JP2020066556A - 左官用水硬性組成物の製造方法 - Google Patents

左官用水硬性組成物の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020066556A
JP2020066556A JP2018201143A JP2018201143A JP2020066556A JP 2020066556 A JP2020066556 A JP 2020066556A JP 2018201143 A JP2018201143 A JP 2018201143A JP 2018201143 A JP2018201143 A JP 2018201143A JP 2020066556 A JP2020066556 A JP 2020066556A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
less
monomer
hydraulic composition
mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018201143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7154946B2 (ja
Inventor
理勇 谷本
Ryu Tanimoto
理勇 谷本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2018201143A priority Critical patent/JP7154946B2/ja
Publication of JP2020066556A publication Critical patent/JP2020066556A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7154946B2 publication Critical patent/JP7154946B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

【課題】水硬性組成物を鏝で塗る際の良好な作業性を有し、且つ塗布した水硬性組成物のダレ防止性に優れる左官用水硬性組成物の製造方法の提供。【解決手段】(A)アルカリ増粘型ポリマーを含むエマルション、水硬性粉体、及び水を混合する、左官用水硬性組成物の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、左官用水硬性組成物の製造方法に関する。
左官材等の鏝で塗布する水硬性組成物は、古くは天然物の『つのまた』等の海藻のりを加えることにより、塗布時の作業性を確保していた。その後、半合成樹脂としてメチルセルロースが開発され、以降一般的に使用されている。
このような水硬性組成物に関し、要求される物性として、良好な作業性(塗りやすさ・仕上げのしやすさ)、高い保水性(ドライアウト等による硬化不良防止)、ダレ(ズレ)防止性(塗布したモルタルの自重による変形防止、張り付けたタイルのズレ防止)等が求められており、作業現場での合理化が進む近年、これらの要求は益々高度になってきている。
特許文献1には、特定のビニルポリマー、(メタ)アクリル酸(塩)、炭素数4〜12の(メタ)アクリル酸エステルを必須構成モノマーとしてなるビニルポリマー(A)と、特定のビニルモノマー及び不飽和カルボン酸(塩)を必須構成モノマーとしてなるビニルポリマー(B)とを含有してなることを特徴とする、保水性及び保形性に優れたセメント組成物用添加剤が開示されている。
特許文献2には、(A)成分としてアルカリ増粘型ポリマー、及び(B)成分としてエチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基を有する特定の単量体(1b)とメタクリル酸、アクリル酸等の特定の単量体(2b)とを構成単量体として含み、構成単量体中の単量体(1b)と単量体(2b)の合計量が90質量%以上100質量%以下である共重合体を含有し、水硬性組成物に優れた流動性と材料分離抵抗性を付与でき、且つより優れた貯蔵安定性を有する1剤型の水硬性組成物用混和剤が開示されている。
特開2007−1844号公報 特開2017−206393号公報
左官材料に用いられる水硬性組成物を、鏝で厚塗りする場合、塗布した水硬性組成物の自重でダレが生じ、平滑性を失い、またひび割れの原因ともなる。このダレを抑止するために、増粘剤を含有させた水硬性組成物が利用されているが、水硬性組成物の増粘で鏝による作業性が悪化し、左官職人等の作業者にかかる負担が大きくなり問題となる。
本発明は、水硬性組成物を鏝で塗る際の良好な作業性を有し、且つ塗布した水硬性組成物のダレ防止性に優れる左官用水硬性組成物の製造方法を提供する。
本発明は、(A)アルカリ増粘型ポリマー(以下、(A)成分という)を含むエマルション、水硬性粉体、及び水を混合する、左官用水硬性組成物の製造方法に関する。
また本発明は、(A)成分を含むエマルション、水硬性粉体、及び水を配合してなる、左官用水硬性組成物に関する。
本発明において、左官用水硬性組成物とは、例えば、建物の壁や床、土塀などを、鏝を使って塗り仕上げる用途に用いられる水硬性組成物であり、塗布した水硬性組成物の自重によるダレの低減や、鏝による作業性が求められる水硬性組成物をいう。
また左官用途で使用される水硬性組成物は、ポンプによる圧送や型枠へ流し込む必要性があるコンクリート構造物やコンクリート製品と異なり、ダレが生じないように自立する(低流動性)必要があり、また作業中に生じる微弱な加振条件下でもダレが生じない方が好ましく、振動条件下でも自立する(低流動性)必要があるという点で特殊な用途である。
本発明によれば、水硬性組成物を鏝で塗る際の良好な作業性を有し、且つ塗布した水硬性組成物のダレ防止性に優れる左官用水硬性組成物の製造方法が提供される。
本発明の効果の発現機構は不明なるも、次のように考えられる。
本発明において、(A)成分であるアルカリ増粘型ポリマーは、エマルションの形態で、水硬性粉体と水とともに混合するため、スラリー中で、(A)成分が容易に分散しやすく、水硬性粉体に均一に作用することができると考えられる。また、(A)成分が高分子であるため、該スラリー中の水硬性粉体を凝集させることができると考えられる。これら2つの効果が作用することで、(A)成分が該スラリー中の水硬性粉体粒子全体に対して均一な架橋構造を形成し、当該粒子を均一に凝集させることで、作業時にダレが生じず自立性(低流動性)のあるスラリーを実現できると考えられる。また該スラリーが高塩濃度である場合でも、(A)成分をエマルションの形態として混合すれば、(A)成分が低保水性であり、連続相である水を増粘させないため、良好な作業性を実現できると考えられる。
〔左官用水硬性組成物の製造方法〕
<(A)成分>
(A)成分は、アルカリ増粘型ポリマーである。
アルカリ増粘型ポリマーとは、このポリマーが、アルカリ、例えば、セメントのアルカリに接触すると中和され、水に可溶性となって、該ポリマーと水とを含む混合物の粘性を上昇させる性質を有することをいう。例えば、アルカリ増粘型ポリマーは、該ポリマーと水とを含む混合物が、pH9以上で増粘するポリマーであってよい。ポリマーがアルカリ増粘型であるかどうかは、例えば、当該ポリマーと水とを含有する混合物のpH12.5での粘度が、pH9未満での粘度の2倍以上であることで確認できる。混合物におけるポリマーと水の割合は任意であり、pH及び粘度の測定温度は20℃を選択できる。混合物は、水溶液、エマルション、スラリーが挙げられる。なお、粘度の測定方法としては、実施例に記載の方法が挙げられる。
(A)成分のアルカリ増粘型ポリマーとしては、酸性基を含む不飽和化合物(1a)とエチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体が挙げられる。この共重合体は、構成単量体中の前記(1a)と前記(2a)の合計量が、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、100質量%であってもよい。
酸性基を含む不飽和化合物(1a)の酸性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、リン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられる。これらは、塩となっていてもよい。
酸性基を含む不飽和化合物(1a)としては、不飽和カルボン酸(1a)が挙げられる。
不飽和カルボン酸(1a)としては、
アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、アコニット酸、及びクロトン酸等の不飽和カルボン酸、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物、及び
イタコン酸モノメチル、イタコン酸モノブチル、マレイン酸モノエチル等の不飽和カルボン半エステル、
などが挙げられる。
また、酸性基を含む不飽和化合物(1a)としては、
ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等の不飽和スルホン酸、
