JP2005057046A - Icチップの製造方法及びicチップの製造装置 - Google Patents

Icチップの製造方法及びicチップの製造装置 Download PDF

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Munehiro Hatakei
宗宏 畠井
Masateru Fukuoka
正輝 福岡
Satoshi Hayashi
聡史 林
Yasuhiko Oyama
康彦 大山
Taihei Sugita
大平 杉田
Giichi Kitajima
義一 北島
Kazuhiro Shimomura
和弘 下村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 オリエンテーションフラットを有するウエハを50μm以下の厚さにまで研磨しても取扱い性に優れ、破損することなく、作業性よく加工することができるICチップの製造方法を提供する。
【解決手段】 オリエンテーションフラット2を有するウエハ1からICチップを製造する方法であって、少なくとも、片面又は両面が刺激により接着力が低下する粘着剤からなる両面粘着テープ4を介して前記ウエハ1を支持板に固定する工程1、前記支持板3に固定した前記ウエハ1を研削する工程2、前記ウエハ1の研削された側の面にダイシングテープを貼り付ける工程3、前記両面粘着テープ4に刺激を与えて接着力を低下させる工程4、及び、前記ウエハ1上から前記支持板3を持ち上げる工程5を有し、前記工程5において、前記オリエンテーションフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を、前記上下に対向する部分よりも先に持ち上げるICチップの製造方法。
【選択図】 図3

Description

本発明は、ウエハに支持板を貼り合わせることにより、ウエハを50μm以下の厚さにま
で研削しても取扱い性に優れ、破損することなく、作業性よくICチップへの加工を行う
ことができるICチップの製造方法及びICチップの製造装置に関する。
半導体集積回路(ICチップ)は、通常純度の高い棒状の半導体単結晶等をスライスして
ウエハとしたのち、フォトレジストを利用してウエハ表面に所定の回路パターンを形成し
て、次いでウエハ裏面を研削機により研削して、ウエハの厚さを100〜600μm程度
まで薄くし、最後にダイシングしてチップ化することにより、製造されている。
ここで、研削時には、ウエハ表面に粘着シート類(研削用テープ)を貼り付けて、ウエハ
の破損を防止したり、研削加工を容易にしたりしており、ダイシング時には、ウエハ裏面
側に粘着シート類(ダイシングテープ)を貼り付けて、ウエハを接着固定した状態でダイ
シングし、形成されたチップをダイシングテープのフィルム基材側よりニードルで突き上
げてピックアップし、ダイパッド上に固定させている。
近年、ICチップの用途が広がるにつれて、ICカード類に用いたり、積層して使用した
りすることができる厚さ50μm程度の極めて薄いウエハも要求されるようになってきた
。しかしながら、厚さが50μm程度のウエハは、従来の厚さが100〜600μm程度
のウエハに比べて反りが大きく衝撃により割れやすくなるので取扱性に劣り、従来のウエ
ハと同様に加工しようとすると、破損する場合がある。
厚さが50μm程度のウエハは、特に衝撃を受けやすい研削工程又はダイシング工程で破
損する危険性が高く、また、ICチップの電極上にバンプを作製する際にも破損しやすい
ため歩留まりが悪かった。このため、厚さ50μm程度の薄いウエハからICチップを製
造する過程におけるウエハの取扱い性の向上が重要な課題となっていた。
これに対し、本発明者らは、鋭意検討の結果、両面粘着テープを介してウエハを支持板に
固定することにより、厚さ50μm程度の極めて薄いウエハであっても取扱い性を改善し
てウエハの破損等を防止することができ、更に、この両面粘着テープを刺激により接着力
が低下する粘着剤、とりわけ気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤からなるものと
することにより、研削後にダイシングテープを研削面に貼付した後、刺激を与えることに
よりウエハから支持板を容易に剥離でき、良好にICチップへの加工を行うことができる
ことを見出した。
しかし、この方法ではノッチを有するウエハでは問題なく支持板を剥離できたものの、現
在数多く流通しているオリエンテーションフラットを有するウエハを用いる場合は、支持
板をウエハから持ち上げて取り除こうとするとウエハが割れたり欠けたりして、ウエハを
損傷することなく支持板を剥離することが困難であることがあった。
本発明は、上記現状に鑑み、オリエンテーションフラットを有するウエハを用いた場合で
あっても、ウエハに支持板を貼り合わせることにより、ウエハを50μm以下の厚さにま
で研削しても取扱い性に優れ、破損することなく、作業性よくICチップへの加工を行う
ことができるICチップの製造方法及びICチップの製造装置を提供することを目的とす
る。
本発明は、オリエンテーションフラットを有するウエハからICチップを製造する方法で
あって、少なくとも、片面又は両面が刺激により接着力が低下する粘着剤からなる両面粘
着テープを介して前記ウエハを支持板に固定する工程1、前記両面粘着テープを介して前
記支持板に固定した前記ウエハを研削する工程2、前記ウエハの研削された側の面にダイ
シングテープを貼り付ける工程3、前記両面粘着テープに刺激を与えて前記両面粘着テー
プと前記ウエハとの接着力を低下させる工程4、及び、前記ウエハ上から前記支持板を持
ち上げる工程5を有し、前記ウエハ上から前記支持板を持ち上げる工程5において、前記
支持体のオリエンテーションフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を、前記支
持板のオリエンテーションフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上げるIC
チップの製造方法である。
以下に本発明を詳述する。
本発明のICチップの製造方法では、まず、両面粘着テープを介してウエハを支持板に固
定する工程1を行う。ウエハを支持板に固定することにより、ウエハの取扱い性が向上し
