JP2020067419A - 触媒材の評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】サポート材と該サポート材表面に配置された貴金属粒子とを含む触媒材において、その触媒性能をより精度よく評価可能な評価方法をもたらす。【解決手段】触媒材100の評価方法は、内燃機関の排気ガスを浄化するための触媒材100の評価方法であって、触媒材100は、サポート材140と、該サポート材140に担持及び/又はドープされた貴金属粒子132とを備え、触媒材100の硬X線光電子分光分析を行って、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合を算出する分析工程S2と、金属状態の貴金属原子の含有割合に基づいて、触媒材100の触媒性能を評価する評価工程S3とを備えたことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、触媒材の評価方法に関するものである。
従来より、酸化物などのサポート材の表面等に貴金属粒子が配置されてなる触媒材において、貴金属粒子に含まれる貴金属原子の酸化還元状態を分析する手段として軟X線光電子分光分析(XPS分析)が知られている(例えば特許文献1参照)。
国際公開第2016/031104号
しかしながら、XPSを用いて貴金属粒子の酸化還元状態を観測した場合、貴金属粒子に含まれる貴金属原子のうち、貴金属粒子の表面近傍に位置する貴金属原子の酸化還元状態を観測することはできる一方、貴金属粒子の内部、特にサポート材表面との界面近傍に位置する貴金属原子の酸化還元状態を観測することは困難であるという問題があった。また、酸化状態の貴金属原子と還元状態の貴金属原子とでは、一方が他方よりも触媒性能に優れ得るところ、貴金属粒子内部の貴金属原子の酸化還元状態の観測が困難であるため、XPSの結果から触媒材の触媒性能を精度よく評価すること困難であるという問題があった。
従って、本開示は、サポート材と該サポート材表面に配置された貴金属粒子とを含む触媒材において、その触媒性能をより精度よく評価可能な評価方法をもたらすことを課題とする。
上記の課題を解決するために、ここに開示する第1の技術に係る触媒材の評価方法は、触媒材の評価方法であって、前記触媒材は、サポート材と、該サポート材に担持及び/又はドープされた貴金属粒子とを備え、前記触媒材の硬X線光電子分光分析を行って、前記貴金属粒子の酸化還元状態に関する値を算出する分析工程と、前記酸化還元状態に関する値に基づいて、前記触媒材の触媒性能を評価する評価工程とを備えたことを特徴とする。
貴金属粒子には、還元状態、すなわち金属状態の貴金属原子及び/又は酸化状態の貴金属原子が含有されるが、両者を比較すると、一方が他方よりも触媒性能が高いことが考えられる。本技術によれば、貴金属粒子の表面からサポート材との界面まで広範囲に位置する貴金属原子、言い換えると貴金属粒子のいわば内部に位置する貴金属原子の酸化還元状態を観測することができる。そうして、貴金属粒子全体に含有される貴金属原子の酸化還元状態から、触媒材の触媒性能を精度よく評価することができ、触媒材の材料設計や劣化判定等の精度向上に資することができる。
第2の技術は、第1の技術において、前記触媒材は、内燃機関の排気ガスを浄化するための排気ガス浄化用触媒材であることを特徴とする。
本技術によれば、排気ガス浄化用触媒材の触媒性能を精度よく評価することができ、触媒材の材料設計や劣化判定等の精度向上に資することができる。
第3の技術は、第2の技術において、前記貴金属粒子の酸化還元状態に関する値は、該貴金属粒子に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合であり、前記評価工程で、前記貴金属粒子に含まれる前記金属状態の貴金属原子の含有割合が20モル%以上であるときに、前記触媒材が活性状態であると判定することを特徴とする。
排気ガス浄化用触媒材では、貴金属粒子に含まれる金属状態の貴金属原子は、酸化状態の貴金属原子よりも触媒性能が高い。本技術では、貴金属粒子全体に含まれる貴金属原子の酸化還元状態を観測し、金属状態の貴金属原子の含有割合が上記所定値以上であるときに、分析対象の触媒材は、十分な触媒性能を有する触媒材であると判定する。そうして、本技術を新規触媒材の触媒性能の評価や耐久試験後の触媒材の触媒性能の評価等に用いることができ、触媒材の材料設計や劣化判定等の精度向上に資することができる。
第4の技術は、第2又は第3の技術において、前記サポート材は、Ce、Zr、Si及びAlの群から選ばれる少なくとも1種を含む酸化物からなり、前記貴金属粒子は、Rh、Pt及びPdの群から選ばれる少なくとも1種からなることを特徴とする。
上記貴金属粒子が上記酸化物に担持及び/又はドープされてなる触媒材は、排気ガスの浄化性能に優れる。本技術によれば、そのような触媒材についてより触媒性能を高めるために、本技術の評価方法を活用することができる。