リン酸−2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル、リン酸水素ビス[2−((メタ)アクリロイルオキシ)エチル]等の不飽和リン酸、
ビニルフェノール等の不飽和フェノール、
などが挙げられる。
酸性基を含む不飽和化合物(1a)としては、不飽和カルボン酸(1a)が好ましい。不飽和カルボン酸(1a)としては、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる単量体(1a’)が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
エチレン性不飽和化合物(2a)としては、(2a)エチレン、(2a)アクリロニトリルやメタクリロニトリル等のシアノビニル、(2a)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、及びアクリル酸ブチル等のアクリル酸エステル、(2a)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、及びメタクリル酸グリシジル等のメタクリル酸エステル、(2a)ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ステアリン酸ビニル、オクチル酸ビニル、ネオデカン酸ビニルエステル等の炭素数1以上18以下の脂肪族カルボン酸のビニルエステル、(2a)メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテルモノマー、(2a)アリルメタクリレート等の多官能性ビニルモノマー、(2a)スチレン、ブタジエン等の不飽和炭化水素、及び、(2a)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン等の不飽和アミド化合物等が挙げられる。
なお、エチレン性不飽和化合物(2a)からは、酸性基を含む化合物は除かれる。従って、酸性基を含む不飽和化合物(1a)は、エチレン性不飽和化合物(2a)には該当しない。
エチレン性不飽和化合物(2a)としては、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体(2a’)が好ましい。アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルは、エステル部分の炭素数が、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは8以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である。エステル部分の炭素数は、−C(O)−O−R1aにおいて(R1aは炭化水素基)、−C(O)−O−の炭素を含む炭素数である。
アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体(2a’)は、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル及びメタクリル酸エチルから選ばれる1種以上の単量体が好ましい。
(A)成分は、不飽和カルボン酸(1a)と、エチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体が好ましい。
(A)成分が、不飽和カルボン酸(1a)とエチレン性不飽和化合物(2a)の共重合体である場合、不飽和カルボン酸/エチレン性不飽和化合物の質量比は、良好なアルカリ増粘性が得られる観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.4以上、より更に好ましくは0.6以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは2.5以下、より更に好ましくは1.5以下である。この共重合体は、構成単量体中の不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の合計量が、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
不飽和カルボン酸とエチレン性不飽和化合物の重合方法としては、乳化重合、懸濁重合、溶液重合、又は塊状重合等の方法が挙げられる。
(A)成分は、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる単量体(1a’)と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体(2a’)とを構成単量体として含む共重合体〔以下、共重合体(A)という〕がより好ましい。
共重合体(A)においても、単量体(2a’)は、エステル部分の炭素数が、好ましくは1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは8以下、より好ましくは5以下、更に好ましくは3以下である、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体が好ましい。エステル部分の炭素数は、−C(O)−O−R1aにおいて(R1aは炭化水素基)、−C(O)−O−の炭素を含む炭素数である。
共重合体(A)は、ダレ防止性の観点から、単量体(1a’)と単量体(2a’)の合計中、単量体(1a’)の割合が、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは35質量%以上、より更に好ましくは40質量%以上、そして、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下、更に好ましくは55質量%以下、より好ましくは50質量%以下である。
また、共重合体(A)は、構成単量体中の単量体(1a’)と単量体(2a’)の合計量が好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、より更に好ましくは85質量%以上、より更に好ましくは90質量%以上、より更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下であり、また100質量%であってもよい。
(A)成分は、ダレ防止性の観点から、重量平均分子量が、好ましくは100,000以上10,000,000以下である。(A)成分の重量平均分子量は、より好ましくは150,000以上、更に好ましくは200,000以上、より更に好ましくは250,000以上、そして、好ましくは8,000,000以下、より好ましくは5,000,000以下、より更に好ましくは3,000,000以下、より更に好ましくは2,000,000以下、より更に好ましくは1,700,000以下、より更に好ましくは1,200,000以下である。
(A)成分は、ダレ防止性の観点から、数平均分子量が、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは35,000以上、より更に好ましくは40,000以上、そして、好ましくは8,000,000以下、より好ましくは5,000,000以下、より更に好ましくは2,000,000以下、より更に好ましくは1,000,000以下、より更に好ましくは500,000以下、より更に好ましくは300,000以下、より更に好ましくは250,000以下、より更に好ましくは200,000以下、より更に好ましくは180,000以下である。
(A)成分は、ダレ防止性の観点から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが、好ましくは1.1以上、より好ましくは2.0以上、更に好ましくは4.0以上、更により好ましくは5.0以上、そして、好ましくは10.0以下、より好ましくは8.0以下、更に好ましくは7.0以下である。
(A)成分の重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれ、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:TsKgelα―M+TsKgelα―M(東ソー株式会社製)
溶離液:60mmol/Lリン酸、50mmol/L LiBr―DMF
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:1mg/mL
標準物質:ポリスチレン換算(分子量既知の単分散ポリスチレン、分子量:590、3,600、30,000、96,400、929,000、8,420,000)
本発明では、(A)成分が前記共重合体(A)であることが好ましい。本発明では、(A)成分が、前記範囲の重量平均分子量を有する前記共重合体(A)であることがより好ましい。
