JP2020063846A - 軸受装置、密封装置、及び組立体 - Google Patents
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Abstract
Description
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、前記凸部が前記凹部に嵌合している。
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記パッキンは、前記ネック部から前記大径部のうち前記ラビリンスリングよりも径方向内方までの範囲において前記ロールに接触している。
この構成によれば、内輪の円弧状面にパッキンが取り付けられた構成となり、ロールのネック部との間で止水する構成となる。また、円環面を、内輪の加工の際に活用することができる。
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、前記凸部が前記凹部に嵌合している。
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、前記凸部が前記凹部に嵌合し、前記パッキンは、前記ネック部から前記大径部の側面までの範囲において前記ロールに接触している。
〔軸受装置の全体構成〕
図1は本発明における第一の形態を有する密封構造体を含む軸受装置の一例を示す断面図である。この軸受装置7は、製鋼工程に用いられる連続鋳造機の駆動用のロール3を支持するためのものである。ロール3は、中央の小径軸部4と、その軸方向両側の大径部5とを一体として有しており、杵型である。小径軸部4は、大径部5よりも直径が小さいことから、小径軸部4と一対の大径部5,5との間に環状凹部が形成されており、この環状凹部に軸受装置7が設けられている。以下において、小径軸部4と大径部5との境界部をロール3のネック部3aともいう。ネック部3aは、大径部5から小径軸部4に向かって直径が徐々に小さくなる凹曲面形状(テーパ面形状)を有している。また、大径部5の内側の側面には、環状の凹周溝6が形成されている。
軸箱14は、上下に分割される二分割構造を有している。つまり、軸箱14は、床面に固定される基台17と、この基台17の上に載せられる蓋部材18とを有しており、これらは図外のボルト等によって連結固定される。基台17は、上面側に球面に沿った形状の球面座17aを有している。
ラビリンスリング31は、円筒状の部材であるが、上下に分割される二分割構造を有している。つまり、ラビリンスリング31は、半円筒形状である第一半筒部31a及び第二半筒部31bを有しており、これら半筒部31a,31bの分割面は、ラビリンスリング31の中心線を含む平面上にある。なお、組み立て状態で、ラビリンスリング31の中心線は、内輪11の中心線L1と一致する。ラビリンスリング31の下側半分を構成する第一半筒部31aは軸箱14(基台17)に取り付けられており、上側半分を構成する第二半筒部31bは外輪部材12(外側半筒部12b)に取り付けられている。
また、軸方向他方側(図1において左側)のラビリンスリング31は、軸受本体10から軸方向他方側に向かって突出しており、ラビリンスリング31の一部(軸方向外側部31c)が、ロール3の大径部5に形成されている凹周溝6に入った状態となっている。軸方向他方側においても、軸方向一方側と同様に、ラビリンスリング31の一部(軸方向外側部31c)が凹周溝6に入った状態となることにより、凹周溝6との間にラビリンス隙間を形成し、外部から冷却水がロール3のネック部3aと内輪11との間に浸入するのを抑制する。
以上より、ラビリンスリング31は、内輪11の径方向外側において軸受本体10に取り付けられており、杵型ロール3の大径部5に形成されている凹周溝6に一部が入ってこの凹周溝6との間でラビリンス隙間を形成するための部材である。
図2において、オイルシール41は、環状のシール本体部42と、このシール本体部42から突出しているシールリップ部43とを有しており、これらはゴム製である。シール本体部42は、内輪11の第一外周溝71に嵌って取り付けられている。シールリップ部43は、ラビリンスリング31の内周面32に接触可能であり、ロール3及び内輪11が回転すると、オイルシール41も共に回転し、シールリップ部43がラビリンスリング31の内周面32に滑り接触する。オイルシール41は、全体としてリング状であるが、周方向の一箇所でカットされており、分割構造である内輪11への取り付けを容易としている。このように、オイルシール41は、内輪11の外周側に設けられている第一外周溝71に取り付けられており、ラビリンスリング31の内周面32に滑り接触し、軸受内部15に冷却水が浸入するのを防止するための部材となっている。