第5の技術は、第1乃至第4の技術のいずれか一において、前記触媒材は、前記サポート材の表面に、蒸着法により前記貴金属粒子を担持させてなることを特徴とする。
第6の技術は、第5の技術において、前記蒸着法は、ガス中蒸着法であることを特徴とする。
蒸着法では、金属状態の貴金属原子を原料として、貴金属原子を蒸発させて、サポート材表面に物理的に固着させて担持させるから、貴金属粒子における金属状態の貴金属原子の含有割合を向上させることができる。本技術によれば、このような金属状態の貴金属原子を多く含む触媒材の触媒性能の評価を効果的に行うことができる。
以上述べたように、本開示によると、貴金属粒子全体に含有される貴金属原子の酸化還元状態から、触媒材の触媒性能を精度よく評価することができ、触媒材の材料設計や劣化判定等の精度向上に資することができる。
触媒材の一例を模式的に示す図である。 触媒材の製造装置及び製造方法の一例を説明するための図である。 一実施形態に係る評価方法を説明するためのフロー図である。 図1のA−A線における断面図である。 実験例1の触媒材の透過型電子顕微鏡(TEM)像である。 実験例1の触媒材のHAXPESスペクトルである。 実験例3の触媒材のHAXPESスペクトルである。 実験例の触媒材における酸化Rhと金属Rhの含有割合を示すグラフである。 実験例1及び実験例3の触媒材におけるHAXPESスペクトルから分析した金属Rh含有割合と加熱温度との関係を示すグラフである。 実験例1及び実験例3の触媒材におけるXPSスペクトルから分析した金属Rh含有割合と加熱温度との関係を示すグラフである。 実験例1及び実験例3の触媒材についてNO浄化率の温度変化を示すグラフである。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
(一実施形態)
<触媒材>
本実施形態に係る触媒材100は、自動車のエンジン(内燃機関)等の排気ガス中に含まれる炭化水素(HC)、一酸化炭素(CO)及び窒素酸化物(NOx)を浄化するための排気ガス浄化用触媒材であり、図1に示すように、サポート材140と、該サポート材140に担持及び/又はドープされた貴金属粒子132とを備える。なお、図1は、理解を容易にするため、サポート材140の表面に貴金属粒子132が担持された状態を示しているが、貴金属粒子132は、サポート材140にドープされたものであってもよい。本明細書において、貴金属粒子132がサポート材140に担持されているとは、後述する含浸担持法や蒸着法等を用い、予め調製されたサポート材140の表面上に貴金属粒子132を後から固着させた状態であることを意味する。また、貴金属粒子132がサポート材140にドープされているとは、後述する共沈法等を用い、サポート材140の調製工程に貴金属粒子132又はその原料となる貴金属原子を混在させ、貴金属粒子132がサポート材140の内部及び表面に配置された状態であることを意味する。
−サポート材−
サポート材140は、Ce、Zr、Si及びAlの群から選ばれる少なくとも1種を含む酸化物からなる。具体的には例えば、CeO,ZrO,Ce及びZrを主成分として含む複合酸化物(以下、「CeZr系複合酸化物」と称することがある。)、Ceを含まずZrを主成分として含む複合酸化物(以下、「Zr系複合酸化物」と称することがある。)、SiO、Al等の酸化物が挙げられる。
CeZr系複合酸化物は、CeZr系複合酸化物は、酸素吸蔵放出材であり、Ceの価数変化を伴う反応が可逆的に進行することにより排気ガス中の酸素を吸蔵して活性酸素として放出するから、HC及びCOの酸化浄化を促進できる。CeZr系複合酸化物は、例えばCe以外の希土類金属をさらに含有してもよい。Ce以外の希土類金属は、例えばNd,Y,La,Sc,Prなどであり、特に好ましくは、Nd,Y,Laである。
また、Zr系複合酸化物は、酸素イオン伝導性を有するため、酸素イオン伝導によって活性な酸素を放出でき、HC及びCOの酸化浄化を促進できる。また、Zr系複合酸化物は、Ce以外の希土類金属をさらに含むことにより、表面塩基性を有するようになり、NOxの吸着性が向上する。なお、Ce以外の希土類金属は、例えばLa,Y,Nd,Sc,Prなどであり、特に、La,Yが好ましい。
SiO(二酸化ケイ素)やAl(アルミナ)は、耐熱性・耐久性に優れ、CO,HCの浄化に寄与し得る。二酸化ケイ素やアルミナの高い表面積を利用しては貴金属粒子を含有させることにより、貴金属粒子の分散性が向上し、排気ガスとの接触面積が増えて触媒材100の触媒性能が向上する。
サポート材140の形状は、特に限定されるものではなく、粒子状、板状、基材上に形成された薄膜状等、触媒材100の使用態様に応じて種々の形状を取り得る。サポート材140の大きさも、特に限定されるものではなく、触媒材100の形状や使用態様に応じて適宜変更され得る。具体例を挙げると、触媒材100の形状を粒子状とする場合であれば例えばサポート材140の粒径は10nm〜100μm程度、薄膜状とする場合であれば例えばサポート材140の厚さは1nm〜1000μm程度等とすることができる。
