JP2020063107A - 搬送装置及び後処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】束排出部材を安定して走行させることのできる搬送装置を提供する。【解決手段】搬送装置は、循環走行する無端ベルト31と、前記無端ベルト31の走行方向と直交する幅方向に併設された複数のガイドレール35及び37と、前記無端ベルト31に相対回転可能に連結されて、前記ガイドレール35及び37に沿って案内されながら前記無端ベルト31と共に移動する搬送部材33と、を備える。前記搬送部材33は、前記シート束を保持する本体部41と、前記本体部41を前記無端ベルト31に相対回転可能に連結する固定部45と、前記走行方向において前記固定部45とは異なる位置に配置されて、前記複数のガイドレール35及び37のそれぞれに係合するガイド部47及び49と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、後処理されたシート束を搬送する搬送装置を備える後処理装置に関する。
後処理装置において、ステープル針で綴じられたシート束は、搬送装置によって処理トレイから排出トレイに搬送される。搬送装置は、特許文献1に記載されているように、循環軌道を形成するレール溝と、レール溝に沿って移動する固定部と、固定部に支持されるグリッパーと、を有し、固定部がレール溝に沿って移動して、グリッパーにグリップされたシート束を処理トレイから排出トレイに搬送する。
特開2003−89464号公報
一般に、グリッパーは固定部よりも重量が重いので、グリッパーに固定部を中心とした下向きの回転モーメントが発生する。すると、グリッパーが固定部を中心として回動したりグリッパーの姿勢が不安定になったりするという問題がある。
本発明は上記事情を考慮し、グリッパーのような束排出部材を安定して走行させることのできる搬送装置を備える後処理装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の搬送装置は、シート束を搬送する搬送装置であって、循環走行する無端ベルトと、前記無端ベルトの走行方向と直交する幅方向に併設された複数のガイドレールと、前記無端ベルトに相対回転可能に連結されて、前記複数のガイドレールに沿って案内されながら前記無端ベルトと共に移動する搬送部材と、を備え、前記搬送部材は、前記シート束を保持する本体部と、前記本体部を前記無端ベルトに相対回転可能に連結する固定部と、前記走行方向において前記固定部とは異なる位置に配置されて、前記複数のガイドレールのそれぞれに係合するガイド部と、を有し、前記無端ベルトの走行時に、前記ガイド部のいずれかが前記ガイドレールに当接することで、前記本体部の前記固定部を中心とする回転が規制されることを特徴とする。
本発明の搬送装置において、前記固定部は、前記走行方向における前記本体部の端部に設けられ、前記ガイド部は、前記固定部に対して前記本体部の反対側、かつ、前記本体部よりも下方に設けられる第1ガイドローラーと、前記固定部に対して前記本体部の反対側、かつ、前記本体部と同じ高さに設けられる第2ガイドローラーと、を有し、前記複数のガイドレールは、前記第1ガイドローラーが係合可能な間隔を開けて対向する内環状部材及び外環状部材を有する第1ガイドレールと、前記第2ガイドローラーが係合可能な間隔を開けて対向する内環状部材及び外環状部材を有する第2ガイドレールと、を有し、前記無端ベルトの走行時に、前記第1ガイドローラー又は前記第2ガイドローラーが、前記第1ガイドレールの前記内環状部材又は前記外環状部材、又は、前記第2ガイドレールの前記内環状部材又は前記外環状部材に当接することを特徴としてもよい。
本発明の搬送装置において、前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとは、前記幅方向において前記無端ベルトの両側に配置されていることを特徴としてもよい。
本発明の後処理装置は、順次搬出されるシートを一時的に積載してシート束を形成する処理トレイと、前記処理トレイ上のシート束にステープル処理を行うステープル装置と、前記ステープル装置でステープル処理されたシート束を、前記処理トレイから排紙トレイに搬送する前記搬送装置と、を備えていることを特徴とする。
本発明によれば、ガイド部がガイドレールに当接することで、本体部が固定部に対して相対回転して、固定部を中心とする本体部の回転が規制される。したがって、本体部の向の向きを変えずに搬送部材を安定して走行させることができる。