第二パッキン69について先に説明する。第二パッキン69は、環状のパッキン本体部44と、このパッキン本体部44から突出しているパッキンリップ部45とを有している。パッキン本体部44は、内輪11の第二外周溝76に嵌って取り付けられている。パッキンリップ部45は、ラビリンスリング31の内周面32に接触可能であり、ロール3及び内輪11が回転すると、第二パッキン69も共に回転し、パッキンリップ部45がラビリンスリング31の内周面32に滑り接触する。第二パッキン69は、全体がゴム製であってもよいが、パッキンリップ部45については接触抵抗を低減するために樹脂製としてもよい。また、第二パッキン69は、全体としてリング状であるが、周方向の一箇所でカットされており、分割構造である内輪11への取り付けを容易としている。このように、第二パッキン69は、内輪11の外周側に設けられている第二外周溝76に取り付けられており、ラビリンスリング31の内周面32に滑り接触し、軸受内部15に冷却水が浸入するのを防止するための部材となっている。
また、取り付け溝72は、円弧状面22にのみ形成されている場合について説明したが、円弧状面22から円環面21(22a)の一部にかかって形成されていてもよく、又は、円弧状面22から円筒面23の一部にかかって形成されていてもよい。すなわち、内輪11の軸方向側部16のうちの少なくとも円弧状面22に環状の取り付け溝72が設けられていればよい。
図5は、第二の形態を有する密封構造体30を示す断面図である。図5に示す密封構造体30では、図2に示す密封構造体30と比較して、第二パッキン69が省略されている。図5に示す形態では、図2に示す第一パッキン51及び第二パッキン69の機能を、一つのパッキン51が有している。なお、軸受装置7が備えているその他の構成は、図1に示す形態の構成と同じである。
また、図6に示す形態では、前記のとおりパッキン51は断面四角形(台形)である。このため、パッキン51の形状が簡単であり、密封構造体30の簡素化が可能となる。
図8に示す形態では、パッキン51の本体部52は、段付き形状となる第一溝部74及び第二溝部75に嵌まることで、安定した取り付け状態が得られ、パッキン51の脱落を抑制することが可能となる。
図9は、第三の形態を有する密封構造体30を示す断面図である。図9に示す密封構造体30では、図2に示す密封構造体30と比較して、第二パッキン69が省略されている。図9に示す形態では、図2に示す第一パッキン51及び第二パッキン69の機能を、一つのパッキン51が有している。なお、軸受装置7が備えているその他の構成は、図1に示す形態の構成と同じである。
以上より、軸受装置7は、軸受本体10と密封構造体30とを備えている。軸受本体10(図1参照)は、軸箱14に対して杵型ロール3を回転可能として支持するために、このロール3の小径軸部4に装着される。密封構造体30は、ラビリンスリング31、オイルシール41及びパッキン51を有しており、この密封構造体30によれば、円筒ころ13が設けられている軸受内部15、及び、内輪11とロール3との間に外部から冷却水が浸入するのを防止することができる。つまり、内輪11の軸方向側部16に設けられているオイルシール41がラビリンスリング31に接触して、軸受内部15に冷却水が浸入するのを防止し、更に、内輪11の軸方向側部16に取り付けられているパッキン51が、ロール3の一部に接触して内輪11とロール3との間に外部から冷却水が浸入するのを防止している。この結果、内輪11とロール3との間の隙間80に冷却水が滞留しないようにして腐食の発生を防ぐことが可能となる。
前記実施形態では、軸受装置7を、連続鋳造機の駆動用のロール3を支持するためのものとして説明したが、ロールと内輪との間の隙間に水等の異物が浸入するのを防ぐことを目的として、他の用途に前記各構成を備えている軸受装置7を用いても良い。
また、パッキン51は、全体が同じ材質のゴムによって形成されていてもよいが、複数種類の材質によって形成されたものであってもよい。例えば、本体部52はゴム製であるが、接触部(53,54,55)は本体部52よりも摩擦係数の小さい部材(例えば樹脂部材)であってもよい。
6:凹周溝 7:軸受装置 10:軸受本体
11:内輪 12:外輪部材 13:円筒ころ(転動体)
14:軸箱 15:軸受内部 16:軸方向側部
21:円環面 22:円弧状面 23:円筒面
24:円環面 30:密封構造体 31:ラビリンスリング
32:内周面 41:オイルシール 51:第一パッキン(パッキン)
52:本体部 53:接触部 54:第一接触部
55:第二接触部 71:第一外周溝 72:取り付け溝
74:第一溝部 75:第二溝部 78:外側円筒面(円筒面)
79:円環面 80:隙間 L1:内輪の中心線
F1:仮想面 F2:仮想面
Claims (7)
- 小径軸部と大径部とを有する杵型ロールの当該小径軸部に外嵌する内輪、前記内輪の径方向外側に設けられている筒状の外輪部材、前記内輪と前記外輪部材との間に設けられている複数の転動体、及び、前記外輪部材を支持している軸箱を有する軸受本体と、
前記転動体が設けられている軸受内部、及び、前記内輪と前記ロールとの間に、外部から水が浸入するのを防止するための密封構造体と、
を備えた軸受装置であって、
前記密封構造体は、
前記内輪の径方向外側において前記軸受本体に取り付けられ前記ロールの大径部に形成されている凹周溝に一部が入って当該凹周溝との間でラビリンス隙間を形成するラビリンスリングと、
前記内輪の軸方向側部に取り付けられ前記ロールの一部に接触し当該内輪と当該ロールとの間に外部から水が浸入するのを防止するためのパッキンと、を有し、