−貴金属粒子−
貴金属粒子132は、排気ガス中に含まれるCO、HC及びNOx等の浄化を促進するための触媒金属である。貴金属粒子132は、触媒材100の排気ガス浄化性能を向上させる観点から、Rh、Pt及びPdの群から選ばれる少なくとも1種からなり、望ましくは、複数の貴金属原子が凝集してなる1nm〜1000nm程度の粒径の貴金属ナノ粒子である。
具体例として、上述のCeZr系複合酸化物の表面及び/又は内部に、貴金属粒子132としてのRhナノ粒子を含有する触媒材100を考える。Rhナノ粒子を含有するCeZr系複合酸化物では、RhがHC、CO及びNOxの浄化に有効に働く空燃比ウインドウが拡大する。また、Rhナノ粒子がCeZr系複合酸化物に含有されていることで、Rhナノ粒子の分散性を向上させるとともに、熱によるシンタリングを抑制して触媒材100の耐久性を向上させることができる。
また、例えば、上述のCe以外の希土類金属を含むZr系複合酸化物の表面及び/又は内部に、貴金属粒子132としてのRhを含有させた触媒材100を用いてもよい。Ce以外の希土類金属を含むZr系複合酸化物にRhを含有させることにより、スチームリフォーミング反応を促進し、この反応によりHが生成され、NOxの還元浄化をさらに促進できる。
なお、貴金属粒子132に含有される貴金属原子は、酸化状態よりも還元状態、すなわち金属状態である方が、排気ガスの浄化性能は高い。従って、貴金属粒子132に含有される金属状態の貴金属原子の含有割合が高いほど、排気ガスの浄化性能は高くなり得る。
<触媒材の製造方法>
触媒材100は、サポート材140の表面及び/又は内部に貴金属粒子132を含有させることにより製造される。具体的には、例えば、貴金属粒子132の原料となる貴金属塩の水溶液を用いて予め調製されたサポート材140の表面に貴金属粒子132を含浸担持する方法(含浸担持法)や、サポート材140の調整工程において貴金属塩の酸性水溶液を混合させ、アルカリ剤で共沈させてサポート材140内部に貴金属粒子132を配置させる方法(共沈法)、予め調製されたサポート材140の表面に真空蒸着法やガス中蒸着法等の蒸着法等により貴金属粒子132を担持させる方法等が挙げられる。
なお、含浸担持法や共沈法を用いて製造した触媒材100では、貴金属粒子132には酸化状態の貴金属原子が多く含まれ得る。従って、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合を高める観点から、触媒材100に対し、例えばCOガス雰囲気下における加熱処理等の賦活処理を行うようにしてもよい。
具体例として、Rhを共沈法でCeZr系複合酸化物にドープさせてなる触媒材100を考える。このような触媒材100では、Rhの多くは酸化状態で粒子状のCeZr複合酸化物内部に含有されている。このとき、酸化状態のRh(以下、「酸化Rh」と称することがある。)は、CeZr複合酸化物粒子の表面近傍に拡がるような形態で複合酸化物の結晶格子内や結晶格子間等に固溶しており、例えば粒子から露出するRh原子の総表面積は小さい。そこで、複合酸化物粒子に対して賦活処理を行うと、酸化Rhは、酸素が解離して金属化する。そうして、この金属状態のRh(以下、「金属Rh」と称することがある。)は、粒子の表面に析出し、粒子表面全体に散在するようになる。その結果、Rhの表面積が増大し、排気ガスとの接触面積が増大するから、活性点が増加し、効率良く排気ガスを浄化することが可能となり、触媒材100の触媒性能を向上させることができる。
また、特に、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子の含有量を高める観点から、触媒材100の製造方法として、蒸着法、特にガス中蒸着法を採用することが好ましい。蒸着法では、金属状態の貴金属原子を原料として蒸発させ、サポート材表面に物理的に吸着させて担持させる。貴金属粒子を蒸着法によりサポート材表面に担持することで、貴金属粒子における金属状態の貴金属原子の含有割合を向上させることができる。
図2を参照して、ガス中蒸着法による触媒材100の製造方法及び製造装置の一例を説明する。ガス中蒸着法に用いる蒸着装置200は、形成チャンバ210と、固着チャンバ220とを備えている。形成チャンバ210は、形成チャンバ210内に突出するように設けられた一対の電極212,214と、当該一対の電極212,214間を接続する回路213と、当該回路213上に配置された電源211と、符号251の矢印で示すように形成チャンバ210内にHeガスを導入するための導入路215と、を備えている。また、固着チャンバ220には、符号252の矢印で示すように、固着チャンバ220内のガスを排気するための排気路221が設けられている。なお、形成チャンバ210と、固着チャンバ220とは、例えば1/8インチ管等の比較的細い管状部材260で連結されており、その内径(約φ1mm)によって、差動排気環境になっている。また、電源211は、直流電源であっても交流電源であってもよい。
