値取得部133は、アシストモータ22の各相の下段に設けられるシャント抵抗に基づいて、アシストモータ22の各相の相電流の検出値を取得する。すなわち、検出値取得部133は、各電流センサ121u、121v、121wの出力信号に基づき、各相電流検出値Iu、Iv、Iwを取得する。
推算値導出部134は、アシストモータ22の3相のうち、2相の相電流の検出値から残りの1相の相電流の推算値を導出する。例えば、推算値導出部134は、U相及びV相の相電流の検出値である相電流検出値Iu、Ivに基づいて、残りの1相であるW相の相電流の推算値Iwestを導出する。この場合、相電流の推算値Iwestは、例えば、キルヒホッフの法則を利用し、以下の通り導出できる。
Iwest=0−Iu−Iv
同様に、推算値導出部134は、V相及びW相の相電流の検出値である相電流検出値Iv、Iwに基づいて、残りの1相であるU相の相電流の推算値Iuestを導出する。この場合、相電流の推算値Iuestは、例えば、キルヒホッフの法則を利用し、以下の通り導出できる。
Iuest=0−Iv−Iw
同様に、推算値導出部134は、U相及びW相の相電流の検出値である相電流検出値Iu、Iwに基づいて、残りの1相であるV相の相電流の推算値Ivestを導出する。この場合、相電流の推算値Ivestは、例えば、キルヒホッフの法則を利用し、以下の通り導出できる。
Ivest=0−Iu−Iw
以下では、このようにして推算値導出部134により算出される相電流の推算値Iuest、Ivest、Iwestを、相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestとも称する。
参照電流値設定部136は、各相電流検出値Iu、Iv、Iw及び各相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに基づいて、各相の参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。
参照電流値設定部136は、図6Aに示すように、第1設定部1361と、第2設定部1362と、第3設定部1363と、第1切替部1364と、第2切替部1366とを含む。
第1設定部1361は、アシストモータ22の3相の各相において、各相電流検出値Iu、Iv、Iwに応じた値に、参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。本実施例では、一例として、第1設定部1361は、U相においては、相電流検出値Iuに参照電流値Iu’を設定し、V相においては、相電流検出値Ivを参照電流値Iv’に設定し、W相においては、相電流検出値Iwを参照電流値Iw’に設定する。すなわち、Iu’=Iu、Iv’=Iv、Iw’=Iwである。
なお、図6Bでは、第1設定部1361は、初期的に形成される第1状態で機能し、第1状態以外の状態では機能を停止する。そして、第1設定部1361は、第1状態以外の状態において、第1切替部1364が第1状態を設定したことを表す状態切替情報(第2状態から第1状態への切り替え)に基づいて機能(機能を開始)する。
第2設定部1362は、第1切替部1364により第2状態が設定された場合と、第2切替部1366により第2状態が設定された場合と、に機能する。例えば、図6Bでは、第2設定部1362は、第2状態以外の状態では機能を停止する。そして、第2設定部1362は、第2状態以外の状態において、第1切替部1364が第2状態を設定したことを表す状態切替情報(第1状態から第2状態への切り替え)、又は、第2切替部1366が第2状態を設定したことを表す状態切替情報(第3状態から第2状態への切り替え)に基づいて機能(機能を開始)する。
第1切替部1364により第2状態が設定された場合、第2設定部1362は、アシストモータ22の3相の各相において、相電流検出値Iu、Iv、Iwと相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに基づいて、相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestとは異なる値であって相電流検出値Iu、Iv、Iwに対して所定の調整値Δ’Iu、Δ’Iv、Δ’Iw(所定の補正値の他の一例)を加算又は減算した値に、参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。また、第2切替部1366により第2状態が設定された場合、第2設定部1362は、アシストモータ22の3相の各相において、相電流検出値Iu、Iv、Iwと相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに基づいて、相電流検出値Iu、Iv、Iwとは異なる値であって相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに対して所定の調整値Δ’Iu、Δ’Iv、Δ’Iwを加算又は減算した値に、参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。第2設定部1362による参照電流値Iu’、Iv’、Iw’の設定方法については、後に詳説する。
第3設定部1363は、アシストモータ22の3相の各相において、各相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに応じた値に、参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を設定する。本実施例では、一例として、第1設定部1361は、U相においては、相電流推算値Iuestに参照電流値Iu’を設定し、V相においては、相電流推算値Ivestを参照電流値Iv’に設定し、W相においては、相電流推算値Iwestを参照電流値Iw’に設定する。すなわち、Iu’=Iuest、Iv’=Ivest、Iw’=Iwestである。
なお、図6Bでは、第3設定部1363は、第3状態以外の状態では機能を停止する。そして、第3設定部1363は、第3状態以外の状態において、第2切替部1366が第3状態を設定したことを表す状態切替情報(第2状態から第3状態への切り替え)に基づいて機能(機能を開始)する。
以下では、区別のため、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’と表記し、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と表記し、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’と表記する。
第1切替部1364は、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’と、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’との間で切り替える。すなわち、第1切替部1364は、第1設定部1361が機能する第1状態と、第2設定部1362が機能する第2状態とを切り替える。なお、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’とは、3相/2軸変換部125(図4参照)に入力される参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を意味する。
具体的には、第1切替部1364は、各相における第1状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加方向で所定閾値Th1を超えると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’から、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’に切り替える。すなわち、第1切替部1364は、各相における第1状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加方向で所定閾値Th1を超えると、第1状態から第2状態に切り替える。例えば、第1切替部1364は、U相における第1状態において、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超えると、PWM制御に用いられる参照電流値Iuを、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’から、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’に切り替える。V相及びW相についても同様である。
