JP2020067972A - 分散協調制御システム - Google Patents

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智隆 井上
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Abstract

【課題】コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる分散協調制御システムを提供すること。【解決手段】車両内部の車両通信システムを使って相互に通信することにより、協調して車両1を動作させる複数のマスタコントローラ3、4、5と、複数のマスタコントローラ3、4、5の異常を検出する異常監視装置2と、を備える分散協調システムであって、異常監視装置2は、マスタコントローラ3、4、5のうち少なくとも一つに異常が検出された場合、異常が検出されたマスタコントローラ3、4、5を識別する情報と異常の度合いの情報をマスタコントローラ3、4、5に送信し、マスタコントローラ3、4、5は、異常の度合いに応じて、異常が検出されたマスタコントローラを車両通信システムから切離す。【選択図】図1

Description

本発明は、分散協調制御システムに関する。
特許文献1には、故障したコントローラの負荷を故障していないコントローラで協調して代替制御することが記載されている。
特開平06−250869号公報
しかしながら、分散協調システムにおいては、故障と判断されたコントローラの故障状態によっては、そのコントローラが通信システム上に正常ではない応答やノイズを送信し続ける可能性があった。
通信システム上に正常ではない信号が送信され続けると、正常なコントローラの動作が不安定となり、車両の動作が安定しない可能性があった。
そこで、本発明は、コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる分散協調制御システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明は、車両内部の車両通信システムを使って相互に通信することにより、協調して前記車両を動作させる複数の電子制御装置と、前記複数の電子制御装置の異常を検出する制御部と、を備える分散協調システムであって、前記制御部は、前記複数の電子制御装置のうち少なくとも一つに異常が検出された場合、少なくとも異常が検出された前記電子制御装置を識別する情報と異常の度合いの情報を前記複数の電子制御装置に送信し、前記複数の電子制御装置は、前記異常の度合いに応じて、異常が検出された前記電子制御装置を前記車両通信システムから切離すものである。
このように、本発明によれば、電子制御装置に故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
図1は、本発明の一実施例に係る分散協調制御システムの全体ブロック図である。 図2は、本発明の一実施例に係る分散協調制御システムの異常度合いのランク分けの例を示す図である。 図3は、本発明の一実施例に係る分散協調制御システムの異常監視装置の異常監視処理の手順を示すフローチャートである。 図4は、本発明の一実施例に係る分散協調制御システムのマスタコントローラの異常制御処理の手順を示すフローチャートである。
本発明の一実施の形態に係る分散協調制御システムは、車両内部の車両通信システムを使って相互に通信することにより、協調して車両を動作させる複数の電子制御装置と、複数の電子制御装置の異常を検出する制御部と、を備える分散協調システムであって、制御部は、複数の電子制御装置のうち少なくとも一つに異常が検出された場合、少なくとも異常が検出された電子制御装置を識別する情報と異常の度合いの情報を複数の電子制御装置に送信し、複数の電子制御装置は、異常の度合いに応じて、異常が検出された電子制御装置を車両通信システムから切離すよう構成されている。
これにより、本発明の一実施の形態に係る分散協調制御システムは、電子制御装置に故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施例に係る分散協調制御システムについて詳細に説明する。
図1において、本発明の一実施例に係る分散協調制御システムは、車両1に搭載され、制御部としての異常監視装置2と、電子制御装置としてのコントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11とを含んで構成される。
異常監視装置2及びコントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11は、それぞれCPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)と、バックアップ用のデータなどを保存するフラッシュメモリと、入力ポートと、出力ポートとを備えたコンピュータユニットによって構成されている。
これらのコンピュータユニットのROMには、各種定数や各種マップ等とともに、当該コンピュータユニットを異常監視装置2及びコントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11としてそれぞれ機能させるためのプログラムが格納されている。
すなわち、CPUがRAMを作業領域としてROMに格納されたプログラムを実行することにより、これらのコンピュータユニットは、本実施例における異常監視装置2及びコントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11としてそれぞれ機能する。
各コントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11は、例えば、CAN(Controller Area Network)等の規格に準拠した車両通信システムを形成するための図示しないCAN通信線により接続されている。各コントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11は、CAN通信線を介して制御信号等の信号の送受信を相互に行うことができる。
コントローラ3、4、5、6、7、8、9、10、11は、マスタコントローラ3、4、5と、スレーブコントローラ6、7、8、9、10、11に分けられる。マスタコントローラ3、4、5は、スレーブコントローラ6、7、8、9、10、11を制御して割り当てられた機能を制御する。
マスタコントローラ3、4、5が制御する機能としては、例えば、パワートレイン系、操舵系、ブレーキ系、ボディー系、シャシー系などがある。
図1においては、第1マスタコントローラ3が第1スレーブコントローラ6及び第2スレーブコントローラ7を制御する。また、第2マスタコントローラ4が第3スレーブコントローラ8及び第4スレーブコントローラ9を制御する。また、第3マスタコントローラ5が第5スレーブコントローラ10及び第6スレーブコントローラ11を制御する。
異常監視装置2は、第1マスタコントローラ3、第2マスタコントローラ4、第3マスタコントローラ5と、それぞれ接続され、各マスタコントローラ3、4、5に異常が発生していないか監視する。異常監視装置2は、各マスタコントローラ3、4、5と、信号の送受信を行なうことができる。
異常監視装置2は、それぞれのマスタコントローラ3、4、5と、均等な長さの配線で接続されるとよい。
異常監視装置2は、マスタコントローラ3、4、5のいずれかに異常が検出されると、異常が検出されていない正常なマスタコントローラに、異常が検出されたマスタコントローラの機能を代替させる。このため、それぞれのマスタコントローラ3、4、5は、他のマスタコントローラの機能を代替できるように構成されている。
例えば、第2マスタコントローラ4に異常が検出された場合、第1マスタコントローラ3が第3スレーブコントローラ8及び第4スレーブコントローラ9を制御して、第2マスタコントローラ4の機能を代替する。
