JP2020064206A - 投射型表示装置および偏光分離素子 - Google Patents
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Abstract
【課題】従来よりも小型化が容易な投射型表示装置および偏光分離素子を提供すること。【解決手段】プロジェクター1は、光源110と、光源110から射出された光を複数の色光に分離する色分離光学系200と、各色光をそれぞれ変調する3個の液晶パネル400R,400G,400Bと、変調された各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム500と、合成された合成光αaを投射する投射レンズ600と、クロスダイクロイックプリズム500から入射した合成光αaを透過し、投射レンズ600から入射した外光βaを反射する内部全反射プリズム70を有する光分離光学系700と、内部全反射プリズム70で反射された外光βaを撮像する撮像装置800と、を備える。【選択図】図2
Description
本発明は、投射型表示装置および偏光分離素子に関する。
従来、本体内部に撮像素子を備え、画像光を投射する投射レンズと、本体外部の光などを外光として撮像素子に集光する撮像用レンズと、を共用するプロジェクターが知られていた。このようなプロジェクターの撮像機能は、ポインティングデバイスの指示位置の把握や、投射された画像光の撮像などの目的に用いられる。例えば、特許文献1には、複数のレンズ群および光分離手段などを備えた画像投影装置(プロジェクター)が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載のプロジェクターでは、プロジェクターが大型化しやすいという課題があった。詳しくは、画像光と外光とを分離する光分離手段が、複数のレンズ群の間に設けられている。そのため、プロジェクター内部の光路上における、複数のレンズ群や光分離手段の距離が大きくなりやすく、プロジェクターが大型化しやすかった。すなわち、従来よりも小型化が容易なプロジェクター(投射型表示装置)が求められていた。
本願の投射型表示装置は、光を射出する光源と、光源から射出された光を複数の色光に分離する色分離光学系と、色分離光学系で分離された各色光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、複数の光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学系と、色合成光学系で合成された合成光を投射する投射光学系と、色合成光学系と投射光学系との間の光路上に配置され、色合成光学系から入射した合成光を透過し、投射光学系から入射した外光を反射する内部全反射プリズムを有する光分離光学系と、内部全反射プリズムで反射された外光を撮像する撮像装置と、を備えることを特徴とする。
上記の投射型表示装置において、内部全反射プリズムは、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、偏光素子が配置されていることが好ましい。
上記の投射型表示装置において、偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることが好ましい。
上記の投射型表示装置において、色合成光学系で合成された合成光は、振動方向を有した偏光成分を含み、ワイヤーグリッド型偏光素子は、所定の方向に延伸した金属ナノワイヤーを有し、金属ナノワイヤーの延伸方向は、偏光成分の振動方向と直交する方向であることが好ましい。
上記の投射型表示装置において、光分離光学系は、内部全反射プリズムで反射された外光のアスペクト比を変換するためのアスペクト変換素子を更に備え、アスペクト変換素子は、内部全反射プリズムと、撮像装置との間の光路上に配置されていることが好ましい。
本願の偏光分離素子は、第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射する偏光分離素子であって、偏光分離素子は、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、偏光素子が配置されており、偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。以下に説明する実施の形態は、本発明の一例を説明するものである。本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において実施される各種の変形例も、本発明に含まれる。なお、以下の各図においては、各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
また、以下の各図においては、必要に応じて、相互に直交する座標軸であるXYZ軸を付している。その場合、各図におけるXYZ軸は、XY平面を略水平面と一致させ、Z軸の矢印が指す方向、すなわち正のZ方向が重力の方向と略反対方向としている。さらに、Y軸の矢印が指す方向、すなわち正のY方向を、投射光学系の光軸と平行で、投射型表示装置から投射される合成光の投射方向と一致させている。なお、正のZ方向を上方、負のZ方向を下方ということもある。
(実施形態1)
本実施形態では、投射型表示装置として、光変調装置としての液晶パネルを3個備えたプロジェクターを例に挙げて説明する。
本実施形態では、投射型表示装置として、光変調装置としての液晶パネルを3個備えたプロジェクターを例に挙げて説明する。
<プロジェクター>
本実施形態に係るプロジェクターの構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態1に係るプロジェクターの構成を示す概略図である。
本実施形態に係るプロジェクターの構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施形態1に係るプロジェクターの構成を示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態に係るプロジェクター1は、光を射出する光源110を含む照明光学系100、色分離光学系200、リレー光学系300、複数の光変調装置としての、3個の液晶パネル400R,400G,400B、色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム500、投射光学系としての投射レンズ600、内部全反射プリズム70およびアスペクト変換素子79を有する光分離光学系700、撮像装置800を備えている。