所定閾値Th1は、電流センサ121u、121v、121wによる相電流の検出が不能となるときのデューティ指示値の下限値に対応して設定される。本実施例では、一例として、所定閾値Th1は、電流センサ121u、121v、121wによる任意の1相に係る相電流の検出が不能となるときのデューティ指示値の下限値に対して、わずかなマージンαが設定される。すなわち、所定閾値Th1=下限値−αである。相電流の検出が不能となる状態については、図7〜図9を参照して後述する。
また、第1切替部1364は、各相における第2状態において、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’との差の絶対値が所定の差分閾値ΔTh1(所定第1基準値の一例)以下になった場合、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’から、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’に切り替える。すなわち、第1切替部1364は、各相における第2状態において、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’との差分電流値が所定の差分閾値ΔTh1以下になると、第2状態から第1状態に切り替える。V相及びW相についても同様である。なお、ここでは(以下も同様)、2つの参照電流値の差の絶対値を、「差分電流値」と称している。
差分閾値ΔTh1は、任意であるが、アシストモータ22が発生するトルクの変動が生じないような比較的小さい値に設定される。
第2切替部1366は、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’との間で切り替える。すなわち、第2切替部1366は、第2設定部1362が機能する第2状態と、第3設定部1363が機能する第3状態とを切り替える。
具体的には、第2切替部1366は、各相における第2状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超える前に、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’との差の絶対値(差分電流値)が所定の差分閾値ΔTh2(所定第2基準値の一例)以下になると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’から、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’に切り替える。すなわち、第2切替部1366は、各相における第2状態において、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’と参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’との差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下になると、第2状態から第3状態に切り替える。例えば、第2切替部1366は、U相における第2状態において、参照電流値Iu2’と参照電流値Iu3’との差分電流値(=|Iu2’−Iu3’|)が所定の差分閾値ΔTh2以下になると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu3’に切り替える。V相及びW相についても同様である。
差分閾値ΔTh2は、任意であるが、アシストモータ22が発生するトルクの変動が生じないような比較的小さい値に設定される。差分閾値ΔTh2は、差分閾値ΔTh1と同じであってよい。
なお、各相における第2状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超える前に、差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下にならない場合は、第1切替部1364は、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’から、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’に切り替えてよい。すなわち、各相における第2状態において、差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下になる前に、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えると、第1切替部1364は、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’から、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’に切り替えてよい。
また、第2切替部1366は、各相における第3状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’から、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’に切り替える。すなわち、第2切替部1366は、各相における第3状態において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えると、第3状態から第2状態に切り替える。例えば、第2切替部1366は、U相において、デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超えると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’から、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’に切り替える。V相及びW相についても同様である。
ここで、図7〜図9を参照して、デューティ指示値が高くなることに起因して、電流センサ121u、121v、121wによる相電流の検出が不能となる状態について説明する。ここでは、U相に関して説明するが、V相及びW相についても同様である。
図7は、図5のP部における、U相に係る高電位側(図では“UH”と表記)と低電位側(図では“UL”と表記)の各FET118a、118dのオン/オフ状態の時系列、V相に係る高電位側(図では“VH”と表記)と低電位側(図では“VL”と表記)の各FET118b、118eのオン/オフ状態の時系列、及びW相に係る高電位側(図では“WH”と表記)と低電位側(図では“WL”と表記)の各FET118c、118fのオン/オフ状態の時系列を示す図である。図7には、一周期内における4状態a〜dが示されている。
図8A〜図8Dは、4状態a〜dのそれぞれにおけるインバータ7及びアシストモータ22を流れる電流の状態を模式的に示す図である。図8A〜図8Dには、主な相電流の流れが矢印で模式的に示されるとともに、各FET118a〜118fのオン/オフ状態が表記“ON”及び“OFF”で示されている。
状態aでは、図8Aに示すように、U相の高電位側のFET118aと、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fとがオンし、他のFET118d、118b、118cがオフする。状態aでは、図8Aに示すように、電流は、U相の高電位側のFET118aを通り、U相のモータコイル112uに至り、中点からV相及びW相のモータコイル112v、112wに分岐して、それぞれ、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fを通って、グランドへ流れる。
状態bでは、図8Bに示すように、U相の高電位側のFET118aと、V相の高電位側のFET118bと、W相の高電位側のFET118cとがオンし、他のFET118d、118e、118fがオフする。状態bでは、図8Bに示すように、電流は、U相の高電位側のFET118aを通り、U相のモータコイル112uに至り、中点からV相及びW相のモータコイル112v、112wに分岐して、それぞれ、V相の高電位側のFET118bと、W相の高電位側のFET118cを通って、高電位側へ流れる。
