特許文献1に記載のインクジェットプリンタでは、副走査方向に対するインクジェットヘッドのノズル列の傾きを調整するときには、たとえば、まず、1列のノズル列からインクを吐出して印刷用紙等の媒体に直線状のテストパターンを印刷する。その後、インクジェットプリンタのオペレータがルーペ等を使用して印刷されたテストパターンを確認して、副走査方向に対するテストパターンの傾きの有無を確認するとともに、副走査方向に対してテストパターンが傾いている場合には、副走査方向に対するテストパターンの傾き量を算出する。
すなわち、オペレータは、ルーペ等を使用して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を間接的に確認するとともに、副走査方向に対してノズル列が傾いている場合には、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出する。また、オペレータは、算出された傾き量に基づいてベース部材側回動カムを回動させて、副走査方向に対するノズル列の傾きを調整する。しかしながら、オペレータがルーペ等を使用して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認する作業は煩雑である。また、オペレータが行うノズル列の傾き量の算出作業は煩雑である。
そこで、本発明の課題は、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジとを備えるインクジェットプリンタにおいて、オペレータの手を煩わせることなく、インクジェットヘッドのノズル列の、副走査方向に対する傾き量を算出することが可能なインクジェットプリンタを提供することにある。また、本発明の課題は、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジとを備えるインクジェットプリンタにおいて、オペレータの手を煩わせることなく、インクジェットヘッドのノズル列の、副走査方向に対する傾き量を算出することが可能となるインクジェットプリンタの制御方法を提供することにある。
さらに、本発明の課題は、インクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジとを備えるインクジェットプリンタにおいて、インクジェットヘッドのノズル列の、副走査方向に対する傾きの有無を従来よりも容易に確認することが可能となるヘッド傾き確認方法を提供することにある。
上記の課題を解決するため、本発明のインクジェットプリンタは、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動機構と、上下方向と主走査方向とに直交する副走査方向に媒体を送るかまたはキャリッジを移動させる送り機構と、媒体に印刷されたテストパターンを検知するための検知機構と、検知機構の出力信号が入力される制御部とを備え、インクジェットヘッドは、キャリッジに対して上下方向と直交する平面上で回動可能となっており、インクジェットヘッドには、直線状に配列される複数のノズルによって構成されるノズル列が形成され、インクジェッドヘッドは、キャリッジと一緒に移動しながら1列以上のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、少なくとも一部がノズルの配列方向を長手方向とする直線状になるテストパターンを印刷し、制御部は、検知機構の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することを特徴とする。
本発明のインクジェットプリンタは、媒体に印刷されたテストパターンを検知するための検知機構を備えている。また、本発明では、インクジェッドヘッドは、キャリッジと一緒に移動しながら1列以上のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、少なくとも一部がノズルの配列方向を長手方向とする直線状になるテストパターンを印刷し、制御部は、検知機構の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出している。すなわち、本発明では、副走査方向に対するノズル列の傾き量が自動で算出されている。そのため、本発明では、オペレータの手を煩わせることなく、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。
本発明において、インクジェットヘッドは、少なくとも、直線状の第1テストパターンと、第1テストパターンの印刷後に送り機構が媒体を副走査方向に所定量送ってから印刷される直線状の第2テストパターンとから構成されるテストパターンを媒体に印刷し、第1テストパターンの少なくとも一部と第2テストパターンの少なくとも一部とは、ノズルの配列方向において同じ位置に印刷され、検知機構は、ノズルの配列方向において第1テストパターンおよび第2テストパターンが印刷された部分の少なくとも一部の濃度であるテストパターン濃度を検知するための濃度検知機構であり、制御部は、テストパターン濃度と所定の基準濃度とに基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが好ましい。このように構成すると、比較的安価な濃度検知機構を用いて、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。したがって、インクジェットプリンタのコストを低減することが可能になる。
本発明において、インクジェットヘッドは、第1テストパターンの印刷時に、ノズルの配列方向において一端側に配置される複数のノズルである一端側ノズル部からインクを吐出し、第2テストパターンの印刷時に、ノズルの配列方向において他端側に配置される複数のノズルである他端側ノズル部からインクを吐出することが好ましい。また、この場合には、ノズルの配列方向における一端側ノズル部と他端側ノズル部との間隔は、ノズルの配列方向で隣接する2個のノズルの間隔以上となっていることが好ましい。このように構成すると、副走査方向に対してノズル列が傾いている場合の、第1テストパターンと第2テストパターンとの主走査方向のずれ量を大きくすることが可能になる。したがって、副走査方向に対するノズル列の傾き量が小さくても、テストパターン濃度と所定の基準濃度とに基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出しやすくなる。
本発明において、インクジェットヘッドは、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチで配列される複数の第1テストパターンおよび第2テストパターンからなるテストブロックを媒体に印刷し、検知機構は、テストブロック全体の、ノズルの配列方向においてテストパターン濃度が検知される部分の平均濃度であるテスト平均濃度を検知し、制御部は、テスト平均濃度と基準濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが好ましい。このように構成すると、1個の第1テストパターンおよび第2テストパターンのみを含む部分の平均濃度を検知機構で検知する場合と比較して、検知機構によってテストブロックの平均濃度をより正確に検知することが可能になる。したがって、テスト平均濃度と基準濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を精度良く算出することが可能になる。