本発明の一実施形態に係る後処理装置の内部構成を模式的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、束排出部材を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、束排出部材を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、束排出部材を示す背面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、無端ベルト、第1ガイドレール、第2ガイドレールの軌道を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、第1ガイドレールに沿って案内される第1ガイドローラーを模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、第2ガイドレールに沿って案内される第2ガイドローラーを模式的に示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る後処理装置において、無端ベルト、第1ガイドレール、第2ガイドレールの軌道の他の例を示す側面図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の後処理装置及び搬送装置について説明する。
まず、図1を参照して、後処理装置1の全体の構成について説明する。図1は後処理装置1の断面図である。図1の紙面手前側を後処理装置1の前側とする。各図のFr、Rr、L、Rは、それぞれ後処理装置1の前側、後側、左側、右側を示す。後処理装置1は、例えば、画像形成装置に隣接して配置されて、画像形成装置で画像形成されたシートが積載されたシート束に後処理を行う。
後処理装置1は、略直方体形状の本体部3と、本体部3を支持する脚部5と、を有している。本体部3には、画像形成装置側の側面(右側面)に搬入口7が形成され、画像形成装置と反対側の側面(左側面)に排出口9が形成されている。搬入口7には、画像形成装置等からシートが搬入される。排出口9からは、後処理されたシートが排出される。排出口9の下方には、排出トレイ11が設けられている。
本体部3の内部には、搬入口7から排出口9に向かう搬送方向に沿ってシートを搬送する搬送経路13が設けられている。搬送経路13には、搬送方向における上流側から順に、シートに穿孔処理を行う穿孔装置15と、レジストローラー対23と、搬入ローラー対25と、排出ローラー対27と、が備えられている。さらに、本体部3の内部には、排出口9に向かって斜め上方に傾斜した処理トレイ17が備えられている。処理トレイ17の下方には、ステープル装置19が備えられている。
画像形成装置から順次搬出されたシートは、搬送経路13に沿って搬送されて、排出口9で排出ローラー対27によってスイッチバックされる。スイッチバックされたシートは、処理トレイ17に一時的に積載されてシート束が形成される。ステープル装置19は、処理トレイ17に形成されたシート束をステープル針で綴じるステープル処理を行う。
処理トレイ17には、ステープル装置19で綴じられたシート束を、処理トレイ17から排出トレイ11に搬送して排出する搬送装置21が備えられている。
搬送装置21は、シート束の搬送方向と直交する幅方向において、処理トレイ17の中央部に設けられている。搬送装置21によるシート束の排出時には、排出ローラー対27の上側のローラーが上方に移動して上下ローラー間に隙間が開くようになっており、シート束は、その隙間を通って搬送される。
次に、搬送装置21について、図2、図3A及び図3Bと、図4〜図6を参照して説明する。図2、図3A及び図3Bは、それぞれ束排出部材を示す側面図、平面図及び背面図であり、図4は、束排出部材と、無端ベルト、第1ガイドレール、第2ガイドレールを示す側面図、図5は、第1ガイドレールに沿って案内される第1ガイドローラーを模式的に示す側面図、図6は、第2ガイドレールに沿って案内される第2ガイドローラーを模式的に示す側面図である。
図4に示されるように、搬送装置21は、無端ベルト31と、搬送部材としての束排出部材33と、第1ガイドレール35と、第2ガイドレール37と、を備えている。
図4〜図6に示されるように、無端ベルト31は、駆動ローラーと従動ローラー(いずれも図示省略)とに巻き回されている。駆動ローラーが回転することで、無端ベルト31は、長円状の循環軌道Tに沿って垂直面内を図の反時計回り方向に循環走行する。長円状の循環軌道Tは、上向き湾曲路T1と、下向き湾曲路T2と、上向き湾曲路T1から下向き湾曲路T2へ向かう水平往路T3と、下向き湾曲路T2から上向き湾曲路T1へ向かう水平復路T4と、を有している。