状態cでは、図8Cに示すように、U相の高電位側のFET118aと、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fとがオンし、他のFET118d、118b、118cがオフする。状態cでは、図8Cに示すように、電流は、U相の高電位側のFET118aを通り、U相のモータコイル112uに至り、中点からV相及びW相のモータコイル112v、112wに分岐して、それぞれ、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fを通って、グランドへ流れる。
状態dでは、図8Dに示すように、U相の低電位側のFET118dと、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fとがオンし、他のFET118a、118b、118cがオフする。状態dでは、図8Dに示すように、電流は、U相の低電位側のFET118dを通り、U相のモータコイル112uに至り、中点からV相及びW相のモータコイル112v、112wに分岐して、それぞれ、V相の低電位側のFET118eと、W相の低電位側のFET118fを通って循環する。
図9は、各相に流れる電流の時系列を4状態a〜dに関連付けて示す図である。図9において、時系列901は、U相に関し、時系列902は、V相に関し、時系列903は、W相に関する。時系列901は、U相のモータコイル112uに流れる電流の波形9011と、U相の電流センサ121u(シャント抵抗)を流れる電流の波形9012とを含む。同様に、時系列902は、V相のモータコイル112vに流れる電流の波形9021と、V相の電流センサ121v(シャント抵抗)を流れる電流の波形9022とを含む。同様に、時系列903は、W相のモータコイル112wに流れる電流の波形9031と、W相の電流センサ121w(シャント抵抗)を流れる電流の波形9032とを含む。
図9に示すように、電流センサ121u(シャント抵抗)には、U相の低電位側のFET118dのオン期間だけ、U相のモータコイル112uに流れる電流が現れる。すなわち、電流センサ121uは、U相の低電位側のFET118dのオン期間だけ、U相のモータコイル112uに流れる電流(U相の相電流)を検出できる。従って、U相の低電位側のFET118dのオン期間が有意に短くなると、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる。U相に係るデューティ指示値が高くなると、U相の低電位側のFET118dのオン期間が有意に短くなる。これは、V相及びW相についても同様である。
このように、電流センサ121u、121v、121wによる任意の1相に係る相電流の検出が不能となる状態は、該1相に係るデューティ指示値が高くなり、低電位側の各FET118d、118e、118fのうちの、該1相に係るFETのオン期間が有意に短くなる状態に対応する。低電位側の各FET118d、118e、118fのうちの、例えばU相に係るFET118dのオン期間が有意に短くなる状態では、オン期間が有意に短いゆえに、上述のように、当該オン期間で電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となりうる。なお、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる場合とは、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出自体は可能であるが、検出結果の信頼性が有意に低い場合も実質的に含む。これは、V相及びW相についても同様である。
なお、図5のP部においては、複数回、U相の低電位側のFET118dが短いオン期間でオンするが、どのオン期間でも、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となりうる。
次に、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’について説明する。
第2設定部1362は、上述のように、第1切替部1364により第2状態が設定された場合と、第2切替部1366により第2状態が設定された場合と、に機能する。
第1切替部1364により第2状態が設定された場合、第2設定部1362は、U相においては、相電流検出値Iuと相電流推算値Iuestに基づいて、相電流推算値Iuestとは異なる値であって相電流検出値Iuに対して所定の調整値Δ’Iuを加算又は減算した値に、参照電流値Iu’を設定する。所定の調整値Δ’Iuは、0よりも大きい。所定の調整値Δ’Iuは、例えば、固定値であってよい。所定の調整値Δ’Iuは、所定の差分閾値ΔTh1又は所定の差分閾値ΔTh2と同じであってよい。
所定の調整値Δ’Iuを加算するか減算するかは、第1所定時点での、相電流検出値Iuと相電流推算値Iuestとの関係に応じて決まる。第1所定時点は、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超える時点である。
第1所定時点での相電流検出値Iuが、第1所定時点での相電流推算値Iuestよりも大きい場合は、第1所定時点での相電流検出値Iuに対して所定の調整値Δ’Iuが減算される。他方、第1所定時点での相電流検出値Iuが、第1所定時点での相電流推算値Iuestよりも小さい場合は、第1所定時点での相電流検出値Iuに対して所定の調整値Δ’Iuが加算される。
具体的には、第2設定部1362は、第1所定時点での相電流検出値Iuを、現時点の相電流推算値Iuestに近づく方向に所定の調整値Δ’Iuだけ変化(加算又は減算)させた値に、参照電流値Iu’を設定する。すなわち、第1所定時点での相電流検出値IuをIu(0)としたとき、参照電流値Iu’(k)=Iu’(k−1)+Δ’Iu、又は、Iu’(k)=Iu’(k−1)−Δ’Iu、ただし、Iu’(1)=Iu(0)+Δ’Iu、又は、Iu’(1)=Iu(0)−Δ’Iuである。ここでのk=1は、第1所定時点から始まる1番目の周期を表す。
この場合、第2設定部1362は、現時点の相電流推算値Iuestと参照電流値Iu’との差が所定の調整値Δ’Iu以下になるまで、所定周期ごとに、現時点の相電流推算値Iuestに近づく方向に所定の調整値Δ’Iuずつ徐々に変化する態様で、参照電流値Iu’を設定する。V相及びW相についても同様である。すなわち、第2設定部1362は、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加する過程では、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’が相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに徐々に時間の経過とともに近づく態様で、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’を設定する。
また、第2切替部1366により第2状態が設定された場合、第2設定部1362は、U相においては、相電流検出値Iuと相電流推算値Iuestに基づいて、相電流検出値Iuとは異なる値であって相電流推算値Iuestに対して所定の調整値Δ’Iuを加算又は減算した値に、参照電流値Iu’を設定する。
所定の調整値Δ’Iuを加算するか減算するかは、第2所定時点での、相電流検出値Iuと相電流推算値Iuestとの関係に応じて決まる。第2所定時点は、デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超える時点である。
第2所定時点での相電流検出値Iuが、第2所定時点での相電流推算値Iuestよりも大きい場合は、相電流推算値Iuestに対して所定の調整値Δ’Iuが加算される。他方、第2所定時点での相電流検出値Iuが、第2所定時点での相電流推算値Iuestよりも小さい場合は、相電流推算値Iuestに対して所定の調整値Δ’Iuが減算される。
具体的には、第2設定部1362は、第2所定時点での相電流推算値Iuestを、現時点の相電流検出値Iuに近づく方向に所定の調整値Δ’Iuだけ変化(加算又は減算)させた値に、参照電流値Iu’を設定する。すなわち、第2所定時点での相電流推算値IuestをIuest(0)としたとき、参照電流値Iu’(k)=Iu’(k−1)+Δ’Iu、又は、Iu’(k)=Iu’(k−1)−Δ’Iu、ただし、Iu’(1)=Iuest(0)+Δ’Iu、又は、Iu’(1)=Iuest(0)−Δ’Iuである。ここでのk=1は、第2所定時点から始まる1番目の周期を表す。この場合、第2設定部1362は、現時点の相電流検出値Iuと参照電流値Iu’との差が所定の調整値Δ’Iu以下になるまで、所定周期ごとに、現時点の相電流検出値Iuに近づく方向に所定の調整値Δ’Iuずつ徐々に変化する態様で、参照電流値Iu’を設定する。V相及びW相についても同様である。すなわち、第2設定部は、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少する過程では、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’が相電流検出値Iu、Iv、Iwに徐々に時間の経過とともに近づく態様で、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’を設定する。