(A)成分は、水を分散媒としたエマルションの形態で入手できる。本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、ダレ防止性の観点から、(A)成分を含むエマルションとして、水硬性粉体、及び水と混合する。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法において、(A)成分を固形分濃度で、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5質量%以上、より更に好ましくは10質量%以上、そして、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下、更に好ましくは30質量%以下、より更に好ましくは20質量%以下含むエマルションとして、水硬性粉体、及び水と混合する。
(A)成分を含むエマルションは、水を分散媒として、(A)成分を分散粒子として含むことが好ましい。(A)成分を含むエマルションにおいて、(A)成分の分散粒子の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.05μm以上、そして、好ましくは20μm以下、より好ましくは10μm以下である。(A)成分の分散粒子の平均粒径は、イオン交換水で固形分0.3質量%に希釈し、粒子径・ゼータ電位測定装置ゼータサイザーナノZS(マルバーン社製)を用いることにより測定することができる。
<(B)成分>
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法では、良好な作業性の観点から、更に(B)成分として、分散剤を混合することが好ましい。
(B)成分は、水硬性粉体用分散剤が好ましく、ポリカルボン酸系重合体、ナフタレン系重合体、及びカチオン性重合体から選ばれる1種以上の分散剤がより好ましい。
(B)成分のポリカルボン酸系重合体としては、下記一般式(1b)で示される単量体(1b)と下記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含む共重合体が好ましい。
Figure 2020066556
〔式中、
1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
3b:水素原子又は−COO(AO)n1
:水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
n1:AOの平均付加モル数であり、2以上300以下の数
q:0以上2以下の数
を示す。〕
Figure 2020066556
〔式中、
4b、R5b、R6b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基
r:0以上2以下の数
を示す。〕
一般式(1b)中、R1bは、水素原子が好ましい。
一般式(1b)中、R2bは、メチル基が好ましい。
一般式(1b)中、R3bは、水素原子が好ましい。
一般式(1b)中、Xは、水素原子又はメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
一般式(1b)中、AOは、エチレンオキシ基が好ましい。AOはエチレンオキシ基を含むことが好ましい。
一般式(1b)中、n1は、AOの平均付加モル数であり、ダレ防止性と良好な作業性の観点から、2以上、好ましくは5以上、そして、300以下、好ましくは140以下、より好ましくは120以下の数である。
一般式(1b)中、qは、0が好ましい。
一般式(2b)中、R4bは、水素原子が好ましい。
一般式(2b)中、R5bは、メチル基が好ましい。
一般式(2b)中、R6bは、水素原子が好ましい。
(CHCOOMについては、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
とMは同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基である。
、Mのアルキル基、ヒドロキシアルキル基、及びアルケニル基は、それぞれ、炭素数1以上4以下が好ましい。
とMは、同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、又はアルキルアンモニウム基が好ましく、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、又はアンモニウム基がより好ましく、水素原子、アルカリ金属、又はアルカリ土類金属(1/2原子)が更に好ましく、水素原子、又はアルカリ金属がより更に好ましい。
一般式(2b)中の(CHCOOMのrは、1が好ましい。
単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体は、構成単量体中の単量体(1b)と単量体(2b)の合計量が、好ましくは90質量%以上、より好ましくは92質量%以上、更に好ましくは95質量%以上、そして、好ましくは100質量%以下である。この合計量は、100質量%であってもよい。
単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体において、単量体(1b)と単量体(2b)の合計に対する単量体(2b)の割合は、ダレ防止性と良好な作業性の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは20モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、より更に好ましくは40モル%以上、そして、好ましくは90モル%以下、より好ましくは80モル%以下、更に好ましくは60モル%以下、更により好ましくは50モル%以下である。
ポリカルボン酸系重合体、更に単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量は、良好な作業性の観点から、好ましくは20,000以上、より好ましくは30,000以上、更に好ましくは40,000以上、より更に好ましくは50,000以上、そして、好ましくは100,000以下、より好ましくは100,000未満、更に好ましくは70,000以下、より更に好ましくは60,000以下である。
ポリカルボン酸系重合体、更に単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体の数平均分子量は、良好な作業性の観点から、好ましくは15,000以上、より好ましくは25,000以上、更に好ましくは35,000以上、そして、好ましくは80,000以下、より好ましくは50,000以下である。
ポリカルボン酸系重合体、更に単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体は、良好な作業性の観点から、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.2以上、そして、好ましくは7.0以下、より好ましくは4.5以下、更に好ましくは2.0以下である。
ポリカルボン酸系重合体、更に単量体(1b)と単量体(2b)を構成単量体として含む共重合体の重量平均分子量及び数平均分子量は、それぞれ、以下の条件のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定されたものである。
*GPC条件
装置:GPC(HLC−8320GPC)東ソー株式会社製
カラム:G4000PWXL+G2500PWXL(東ソー株式会社製)
溶離液:0.2Mリン酸バッファー/CHCN=9/1
流量:1.0mL/min
カラム温度:40℃
検出:RI
サンプルサイズ:0.2mg/mL
標準物質:ポリエチレングリコール換算(分子量既知の単分散ポリエチレングリコール、分子量87,500、250,000、145,000、46,000、24,000)
ナフタレン系重合体としては、好ましくはナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩が挙げられる。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ナフタレンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物又はその塩である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は、性能を損なわない限り、単量体として、例えばメチルナフタレン、エチルナフタレン、ブチルナフタレン、ヒドロキシナフタレン、ナフタレンカルボン酸、アントラセン、フェノール、クレゾール、クレオソート油、タール、メラミン、尿素、スルファニル酸及び/又はこれらの誘導体などのような、ナフタレンスルホン酸と共縮合可能な芳香族化合物と共縮合させても良い。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、例えば、マイテイ150、デモール N、デモール RN、デモール MS、デモールSN−B、デモール SS−L(いずれも花王株式会社製)、セルフロー 120、ラベリン FD−40、ラベリン FM−45(いずれも第一工業株式会社製)などのような市販品を用いることができる。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩は、ダレ防止性と良好な作業性の観点から、重量平均分子量が、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは4,000以上、より更に好ましくは5,000以上、そして、好ましくは200,000以下、より好ましくは100,000以下、更に好ましくは80,000以下、より更に好ましくは50,000以下、より更に好ましくは30,000以下である。ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物は酸の状態あるいは中和物であってもよい。