蒸発源としての貴金属ワイヤ130を電極212,214間に挟む。そうして、Heガス雰囲気中で、その貴金属ワイヤ130に例えば10〜20A程度の直流電流を流して貴金属原子を蒸発させる。なお、Heガス分圧は例えば50〜100Torrである。
Heガス雰囲気中で蒸発した貴金属原子131は、He分子251Aと衝突を繰り返すことで、その運動エネルギーが減少する。そうして、減速された貴金属原子同士が衝突し、やがてナノサイズの貴金属粒子132が形成される。このように、形成チャンバ210は、貴金属ワイヤ130を蒸発させて、貴金属粒子132を形成するためのチャンバである。
形成チャンバ210で形成された貴金属粒子132は、2つのチャンバ間に存在する圧力差によって、He分子251Aとともに管状部材260内を通過し、固着チャンバ220内に案内される。そうして、貴金属粒子132は、固着チャンバ220内に配置されたサポート材140上に堆積し、固着する。このように固着チャンバ220は、形成チャンバ210で形成された貴金属粒子132をサポート材140上に固着するためのチャンバである。なお、図2では、サポート材140は、シリコン基板からなる基材141上に薄膜状で配置されている。
<触媒材の使用方法>
触媒材100が粒子状である場合、すなわち、上記含浸担持法や共沈法で製造した触媒材100や、蒸着法で製造した後粉砕して得られた触媒材100等の場合には、例えば以下のような方法で排気ガス浄化用触媒を製造することができる。すなわち、例えば触媒材100と、バインダ材と、イオン交換水とを混合してスラリーを調製し、ハニカム状の担体を浸漬した後、エアブローで余剰のスラリーを吹き飛ばし、乾燥(例えば150℃で1時間保持等)及び焼成(例えば500℃で2時間保持等)を経て、触媒材100を含む触媒層が形成されたハニカム状等の排気ガス浄化用触媒を得る。そうして、排気ガス浄化用触媒を排気ガス通路に配置して使用することができる。
なお、バインダ材は、触媒材100の粒子間や、触媒材100と担体表面との結合を強化するためのものであり、上記サポート材140と同様の原料を用いることができるが、サポート材の粒径よりは小さい粒径としたものが好ましい。具体的には例えば、バインダ材として、例えば上述のCeZr系複合酸化物やZr系複合酸化物に、Rhを担持又はドープさせたものを用いると、バインダ材にも触媒機能を持たせることができるとともに、バインダ材は触媒層内に高分散できるため、排気ガスとの接触確率を高め、反応効率を向上させることができる。また、例えば酸素イオン伝導性を有するZrYO等のZr系複合酸化物の微細粒子等を使用すると、排気ガス雰囲気がリーン及びリッチのいずれに傾いたときでも、酸素イオン伝導性を有するバインダ材がまわりから酸素を取り込んで活性な酸素を放出するから、該活性な酸素によって排気ガスの浄化促進が図れる。
ハニカム状の担体としては、特に限定されるものではないが、例えば下流端が閉塞された排気ガス流入通路と、上流端が閉塞された排気ガス流出通路が交互に並行に設けられたハニカム構造をなし、排気ガス流入通路に流入した排気ガスが通路隔壁の細孔を通って隣接する排気ガス流出通路に流出するウォールフロータイプの担体が挙げられる。担体は、特に限定されるものではないが、コージェライト、SiC、Si、サイアロン、AlTiOのような無機多孔質材料や金属材料等から形成される。
なお、上記蒸着法により触媒材100を製造する場合は、種々の形状の基材上にサポート材140を形成し、その上に貴金属粒子132を担持することができるから、例えばハニカム状の基材に対しサポート材140の層を形成したものに直接貴金属粒子132を担持して排気ガス浄化用触媒を製造することもできる。また、基材自体を上述の酸化物により形成し、サポート材140としてもよい。
<触媒材の評価方法>
ここに、本実施形態に係る触媒材100の評価方法は、触媒材100の硬X線光電子分光分析(HAXPES分析)を行って、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合(貴金属粒子の酸化還元状態に関する値)を算出し、当該含有割合に基づいて触媒材100の触媒性能を評価することを特徴とする。以下、触媒材100の評価方法について、具体的に説明する。
図3に示すように、評価方法は、触媒材100を準備する準備工程S1と、触媒材100のHAXPESを測定する分析工程S2と、触媒材100の触媒性能を評価する評価工程S3とを備えている。
−準備工程−
準備工程S1は、上述の製造方法により触媒材100を製造する工程である。
