JP2011077150A - 貼り合せ装置及び貼り合せ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板と、当該基板を支持する支持基板を押圧して貼り合せる際の圧力差を低減し、基板の全面に亘って精度よく貼り合せる。
【解決手段】円形の平面形状を有するウェハWと、当該ウェハWを支持する支持基板Gとを貼り合せる貼り合せ装置1は、ウェハと支持基板Gを重ね合せた状態で、ウェハWの外側面と支持基板Gの外側面に嵌め合される枠体10と、枠体10に嵌め合されたウェハと支持基板Gを枠体10ごと押圧するローラ11と、を有している。ローラ11は軸方向の長さが、ウェハの径よりも大きく形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハ等の部材を貼り合せる貼り合せ装置及びその貼り合せ装置を用いた貼り合せ方法に関する。
近年、半導体デバイス(以下、「デバイス」という)の製造においては、デバイスの高集積化が進んでいる。その一方で、高集積化された複数のデバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、及び配線遅延が大きくなることが問題となる。
この問題を解決するための技術として、デバイスを3次元に積層する3次元集積技術が用いられる。この3次元集積技術においては、積層したデバイスの高さを抑えるために薄板状の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という)が用いられるのが通常である。しかしながら、薄板状のウェハは剛性が低く、研磨や切断といった加工を行う際に割れてしまうことがある。そこで、薄板状のウェハを加工するにあたり、粘着シート等を貼付したウェハ支持用の基板(以下、「支持基板」という)をローラ等で押圧しながらウェハに貼り合せることで、ウェハに剛性を付与する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2007−258210号公報
ところで、ウェハと支持基板を精度よく貼りあわせるためには、均一かつ高荷重でウェハと支持基板を押圧する必要がある。しかしながら、例えば特許文献1に示される、保持体に保持されたウェハと支持基板とをローラを用いて貼り合せる場合、ローラがウェハを押圧する場所が変化するにつれて、ローラがウェハに接する部分の長さも変化する。具体的には、例えば図16に示すように、ローラ100が保持体101上のウェハWと支持基板Gの外周部近傍を押圧する際に、図17に示されるウェハWとローラ100とが接触する部分D1の長さと、ウェハWの中央部近傍を押圧する際に接触する部分D2の長さとは、異なった値となる。このため、ローラ100による保持体101側への荷重を一定に保ちながらウェハWを押圧しても、ローラ100によるウェハWへの単位面積あたりの荷重、即ち圧力はウェハWとローラ100との接触する部分の長さにつれて変化し一定とならない。このため、ウェハWの全面に亘り精度よく貼り合せを行うことができなかった。特に、ウェハWの外周端部ではローラ100と点で接触するため、ウェハWの中央部近傍とでは圧力に著しい差が生じてしまっていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、基板と、当該基板を支持する支持基板を押圧して貼り合せる際の圧力差を低減し、基板の全面に亘って精度よく貼り合せることを目的としている。
上記目的を達成するための本発明は、基板と、当該基板を支持する支持基板とを貼り合せる貼り合せ装置であって、前記基板と前記支持基板を重ね合せた状態で、当該基板の外側面と当該支持基板の外側面に嵌め合される枠体と、前記枠体に嵌め合された前記基板と前記支持基板を保持する保持体と、前記基板と前記支持基板を前記枠体ごと前記保持体側に押圧する押圧部材と、を有し、前記押圧部材は、長手方向の長さが前記基板の径よりも大きく、且つ短手方向の長さが前記基板の径よりも小さいことを特徴としている。