次に、図10〜図13Bを参照して、本実施例の効果について説明する。
図10は、第1設定部1361により設定されるU相に係る参照電流値Iu1’と、第3設定部1363により設定されるU相に係る参照電流値Iu3’との関係を示す図である。図10のグラフG10では、横軸にアシストモータ22の回転角度θを取り、縦軸に電流を取り、波形1001は、参照電流値Iu1’の特性を示し、波形1003は、参照電流値Iu3’の特性を示す。なお、ここでは、U相について代表して説明するが、V相及びW相についても同様である。
図11A及び図11Bは、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’の特性を示す図であり、図11Aは、比較例の場合を示し、図11Bは、本実施例の場合を示す。図11A及び図11BのグラフG11では、横軸にアシストモータ22の回転角度θを取り、縦軸に電流を取り、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’の特性を示す。
図12Aは、比較例の場合の図11AのP2部の拡大図であり、図12Bは、比較例の場合の図11AのP3部の拡大図である。図13Aは、本実施例の場合の図11BのP2部の拡大図であり、図13Bは、本実施例の場合の図11BのP3部の拡大図である。図12A〜図13Bには、参照電流値Iu1’の特性を表す波形1001及び参照電流値Iu3’の特性を表す波形1003(図10参照)が示されている。また、図13A及び図13Bには、第2設定部1362により設定される参照電流値Iu2’の特性を示す波形1002が示されている。なお、図12A〜図13Bは、説明用の図であり、図11Aや図11Bにおける詳細な波形を正確に表しているわけではない。
比較例は、本実施例の第2設定部1362、第1切替部1364、及び第2切替部1366を備えていない。比較例では、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加方向で所定閾値Th1を超えると、すぐに、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’から、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’に切り替える。また、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えると、すぐに、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’を、第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’、Iv3’、Iw3’から、第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’、Iv1’、Iw1’に切り替える。
図10に示すように、参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’とは、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる区間ΔT1以外の区間においても、有意にオフセット(差分)が生じる場合がある。これは、FET118a〜118fや電流センサ121u、121v、121wの個体差に起因する。なお、図10では、参照電流値Iu1’の方が参照電流値Iu3’よりも振幅が大きい態様でオフセットが生じているが、逆の場合もありうる。以下、このように、参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’とが、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる区間ΔT1以外の区間においても、有意にオフセットが生じる状態を、「参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’との間にオフセットが発生した状態」と称する。
比較例では、参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’との間にオフセットが発生した状態では、次のような不都合が生じる。図12Aに示すように、デューティ指示値Duが増加している過程において、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超えると(第1所定時点t1で)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が、参照電流値Iu1’(波形1001参照)から参照電流値Iu3’(波形1003参照)に切り替えられる。このような切り替えが実現されると、第1所定時点t1での参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’との間の差分ΔI1(オフセット)に起因して、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’が瞬間的に変動する。また、図12Bに示すように、デューティ指示値Duが減少している過程において、デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超えると(第2所定時点t2)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu1’に切り替えられる。このような切り替えが実現されると、切替時点t2での参照電流値Iu1’と参照電流値Iu3’との間の差分ΔI2(オフセット)に起因して、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’が瞬間的に変動する。
PWM制御に用いられる参照電流値Iu’、Iv’、Iw’が瞬間的に変動すると、それに伴い、アシストモータ22への印加電流が不連続となり、アシストモータ22が発生するトルクの変動(リップル)が顕著となる。
この点、本実施例によれば、上述のように、第2設定部1362、第1切替部1364、及び第2切替部1366を備えるので、上述のような比較例で生じる不都合を低減できる。
具体的には、本実施例では、図13Aに示すように、デューティ指示値Duが増加している過程では、第1切替部1364は、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超えると(第1所定時点t1)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu2’に切り替える。
その後、第2切替部1366は、参照電流値Iu2’と参照電流値Iu3’との間の差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下になると(時点t11)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu3’に切り替える。
このようにして、本実施例によれば、デューティ指示値Duが増加している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu2’を介して参照電流値Iu3’に切り替えられる。
ここで、参照電流値Iu2’は、上述のように、第2設定部1362によって相電流検出値Iu対して所定の調整値Δ’Iuを加算又は減算した値に設定される。例えば、図13Aに示すように、第1所定時点t1での相電流検出値Iuが、第1所定時点t1での相電流推算値Iuestよりも大きい場合は、参照電流値Iu2’は、上述のように、第2設定部1362によって相電流検出値Iuに対して所定の調整値Δ’Iuを減算した値に設定される。その後、第2設定部1362は、所定周期ごとに、参照電流値Iu2’を所定の調整値Δ’Iuだけ減少させていく。従って、図13Aにて波形1002で示すように、参照電流値Iu2’は、時間の経過とともに、徐々に減少していく。すなわち、参照電流値Iu2’が参照電流値Iu3’に近づいていく。そして、参照電流値Iu2’と参照電流値Iu3’との間の差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下になると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu3’に切り替えられる。