、ウエハを50μm以下の薄さにまで研削してもウエハが破損したりすることがなく、極
めて容易に取り扱うことができ、良好にICチップへの加工を行うことができる。
上記両面粘着テープは、片面又は両面が刺激により接着力が低下する粘着剤からなるもの
である。
上記刺激により接着力が低下する粘着剤としては特に限定されず、例えば、刺激により架
橋して弾性率が上昇することにより接着力が低下する粘着剤;刺激により含有する発泡剤
が発泡して発泡体となることにより接着力が低下する粘着剤;刺激により気体を発生する
気体発生剤を含有する粘着剤等が挙げられる。なかでも、刺激により気体を発生する気体
発生剤を含有する粘着剤を用いれば、気体を発生させる刺激を与えることにより、粘着剤
と被着体との界面に発生した気体が排出され接着面の一部を剥離させることができる。し
かも、条件を整えれば自ら剥離させることもできる。従って、脆弱な被着体であっても破
損させることなく剥離させることができ好適である。
上記接着力を低下させる刺激としては、例えば、熱、光等が挙げられる。また、上記気体
発生剤から気体を発生させる刺激としては、例えば、光、熱、超音波による刺激が挙げら
れる。なかでも光又は熱による刺激が好ましい。上記光としては、例えば、紫外線、可視
光線等が挙げられる。上記刺激として光による刺激を用いる場合には、気体発生剤を含有
する粘着剤は、光が透過又は通過できるものであることが好ましい。
上記刺激により気体を発生する気体発生剤としては特に限定されないが、例えば、アゾ化
合物、アジド化合物が好適に用いられる。
上記アゾ化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロ
ピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメ
チル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル
−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N
−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチ
ル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メ
チルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−
2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾ
リン−2−イル)プロパン]ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−イ
ミダゾリン−2−イル)プロパン]ジサルフェイトジハイドロレート、2,2’−アゾビ
ス[2−(3,4,5,6−テトラハイドロピリミジン−2−イル)プロパン]ジハイド
ロクロライド、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダ
ゾリン−2−イル]プロパン}ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−(2−
イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミ
ジン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)ジハイドロク
ロライド、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシアシル)−2−メチル−プロピオ
ンアミジン]、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジン]プ
ロパン}、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、ジメチル2,
2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレ
ート、4,4’−アゾビス(4−シアンカルボニックアシッド)、4,4’−アゾビス(
4−シアノペンタノイックアシッド)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペ
ンタン)等が挙げられる。
ICチップの製造においては、必要に応じて高温処理を行う工程が入ることから、これら
のなかでも熱分解温度の高い2,2’−アゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオン
アミド)、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’
−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)が好適である。
これらのアゾ化合物は、光、熱等による刺激により窒素ガスを発生する。
上記アゾ化合物の中でも、10時間半減期温度が80℃以上であるものが好ましい。10
時間半減期温度が80℃未満であると、上記粘着剤は、キャストにより成形して乾燥する
際に発泡してしまったり、経時的に分解反応を生じて分解残渣がブリードアウトしてしま
ったり、経時的に気体を発生して貼り合わせた被着体との界面に浮きを生じさせてしまっ
たりすることがある。10時間半減期温度が80℃以上であれば、耐熱性に優れているこ
とから、高温での使用及び安定した貯蔵が可能である。
10時間半減期温度が80℃以上であるアゾ化合物としては、下記一般式(1)で表され
るアゾアミド化合物等が挙げられる。下記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物は、
耐熱性に優れていることに加え、後述するアクリル酸アルキルエステルポリマー等の粘着
性を有するポリマーへの溶解性にも優れ、粘着剤中に粒子として存在しないものとするこ
とができる。
Figure 2005057046
式(1)中、R及びRは、それぞれ低級アルキル基を表し、Rは、炭素数2以上の