本発明によれば、枠体に嵌め合せた状態の基板と支持基板を、回転軸方向の幅が基板の径よりも大きいローラで押圧するので、前記ローラが基板を押圧する際、基板及び支持基板と、基板の外側面に嵌め合された枠体の両方にローラが接触した状態となる。これにより、ローラによる荷重が基板と支持基板のみでなく枠体にも分散する。特に、ウェハWの外周端部においては、ローラと基板とが点で接触することを防止できる。そのため、基板の形状につれて変化するローラによる圧力差、特に外周端部近傍と中央部近傍との圧力差を低減することができる。したがって、ウェハWの全面に亘り精度よく貼り合せを行うことができる。
前記押圧部材の表面は、弾性を有していてもよい。
前記支持基板の径は前記基板の径より大きく、前記枠体の内側面には、前記基板側に突出した突出部が形成されていてもよい。
また、前記保持体は、前記押圧部材に対向して配置された他の押圧部材であってもよい。
前記枠体は平面視において矩形状に形成され、前記押圧部材は前記枠体の一の辺と平行に配置されていてもよい。
前記基板は、円形の平面形状を有していてもよい。
また、前記押圧部材は、ローラであってもよい。
前記基板と前記支持基板は、流動性を有する接着剤を介して貼り合わされ、前記枠体の突出部と前記支持基板との間には、前記基板と前記支持基板の間から前記接着剤を流出させるための隙間が形成されていてもよい。
また、前記枠体の内側面には、前記基板と前記支持基板の間から前記接着剤を前記枠体の表面に排出するための溝が形成されていてもよい。かかる場合、前記溝部は、前記枠体の内周に沿って複数形成されていてもよい。
前記枠体の表面は、前記接着剤に対して撥液性を有していてもよい。
別な観点による本発明は、円形の平面形状を有する基板と、当該基板を支持する支持基板とを貼り合せる貼り合せ方法であって、前記基板と前記支持基板を重ね合せた状態で、当該基板の外側面と支持基板の外側面に枠体を嵌め合せ、長手方向の長さが前記基板の径より大きく、且つ短手方向の長さが前記基板の径より小さい押圧部材と保持体とで前記基板と前記支持基板を枠体ごと挟み、前記押圧部材で押圧しながら前記基板と前記支持基板とを貼り合せることを特徴としている。
前記押圧部材の表面は、弾性を有していてもよい。
また、前記支持基板の径は、前記基板の径より大きく、前記枠体の内側面には、前記支持基板に嵌合される内側面が突出した突出部が形成されていてもよい。
前記保持体は、前記押圧部材に対向して配置された他の押圧部材であってもよい。
前記枠体は矩形の平面形状を有し、前記押圧部材を前記枠体の一の辺と平行に保ち、前記押圧部材を前記枠体に対して相対的に移動させながら押圧してもよい。
前記基板は、円形の平面形状を有していてもよい。
また、前記押圧部材は、ローラであってもよい。
本発明によれば、基板と、当該基板を支持する支持基板を押圧して貼り合せる際の圧力差を低減し、基板の全面に亘って精度よく貼り合せることができる。
本実施の形態にかかる貼り合せ装置の構成の概略を示す側面図である。 本実施の形態にかかる貼り合せ装置の構成の概略を示す平面図である。 枠体の構成の概略を示す説明図である。 枠体にウェハ及び支持基板が嵌め合された様子、及び枠体とローラが接触した様子を示す断面図である。 ローラと枠体とが接触した状態を示す説明図である。 ローラとウェハ、支持基板及び枠体との接触状態を示す説明図である。 ローラによる貼り合せの様子を示す説明図である。 枠体がローラに対して傾いて配置された状態を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる枠体の構成の概略を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる枠体の構成の概略を示す説明図である。 枠体とウェハとの間に隙間が形成された状態を示す説明図である。 突出部が形成された枠体を示す説明図である。 複数の溝が形成された枠体の構成の概略を示す平面図である。 枠体の突出部と支持基板との間に隙間を設けた状態を示す説明図である。 他の実施の形態にかかる貼り合せ装置の構成の概略を示す側面図である。 従来の貼り合せ装置の構成の概略を示す側面図である。 ローラとウェハ及び支持基板との接触状態を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態にかかる貼り合せ装置1の構成の概略を示す縦断面図であり、図2は実施の形態にかかる貼り合せ装置1の構成の概略を示す平面図である。
