JP2020068471A - スピーカ用蝶ダンパー及びそれを備えたスピーカ - Google Patents
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Abstract
【課題】大入力時のボイスコイルと磁気回路の底当たりや歪の発生を抑えることができるスピーカ用蝶ダンパーを提供する。【解決手段】スピーカ用蝶ダンパー39のアーム部96は、内側円環部91と外側円環部92との間で周方向に延びるアーム本体部96aと、アーム本体部96aの一端部を内側円環部91に結合する内環接続部96bと、アーム部本体96aの他端部を外側円環部92に結合する外環接続部96cとを備える。このアーム部96が、スピーカ用蝶ダンパー39の半径に直交する平面を対称面とする面対称に設けられ、面対称に設けられた一対のアーム部96が、スピーカ用蝶ダンパー39の周方向に等間隔に複数組設けられている。【選択図】図1
Description
本発明は、スピーカ用蝶ダンパーおよびそれを備えたスピーカに関するものである。
先ず、従来のスピーカについて説明する。図2は従来のスピーカを示す断面図である。同図によると、従来のスピーカは、磁気ギャップ2aを有する磁気回路2と、磁気回路2に結合されたフレーム3と、磁気ギャップ2aに配置されたボイスコイル4と、ボイスコイル4が下端部外周面に巻回された円筒状のボビン5と、外周部がエッジ6を介してフレーム3に接着結合され、内周部がボビン5に接着結合されてそのボビン5を介してボイスコイル4に結合された振動板7と、振動板7の中心部を覆うセンターキャップ8と、外周部がフレーム3に接着結合され、内周部がボビン5に接着結合されてそのボビン5を介してボイスコイル4に結合された蝶ダンパー9と、フレーム3に絶縁性合成樹脂製の図示しない取り付け板を介して取り付けられ、ボイスコイル4の両端部にそれぞれ図示しないリード線を介して電気的に接続される外部接続用の一対の図示しない端子とを備えて構成されている。
磁気回路2は、センタポール20aを有するボトムプレート20と、ボトムプレート20上に載置されたマグネット21と、マグネット21を挟んでボトムプレート20上に積層されて一体化されたトッププレート22とによって構成されており、センタポール20aの外周面とトッププレート22の内周面との間に磁気ギャップ2aを有している。
このように構成された従来のスピーカは、外部からボイスコイル4に音声信号を入力することにより、入力信号に応じてボイスコイル4がその軸方向の上下方向に振動し、振動板7を上下方向に振動させて放音するものである(例えば、特許文献1参照。)。
次に、従来のスピーカ用蝶ダンパーとして、従来のスピーカに備える蝶ダンパー9について説明する。図3(A)は従来のスピーカ用蝶ダンパーの従来例1としての蝶ダンパー9を示す斜視図である。従来例1の蝶ダンパー9は、ボイスコイル4が巻回されたボビン5を介してボイスコイル4に接着結合される内側円環部91と、内側円環部91の外側に同心状に設けられてフレーム3に接着結合される外側円環部92と、内側円環部91と外側円環部92との間に設けられて内側円環部91を外側円環部92に対してボイスコイル4の軸方向に振動可能に結合するアーム部93とを備えて構成されている。
このアーム部93は、内側円環部91と外側円環部92との間で周方向に沿って一方向に延びる円弧状のアーム本体部93aと、アーム部本体93aの一端部を内側円環部に結合する内環接続部93bと、アーム部本体93aの他端部を外側円環部92に結合する外環接続部93cとを備えて構成され、このクランク状のアーム部93が、蝶ダンパー9の周方向に一方向に揃えて等間隔に複数(図は60°間隔で6つ)設けられている(例えば、特許文献1参照。)。
このように構成された従来例の蝶ダンパー9は、アーム部9aが一方向に揃えられて設けられており、ボイスコイル4の軸方向に振動するとき、内側円環部91が周方向に回転しながら振動するため、図4の力・変位特性のAに示すように、直線性の良い力・変位特性となる。
また、図3(B)は従来のスピーカ用蝶ダンパーの従来例2としての蝶ダンパー19を示す斜視図である。従来例2の蝶ダンパー19は、従来例1の蝶ダンパー9とアーム部の形状が異なるだけであり、他の構造は同一のため、同一構造には同一の符号を付けてその説明を省略する。