−分析工程−
分析工程S2では、触媒材100をHAXPES分析試験に供する。HAXPES分析試験は、測定対象に含まれる特定の元素のX線光電子スペクトルを測定するものであり、一般的なXPS分析試験と同様に、触媒材100に含有される貴金属粒子132の貴金属原子の酸化還元状態を分析することができる。
しかしながら、図4に示すように、XPS分析試験では、貴金属粒子132に含有される貴金属原子の非弾性平均自由工程(電子がエネルギーを失わずに進行可能な距離)はD1であり、このD1がXPS分析試験の分析深さとなる。貴金属粒子132の粒径がD1の1.5倍〜2倍の大きさとすると、XPS分析試験で分析できる領域は、図4の符号A1で示すように、貴金属粒子132の表面近傍となる。
一方、HAXPES分析試験では、貴金属粒子132に含有される貴金属原子の非弾性平均自由工程はD2であり、このD2がHAXPES分析試験の分析深さとなる。そうすると、HAXPES分析試験の分析深さD2は、XPS分析試験の分析深さD1に比べて深いため、HAXPES分析試験で分析できる領域は、図4の符号A2で示すように、貴金属粒子132全体及び貴金属粒子132とサポート材140との界面近傍となる。
試験結果として得られるHAXPESスペクトルでは、後述する<実験例>の項目で説明するように、金属状態の貴金属原子由来のピークと、酸化状態の貴金属原子由来のピークとが分かれて観測される(例えば図6,図7参照)。HAXPESスペクトルにおける、金属状態の貴金属原子に由来するピークのピーク強度と、酸化状態の貴金属原子に由来するピークのピーク強度との比から、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子及び酸化状態の貴金属原子の含有割合を算出することができる。
この金属状態の貴金属原子及び酸化状態の貴金属原子の含有割合は、上記分析深さの観点から、XPS分析試験のスペクトルから算出されるものよりも、精度よく貴金属粒子132に含まれる貴金属原子の酸化還元状態を表している。上述のごとく、金属状態の貴金属原子の含有割合が高まるほど、触媒材100の触媒性能は向上するから、HAXPESスペクトルから上記含有割合を算出することで、触媒材100の触媒性能を精度よく評価することができる。
−評価工程−
評価工程S3では、例えば、上記分析工程S2で算出した金属状態の貴金属原子の含有割合に基づいて、触媒材100の触媒性能を評価する。
後述する<実験例>の項目で説明するように、HAXPES分析試験を用いて算出された金属状態の貴金属原子の含有割合が増加すると、触媒材100のNO浄化性能は向上する。従って、金属状態の貴金属原子の含有割合が高いほど、触媒材100の触媒性能は高いと判断することができる。
具体的には、貴金属粒子132に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合が例えば20モル%以上、好ましくは30モル%以上、特に好ましくは40モル%以上であるときに、触媒材100の触媒性能が十分高い、すなわち触媒材100が活性状態であると判定することができる。一方、金属状態の貴金属原子の含有割合が例えば20モル%未満、好ましくは30モル%未満、特に好ましくは40モル%未満であるときに、触媒材100は、活性状態ではない、又は劣化状態であると判定することができる。また、金属状態の貴金属原子の含有割合に応じて触媒材100をランク付けしてもよい。具体的には例えば、金属状態の貴金属原子の含有割合が20モル%未満ではDランク、20モル%以上40モル%未満ではCランク、40モル%以上70モル%未満ではBランク、70モル%以上ではAランクの触媒性能を有する等のランク付けをすることが考えられる。そうして、例えば、A〜Cランクを活性状態、Dランクを劣化状態とすると、Bランクであった触媒材が、耐久試験後、Dランクにまで低下していれば、活性状態であった触媒材は、施した耐久試験により劣化状態になったと判定することができる。
このように、本実施形態に係る評価方法では、HAXPES分析試験により触媒材100を分析するから、貴金属粒子132の表面からサポート材140との界面まで広範囲に位置する貴金属原子、言い換えると貴金属粒子132のいわば内部に位置する貴金属原子の酸化還元状態を観測することができる。そうして、貴金属粒子132全体に含有される貴金属原子の酸化還元状態から、触媒材100の触媒性能を精度よく評価することができる。本技術を新規触媒材の触媒性能の評価や耐久試験後の触媒材の触媒性能の評価等に用いることにより、触媒材の材料設計や劣化判定等に広く活用することができる。
なお、評価工程S3で用いる貴金属粒子の酸化還元状態に関する値として、酸化状態の貴金属原子の含有割合を採用してもよい。
<実験例>
次に、具体的に実施した実験例について説明する。
−実験例1−