貼り合せ装置1は、基板としてのウェハW及びウェハW支持のために接着剤Bを介してウェハWに重ね合された支持基板Gに嵌め合される枠体10と、ウェハWと支持基板Gを枠体10ごと挟んで押圧する一対のローラ11と、枠体10と共にウェハW及び支持基板Gを搬送する搬送機構12を有している。なお、本実施の形態における支持基板Gには、例えば板状のガラス基板が用いられる。また、本実施の形態における接着剤Bとしては、例えば流動性を有するペースト状のものが用いられるが、接着剤Bとしては両面に粘着性の材料が塗布された粘着シート等を用いてもよい。
ウェハWは、図3及び図4に示すように、その厚みがA1で、平面視において直径Rの略円盤状に形成されている。支持基板Gも、平面視においてウェハWと同一の直径Rを有し、厚みがA2の略円盤状に形成されている。
枠体10は、図3に示すように、例えば平面視において一辺の長さがCの略矩形で、厚みがA3の板状に形成されている。枠体10には、ウェハW及び支持基板Gの平面形状に倣った、即ち直径Rの開口部20が形成されており、当該開口部20に、図4に示すように、ウェハWの外側面Wa及び支持基板Gの外側面Gaが嵌め合される。ウェハW及び支持基板Gは、枠体10の開口部20において、例えば下からウェハW、接着剤B、支持基板Gの順で重ね合されている。なお、ウェハWと支持基板Gとの重ね合せの順序は本実施の形態に限定されるものではなく、支持基板Gの上にウェハWが重ね合されていてもよい。
枠体10の厚みA3は、図4に示すように、例えばウェハWの厚みA1、支持基板Gの厚みA2、及びウェハWと支持基板Gとの間に塗布される接着剤Bの厚みA4との和に等しくなるように形成されている。したがって、枠体10の下面と枠体10に嵌め合されたウェハWの下面、及び枠体10の上面と枠体10に嵌め合された支持基板Gの上面とは、夫々段差なく同一平面上に位置している。
枠体10には、ローラ11により押圧された際に撓むことのない剛性を有する材質が用いられ、本実施の形態においては、例えばアルミなどが用いられる。枠体10の表面は、接着剤Bに対して撥液性を有する、例えばフッ素樹脂系の材料により撥液処理されており、枠体10に付着した接着剤Bが、枠体10から容易に剥れるようになっている。このため、枠体10に嵌め合されたウェハWと支持基板Gは、接着剤Bによって枠体10に貼り付いてしまうことはない。
ローラ11は、図1に示すように所定の間隔Hで上下に対向配置された、押圧部材としての略円筒形の上ローラ30と下ローラ31を有している。上ローラ30及び下ローラ31の軸方向の長さLは、図2に示すように、ウェハWの直径Rよりも大きく形成されている。ローラ11は、例えば枠体10の一の辺とローラ11の軸方向とが平行となるように配置されている。
上ローラ30の中心軸には、例えば図1に示すように軸棒32が挿通されている。軸棒32には、当該軸棒32を回転駆動する回転機構33が設けられ、上ローラ30は、回転機構33により、例えば時計回りに所定の速度で回転する。軸棒32は、軸棒32を摺動自在に支持する支持棒34により上方から支持されている。支持棒34の上端部は、上ローラ30を鉛直方向(図1のX方向)に昇降させる昇降機構35に接続されており、上ローラ30を鉛直下方に降下させることでローラ11に挟まれるウェハWと支持基板Gを下ローラ31側に押圧することができる。したがって、上ローラ30の鉛直方向の位置、即ち上ローラ30と下ローラ31との間隔Hを昇降機構35により調整することで、ローラ11に挟まれるウェハWと支持基板Gとを押圧する荷重を制御することができる。
下ローラ31は、上ローラ30と同様に軸棒32と回転機構33を有し、上ローラ30と同じ速度で反時計回りに回転する。したがって、夫々逆方向に回転する上ローラ30と下ローラ31に挟まれたウェハW、支持基板G、及び枠体10は、上ローラ30と下ローラ31に押圧されながら、ローラ11の回転方向、即ち図1の左方向に搬送される。下ローラ31の軸棒32は、当該軸棒32を摺動自在に支持する支持棒36により下方から支持されている。支持棒36の下端部は、台座37に固定されており、上ローラ30による鉛直下向きの荷重が支持される。