図2、図3A及び図3Bを参照して、束排出部材33について説明する。束排出部材33は、本体部41と、グリップ部43と、固定部45と、第1ガイド部としての第1ガイドローラー47と、第2ガイド部としての第2ガイドローラー49と、を備えている。
本体部41は、無端ベルト31の走行方向に長い直方体状を成している。本体部41の上面の中央部には、支柱51が立設されている。図3A及び図3Bに示されるように、走行方向における本体部41の一端部(右端部)の側面(後側面)には、幅方向(走行方向と直交する方向)に沿った支軸53が固定されている。支軸53の先端には、取付片55が固定されている。図2に示されるように、取付片55は、支軸53に対して本体部41とは反対の方向(右方)に向かって斜め下方に傾斜している。また、図3A及び図3Bに示されるように、本体部41の一端部(右端部)の端面には、円柱状の延長部57が幅方向に沿って固定されている。延長部57の一端部(前端部)は、支軸53とは反対方向に、本体部41よりも突出している。
グリップ部43は、無端ベルト31の走行方向に長い略直方体状の部材であり、グリップ側端部61とガイド側端部63とを有している。グリップ側端部61の下面には弾性部材65が設けられている。ガイド側端部63の側面にはガイドコロ67が回転可能に支持されている。グリップ部43は、ガイド側端部63が支軸53の側となる向きで、中央部が、支柱51の上端部の支点51aに回動可能に支持されている。グリップ部43は、グリップ側端部61(弾性部材65)が本体部41の上面に当接するように、バネ(図示省略)によって付勢されて、本体部41の上面とグリップ側端部61の弾性部材65との間にシート束がグリップされるようになっている。後述するように、ガイドコロ67は、束排出部材33の走行時に、本体部3に設けられたガイド溝(図示省略)に係合して案内されることで、グリップ部43を回動させる。
固定部45は円筒状の部材であり、本体部41の支軸53に回転可能に外嵌されている。固定部45には、幅方向に所定の間隔を開けて一対のフック69が形成されている。一対のフック69間に無端ベルト31が挟持されることで、固定部45が無端ベルト31に固定される。これにより、本体部41は、無端ベルト31(固定部45)に対して相対的に回転すると共に、束排出部材33が無端ベルト31と共に移動するようになっている。
第1ガイドローラー47は、取付片55の先端部の外側(後側)の面に、回転可能に支持されている。第2ガイドローラー49は、延長部57の一端面(前端面)に、回転可能に支持されている。このように、第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49とは、無端ベルト31の走行方向において、固定部45とは異なる位置に配置されている。
上記構成により、束排出部材33の重心は、グリップ部43が設けられた本体部41にあり、移動支点となる固定部45には存在しない。また、図2に示されるように、束排出部材33を側面から見た際に、第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49とは、固定部45に対して本体部41と反対側に形成されている。詳細には、第1ガイドローラー47は、固定部45から所定の距離だけ右斜め下方に離間しており、第2ガイドローラー49は、固定部45から所定の距離だけ水平方向を右方に離間している。このように、無端ベルト31の循環軌道Tを含む垂直面内において、固定部45と第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49の位置はそれぞれ異なっている。
図5に示されるように、第1ガイドレール35は、束排出部材33が、固定部45と第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49との位置関係を保ったまま、言い換えると、本体部41の上下方向の向きを変えずに、無端ベルト31と共に移動する際に、第1ガイドローラー47を案内する。第1ガイドレール35は、一対の内環状部材71及び外環状部材73を有しており、両環状部材71及び73間に、第1ガイドローラー47がクリアランスをもって係合する。
図6に示されるように、第2ガイドレール37は、束排出部材33が、固定部45と第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49との位置関係を保ったまま、言い換えると、本体部41の上下方向の向きを変えずに、無端ベルト31と共に移動する際に、第2ガイドローラー49を案内する。第2ガイドレール37は、一対の内環状部材75及び外環状部材77を有しており、両環状部材75及び77間に、第2ガイドローラー49がクリアランスをもって係合する。