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、
前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、
前記凸部が前記凹部に嵌合している、軸受装置。 - 小径軸部と大径部と当該大径部から当該小径軸部に向かって直径が徐々に小さくなる凹曲面形状を有するネック部とを有する杵型ロールの当該小径軸部に外嵌する内輪、前記内輪の径方向外側に設けられている筒状の外輪部材、前記内輪と前記外輪部材との間に設けられている複数の転動体、及び、前記外輪部材を支持している軸箱を有する軸受本体と、
前記転動体が設けられている軸受内部、及び、前記内輪と前記ロールとの間に、外部から水が浸入するのを防止するための密封構造体と、
を備えた軸受装置であって、
前記密封構造体は、
前記内輪の径方向外側において前記軸受本体に取り付けられ前記ロールの大径部に形成されている凹周溝に一部が入って当該凹周溝との間でラビリンス隙間を形成するラビリンスリングと、
前記内輪の軸方向側部に取り付けられ前記ロールの一部に接触し当該内輪と当該ロールとの間に外部から水が浸入するのを防止するためのパッキンと、を有し、
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、
前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、
前記凸部が前記凹部に嵌合し、
前記パッキンは、前記ネック部から前記大径部のうち前記ラビリンスリングよりも径方向内方までの範囲において前記ロールに接触している、軸受装置。 - 前記内輪は、前記軸方向側部において、径方向外側から、当該内輪の中心線に直交する仮想面上に位置する円環面と、軸方向中央に向かうにしたがって縮径する円弧状面と、前記小径軸部に嵌合している円筒面と、を有し、
前記内輪の前記軸方向側部のうちの少なくとも前記円弧状面に環状の取り付け溝が設けられており、
前記パッキンは、前記取り付け溝に取り付けられている本体部と、当該本体部から前記ロール側に設けられ当該ロールに接触可能である接触部と、を有している、請求項1又は2に記載の軸受装置。 - 小径軸部と大径部とを有する杵型ロールの当該小径軸部に外嵌する内輪、前記内輪の径方向外側に設けられている筒状の外輪部材、前記内輪と前記外輪部材との間に設けられている複数の転動体、及び、前記外輪部材を支持している軸箱を有する軸受本体と、
前記転動体が設けられている軸受内部、及び、前記内輪と前記ロールとの間に、外部から水が浸入するのを防止するための密封構造体と、
を備えた軸受装置であって、
前記密封構造体は、前記内輪の軸方向側部に取り付けられ前記ロールの一部に接触し当該内輪と当該ロールとの間に外部から水が浸入するのを防止するためのパッキンを有し、
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、
前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、
前記凸部が前記凹部に嵌合している、軸受装置。 - 小径軸部と大径部と当該大径部から当該小径軸部に向かって直径が徐々に小さくなる凹曲面形状を有するネック部とを有する杵型ロールの当該小径軸部に外嵌する内輪、前記内輪の径方向外側に設けられている筒状の外輪部材、前記内輪と前記外輪部材との間に設けられている複数の転動体、及び、前記外輪部材を支持している軸箱を有する軸受本体と、
前記転動体が設けられている軸受内部、及び、前記内輪と前記ロールとの間に、外部から水が浸入するのを防止するための密封構造体と、
を備えた軸受装置であって、
前記密封構造体は、前記内輪の軸方向側部に取り付けられ前記ロールの一部に接触し当該内輪と当該ロールとの間に外部から水が浸入するのを防止するためのパッキンを有し、
前記パッキンは、二分割構造であり、分割されている当該各パッキンは軸方向に突出する凸部を有し、
前記内輪の軸方向側部には軸方向に窪む凹部を有し、
前記凸部が前記凹部に嵌合し、
前記パッキンは、前記ネック部から前記大径部の側面までの範囲において前記ロールに接触している、軸受装置。 - 軸箱に対して杵型ロールを回転可能として支持するために当該ロールの小径軸部に装着される軸受装置の内輪の軸方向側部に設けられ、当該内輪と前記ロールとの間に外部から水が浸入するのを防止するための密封装置であって、
前記内輪の前記軸方向側部に形成されている取り付け溝に取り付けられる本体部と、
当該本体部から前記ロール側に設けられ当該ロールの一部に接触可能である接触部と、
を有し、
前記本体部は、前記内輪に設けられている取り付け溝に軸方向に窪んで形成されている凹部に係合する軸方向に突出した凸部を有する、
密封装置。 - 小径軸部と大径部とを有する杵型ロールと、当該杵型ロールを支持する軸受装置と、を備える組立体であって、
前記軸受装置は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の軸受装置である、組立体。
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