上ローラ30及び下ローラ31は、その表面が、例えばシリコンゴムなど弾性を有する弾性体50により形成されている。したがって、ローラ11によりウェハW及び支持基板Gを押圧する際に表面の弾性体50が撓み、例えば図4に示すように、支持基板G及び枠体10と上ローラ30とは、線ではなく所定の幅Zを有する面で接触する。なお、図4においては図示の都合上、上ローラ30のみ描図しているが、ウェハW及び枠体10と下ローラ31とも同様に所定の幅Zを有する面で接触する。
ウェハWと支持基板Gを枠体10と共に搬送する搬送機構12は、例えば図1に示すように、ローラ11の回転方向(図1のY方向)に沿って、ローラ11の両側に設けられている。搬送機構12としては、例えばベルトコンベアーなどが用いられる。搬送機構12は、例えばその上面が下ローラ31の上端と同一平面になるように高さ方向の配置が調整されており、ローラ11に向けてウェハW、支持基板G及び枠体10を搬送すると共に、ローラ11で押圧されたウェハW、支持基板G及び枠体10の貼り合せ装置1からの搬出を行う。
本実施の形態にかかる貼り合せ装置1は以上のように構成されており、次にこの貼り合せ装置1で行われるウェハWと支持基板Gとの貼り合せについて説明する。
先ず、枠体10の下面とウェハWの下面が同一平面となるように枠体10にウェハWを嵌め合わせ、ウェハWの上面に接着剤Bを塗布する。次いで、接着剤Bが塗布されたウェハWの上面に支持基板Gを嵌め合せる。この際、支持基板Gの上面と枠体10の上面とが同一平面となるように、ウェハWの上面に塗布される接着剤Bは、その厚みがA4に調整されている。なお、枠体10にウェハWと支持基板Wを嵌め合せる際は、予めウェハWと支持基板Gとを接着剤Bを介して重ね合せておいてから枠体10に嵌め合せてもよく、その手順は本実施の形態によらず任意に決定可能である。
次いで、枠体10に嵌め合されたウェハWと支持基板Gを枠体10ごと搬送機構12に載置し、ローラ11に向けて搬送する。この際、上ローラ30と下ローラ31との間隔Hが、例えば図1に示すように、枠体10の厚みA3より大きくなるよう、昇降機構35により上ローラ30の鉛直方向の位置が調整されている。
その後、搬送機構12により搬送される枠体10における進行方向の端部がローラ11の間を横切ると、図5に示すように、上ローラ30が所定の位置まで下降し、上ローラ30により枠体10の上面が押圧される。この際、上ローラ30の鉛直方向の位置、即ち上ローラ30と下ローラ31の間隔Hは、試験などにより枠体10を押圧する荷重が所定の値となるような間隔が予め求められている。なお、上ローラ30は、枠体10がローラ11の間に搬送される前に予め所定の位置まで下降されていてもよい。
その後、ウェハWと支持基板Gは、枠体10と共にローラ11及び搬送機構12によりローラ11の回転方向(図5のX方向負方向側)に向かって搬送され、ウェハWと支持基板Gとが順次ローラ11により押圧され、貼り合せが行われる。この際、例えば図6に斜線で示すように、ローラ11におけるウェハW及び支持基板Gに対応する部分Y1はウェハW及び支持基板Gと、枠体10に対応する部分Y2は枠体10と夫々所定の幅Zで接触する。即ち、ローラ11は、枠体10の長さCとローラ11の接触部の幅Zとの積で表される接触面積を保ちながら、枠体10、ウェハW及び支持基板Gとに接触する。ウェハWと支持基板Gは、図7に示すように、そのまま枠体10ごとローラ11の回転方向に搬送されながら押圧され、ウェハWと支持基板Gとの貼り合せが完了する。貼り合せが完了したウェハWと支持基板Gは、枠体10ごと搬送機構12により貼り合せ装置1の外部に搬送され、この作業が繰り返し行われる。
以上の実施の形態によれば、その長さLがウェハWの直径Rより大きいローラ11によりウェハWと支持基板Gを枠体10ごと押圧するので、ローラ11がウェハWと支持基板Gを押圧する際は、枠体10もローラ11により押圧された状態となる。このため、貼り合せの際のローラ11による荷重が、ウェハWと枠体10とに分散され、特に、ウェハWの外周端部においては、ローラ11とウェハWとが点で接触することを防止できる。したがって、従来の貼り合せ方法、即ち枠体10を用いずに貼り合せを行う際に生じていた、例えばウェハWの外周端部近傍と中央部近傍との圧力差を低減することができる。したがって、ウェハWの全面に亘り精度よく貼り合せを行うことができる。