つまり、第1ガイドレール35は、図5に示されるように、循環軌道Tを、所定の距離(図2の側面視における固定部45と第1ガイドローラー47間の間隔)だけ、右斜め下方に平行移動した軌道を有している。また、図3A及び図3Bに示されるように、第1ガイドレール35は、無端ベルト31から、所定の距離(幅方向における本体部41と第1ガイドローラー47との間の距離)だけ、幅方向における一方の側(後側)に離れて配置されている。
第2ガイドレール37は、図6に示されるように、循環軌道Tを、所定の距離(図2の側面視における固定部45と第2ガイドローラー49間の間隔)だけ、水平方向に沿って右方に平行移動した軌道を有している。また、図3A及び図3Bに示されるように、第2ガイドレール37は、無端ベルト31から、所定の距離(幅方向における本体部41と第2ガイドローラー49との間の距離)だけ、幅方向における他方の側(前方)に離れて配置されている。
上記構成を有する搬送装置21における束排出部材33の移動について、主に図4〜図6を参照して説明する。束排出部材33の固定部45は、前述のように、一対のフック69(図2、図3A及び図3B参照、図5及び図6には図示省略)間に無端ベルト31が挟持されることで無端ベルト31に固定されて、無端ベルト31と共に走行する。また、束排出部材33の第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49とは、それぞれ第1ガイドレール35と第2ガイドレール37とに係合している。駆動ローラーが駆動されて無端ベルト31が循環軌道Tに沿って図4〜図6の反時計回り方向に走行すると、固定部45は無端ベルト31と共に循環軌道Tに沿って走行し、第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49とは、それぞれ第1ガイドレール35と第2ガイドレール37に沿って走行する。
循環軌道Tに沿った束排出部材33の移動について、水平復路T4、上向き湾曲路T1、水平往路T3、下向き湾曲路T2の順に説明する。
図4の下方に示されるように、水平復路T4においては、束排出部材33は、第1及び第2ガイドローラー47及び49が前方(グリップ部43のグリップ側端部61が後方)となる姿勢で右方向に水平に走行する。
前述のように、束排出部材33は、グリップ部43が設けられる本体部41に重心が存在する、すなわち、移動支点である固定部45に重心が存在しない構造を有している。このため、固定部45を中心として本体部41が下方(時計回り方向)に回転する方向への回転モーメント(図4〜図6の矢印Aで示す)が常に発生する。このような回転モーメントAによって束排出部材33が回転すると、束排出部材33の走行姿勢が不安定になってしまう。
図4に示されるように、水平復路T4において、回転モーメントAによって固定部45を中心として本体部41が下方(時計回り方向)に回転しようとすると、第1ガイドローラー47が第1ガイドレール35(図4の実線で示す)の内環状部材71に当接して内環状部材71に沿って走行し、第2ガイドローラー49が第2ガイドレール37(図4の二点鎖線で示す)の内環状部材75に当接して内環状部材75に沿って走行する。これにより、固定部45を中心とする本体部41の回動が規制されて、束排出部材33は、本体部41が水平姿勢で走行する。
上向き湾曲路T1の下半分においては、図5の右下に示されるように、第1ガイドローラー47は、第1ガイドレール35の両環状部材71及び73の間において、回転モーメントAの方向への移動が規制されないので、束排出部材33は、図5の白抜き矢印で示されるように、固定部45を中心として下方に回動しようとする。しかし、図6の右下に示されるように、第2ガイドローラー49は、第2ガイドレール37の内環状部材75に当接している。これにより、本体部41が固定部45に対して相対回転することで固定部45を中心とする本体部41の回動が規制され、束排出部材33は、本体部41の水平姿勢を保ったままで走行する。
上向き湾曲路T1の上半分においては、図5の右上に示されるように、第1ガイドローラー47は、第1ガイドレール35の内環状部材71に当接する。一方、図6の右上に示されるように、第2ガイドローラー49は、第2ガイドレール37の両環状部材75及び77の間において、回転モーメントAの方向への移動が規制されないので、束排出部材33は、図6の白抜き矢印で示されるように、固定部45を中心として下方に回動しようとする。しかし、前述のように、第1ガイドローラー47が第1ガイドレール35の内環状部材71に当接しているので、本体部41が固定部45に対して相対回転することで固定部45を中心とする本体部41の回動が規制され、束排出部材33は、本体部41の水平姿勢を保ったままで走行する。
