JP2020066291A - サスペンションシステム - Google Patents

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博康 藤田
Hiroyasu Fujita
博康 藤田
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Hitachi Astemo Ltd
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Hitachi Automotive Systems Ltd
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Abstract

【課題】車高調整中に違和感を与えることを抑制できるサスペンションシステムを提供する。【解決手段】エアサスペンション2,3,4,5は、車体側と車軸側との間に介装して設けられ、圧縮空気の給排に応じて車高調整を行う。圧縮装置11は、空気を加圧する。給排気弁7,8,9,10は、各エアサスペンション2,3,4,5への圧縮空気の給気または排気を調整可能である。車高センサ28,29,30,31は、車高を検出する。コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の値に基づいて給排気弁7,8,9,10を制御する。コントローラ33は、各エアサスペンション2,3,4,5の伸長中または縮小中に、加加速度を考慮して給排気弁7,8,9,10の開度を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され車高調整を行うサスペンションシステムに関する。
4輪自動車等の車両として、車高調整を行うサスペンションシステムが搭載されたものが知られている(特許文献1,2)。サスペンションシステムは、例えば、車体と車軸との間に介装され作動流体の給排に応じて車高調整を行う前輪側サスペンションおよび後輪側サスペンションと、作動流体を加圧する加圧装置と、各サスペンションへの作動流体の給気または排気を調整可能なバルブと、バルブを制御するコントローラと、を備えている。
ここで、特許文献1には、各車輪それぞれの車高調整速度のうち最も低速の車高調整速度を基準にして各車輪の車高調整機構を制御する技術が記載されている。特許文献2には、車高調整中に前輪側と後輪側との減衰特性を制御する技術が記載されている。
特開平10−278533号公報 特開2007−176252号公報
従来技術によれば、例えば、車高調整開始時および停止時に加速度が急変動し、違和感を与える可能性がある。
本発明の目的は、車高調整中に違和感を与えることを抑制できるサスペンションシステムを提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、車体と車軸との間に介装され作動流体の給排に応じて車高調整を行う少なくとも前後いずれかの左右輪に設けられた一側サスペンションおよび他側サスペンションと、作動流体を加圧する加圧装置と、車高を検出または推定する車高検出手段と、前記各サスペンションへの作動流体の給気または排気を調整可能なバルブと、前記車高検出手段の値に基づいて前記バルブを制御するコントローラと、を備えるサスペンションシステムであって、前記コントローラは、加加速度を考慮して前記バルブの開度を調整する。
本発明によれば、車高調整中に違和感を与えることを抑制できる。
実施形態によるエアサスペンションシステムの全体構成を示す回路図である。 図1中のコントローラによる制御処理を示す流れ図である。
以下、実施形態によるサスペンションシステムを、4輪自動車等の車両に搭載するエアサスペンションシステムに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照して説明する。なお、図1中で二本の斜線が付された線は電気系の線を表している。
図1において、エアサスペンションシステム1は、4輪自動車等の車両(図示せず)に搭載される車載用のサスペンションシステムである。エアサスペンションシステム1は、それぞれがサスペンションである複数本(具体的には、4本)のエアサスペンション2,3,4,5と、給排管路6と、それぞれがバルブとしての複数個(具体的には、4個)の給排気弁7,8,9,10と、加圧装置としての圧縮装置11と、それぞれが車高検出手段としての複数個(具体的には、4個)の車高センサ28,29,30,31と、コントローラ33とを備えている。
ここで、車両は、複数(具体的には、4個)の車輪、即ち、左前輪(FL)、右前輪(FR)、左後輪(RL)、右後輪(RR)と、ボディを構成する車体(いずれも図示せず)とを備えている。車両には、左前輪側に位置して一側サスペンションとしての左前エアサスペンション2(左前輪側エアサスペンション2ともいう)が設けられており、右前輪側に位置して他側サスペンションとしての右前エアサスペンション3(右前輪側エアサスペンション3ともいう)が設けられている。また、車両には、左後輪側に位置して一側サスペンションとしての左後エアサスペンション4(左後輪側エアサスペンション4ともいう)が設けられており、右後輪側に位置して他側サスペンションとしての右後エアサスペンション5(右後輪側エアサスペンション5ともいう)が設けられている。なお、実施形態では、車両の左側を一側とし、車両の右側を他側として説明するが、車両の右側を一側とし、車両の左側を他側としてもよい。
車両には、左前エアサスペンション2に対応して一側バルブとしての左前給排気弁7(左前輪側給排気弁7ともいう)が設けられており、右前エアサスペンション3に対応して他側バブルとしての右前給排気弁8(右前輪側給排気弁8ともいう)が設けられており、左後エアサスペンション4に対応して一側バルブとしての左後給排気弁9(左後輪側給排気弁9ともいう)が設けられており、右後エアサスペンション5に対応して他側バブルとしての右後給排気弁10(右後輪側給排気弁10ともいう)が設けられている。
さらに、車両には、左前輪に対応する位置に一側車高検出手段としての左前車高センサ28(左前輪側車高センサ28ともいう)が設けられており、右前輪に対応する位置に他側車高検出手段としての右前車高センサ29(右前輪側車高センサ29ともいう)が設けられており、左後輪に対応する位置に一側車高検出手段としての左後車高センサ30(左後輪側車高センサ30ともいう)が設けられており、右後輪に対応する位置に他側車高検出手段としての右後車高センサ31(右後輪側車高センサ31ともいう)が設けられている。