飽和アルキル基を表す。なお、RとRは、同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(1)で表されるアゾアミド化合物としては、例えば、2,2’−アゾビス(
N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−
メチルプロピル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−
2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−メチルエチル)−2−
メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ヘキシル−2−メチルプロピオン
アミド)、2,2’−アゾビス(N−プロピル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2
’−アゾビス(N−エチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス{2−
メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオン
アミド}、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシブチル)]プ
ロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プ
ロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオ
ンアミド]等が挙げられる。なかでも、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプ
ロピオンアミド)及び2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピ
オンアミド]は、溶剤への溶解性に特に優れていることから好適に用いられる。
上記アジド化合物としては、例えば、3−アジドメチル−3−メチルオキセタン、テレフ
タルアジド、p−tert−ブチルベンズアジド;3−アジドメチル−3−メチルオキセ
タンを開環重合することにより得られるグリシジルアジドポリマー等のアジド基を有する
ポリマー等が挙げられる。
これらのアジド化合物は、光、熱及び衝撃等による刺激により窒素ガスを発生する。
これらの気体発生剤のうち、上記アジド化合物は衝撃を与えることによっても容易に分解
して窒素ガスを放出することから、取扱いが困難であるという問題がある。更に、上記ア
ジド化合物は、いったん分解が始まると連鎖反応を起こして爆発的に窒素ガスを放出しそ
の制御ができないことから、爆発的に発生した窒素ガスによってウエハが損傷することが
あるという問題もある。このような問題から上記アジド化合物の使用量は限定されるが、
限定された使用量では充分な効果が得られないことがある。
一方、上記アゾ化合物は、アジド化合物とは異なり衝撃によっては気体を発生しないこと
から取扱いが極めて容易である。また、連鎖反応を起こして爆発的に気体を発生すること
もないためウエハを損傷することもなく、光の照射を中断すれば気体の発生も中断できる
ことから、用途に合わせた接着性の制御が可能であるという利点もある。従って、上記気
体発生剤としては、アゾ化合物を用いることがより好ましい。
上記気体発生剤は、粒子として存在しないことが好ましい。なお、本明細書において、気
体発生剤が粒子として存在しないとは、電子顕微鏡により上記気体発生剤を含有する粘着
剤を観察したときに気体発生剤を確認することができないことを意味する。上記気体発生
剤を含有する粘着剤中に気体発生剤が粒子として存在すると、気体を発生させる刺激とし
て光を照射したときに粒子の界面で光が散乱して気体発生効率が低くなってしまったり、
上記気体発生剤を含有する粘着剤を塗膜状にしたときの表面平滑性が悪くなったりするこ
とがある。
上記気体発生剤を粒子として存在しないようにするには、通常、用いる粘着剤に溶解する
気体発生剤を選択するが、粘着剤に溶解しない気体発生剤を選択する場合には、例えば、
分散機を用いたり、分散剤を併用したりすることにより粘着剤中に気体発生剤を微分散さ
せる。上記気体発生剤を含有する粘着剤中に気体発生剤を微分散させるためには、気体発
生剤は、微小な粒子であることが好ましく、更に、これらの微粒子は、例えば、分散機や
混練装置等を用いて必要に応じてより細かい微粒子とすることが好ましい。すなわち、電
子顕微鏡により上記気体発生剤を含有する粘着剤を観察したときに気体発生剤を確認する
ことができない状態まで分散させることがより好ましい。
上記気体発生剤を含有する粘着剤では、上記気体発生剤から発生した気体は粘着剤の外へ
放出される。これにより、上記気体発生剤を含有する粘着剤を用いて接着を行った接着面
に刺激を与えると気体発生剤から発生した気体が被着体から粘着剤の接着面の少なくとも
一部を剥がし接着力を低下させるため、容易に被着体を剥離することができる。この際、
気体発生剤から発生した気体の大部分は粘着剤の外へ放出されることが好ましい。上記気
体発生剤から発生した気体の大部分が粘着剤の外へ放出されないと、粘着剤が気体発生剤
から発生した気体により全体的に発泡してしまい、接着力を低下させる効果を充分に得る
ことができず、被着体にのり残りを生じさせてしまうことがある。なお、被着体に糊残り
を生じさせない程度であれば、気体発生剤から発生した気体の一部が粘着剤中に溶け込ん
でいたり、気泡として粘着剤中に存在していたりしてもかまわない。
上記両面粘着テープの粘着剤が気体発生剤を含有するものである場合、刺激により弾性率
が上昇するものであることが好ましい。粘着剤の弾性率を上昇させる刺激は、上記気体発
生剤から気体を発生させる刺激と同一であってもよいし、異なっていてもよい。
このような粘着剤としては、例えば、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有してなる
アクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリ
マーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、必要に応じて