束排出部材33が上向き湾曲路T1から水平往路T3に達すると、図4の上方に示されるように、束排出部材33は、第1及び第2ガイドローラー47及び49が後方(グリップ部43のグリップ側端部61が前方)となる姿勢で左方向に水平に走行する。そして、第1ガイドローラー47が第1ガイドレール35の外環状部材73に当接し、第2ガイドローラー49が第2ガイドレール37の外環状部材77に当接することで、固定部45を中心とする本体部41の回動が規制されて、束排出部材33は、本体部41の水平姿勢を保ったままで走行する。
束排出部材33が、水平往路T3(あるいは上向き湾曲路T1)の所定の位置に達すると、グリップ部43のガイドコロ67が、ガイド溝(図示省略)に沿って案内されて、グリップ部43が支点51aを中心として回動する。これにより、グリップ側端部61と本体部41との間に隙間が開き、この隙間にシート束が挿入される。その後、ガイド溝に沿ったガイドコロ67の案内が解除されて、グリップ部43がバネで付勢されて、グリップ側端部61の弾性部材65と本体部41との間に、シート束が挟持される。束排出部材33は、シート束を挟持して、水平往路T3から下向き湾曲路T2に走行する。
下向き湾曲路T2の上半分においては、図5の左上に示されるように、第1ガイドローラー47は、第1ガイドレール35の両環状部材71及び73の間において、回転モーメントAの方向への移動が規制されないので、束排出部材33は、図5の白抜き矢印で示されるように、固定部45を中心として下方に回動しようとする。しかし、図6の左上に示されるように、第2ガイドローラー49は、第2ガイドレール37の内環状部材75に当接する。これにより、本体部41が固定部45に対して相対回転することで固定部45を中心とする本体部41の回動が規制され、束排出部材33は、本体部41の水平姿勢を保ったままで走行する。
束排出部材33が下向き湾曲路T2の所定位置に達すると、ガイドコロ67がガイド溝に沿って案内されて、グリップ部43が支点51aを中心として回動し、グリップ側端部61と本体部41との間に隙間が開く。これにより、グリップ側端部61と本体部41とによるシート束の挟持が解除されて、束排出部材33から排出トレイ11にシート束が排出される。その後、ガイドコロ67がガイド溝から離間して、グリップ部43がバネで付勢されて支点51aを中心として回動する。
下向き湾曲路T2の下半分においては、図5の左下に示されるように、第1ガイドローラー47は第1ガイドレール35の内環状部材71に当接する。一方、図6の左下に示されるように、第2ガイドローラー49は、第2ガイドレール37の両環状部材75及び77の間において、回転モーメントAの方向への移動が規制されないので、束排出部材33は、図6の白抜き矢印で示されるように、固定部45を中心として下方に回動しようとする。しかし、前述のように、第1ガイドローラー47が第1ガイドレール35の内環状部材71に当接しているので、本体部41が固定部45に対して相対回転して固定部45を中心とする本体部41の回動が規制され、束排出部材33は、本体部41が水平姿勢を保ったままで走行する。
上記説明から明らかなように、本発明の後処理装置1においては、回転モーメントAがかかった際に、第1ガイドローラー47が、第1ガイドレール35のいずれかの環状部材71又73に当接すること、及び、第2ガイドローラー49が第2ガイドレール37のいずれかの環状部材75又は77に当接することで、本体部41が固定部45に対して相対回転して、固定部45を中心とする本体部41の回転が規制される。このように、束排出部材33は、本体部41の上下方向の向きを変えずに循環軌道Tに沿って走行する。したがって、束排出部材33を安定して循環走行させることができ、処理トレイ17から排出トレイ11にシート束を確実に搬送することができる。
本実施形態では、往路T3と復路T4が水平な長円形状の循環経路Tについて説明したが、循環軌道Tの形状は長円形に限らない。例えば、往路T3又は復路T4が傾斜したり、上向きの経路T1や下向きの経路T2が上下方向に沿った直線状であったりしてもよい。また、本実施形態では、束排出部材33が、本体部41の水平姿勢を保ったままで循環経路Tに沿って循環走行した。しかし、束排出部材33は、本体部41の上下方向の向きは変えずに姿勢を変えて循環走行することもできる。
例えば、図7に示されるように、本体部41が、傾斜した往路T3と平行な姿勢で走行してもよい。この場合は、束排出部材33が所望の姿勢で循環軌道Tに沿って走行する際の、第1及び第2ガイドローラー47及び49の移動軌跡に沿って、第1及び第2ガイドレール35及び37を形成する。この場合、第1及び第2ガイドレール35及び37の軌道T1(図7の二点鎖線で示す)及びT2(図7の鎖線で示す)は、循環軌道Tを、走行方向や上下方向に平行移動した軌道とは異なる形状を有している。