従って、本実施例によれば、デューティ指示値Duが増加している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が瞬間的に変動することがないので、比較例で生じるような不都合、例えばアシストモータ22への印加電流が不連続となることを(及びそれに伴いアシストモータ22が発生するトルクの変動が顕著になることを)、防止できる。
また、図13Bに示すように、デューティ指示値Duが減少している過程では、第2切替部1366は、デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超えると(第2所定時点t2)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu2’に切り替える。
その後、第1切替部1364は、参照電流値Iu2’と参照電流値Iu1’との間の差分電流値が所定の差分閾値ΔTh1以下になると(時点t22)、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu1’に切り替える。
このようにして、本実施例によれば、デューティ指示値Duが減少している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu2’を介して参照電流値Iu1’に切り替えられる。
ここで、参照電流値Iu2’は、上述のように、第2設定部1362によって相電流推算値Iuestに対して所定の調整値Δ’Iuを加算又は減算した値に設定される。例えば、図13Bに示すように、第2所定時点t2での相電流検出値Iuが、第2所定時点t2での相電流推算値Iuestよりも大きい場合は、参照電流値Iu2’は、上述のように、第2設定部1362によって相電流推算値Iuestに対して所定の調整値Δ’Iuを加算した値に設定される。その後、第2設定部1362は、所定周期ごとに、参照電流値Iu2’を所定の調整値Δ’Iuだけ増加させていく。従って、図13Bにて波形1002で示すように、参照電流値Iu2’は、時間の経過とともに、徐々に増加していく。すなわち、参照電流値Iu2’が参照電流値Iu1’に近づいていく。そして、参照電流値Iu2’と参照電流値Iu1’との間の差分電流値が所定の差分閾値ΔTh1以下になると、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu1’に切り替えられる。
従って、本実施例によれば、デューティ指示値Duが減少している過程でも、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’が瞬間的に変動することがないので、比較例で生じるような不都合、例えばアシストモータ22への印加電流が不連続となることを(及びそれに伴いアシストモータ22が発生するトルクの変動が顕著になることを)、防止できる。すなわち、アシストモータ22が発生するトルクに比較的大きな変動が生じる可能性を低減できる。V相及びW相についても同様である。
なお、上述からも明らかなように、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超えてからデューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超えるまでの区間(以下、「切替区間」と称する)には、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる区間(以下、「不検出区間」と称する)が包含される。換言すると、所定閾値Th1は、切替区間が不検出区間を包含するように設定される。V相及びW相についても同様である。なお、理論上、切替区間が不検出区間と完全に一致してもよいが、現実的には、かかる所定閾値Th1の設定は困難であり、上述したマージンαが設定されることになる。なお、上記の切替区間としては、デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超えてからデューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th2を超えるまでの区間であってもよい。この場合も、所定閾値Th1及び所定閾値Th2は、切替区間が不検出区間を包含するように設定される。
次に、図14を参照して、マイコン117の動作例について説明する。
図14は、マイコン117により実行される処理の一例を示すフローチャートである。ここでは、U相について説明するが、V相及びW相についても同様である。
図14では、一例として、所定の調整値Δ’Iuは、所定の差分閾値ΔTh1と同じであり、所定の差分閾値ΔTh1は、所定の差分閾値ΔTh2と同じであるとする。すなわち、所定の調整値Δ’Iu=所定の差分閾値ΔTh1=所定の差分閾値ΔTh2であるとする。以下、所定の調整値Δ’Iu、所定の差分閾値ΔTh1及び所定の差分閾値ΔTh2に代えて、「差分閾値ΔTh」と表記する。
ステップS1402では、マイコン117は、推定電流値フラグが“0”であるか否かを判定する。推定電流値フラグが“0”であることは、第3状態でないことを表し、推定電流値フラグが“1”であることは、第3状態であることを表す。推定電流値フラグの初期値は例えば“0”である。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1404に進み、それ以外の場合は、ステップS1422に進む。
ステップS1404では、マイコン117は、デューティ指示値Duが所定閾値Th1を増加方向に超えたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1408に進み、それ以外の場合は、ステップS1406に進む。
ステップS1406では、マイコン117は、今回周期(k)の参照電流値Iu’(k)(今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k))を、今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)(第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’(k))に決定する。
ステップS1408では、マイコン117は、前回周期(k−1)の参照電流値Iu’(k−1)と今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)との間の差分電流値を算出する。
ステップS1410では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu3’(k)よりも大きく、かつ、ステップS1408で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1412に進み、それ以外の場合は、ステップS1414に進む。
ステップS1412では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)から差分閾値ΔThを減算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)−ΔThとする。
ステップS1414では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu3’(k)よりも小さく、かつ、ステップS1408で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1416に進み、それ以外の場合は、ステップS1418に進む。
ステップS1416では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)に差分閾値ΔThを加算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)+ΔThとする。
ステップS1418では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)(第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’(k))に決定する。
