JP2020067440A - 固定用治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェハー表面の光学的検査を容易に行うことが可能な固定用治具を提供する。【解決手段】ウェハー表面を観察するための固定用治具であって、第1の主面および第2の主面を有する板状体と、第1の主面および第2の主面を通って板状体に設けられた貫通孔と、貫通孔の内周部に沿って設けられた、ウェハーを保持可能な保持部と、ウェハーの把持具を挿入することが可能であるように貫通孔の内周部および第1の主面から連続して設けられた複数のポケットとを有する、固定用治具。【選択図】図1

Description

本発明は、試料の固定に用いられる治具に関する。
発光素子や集積回路等の半導体素子は、現代の産業にとって不可欠となっている。一般に半導体素子は、ウェハー(基板)上に素子構造を形成することにより製造される。半導体素子を製造するためのウェハーとしては、シリコン、サファイア、窒化アルミニウム、窒化ガリウム、ガリウムヒ素、炭化ケイ素、等からなるウェハーが知られている。ウェハーを半導体素子の製造プロセスに供するにあたっては、ウェハーの表面が清浄であることが重要である。例えば金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)のゲート長は10nm未満の水準にまで微細化が進んでおり、ウェハー表面の汚れが極めて微細なものであっても半導体素子の製造歩留りを低下させ得る。
半導体デバイス製造業者においてはしばしば、ウェハー製造業者から購入したウェハーが用いられている。ウェハー表面を清浄に保つために、通常、ウェハーはクリーンルーム内で管理および処理されるが、例えば流通プロセスの途中でウェハー表面に汚れ(例えば埃等。)が付着する場合がある。クリーンルーム内でさらなる処理に供される前のウェハー表面に汚れが存在すると、望ましくない結果を招き得る。したがって、ウェハーをさらなる処理に供する前に、ウェハー表面を光学的に検査することが望ましい。
特開2014−006105号公報
ウェハー表面の光学的検査は、何らかの手段によりウェハーを保持して、ウェハー表面に検査用の光を照射することにより行うことができる。一般にウェハー表面は平滑に処理されているので、ウェハー表面に対して斜めに光を照射すると、ウェハ―表面の汚れ(付着物)からは他の箇所とは異なる反射光または散乱光が発生する。この反射光または散乱光により、ウェハー表面の汚れを観察することができる。
特許文献1には、フォトマスク用ブランクの表面を検査するための固定用治具として、「特定の傾斜角度でのみ観察可能である板状基板表面の傷や異物を撮影するための固定用治具であって、面の傾斜角度を調整・固定することが可能な基板保持部を有し、前記基板保持部の四つ角部分に前記板状基板を接触させて載置させることを特徴とする固定用治具」が記載されている。
しかしながら、ウェハー表面を光学的に検査する際、ウェハーの保持に特許文献1に記載の固定用治具を用いた場合には、ウェハー表面に対して斜めに光を照射すると基板保持部の四つ角部分によって光が遮られ、光が照射されない部分がウェハー表面に生じるため、ウェハーの全面を検査することが難しい。
本発明は、ウェハー表面の光学的検査を容易に行うことが可能な、固定用治具を提供することを課題とする。
本発明の一の実施形態は、ウェハー表面を観察するための固定用治具であって、第1の主面および第2の主面を有する板状体と、第1の主面および第2の主面を通って板状体に設けられた貫通孔と、貫通孔の内周部に沿って設けられた、ウェハーを保持可能な保持部と、ウェハーの把持具を挿入することが可能であるように貫通孔の内周部および第1の主面から連続して設けられた複数のポケットと、を有することを特徴とする、固定用治具である。
一の実施形態において、上記複数のポケットは、少なくとも一対のポケットを含み、該一対のポケットは、貫通孔を挟んで対向するように設けられていることが好ましい。
一の実施形態において、上記板状体は帯電防止樹脂からなることが好ましい。
一の実施形態において、上記板状体は透明であることが好ましい。
一の実施形態において、板状体の外周部の角部が面取りされていることが好ましい。
本発明によれば、ウェハー表面の光学的検査を容易に行うことが可能な、固定用治具を提供することができる。