ナフタレンスルホン酸ホルムアルデヒド縮合物又はその塩の分子量は下記条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
[GPC条件]
カラム:G4000SWXL+G2000SWXL(東ソー)
溶離液:30mM CHCOONa/CHCN=6/4
流量:0.7ml/min
検出:UV280nm
サンプルサイズ:0.2mg/ml
標準物質:西尾工業(株)製 ポリスチレンスルホン酸ソーダ換算(単分散ポリスチレンスルホン酸ナトリウム:分子量、206、1,800、4,000、8,000、18,000、35,000、88,000、780,000)
検出器:東ソー株式会社 UV−8020
カチオン性重合体は、アミン又は4級アンモニウム基を有する重合性モノマー由来の構造単位を有するカチオン性重合体が好ましい。
カチオン性重合体は、下記一般式(3b)で表される化合物、その酸塩及びその4級塩から選ばれる1種以上の化合物に由来するモノマー単位〔以下、モノマー単位(3b)という〕を含有するカチオン性重合体がより好ましい。
Figure 2020066556
〔一般式(3b)中、R11b、R12bは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示し、R13bは−C(O)OM(Mは水素原子、又はアルカリ金属原子)又は水素原子を示す。Xは、−C(O)O−R16b−、−C(O)NR17b−R18b−又は−CH−を示す。R14bは、Xが−CH−の場合には一般式(3b’)
Figure 2020066556
で表される基を示し、Xがそれ以外の場合は炭素数1以上3以下のアルキル基、又は炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基を示す。R15bは、炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基又は水素原子を示す。R16b、R18bは、それぞれ独立に炭素数1以上4以下のアルキレン基、R17bは、水素原子又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
モノマー単位(3b)の由来となる、一般式(3b)で表される化合物のうち、一般式(3b)中のXが−C(O)O−R16b−である化合物としては、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジメチルアミノプロピル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジメチルアミノブチル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジエチルアミノメチル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジエチルアミノエチル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジエチルアミノプロピル、アクリル酸(またはメタクリル酸)N,N−ジエチルアミノブチル等が挙げられる。
また、一般式(3b)で表される化合物のうち、一般式(3b)中のXが−C(O)NR17b−R18b−である化合物としては、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノメチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノエチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド、N,N−ジメチルアミノブチルアクリル酸(またはメタクリル酸)アミド等が挙げられる。
また、一般式(3b)中のXが−CH−の場合、R14bは前記一般式(3b’)で表される基である。かかる化合物としては、ジアリルアミン等が挙げられる。
一般式(3b)で表される化合物は、その酸塩又は4級塩を用いることができる。酸塩としては、一般式(3b)で表される化合物と、例えば塩酸又は硫酸などの無機酸との中和塩や各種有機酸との中和塩が挙げられる。4級塩としては、一般式(3b)で表される化合物を、炭素数1以上3以下のハロゲン化アルキル又は炭素数1以上3以下のアルキル硫酸等で4級化した4級塩が挙げられる。4級塩としてはN,N,N−トリメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アンモニウムエチルサルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムクロリドが挙げられる。これらの化合物は、例えばMRCユニテック(株)からQDMやMOEDESという商品名で販売されている。
一般式(3b)で示される化合物のうち、より好ましい化合物は、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、及びこれらの酸塩又は4級塩から選ばれる1種以上である。
カチオン性重合体は、は、モノマー単位(3b)と、一般式(3b)で表される化合物と共重合可能な重合性ビニル化合物に由来するモノマー単位〔以下、モノマー単位(4b)という〕とを有する共重合体であってもよい。
モノマー単位(4b)としては、下記一般式(4b)で表される化合物に由来するモノマー単位が挙げられる。
Figure 2020066556
〔式中、R21b、R22bは、それぞれ独立に水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示し、Yはアリール基、−O−C(O)−R23b、−C(O)O−(R24b−O)n2−R25b、又は−C(O)NR26b−R27bを示す。R23b、R25b、R27bは、それぞれ独立に炭素数1以上22以下の直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状のアルキル基もしくはアルケニル基、又は総炭素数6以上14以下のアリールアルキル基を示し、R24bは、炭素数2又は3のアルキレン基、n2は0以上50以下の数、R26bは水素原子、又は炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
一般式(4b)中のYは−C(O)O−(R24b−O)n2−R25bが好ましい。
Yの−C(O)O−(R24b−O)n−R25bでは、R25bは、炭素数8以上、更に10以上、そして、18以下、更に14以下のアルキル基が好ましい。R24bは、エチレンが好ましい。n2は0以上、好ましくは20以下、より好ましくは10以下の数である。nは0が更に好ましい。
一般式(4b)で示され、モノマー単位(3b)の出発物質と共重合可能な具体的な重合性ビニル化合物としては、アルキル基の炭素数が1以上、好ましくは8以上、そして、22以下、好ましくは14以下であるアクリル酸アルキルエステル又はメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
一般式(4b)の化合物以外の前記モノマー単位(3b)の出発物質と共重合可能な重合性ビニル化合物〔以下、その他重合性化合物という〕としては、(1)ビニルアルコール、(2)ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド等の炭素数1以上22以下のヒドロキシアルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル又は(メタ)アクリルアミド、(3)グリセリン(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル、(4)ジアセトン(メタ)アクリルアミド、(5)N−ビニルピロリドン等のN−ビニル環状アミド、(6)N−(メタ)アクロイルモルホリン、(7)塩化ビニル、(8)アクリロニトリル、(9)(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンカルボン酸等のカルボキシル基を有するビニル化合物、(10)2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸等のスルホン酸基を有するビニル化合物、等が例示される。