また、ローラ11がウェハWと支持基板Gを押圧するに先立ち枠体10を押圧し、その際に上ローラ30の鉛直方向の位置を制御し、ローラ11による荷重が所定の値となるように調整することができるので、ローラ11がウェハWと支持基板Gを押圧する荷重が過大になったり過小になったりすることがない。したがって、ウェハWと支持基板Gを適正な圧力で貼り合せることができる。
さらには、枠体10を矩形状とし、ローラ11が枠体10の一の辺に平行に設けられているので、例えば図6に示すように、ローラ11がウェハW及び支持基板Gと接触する部分Y1と、ローラ11が枠体10と接触する部分Y2の面積の和である、枠体10の長さCとローラ11の接触部の幅Zとの積で表される接触面積は枠体10の全面に亘って一定となる。したがって、ローラ11の荷重を一定に保つことで、ウェハWと支持基板Gを均一な圧力で押圧し、更に精度の高い貼り合せを行うことができる。なお、例えば図8に示すように、ローラ11と枠体10の一の辺とが傾いて配置されている場合でも、図8に斜線部で示すようにローラ11がウェハW及び支持基板Gとに接する、平面視において例えば平行四辺形となる領域Nにおいて、図6に示されるローラ11と接触する部分Y1、2の面積の和が一定となればよいので、ローラ11と枠体10とは必ずしも平行である必要はない。このことは、ローラ11と枠体10とのアライメントを厳密に行う必要が無いことを意味している。
また、ローラ11の表面が弾性体50で形成されていない場合、即ちローラ11の表面が弾性を有しない場合は、ローラ11とウェハW、支持基板G及び枠体10とは面ではなく線で接触することとなるが、この場合もローラ11による荷重はウェハWと枠体10とに適正に分散されるため、本発明によれば、枠体10を用いることで、ローラ11の表面が弾性を有するか否かにかかわらず、ウェハWの全面に亘り精度よく貼り合せを行うことができる。
なお、枠体10の形状は矩形に限定されるものではなく、ローラ11による荷重を分散できれば、例えば図9に示すように平面視において略楕円形状等であってもよい。また、開口部20は枠体10の中心に設けられる必要はなく、図10に示すように、開口部20の中心が枠体10の中心に対して偏心していてもよい。また、基板としてのウェハWの形状も円形に限定されるものではない。即ち、図16及び図17に示すような、枠体10を使用しない従来の貼り合せを行った際に、ローラ100とウェハWとが接触する部分の長さであるD1とD2が異なった値となるようなウェハWの形状には、円形以外に台形や楕円形といった形状が考えられるが、そのような全ての形状のウェハWに対して本発明は好適に用いることができる。
また、以上の実施の形態においては、ローラ11の表面が弾性体50により形成されているので、例えば、図11に示すように枠体10の内側面10aとウェハWの外側面Wa、或いは枠体10と支持基板Gとの間に隙間Uが存在していたとしても、ローラ11は当該隙間Uを跨いで枠体10とウェハW或いは枠体10と支持基板Gの両方に接触可能である。このため、ローラ11がウェハWの外周端部、若しくは支持基板Gの外周端部と点、或いは線で接触することがなく、ウェハW及び支持基板Gとローラ11とは常に面接触の状態を保つことができる。したがって、ウェハW或いは支持基板と枠体10との間に隙間Uがある場合でも、ウェハWの外周端部或いは支持基板Gの外周端部に荷重が集中し、ウェハW或いは支持基板Gの一部に過大な力が掛かることを防止できる。それゆえ、安定して精度の良い貼り合せを行うことが可能である。
また、以上の実施の形態によれば、ウェハWと支持基板Gを枠体10の開口部20に嵌め合せるので、それによりウェハWと支持基板Gとのアライメントを正確に行うことができる。さらには、ウェハWと支持基板Gがローラ11により押圧される際、ウェハWと支持基板Gにはローラ11の回転による水平方向の力が働くが、外側面Wa、Gaが枠体10の開口部20の内側面により支持されるので、ウェハWと支持基板Gとの相対的な位置が、水平方向の力によりずれてしまうことを防止できる。