照明光学系100は、光を射出する。色分離光学系200は、照明光学系100から射出された光を複数の色光としての、略赤色の光、略緑色の光、略青色の光に分離する。ここで、以降の説明において、上記略赤色の光をR光ともいい、上記略緑色の光をG光ともいい、上記略青色の光をB光ともいう。
液晶パネル400R,400G,400Bは、色分離光学系200で分離された、R光、G光、B光をそれぞれ変調する。クロスダイクロイックプリズム500は、液晶パネル400R,400G,400Bで変調された、R光、G光、B光を合成する。投射レンズ600は、クロスダイクロイックプリズム500で合成された合成光を、プロジェクター1の外界へ向けて投射する。
光分離光学系700は、クロスダイクロイックプリズム500と投射レンズ600との間の光路上に配置されている。内部全反射プリズム70は、クロスダイクロイックプリズム500から入射した合成光を透過し、投射レンズ600から入射した外光を一部反射する。詳しくは、内部全反射プリズム70において、上記外光が非偏光である場合に、上記外光の、半分が反射され、もう半分が透過される。撮像装置800は、内部全反射プリズム70で反射された外光を撮像する。光分離光学系700が配置される光路は、上記合成光の光路でもある。
照明光学系100は、光源110、第1のレンズアレイ120、第2のレンズアレイ130、偏光変換素子140、重畳レンズ150を有している。第1のレンズアレイ120および第2のレンズアレイ130では、小レンズがマトリクス状に配列されている。
光源110から射出された光、すなわち光束は、第1のレンズアレイ120によって複数の微小な部分光束に分割される。各部分光束は、第2のレンズアレイ130および重畳レンズ150によって、照明対象である3個の液晶パネル400R,400G,400Bの入射面上に重畳される。これにより、第1のレンズアレイ120、第2のレンズアレイ130、重畳レンズ150は、光源110から射出された光束により、液晶パネル400R,400G,400Bを略均一に照明するインテグレーター照明光学系を成している。
偏光変換素子140は、光源110から射出される非偏光な光を、3個の液晶パネル400R,400G,400Bで利用可能な、所定の振動方向を有した偏光に揃える。なお、本実施形態では、液晶パネル400R,400G,400Bとして、ノーマリー黒モードの液晶パネルを採用している。
色分離光学系200は、第1のダイクロイックミラー210、第2のダイクロイックミラー220、反射ミラー230、フィールドレンズ240,250を有している。色分離光学系200は、照明光学系100から射出される光を、それぞれ異なる波長域の3色の照明光に分離する。フィールドレンズ240は、液晶パネル400Rの入射面側に配置されている。フィールドレンズ250は、液晶パネル400Gの入射面側に配置されている。
第1のダイクロイックミラー210は、R光を透過させると共に、G光およびB光を反射させる。第1のダイクロイックミラー210を透過したR光は、反射ミラー230で反射され、フィールドレンズ240を透過してR光用の液晶パネル400Rを照明する。
フィールドレンズ240は、照明光学系100からの複数の部分光束が、それぞれ液晶パネル400Rを照明するように、複数の部分光束を集光する。フィールドレンズ250も、フィールドレンズ240と同様に、照明光学系100からの複数の部分光束が、それぞれ液晶パネル400Gを照明するように、複数の部分光束を集光する。このとき、各部分光束は、それぞれ略平行な光束となるように設定される。
第1のダイクロイックミラー210で反射されたG光は、第2のダイクロイックミラー220によって反射された後、フィールドレンズ250を透過してG光用の液晶パネル400Gを照明する。
ここで、第1のダイクロイックミラー210および第2のダイクロイックミラー220は、各機能に対応する誘電体多層膜を、透明ガラス板上に形成することにより作製される。
リレー光学系300は、入射側レンズ310、第1の反射ミラー320、リレーレンズ330、第2の反射ミラー340、フィールドレンズとしての射出側レンズ350を有している。B光は、R光やG光と比べて光路が長いため、光束が大きくなりやすい。そのため、リレーレンズ330を用いて、光束の拡大を抑えている。色分離光学系200から射出されたB光は、第1の反射ミラー320で反射されると共に、入射側レンズ310によってリレーレンズ330の近傍で収束される。そして、B光は、射出側レンズ350および第2の反射ミラー340に向かって発散する。
射出側レンズ350は、上述したフィールドレンズ240,250と同様な機能を有し、液晶パネル400Bを照明するように、B光の複数の部分光束を集光する。射出側レンズ350に入射する部分光束の大きさは、入射側レンズ310に入射する光束の大きさに略等しくなるように設定される。
各色用の液晶パネル400R,400G,400Bは、それぞれの入射面から入射した色光を、それぞれ対応する画像信号に応じた強度の光に変換して変換光として透過させて射出する。本実施形態の液晶パネル400R,400G,400Bには、透過型の液晶パネルが採用されている。
クロスダイクロイックプリズム500は、液晶パネル400R,400G,400Bから射出される各色の変換光を合成する。クロスダイクロイックプリズム500は、R光を反射するR光反射ダイクロイック面510Rと、B光を反射するB光反射ダイクロイック面510Bと、を有している。R光反射ダイクロイック面510Rには、R光を反射する誘電体多層膜が配置されている。B光反射ダイクロイック面510Bには、B光を反射する誘電体多層膜が配置されている。R光反射ダイクロイック面510RおよびB光反射ダイクロイック面510Bを、以降、単に反射ダイクロイック面510R,510Bともいう。R光を反射する誘電体多層膜と、B光を反射する誘電体多層膜とは、Z方向からの平面視で、略X字状に配置されている。反射ダイクロイック面510R,510Bによって、R光、G光、B光の3色の変換光が合成されて、カラー画像を表示する合成光が生成される。クロスダイクロイックプリズム500によって生成された合成光は、光分離光学系700の内部全反射プリズム70に向かって射出される。
上述したように、内部全反射プリズム70は、クロスダイクロイックプリズム500から入射した合成光を透過させる。内部全反射プリズム70を透過した合成光は、光分離光学系700から投射レンズ600に向かって射出される。