図2に示す蒸着装置200を用い、上述のガス蒸着法により、実験例1に係る触媒材を調製した。具体的な手順は、以下のとおりである。まず、基材141として、シリコン基板(幅10mm×長さ10mm)を用いた。なお、当該シリコン基板の表面には、サポート材140としての厚さ約2〜3nmのシリコン酸化物層が形成されている。また、蒸発源として、Rhワイヤ(株式会社ニラコ製、純度99.9%、φ0.25mm、長さ6cm)2本をツイストしたものを使用した。そのRhワイヤに13Aの直流電流を流し、上記シリコン基板の酸化物層上にRhを蒸着した。なお、形成チャンバにおける、Heガス圧は70Torrであった。また、固着チャンバのガス圧は10−2Torrであった。
触媒材が形成されたシリコン基板をそのまま排気ガス浄化用触媒として、後述する各種試験に供した。
−実験例2−
硫酸セリウム、硫酸ネオジム、硫酸ランタン及び硫酸イットリウムを混合した水溶液とオキシ硝酸ジルコニル水溶液を混合し、これにさらに硝酸ロジウム水溶液を添加した。ここでの硫酸ネオジム水溶液の仕込み量は目標添加量(触媒材100の構成のために予定する全量)の50質量%となるようにした。また、ここでの硝酸ロジウム水溶液の仕込み量は目標添加量の65質量%とした。
得られたCe、Zr、Nd、La、Y及びRhの混合溶液(酸性)に塩基性溶液(アンモニア水)を添加することにより、Ce、Zr、Nd、La、Y及びRhを共沈させた。得られたRhCeZrNdLaY含有共沈ゲルに塩基性溶液を添加してpHを11程度にした後、硫酸ネオジム水溶液の残量(50質量%)及び硝酸ロジウム水溶液の残量(35質量%)を添加して混合した。これにより、上記共沈ゲルの粒子上にRh水酸化物及びNd水酸化物を析出沈殿させた。得られた沈殿物全体を水洗し、大気中において150℃で一昼夜乾燥させ、乾燥物を粉砕した後、大気中において520℃で2時間の焼成を行なうことにより、実験例2に係る触媒材(RhドープCeZrNdLaY複合酸化物)を得た。
触媒材のRhを除く組成は、CeO:ZrO:Nd:La:Y=10:75:5:5:5(質量比)である。Rhドープ量は総量でCeZrNdLaY複合酸化物の1質量%である。
上記触媒材をバインダ及び水と混合してスラリーを形成し、このスラリーを担体にコーティングした。そして、大気中において500℃で2時間の焼成を行なうことによって、排気ガス浄化用触媒を得た。担体としては、セル壁厚さ3.5mil(8.89×10−2mm)、1平方インチ(645.16mm)当たりのセル数600のコージェライト製ハニカム担体(容量100mL)を用いた。担体1L当たりの触媒材の含有量は100gである。
−実験例3−
実験例2の触媒材に賦活処理を施して実験例3に係る触媒材を得た。賦活処理は、Rhドープ複合酸化物をCO濃度1%(残N)、温度600℃の還元性雰囲気に60分間おくというものである。実験例3に係る触媒材を実験例2と同様のハニカム担体に同様の方法でコーティングして排気ガス浄化用触媒を得た。ハニカム担体に対する触媒材の含有量は実験例2と同じく100g/Lである。
−TEM観察試験−
実験例1に係る触媒材について、Rh粒子径を評価する目的で、Rh蒸着時TEM観察用マイクログリッドをシリコン基板の近傍に設置し同時にRh粒子を蒸着しそれを透過型電子顕微鏡(TEM、JEOL JEM3000F、300kV)を用いて観察した。図5にTEM像を示す。シリコン基板上にRhナノ粒子が固着していることが判る。TEM像におけるRhナノ粒子の100個の直径の値を単純に平均して、平均粒子径及び標準偏差を算出すると、2.7±0.6nmであった。
−HAXPES分析試験−
実験例1,3に係る触媒材に対し、H濃度1%(残N)、温度300℃の還元性雰囲気に20分間おく還元処理を行った後、硬X線光電子分光装置(HAXPES、Spring8 BL24)を用いて、O濃度1%(残N)の酸化性雰囲気下で室温から昇温加熱しながらその場分析(in−situ HAXPES分析)を行なった。なお、実験例1の触媒材については、上述のごとく、幅10mm×長さ10mmのシリコン基板上に触媒材が形成された状態で測定に供した。実験例2,3の触媒材については、幅10mm×長さ10mmのシリコン基板上に触媒材を配置したものを測定に供した。HAXPESの測定条件は、光エネルギー8keVであった。図6,図7に室温および500℃で分析した時のHAXPESスペクトルを示す。なお、両図において、実線は、室温で測定したデータであり、破線は、500℃で測定したデータである。
図6に示すように、実験例1の触媒材では、酸化性雰囲気中加熱処理しても、金属Rhに由来するピークのピーク強度が強く、酸化Rhに由来するピークはほとんど観測できないか、又はピーク強度が弱いことが判る。
一方、図7に示すように、実験例3の触媒材では、酸化性雰囲気中加熱処理前に比べ加熱処理後は金属Rhに由来するピークのピーク強度が減少し酸化Rhに由来するピークの増加が観測された。