カチオン性重合体は、(1)前記一般式(3b)で表される化合物、その酸塩及びその4級塩から選ばれる化合物、具体的にはメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、及びこれらの酸塩又は4級塩から選ばれるモノマーのカチオン性ホモポリマー、並びに(2)前記一般式(3b)で表される化合物、その酸塩及びその4級塩から選ばれる1種以上の化合物、具体的にはメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノメチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、アクリル酸N,N−ジメチルアミノメチルから選ばれるモノマーと、一般式(4b)で表される化合物、具体的にはアルキル基の炭素数が8以上14以下のアクリル酸アルキルエステル及びメタクリル酸アルキルエステルから選ばれる1種以上の化合物との共重合により得られたカチオン性コポリマー、から選ばれるカチオン性重合体が好ましい。
カチオン性重合体が、モノマー単位(3b)及びモノマー単位(4b)で表される化合物に由来するモノマー単位を有する共重合体である場合、そのような共重合体は、モノマー単位(3b)/モノマー単位(4b)=20/80以上99/1以下のモル比であることが好ましく、50/50以上95/5以下がより好ましく、更には70/30以上95/5以下がより好ましい。また、モノマー単位(3b)及びモノマー単位(4b)の合計は、カチオン性重合体の全モノマー単位中60モル%以上が好ましく、更に80モル%以上がより好ましく、100モル%以下が好ましい。当該モノマー単位の比率は、重合時に用いた一般式(3b)及び一般式(4b)の重合性化合物のモル比であってもよい。
カチオン性重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは2,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは6,000以上、より更に好ましくは12,000以上、そして、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,500,000以下、更に好ましくは100,000以下、より更に好ましくは60,000以下である。MwとMn(数平均分子量)の比Mw/Mnは、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上、そして、好ましくは40以下、より好ましくは35である。
カチオン性重合体のMw、Mn、Mw/Mnは、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)測定による値を使用する。溶離液としては、水、アルコール、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、アセトニトリル及びこれらの溶媒を組み合わせた液の何れかを使用し、カチオン性重合体が比較的親水性の場合は、ポリエチレングリコールを標品として用いるため、ポリエチレングリコール換算(以下、PEG換算という場合もある)の分子量とし、比較的疎水性の場合は、ポリスチレンを標品として用いるため、ポリスチレン換算(以下、PSt換算という場合もある)の分子量とする。
すなわち、測定対象のポリマーが、モノマー単位(3b)の割合が大きく比較的親水性であると考えられる場合は、(1%酢酸/エタノール):水=3:7(質量比)の混合溶媒で調製したLiBrの50mmol/L溶液を溶媒として、極性溶媒用GPCカラム「α−M(東ソー(株)製)」を2本直列して用い、ポリエチレングリコール換算の分子量により算出する(測定法A)。ポリマーが比較的疎水性であると考えられる場合は、ファーミンDM20(花王(株)製)の1mmol/L−CHCl3溶液にて、有機溶媒用GPCカラム「K−804(昭和電工(株)製)」を2本直列して用い、ポリスチレン換算の分子量により算出する(測定法B)。
<水硬性粉体>
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法に使用される水硬性粉体とは、水と混合することで硬化する粉体であり、例えば、セメント、具体的には、普通ポルトランドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルトランドセメント、耐硫酸塩ポルトランドセメント、低熱ポルトランドセメント、白色ポルトランドセメント、エコセメント(例えばJIS R5214等)が挙げられる。これらの中でも、水硬性組成物の必要な強度に達するまでの時間を短縮する観点から、早強ポルトランドセメント、普通ポルトランドセメント、耐硫酸性ポルトランドセメント及び白色ポルトランドセメントから選ばれるセメントが好ましく、早強ポルトランドセメント、及び普通ポルトランドセメントから選ばれるセメントがより好ましい。
また、水硬性粉体には、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム、無水石膏等が含まれてよく、また、非水硬性の石灰石微粉末等が含まれていてもよい。水硬性粉体として、セメントと高炉スラグ、フライアッシュ、シリカヒューム等とが混合された高炉セメントやフライアッシュセメント、シリカヒュームセメントを用いてもよい。
また、水硬性粉体は、セメント又はセメントとベントナイトとの混合粉末が挙げられる。
<混合組成等>
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、(A)成分の混合量が、水硬性粉体100質量部に対して、ダレ防止性の観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、そして、好ましくは2質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下、更に好ましくは1.2質量部以下、より更に好ましくは0.9質量部以下、より更に好ましくは0.6質量部以下、より更に好ましくは0.3質量部以下となるように、(A)成分を含むエマルションを混合する。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、(B)成分を混合する場合、(B)成分の混合量が、水硬性粉体100質量部に対して、良好な作業性の観点から、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.02質量部以上、更に好ましくは0.03質量部以上、そして、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.7質量部以下、更に好ましく0.5質量部以下、より更に好ましくは0.3質量部以下、より更に好ましくは0.25質量部以下、より更に好ましくは0.2質量部以下となるように、(B)成分を混合する。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、(B)成分を混合する場合、(A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比(B)/(A)が、ダレ防止性と良好な作業性の観点から、好ましくは0.05以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは3以下、より好ましくは2.5以下、更に好ましくは2以下となるように、(A)成分を含むエマルションと(B)成分を混合する。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、水/水硬性粉体比(W/C)が、ダレ防止性と良好な作業性の観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上、そして、好ましくは200質量%以下、より好ましくは150質量%以下、更に好ましくは100質量%以下となるように、水と水硬性粉体を混合する。
ここで、水/水硬性粉体比(W/C)は、水硬性組成物中の水と粉体の質量百分率(質量%)であり、水/粉体×100で算出される。
なお、水硬性粉体が、セメントなどの水和反応により硬化する物性を有する粉体の他、ポゾラン作用を有する粉体、潜在水硬性を有する粉体、及び石粉(炭酸カルシウム粉末)から選ばれる粉体を含む場合、本発明では、それらの量も水硬性粉体の量に算入する。また、水和反応により硬化する物性を有する粉体が、高強度混和材を含有する場合、高強度混和材の量も水硬性粉体の量に算入する。これは、水硬性粉体の質量が関係する他の質量部などにおいても同様である。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、更に骨材を混合することができる。骨材は、細骨材や粗骨材等が挙げられ、細骨材は山砂、陸砂、川砂、砕砂が好ましく、粗骨材は山砂利、陸砂利、川砂利、砕石が好ましい。用途によっては、軽量骨材を使用してもよい。なお、骨材の用語は、「コンクリート総覧」(1998年6月10日、技術書院発行)による。