投射レンズ600は、複数のレンズから成る。投射レンズ600は、クロスダイクロイックプリズム500で合成され、内部全反射プリズム70を透過した合成光を、表示画像として、図示しないスクリーンなどの投射対象に投射する。これにより、プロジェクター1から投射された表示画像がスクリーン上に拡大表示される。
スクリーン上の表示画像は、プロジェクター1から投射された合成光と逆方向、すなわち負のY方向へ進行して、外光として投射レンズ600を介して内部全反射プリズム70に入射する。内部全反射プリズム70において、入射した外光のうちの所定の偏光成分が2回の反射を経て、内部全反射プリズム70の正のX方向側の端部から射出される。このとき、内部全反射プリズム70から射出された上記偏光成分は、内部全反射プリズム70における2回の反射によって、アスペクト比が本来の外光とは異なるものとなっており、いうなれば1方向に圧縮されたような歪みを有している。ここで、アスペクト比とは、投射レンズ600に入射した外光の光束についての、Z方向とX方向との距離の比をいう。上記外光のXY平面における形状は、特に限定されず、略矩形、円形または楕円形などであってもよい。
内部全反射プリズム70から射出された上記偏光成分は、アスペクト変換素子79に入射する。アスペクト変換素子79は、内部全反射プリズム70と、撮像装置800との間の光路上に配置されている。アスペクト変換素子79は、例えばシリンドリカル凹レンズであって、内部全反射プリズム70で反射された上記偏光成分のアスペクト比を変換し、本来の外光のアスペクト比に調整する。つまり、アスペクト変換素子79は、内部全反射プリズム70を通過することに伴って生じる上記歪みを補正する。
ここで、本実施形態において、光分離光学系700はアスペクト変換素子79を含む構成としたが、これに限定されない。アスペクト変換素子79は省略されてもよく、撮像装置800で撮像された撮像データに画像処理を施してアスペクト比を変換してもよく、あるいは、変換せずに後続する処理を行ってもよい。なお、光分離光学系700の詳細については後述する。
上述したクロスダイクロイックプリズム500、光分離光学系700、投射レンズ600は、共軸である。すなわち、クロスダイクロイックプリズム500から射出される合成光、光分離光学系700を透過する合成光、および投射レンズ600から投射される合成光は、光軸が一致している。
内部全反射プリズム70から射出された所定の偏光成分は、アスペクト変換素子79を介して撮像装置800に入射する。ここで、図1においては、図示の便宜上、撮像装置800を光分離光学系700に対して、正のX方向側に配置した構成としたが、これに限定されない。撮像装置800は、例えば、光分離光学系700における上記偏光成分が射出される方向を変更した上で、光分離光学系700に対して上方側に配置されることが好ましい。これによって、色分離光学系200と撮像装置800との干渉を回避した上で、光分離光学系700とクロスダイクロイックプリズム500との間の距離を短縮することができる。このように、プロジェクター1の外形や内部構造に応じて、撮像装置800の配置は適宜変更が可能である。
撮像装置800は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)方式やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)方式などのイメージセンサー80を備えている。これにより、撮像装置800は、上記偏光成分を撮像し、撮像データとして取得する。該撮像データは、プロジェクター1に備わる、図示しない画像処理部において画像処理が施されて、以下に述べる用途に供される。
撮像装置800で取得された外光の撮像データは、プロジェクター1を1台で用いる場合の投射位置などの調整用途、複数のプロジェクター1を用いた、マルチプロジェクションまたはタイリングにおける位置合わせ用途、プロジェクションマッピングにおける投射対象物と表示画像との位置調整用途などに利用される。また、上記撮像データは、スクリーン上を指示する、指、発光ペン、電子ペンなどを入力指示体として用いたインタラクティブ用途に利用されてもよい。このとき、撮像データとして取得される外光は、スクリーンなどに投射されたプロジェクター1の合成光に限定されない。上記外光は、例えば、プロジェクター1のユーザーがスクリーン上を指し示した入力指示体から発せられる赤外線であってもよい。
<光分離光学系>
本実施形態の光分離光学系の機能について、図2、図3、図6を参照して説明する。図2は、光分離光学系における構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。図3は、ワイヤーグリッド型偏光素子の構造を示す模式図である。図6は、比較例としての偏光ビームスプリッターを適用した光分離光学系の構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。ここで、図2においては、投射レンズ600、光分離光学系700、撮像装置800、クロスダイクロイックプリズム500のみを図示し、プロジェクター1の他の構成を省略している。また、図6においても、従来のプロジェクターにおける、上記に相当する部位のみを図示している。なお、図2、図3においては、図1とは異なり、光分離光学系700の上方に撮像装置800を配置した構成とし、図6においても同様な構成としている。
本実施形態の光分離光学系の機能について、図2、図3、図6を参照して説明する。図2は、光分離光学系における構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。図3は、ワイヤーグリッド型偏光素子の構造を示す模式図である。図6は、比較例としての偏光ビームスプリッターを適用した光分離光学系の構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。ここで、図2においては、投射レンズ600、光分離光学系700、撮像装置800、クロスダイクロイックプリズム500のみを図示し、プロジェクター1の他の構成を省略している。また、図6においても、従来のプロジェクターにおける、上記に相当する部位のみを図示している。なお、図2、図3においては、図1とは異なり、光分離光学系700の上方に撮像装置800を配置した構成とし、図6においても同様な構成としている。
まず、比較例としてのプロジェクター2について説明する。図6に示すように、プロジェクター2は、クロスダイクロイックプリズム500と投射レンズ600との間に、比較例としての光分離光学系である偏光ビームスプリッター270が配置されている。偏光ビームスプリッター270は、X方向から見た平面形状が略直角二等辺三角形の、2個の三角プリズムを面275で貼り合わせた略立方体状である。面275には、誘電体多層膜の偏光分離膜が形成されている。偏光ビームスプリッター270のY軸方向における厚さtbは、この立方体の一辺の長さに等しい。