また、実験例1〜3に係る触媒材について、H濃度1%(残N)、温度500℃の還元性雰囲気に20分間おく還元処理を行った後、硬X線光電子分光装置(HAXPES、Spring8 BL24)を用いて、真空中室温でHAXPESスペクトルを測定した。実験例1〜3に係る触媒材は、上述のin−situ HAXPES分析と同様に行った。また、HAXPESの測定条件は、光エネルギー8keVであった。
そして、実験例1〜3の触媒材について、得られたHAXPESスペクトルにおける金属Rhに由来するピークのピーク強度と、酸化Rhに由来するピークのピーク強度との比から、触媒材に含まれるRh原子の金属Rh及び酸化Rhの含有割合を算出した。図8に、算出結果を示す。実験例1の触媒材では、触媒材に含有されるRhは、全て金属Rhであることが判る。一方、実験例2の触媒材に含有されるRhは、金属Rh22モル%に対して酸化Rh78モル%、実験例3の触媒材に含有されるRhは、金属Rh37モル%に対して酸化Rh63モル%であった。実験例2,3の算出結果から、実験例3の賦活処理により、酸化Rhの一部は、金属Rhに還元されていることが判る。
なお、図9は、上述のin−situ HAXPES分析(図6.図7参照)で得られたHAXPESスペクトルから算出した金属Rhの含有割合と温度との関係を示している。
図9に示すように、実験例1の触媒材では、加熱処理温度が増加するにつれて、金属Rh含有割合は低下傾向にあるものの、500℃で加熱処理を行った場合であっても、金属Rh含有割合は約90モル%であり、高い値を示すことが判った。一方、実験例3の触媒材では、500℃で加熱処理を行うと、金属Rh含有割合は約15モル%であり、大幅に低下することが判った。
−XPS分析試験−
実験例1,3に係る触媒材について、XPS測定装置(Perkin Elmer ESCA5600)を用いてXPSを測定した。なお、実験例1,3のサンプルの調製は、HAXPES分析試験と同様に行った。XPSの測定条件は、X線源AlKα線(1486.6eV)400Wであった。
上述のHAXPES分析試験と同様に、XPSスペクトルにおける、金属状態のRhに由来するピークのピーク強度と、酸化状態のRhに由来するピークのピーク強度との比から、触媒材に含まれるRh原子の金属Rhと酸化Rhとの含有割合を算出した。
図10に、実験例1,3の触媒材に対して、H濃度1%(残N)、温度300℃の還元性雰囲気に20分間おく還元処理後、O濃度1%(残N)の酸化性雰囲気下、横軸に示す温度で10分間加熱する加熱処理を施した後に、室温でXPS分析を行って得られた金属Rhの含有割合を示す。
図10に示すように、実験例1の触媒材では、400℃で加熱処理を行った場合、金属Rh含有割合は約65モル%にまで低下した。また、実験例3の触媒材では、400℃で加熱処理を行うと、金属Rh含有割合はほぼゼロとなる、すなわち酸化Rh含有割合が約100モル%となることが判った。
−HAXPES分析試験結果及びXPS分析試験結果の比較−
XPS分析試験では、Rhの非弾性平均自由工程(電子がエネルギーを失わずに進行可能な距離)は約1.9nmである。そうすると、例えば、Rhナノ粒子の径が約3nmとすると、XPS分析試験では、Rhナノ粒子の表面から約1.9nmの深さに存在する原子、すなわちRh粒子表面のRh原子の酸化還元状態を測定することになる(図4の符号A1で示す領域)。
一方、HAXPES分析試験では、Rhの非弾性平均自由工程は約7.2nmである。そうすると、例えばRh粒子の径が約3nmの場合、HAXPES分析試験では、Rh粒子の表面から約7.2nmの深さの原子、すなわちRh粒子全体のRh原子及びRh粒子とサポート材との界面に存在する原子の酸化還元状態を測定することになる(図4の符号A2で示す領域)。
図10のXPS分析試験の結果から、Rh粒子の表面のRh原子は、実験例1,3いずれにおいても、高温の加熱処理により、かなりの割合で酸化が進んだと考えられる。
そうすると、図9の結果と、図10の結果を組み合わせると、実験例1,3いずれにおいても、高温の加熱処理によりRh粒子の表面はある程度酸化が進む一方、Rh粒子の内部やサポート材との界面近傍のRh原子については、酸化はあまり進まないということが示唆される。すなわち、図9における金属Rh含有割合の減少、すなわち酸化Rh含有割合の増加は、図10の結果から、Rh粒子の表面近傍のRh原子が酸化されたことに起因するものであることが示唆される。すなわち、図8に示すように、実験例1のRh粒子の金属Rh含有割合は、調製直後は100モル%であるから、加熱処理により、Rh粒子表面のRh原子の一部が酸化されたものと考えられる。また、実験例3のRh粒子の金属Rh含有割合は、調製直後は37モル%であるから、加熱処理により、Rh粒子表面のRh原子の一部が酸化され、Rh粒子全体の酸化Rh含有割合が増加し、金属Rh含有割合が減少したものと考えられる。
−NO浄化性能評価試験−