以上の実施の形態においては、ウェハWと支持基板Gの直径Rは同一であったが、ウェハWの径と支持基板Gの径の大きさは大小を問わないが、好ましくはウェハWよりも支持基板Gの径の方が大きい方が好ましい。
支持基板Gの径をウェハWの径よりも大きくした場合、例えば図12に示すように、枠体10の開口部20の内側面に、ウェハWの外側面Wa側に突出した突出部10aを形成してもよい。突出部10aを形成することで、ウェハWを突出部10aに、ウェハWの直径Rより大きい直径の支持基板Gを開口部20の内側面に、それぞれ嵌め合せることができる。突出部10aを設けた場合でも、ウェハWを突出部10aに、開口部20の内側面に支持基板Gを嵌め合せることで、正確なアライメントを行うことができる。
以上の実施の形態では、枠体10の開口部20はウェハWの外側面Wa及び支持基板Gの外側面Gaに倣った形状としていたが、例えば図3に破線で示すように、開口部20の内側面に枠体10の上面に連通する溝Mを形成してもよい。溝Mを形成することで、例えばウェハWと支持基板Gとの間に塗布する接着剤Bの量を所定の量より多く塗布した場合でも、ウェハWと支持基板Gを押圧する際に接着剤Bの余剰分が溝Mに流れ込み、枠体10の厚みA3と、ウェハW、支持基板G及び接着剤Bの厚みA1、A2、A4の和が等しくなる。したがって、接着剤Bの塗布量を厳密に調整する必要が無くなる。また、溝Mに流れ込んだ接着剤Bを適切に排出すると共に、排出された接着剤Bを一時的に溝Mに溜めることができるので、枠体12の外部に接着剤Bが漏れ出し、ローラ11等に接着剤Bが付着することを防止できる。なお、溝Mは、例えば図13に示すように、枠体10の内周に沿って複数形成されていてもよい。
また、枠体10に突出部10aを設ける場合、枠体10に溝Mを形成すると共に、例えば図14に示すように、突出部10aの厚みをウェハWの厚みA2と同程度とし、突出部10aと支持基板Gとの間に隙間Vを形成するようにしてもよい。かかる場合、余剰な接着剤Bの排出をより容易にすることができる。また、隙間Vは溝Mと連通して設けられていてもよい。
以上の実施の形態では、ウェハWと支持基板Gを一対のローラ11に挟んで、ローラ11で押圧しながら貼り合せを行っていたが、ローラ11は必ずしも上下一対に設けられている必要はなく、例えば図15に示すように、下ローラ31に代えてウェハWを吸着保持する保持体としてのチャック60を用いてもよい。チャック60を用いる場合は、上ローラ30を水平方向に移動させる水平移動機構61を設け、チャック60上に載置されたウェハWと支持基板Gを枠体10ごと上ローラ30で押圧した状態で、上ローラ30を水平移動機構61により移動させながら貼り合せが行われる。
なお、以上の実施の形態では、押圧部材として上ローラ30などを用いたが、押圧部材の形状としては、必ずしもローラ状である必要はなく、ウェハW及び枠体10の上面を滑らせてウェハWと支持基板Gとを枠体10ごと押圧する、例えば棒状の部材などであってもよい。
以上の実施の形態では、貼り合せ装置1を用いてウェハWと支持基板Gを貼り合せたが、本実施の形態の貼り合せ装置1は、ウェハW同士を貼り合せる場合やチップとチップを貼りあわせる場合、あるいは接着剤Bにかえて半田により貼り合せを行う場合にも用いることができる。すなわち、貼りあわせ装置1は、半導体デバイスを3次元に積層する際にも有効に用いることができる。また、貼り合せる部材が、ウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の部材である場合にも、貼り合せ装置1を用いることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、基板を貼り合せる際に有用である。
1 貼り合せ装置
10 枠体
10a 突出部
11 ローラ
12 搬送機構
20 開口部
30 上ローラ
31 下ローラ
32 軸棒
33 回転機構
34 支持棒
35 昇降機構
36 支持棒
37 台座
50 弾性体
60 チャック
61 水平移動機構
G 支持基板
W ウェハ

Claims (18)

  1. 基板と、当該基板を支持する支持基板とを貼り合せる貼り合せ装置であって、
    前記基板と前記支持基板を重ね合せた状態で、当該基板の外側面と当該支持基板の外側面に嵌め合される枠体と、