異常監視装置2は、マスタコントローラ3、4、5のいずれかに異常が検出されると、全てのマスタコントローラ3、4、5に、異常が検出されたマスタコントローラの名称、異常度合い、異常内容などを含む異常情報を送信する。
マスタコントローラ3、4、5は、異常監視装置2から異常情報を受信すると、異常度合いが車両1の走行が困難となるような度合いであれば、異常が検出されたマスタコントローラを車両通信システムから切り離し、異常が検出されたマスタコントローラの機能を代替する。
車両1の走行が困難となる度合いとは、例えば、ステアリング異常、ブレーキ異常、エンジン異常、モータ異常などである。
異常度合いとしては、例えば、図2に示すように、三段階に分けられたランクを用いる。
図2において、ランクAは、異常の内容としては、マスタコントローラ3、4、5からの応答がなく、当該マスタコントローラが制御している領域は制御不能となっている場合である。ランクAの場合、異常が検出されたマスタコントローラは、シャットダウンの必要があると判断される。
ランクBは、マスタコントローラ3、4、5からの応答はあるが、走行に必要な機能が異常をきたしている場合である。ランクBの場合、異常が検出されたマスタコントローラは、シャットダウンの必要があると判断される。
ランクCは、マスタコントローラ3、4、5の一部機能に異常が見られるが、走行に支障はない場合である。ランクCの場合、異常が検出されたマスタコントローラは、シャットダウンの必要はないと判断される。
このように分けられたランクにより、マスタコントローラ3、4、5は、異常度合いがランクAまたはランクBである場合、異常が検出されたマスタコントローラをシャットダウンさせる。
マスタコントローラ3、4、5は、車両通信システムを介して他のマスタコントローラからシャットダウン信号を受信するとシャットダウンするようになっている。
また、マスタコントローラ3、4、5は、互いにハードワイヤで接続され、ハードワイヤを介して他のマスタコントローラから電力供給を停止させることができるようになっている。
マスタコントローラ3、4、5は、車両通信システムを介して、異常が検出されたマスタコントローラから応答がある場合は、シャットダウン信号を送信して異常が検出されたマスタコントローラをシャットダウンさせる。
マスタコントローラ3、4、5は、車両通信システムを介して、異常が検出されたマスタコントローラから応答がない場合は、ハードワイヤを介して異常が検出されたマスタコントローラへの電力供給を停止させる。
また、マスタコントローラ3、4、5は、シャットダウン信号を送信してシャットダウンさせる途中に、シャットダウン中のフリーズ等の何らかの不具合が発生してシャットダウンされなかった場合に、ハードワイヤを介して異常が検出されたマスタコントローラへの電力供給を停止させる。
このようにすることで、異常が検出されたマスタコントローラに負担をかけずに、確実にシャットダウンさせることができる。
マスタコントローラ3、4、5は、ランクAやランクBのような、異常が検出されたマスタコントローラをシャットダウンさせる必要がある異常が発生した場合、警告を出力する。
マスタコントローラ3、4、5は、例えば、パワートレイン系、操舵系、ブレーキ系、を制御するマスタコントローラに異常が検出された場合、車内警告や、ハザードランプまたはブレーキランプを点滅させる。
このようにすることで、外部に危険が及ぶような場合に、外部に車両1が異常状態であることを知らせることができる。
マスタコントローラ3、4、5は、例えば、ボディー系、シャシー系を制御するマスタコントローラに異常が検出された場合、車内警告を行なわせる。
マスタコントローラ3、4、5は、異常度合いがランクCである場合、異常が検出されたマスタコントローラをシャットダウンさせず、異常が検出されたマスタコントローラの機能を制限し、制限した機能を代替する。
このようにすることで、マスタコントローラ3、4、5が異常状態であっても可能な範囲で制御させることで、車両全体としての協調制御の動作の均衡を保ちやすくする。
以上のように構成された本実施例に係る分散協調制御システムの異常監視装置2による異常監視処理について、図3を参照して説明する。なお、以下に説明する異常監視処理は、異常監視装置2が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
ステップS1において、異常監視装置2は、マスタコントローラ3、4、5の異常を検出したか否かを判定する。マスタコントローラ3、4、5の異常を検出していない場合、異常監視装置2は、ステップS1の処理を繰り返す。
マスタコントローラ3、4、5の異常を検出した場合、ステップS2において、異常監視装置2は、全マスタコントローラ3、4、5に、異常が検出されたマスタコントローラの名称、異常度合い、異常内容を含む異常情報を送信し、処理を終了する。
本実施例に係る分散協調制御システムのマスタコントローラ3、4、5による異常制御処理について、図3を参照して説明する。なお、以下に説明する異常制御処理は、マスタコントローラ3、4、5が動作を開始すると開始され、予め設定された時間間隔で実行される。
ステップS11において、マスタコントローラ3、4、5は、異常監視装置2から異常情報を受信したか否かを判定する。異常情報を受信していないと判定した場合、マスタコントローラ3、4、5は、処理を終了する。
異常情報を受信したと判定した場合、ステップS12において、マスタコントローラ3、4、5は、異常度合いが走行に影響を及ぼす度合いであるか否かを判定する。異常度合いが走行に影響を及ぼす度合いではないと判定した場合、マスタコントローラ3、4、5は、処理を終了する。
異常度合いが走行に影響を及ぼす度合いであると判定した場合、ステップS13において、マスタコントローラ3、4、5は、異常なマスタコントローラの代替制御を行なう。
ステップS14において、マスタコントローラ3、4、5は、異常なマスタコントローラを車両通信システムから切離し、処理を終了する。
このように、本実施例では、異常の度合いに応じて、異常が検出されたマスタコントローラが車両通信システムから切り離され、正常なマスタコントローラにより機能が代替される。このため、コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
また、異常が検出されたマスタコントローラを車両通信システムから切り離しているため、異常が検出されたマスタコントローラから、異常な応答がなされることがなく、正常なマスタコントローラ同士が通信できなくなるリスクを抑えることができる。
また、異常度合いが走行に影響を及ぼす度合いである場合は、異常が検出されたマスタコントローラを車両通信システムから切り離しているため、コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
また、車両通信システムを介して、異常が検出されたマスタコントローラから応答がない場合は、異常が検出されたマスタコントローラを車両通信システムから切り離しているため、コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
また、車両通信システムを介して、異常が検出されたマスタコントローラから応答がない場合は、異常が検出されたマスタコントローラをシャットダウンしているため、コントローラに故障が発生した場合でも、車両の動作の安定性を確保することができる。
本発明の実施例を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正及び等価物が次の請求項に含まれることが意図されている。
1 車両
2 異常監視装置(制御部)
3 第1マスタコントローラ(電子制御装置)
4 第2マスタコントローラ(電子制御装置)
5 第3マスタコントローラ(電子制御装置)