(A)一の実施形態に係る固定用治具100を説明する平面図である。(B)固定用治具100を説明する底面図である。 (A)固定用治具100を説明する正面図である。(B)固定用治具100を説明する左側面図である。 (A)図1(A)のA−A線断面図である。(B)図1(A)のB−B断面図である。(C)図1(A)のC−C線断面図である。(D)図1(A)のD−D線断面図である。(E)図1(A)のE−E線断面図である。(F)図1(A)のF−F断面図である。 (A)固定用治具100の使用状態を説明する平面図である。(B)図4(A)のA−A線断面図である。(C)図4(A)のC−C線断面図である。(D)図4(A)のE−E線断面図である。 (A)他の一の実施形態に係る固定用治具200を説明する平面図である。(B)固定用治具200を説明する底面図である。 (A)固定用治具200を説明する正面図である。(B)固定用治具200を説明する左側面図である。 (A)図5(A)のA−A線断面図である。(B)図5(A)のB−B線断面図である。(C)図5(A)のC−C線断面図である。(D)図5(A)のD−D線断面図である。(E)図5(A)のE−E線断面図である。(F)図5(A)のF−F線断面図である。(G)図5(A)のG−G線断面図である。(H)図5(A)のH−H線断面図である。(I)図5(A)のI−I線断面図である。(J)図5(A)のJ−J線断面図である。(K)図5(A)のK−K線断面図である。(L)図5(A)のL−L線断面図である。 (A)固定用治具200の使用状態を説明する平面図である。(B)図8(A)のA−A線断面図である。(C)図8(A)のE−E線断面図である。(D)図8(A)のI−I線断面図である。
本発明の上記した作用および利得は、以下に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。ただし、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。なお、図面は必ずしも正確な寸法を反映したものではない。また図では、一部の符号を省略することがある。本明細書においては特に断らない限り、数値A及びBについて「A〜B」という表記は「A以上B以下」を意味するものとする。かかる表記において数値Bのみに単位を付した場合には、当該単位が数値Aにも適用されるものとする。また「又は」及び「若しくは」の語は、特に断りのない限り論理和を意味するものとする。
<1.固定用治具(1)>
図1(A)は、本発明の一の実施形態に係る固定用治具100(以下において「治具100」ということがある。)を説明する平面図であり、図1(B)は治具100を説明する底面図である。図2(A)は治具100を説明する正面図であり、図2(B)は治具100を説明する左側面図である。治具100の背面図は正面図(図2(A))と対称であり、治具100の右側面図は左側面図(図2(B))と対称である。図3(A)は図1(A)のA−A線断面図であり、図3(B)は図1(A)のB−B断面図であり、図3(C)は図1(A)のC−C線断面図であり、図3(D)は図1(A)のD−D線断面図であり、図3(E)は図1(A)のE−E線断面図であり、図3(F)は図1(A)のF−F断面図である。
治具100は、ウェハー表面を観察するための固定用治具である。治具100は、第1の主面11及び第2の主面12を有する板状体1と、第1の主面11及び第2の主面12を通って板状体1に設けられた貫通孔2と、貫通孔2の内周部に沿って設けられた保持部31、32と、貫通孔2の内周部および第1の主面11から連続して設けられた複数のポケット41、42と、を有している。
板状体1は樹脂からなり、第1の主面11(図1(A))、第2の主面12(図1(B))、側面13、13(図2(A))、及び側面14、14(図2(B))を有する。板状体1を構成する樹脂は不透明な樹脂(例えば黒色の樹脂。)であってもよいが、透明な樹脂であることが好ましい。板状体1を構成する樹脂の例としては、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、PP(ポリプロピレン)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合合成樹脂)、PET樹脂(ポリエチレンテレフタレート)、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)等を挙げることができる。透明な樹脂で構成されている板状体1を備える治具100によれば、観察すべきウェハーが透明である場合に、観察の背景として暗色の背景(例えば黒色の背景。)を用いることにより、ウェハーの全面にわたって暗色の背景をバックに観察することができるので、ウェハー表面の汚れから発せられる反射光または散乱光を検出することが容易になる。板状体1の厚さ(第1の主面11と第2の主面12との間の距離)は特に制限されるものではなく、作業者が扱いやすい厚さを自由に選択することができ、例えば1〜10mmとすることができる。