左右の前輪側エアサスペンション2,3(左前エアサスペンション2,右前エアサスペンション3)は、車両の前輪側に位置して当該車両の車体側と車軸側との間に介装して設けられている。前輪側エアサスペンション2,3は、作動流体としての圧縮空気(圧縮エア)が供給または排出されることにより、このときの空気の給排量(エア量)に応じて上下に拡張または縮小して車両の前輪側で車高調整を行うものである。このため、前輪側エアサスペンション2,3は、空気ばね(エアばね)を含んで構成されている。
左右の後輪側エアサスペンション4,5(左後エアサスペンション4,右後エアサスペンション5)は、車両の後輪側に位置して当該車両の車体側と車軸側との間に介装して設けられている。後輪側エアサスペンション4,5は、作動流体としての圧縮空気(圧縮エア)が供給または排出されることにより、このときの空気の給排量(エア量)に応じて上下に拡張または縮小して車両の後輪側で車高調整を行うものである。このため、後輪側エアサスペンション4,5も、前輪側エアサスペンション2,3と同様に、空気ばね(エアばね)を含んで構成されている。
給排管路6は、圧縮装置11と各エアサスペンション2,3,4,5とを接続している。即ち、給排管路6の一端側は、圧縮装置11の主管路15に接続され、他端側は4つに分岐し、それぞれエアサスペンション2,3,4,5に接続されている。この場合、給排管路6は、その途中で前給排管路6A(前輪側給排管路6Aともいう)と後給排管路6B(後輪側給排管路6Bともいう)との2つの給排管路6A,6Bに分岐している。
前給排管路6Aは、その途中で一側給排管路としての左前給排管路6A1(左前輪側給排管路6A1ともいう)と他側給排管路としての右前給排管路6A2(右前輪側給排管路6A2ともいう)に分岐している。後給排管路6Bは、その途中で一側給排管路としての左後給排管路6B1(左後輪側給排管路6B1ともいう)と他側給排管路としての右後給排管路6B2(右後輪側給排管路6B2ともいう)に分岐している。
左前給排管路6A1の途中には、左前給排気弁7が設けられている。右前給排管路6A2の途中には、右前給排気弁8が設けられている。左後給排管路6B1の途中には、左後給排気弁9が設けられている。右後給排管路6B2の途中には、右後給排気弁10が設けられている。給排気弁7,8,9,10は、エアサスペンション2,3,4,5を伸長・縮小させるエアサスペンションオンオフ弁である。即ち、給排気弁7,8,9,10は、各エアサスペンション2,3,4,5への作動流体(圧縮空気)の給気または排気を調整可能なバルブである。
左右の前輪側給排気弁7,8(左前給排気弁7,右前給排気弁8)は、前輪側エアサスペンション2,3と圧縮装置11との間に位置して前給排管路6A(6A1,6A2)にそれぞれ設けられている。左右の後輪側給排気弁9,10(左後給排気弁9,右後給排気弁10)は、後輪側エアサスペンション4,5と圧縮装置11との間に位置して後給排管路6B(6B1,6B2)にそれぞれ設けられている。給排気弁7,8,9,10は、ソレノイド(コイル)7A,8A,9A,10Aを備えた2ポート2位置の常閉式電磁弁により構成され、コントローラ33により切換制御される。このために、給排気弁7,8,9,10(ソレノイド7A,8A,9A,10A)は、コントローラ33と接続されている。
左前給排気弁7は、コントローラ33からソレノイド7Aに給電されることによって、左前給排管路6A1を開いて左前エアサスペンション2に対する圧縮空気の給排を許す開位置(a)と、ソレノイド7Aに対する給電が断たれることにより、左前給排管路6A1を閉じて左前エアサスペンション2に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(b)とに選択的に切換えられる。右前給排気弁8は、コントローラ33からソレノイド8Aに給電されることによって、右前給排管路6A2を開いて右前エアサスペンション3に対する圧縮空気の給排を許す開位置(c)と、ソレノイド8Aに対する給電が断たれることにより、右前給排管路6A2を閉じて右前エアサスペンション3に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(d)とに選択的に切換えられる。
左後給排気弁9は、コントローラ33からソレノイド9Aに給電されることによって、左後給排管路6B1を開いて左後エアサスペンション4に対する圧縮空気の給排を許す開位置(e)と、ソレノイド9Aに対する給電が断たれることにより、左後給排管路6B1を閉じて左後エアサスペンション4に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(f)とに選択的に切換えられる。右後給排気弁10は、コントローラ33からソレノイド10Aに給電されることによって、右後給排管路6B2を開いて右後エアサスペンション5に対する圧縮空気の給排を許す開位置(g)と、ソレノイド10Aに対する給電が断たれることにより、右後給排管路6B2を閉じて右後エアサスペンション5に対する圧縮空気の給排を遮断する閉位置(h)とに選択的に切換えられる。
加圧装置としての圧縮装置11は、給排管路6を介してエアサスペンション2,3,4,5に接続されている。圧縮装置11は、作動流体としての大気(空気)を加圧する。このために、圧縮装置11は、例えば、吸排気口12、吸込管路13、主管路15、コンプレッサ16、電動モータ17、エアドライヤ18、速度調整弁19、排気管路20、排気弁21を含んで構成されている。これに加えて、圧縮装置11は、戻り管路22、戻り弁23、給気管路24、給気弁25、タンク26、圧力センサ27を含んで構成されている。
圧縮装置11は、例えば空気を圧縮した圧縮空気をエアサスペンション2,3,4,5に供給する圧気源を構成している。この場合、エアサスペンションシステム1の圧縮装置11は、タンク26を備えている。これにより、エアサスペンションシステム1は、エアサスペンション2,3,4,5への圧縮空気の供給とエアサスペンション2,3,4,5からの圧縮空気の排気とを、基本的には大気(外気)とのやり取りなしに、タンク26からの圧縮空気の出し入れにより行うクローズドエアサスペンションシステムを構成している。