なお、粗骨材を使用する場合は、1000kg/m以下であることが好ましく、850kg/m以下であることがより好ましく、700kg/m以下であることが更に好ましく、500kg/m以下であることがより更に好ましく、300kg/m以下であることがより更に好ましく、100kg/m以下であることがより更に好ましく、50kg/m以下であることがより更に好ましく、25kg/m以下であることがより更に好ましく、10kg/m以下であることがより更に好ましく、1kg/m以下であることがより更に好ましい。本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、粗骨材を混合しないことが好ましい。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、本発明の効果に影響ない範囲で、更に上記した成分以外のその他の成分を混合することもできる。例えば、AE剤、遅延剤、起泡剤、増粘剤、発泡剤、防水剤、流動化剤、消泡剤等が挙げられる。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法は、予め、水、(A)成分を含むエマルション、更に任意成分である(B)成分を混合した液状組成物を調製し、該液状組成物を水硬性粉体、更には水硬性粉体と骨材の混合物に添加し、混合して左官用水硬性組成物を製造することが好ましい。
すなわち、本発明の左官用水硬性組成物の製造方法として、水と、(A)成分を含むエマルションと、更に任意成分である(B)成分とを含む液状組成物を調製し、該液状組成物を水硬性粉体、更には水硬性粉体と骨材の混合物に添加し、混合する、左官用水硬性組成物の製造方法が挙げられる。
本発明の左官用水硬性組成物の製造方法において、各成分の混合は、既存の装置を全て使用可能であり、例えば、傾胴ミキサー、パン型ミキサー、二軸強制ミキサー、オムニミキサー、ヘンシェルミキサー、V型ミキサー、及びナウターミキサーなどが挙げられる。
本発明の製造方法により得られた左官用水硬性組成物は、調製した水硬性組成物を鏝により塗布する際の作業性(増粘抑止による鏝での塗りやすさ、作業時の鏝の軽さ)がよく、また塗布した水硬性組成物のダレを抑制することができるため、鏝による塗布作業が主である左官用として好適である。
〔左官用水硬性組成物〕
本発明は、(A)成分を含むエマルション、水硬性粉体、及び水を配合してなる、左官用水硬性組成物に関する。
本発明の左官用水硬性組成物は、本発明の左官用水硬性組成物の製造方法に記載した態様を適宜適用することができる。
本発明の左官用水硬性組成物において、(A)成分、水硬性粉体、任意成分である(B)成分、骨材、その他の任意成分は、本発明の左官用水硬性組成物の製造方法に記載した態様と同じである。また本発明の左官用水硬性組成物の製造方法に記載した(A)成分の混合量、(B)成分の混合量、質量比(B)/(A)は、混合量を配合量に置き換えて、本発明の左官用水硬性組成物に適用できる。
表2、3に示した(A)成分、(A’)成分((A)成分の比較成分)、(B)成分は以下のものを用いた。
(A)成分
(A−1):構成単量体として、アクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルから構成される共重合体、アクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル=40質量%/30質量%/30質量%、重合平均分子量(Mw)557,000、数平均分子量(Mn)84,900
固形分1.0質量%の共重合体(A−1)の水性エマルジョンがpH2.7、粘度5.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体(A−1)の水性エマルジョンは粘度20mPa・sを与えたことから、共重合体(A−1)はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。pHと粘度は何れも20℃での値である(以下の(A)成分でも同様)。粘度はB型粘度計(BM型VISCOMETER:TOKIMEC INC.製、測定条件:ローターNo.2、60rpm)で測定した。pHはpH計(HM−30S:東亜ディーケーケー社製)で測定した。
(A−2):構成単量体として、アクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルから構成される共重合体、アクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル=50質量%/25質量%/25質量%、重合平均分子量(Mw)267,000、数平均分子量(Mn)43,400
固形分1.0質量%の共重合体(A−2)の水性エマルジョンがpH2.7、粘度4.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体(A−2)の水性エマルジョンは粘度30mPa・sを与えたことから、共重合体(A−2)はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
(A−3):構成単量体として、アクリル酸、アクリル酸エチルから構成される共重合体、アクリル酸/アクリル酸エチル=50質量%/50質量%、重合平均分子量(Mw)1,050,000、数平均分子量(Mn)174,000
固形分1.0質量%の共重合体(A−3)の水性エマルジョンがpH2.7、粘度5.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体(A−3)の水性エマルジョンは粘度30mPa・sを与えたことから、共重合体(A−3)はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
(A−4):構成単量体として、アクリル酸、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチルから構成される共重合体、アクリル酸/アクリル酸エチル/メタクリル酸エチル=50質量%/30質量%/20質量%、重合平均分子量(Mw)86,4000、数平均分子量(Mn)170,000
固形分1.0質量%の共重合体(A−4)の水性エマルジョンがpH2.7、粘度5.5mPa・sを与えたのに対し、10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分1.0質量%に調整した共重合体(A−4)の水性エマルジョンは粘度150mPa・sを与えたことから、共重合体(A−4)はアルカリ増粘型ポリマーであると判断した。
なお、共重合体(A−1)〜(A−4)は、特開2017−206393号公報の製造例に基づいて作製した。
(A’)成分((A)成分の比較成分)
(A’−1):ベントナイト、富士フィルム和光純薬(株)製
(A’−2):ヒドロキシエチルセルロース、富士フィルム和光純薬(株)製
(B)成分
(B−1):構成単量体として、単量体(1b)と単量体(2b)から構成される共重合体、単量体(2b)/単量体(1b)=メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(9)モノメタクリレート(カッコ内は平均付加モル数)=47モル%/53モル%、重量平均分子量(Mw)=70,000
(B−2):ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物(マイテイ150:花王株式会社製)
(B−3):メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルの硫酸塩を由来とするモノマー単位からなるホモポリマー、重量平均分子量(Mw)56,000、カオーセラMD−P、花王(株)製
(B−4):構成単量体として、単量体(1b)と単量体(2b)から構成される共重合体、単量体(2b)/単量体(1b)=メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(120)モノメタクリレート(カッコ内は平均付加モル数)=60モル%/40モル%、重量平均分子量(Mw)=60,000
(B−5):構成単量体として、単量体(1b)と単量体(2b)から構成される共重合体、単量体(2b)/単量体(1b)=メタクリル酸/メトキシポリエチレングリコール(120)モノメタクリレート(カッコ内は平均付加モル数)=90モル%/10モル%、重量平均分子量(Mw)=55,500
[左官用モルタル試験]
<左官用モルタルの調製>
ホバート型ミキサー((株)関西機器製作所製、KC−8)に、表1に記載の配合で、セメント、砂を加えて10秒間空練りを行った。次に、表2に記載の各成分を混合した水を、空練りしたセメントと砂の混合物に加えて、2分間撹拌(撹拌速度:公転62rpm,自転141rpm)を行うことで左官用モルタルを調製した。なお表2中の実施例1−1〜1−12において、(A)成分を水に混合する際、(A)成分は、固形分濃度が15質量%のエマルションを用いた。また表2中の比較例1−2〜1−4において、(A’)成分を水に混合する際、(A’)成分は粉体(固形分濃度100質量%)を用いた。また表2中の比較例1−5において、(A)成分として、共重合体(A−1)を用いているが、共重合体(A−1)を水に混合する際、エマルションとしてではなく、共重合体(A−1)を10質量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12.5、固形分15質量%に調製した水溶液を用いた。