板状体1を構成する樹脂は、帯電防止樹脂、すなわち、帯電防止剤を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。板状体1を構成する樹脂に含有させる帯電防止剤としては、樹脂用の練り込み型帯電防止剤、及び/又はカーボンブラックを特に制限なく用いることができ、ノニオン性界面活性剤を含んでなる練り込み型帯電防止剤を好ましく用いることができる。板状体1が帯電防止樹脂で構成されていることにより、治具100が帯びた静電気により埃等の汚れが観察中のウェハーに付着する事態を抑制することが容易になるほか、治具100を洗浄した後の拭き取り及び乾燥の作業中に治具100が静電気を帯びることが抑制されるので、治具100自体に埃等の汚れが付着する事態を抑制することも容易になる。
板状体1の外周部の角部は、面取りされていることが好ましい。すなわち、第1の主面11と側面13、13との接続部、第1の主面11と側面14、14との接続部、第2の主面12と側面13、13との接続部、第2の主面12と側面14、14との接続部、側面13、13と側面14、14との接続部のそれぞれが、内角が90度以下の角部を有しないことが好ましい(図1(A)及び(B)、並びに図2(A)及び(B)参照。)。板状体1の外周部の角部における面取りは、図1及び図2に示すように角面を形成すること(例えば45°面取り等。)により行われていてもよく、また丸面を形成すること(丸み面取り)により行われていてもよい。板状体1の外周部の角部が面取りされていることにより、作業者が着用している手袋が治具100を用いた観察作業中に破れる事態を抑制することが容易になる。
貫通孔2は、第1の主面11及び第2の主面12を通るように板状体1を貫通して設けられた、貫通孔である。第1の主面11における開口部において、貫通孔2は、観察すべきウェハーを挿入可能な形状を有している。第1の主面11における貫通孔2の開口部の形状は、観察すべきウェハーの形状に合わせた円形であることが好ましい。貫通孔2は、例えば射出成型により形成されていてもよく、また例えば穴あけ加工により形成されていてもよい。
治具100において、貫通孔2は、板状体1の長手方向(図1(A)紙面左右方向)の中心から、該長手方向に(図1(A)において紙面左側に)ずれた位置に設けられている。このように貫通孔2が板状体1の中心から長手方向にずれた位置に設けられていることにより、作業者が板状体1のうち貫通孔2から離れた部分を掴むことが容易になるので、治具100を用いた観察作業が容易になる。同様の観点から、治具100の平面視(図1(A))において、貫通孔2の内周部と板状体1の外周部(すなわち側面13、13及び側面14、14。)との間の領域が、ある程度の広さを有することが好ましい。具体的には、治具100の平面視(図1(A))において、貫通孔2の内周部と板状体1の外周部との間の最短距離が、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。貫通孔2の内周部と板状体1の外周部との間の最短距離の上限値は特に制限されるものではないが、例えば200mm以下とすることができる。
保持部31、32は、貫通孔2の内周部に沿って設けられた凸部である(図3(A)〜(F)参照。)。保持部31、32が存在する部分において、貫通孔2の断面の短径は、貫通孔2の第1の主面11における開口部の短径よりも小さくなっている。図4(A)は、固定用治具100によって円形のウェハー50を保持した姿勢を説明する平面図であり、図1(A)に対応する。図4(B)は図4(A)のA−A線断面図であり、図3(A)に対応する図である。図4(C)は図4(A)のC−C線断面図であり、図3(C)に対応する図である。図4(D)は図4(A)のE−E線断面図であり、図3(E)に対応する図である。図4(A)〜(D)において、図1〜3に表れた要素には図1〜3における符号と同一の符号を付し、説明を省略する。保持部31、32は、第1の主面11に平行な保持面を画定しており、貫通孔2の開口部に第1の主面11側からウェハー50を挿入すると(図4(A)参照。)