吸排気口12は、エアサスペンションシステム1(圧縮装置11)を外部の大気(外気)に通じさせる開口である。吸排気口12は、大気(空気)を吸込む(吸気する)吸込口(吸気口)であり、かつ、エアサスペンション2,3,4,5(および/またはタンク26)の圧縮空気を外部に排出する排気口である。吸排気口12は、例えば、フィルタを含んで構成されている。
吸込管路13は、コンプレッサ16の吸込側に接続して設けられている。即ち、吸込管路13の一端は、吸排気口12を介して外気に連通し、吸込管路13の他端は、コンプレッサ16の吸込側(吸気側)となる吸込口(吸気口)に接続されている。吸込管路13は、コンプレッサ16が作動することにより、吸排気口12から吸込んだ大気を、コンプレッサ16に向けて供給する。
吸込管路13の途中には、吸排気口12から吸込んだ空気の逆流を防止するチェック弁14が設けられている。吸込管路13の途中でチェック弁14よりも下流側には、給気管路24が接続されている。例えば、給気管路24の給気弁25が開弁しており、戻り管路22の戻り弁23が閉弁しており、さらに、タンク26内が大気よりも高圧のときは、タンク26内の圧縮空気を給気管路24および吸込管路13を介してコンプレッサ16に供給することができる。
また、吸込管路13の途中でチェック弁14よりも上流側には、排気管路20が接続されている。例えば、排気管路20の排気弁21および給排管路6の給排気弁7,8,9,10が開弁しており、戻り管路22の戻り弁23および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気を給排管路6、主管路15、排気管路20、吸込管路13、吸排気口12を介して外部の大気中に排出することができる。また、例えば、排気管路20の排気弁21および戻り管路22の戻り弁23が開弁しており、かつ、給排管路6の給排気弁7,8,9,10および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、タンク26内の圧縮空気を戻り管路22、主管路15、排気管路20、吸込管路13、吸排気口12を介して外部の大気中に排出することができる。即ち、吸込管路13のうち排気管路20との接続点13Aと吸排気口12との間は、「外気を吸込む吸込管路」と「エアサスペンションシステム1内の圧縮空気を排出する排気管路」との両方に対応する。
主管路15は、コンプレッサ16の吐出側と給排管路6とを接続している。即ち、主管路15の一端側は、コンプレッサ16の吐出側に接続され、主管路15の他端側は、給排管路6に接続されている。主管路15は、エアサスペンション2,3,4,5に対する圧縮空気の供給、排出を行う。主管路15の途中には、エアドライヤ18、速度調整弁19が設けられている。また、主管路15の途中(速度調整弁19と給排管路6との間)には、戻り管路22が接続されている。
例えば、給排管路6の給排気弁7,8,9,10が開弁しており、かつ、戻り管路22の戻り弁23および排気管路20の排気弁21が閉弁しているときは、コンプレッサ16からの圧縮空気をエアサスペンション2,3,4,5に供給することができる。給排管路6の給排気弁7,8,9,10および戻り管路22の戻り弁23が開弁しており、かつ、排気管路20の排気弁21および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気をタンク26に供給(排出)することができる。戻り管路22の戻り弁23が開弁しており、かつ、給排管路6の給排気弁7,8,9,10、排気管路20の排気弁21および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、吸排気口12から吸込まれコンプレッサ16で圧縮された圧縮空気をタンク26に供給することができる。
コンプレッサ16は、主管路15の一端側に設けられた流体ポンプであり、例えば、往復動圧縮機またはスクロール式圧縮機等により構成されている。コンプレッサ16は、例えば、駆動源となるリニアモータ、回転モータ、直流モータ、交流モータ等の電動モータ17により駆動される。コンプレッサ16は、電動モータ17の駆動に基づいて、吸込管路13側から吸込んだ空気を圧縮して圧縮空気を発生させ、この圧縮空気をエアドライヤ18に向けて吐出(供給)する。
エアドライヤ18は、主管路15に位置して、コンプレッサ16と速度調整弁19との間に設けられている。エアドライヤ18は、ドライヤケース内に水分吸着剤(図示せず)等を内蔵し、コンプレッサ16から供給される圧縮空気が速度調整弁19に向けて順方向に流通するときに、内部の水分吸着剤で水分を吸着する。これにより、エアドライヤ18は、乾燥した圧縮空気(ドライエア)を各エアサスペンション2,3,4,5またはタンク26に向けて供給する。一方、エアサスペンション2,3,4,5またはタンク26から排気管路20に向けて逆方向に流通する圧縮空気(排気)は、エアドライヤ18内を逆流することにより、水分吸着剤に吸着された水分を奪い取り、この水分吸着剤を再生することができる。
速度調整弁19は、主管路15に位置して、エアドライヤ18と給排管路6との間に設けられている。速度調整弁19は、絞り19Aとチェック弁19Bとの並列回路により構成され、順方向流れに対しては、チェック弁19Bが開弁して圧縮空気の流量を絞ることはない。しかし、逆方向の流れに対しては、チェック弁19Bが閉弁し、このときの圧縮空気は絞り19Aにより流量が絞られる、これにより、エアドライヤ18内に向けて圧縮空気を、ゆっくりと小流量で逆流させることができる。
排気管路20は、コンプレッサ16の吐出側とエアドライヤ18との間に接続して設けられている。即ち、排気管路20の一端側は、主管路15に接続され、排気管路20の他端側は、吸込管路13の途中でチェック弁14よりも上流側(チェック弁14と吸排気口12との間)に接続されている。これにより、排気管路20は、吸排気口12を介して外気と連通している。排気管路20は、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気、タンク26内の圧縮空気を外部の大気中に排出するための管路である。排気管路20の途中には、排気弁21が設けられている。