従来例2の蝶ダンパー19のアーム部94は、内側円環部91と外側円環部92との間で周方向に沿って一方向に延びる円弧状の内側アーム本体部94a−1、内側アーム本体部94a−1の一端部に設けられる半円状の折り返し部94a−2、折り返し部94a−2を介して内側アーム本体部94a−1と外側円環部92との間で周方向に沿って内側アーム本体部94a−1とは逆方向に延びる外側アーム本体部94a−3からなるU字状のアーム部94aと、アーム部94aの一端部である内側アーム本体部94a−1の端部を内側円環部に結合する内環接続部94bと、アーム部本体94aの他端部である外側アーム本体部94a−3の端部を外側円環部92に結合する外環接続部94cとを備えて構成され、このアーム部94が、蝶ダンパー19の半径に直交する平面を対称面とする面対称に設けられ、面対称に設けられた一対のアーム部19が、蝶ダンパー19の周方向に等間隔に複数組(図は120°間隔で3組)設けられている(例えば特許文献2参照。)。
さらに、図3(C)は従来のスピーカ用蝶ダンパーの従来例3としての蝶ダンパー29を示す斜視図である。従来例3の蝶ダンパー29は、従来例1、2の蝶ダンパー9、19とアーム部の形状が異なるだけであり、他の構造は同一のため、同一構造には同一の符号を付けてその説明を省略する。
従来例3の蝶ダンパー29のアーム部95は、内側円環部91と外側円環部92との間で周方向に沿って一方向に延びる円弧状の内側アーム本体部95a−1、内側アーム本体部95a−1の一端部に設けられる半円状の折り返し部95a−2、折り返し部95a−2を介して内側アーム本体部95a−1と外側円環部92との間で周方向に沿って内側アーム本体部95a−1とは逆方向に延びる外側アーム本体部95a−3からなるU字状のアーム部95aと、アーム部95aの一端部である内側アーム本体部95a−1の端部を内側円環部に結合する内環接続部94bと、アーム部本体95aの他端部である外側アーム本体部95a−3の端部を外側円環部92に結合する外環接続部95cとを備えて構成され、このアーム部95が、蝶ダンパー29の周方向に一方向に揃えて等間隔に複数(図は60°間隔で6つ)設けられている(例えば特許文献3参照。)。
このように構成された従来例2、3の蝶ダンパー19、29は、アーム部94、95に折り返し部94a−2、95a−2があり、ボイスコイル4の軸方向に振動する際に折り返し部94a−2、95a−2が伸びきるまで突っ張らないため、図4の力・変位特性のB、Cに示すように、直線性の良い力・変位特性となる。
なお、一般的にスピーカ用蝶ダンパーは、金属板や樹脂板を打ち抜き加工の他、樹脂材の射出成型することにより形成される。
従来例1、2、3の蝶ダンパー9、19、29は、上下対称性、振動時の線形性は良いが、大入力が加わると急激なクリップ(制動)や座屈しやすい。座屈するとアーム部93、94、95が異常変形を生じるため、急激に変位が大きくなり、ボイスコイルと磁気回路の底当たりの発生や異常音の原因となる。また、急激にクリップすると力が加わっても変位が変化しないため、歪の増加や異常音の原因となる。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、大入力時のボイスコイルと磁気回路の底当たりや歪の発生を抑えることができるスピーカ用蝶ダンパーを提供することにある。
前述した目的を達成するために本発明のスピーカ用蝶ダンパーは、ボイスコイルが巻回されたボビンを介して前記ボイスコイルに結合される内側円環部と、前記内側円環部の外側に同心状に設けられてフレームに結合される外側円環部と、前記内側円環部と前記外側円環部との間に設けられて前記内側円環部を前記外側円環部に対して前記ボイスコイルの軸方向に振動可能に結合するアーム部とを備え、前記アーム部は、前記内側円環部と前記外側円環部との間で周方向に延びるアーム本体部と、前記アーム部本体の一端部を前記内側円環部に結合する内環接続部と、前記アーム部本体の他端部を前記外側円環部に結合する外環接続部とを備えるスピーカ用蝶ダンパーであって、前記アーム部が、前記スピーカ用蝶ダンパーの半径に直交する平面を対称面とする面対称に設けられ、面対称に設けられた一対の前記アーム部が、前記スピーカ用蝶ダンパーの周方向に等間隔に複数組設けられているもので、ボイスコイルの軸方向に振動時に内側円環部が周方向に回転せずに振動する。これによりアーム部本体にひねり運動が加わり、ひねりが大きくなるとともに振動が抑えられる。すなわち振動系に穏やかなクリップがかかり、設定ストローク以上の過振幅にて振動することが防止される。
以上のように本発明のスピーカ用蝶ダンパーによれば、大入力時のボイスコイルと磁気回路の底当たりや歪の発生を抑えることができる。
以下、本発明の実施形態によるスピーカについて図面に基づいて説明する。
本実施形態のスピーカと図2に示す従来のスピーカとの相違点のみ説明する。相違点はスピーカ用ダンパーのみである。本実施形態のスピーカは図3(A)、(B)、(C)に示す従来例1、2、3の蝶ダンパー9、19、29に代えて図1(A)、(B)に示す本発明のスピーカ用蝶ダンパー39を備えている。