本発明において、インクジェットヘッドは、キャリッジと一緒に移動しながら、少なくとも、直線状の第1基準パターンと、第1基準パターンの印刷後に第1基準パターンの印刷時に停止していた位置と同じ位置に停止している媒体に印刷される直線状の第2基準パターンとから構成される基準パターンを媒体に印刷し、基準パターンは、テストパターンの印刷時にインクを吐出するノズル列の列数と同じ列数のノズル列から吐出される、テストパターンの印刷時のインクと同じインクによって印刷されるとともに、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状に形成され、第1基準パターンの少なくとも一部と第2基準パターンの少なくとも一部とは、重なっており、検知機構は、第1基準パターンと第2基準パターンとが重なる部分の少なくとも一部の濃度である基準パターン濃度を検知し、基準濃度は、基準パターン濃度に基づいて算出されることが好ましい。
基準濃度が予め算出されて制御部に記憶されている場合には、インクジェットヘッドが吐出するインクの種類や媒体の種類等に応じて、複数の基準濃度を制御部に記憶する必要があるため、制御部の記憶容量が大きくなる。また、基準濃度が予め算出されて制御部に記憶されている場合には、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出する際に、たとえば、インクジェットヘッドが吐出するインクの種類や媒体の種類等をオペレータが制御部に入力しないと、制御部は、基準濃度に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することができない。これに対して、このように構成すると、制御部に複数の基準濃度を記憶する必要がなくなるため、制御部の記憶容量を低減することが可能になる。また、このように構成すると、インクジェットヘッドが吐出するインクの種類や媒体の種類等をオペレータが制御部に入力しなくても、基準濃度に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。
本発明において、インクジェットヘッドは、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチで配列される複数の第1テストパターンおよび第2テストパターンからなるテストブロックを媒体に印刷するとともに、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向における複数の第1テストパターンおよび第2テストパターンのピッチを第1ピッチとすると、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において第1ピッチで配列される第1テストパターンおよび第2テストパターンと同数の第1基準パターンと第2基準パターンとからなる基準ブロックを媒体に印刷し、検知機構は、テストブロック全体の、ノズルの配列方向においてテストパターン濃度が検知される部分の平均濃度であるテスト平均濃度と、基準ブロック全体の、ノズルの配列方向において基準パターン濃度が検知される部分の平均濃度である基準平均濃度とを検知し、基準平均濃度が基準濃度となっており、制御部は、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが好ましい。
このように構成すると、1個の第1テストパターンおよび第2テストパターンを含む第1ピッチ分の平均濃度を検知機構で検知するとともに、1個の第1基準パターンおよび第2基準パターンを含む第1ピッチ分の平均濃度を検知機構で検知する場合と比較して、検知機構によって基準ブロックの平均濃度およびテストブロックの平均濃度をより正確に検知することが可能になる。したがって、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を精度良く算出することが可能になる。
本発明において、インクジェッドヘッドは、1列のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、テストパターンおよび基準パターンを媒体に印刷することが好ましい。このように構成すると、複数列のノズル列からインクが吐出される場合と比較して、インクジェッドヘッドによる媒体の印刷時間、検知機構の検知時間および制御部の処理時間を短縮することが可能になる。
本発明において、たとえば、第1テストパターンを印刷するときのキャリッジの移動方向と、第2テストパターンを印刷するときのキャリッジの移動方向と、第1基準パターンを印刷するときのキャリッジの移動方向と、第2基準パターンを印刷するときのキャリッジの移動方向とは同じ方向になっている。
また、上記の課題を解決するため、本発明のインクジェットプリンタの制御方法は、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動機構と、上下方向と主走査方向とに直交する副走査方向に媒体を送るかまたはキャリッジを移動させる送り機構と、媒体に印刷されたテストパターンを検知するための検知機構とを備え、インクジェットヘッドは、キャリッジに対して上下方向と直交する平面上で回動可能となっており、インクジェットヘッドには、直線状に配列される複数のノズルによって構成されるノズル列が形成されているインクジェットプリンタの制御方法であって、インクジェッドヘッドがキャリッジと一緒に移動しながら1列以上のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、少なくとも一部がノズルの配列方向を長手方向とする直線状になるテストパターンを印刷するテストパターン印刷ステップと、検知機構がテストパターンを検知するテストパターン検知ステップと、検知機構の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出する傾き量算出ステップとを備えることを特徴とする。
本発明のインクジェットプリンタの制御方法では、テストパターン印刷ステップにおいて、インクジェッドヘッドがキャリッジと一緒に移動しながら1列以上のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、少なくとも一部がノズルの配列方向を長手方向とする直線状になるテストパターンを印刷し、テストパターン検知ステップにおいて、媒体に印刷されたテストパターンを検知機構が検知し、傾き量算出ステップにおいて、検知機構の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出している。すなわち、本発明では、副走査方向に対するノズル列の傾き量が自動で算出されている。そのため、本発明の制御方法でインクジェットプリンタを制御すれば、オペレータの手を煩わせることなく、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。