排気弁21は、主管路15に接続された排気管路20を大気に対して連通、遮断させる開閉弁である。排気弁21は、ソレノイド21Aを備えた2ポート2位置の常閉式電磁弁により構成され、コントローラ33により切換制御される。このために、排気弁21(ソレノイド21A)は、コントローラ33と接続されている。排気弁21は、コントローラ33からソレノイド21Aに給電されることにより、排気管路20を開いて吸排気口12からの圧縮空気の排出を許す開位置(i)と、ソレノイド21Aに対する給電が断たれることにより、排気管路20を閉じて吸排気口12からの圧縮空気の排出を遮断する閉位置(j)とに選択的に切換えられる。即ち、排気弁21は、常時(非給電時)は閉弁して排気管路20を吸排気口12に対し遮断している。排気弁21が開弁した場合、排気管路20を吸排気口12に連通させ、排気管路20内の圧縮空気を大気中に排出(放出)する。
戻り管路22は、速度調整弁19と給排管路6との間に接続して設けられている。即ち、戻り管路22の一端側は、主管路15に接続され、戻り管路22の他端側は、タンク26と接続されている。これにより、タンク26は、戻り管路22、主管路15、給排管路6を介して、エアサスペンション2,3,4,5と接続されている。戻り管路22は、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気をタンク26に戻すための管路である。また、戻り管路22は、タンク26の圧縮空気を主管路15、排気管路20を介して外部に排出するための管路でもある。さらに、戻り管路22は、コンプレッサ16から主管路15に吐出された圧縮空気をタンク26に供給するための管路である。戻り管路22の途中には、戻り弁23が設けられている。
戻り弁23は、主管路15に接続された戻り管路22をタンク26に対して連通、遮断させる開閉弁である。戻り弁23は、ソレノイド23Aを備えた2ポート2位置の常閉式電磁弁により構成され、コントローラ33により切換制御される。このために、戻り弁23(ソレノイド23A)は、コントローラ33と接続されている。戻り弁23は、コントローラ33からソレノイド23Aに給電されることにより、戻り管路22を開いてタンク26と主管路15との間で圧縮空気の流通を許す開位置(k)と、ソレノイド23Aに対する給電が断たれることにより、戻り管路22を閉じてタンク26と主管路15との間で圧縮空気の流通を遮断する閉位置(l)とに選択的に切換えられる。即ち、戻り弁23は、常時(非給電時)は閉弁して戻り管路22を主管路15に対し遮断している。
戻り弁23が開弁した場合、戻り管路22と主管路15とが連通する。このとき、給排管路6の給排気弁7,8,9,10が開弁し、排気管路20の排気弁21および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、タンク26とエアサスペンション2,3,4,5とが給排管路6、主管路15、戻り管路22を介して連通される。これにより、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気をタンク26に供給する(戻す)ことができる。一方、排気管路20の排気弁21が開弁し、給排管路6の給排気弁7,8,9,10および給気管路24の給気弁25が閉弁しているときは、タンク26と吸排気口12とが戻り管路22、主管路15、排気管路20、吸込管路13を介して連通される。これにより、タンク26内の圧縮空気を大気中に排出(放出)することができる。
給気管路24は、戻り管路22に接続して設けられている。即ち、給気管路24の一端側は、戻り管路22のうちタンク26と戻り弁23との間に接続され、給気管路24の他端側は、吸込管路13のうちチェック弁14とコンプレッサ16の吸込口との間に接続されている。これにより、タンク26は、戻り管路22、給気管路24を介して、コンプレッサ16の吸込口と接続されている。給気管路24は、タンク26内の圧縮空気をコンプレッサ16の吸込口に供給するための管路である。給気管路24の途中には、給気弁25が設けられている。
給気弁25は、戻り管路22に接続された給気管路24をコンプレッサ16の吸込口に対して連通、遮断させる開閉弁である。給気弁25は、ソレノイド25Aを備えた2ポート2位置の常閉式電磁弁により構成され、コントローラ33により切換制御される。給気弁25は、コントローラ33からソレノイド25Aに給電されることにより、給気管路24を開いてタンク26と吸込管路13との間で圧縮空気の流通を許す開位置(m)と、ソレノイド25Aに対する給電が断たれることにより、給気管路24を閉じてタンク26と吸込管路13との間で圧縮空気の流通を遮断する閉位置(n)とに選択的に切換えられる。即ち、給気弁25は、常時(非給電時)は閉弁して給気管路24を吸込管路13に対し遮断している。給気弁25が開弁した場合、給気管路24を吸込管路13に連通させ、タンク26内の圧縮空気をコンプレッサ16の吸込口に供給する。
タンク26は、コンプレッサ16により大気圧を超えて加圧された圧縮空気を貯蔵(貯留)する。即ち、タンク26は、排気管路20の排気弁21、給気管路24の給気弁25、給排管路6の給排気弁7,8,9,10が閉弁しており、かつ、戻り管路22の戻り弁23が開弁しているときに、コンプレッサ16の回転に基づいて圧縮空気を貯えることができる。また、タンク26は、排気弁21、給気弁25が閉弁しており、かつ、給排気弁7,8,9,10および戻り弁23が開弁しているときに、エアサスペンション2,3,4,5からの圧縮空気を貯えることができる。
一方、エアサスペンション2,3,4,5に圧縮空気を供給するときは、戻り弁23を閉弁し、給気弁25、給排気弁7,8,9,10を開弁する。これにより、タンク26内に貯蔵された圧縮空気をコンプレッサ16の吸込側に流通させることができる。即ち、エアサスペンションシステム1は、エアサスペンション2,3,4,5に圧縮空気を供給するときに、タンク26内に貯蔵された圧縮空気をコンプレッサ16の吸込側に流通させることができる。これにより、エアサスペンション2,3,4,5に高い圧力の圧縮空気を供給する時間を短くすることができる。
圧力センサ27は、主管路15に設けられている。圧力センサ27は、主管路15の圧力を検出する。この場合、例えば、排気弁21、給気弁25、給排気弁7,8,9,10が閉弁しており、かつ、戻り弁23が開弁しているときは、タンク26の圧力を圧力センサ27により検出することができる。