、保持部31、32によってウェハー50が裏面から保持される(図4(B)〜(D)参照。)。保持部31、32によって画定される保持面と、第1の主面11との距離(すなわち保持部の深さ)は、観察すべきウェハー50の厚さよりも短い(浅い)ことが好ましい。保持部の深さが観察すべきウェハー50の厚さよりも浅いことにより、保持部31、32によって保持されたウェハー50の表面が第1の主面11から飛び出す(図4(B)〜(D)参照。)ので、治具100に保持されたウェハー50の表面に対して斜めに検査用の光を照射した際に、治具100の部材に光が遮られてウェハー50の表面に影を生じることがない。したがってウェハー50の全面にわたって表面の光学的検査を容易に行うことができる。保持部の深さは、観察すべきウェハー50の厚さより浅い限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば0.1〜3mmとすることができる。また保持部31、32が存在する部分における貫通孔2の短径は、貫通孔2の第1の主面11における開口部の短径の80%〜99%であることが好ましく、90〜99%であることがより好ましい。当該割合が上記下限値以上であることにより、治具100に保持したウェハー50の表面を、レンズを有する光学系(例えば光学顕微鏡、カメラ等。)を用いて観察する際に、ウェハー50の裏側に治具100の部材が存在しない領域を広く取ることができる。また当該割合が上記上限値以下であることにより、保持部31、32によってウェハー50を安定的に保持することが容易になる。保持部31、32は、例えば射出成型により形成されていてもよく、また例えば切削加工により形成されていてもよい。
一対のポケット41、42(以下において単に「ポケット41、42」ということがある。)は、貫通孔2の内周部および第1の主面11から連続して設けられた凹部であり(図1(A)、図3(A)〜(D)参照。)、ウェハー50の把持具(例えばピンセット等。)を挿入することが可能な寸法を有している。ポケット41、42は、ポケット41、42に挿入した把持具によってウェハー50を把持することが容易であるように、貫通孔2を挟んで相互に対向するように設けられている(図1(A)、図3(C)及び(D)、並びに図4(C)参照)。ポケット41、42は、例えば射出成型により形成されていてもよく、また例えば切削加工により形成されていてもよい。
固定用治具100によれば、治具100に保持したウェハー50の表面に対して斜めに検査用の光を照射した際に、治具100の部材によってウェハー50の表面に影を生じることがないので、ウェハー50の全面にわたって表面の光学的検査を容易に行うことができる。
また、治具100が貫通孔2を備えることにより、ウェハー50と、ウェハー50の裏側(第2の主面12側)に存在する物体(背景)とは、物理的に離されることになる。そのため、治具100に保持したウェハー50の表面を、レンズを有する光学系(例えば光学顕微鏡、カメラ等。)を用いて観察する場合には、光学系のピントをウェハー50の表面に合わせると、光学系のピントはウェハー50の裏側の物体(背景)には合わなくなる。したがって、ウェハー50が透明な場合であっても、ウェハー50表面の汚れからの反射光または散乱光のみを明瞭に観察することが可能である。また、ウェハー50と、ウェハー50の裏側に存在する物体(背景)とが接触しないので、観察中にウェハー50の裏側に存在する物体に由来する汚れ(例えば埃等。)がウェハー50の裏面に付着することがない。そのため、洗浄が困難なステージ(例えば石定盤等。)の上で治具100を用いる場合であっても、ウェハー50の裏面の汚染を防止することが可能である。
また、保持部31、32は貫通孔2の内周部に沿って、且つ第1の主面11よりも第2の主面12側に設けられているので(図3(A)(B)(E)及び(F)参照。)、治具100に保持されたウェハー50の動きは、保持部31、32がなす保持面によって第1の主面11に交差する方向に制限されるだけでなく、貫通孔2の内周部によって第1の主面11に平行な方向にも制限される。そのため、治具100に保持されたウェハー50を固定するには治具100を固定すれば十分であり、ウェハー50をテープ、錘、磁石等で直接固定する必要はない。したがって、治具100の表面が清浄に保たれている限り、ウェハー50の固定手段に由来する汚れによるウェハー50の汚染を防止することが可能である。