ステップS1420では、マイコン117は、推定電流値フラグを“1”に設定する。
ステップS1422では、マイコン117は、デューティ指示値Duが所定閾値Th1を減少方向に超えたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1426に進み、それ以外の場合は、ステップS1424に進む。
ステップS1424では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)に決定する。
ステップS1426では、マイコン117は、前回周期(k−1)の参照電流値Iu’(k−1)と今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)との間の差分電流値を算出する。
ステップS1428では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu1’(k)よりも大きく、かつ、ステップS1426で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1430に進み、それ以外の場合は、ステップS1432に進む。
ステップS1430では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)から差分閾値ΔThを減算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)−ΔThとする。
ステップS1432では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu1’(k)よりも小さく、かつ、ステップS1426で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1434に進み、それ以外の場合は、ステップS1436に進む。
ステップS1434では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)に差分閾値ΔThを加算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)+ΔThとする。
ステップS1436では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)に決定する。
ステップS1438では、マイコン117は、推定電流値フラグを“0”に設定する。
図14に示す処理によれば、デューティ指示値Duが増加している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu2’(ステップS1412、ステップS1416参照)を介して参照電流値Iu3’に切り替えられる。デューティ指示値Duが減少している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu2’(ステップS1430、ステップS1434参照)を介して参照電流値Iu1’に切り替えられる。これにより、U相における参照電流値Iu1’に基づく制御状態(第1状態)と参照電流値Iu3’に基づく制御状態(第2状態)との間での切り替えに際して、アシストモータ22が発生するトルクの変動を低減できる。V相及びW相についても同様である。
なお、図14に示す処理において、第1所定時点t1に対応する周期を(j)としたとき、参照電流値Iu1’(j)と参照電流値Iu3’(j+1)との差分電流値が差分閾値ΔTh以下であると、第2状態が形成されることなく、第1状態から第3状態へと切り替えられる。また、同様に、第2所定時点t2に対応する周期を(i)としたとき、参照電流値Iu3’(i)と参照電流値Iu1’(i+1)との差分電流値が差分閾値ΔTh以下であると、第2状態が形成されることなく、第3状態から第1状態へと切り替えられる。このように駆動回路118の個体差等に起因して、すべての相又は一部の相で第2状態が形成されないような駆動回路118も存在しうる。
図15は、マイコン117により実行される処理の他の一例を示すフローチャートである。ここでは、U相について説明するが、V相及びW相についても同様である。図15では、状態(以下、「STATUS」と称する)を表す値が用いられる。STATUSは、第1状態、第2状態及び、第3状態のいずれかを表す値を持つ。STATUSの初期値は、例えば第1状態を表す値である。以下では、STATUS=1のときは第1状態を、STATUS=2のときは第2状態を、STATUS=3のときは第3状態を、それぞれ表すものとする。
ステップS1502では、マイコン117は、STATUSが“1”又は“2”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1504に進み、それ以外の場合(すなわちSTATUSが“3”の場合)は、ステップS1522に進む。
ステップS1504では、マイコン117は、デューティ指示値Duが所定閾値Th1を増加方向に超えたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1508に進み、それ以外の場合は、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、マイコン117は、STATUSが“2”であるか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1526に進み、それ以外の場合(すなわちSTATUSが“1”である場合)は、ステップS1506に進む。
ステップS1506では、マイコン117は、今回周期(k)の参照電流値Iu’(k)(今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k))を、今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)(第1設定部1361により設定される参照電流値Iu1’(k))に決定する。
ステップS1508では、マイコン117は、前回周期(k−1)の参照電流値Iu’(k−1)と今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)との間の差分電流値を算出する。
ステップS1510では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu3’(k)よりも大きく、かつ、ステップS1508で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1512に進み、それ以外の場合は、ステップS1514に進む。
ステップS1512では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)から差分閾値ΔThを減算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)−ΔThとする。
ステップS1513では、マイコン117は、STATUSを“2”に設定又は維持する。
ステップS1514では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu3’(k)よりも小さく、かつ、ステップS1508で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1516に進み、それ以外の場合は、ステップS1518に進む。
ステップS1516では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)に差分閾値ΔThを加算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)+ΔThとする。ステップS1516が終了すると、ステップS1513に進む。
ステップS1518では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)(第3設定部1363により設定される参照電流値Iu3’(k))に決定する。
ステップS1520では、マイコン117は、STATUSを“3”に設定する。
ステップS1522では、マイコン117は、デューティ指示値Duが所定閾値Th1を減少方向に超えたか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1526に進み、それ以外の場合は、ステップS1524に進む。