左前輪側には、左前車高センサ28が設けられている。右前輪側には、右前車高センサ29が設けられている。左後輪側には、左後車高センサ30が設けられている。右後輪側には、右後車高センサ31が設けられている。車高センサ28,29,30,31は、前輪側,後輪側の車高を検出する車高検出手段をそれぞれ構成している。車高センサ28,29,30,31は、それぞれコントローラ33に接続されている。車高センサ28,29,30,31は、前輪側,後輪側の各エアサスペンション2,3,4,5が拡張または縮小する方向の変位(上下方向の変位)をそれぞれ検出し、その検出信号をコントローラ33に個別に出力する。
車両の車体側には、車高変更スイッチ32が設けられている。車高変更スイッチ32は、例えばドライバ(運転者)の好み等に応じて車高を適宜に上げたり、下げたりするときに操作される。車高変更スイッチ32が上げ操作されたときには、前輪側,後輪側の各エアサスペンション2,3,4,5が同時に上昇動作される。車高変更スイッチ32が下げ操作されたときには、前輪側,後輪側の各エアサスペンション2,3,4,5が同時に下降動作される。車高変更スイッチ32は、コントローラ33に接続されている。車高変更スイッチ32からの変更信号は、コントローラ33に出力され、車高調整を行うための制御信号として用いられる。なお、実施形態では、車高変更スイッチ32を用いて車高調整を手動で行う構成として説明するが、車両の速度、路面状態等の車両の走行状態に応じてコントローラ33により自動で車高調整を行ってもよい。
コントローラ33は、車高調整用の制御装置(エアサスペンション制御装置)である。コントローラ33は、例えば、マイクロコンピュータ、駆動回路、電源回路等を含んで構成されたコントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)である。コントローラ33は、その入力側が車高センサ28,29,30,31、車高変更スイッチ32等に接続されている。コントローラ33の出力側は、給排気弁7,8,9,10、排気弁21、戻り弁23、給気弁25等に接続されている。
ここで、コントローラ33(のマイクロコンピュータ)は、演算処理を行うCPU(図示せず)、ROM,RAM,不揮発性メモリ等からなる記憶部としてのメモリ33Aを有している。メモリ33A内には、例えば、図2に示すエアサスペンション制御処理用のプログラム、この制御処理に用いられる加加速度の閾値等が格納されている。コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の値に基づいて給排気弁7,8,9,10等を制御する。また、コントローラ33は、給排気弁7,8,9,10の他、排気弁21、戻り弁23、給気弁25の開閉を制御する。コントローラは、これら給排気弁7,8,9,10、排気弁21、戻り弁23、給気弁25をそれぞれ独立して制御することができる。
ところで、車両は、前輪側と後輪側とでサスペンション(エアサスペンション2,3,4,5)で支える荷重が異なるため、前輪側と後輪側とが同じ車高であっても、空気ばね(エアサスペンション2,3,4,5)の内圧が異なっている。例えば、一般的な車両であれば、前輪側の荷重が重く、前輪側の内圧は後輪側の内圧と比較して高くなっている。このため、前輪側と後輪側との両方の車高を同時に変化させる場合に、単にバルブ(給排気弁7,8,9,10)を開閉するだけでは、後輪側の車高が速く上昇してしまう可能性がある。
例えば、圧力タンク(タンク26)から空気ばね(エアサスペンション2,3,4,5)に高圧空気を供給して車高調整を行う車高調整装置の場合、単にバルブ(給排気弁7,8,9,10)を開閉するだけでは、内圧の低い後輪側に高圧空気が速く入り易くなる。これにより、後輪側の車高が速く上昇し、不自然な車高上昇挙動となる可能性がある。これに対して、4輪同時に車高の上昇および下降を行うために、前後独立した車高調整システムを採用することが考えられる。しかし、採用するシステムによっては、複雑なシステムとなり、コストが増大するおそれがある。
一方、複数の段に車高の調整が可能なサスペンションを、最上段から最下段に、または、最下段から最上段に一度に遷移させる場合を考える。この場合、車体姿勢を水平に保つためには、例えば、通過する段毎に車高調整を行うことが考えられる。そして、この場合は、調整段数が多い程、車体姿勢を水平に保つことができる。しかし、調整段数が多い程、各段での調整時間が必要になり、開始段から目標段に到達するまでの時間(車高調整の開始から完了までに要する時間)が長くなる可能性がある。
これに対して、特許文献1に記載された技術のように、最も低速の車高調整速度を基準として各車輪の車高差が閾値以下になるように車高調整機構を制御する場合は、例えば、車高調整開始時および停止時に加速度が急変動し、違和感を与える可能性がある。即ち、サスペンション(エアサスペンション2,3,4,5)への圧縮空気の給気・排気を調整するバルブ(給排気弁7,8,9,10)の制御を、速度をパラメータとして行う場合は、動作開始時、停止時に加速度の急激な変化が発生する可能性がある。これにより、車高調整中(車体の上昇中、下降中)に車体がカクカクした動きとなり、違和感、不快感を与える可能性がある。
そこで、実施形態では、加速度の急変動を抑えて違和感を低減するために、バルブ(給排気弁7,8,9,10)の開閉による車高調整開始時・停止時の急激な加速度の変化に対して、加加速度をパラメータとしてバルブ(給排気弁7,8,9,10)を制御する。具体的には、動作開始時、停止時の最大速度に達する際に、最大加加速度を閾値として含める。例えば、車高上昇時は、閾値よりも高い加加速度が発生した車輪があれば、当該車輪に対応するサスペンション(エアサスペンション2,3,4,5)のバルブ(給排気弁7,8,9,10)を制御する(開度を小さくする)。これにより、加速度の急変動を抑制することができ、車高調整速度を一定に保つことが可能になる。この結果、違和感(カクカク感)を低減した車高調整が可能となる。