上記説明では、板状体1を構成する樹脂が帯電防止樹脂、すなわち、帯電防止剤を含有する樹脂組成物の硬化物である形態の固定用治具100を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、板状体を構成する樹脂が帯電防止剤を含有せず、治具の表面全体が帯電防止剤で被覆されている形態の固定用治具とすることも可能である。治具の表面を被覆する帯電防止剤としては、樹脂用の表面塗布型帯電防止剤(例えば、両イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、帯電防止フッ素樹脂コーティング等。)を特に制限なく用いることができる。板状体を構成する樹脂が帯電防止剤を含有しない場合、治具表面の帯電防止被覆層は、保持部およびポケットを形成した後に形成することが好ましく、保持部およびポケットの形成、並びに板状体外周部の面取り処理の後に形成することが好ましい。なお、洗浄処理による帯電防止性能の低下を抑制する観点からは、板状体を構成する樹脂は、帯電防止剤を含有する樹脂組成物の硬化物であることが好ましい。
<2.固定用治具(2)>
上記説明では、2つ(一対)のポケット41、42を有する形態の固定用治具100を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、3つ以上のポケットを有する形態の固定用治具とすることも可能である。図5(A)は、そのような他の一の実施形態に係る固定用治具200(以下において「治具200」ということがある。)を説明する平面図であり、図5(B)は治具200を説明する底面図である。図6(A)は治具200を説明する正面図であり、図6(B)治具200を説明する左側面図である。治具200の背面図は正面図(図6(A))と対称であり、治具200の右側面図は左側面図(図5(B))と対称である。図7(A)は図5(A)のA−A線断面図であり、図7(B)は図5(A)のB−B線断面図であり、図7(C)は図5(A)のC−C線断面図であり、図7(D)は図5(A)のD−D線断面図であり、図7(E)は図5(A)のE−E線断面図であり、図7(F)は図5(A)のF−F線断面図であり、図7(G)は図5(A)のG−G線断面図であり、図7(H)は図5(A)のH−H線断面図であり、図7(I)は図5(A)のI−I線断面図であり、図7(J)は図5(A)のJ−J線断面図であり、図7(K)は図5(A)のK−K線断面図であり、図7(L)は図5(A)のL−L線断面図である。図8(A)は治具200にウェハー51を保持した姿勢を説明する平面図であり、図5(A)に対応する図である。図8(B)は図8(A)のA−A線断面図であり、図7(A)に対応する図である。図8(C)は図8(A)のE−E線断面図であり、図7(E)に対応する図である。図8(D)は図8(A)のI−I線断面図であり、図7(I)に対応する図である。図5〜図8において、図1〜4に既に表れた要素には図1〜4における符号と同一の符号を付し、説明を省略する。
治具200は、計4つのポケット(一対のポケット41、42、及び他の一対のポケット241、242(以下において単に「ポケット241、242」ということがある。))を有する点、及び、保持部31がポケット241によって保持部231と保持部233とに分かたれ、保持部32がポケット242によって保持部232と保持部234とに分かたれている点において、治具100と異なっている。
ポケット241、242は、ポケット41、42と同様に、貫通孔2の内周部および第1の主面11から連続して設けられた凹部であり(図5(A)、図7(A)〜(L)参照。)、ウェハー51の把持具(例えばピンセット等。)を挿入することが可能な寸法を有している。ポケット241、242は、ポケット241、242に挿入した把持具によってウェハー51を把持することが容易であるように、貫通孔2を挟んで相互に対向するように設けられている(図5(A)、図7(A)〜(D)、並びに図8(B)参照。)。ポケット241、242は、例えば射出成型により形成されていてもよく、また例えば切削加工により形成されていてもよい。