プロジェクター2では、クロスダイクロイックプリズム500で合成された合成光αbが正のY方向に射出される。合成光αbは、偏光ビームスプリッター270を透過し、投射レンズ600を経てスクリーンなどの投射対象に投射される。
スクリーン上の表示画像などは、外光βbとして合成光αbと逆方向、すなわち負のY方向に進行して、投射レンズ600に入射する。外光βbは、投射レンズ600を経て偏光ビームスプリッター270に入射する。次いで、外光βbのS偏光成分は、面275で反射された後、正のZ方向に向けて偏光ビームスプリッター270から射出されて撮像装置800に入射する。ここで、面275は、負のX方向からの平面視で、Y軸に対して約45°の角度を有している。換言すれば、面275は、45°の反射面である。このように、プロジェクター2において、外光βbのS偏光成分は、偏光ビームスプリッター270内で1回の反射を経てから撮像装置800に入射する。
これに対して、図2に示すように、本実施形態のプロジェクター1における光分離光学系700は、偏光ビームスプリッター270に替えて、内部全反射プリズム70を有している。内部全反射プリズム70は、第1の三角プリズム71と、第2の三角プリズム72と、偏光素子としてのワイヤーグリッド型偏光素子75と、を備えている。
内部全反射プリズム70では、第1の三角プリズム71の第1の面71aと、第2の三角プリズム72の第1の面72aとが接合されている。そのため、内部全反射プリズム70は、X方向から見た平面形状が略四辺形状であって、X方向に厚みを有する四角柱である。ワイヤーグリッド型偏光素子75は、第1の三角プリズム71の第1の面71aと、第2の三角プリズム72の第1の面72aとの接合面に配置されている。換言すれば、ワイヤーグリッド型偏光素子75は、第1の三角プリズム71の第1の面71aに設けられている。
ここで、ワイヤーグリッド型偏光素子75の構造について、図3を参照して説明する。図3においては、第1の三角プリズム71を破線で示している。
図3に示すように、ワイヤーグリッド型偏光素子75は、上述した通り第1の三角プリズム71の第1の面71aに設けられている。ワイヤーグリッド型偏光素子75は、所定の方向に延伸した複数の金属ナノワイヤーを有している。本実施形態では、複数の金属ナノワイヤーの延伸方向をX方向としている。換言すれば、ワイヤーグリッド型偏光素子75では、複数の金属ナノワイヤーが、一定の間隔ごとにX軸と平行に配置されている。金属ナノワイヤーが配置される間隔は、特に限定されず、例えば約100nmである。
上記の構成により、内部全反射プリズム70は、ワイヤーグリッド型偏光素子75に到達する光のうち、金属ナノワイヤーの延伸方向と直交する方向に振動する光の偏光成分を透過させ、金属ナノワイヤーの延伸方向と平行に振動する光の偏光成分を反射させる。図3の場合、内部全反射プリズム70は、ワイヤーグリッド型偏光素子75に到達する光のうち、X方向と直交して振動する、すなわちZ方向と平行に振動する光の偏光成分を透過させ、X方向と平行に振動する光の偏光成分を反射させる。
図2に戻り、上述したように、偏光変換素子140(図1参照)によって、光源110から射出された光の振動方向は、所定の振動方向に揃えられている。本実施形態では、図1に示した液晶パネル400R,400G,400Bとして、ノーマリー黒モードの液晶パネルを採用している。そのため、液晶パネル400R,400G,400Bから射出された後、クロスダイクロイックプリズム500で合成された合成光αaは、振動方向を有した偏光成分を含んでいる。ここで、以降、合成光のαaの上記偏光成分を、単に合成光αaともいう。また、本実施形態では、合成光αaの振動方向を、X方向と直交する方向としている。なお、液晶パネル400R,400G,400Bは、ノーマリー黒モードに限定されず、ノーマリー白モードの液晶パネルを採用してもよい。その場合には、上記所定の振動方向、および内部全反射プリズム70の配置を対応させる。
これにより、クロスダイクロイックプリズム500から射出された合成光αaは、ワイヤーグリッド型偏光素子75を透過する。そして、合成光αaは、光分離光学系700から投射レンズ600を経て投射される。一方、投射レンズ600を介して光分離光学系700に入射した外光βaのうち、X方向と平行に振動する偏光成分は、ワイヤーグリッド型偏光素子75で反射される。なお、図2において、合成光αaは、合成光の光束のうちで投射レンズ600の光軸と一致する成分を示し、外光βaおよびその偏光成分は、光束を1つの線にて代表的に示している。
ワイヤーグリッド型偏光素子75で反射された、X方向に振動する外光βaの偏光成分は、内部全反射プリズム70における外光βaの入射面で再び反射される。ここで、第1の三角プリズム71は、上記偏光成分が外光βaの入射面にて全反射されるように、頂角および屈折率が調整されている。次いで、上記偏光成分は、内部全反射プリズム70の上方の端部から射出される。そして、上記偏光成分は、アスペクト変換素子79にてアスペクト比が変換された後、光分離光学系700から射出されて撮像装置800に入射する。
ここで、ワイヤーグリッド型偏光素子75における金属ナノワイヤーの延伸方向は、X方向に限定されず、液晶パネル400R,400G,400Bにおける表示モード、具体的にはノーマリー黒、またはノーマリー白や、撮像装置800の配置などに対応させて適宜変更することが可能である。その場合には、合成光αaの振動方向、内部全反射プリズム70の配置なども併せて調整する。
内部全反射プリズム70は、2回の反射によって、ワイヤーグリッド型偏光素子75における金属ナノワイヤーのグリッドの延伸方向と平行に振動する偏光成分を分離する。そのため、ワイヤーグリッド型偏光素子75は、X方向からの平面視で、Y軸に対して45°より大きい角度で配置される。したがって、内部全反射プリズム70の厚さtaは、45°の反射面を有する偏光ビームスプリッター270のY方向の厚さtb(図5参照)よりも小さくなる。これにより、Y方向における光分離光学系700の距離を短縮することができる。
また、内部全反射プリズム70は、偏光板と同等の作用をするので、投射レンズ600のゴースト光を低減する機能を有している。そのため、内部全反射プリズム70を用いることにより、ゴースト光を低減するための専用の偏光板を省略することができる。