即ち、実施形態では、コントローラ33は、単位時間あたりの加速度の変化率である加加速度(ジャーク、躍度)を考慮してエアサスペンション2,3,4,5の給排気弁7,8,9,10の開度を調整する。換言すれば、コントローラ33は、各エアサスペンション2,3,4,5の伸長または縮小により車高が変化(上昇または下降)しているとき(変化中)に、車輪毎(エアサスペンション2,3,4,5毎)の加加速度に応じて給排気弁7,8,9,10の開度をそれぞれ調整する。より具体的には、コントローラ33は、車高を調整(エアサスペンション2,3,4,5を伸長または縮小)するときに、車高センサ28,29,30,31の検出値(車高センサ値)を3階微分した値である加加速度を算出する。コントローラ33は、各車輪毎の加加速度が、コントローラ33のメモリ33Aに予め格納された閾値を超えているか否かを常時比較する。そして、コントローラ33は、加加速度が閾値を超えた場合に、その閾値を超えた車輪のエアサスペンション2,3,4,5に対応する給排気弁7,8,9,10の開度を小さくする。加加速度の閾値は、加速度が急変動することにより違和感を与えるか否かの判定値として設定することができる。即ち、閾値は、その値を超えたときに給排気弁7,8,9,10の開度を小さくすることにより加速度の急変動を抑制することができる値として設定することができる。これにより、加加速度を抑えた車高上昇が可能となる。
このように、実施形態では、給排気弁7,8,9,10の開弁、閉弁の制御を、現在の車高が目標車高に到達したか否かで開弁、閉弁するだけでなく、車高調整中の加加速度に応じて調整する。具体的には、車高調整中に、加加速度が高い車輪のエアサスペンション2,3,4,5に対応する給排気弁7,8,9,10の開度を小さくする。このような加加速度を考慮した制御は、車高上昇時だけでなく、車高下降時も同様に行うことができる。これにより、車高上昇時だけでなく、車高下降時も、加加速度を抑えた車高調整(車高上昇、車高下降)が可能になる。なお、このようなコントローラ33による車高調整の制御、即ち、図2に示す制御処理については、後で詳しく述べる。
実施形態による4輪自動車のエアサスペンションシステム1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、タンク26内に圧縮空気が十分に蓄えられていない場合は、給排気弁7,8,9,10、排気弁21および給気弁25を非通電位置(b),(d),(f),(h),(j),(n)とし、戻り弁23を通電位置(k)とする。この状態で、電動モータ17によりコンプレッサ16を作動して圧縮運転を行う。これにより、コンプレッサ16は、吸排気口12、吸込管路13を通じて外気を吸込みつつ、この空気を加圧(圧縮,昇圧)して圧縮空気を主管路15に吐出する。コンプレッサ16から吐出された圧縮空気は、エアドライヤ18によって乾燥された後、速度調整弁19、戻り管路22を介してタンク26に供給され、タンク26内には圧縮空気が貯留される。そして、タンク26内の圧力が所定の設定圧力に達すると、コンプレッサ16を停止させる。これにより、タンク26は、車高調整を行う上で十分な量の圧縮空気を貯留した状態となる。
次に、エアサスペンション2,3,4,5により前輪側と後輪側とで車高を同時に上昇させる場合は、給排気弁7,8,9,10および給気弁25を通電位置(a),(c),(e),(g),(m)とし、排気弁21および戻り弁23を非通電位置(j),(l)とする。この状態でコンプレッサ16を作動することより、タンク26内の圧縮空気を、給気管路24、吸込管路13を介してコンプレッサ16の吸込側に流通させる。そして、コンプレッサ16(圧縮装置11)により、タンク26の圧縮空気を加圧しつつ、この圧縮空気を、主管路15および給排管路6を介してエアサスペンション2,3,4,5に向け供給する。また、タンク26の内圧が負圧になった場合は、チェック弁14が開き、コンプレッサ16は、吸排気口12、吸込管路13を介して吸込んだ外気(大気)を圧縮してエアサスペンション2,3,4,5に供給する。これにより、エアサスペンション2,3,4,5が伸長し、前輪側と後輪側との車高を同時に上昇させることができる。
このとき、コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の車高センサ値から加加速度を算出し、この算出された加加速度が閾値を超えたか否か判定する。コントローラ33は、加加速度が閾値を超えたと判定した場合は、その閾値を超えた車輪のエアサスペンション2,3,4,5に対応する給排気弁7,8,9,10の開度を小さくする。これにより、加加速度を抑えた車高上昇が可能となる。
コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の車高センサ値が目標車高に達したと判定すると、給排気弁7,8,9,10および給気弁25を非通電位置(b),(d),(f),(h),(n)とし、コンプレッサ16の作動を停止する。これにより、エアサスペンション2,3,4,5に対する圧縮空気の流通が遮断される。即ち、エアサスペンション2,3,4,5は、伸長状態を保ち、車高を上昇させた状態が保持される。
次に、エアサスペンション2,3,4,5により前輪側と後輪側とで車高を同時に下降させる場合は、給排気弁7,8,9,10および戻り弁23を通電位置(a),(c),(e),(g),(k)とし、排気弁21および給気弁25を非通電位置(j),(n)とする。即ち、エアサスペンション2,3,4,5とタンク26との間を連通し、エアサスペンション2,3,4,5内の圧縮空気をタンク26に排出する。これにより、エアサスペンション2,3,4,5が縮小し、前輪側と後輪側との車高を同時に下降させることができる。
このとき、コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の車高センサ値から加加速度を算出し、この算出された加加速度が閾値を超えたか否か判定する。コントローラ33は、加加速度が閾値を超えたと判定した場合は、その閾値を超えた車輪のエアサスペンション2,3,4,5に対応する給排気弁7,8,9,10の開度を小さくする。これにより、加加速度を抑えた車高降下が可能となる。
コントローラ33は、車高センサ28,29,30,31の車高センサ値が目標車高に達したと判定すると、給排気弁7,8,9,10および戻り弁23を非通電位置(b),(d),(f),(h),(l)とする。これにより、エアサスペンション2,3,4,5からタンク26への圧縮空気の排出が停止する。即ち、エアサスペンション2,3,4,5は、縮小状態を保ち、車高を下降させた状態が保持される。