実験例1,3の触媒材について、NOを含むモデルガスの浄化テストを行って浄化性能を評価した。その手順は次の通りである。
まず、テスト対象の触媒材に、H濃度1%(残N)の還元性雰囲気で加熱処理を施した。処理条件は、加熱温度が400℃、加熱時間が10分というものであった。
その後、モデルガス流通装置と質量分析装置を用いて、NOx浄化性能を評価した。
実験例1及び実験例3の触媒材について、上記in−situ HAXPES分析試験と同様の方法を用いてサンプルを調製し、モデルガス流通装置に取り付けた。触媒入口ガス温度を、30℃/分の昇温速度で常温から400℃まで昇温させ、触媒を流出するモデルガスのNOの濃度変化を検出し、温度とNO浄化率との関係を求めた。評価に用いたモデルガスの組成はO:25モル%、NO:12.5モル%、CO:62.5モル%であった。
図11に、試験の結果を示す。常温から400℃までの昇温工程において、実験例1の触媒材のNO浄化率は、実験例3の触媒材のNO浄化率よりも高いことが判る。図9及び図10の結果と併せて考えると、実験例1の触媒材では、実験例3の触媒材よりも、Rh粒子全体において金属Rh含有割合が高いから、NO浄化率も高くなっていると考えられる。
(その他の実施形態)
以下、本開示に係る他の実施形態について詳述する。なお、これらの実施形態の説明において、上述の実施形態と同じ部分については同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
上述の実施形態において、触媒材100は、自動車の排気ガスに含まれるHC、CO及びNOxを浄化するための排気ガス浄化用触媒材であったが、当該構成に限られるものではなく、排気ガスに含まれるパティキュレートマターの浄化用触媒材であってもよいし、例えばバイク、トラック、トラクター、重機、航空機、船舶、発電機、発電設備、動力設備等の排気ガス浄化用触媒材であってもよい。また、排気ガス浄化用触媒材に限られるものではなく、燃料電池用触媒材、二次電池用触媒材等のその他の触媒材にも適用することができる。なお、上述の実施形態では、金属状態の貴金属原子の方が酸化状態の貴金属原子よりも、触媒性能は高いという前提で評価を行ったが、当該構成に限られるものではなく、触媒材の構成、用途等に応じて、触媒性能に優れる酸化還元状態は変化し得るから、酸化状態及び金属状態の貴金属原子のいずれの方が触媒性能に優れるかを考慮して評価を行うことが適切である。
100 触媒材
130 貴金属ワイヤ
131 貴金属原子
132 貴金属粒子
140 サポート材
141 基材
200 蒸着装置
210 形成チャンバ
220 固着チャンバ
211 電源
212,214 電極
213 回路
215 導入路
221 排気路
251A He分子
260 管状部材

Claims (6)

  1. 触媒材の評価方法であって、
    前記触媒材は、サポート材と、該サポート材に担持及び/又はドープされた貴金属粒子とを備え、
    前記触媒材の硬X線光電子分光分析を行って、前記貴金属粒子の酸化還元状態に関する値を算出する分析工程と、
    前記酸化還元状態に関する値に基づいて、前記触媒材の触媒性能を評価する評価工程とを備えた
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
  2. 請求項1において、
    前記触媒材は、内燃機関の排気ガスを浄化するための排気ガス浄化用触媒材である
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
  3. 請求項2において、
    前記貴金属粒子の酸化還元状態に関する値は、該貴金属粒子に含まれる金属状態の貴金属原子の含有割合であり、
    前記評価工程で、前記貴金属粒子に含まれる前記金属状態の貴金属原子の含有割合が20モル%以上であるときに、前記触媒材が活性状態であると判定する
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
  4. 請求項2又は請求項3において、
    前記サポート材は、Ce、Zr、Si及びAlの群から選ばれる少なくとも1種を含む酸化物からなり、
    前記貴金属粒子は、Rh、Pt及びPdの群から選ばれる少なくとも1種からなる
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一において、
    前記触媒材は、前記サポート材の表面に、蒸着法により前記貴金属粒子を担持させてなる
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
  6. 請求項5において、
    前記蒸着法は、ガス中蒸着法である
    ことを特徴とする触媒材の評価方法。
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