また、シート束をグリップして搬送する際(束排出部材33が水平往路T3と、下向き湾曲路T2の一部を走行する際)には、束排出部材33は、本体部41(グリップ部43)を先にして走行するので、処理トレイ17から排出トレイ11にシート束を安定に搬送することができる。この場合、束排出部材33の重心が移動支点(固定部45)よりも走行方向の前方に位置するが、本発明では、このような場合でも、束排出部材33の回転を抑制して、本体部41の上下方向の向きを変えずに安定に循環走行させることができる。
さらに、第1ガイドレール35と第2ガイドレール37とは、幅方向において無端ベルト31の両側に配置されているので、束排出部材33を幅方向においても安定に支持することができる。
なお、第1ガイドローラー47と第2ガイドローラー49の位置は、本実施形態の位置に限らず、第1ガイドローラー47は、固定部45よりも少なくとも下方の位置に設けられ、第2ガイドローラー49は、固定部45よりも少なくとも上方、かつ、第1ガイドローラー47とは異なる位置に設けられていればよい。
上記した本発明の実施形態の説明は、本発明に係る後処理装置における好適な実施の形態を説明しているため、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。
1 後処理装置
11 排出トレイ
17 処理トレイ
21 搬送装置
31 無端ベルト
33 束排出部材(搬送部材)
35 第1ガイドレール
37 第2ガイドレール
45 固定部
47 第1ガイドローラー(第1ガイド部)
49 第2ガイドローラー(第2ガイド部)
71、75 内環状部材
73、77 外環状部材

Claims (4)

  1. シート束を搬送する搬送装置であって、
    循環走行する無端ベルトと、
    前記無端ベルトの走行方向と直交する幅方向に併設された複数のガイドレールと、
    前記無端ベルトに相対回転可能に連結されて、前記複数のガイドレールに沿って案内されながら前記無端ベルトと共に移動する搬送部材と、
    を備え、
    前記搬送部材は、
    前記シート束を保持する本体部と、
    前記本体部を前記無端ベルトに相対回転可能に連結する固定部と、
    前記走行方向において前記固定部とは異なる位置に配置されて、前記複数のガイドレールのそれぞれに係合するガイド部と、を有し、
    前記無端ベルトの走行時に、前記ガイド部のいずれかが前記ガイドレールに当接することで、前記本体部の前記固定部を中心とする回転が規制されることを特徴とする搬送装置。
  2. 前記固定部は、前記走行方向における前記本体部の端部に設けられ、
    前記ガイド部は、
    前記固定部に対して前記本体部の反対側、かつ、前記本体部よりも下方に設けられる第1ガイドローラーと、
    前記固定部に対して前記本体部の反対側、かつ、前記本体部と同じ高さに設けられる第2ガイドローラーと、を有し、
    前記複数のガイドレールは、
    前記第1ガイドローラーが係合可能な間隔を開けて対向する内環状部材及び外環状部材を有する第1ガイドレールと、
    前記第2ガイドローラーが係合可能な間隔を開けて対向する内環状部材及び外環状部材を有する第2ガイドレールと、を有し、
    前記無端ベルトの走行時に、前記第1ガイドローラー又は前記第2ガイドローラーが、前記第1ガイドレールの前記内環状部材又は前記外環状部材、又は、前記第2ガイドレールの前記内環状部材又は前記外環状部材に当接することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
  3. 前記第1ガイドレールと前記第2ガイドレールとは、前記幅方向において前記無端ベルトの両側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の搬送装置。
  4. 順次搬出されるシートを一時的に積載してシート束を形成する処理トレイと、
    前記処理トレイ上のシート束にステープル処理を行うステープル装置と、
    前記ステープル装置でステープル処理されたシート束を、前記処理トレイから排紙トレイに搬送する請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送装置と、を備えていることを特徴とする後処理装置。
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