ステップS1524では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu3’(k)に決定する。
ステップS1526では、マイコン117は、前回周期(k−1)の参照電流値Iu’(k−1)と今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)との間の差分電流値を算出する。
ステップS1528では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu1’(k)よりも大きく、かつ、ステップS1526で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1530に進み、それ以外の場合は、ステップS1532に進む。
ステップS1530では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)から差分閾値ΔThを減算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)−ΔThとする。
ステップS1531では、マイコン117は、STATUSを“3”に設定又は維持する。
ステップS1532では、マイコン117は、参照電流値Iu’(k−1)が参照電流値Iu1’(k)よりも小さく、かつ、ステップS1526で得た差分電流値が差分閾値ΔThより大きいか否かを判定する。判定結果が“YES”の場合は、ステップS1534に進み、それ以外の場合は、ステップS1536に進む。
ステップS1534では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、参照電流値Iu’(k−1)に差分閾値ΔThを加算した値に決定する。すなわち、Iu’(k)=Iu’(k−1)+ΔThとする。ステップS1534が終了すると、ステップS1531に進む。
ステップS1536では、マイコン117は、今回周期(k)のPWM制御に用いられる参照電流値Iu’(k)を、今回周期(k)の参照電流値Iu1’(k)に決定する。
ステップS1538では、マイコン117は、STATUSを“1”に設定する。
図15に示す処理によっても、図14に示した処理と同様の効果が得られる。また、図15に示す処理によれば、第2状態から第3状態に移行する前に、デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超える場合は、ステップS1426からの処理となる。これにより、かかる場合でも、参照電流値Iu2’から参照電流値Iu1’に切り替えが平滑に実現されるので、アシストモータ22が発生するトルクの変動を低減できる。
次に、いくつかの変形例について説明する。
[変形例1]
変形例1は、第2設定部1362による参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’の設定方法に関する。
変形例1では、第2設定部1362は、アシストモータ22の3相の各相において、相電流検出値Iu、Iv、Iwと相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに基づいて、相電流検出値Iu、Iv、Iwとは異なる値であって相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestに対して所定のオフセット値ΔIu、ΔIv、ΔIw(所定の補正値の一例)を加算又は減算した値に、参照電流値Iu2’、Iv2’、Iw2’を設定する。
具体的には、第2設定部1362は、U相においては、相電流検出値Iuと相電流推算値Iuestに基づいて、相電流検出値Iuとは異なる値であって相電流推算値Iuestに対して所定のオフセット値ΔIuを加算又は減算した値に、参照電流値Iu2’を設定する。所定のオフセット値ΔIuは、0よりも大きい。従って、Iu2’≠IuかつIu2’≠Iuestである。同様に、第2設定部1362は、V相においては、相電流検出値Ivと相電流推算値Ivestに基づいて、相電流検出値Ivとは異なる値であって相電流推算値Ivestに対して所定のオフセット値ΔIvを加算又は減算した値に、参照電流値Iv2’を設定する。所定のオフセット値ΔIvは、0よりも大きい。従って、Iv2’≠IvかつIv2’≠Ivestである。W相についても同様である。
所定のオフセット値ΔIu、ΔIv、ΔIwを加算するか減算するかは、第1所定時点での、相電流検出値Iu、Iv、Iwと相電流推算値Iuest、Ivest、Iwestとの関係に応じて決まる。第1所定時点は、上述したように、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加方向で所定閾値Th1を超える時点である。
例えば、第1所定時点での相電流検出値Iuが、第1所定時点での相電流推算値Iuestよりも大きい場合は、相電流推算値Iuestに対して所定のオフセット値ΔIuが加算される。他方、第1所定時点での相電流検出値Iuが、第1所定時点での相電流推算値Iuestよりも小さい場合は、相電流推算値Iuestに対して所定のオフセット値ΔIuが減算される。所定のオフセット値ΔIuは、第1所定時点での相電流検出値Iuと第1所定時点での相電流推算値Iuestとの間の差分(オフセット)に対応してよい。V相及びW相についても同様である。
本変形例1では、第3状態は形成されなくてもよく、第2切替部1366は省略されてもよい。すなわち、各相において、デューティ指示値Du、Dv、Dwが増加方向で所定閾値Th1を超えると、すぐに第1状態から第2状態に切り替えられてよく、その後、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えると、すぐに第2状態から第1状態に切り替えられてよい。ただし、第2所定時点での相電流検出値Iuと第2所定時点での相電流推算値Iuestとの間の差分が比較的大きい場合(例えば所定の差分閾値ΔTh2より大きい場合)は、デューティ指示値Du、Dv、Dwが減少方向で所定閾値Th1を超えてから、参照電流値Iu1’に参照電流値Iu2’が近づく方向に参照電流値Iu2’を徐々に変化させてもよい。この場合、参照電流値Iu1’と参照電流値Iu2’との間の差分電流値が所定の差分閾値ΔTh2以下となると、第2状態から第1状態に切り替えられてよい。
[変形例2]
変形例2は、各電流センサ121u、121v、121wの配置に関する。
変形例2では、各電流センサ121u、121v、121wは、FET118a、118d、FET118b、118e、及びFET118c、118fの各組の高電位側(上段)に設けられる。
本変形例2では、U相の高電位側のFET118aがオン期間で短い場合に、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となりうる。V相及びW相についても同様である。
従って、本変形例2では、デューティ指示値Duが減少方向(第1方向の他の一例)で所定閾値Th3(所定閾値の他の一例)を超えてからデューティ指示値Duが増加方向(第2方向の他の一例)で所定閾値Th3を超えるまでの区間(切替区間)には、電流センサ121uによるU相に係る相電流の検出が不能となる区間(不検出区間)が包含される。換言すると、所定閾値Th3は、切替区間が不検出区間を包含するように設定される。V相及びW相についても同様である。
本変形例2において、第1状態、第2状態、及び第3状態の切り替えについて、「デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th3を超える」ことが、上述した実施例における「デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th1を超える」に対応し、「デューティ指示値Duが増加方向で所定閾値Th3を超える」ことが、上述した実施例における「デューティ指示値Duが減少方向で所定閾値Th1を超える」に対応する。
以上、各実施例について詳述したが、特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内において、種々の変形及び変更が可能である。また、前述した実施例の構成要素を全部又は複数を組み合わせることも可能である。