ワイヤーグリッド型偏光素子75が反射する外光βaとしては、可視光線、赤外線が挙げられる。ワイヤーグリッド型偏光素子75は、可視光線および赤外線のいずれか一方、または両方を反射する構成としてもよい。すなわち、撮像装置800では、可視光線および赤外線の1種類以上を用いて撮像が行われる。
ワイヤーグリッド型偏光素子75の金属ナノワイヤーの形成材料としては、特に限定されず、例えば、アルミニウム、金、銀などが挙げられる。ワイヤーグリッド型偏光素子75の製造方法としては、公知の技術が採用可能であり、ワイヤーグリッド型偏光素子75として市販品を用いてもよい。
ワイヤーグリッド型偏光素子75は、上述した、第1の面71aと第1の面72aとの間に挿入されていてもよく、第1の面71aまたは第1の面72aのどちらか一方に直接形成されていてもよい。本実施形態の内部全反射プリズム70では、偏光素子としてワイヤーグリッド型偏光素子75を用いているが、その他の偏光素子を用いてもよい。その他の偏光素子としては、例えば、DBEF(Dual Brightness Enhancement Film)(登録商標、スリーエム社)型偏光素子、誘電体多層膜などが挙げられる。
本実施形態のプロジェクター1は、投射レンズ600をY方向に対して直交する方向に移動させる機構、所謂レンズシフト機構を備えていてもよい。該機構によって投射レンズ600を移動させる場合には、内部全反射プリズム70の光軸に対して、クロスダイクロイックプリズム500の光軸、または投射レンズ600の光軸のいずれかを一致させる。
以上に述べたように、本実施形態に係るプロジェクター1によれば、以下の効果を得ることができる。
従来と比べて、プロジェクター1を容易に小型化することができる。詳しくは、クロスダイクロイックプリズム500と投射レンズ600との間に光分離光学系700が配置され、従来技術のように、光分離光学系700が複数のレンズ群の間に配置されない。そのため、プロジェクター1の内部の光路における投射レンズ600の距離を小さくすることができる。
また、内部全反射プリズム70によって、合成光αaのY方向における光分離光学系700の距離、すなわち厚さtaが短縮されて、プロジェクター1をより小型化しやすくすることができる。詳しくは、内部全反射プリズム70に入射した外光βaのうち、X方向と平行に振動する偏光成分が反射されて内部全反射プリズム70の入射面に戻る。内部全反射プリズム70の入射面に戻った上記偏光成分は、内部全反射プリズム70の頂角および屈折率が調整されているため、該入射面でさらに反射されて内部全反射プリズム70の上方の端部から射出される。すなわち、外光βaの上記偏光成分は、内部全反射プリズム70内で2回反射されて撮像装置800へ到達する。このように、光分離光学系700内で2回の反射を経て、外光βaの上記偏光成分が取り出される。そのため、1回の反射で外光を取り出す比較例としてのプロジェクター2と比べて、合成光αaのY方向に占める光分離光学系700の距離を短縮することができる。
さらに、内部全反射プリズム70において、ワイヤーグリッド型偏光素子75における金属ナノワイヤーの延伸方向をX方向にした場合に、外光βaのX方向と平行に振動する偏光成分は、Y軸に対して略垂直に配置された外光βaの入射面で、再び反射されてから撮像装置800へ射出される。そのため、上記偏光成分は、Y方向に対して、斜めに交差する方向に射出される。すなわち、内部全反射プリズム70に対して、撮像装置800を斜め方向に配置することができる。したがって、撮像装置800が合成光の光軸と略垂直な方向に配置されるプロジェクター2と比べて、プロジェクター1における高さ方向(Z方向)の距離が短縮される。以上により、従来よりも小型化が容易なプロジェクター1を提供することができる。
クロスダイクロイックプリズム500で合成された合成光αaに対して、合成光αaの振動方向と直交する方向に、ワイヤーグリッド型偏光素子75における金属ナノワイヤーが延伸している。そのため、内部全反射プリズム70は、合成光αaを透過させ、合成光αaを投射レンズ600へ導くことができる。また、内部全反射プリズム70に入射する外光βaのうち、X方向と平行に振動する偏光成分をワイヤーグリッド型偏光素子75で反射させて、撮像装置800へ導くことができる。さらに、吸収型の偏光素子と比べて、耐熱性を向上させることができる。
アスペクト変換素子79によって、撮像装置800に入射する所定の偏光成分のアスペクト比を調整することができる。詳しくは、内部全反射プリズム70で2回反射され、1方向に圧縮された外光βaの所定の偏光成分を、歪みを修正して撮像装置800に入射させることができる。
(実施形態2)
<光分離光学系>
本実施形態の、投射型表示装置としてのプロジェクターが備える光分離光学系の構成について、図4を参照して説明する。図4は、実施形態2に係る光分離光学系における構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。また、図4においては、実施形態1の図2に相当する部位のみを図示している。
<光分離光学系>
本実施形態の、投射型表示装置としてのプロジェクターが備える光分離光学系の構成について、図4を参照して説明する。図4は、実施形態2に係る光分離光学系における構成と、合成光および外光の進路とを示す模式図である。なお、実施形態1と同一の構成部位については、同一の符号を使用し、重複する説明は省略する。また、図4においては、実施形態1の図2に相当する部位のみを図示している。
図4に示すように、本実施形態のプロジェクター10は、クロスダイクロイックプリズム500、光分離光学系701、投射レンズ600、2個の撮像装置800を備えている。光分離光学系701は、クロスダイクロイックプリズム500と投射レンズ600との間の光路上に配置されている。プロジェクター10は、実施形態1のプロジェクター1に対して、光分離光学系700に替えて光分離光学系701を備えている点、撮像装置800を2個備えている点が異なっている。なお、図4において、合成光αcは、合成光の光束のうちで投射レンズ600の光軸と一致する成分を示し、外光およびその偏光成分は、光束を2つの線として外光βc1,βc3にて代表的に示している。
光分離光学系701は、内部全反射プリズム710と、2個のアスペクト変換素子79と、を有している。内部全反射プリズム710は、第1の三角プリズム711,713と、第2の三角プリズム721,723と、偏光素子としてのワイヤーグリッド型偏光素子751,753と、を備えている。内部全反射プリズム710は、クロスダイクロイックプリズム500から入射した合成光αcを透過し、投射レンズ600から入射した外光βc1,βc3の特定の偏光成分を反射する。内部全反射プリズム710は、第1の三角プリズム711と接合された第2の三角プリズム721と、第1の三角プリズム713と接合された第2の三角プリズム723と、を有している。すなわち、内部全反射プリズム710は、合成光αcの光軸を含むXY平面に対して、面対称な2個の内部全反射プリズムを該XY平面で接合させた構成である。