水の添加量は、表1に記載の配合の水量となるように調製した。なお水の配合量には、(A)成分、(A’)成分(B)成分の添加量が含まれる。
Figure 2020066556
表1中、モルタル配合で用いた、各材料は以下の通りである。
水:水道水(配合量は、(A)成分、(A’)成分、及び(B)成分を含む)
セメント:普通ポルトランドセメント、太平洋セメント製と住友大阪セメント製を質量比50/50で混合した物、比重3.16
砂:京都府城陽産、表乾比重2.54g/cm
<モルタルの流動性評価>
混練直後の左官用モルタルを、JIS R 5201準じて、フローコーン(上径70mm×下径100mm×高さ60mm)に充填し、フローテーブル上に垂直に引き上げてから1分後の広がりを初期モルタルフローとして測定した。結果を表2に示す。ダレ抑制の観点から、初期モルタルフローは120mm以下が好ましい。次に初期モルタルフロー測定直後に、フローテーブルを10秒間に15回タッピングした際のモルタルフローを測定し(表2中では「タップ後モルタルフロー」と表記)、初期モルタルフローとのフロー差を算出した。結果を表2に示す。鏝による作業性の観点から、フロー差は95mm以上が好ましい。
<ダレ試験>
モルタルで作製した板を水平面に置き、100×100×30(厚さ)mmの枠を乗せ、調製した左官用モルタルを枠に充填した。その後、枠を外し、モルタルで作製した板を地面との角度が90°の傾斜にして静置させた。モルタルの自重によるダレが止まるまで静置し、ダレが止まったのを確認してから、型枠があったときのモルタル形状からはみ出た部分の地面から垂直方向の長さを測定した。結果を表2に示す。当該長さは、ダレ防止の観点から、200mm以内に収まることが好ましい。
<作業性官能評価>
モルタルで作製した板に、調製した左官用モルタルを、鏝を用いて約5mmの厚さで塗りつけて、ベタツキと鏝の軽さを評価した。ベタツキはモルタルを塗った後に、塗りつけたモルタルから鏝を離す時にかかる腕の負担を下記基準で官能的に評価した。また鏝の軽さは約5mmの厚さに塗る時の鏝の軽さとスムーズさを下記基準で官能的に評価した。結果を表2に示す。
ベタツキ
1:モルタルから鏝を離す際に、ベタツキを感じ、腕に負担がかかる。
2:モルタルから鏝を離す際に、ベタツキを感じるが、腕に負担を感じない。
3:鏝が簡単に離れ、腕に負担を感じない。
鏝の軽さ
1:重く、腕に負荷を感じる。
2:負担は軽いが、塗る時に力を要する。
3:ほとんど力を入れることなくスムーズに塗ることができる。
Figure 2020066556
表2中、(A)成分、及び(B)成分の含有量は、水硬性粉体100質量部に対する含有量(質量部)である。また(A)成分の比較成分である(A’)成分は、便宜上(A)成分の欄に記載した。
[市販の補修材を用いた左官用ペースト試験]
<左官用ペーストの調製>
市販されている補修材(ハイモルマックス#10、昭和電工建材社製)を用いて、下記評価を行った。
ハイモルマックス#10に、表3に記載の各成分を混合した水を加えて、ハンドミキサー(Panasonic社製、型番 MK−H4)で30秒撹拌(撹拌速度950rpm)し、左官用ペーストを調製した。なお(A)成分を水に混合する際、(A)成分は、固形分濃度が30質量%のエマルションを用いた。
水の添加量は、ハイモルマックス♯10を100質量部に対し、水42質量部の水を混ぜて調製した。なお水の配合量には、(A)成分、(B)成分の添加量が含まれる。
<流動性の評価>
調製した左官用ペーストを、円筒状コーン(φ50mm×50mm)に充填し、垂直に引き上げた時の広がり(もっとも長い直径の長さとそれと垂直方向の長さの平均値)をペーストフローとして測定した。測定は、混練終了直後(0分後)に測定した。結果を表3に示す。ペーストフローは、ダレ防止性の観点から、75mm以下が好ましい。
<レオロジーの評価>
レオロジーの評価として、調製した左官用ペーストを、下記条件にて、20℃におけるせん断速度のせん断応力依存性を測定した。せん断速度が0.5(1/s)になった時のせん断応力を降伏値とし、せん断応力が降伏値から1500Paにおけるせん断速度とせん断応力の傾きを塑性粘度とした。結果を表3に示す。
・測定装置名:(株)アントンパール・ジャパン製 MCR301
・アプリケーション:RHEOPLUS
・測定治具:パラレルプレートPP−25(d=1mm)
・せん断応力の範囲:1〜1500(Pa)
降伏値は流体を流動化させるのに必要な応力であり、降伏値が高い値を示すほど、ダレを抑制できる。一方で、塑性粘度はせん断応力下での流体の変形抵抗性を示し、塑性粘度が低いほど、良好な作業性を実現できる。
<左官特性の官能評価>
ベニヤ板に、調製した左官用ペーストを、鏝を用いて塗りつけて、ダレ性と鏝の軽さを評価した。ダレ性は、地面から垂直方向に設置したベニヤ板に、該左官用ペーストを約3cmの厚みに塗って静置した時の自重によるダレ具合を、目視で下記基準に従って評価した。鏝の軽さは約5mmの厚さに塗る時の鏝の軽さとスムーズさを下記基準で官能的に評価した。
ダレ性
1:静置するとダレが発生する。
2:静置してもダレは発生しないが、若干の振動を加えるとダレが発生する。
3:振動を加えてもダレが発生しない。
鏝の軽さ
1:重く、腕に負荷を感じる
2:負担は軽いが、塗る時に力を要する
3:ほとんど力を入れることなくスムーズに塗ることができる
Figure 2020066556
表3中、(A)成分、及び(B)成分の含有量は、ハイモルマックス♯10の100質量部に対する含有量(質量部)である。

Claims (12)

  1. (A)アルカリ増粘型ポリマー(以下、(A)成分という)を含むエマルション、水硬性粉体、及び水を混合する、左官用水硬性組成物の製造方法。
  2. (A)成分が、酸性基を含む不飽和化合物(1a)とエチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  3. (A)成分が、不飽和カルボン酸(1a)と、エチレン性不飽和化合物(2a)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1又は2に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  4. (A)成分が、アクリル酸及びメタクリル酸から選ばれる単量体(1a’)と、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルから選ばれる単量体(2a’)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項1〜3の何れか1項に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  5. 単量体(2a’)におけるアクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルのエステル部分の炭素数が1以上8以下である、請求項4に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  6. (A)成分の混合量が、水硬性粉体100質量部に対して、0.02質量部以上2.0質量部以下となるように前記エマルションを混合する、請求項1〜5の何れか1項に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  7. 更に、(B)分散剤(以下、(B)成分という)を混合する、請求項1〜6の何れか1項に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  8. (B)成分が、ポリカルボン酸系重合体、ナフタレン系重合体、及びカチオン性重合体から選ばれる1種以上の分散剤である、請求項7に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  9. (B)成分が、下記一般式(1b)で示される単量体(1b)と下記一般式(2b)で示される単量体(2b)とを構成単量体として含む共重合体である、請求項7又は8に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
    Figure 2020066556

    〔式中、
    1b、R2b:同一でも異なっていても良く、水素原子又はメチル基
    3b:水素原子又は−COO(AO)n1
    :水素原子又は炭素数1以上4以下のアルキル基
    AO:エチレンオキシ基及びプロピレンオキシ基から選ばれる基
    n1:AOの平均付加モル数であり、2以上300以下の数
    q:0以上2以下の数
    を示す。〕
    Figure 2020066556

    〔式中、
    4b、R5b、R6b:同一でも異なっていても良く、水素原子、メチル基又は(CHCOOMであり、(CHCOOMは、COOM又は他の(CHCOOMと無水物を形成していてもよく、その場合、それらの基のM、Mは存在しない。