Claims (4)

  1. 車両内部の車両通信システムを使って相互に通信することにより、協調して前記車両を動作させる複数の電子制御装置と、前記複数の電子制御装置の異常を検出する制御部と、を備える分散協調システムであって、
    前記制御部は、前記複数の電子制御装置のうち少なくとも一つに異常が検出された場合、少なくとも異常が検出された前記電子制御装置を識別する情報と異常の度合いの情報を前記複数の電子制御装置に送信し、
    前記複数の電子制御装置は、前記異常の度合いに応じて、異常が検出された前記電子制御装置を前記車両通信システムから切離す分散協調システム。
  2. 前記複数の電子制御装置は、前記異常の度合いが前記車両の走行が困難となるような場合に、異常が検出された前記電子制御装置を前記車両通信システムから切離す請求項1に記載の分散協調システム。
  3. 前記制御部は、異常が検出された前記電子制御装置との間で通信が不成立となる場合、異常が検出された前記電子制御装置を前記車両通信システムから切離すような前記異常の度合いを設定する請求項1または請求項2に記載の分散協調システム。
  4. 前記複数の電子制御装置は、異常が検出された前記電子制御装置との間で通信が不成立となる場合、異常が検出された前記電子制御装置への電力供給を停止する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の分散協調システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021164499A (ja) * 2020-04-04 2021-10-14 株式会社三洋物産 遊技機
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