内部全反射プリズム710では、第1の三角プリズム711の第1の面711aと、第2の三角プリズム721の第1の面721aとが接合され、第1の三角プリズム713の第1の面713aと、第2の三角プリズム723の第1の面723aとが接合されている。そのため、内部全反射プリズム710は、X方向から見た平面形状が略四辺形状であって、X方向に厚みを有する四角柱である。
ワイヤーグリッド型偏光素子751は、第1の三角プリズム711の第1の面711aと、第2の三角プリズム721の第1の面721aとの接合面に配置されている。換言すれば、ワイヤーグリッド型偏光素子751は、第1の三角プリズム711の第1の面711aに設けられている。ワイヤーグリッド型偏光素子753は、第1の三角プリズム713の第1の面713aと、第2の三角プリズム723の第1の面723aとの接合面に配置されている。換言すれば、ワイヤーグリッド型偏光素子753は、第1の三角プリズム713の第1の面713aに設けられている。
ワイヤーグリッド型偏光素子751,753では、実施形態1のワイヤーグリッド型偏光素子75と同様に、複数の金属ナノワイヤーが一定の間隔にて、X軸に対して平行に配置されている。換言すれば、ワイヤーグリッド型偏光素子751,753では、金属ナノワイヤーの延伸方向をX方向としている。金属ナノワイヤーが配置される間隔は、特に限定されず、例えば約100nmである。
ワイヤーグリッド型偏光素子751,753により、内部全反射プリズム710は、ワイヤーグリッド型偏光素子751,753に到達する光のうち、金属ナノワイヤーの延伸方向と直交する方向に振動する光の偏光成分を透過させ、金属ナノワイヤーの延伸方向と平行に振動する光の偏光成分を反射させる。すなわち、本実施形態においては、内部全反射プリズム710は、ワイヤーグリッド型偏光素子751,753に到達する光のうち、X方向と直交して振動する、すなわちZ方向と平行に振動する光の偏光成分を透過させ、X方向と平行に振動する光の偏光成分を反射させる。
合成光αcは、実施形態1の合成光αaと同様に、振動方向が所定の方向に揃えられている。ここで、本実施形態においても、上記実施形態と同様にノーマリー黒モードの液晶パネルを採用している。そのため、上記所定の振動方向は、Z方向と平行な方向となる。なお、液晶パネルは、ノーマリー黒モードに限定されず、ノーマリー白モードの液晶パネルを採用してもよい。その場合には、上記所定の振動方向、および内部全反射プリズム710の配置を対応させる。
これにより、クロスダイクロイックプリズム500から射出された合成光αcはワイヤーグリッド型偏光素子751またはワイヤーグリッド型偏光素子753を透過して、光分離光学系701から投射レンズ600を介して投射される。一方、投射レンズ600を介して光分離光学系701に入射した外光のうち、投射レンズ600の光軸を含むXY平面よりも上方側で光分離光学系701に入射した成分である外光βc1は、第1の三角プリズム711に入射する。上記外光のうち、投射レンズ600の光軸を含むXY平面よりも下方側で光分離光学系701に入射した成分である外光βc3は、第1の三角プリズム713に入射する。
ここで、外光βc1の進路と、外光βc3の進路とは、合成光αcの光軸を含むXY平面に対して面対称であるため、外光βc1の進路を例に挙げて説明する。
第1の三角プリズム711に入射した外光βc1のうち、X方向と平行に振動する偏光成分は、ワイヤーグリッド型偏光素子751で反射される。ワイヤーグリッド型偏光素子751で反射された、外光βc1の上記偏光成分は、内部全反射プリズム710における外光βc1の入射面で再び反射される。ここで、第1の三角プリズム711は、上記偏光成分が外光βc1の入射面にて全反射されるように、頂角および屈折率が調整されている。次いで、上記偏光成分は、内部全反射プリズム710の上方の端部から射出されて、内部全反射プリズム710の上方に配置されたアスペクト変換素子79に入射する。そして、上記偏光成分は、アスペクト変換素子79にてアスペクト比を変換された後、光分離光学系701から射出されて、光分離光学系701の上方に配置された撮像装置800に入射する。
外光βc1と同様にして、第1の三角プリズム713に入射した外光βc3のうち、X方向と平行に振動する偏光成分は、ワイヤーグリッド型偏光素子753で反射される。次いで、上記偏光成分は、内部全反射プリズム710における外光βc3の入射面で再び反射され、内部全反射プリズム710の下方に配置されたアスペクト変換素子79を経て、光分離光学系701の下方に配置された撮像装置800に入射する。
2個の撮像装置800で取得された撮像データは、画像処理部(図示せず)において画像処理が施されて、実施形態1のプロジェクター1と同様な用途に供される。この際、外光βc1,βc3の上記偏光成分を、1つの撮像データとして合成して利用してもよい。
上述したように、内部全反射プリズム710は、投射レンズ600から入射した外光を上方の成分と下方の成分とに2分割し、外光のうちでX方向と平行に振動する偏光成分をそれぞれ別のアスペクト変換素子79を介して各撮像装置800に射出させる。そのため、内部全反射プリズム710のY方向における厚さtcは、図2に示した、実施形態1の内部全反射プリズム70のY方向の厚さtaの約半分に短縮される。これにより、Y方向における光分離光学系701の距離をさらに短縮することができる。
以上に述べたように、本実施形態に係る内部全反射プリズム710を備えたプロジェクターによれば、実施形態1のプロジェクター1に対して、さらに小型化を容易にすることができる。
(実施形態3)
<偏光分離素子>
本実施形態の偏光分離素子について、図5を参照して説明する。図5は、実施形態3に係る偏光分離素子の構成を示す模式図である。
<偏光分離素子>
本実施形態の偏光分離素子について、図5を参照して説明する。図5は、実施形態3に係る偏光分離素子の構成を示す模式図である。