図1(A)、(B)に示すように、本発明の蝶ダンパー39は、従来例1、2、3の蝶ダンパー9、19、29とアーム部の形状が異なるだけであり、他の構造は同一のため、同一構造には同一の符号を付けてその説明を省略する。
本発明の蝶ダンパー39のアーム部96は、従来例の蝶ダンパー9と同様に、内側円環部91と外側円環部92との間で周方向に沿って一方向に延びる円弧状のアーム本体部96aと、アーム部本体96aの一端部を内側円環部に結合する内環接続部96bと、アーム部本体96aの他端部を外側円環部92に結合する外環接続部96cとを備えて構成され、このクランク状のアーム部96が、蝶ダンパー39の半径に直交する平面を対称面とする面対称に設けられ、面対称に設けられた一対のアーム部39が、蝶ダンパー39の周方向に等間隔に複数組(図は120°間隔で3組)設けられている。
本発明の蝶ダンパー39は、ボイスコイル4の軸方向に振動時に内側円環部91が周方向に回転せずに振動する。これによりアーム部本体96aにひねり運動が加わり、ひねりが大きくなるとともに振動が抑えられる。すなわち図4の力・変位特性のDに示すように、振動系に穏やかなクリップがかかり、設定ストローク以上の過振幅にて振動することが防止される。
本発明の蝶ダンパー39によれば、大入力時のボイスコイルと磁気回路の底当たりや歪の発生を抑えることができる。
2 磁気回路
2a 磁気ギャップ
3 フレーム
4 ボイスコイル
5 ボビン
6 エッジ
7 振動板
39 蝶ダンパー
91 内側円環部
92 外側円環部
96 アーム部
96a アーム本体部
96b 内環接続部
96c 外環接続部
2a 磁気ギャップ
3 フレーム
4 ボイスコイル
5 ボビン
6 エッジ
7 振動板
39 蝶ダンパー
91 内側円環部
92 外側円環部
96 アーム部
96a アーム本体部
96b 内環接続部
96c 外環接続部
Claims (2)
- ボイスコイルが巻回されたボビンを介して前記ボイスコイルに結合される内側円環部と、前記内側円環部の外側に同心状に設けられてフレームに結合される外側円環部と、前記内側円環部と前記外側円環部との間に設けられて前記内側円環部を前記外側円環部に対して前記ボイスコイルの軸方向に振動可能に結合するアーム部とを備え、前記アーム部は、前記内側円環部と前記外側円環部との間で周方向に延びるアーム本体部と、前記アーム部本体の一端部を前記内側円環部に結合する内環接続部と、前記アーム部本体の他端部を前記外側円環部に結合する外環接続部とを備えるスピーカ用蝶ダンパーであって、前記アーム部が、前記スピーカ用蝶ダンパーの半径に直交する平面を対称面とする面対称に設けられ、面対称に設けられた一対の前記アーム部が、前記スピーカ用蝶ダンパーの周方向に等間隔に複数組設けられていることを特徴とするスピーカ用蝶ダンパー。
- 磁気ギャップを有する磁気回路と、前記磁気回路に結合されたフレームと、前記磁気ギャップに配置されたボイスコイルと、前記ボイスコイルが巻回されたボビンと、外周部がエッジを介して前記フレームに結合され、内周部が前記ボビンを介して前記ボイスコイルに結合された振動板と、前記外側円環部が前記フレームに結合され、前記内側円環部が前記ボビンを介して前記ボイスコイルに結合された請求項1に記載のスピーカ用蝶ダンパーとを備えたスピーカ。
Priority Applications (1)
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JP2018200530A JP2020068471A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | スピーカ用蝶ダンパー及びそれを備えたスピーカ |
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Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2018200530A Pending JP2020068471A (ja) | 2018-10-25 | 2018-10-25 | スピーカ用蝶ダンパー及びそれを備えたスピーカ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP7266331B1 (ja) | 2022-01-28 | 2023-04-28 | ウエタックス株式会社 | スピーカ |
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-
2018
- 2018-10-25 JP JP2018200530A patent/JP2020068471A/ja active Pending
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