次に、コントローラ33(の演算回路)で行われる制御処理について、図2を参照しつつ説明する。なお、図2の制御処理は、例えば、コントローラ33に通電している間、所定の制御周期(例えば、10msec)で繰り返し実行される。また、図2は、車高上昇時の給排気弁7,8,9,10の制御処理を示しているが、車高下降時の処理についても、図2中の「上昇」を「下降」とする以外、同様である。
コントローラ33が起動すると、図2の制御処理が開始される。コントローラ33は、S1で、車高上昇指令があるか否かを判定する。例えば、コントローラ33は、車高変更スイッチ32の操作による車高上昇指令があるか否かを判定する。S1で「NO」、即ち、車高上昇指令なしと判定された場合は、S1の前に戻り、S1以降の処理を繰り返す。なお、この処理は、S1からリターンに進み、リターンを介してスタートに戻ることによりスタートから処理を繰り返すことと同じである。
一方、S1で「YES」、即ち、車高上昇指令ありと判定された場合は、S2に進む。S2では、サスペンションオンオフ弁を開く。即ち、S2では、エアサスペンション2,3,4,5の給排気弁7,8,9,10を開く。また、給気弁25を開き、コンプレッサ16を駆動する。これにより、エアサスペンション2,3,4,5に圧縮空気が供給され、エアサスペンション2,3,4,5が伸長する。
S2に続くS3では、車高を検出する。即ち、S3では、車高センサ28,29,30,31から車輪毎の車高を検出する。S3に続くS4では、車高センサ28,29,30,31の検出値(センサ値)を3階微分することにより車輪毎の加加速度を算出する。S4に続くS5は、S4で算出した加加速度が予め設定した閾値を超えたか否かを判定する。加加速度の閾値は、加速度の変化を違和感を与えない範囲に規制できる値となるように設定することができる。
S5で「NO」、即ち、加加速度が閾値を超えていないと判定された場合は、S6に進む。S6では、給排気弁7,8,9,10の開度を維持する。より具体的には、給排気弁7,8,9,10の開度を最大開度に向けて開いている途中の場合は、そのまま最大開度に向けて開き続ける(開度を大きくする)。一方、給排気弁7,8,9,10が最大開度の場合は、そのまま最大開度を維持する。一方、S5で「YES」、即ち、加加速度が閾値を超えたと判定された場合は、S7に進む。S7では、給排気弁7,8,9,10の開度を小さくする。即ち、給排気弁7,8,9,10の開度を、現在の開度よりも小さくする。
S6で給排気弁7,8,9,10の開度を維持したら、または、S7で給排気弁7,8,9,10の開度を小さくしたら、S8に進む。S8では、車高上昇を終了するか否かを判定する。即ち、S8では、S3で検出した車高が目標車高に達しているか否かを判定する。S8で「NO」、即ち、車高上昇を終了しない(目標車高に達していない)と判定され場合は、S3の前に戻り、S3以降の処理を繰り返す。一方、S8で「YES」、即ち、車高上昇を終了する(目標車高に達した)と判定され場合は、S9に進む。S9では、サスペンションオンオフ弁を閉じる。即ち、S9では、エアサスペンション2,3,4,5の給排気弁7,8,9,10を閉じる。そして、S9でエアサスペンション2,3,4,5の給排気弁7,8,9,10を完全に閉じたら、リターンに進む。即ち、リターンを介してスタートに戻り、S1以降の処理を繰り返す。
以上のように、実施形態によれば、コントローラ33は、加加速度を考慮して給排気弁7,8,9,10の開度を調整する。このため、車高調整中の加速度の変動を抑制することができる。これにより、スムーズ(円滑)な車高調整を行うことができ、車高調整中に違和感を与えることを抑制できる。しかも、加加速度を考慮した制御は、エアサスペンションシステム1の圧力(例えば、高圧であるか低圧であるか)に拘わらず採用することができる。このため、既存のシステムに大きな変更を必要とせずに採用することができ、コストが増大することを抑制できる。また、加加速度で制御することにより、エアサスペンション2,3,4,5の拗れによる影響を加味した制御を行うことができる。これにより、エアサスペンション2,3,4,5の拗れに拘わらず、不自然な上昇を抑制することができる。
なお、実施形態では、車輪毎の加加速度を考慮して給排気弁7,8,9,10の開度を調整する構成、即ち、加加速度をフィードバック制御する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、車輪毎の加加速度と車輪毎の速度(上昇速、下降速度)とを考慮してバルブの開度を調整する構成としてもよい。また、例えば、車輪毎の加加速度と車輪毎の車高(車高差)とを考慮してバルブの開度を調整する構成としてもよい。また、車輪毎の加加速度と車輪毎の速度(上昇速、下降速度)と車輪毎の車高(車高差)とを考慮してバルブの開度を調整する構成としてもよい。即ち、「加加速度」だけでなく、「加加速度以外の他の状態量(パラメータ)」も考慮してバルブの開度を調整する構成とすることができる。
この場合、加加速度以外の他の状態量(速度、車高、車高差、加速度等)も、加加速度と同様に、その状態量に応じた閾値と比較し、その状態量が閾値を超えた場合、または、閾値を下回った場合に、バルブの開度を調整するようにすることができる。そして、例えば、加加速度および車高の2つのパラメータでフィードバック制御する場合は、各車輪の車高差を抑えつつ、加速度変化に伴う違和感を抑制した車高調整を行うことができる。さらに、加速度の閾値も用いた場合には、より違和感を低減することができる。
実施形態では、車高調整の開始から停止までの間、車輪毎の加加速度を考慮して給排気弁7,8,9,10の開度を調整する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、車高調整の開始時(開始してからの所定時間)と停止時(停止するまでの所定時間)のみ、車輪毎の加加速度を考慮してバルブの開度を調整してもよい。換言すれば、加加速度を考慮した制御を、車高調整の開始時、停止時等、車高調整中の限定的な場面で行う構成としてもよい。