保持部231〜234は、第1の主面11に平行な保持面を画定しており、貫通孔2の開口部に第1の主面11側からウェハー51を挿入すると(図8(A)参照。)、保持部231〜234によってウェハー51が裏面から保持される(図8(B)〜(D)参照。)。保持部231〜234によって画定される保持面と、第1の主面11との距離(すなわち保持部の深さ)は、観察すべきウェハー51の厚さよりも短い(浅い)ことが好ましい。保持部の深さが観察すべきウェハー51の厚さよりも浅いことにより、保持部231〜234によって保持されたウェハー51の表面が第1の主面11から飛び出す(図8(B)〜(D)参照。)ので、治具200に保持されたウェハー51の表面に対して斜めに検査用の光を照射した際に、治具200の部材に光が遮られてウェハー51の表面に影を生じることがない。したがってウェハー51の全面にわたって表面の光学的検査を容易に行うことができる。保持部の深さは、観察すべきウェハー51の厚さより浅い限りにおいて特に制限されるものではないが、例えば0.1〜3mmとすることができる。また保持部231〜234が存在する部分における貫通孔2の短径は、貫通孔2の第1の主面11における開口部の短径の80%〜99%であることが好ましく、90%〜99%であることがより好ましい。当該割合が上記下限値以上であることにより、治具200に保持したウェハー51の表面を、レンズを有する光学系(例えば光学顕微鏡、カメラ等。)を用いて観察する際に、ウェハー51の裏側に治具200の部材が存在しない領域を広く取ることができる。また当該割合が上記上限値以下であることにより、保持部231〜234によってウェハー51を安定的に保持することが容易になる。保持部231〜234は、例えば射出成型により形成されていてもよく、また例えば切削加工により形成されていてもよい。
図4(A)においてはウェハー50として円形のウェハーを例に挙げたが、図8(A)に示すように、ウェハー51は、オリエンテーションフラット51aを有することにより部分的に歪んだ円形のウェハーである。一般に、ウェハーの形状が、貫通孔2の第1の主面11側の開口部に挿入可能であって且つ保持部(231〜234)によって保持可能な形状であれば、本発明の固定用治具を用いて該ウェハーを保持することができる。
本発明に関する上記説明では、偶数個のポケット(41及び42、又は41、42、241、及び242)を有する形態の固定用治具100、200を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、奇数個のポケットを有する形態の固定用治具とすることも可能である。奇数個のポケットを有する形態の一例としては、貫通孔の周部を3等分するように設けられた3つのポケットを有する形態を挙げることができる。そのような形態の固定用治具は、奇数個の方向(例えば3方向。)からウェハーを把持する形態の把持具を用いる場合に、好ましく用いることができる。ポケットの総数は2個以上である限りにおいて特に制限されるものではないが、各ポケットの広さを確保する観点、及び、固定用治具の製造コストの観点からは、好ましくは6個以下である。
また本発明に関する上記説明では、一対または二対のポケットが貫通孔を挟んで対向するように設けられている形態の固定用治具100、200を例に挙げたが、本発明は当該形態に限定されない。例えば、奇数個のポケットを有する場合には特に、2つのポケットが貫通孔を挟んで正対していない形態の固定用治具とすることも可能である。
100、200 固定用治具
1 板状体
11 第1の主面
12 第2の主面
13、14 側面
2 貫通孔
31、32、231、232、233、234 保持部
41、42、241、242 ポケット
50、51 試料(ウェハー)

Claims (5)

  1. ウェハー表面を観察するための固定用治具であって、
    第1の主面および第2の主面を有する板状体と、
    前記第1の主面および前記第2の主面を通って前記板状体に設けられた貫通孔と、
    前記貫通孔の内周部に沿って設けられた、ウェハーを保持可能な保持部と、
    ウェハーの把持具を挿入することが可能であるように前記貫通孔の内周部および前記第1の主面から連続して設けられた、複数のポケットと、
    を有することを特徴とする、固定用治具。
  2. 前記複数のポケットは、少なくとも一対のポケットを含み、
    前記一対のポケットは、前記貫通孔を挟んで対向するように設けられている、
    請求項1に記載の固定用治具。
  3. 前記板状体は帯電防止樹脂からなる、
    請求項1又は2に記載の固定用治具。
  4. 前記板状体は透明である、
    請求項1〜3のいずれかに記載の固定用治具。
  5. 前記板状体の外周部の角部が面取りされている、
    請求項1〜4のいずれかに記載の固定用治具。
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