    、M:同一でも異なっていても良く、水素原子、アルカリ金属、アルカリ土類金属(1/2原子)、アンモニウム基、アルキルアンモニウム基、置換アルキルアンモニウム基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又はアルケニル基
    r:0以上2以下の数
    を示す。〕
  10. 単量体(1b)と単量体(2b)の合計に対する単量体(2b)の割合が、10モル%以上80モル%以下である、請求項9に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  11. (A)成分の混合量と(B)成分の混合量との質量比(B)/(A)が、0.05以上3以下となるように、前記エマルションと(B)成分を混合する、請求項7〜10の何れか1項に記載の左官用水硬性組成物の製造方法。
  12. (A)アルカリ増粘型ポリマー(以下、(A)成分という)を含むエマルション、水硬性粉体、及び水を配合してなる、左官用水硬性組成物。
JP2018201143A 2018-10-25 2018-10-25 左官用水硬性組成物の製造方法 Active JP7154946B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018201143A JP7154946B2 (ja) 2018-10-25 2018-10-25 左官用水硬性組成物の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018201143A JP7154946B2 (ja) 2018-10-25 2018-10-25 左官用水硬性組成物の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020066556A true JP2020066556A (ja) 2020-04-30
JP7154946B2 JP7154946B2 (ja) 2022-10-18

Family

ID=70389535

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018201143A Active JP7154946B2 (ja) 2018-10-25 2018-10-25 左官用水硬性組成物の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7154946B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122651A (ja) * 1999-10-25 2001-05-08 Toto Resin Kako Kk コンクリート構造物用下地調整材組成物およびその製造方法
JP2002029803A (ja) * 2000-07-18 2002-01-29 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和剤及びそれを含有したコンクリート、並びにその製造方法
JP2002179447A (ja) * 2000-10-04 2002-06-26 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びその使用方法
JP2002338325A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 水硬性組成物
JP2005119928A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 吹付け用混和剤、吹付け材料、及びそれを用いた吹付け工法
JP2013529698A (ja) * 2010-06-25 2013-07-22 コアテツクス・エス・アー・エス 界面活性剤無添加アルカリ膨潤性アクリル系エマルション、水性調合物でのこれの使用およびこれを含有する調合物
JP2017206393A (ja) * 2016-05-16 2017-11-24 花王株式会社 水硬性組成物用混和剤
JP2018095537A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 花王株式会社 水硬性組成物の硬化体の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122651A (ja) * 1999-10-25 2001-05-08 Toto Resin Kako Kk コンクリート構造物用下地調整材組成物およびその製造方法
JP2002029803A (ja) * 2000-07-18 2002-01-29 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和剤及びそれを含有したコンクリート、並びにその製造方法
JP2002179447A (ja) * 2000-10-04 2002-06-26 Denki Kagaku Kogyo Kk セメント混和材、セメント組成物、及びその使用方法
JP2002338325A (ja) * 2001-05-14 2002-11-27 Denki Kagaku Kogyo Kk 水硬性組成物
JP2005119928A (ja) * 2003-10-20 2005-05-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 吹付け用混和剤、吹付け材料、及びそれを用いた吹付け工法
JP2013529698A (ja) * 2010-06-25 2013-07-22 コアテツクス・エス・アー・エス 界面活性剤無添加アルカリ膨潤性アクリル系エマルション、水性調合物でのこれの使用およびこれを含有する調合物
JP2017206393A (ja) * 2016-05-16 2017-11-24 花王株式会社 水硬性組成物用混和剤
JP2018095537A (ja) * 2016-12-16 2018-06-21 花王株式会社 水硬性組成物の硬化体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7154946B2 (ja) 2022-10-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5122706B2 (ja) セメント分散混和材用のポリマー
JP4715368B2 (ja) セルフレベリング性水硬性組成物
JP2002003256A (ja) 高流動性で、高強度でかつ自己緊結性コンクリートのためのセメント分散性ポリマー
JP6821250B2 (ja) 水硬性組成物の硬化体の製造方法
JP2008247666A (ja) セルフレベリング性水硬性組成物
JP6171038B2 (ja) 水硬性組成物用分散剤組成物
JPH04149056A (ja) 高強度水硬性セメント組成物
JP6749786B2 (ja) 水硬性組成物用混和剤
JP4439904B2 (ja) 水硬性組成物
RU2460709C2 (ru) Способ нанесения твердых покрытий на основе гидравлически схватывающихся материалов для нанесения покрытий
JP7154946B2 (ja) 左官用水硬性組成物の製造方法
JP5351473B2 (ja) 超高強度コンクリート用水硬性組成物
US20180282219A1 (en) Use of comb polymers for controlling the rheology of mineral binder compositions
JP2019085280A (ja) 高炉スラグ含有セメントスラリー組成物及びこれを用いたソイルセメントスラリーの調製方法
JP6837824B2 (ja) 水硬性組成物
JPWO2020115790A1 (ja) 水硬性組成物用添加剤及び水硬性組成物
JP7018036B2 (ja) 水硬性組成物用混和剤組成物
JP7104235B2 (ja) 水硬性材料用添加剤
JP4108165B2 (ja) 樹脂モルタル組成物
JP7239525B2 (ja) プレキャスト成形方法
JP5155766B2 (ja) 水硬性組成物
JP2020172068A (ja) 水硬性組成物の成形方法
JP6180923B2 (ja) 水硬性組成物用混和剤
WO2022194996A1 (en) Copolymers useful to retain high slump flow of mineral binder composition, their production and use
JP5859347B2 (ja) 水硬性組成物用混和剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221004

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221005

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7154946

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151