実施形態では、車高を検出する車高検出手段として車高センサ28,29,30,31を用いる構成とした場合を例に挙げて説明した。即ち、車高センサ28,29,30,31の検出値により車高を取得する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、車高センサ以外のセンサ(例えば、車高と相関関係を有する上下加速度を検出する上下加速度センサ、車高の変化に応じて変形する部材の変形量を検出する変位センサ、エアサスペンションの圧力を検出する圧力センサ、温度を検出する温度センサ等)の検出値(および、必要に応じて車両のジオメトリ情報)を用いて車高を推定する構成としてもよい。
即ち、車高検出手段は、車高センサに限定されるものではなく、車高と相関関係を有する状態量を検出する状態検出センサと、この状態検出センサの検出値に基づいて車高を推定(算出)する演算装置(例えば、コントローラ)とにより構成してもよい。また、センサを省略し、演算装置(コントローラ)で取得できる情報(例えば、車載ネットワークであるCANを介して取得できる情報)を用いて車高を推定してもよい。車高の推定に用いる情報としては、例えば、各車輪の車輪速センサの情報(車輪速)、車載カメラ、レーダー等から得られる情報(例えば、路面情報、路面との距離情報等)が挙げられる。
実施形態では、給排気弁7,8,9,10の開度を、加加速度を考慮して調整する構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、給排気弁とは別にバルブとしての流量調整弁(流量調整装置)を設け、この流量調整弁(流量調整装置)の開度を、加加速度を考慮して調整する構成としてもよい。また、給排気弁7,8,9,10を流量調整弁により構成してもよい。
実施形態では、加圧装置としての圧縮装置11を、1つのコンプレッサ16を備える構成とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、加圧装置を2つ以上のコンプレッサを備える構成としてもよい。
実施形態では、加圧装置として、タンク26を備えた圧縮装置11を例に挙げて説明した。即ち、実施形態では、エアサスペンションシステム1を、エアサスペンション2,3,4,5への圧縮空気の供給とエアサスペンション2,3,4,5からの圧縮空気の排気とを、タンク26からの圧縮空気の出し入れにより行うクローズドエアサスペンションシステムとした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、加圧装置として、タンクを備えない圧縮装置(コンプレッサユニット)を用いてもよい。換言すれば、サスペンションシステムは、エアサスペンションへの圧縮空気の供給とエアサスペンションからの圧縮空気の排気とを、タンクを介することなく大気との間で直接的に行う構成としてもよい。
実施形態では、前輪側と後輪側との両方の左右のサスペンション(一側サスペンションおよび他側サスペンション)を、圧縮空気の給排に応じて車高調整を行うエアサスペンション2,3,4,5とした場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、前輪側と後輪側とのうちの一方、例えば、前輪側の左右のサスペンション(一側サスペンションおよび他側サスペンション)を、圧縮空気の給排に応じて車高調整を行うサスペンション(例えば、エアサスペンション)としてもよい。また、前輪側と後輪側とのうちの他方、例えば、後輪側の左右のサスペンション(一側サスペンションおよび他側サスペンション)を、圧縮空気の給排に応じて車高調整を行うサスペンション(例えば、エアサスペンション)としてもよい。即ち、少なくとも前後のいずれかの左右輪に設けられたサスペンション(一側サスペンションおよび他側サスペンション)を、作動流体の給排に応じて車高調整を行うことができるものとすることができる。
実施形態では、作動流体として圧縮空気(気体)を用いる場合を例に挙げて説明した。しかし、これに限らず、例えば、作動流体として油液や添加剤を混在させた水等の液体を用いる構成としてもよい。その場合は、例えば、コンプレッサに代えて液圧ポンプ等を用いると共に、エアドライヤを省く構成とすることができる。
以上説明した実施形態に基づくサスペンションシステムとして、例えば下記に述べる態様のものが考えられる。
第1の態様としては、車体と車軸との間に介装され作動流体の給排に応じて車高調整を行う少なくとも前後いずれかの左右輪に設けられた一側サスペンションおよび他側サスペンションと、作動流体を加圧する加圧装置と、車高を検出または推定する車高検出手段と、前記各サスペンションへの作動流体の給気または排気を調整可能なバルブと、前記車高検出手段の値に基づいて前記バルブを制御するコントローラと、を備えるサスペンションシステムであって、前記コントローラは、加加速度を考慮して前記バルブの開度を調整する。
この第1の態様によれば、加加速度を考慮してバルブの開度を調整するため、加速度の変動を抑制することができる。これにより、スムーズ(円滑)な車高調整を行うことができ、車高調整中に違和感を与えることを抑制できる。
1 エアサスペンションシステム(サスペンションシステム)
2 左前エアサスペンション(一側サスペンション)
3 右前エアサスペンション(他側サスペンション)
4 左後エアサスペンション(一側サスペンション)
5 右後エアサスペンション(他側サスペンション)
7 左前給排気弁(バルブ)
8 右前給排気弁(バルブ)
9 左後給排気弁(バルブ)
10 右後給排気弁(バルブ)
11 圧縮装置(加圧装置)
28 左前車高センサ(車高検出手段)
29 右前車高センサ(車高検出手段)
30 左後車高センサ(車高検出手段)
31 右後車高センサ(車高検出手段)
33 コントローラ

Claims (1)

  1. 車体と車軸との間に介装され作動流体の給排に応じて車高調整を行う少なくとも前後いずれかの左右輪に設けられた一側サスペンションおよび他側サスペンションと、
    作動流体を加圧する加圧装置と、
    車高を検出または推定する車高検出手段と、
    前記各サスペンションへの作動流体の給気または排気を調整可能なバルブと、
    前記車高検出手段の値に基づいて前記バルブを制御するコントローラと、
    を備えるサスペンションシステムであって、
    前記コントローラは、加加速度を考慮して前記バルブの開度を調整することを特徴とするサスペンションシステム。
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