光重合開始剤を含んでなる光硬化型粘着剤や、分子内にラジカル重合性の不飽和結合を有
してなるアクリル酸アルキルエステル系及び/又はメタクリル酸アルキルエステル系の重
合性ポリマーと、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーとを主成分とし、熱重
合開始剤を含んでなる熱硬化型粘着剤等からなるものが挙げられる。
このような光硬化型粘着剤又は熱硬化型粘着剤等の後硬化型粘着剤は、光の照射又は加熱
により粘着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による
弾性率の上昇が著しくなり、粘着力が大きく低下する。また、硬い硬化物中で気体発生剤
から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、ウ
エハ又は支持板から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし粘着力を低下させる。
上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(
以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上
記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官
能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、
一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18
の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主
モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他
の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能
基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である
上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル
基含有モノマー;アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒド
ロキシル基含有モノマー;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ
基含有モノマー;アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル
等のイソシアネート基含有モノマー;アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチ
ル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。
上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル
、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙
げられる。
上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物として
は、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モ
ノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマー
の官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノ
マーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用
いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等
のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマ
ーが用いられる。
上記多官能オリゴマー又はモノマーとしては、分子量が1万以下であるものが好ましく、
より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤の三次元網状化が効率よくなされるように
、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20
個のものである。このようなより好ましい多官能オリゴマー又はモノマーとしては、例え
ば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトー
ルヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4
−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメ
タクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用い
られてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記光重合開始剤としては、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することによ
り活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシア
セトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物;ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾイ
ンイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物;ベンジルジメチルケタール、ア
セトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物;フォスフィンオキシド誘導体