偏光分離素子770は、第1の偏光成分αdを透過し、第2の偏光成分βdを反射する。偏光分離素子770は、第1の三角プリズム771と、第2の三角プリズム772と、偏光素子としてのワイヤーグリッド型偏光素子775と、を備えている。偏光分離素子770は、第1の三角プリズム771の第1の面771aと、第2の三角プリズム772の第1の面772aとが接合されて、X方向からの平面視で略四辺形状を成している。ワイヤーグリッド型偏光素子775は、第1の三角プリズム771の第1の面771aと、第2の三角プリズム772の第1の面772aとの接合面に配置されている。なお、図5において、第1の偏光成分αdおよび第2の偏光成分βdは、光束をそれぞれ1つの線にて代表的に示している。
ここで、本実施形態では、第1の偏光成分αdの振動方向を、X方向と直交する方向、すなわちZ方向と平行な方向とし、第2の偏光成分βdの振動方向を、X方向と平行な方向として説明する。
ワイヤーグリッド型偏光素子775では、複数の金属ナノワイヤーが、一定の間隔ごとに所定の方向に対して平行に配置されている。本実施形態では、ワイヤーグリッド型偏光素子75における金属ナノワイヤーを、X軸と平行に配置している。換言すれば、上記金属ナノワイヤーの延伸方向を、X方向としている。金属ナノワイヤーが配置される間隔は、特に限定されず、例えば約100nmである。
上記の構成により、偏光分離素子770は、ワイヤーグリッド型偏光素子775に入射する光のうち、X方向と直交して振動する、すなわちZ方向と平行に振動する光である第1の偏光成分αdを透過させ、X方向と平行に振動する光である第2の偏光成分βdを反射させる。
詳しくは、第1の偏光成分αdは、金属ナノワイヤーの延伸方向と直交して振動しているため、上記グリッドを透過する。図5では、第1の偏光成分αdの進行方向を正のY方向としたが、これに限定されない。第1の偏光成分αdの進行方向は、負のY方向であってもよい。第1の偏光成分αdは、振動方向がX方向と直交するため、進行方向が負のY方向であっても、ワイヤーグリッド型偏光素子775を透過する。
これに対して、第2の偏光成分βdは、金属ナノワイヤーの延伸方向と平行に振動している。そのため、第2の偏光成分βdは、正のY方向から偏光分離素子770に入射すると、ワイヤーグリッド型偏光素子775で反射される。反射された第2の偏光成分βdは、偏光分離素子770における第2の偏光成分βdの入射面で再び反射される。ここで、第1の三角プリズム771は、第2の偏光成分βdが上記入射面にて全反射されるように、頂角および屈折率が調整されている。そして、第2の偏光成分βdは、偏光分離素子770の上方の端部から射出される。
ここで、ワイヤーグリッド型偏光素子775における金属ナノワイヤーの延伸方向は、X方向に限定されず、透過または反射させる偏光成分の振動方向などに対応させて適宜変更することが可能である。なお、第1の偏光成分αd、第2の偏光成分βdとしては、可視光線、赤外線が挙げられる。ワイヤーグリッド型偏光素子775は、可視光線および赤外線のいずれか一方、または両方を反射する構成としてもよい。
以上に述べたように、本実施形態に係る偏光分離素子770によれば、以下の効果を得ることができる。
この構成によれば、第1の偏光成分αdの振動方向に対して、ワイヤーグリッド型偏光素子775の金属ナノワイヤーの延伸方向を直交する方向とすることで、第1の三角プリズム771および第2の三角プリズム772において第1の偏光成分αdを透過させることができる。それと共に、偏光分離素子770に入射する第2の偏光成分βdを、第1の三角プリズム771の第1の面771aと第2の三角プリズム772の第1の面772aとの接合面に配置されたワイヤーグリッド型偏光素子775で反射させることができる。これにより、第1の偏光成分αdが透過するY方向において、偏光分離素子770の距離である厚さが短縮され、偏光分離素子770を容易に小型化することができる。また、偏光素子がワイヤーグリッド型偏光素子775であることにより、吸収型の偏光素子と比べて、耐熱性を向上させることができる。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
投射型表示装置は、光を射出する光源と、光源から射出された光を複数の色光に分離する色分離光学系と、色分離光学系で分離された各色光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、複数の光変調装置で変調された各色光を合成する色合成光学系と、色合成光学系で合成された合成光を投射する投射光学系と、色合成光学系と投射光学系との間の光路上に配置され、色合成光学系から入射した合成光を透過し、投射光学系から入射した外光を反射する内部全反射プリズムを有する光分離光学系と、内部全反射プリズムで反射された外光を撮像する撮像装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、従来と比べて、小型化が容易な投射型表示装置とすることができる。詳しくは、色合成光学系と投射光学系との間に光分離光学系が配置され、従来のように、光分離光学系が複数のレンズ群の間に配置されない。そのため、投射型表示装置の内部の光路における投射光学系の距離を小さくすることができる。
また、内部全反射プリズムによって、合成光の光路上における光分離光学系の距離である厚さが短縮されて、投射型表示装置をより小型化しやすくすることができる。詳しくは、内部全反射プリズムに入射した外光のうち、所定の偏光成分が反射されて内部全反射プリズムの入射面に戻る。内部全反射プリズムの入射面に戻った上記偏光成分は、内部全反射プリズムの頂角および屈折率を調整することで、該入射面でさらに反射されて内部全反射プリズムの端部から射出される。すなわち、外光の所定の偏光成分は、内部全反射プリズム内で2回反射されて撮像装置へ到達する。このように、光分離光学系内で2回の反射を経て外光の所定の偏光成分が取り出される。そのため、1回の反射で外光を取り出す場合と比べて、合成光の光路上に占める光分離光学系の距離を短縮することができる。
上記の投射型表示装置において、内部全反射プリズムは、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、偏光素子が配置されていることが好ましい。
この構成によれば、色合成光学系で合成された合成光に対して、偏光素子の配置を調節することで、第1の三角プリズムおよび第2の三角プリズムにおいて合成光を透過させて投射光学系へ導くことができる。それと共に、内部全反射プリズムに入射する外光の所定の偏光成分を、第1の三角プリズムの第1面と第2の三角プリズムの第1面との接合面に配置された偏光素子で反射させて、撮像装置へ導くことができる。
上記の投射型表示装置において、偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることが好ましい。