    前記枠体に嵌め合された前記基板と前記支持基板を保持する保持体と、
    前記基板と前記支持基板を前記枠体ごと前記保持体側に押圧する押圧部材と、を有し、
    前記押圧部材は、長手方向の長さが前記基板の径よりも大きく、且つ短手方向の長さが前記基板の径よりも小さいことを特徴とする、貼り合せ装置。
  2. 前記押圧部材の表面は、弾性を有することを特徴とする、請求項1に記載の貼り合せ装置。
  3. 前記支持基板の径は前記基板の径より大きく、
    前記枠体の内側面には、前記基板側に突出した突出部が形成されていることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  4. 前記保持体は、前記押圧部材に対向して配置された他の押圧部材であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  5. 前記枠体は平面視において矩形状に形成され、
    前記押圧部材は前記枠体の一の辺と平行に配置されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  6. 前記基板は、円形の平面形状を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  7. 前記押圧部材は、ローラであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  8. 前記基板と前記支持基板は、流動性を有する接着剤を介して貼り合わされ、
    前記枠体の突出部と前記支持基板との間には、前記基板と前記支持基板の間から前記接着剤を流出させるための隙間が形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の貼り合せ装置。
  9. 前記枠体の内側面には、前記基板と前記支持基板の間から前記接着剤を前記枠体の表面に排出するための溝が形成されていることを特徴とする、請求項1〜8に記載の貼り合せ装置。
  10. 前記溝は、前記枠体の内周に沿って複数形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の貼り合せ装置。
  11. 前記枠体の表面は、前記接着剤に対して撥液性を有することを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の貼り合せ装置。
  12. 基板と、当該基板を支持する支持基板とを貼り合せる貼り合せ方法であって、
    前記基板と前記支持基板を重ね合せた状態で、当該基板の外側面と支持基板の外側面に枠体を嵌め合せ、
    長手方向の長さが前記基板の径より大きく、且つ短手方向の長さが前記基板の径より小さい押圧部材と、保持体とで前記基板と前記支持基板を枠体ごと挟み、
    前記押圧部材で押圧しながら前記基板と前記支持基板とを貼り合せる、貼り合せ方法。
  13. 前記押圧部材の表面は、弾性を有することを特徴とする、請求項12に記載の貼り合せ方法。
  14. 前記支持基板の径は、前記基板の径より大きく、
    前記枠体の内側面には、前記支持基板に嵌合される内側面が突出した突出部が形成されていることを特徴とする、請求項12又は13のいずれかに記載の貼り合せ方法。
  15. 前記保持体は、前記押圧部材に対向して配置された他の押圧部材であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれかに記載の貼り合せ方法。
  16. 前記枠体は矩形の平面形状を有し、
    前記押圧部材を前記枠体の一の辺と平行に保ち、前記押圧部材を前記枠体に対して相対的に移動させながら押圧することを特徴とする、請求項12〜15のいずれかに記載の貼り合せ方法。
  17. 前記基板は、円形の平面形状を有することを特徴とする、請求項12〜16のいずれかに記載の貼り合せ方法。
  18. 前記押圧部材は、ローラであることを特徴とする、請求項12〜17のいずれかに記載の貼り合せ方法。
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