化合物;ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン
、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサ
ントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−
ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光
重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生す
るものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオ
キサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙
げられる。なかでも、熱分解温度が高いことから、クメンハイドロパーオキサイド、パラ
メンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が好適である。これ
らの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パー
ブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーメンタH(以上いずれも日本油脂製)等が
好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されても
よい。
上記後硬化型粘着剤には、以上の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で
、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤
に配合される各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。また、可塑剤、樹脂、界面活
性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を加えることもできる。
上記両面粘着テープは、基材の両面に粘着剤層が形成されたテープであってもよいし、基
材を有しない粘着剤層のみからなるテープであってもよい。
上記両面粘着テープの基材としては特に限定されないが、気体発生剤から気体を発生させ
る刺激が光による刺激である場合には、光を透過又は通過するものであることが好ましく
、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなる
シート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。
本発明のICチップの製造方法の工程1においては、上記両面粘着テープの気体発生剤を
含有する面とウエハの回路パターンが形成されている面とを貼り合わせてもよいし、上記
両面粘着テープの気体発生剤を含有する面と支持板とを貼り合わせてもよい。
上記ウエハは、オリエンテーションフラットを有するものが用いられる。
図1に、オリエンテーションフラットを有するウエハを上面から見た模式図を示した。
上記オリエンテーションフラットとは、結晶方位や伝導型の判別及び位置合わせを容易に
するために、ウエハの外周部に設けられたフラットな面のことである。図1においては、
円形のウエハ1の外周部の一部にオリエンテーションフラット2が設けられている。
上記ウエハとしては、例えば、シリコン、ガリウム砒素等の半導体からなるものが挙げら
れる。
上記ウエハの厚さとしては特に限定されないが、ウエハが薄くなるほど後述する支持板と
ダイシングテープとがオリエンテーションフラット部分で接着してしまう現象が避けられ
なることから、本発明の方法が有効となる。
上記支持板としては特に限定されないが、後述する気体発生剤から気体を発生させる刺激
が光である場合には透明であることが好ましく、例えば、ガラス板;アクリル、オレフィ
ン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の樹脂からなる板状体等が挙げられる。
上記支持板の厚さの好ましい下限は500μm、好ましい上限は3mmであり、より好ま
しい下限は1mm、より好ましい上限は2mmである。また、上記支持板の厚さのばらつ
きは、1%以下であることが好ましい。
上記工程1においてウエハを支持板に固定する方法としては特に限定されず、例えば、片
面にセパレータのある上記両面粘着テープをローラを用いて上記ウエハに貼り付け、上記
セパレータを剥がした後、真空プレスによりウエハと支持板とを貼り合わせ、更に、ロー
ラを用いて加圧することによりウエハと支持板とを確実に接着する方法等が挙げられる。
この場合、貼り合わせ不良を防止するために、上記ローラとしては高硬度のものを用い、
更に、高いテンションをかけながら両面粘着テープをウエハに貼り付けることが好ましい
。また、真空プレスによりウエハと支持板とを貼り合わせる際には、ウエハと支持板とが
充分に平行となるように位置を調整し、200〜300Pa以下の真空度にすることが好
ましい。
なお、上記両面粘着テープをウエハに貼り付けたときに、ウエハのオリエンテーションフ
ラット部分では上記両面粘着テープがはみ出しているので、通常はこの部分の両面粘着テ
ープは切断して除いておくことが好ましい。
本発明のICチップの製造方法では、次いで、上記両面粘着テープを介して上記支持板に
固定した状態でウエハを研削する工程2を行う。
上記研削の方法としては特に限定されず、通常のICチップの製造方法において用いられ
る方法を用いることができ、例えば、支持板を固定し、高速回転する研削用砥石を用いて
切削水をかけながら完成時のチップの厚さにまでウエハを研削する方法等が挙げられる。
本発明のICチップの製造方法では、次いで、ウエハの研削した側の面にダイシングテー
プを貼付する工程3を行う。上記ダイシングテープは、研削の終了したウエハをダイヤモ
ンドカッター等で、通常1辺数100μm〜数10mmのチップに切り分ける際にウエハ
を補強するために貼付するものである。
上記ダイシングテープとしては特に限定されないが、公知の光硬化性粘着テープを用いる