例えば、上述した実施例では、デューティ指示値Duが増加している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu2’を介して参照電流値Iu3’に切り替えられ、かつ、デューティ指示値Duが減少している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu2’を介して参照電流値Iu1’に切り替えられるが、これに限られない。例えば、デューティ指示値Duが増加している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu2’を介して参照電流値Iu3’に切り替えられるが、デューティ指示値Duが減少している過程では、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu1’に直接的に切り替えれてもよい。この場合でも、デューティ指示値Duが増加している過程においては上述した実施例の効果を得ることができる。
また、上述した実施例では、3相の各相に対して、第2設定部1362、第1切替部1364、及び第2切替部1366が機能するが、3相のうちのいずれか1相のみに対して、又は、3相のうちのいずれか2相のみに対して、第2設定部1362、第1切替部1364、及び第2切替部1366が機能してもよい。
また、上述した実施例では、第2状態において、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’は、複数の周期にわたり、周期ごと徐変される参照電流値Iu2’に設定されるが、これに限られない。例えば、第2状態は、1周期分だけ形成され、その第2状態において、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’に、参照電流値Iu2’が設定されてもよい。この場合でも、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu1’から参照電流値Iu3’に直接切り替える場合や、PWM制御に用いられる参照電流値Iu’を、参照電流値Iu3’から参照電流値Iu1’に直接切り替える場合(上述した比較例の場合)よりも、アシストモータ22が発生するトルクの変動を低減できる。なお、この場合、第2設定部1362は、参照電流値Iu2’を、参照電流値Iu3’と参照電流値Iu1’との間の中間値(平均値)に設定してもよい。例えば、第2設定部1362は、第1切替部1364により第2状態が設定された場合は、今回周期(k)の参照電流値Iu2’(k)を、Iu2’(k)=Iu1’(k−1)+0.5(Iu3’(k)−Iu1’(k−1))と設定してよい。第2設定部1362は、第2切替部1366により第2状態が設定された場合は、今回周期(k)の参照電流値Iu2’(k)を、Iu2’(k)=Iu3’(k−1)+0.5(Iu1’(k)−Iu3’(k−1))と設定してよい。これは、V相及びW相についても同様である。
7 インバータ
10 車両用操舵装置
11 ステアリングホイール
12 ステアリングコラム
13 ゴムカップリング
14 ステアリングシャフト
15 トルクセンサ
16 中間シャフト(インターミディエイトシャフト)
17 ピニオン
18 ステアリングラック(ラックバー)
19 タイロッド
20 電動パワーステアリング装置
22 アシストモータ
24 回転角センサ
26 舵角センサ
31 ステアリングギアボックス
112u モータコイル
112v モータコイル
112w モータコイル
117 マイコン(マイクロコンピュータ)
118 駆動回路
118u スイッチングアーム
118v スイッチングアーム
118w スイッチングアーム
119H 接続点
119L 接続点
119u 接続点
119v 接続点
119w 接続点
120 車載電源
121u 電流センサ
121v 電流センサ
121w 電流センサ
123 電流指令値演算部
124 モータ制御信号出力部
125 3相/2軸変換部
126d 減算器
126q 減算器
127d F/B制御部制御部
127q F/B制御部制御部
128 2軸/3相変換部
129 PWM変換部
130 PWM出力部
131 電流値補正部
133 検出値取得部
134 推算値導出部
136 参照電流値設定部
1361 第1設定部
1362 第2設定部
1363 第3設定部
1364 第1切替部
1366 第2切替部
138 閾値記憶部

Claims (8)

  1. インバータが出力する交流電圧により駆動される3相のモータの制御装置であって、
    前記モータの各相の下段又は上段に設けられるシャント抵抗に基づいて、前記モータの各相の相電流の検出値を取得する検出値取得部と、
    前記モータの3相のうち、2相の相電流の前記検出値から残りの1相の相電流の推算値を導出する推算値導出部と、
    前記検出値及び前記推算値に基づいて、前記モータの各相の参照電流値を設定する参照電流値設定部と、
    前記参照電流値に基づいて、前記モータの各相のデューティ指示値を生成し、各相の前記デューティ指示値に基づいて前記モータの各相の通電をPWM制御する制御部とを含み、
    前記参照電流値設定部は、
    各相において、前記検出値に応じた値に、第1参照電流値を設定する第1設定部と、
    3相のうちの少なくともいずれか1つの相において、前記検出値と前記推算値とに基づいて、前記検出値及び前記推算値とは異なる値であって前記検出値又は前記推算値に対して所定の補正値を加算又は減算した値に、第2参照電流値を設定する第2設定部と、
    3相のうちの少なくともいずれか1つの相において、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第1参照電流値と前記第2参照電流値との間で切り替える第1切替部とを含む、制御装置。
  2. 前記第1切替部は、前記第2参照電流値と前記第1参照電流値との差の絶対値が所定第1基準値以下になると、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第2参照電流値から、前記第1参照電流値に切り替える、請求項1に記載の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記モータの制御目標値と前記参照電流値とに基づいて、第1方向と、前記第1方向とは逆の第2方向とに、各相の前記デューティ指示値を変化させ、
    前記デューティ指示値が前記第1方向に変化すると、前記モータの各相の下段及び上段のうちの前記シャント抵抗が設けられる段におけるスイッチング素子のオン時間が短くなり、
    前記第1切替部は、前記デューティ指示値が前記第1方向で所定閾値を超えると、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第1参照電流値から前記第2参照電流値に切り替える、請求項1又は2に記載の制御装置。
  4. 前記参照電流値設定部は、
    各相において、前記推算値に応じた値に、第3参照電流値を設定する第3設定部と、
    3相のうちの少なくともいずれか1つの相において、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第2参照電流値と前記第3参照電流値との間で切り替える第2切替部とを更に含む、請求項3に記載の制御装置。
  5. 前記第2切替部は、前記第2参照電流値と前記第3参照電流値との差の絶対値が所定第2基準値以下になると、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第2参照電流値から前記第3参照電流値に切り替える、請求項4に記載の制御装置。
  6. 前記第2切替部は、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第2参照電流値から前記第3参照電流値に切り替えた後、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第3参照電流値から前記第2参照電流値に切り替える、請求項5に記載の制御装置。
  7. 前記第2切替部は、前記デューティ指示値が前記第2方向で前記所定閾値を超えると、前記PWM制御に用いられる前記参照電流値を、前記第3参照電流値から前記第2参照電流値に切り替える、請求項6に記載の制御装置。
  8. 前記第2設定部は、前記デューティ指示値が前記第1方向に変化する過程では前記推算値に徐々に時間の経過とともに近づく態様で、前記デューティ指示値が前記第2方向に変化する過程では前記検出値に徐々に時間の経過とともに近づく態様で、前記第2参照電流値を設定する、請求項3から7のうちのいずれか1項に記載の制御装置。
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