この構成によれば、ワイヤーグリッド型偏光素子に入射する光の偏光成分を、偏光成分の振動方向に応じて透過させたり、反射させたりすることができる。また、吸収型の偏光素子と比べて、耐熱性を向上させることができる。
上記の投射型表示装置において、色合成光学系で合成された合成光は、振動方向を有した偏光成分を含み、ワイヤーグリッド型偏光素子は、所定の方向に延伸した金属ナノワイヤーを有し、金属ナノワイヤーの延伸方向は、偏光成分の振動方向と直交する方向であることが好ましい。
この構成によれば、金属ナノワイヤーは、合成光の偏光成分における振動方向に対して、直交する方向に延伸していることから、ワイヤーグリッド型偏光素子は、合成光の偏光成分を透過させることができる。また、ワイヤーグリッド型偏光素子は、入射する外光のうちで金属ナノワイヤーの延伸方向と平行に振動する偏光成分を、反射させることができる。
上記の投射型表示装置において、光分離光学系は、内部全反射プリズムで反射された外光のアスペクト比を変換するためのアスペクト変換素子を更に備え、アスペクト変換素子は、内部全反射プリズムと、撮像装置との間の光路上に配置されていることが好ましい。
この構成によれば、内部全反射プリズムで反射されることで1方向に圧縮された外光の偏光成分について、アスペクト比を調整して撮像装置に入射させることができる。
偏光分離素子は、第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射する偏光分離素子であって、偏光分離素子は、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、第1の三角プリズムの第1の面と、第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、偏光素子が配置されており、偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることを特徴とする。
この構成によれば、第1の偏光成分の振動方向に対応させて、ワイヤーグリッド型偏光素子を配置することで、第1の三角プリズムおよび第2の三角プリズムにおいて、第1の偏光成分を透過させることができる。それと共に、ワイヤーグリッド型偏光素子に対して、第1の偏光成分と逆方向から入射する第2の偏光成分を、第1の三角プリズムの第1面と第2の三角プリズムの第1面との接合面に配置された偏光素子で反射させることができる。これにより、第1の偏光成分が透過する光路上において、偏光分離素子の距離(厚さ)が短縮され、偏光分離素子を容易に小型化することができる。また、偏光素子が吸収型の偏光素子である場合と比べて、耐熱性を向上させることができる。
1…投射型表示装置としてのプロジェクター、70,710…内部全反射プリズム、71,711,713,771…第1の三角プリズム、71a,711a,713a,771a…第1の三角プリズムの第1の面、72,721,723、772…第2の三角プリズム、72a,721a,723a,772a…第2の三角プリズムの第1の面、75,751,753,775…ワイヤーグリッド型偏光素子、79…アスペクト変換素子、110…光源、200…色分離光学系、400R,400G,400B…光変調装置としての液晶パネル、500…色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム、600…投射光学系としての投射レンズ、700,701…光分離光学系、770…偏光分離素子、800…撮像装置、αa,αc…合成光、αd…第1の偏光成分、βa,βc1,βc3…外光、βd…第2の偏光成分。
Claims (6)
- 光を射出する光源と、
前記光源から射出された光を複数の色光に分離する色分離光学系と、
前記色分離光学系で分離された各色光をそれぞれ変調する複数の光変調装置と、
前記複数の光変調装置で変調された前記各色光を合成する色合成光学系と、
前記色合成光学系で合成された合成光を投射する投射光学系と、
前記色合成光学系と前記投射光学系との間の光路上に配置され、前記色合成光学系から入射した前記合成光を透過し、前記投射光学系から入射した外光を反射する内部全反射プリズムを有する光分離光学系と、
前記内部全反射プリズムで反射された前記外光を撮像する撮像装置と、を備えることを特徴とする投射型表示装置。 - 前記内部全反射プリズムは、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、
前記第1の三角プリズムの第1の面と、前記第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、
前記第1の三角プリズムの第1の面と、前記第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、前記偏光素子が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の投射型表示装置。 - 前記偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることを特徴とする、請求項2に記載の投射型表示装置。
- 前記色合成光学系で合成された前記合成光は、振動方向を有した偏光成分を含み、
前記ワイヤーグリッド型偏光素子は、所定の方向に延伸した金属ナノワイヤーを有し、
前記金属ナノワイヤーの延伸方向は、前記偏光成分の前記振動方向と直交する方向であることを特徴とする、請求項3に記載の投射型表示装置。 - 前記光分離光学系は、前記内部全反射プリズムで反射された前記外光のアスペクト比を変換するためのアスペクト変換素子を更に備え、
前記アスペクト変換素子は、前記内部全反射プリズムと、前記撮像装置との間の光路上に配置されていることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の投射型表示装置。 - 第1の偏光成分を透過し、第2の偏光成分を反射する偏光分離素子であって、
前記偏光分離素子は、第1の三角プリズムと、第2の三角プリズムと、偏光素子と、を備え、
前記第1の三角プリズムの第1の面と、前記第2の三角プリズムの第1の面とが接合され、
前記第1の三角プリズムの第1の面と、前記第2の三角プリズムの第1の面との接合面に、前記偏光素子が配置されており、
前記偏光素子は、ワイヤーグリッド型偏光素子であることを特徴とする偏光分離素子。
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