ことができ、例えば、古河電工社製のAdwill(登録商標)D−シリーズや、日東電
工社製のエレップホルダー(登録商標)UEシリーズ等のテープが挙げられる。
ウエハの研削した側の面にダイシングテープを貼付する工程3においては、ウエハとダイ
シングテープとが確実に接着するようにローラを用いて加圧することが好ましい。図2に
ローラを用いて加圧することによりウエハとダイシングテープとを接着する方法を示す模
式図を示した。
ここで、ウエハ1が厚さ50μm以下にまで研削されている場合には、オリエンテーショ
ンフラット部において、支持板3とダイシングテープ5とが極めて近接して対向する。従
って、とりわけローラを用いて加圧した場合には、オリエンテーションフラット部におい
て支持板3とダイシングテープ5とが接着してしまうことがある(図2b)。
本発明のICチップの製造方法では、次いで、上記両面粘着テープに刺激を与えて両面粘
着テープとウエハとの接着力を低下させる工程4を行う。
例えば、上記両面粘着テープの粘着剤が気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤であ
る場合には、刺激を与えることにより粘着剤層中の気体発生剤から発生した気体が、ウエ
ハ又は支持板と両面粘着テープとの接着面に排出されウエハ又は支持板から粘着剤層の接
着面の少なくとも一部を剥がし、粘着剤層の粘着力を低下させることができるので、気体
発生剤を含有する粘着剤層と貼り合わせられたウエハ又は支持板を容易に剥離することが
できる。このとき気体発生剤の含有量等の条件が適当であれば、ウエハ又は支持板と両面
粘着テープとを自ら剥離させることもできる(「自己剥離型粘着テープ」と呼べる粘着テ
ープになる)。
上記刺激を与える方法としては特に限定されず、例えば、紫外線による刺激により気体を
発生する気体発生剤を用いている場合には、支持板側から紫外線を照射する方法等が挙げ
られる。
本発明のICチップの製造方法では、次いで、上記ウエハ上から支持板を持ち上げる工程
5を行う。
支持板を持ち上げる方法としては特に限定されず、例えば、吸着パッドにより支持板を吸
着することにより剥離する方法、枠等により支持板の周縁部を持ち上げることにより剥離
する方法等が挙げられる。
ただし、この際、支持板のオリエンテーションフラットと上下に対向する部分と反対側の
端部が、オリエンテーションフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上がるよ
うにして持ち上げる。
上記工程4により両面粘着テープとウエハとの接着力が低下したとしても、上述のように
オリエンテーションフラット部において支持板とダイシングテープとが接着している場合
には、従来の方法のように支持板をそのまま持ち上げようとすると、支持板に接着してい
るダイシングテープも一緒に持ち上がろうとしてしまう。このときダイシングテープに貼
付されたウエハが変形してしまうことから、極薄のウエハでは破損してしまうことがあっ
た。
そこで、本発明のICチップの製造方法では、支持板のオリエンテーションフラットと上
下に対向する部分とは反対側の端部を、支持板のオリエンテーションフラット部分と上下
に対向する部分よりも先に持ち上げる。即ち、剥離の際に支持板を傾けることにより、オ
リエンテーションフラットと上下に対向する部分を剥離させる前に、オリエンテーション
フラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を先に持ち上げて剥離させる。このよう
な方法によれば、支持板のオリエンテーションフラットと上下に対向する部分を剥離させ
るときにダイシングテープが一緒に持ち上がろうとしてもウエハを変形させることはない
ことから、極薄のウエハであっても破損することがない。また、傾けて持ち上げることに
より支持板をダイシングテープから徐々に引き剥がすことになるため装置に大きな負荷が
かかることもない。
上記支持板を傾ける角度としては特に限定されないが、好ましい下限は水平方向から1度
である。1度未満であると、充分な効果が得られないことがある。なお、傾ける角度の上
限は特に限定されず180度まで傾けても構わないが、好ましい上限は10度である。支
持板側の粘着テープはほとんど粘着力を失っているため、10度を超える角度にしなくと
も、オリエンテーションフラットを損傷することなく支持板を剥離させることが可能であ
る。より好ましい下限は2度、より好ましい上限は5度である。
支持板のオリエンテーションフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を、支持板
のオリエンテーションフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上げる方法とし
ては特に限定されず、例えば、吸着パッドや粘着パッドに支持板を付着させたり、又は、
アーム等で支持板の周囲をつかみ支持板を伸縮シリンダ等で持ち上げる構造の機構を設け
、伸縮シリンダの上限方向の動作とは別に動作する変角自在なチルト機構を伸縮シリンダ
と吸着パッドや粘着パッドやアーム等との接続部分に設ける方法等が挙げられる。上記チ
ルト機構は伸縮シリンダの動作と連動して動作させてもよい。なお、支持板をわずかに傾
けた場合は問題ないが、支持板を大きく傾ける場合は伸縮シリンダを駆動させてからチル
ト機構を連動させることが好ましい。即ち、伸縮シリンダを駆動させて支持板をわずかに
持ち上げた時点でチルト機構を駆動させれば支持板を大きく傾けてもオリエンテーション
フラット部分でダイシングテープに対向する支持板の部分がダイシングテープに強く押し
込むことがない。また、伸縮シリンダを駆動させる前にすでにウエハから支持板が自ら剥
離している場合では、支持板を大きく傾けても粘着テープがウエハと再密着する恐れがな
い。
図3に本発明のICチップの製造方法を実施するのに好適な装置と、この装置を用いて支
持板を持ち上げる手順を示す模式図を示した。
図3に示した装置は、吸着パッド8と、吸着パッド8の角度を調整するチルト機構9と、
吸着パッド8を駆動する手段10とを有する。なお、図3においては支持板に接合する手
段を有する部材として吸着パッドを用いたが、支持板に接合する手段を有するものであれ
ば特に限定されない。また、図3では省略しているが、装置は、更に、研削されたウエハ
が貼り付けられているダイシングテープを固定する固定手段と、両面粘着テープの粘着剤
の接着力を低下又は粘着剤に含まれる気体発生剤から気体を発生させる刺激を与える手段
とを有する。
このような本発明のICチップの製造方法を行うためのICチップの製造装置であって、
研削されたウエハが貼り付けられているダイシングテープを固定する固定手段と、両面粘
着テープの粘着剤の接着力を低下させる刺激を与える手段と、支持体のオリエンテーショ
ンフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部が、支持板のオリエンテーションフラ
ット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上がるように傾く変角自在な支持板の持ち
上げ手段とを有するICチップの製造装置もまた、本発明の1つである。
以下、この図を用いて本発明の被着体の分離方法を詳しく説明する。
図3では、上記工程1〜3を経て、両面粘着テープ4を介して支持板3が固定されたウエ
ハ1の研削された側の面にダイシングテープ5が貼り付けられる。そして、装置にダンシ
ングテープが固定された状態で両面粘着テープ4にウエハ1と支持板3との接着力を低下
させる刺激が与えられる。図2では、ウエハ面と接する粘着剤が刺激により気体を発生す
る気体発生剤を含有する紫外線硬化型粘着剤からなる両面粘着テープを用い、接着力を低
下させるために高強度の紫外線を照射しているためウエハ1は両面粘着テープ4から自ら
剥離した(図3a)。
図3aの状態から吸着パッド8を下降させて吸着パッド8に支持板3を吸着させる。(図
3b)。
次いで、吸着パッド8を駆動する手段10を操作して吸着パッド8を引き上げながら、吸
着パッド8の角度を調整するチルト機構9を操作して吸着パッド8を水平方向から傾ける
ことにより、支持板3のウエハ1のオリエンテーションフラット2と上下に対向する部分
とは反対側の端部がわずかに浮くように操作する(図3c)。
最後にこの状態で吸着パッド8を駆動する手段10を操作して吸着パッド8を引き上げ続
ければ、後にはダイシングテープ5を貼付したウエハ1が残される(図3d)。
本発明のICチップの製造方法によれば、ウエハに両面粘着テープを貼り付けて補強する
ので、ウエハを50μm以下の厚さにまで研削しても取扱い性に優れ、破損することがな
く、かつ、両面粘着テープは粘着剤層の粘着力を低下させることにより研削後のウエハか
ら容易に剥離することができる。更に、オリエンテーションフラットを有するウエハを用
いた場合であっても、いったん剥離した支持板を再密着させることなく確実に剥離させる
ことができるので、作業性よくICチップへの加工を行うことができる。
本発明によれば、オリエンテーションフラットを有するウエハを用いた場合であっても、
ウエハに支持板を貼り合わせることにより、ウエハを50μm以下の厚さにまで研削して
も取扱い性に優れ、破損することなく、作業性よくICチップへの加工を行うことができ
るICチップの製造方法及びICチップの製造装置を提供できる。
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
(実施例1)
<粘着剤の調製>
下記の化合物を酢酸エチルに溶解させ、紫外線を照射して重合を行い、重量平均分子量7
0万のアクリル共重合体を得た。
得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2
−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢
酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト40重量部、光重合開始剤(イルガキュア651)5重量部、ポリイソシアネート0.
5重量部を混合し粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を調製した。
ブチルアクリレート 79重量部
エチルアクリレート 15重量部
アクリル酸 1重量部
2−ヒドロキシエチルアクリレート 5重量部
光重合開始剤 0.2重量部
(イルガキュア651、50%酢酸エチル溶液)
ラウリルメルカプタン 0.01重量部
更に、粘着剤(1)の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2,2’−ア
ゾビス−(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)30重量部、及び、2,4−ジエ
チルチオキサントン3.6重量部を混合して、気体発生剤を含有する粘着剤(2)を調製
した。
<両面粘着テープの作製>
粘着剤(2)の酢酸エチル溶液を、両面にコロナ処理を施した厚さ100μmの透明なポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムの片面に乾燥皮膜の厚さが約30μmとな
るように塗工し110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾
燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(2)層の表面に離型処理を施したPET(凸
部間隔30μm)を貼り付けた。
粘着剤(1)の酢酸エチル溶液を、表面に離型処理が施されたPETフィルムの上に乾燥
皮膜の厚さが約30μmとなるように塗工し110℃、5分間加熱して溶剤を揮発させ塗
工溶液を乾燥させた。乾燥後の粘着剤層は乾燥状態で粘着性を示した。次いで、粘着剤(
2)層を設けたPETフィルムの粘着剤(2)層のないコロナ処理を施した面と、粘着剤
(1)層を設けたPETフィルムの粘着剤(1)層の面とを貼り合わせた。その後、40
℃で3日間静置養生した。これにより両面に粘着剤層が設けられ、その表面が離型処理が
施されたPETフィルムで保護された両面粘着テープを得た。両面粘着テープの粘着剤層
はいずれも透明であった。
<ICチップの製造>
(支持板への固定工程)
両面粘着テープの粘着剤(2)層を保護するPETフィルムを剥がし、直径20cm、厚
さ約750μmのオリエンテーションフラットを有するシリコンウエハに貼り付けた後、
シリコンウエハの大きさに合わせて両面粘着テープを切断した。次に、粘着剤(1)層を
保護するPETフィルムを剥がし、直径20.4cmのガラス板を真空プレス機を用いて
粘着剤層に貼り付けた。接着面は接着直後から強く接着していた。
(研削工程)
ガラス板及び両面粘着テープで補強されたシリコンウエハを研削装置に取りつけ、シリコ
ンウエハの厚さが約50μmになるまで研削した。研削装置からシリコンウエハを取り外
し、ダイシングテープをシリコンウエハの上に貼り付けた。
(紫外線照射工程)
ガラス板側から超高圧水銀灯を用いて、365nmの紫外線をガラス板表面への照射強度
が40mW/cmとなるよう照度を調節して2分間照射した。なお、両面粘着テープは
、発生した気体により押し上げられて浮き上がり、自ら剥離した。
(支持板の剥離工程)
図3に示したICチップの製造装置を用いて支持板をウエハから剥離した。
具体的には、ガラス板を上にして静置したウエハに対して、吸着パッドを駆動する手段を
操作して吸着パッドをガラス板上に降ろし、吸着パッドをガラス板に吸着させた。次いで
、吸着パッドの角度を調整するチルト機構を操作して吸着パッドの角度をウエハのオリエ
ンテーションフラットとは反対側がわずかに浮くよう、2度程度の角度に調整した。この
状態で吸着パッドを駆動する手段を操作して吸着パッドを引き上げた。
この操作により、ガラス板はウエハから完全に分離され、ダイシングテープを貼付したウ
エハが残された。
(ダイシング工程)
続いて常圧環境下で、ダイシングテープで補強されたシリコンウエハをダイシング装置に
取りつけ、ウエハ側からカッター刃を切り入れシリコンウエハをICチップの大きさに切
断した。次いで、ダイシングテープを剥がしICチップを得た。
本発明によれば、オリエンテーションフラットを有するウエハを用いた場合であっても、
ウエハに支持板を貼り合わせることにより、ウエハを50μm以下の厚さにまで研削して
も取扱い性に優れ、破損することなく、作業性よくICチップへの加工を行うことができ
るICチップの製造方法及びICチップの製造装置を提供できる。
オリエンテーションフラットを有するウエハを上面から見た模式図である。 ローラを用いて加圧することによりウエハとダイシングテープとを接着する方法を示す模式図である。 本発明のICチップの製造方法を実施するのに好適な装置と、この装置を用いて支持板を持ち上げる手順を示す模式図である。
符号の説明
1 ウエハ
2 オリエンテーションフラット
3 支持板
4 両面粘着テープ
5 ダイシングテープ
6 ローラ
7 作業台
8 吸着パッド
9 吸着パッドの角度を調整するチルト機構
10 吸着パッドを駆動する手段

Claims (3)

  1. オリエンテーションフラットを有するウエハからICチップを製造する方法であって、
    少なくとも、
    片面又は両面が刺激により接着力が低下する粘着剤からなる両面粘着テープを介して前記
    ウエハを支持板に固定する工程1、
    前記両面粘着テープを介して前記支持板に固定した前記ウエハを研削する工程2、
    前記ウエハの研削された側の面にダイシングテープを貼り付ける工程3、
    前記両面粘着テープに刺激を与えて前記両面粘着テープと前記ウエハとの接着力を低下さ
    せる工程4、及び、
    前記ウエハ上から前記支持板を持ち上げる工程5を有し、
    前記ウエハ上から前記支持板を持ち上げる工程5において、前記支持体のオリエンテーシ
    ョンフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を、前記支持板のオリエンテーショ
    ンフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上げる
    ことを特徴とするICチップの製造方法。
  2. オリエンテーションフラットを有するウエハからICチップを製造する方法であって、
    少なくとも、
    片面又は両面が刺激により気体を発生する気体発生剤を含有する粘着剤からなる両面粘着
    テープを介して前記ウエハを支持板に固定する工程1、
    前記両面粘着テープを介して前記支持板に固定した前記ウエハを研削する工程2、
    前記ウエハの研削された側の面にダイシングテープを貼り付ける工程3、
    前記両面粘着テープに刺激を与えて前記両面粘着テープから前記ウエハを自ら剥離させる
    工程4、及び、
    前記ウエハ上から前記支持板を持ち上げる工程5を有し、
    前記ウエハ上から前記支持板を持ち上げる工程5において、前記支持体のオリエンテーシ
    ョンフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部を、前記支持板のオリエンテーショ
    ンフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上げる
    ことを特徴とするICチップの製造方法。
  3. 請求項1又は2記載のICチップの製造方法を行うためのICチップの製造装置であって

    少なくとも、
    研削されたウエハが貼り付けられているダイシングテープを固定する固定手段と、
    両面粘着テープの粘着剤の接着力を低下させる刺激を与える手段と、
    前記支持体のオリエンテーションフラットと上下に対向する部分とは反対側の端部が、前
    記支持板のオリエンテーションフラット部分と上下に対向する部分よりも先に持ち上がる
    ように傾く変角自在な支持板の持ち上げ手段とを有する
    ことを特徴とするICチップの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040116A1 (ja) * 2009-09-29 2011-04-07 東京エレクトロン株式会社 貼り合せ装置及び貼り合せ方法
KR20140130018A (ko) * 2013-04-30 2014-11-07 도오꾜오까고오교 가부시끼가이샤 지지체 분리 장치 및 지지체 분리 방법

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