さらに、上記の課題を解決するため、本発明のヘッド傾き確認方法は、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットヘッドと、インクジェットヘッドが搭載されるキャリッジと、キャリッジを主走査方向に移動させるキャリッジ駆動機構と、上下方向と主走査方向とに直交する副走査方向に媒体を送るかまたはキャリッジを移動させる送り機構とを備え、インクジェットヘッドには、直線状に配列される複数のノズルによって構成されるノズル列が形成され、インクジェットヘッドは、キャリッジに対して上下方向と直交する平面上で回動が可能となっているインクジェットプリンタにおいて副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認するためのヘッド傾き確認方法であって、キャリッジを主走査方向に移動させながら1列以上のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状の第1テストパターンを媒体に印刷し、第1テストパターンの印刷後に送り機構によって媒体またはキャリッジを副走査方向に所定量送ってから、キャリッジを主走査方向に移動させながら第1テストパターンの印刷時にインクを吐出するノズル列の列数と同じ列数のノズル列から媒体に向かってインクを吐出して、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状をなすとともに、少なくとも一部がノズルの配列方向において第1テストパターンの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2テストパターンを媒体に印刷し、第1テストパターンと第2テストパターンとの主走査方向における重なり度合いに基づいて副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認することを特徴とする。
本発明のヘッド傾き確認方法では、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状の第1テストパターンと、第1テストパターンの印刷後に送り機構によって媒体またはキャリッジを副走査方向に所定量送ってから印刷され、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状をなすとともに、少なくとも一部がノズルの配列方向において第1テストパターンの少なくとも一部と同じ位置に配置される第2テストパターンとの主走査方向における重なり度合いに基づいて副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認している。そのため、本発明では、たとえば、第1テストパターンと第2テストパターンとの主走査方向における重なり度合いをオペレータが目視で確認することで、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認することが可能になる。したがって、本発明では、ルーペ等を使用して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認する場合と比較して、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を容易に確認することが可能になる。すなわち、本発明では、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を従来よりも容易に確認することが可能になる。
本発明において、第1テストパターンの印刷時に、ノズルの配列方向において一端側に配置される複数のノズルである一端側ノズル部からインクを吐出し、第2テストパターンの印刷時に、ノズルの配列方向において他端側に配置される複数のノズルである他端側ノズル部からインクを吐出し、ノズルの配列方向における一端側ノズル部と他端側ノズル部との間隔は、ノズルの配列方向で隣接する2個のノズルの間隔以上となっていることが好ましい。このように構成すると、副走査方向に対してノズル列が傾いている場合の、第1テストパターンと第2テストパターンとの主走査方向のずれ量を大きくすることが可能になる。したがって、副走査方向に対するノズル列の傾き量が小さくても、第1テストパターンと第2テストパターンとの主走査方向における重なり度合いに基づいて副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を容易に確認することが可能になる。
本発明において、キャリッジを主走査方向に移動させながら、第1テストパターンおよび第2テストパターンの印刷時にインクを吐出するノズル列の列数と同じ列数のノズル列から吐出される、第1テストパターンおよび第2テストパターンの印刷時のインクと同じインクによって、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状の第1基準パターンを媒体に印刷し、第1基準パターンの印刷後に、キャリッジを主走査方向に移動させながら、第1基準パターンの印刷時に停止していた位置と同じ位置に停止している媒体に、第1テストパターンおよび第2テストパターンの印刷時にインクを吐出するノズル列の列数と同じ列数のノズル列から吐出される、第1テストパターンおよび第2テストパターンの印刷時のインクと同じインクによって、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状の第2基準パターンを印刷し、第1基準パターンの少なくとも一部と第2基準パターンの少なくとも一部とは、重なっており、第1テストパターンおよび第2テストパターンと、第1基準パターンおよび第2基準パターンとを比較して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認することが好ましい。
このように構成すると、第1テストパターンおよび第2テストパターンと、第1基準パターンおよび第2基準パターンとを比較して、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認するため、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無をより容易に確認することが可能になる。また、たとえば、第1テストパターンおよび第2テストパターンと、予め印刷された第1基準パターンおよび第2基準パターンとを比較して、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認する場合には、インクジェットヘッドが吐出するインクの種類や媒体の種類等に応じて、複数の第1基準パターンおよび第2基準パターンを予め複数の媒体に印刷する必要があるため、第1基準パターンおよび第2基準パターンが予め印刷された複数の媒体の管理が煩雑になる。これに対して、このように構成すると、第1基準パターンおよび第2基準パターンが予め印刷された複数の媒体を管理する必要がなくなる。
本発明において、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチで配列される複数の第1テストパターンおよび第2テストパターンからなるテストブロックを印刷するとともに、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向における複数の第1テストパターンおよび第2テストパターンのピッチを第1ピッチとすると、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において第1ピッチで配列される第1テストパターンおよび第2テストパターンと同数の第1基準パターンと第2基準パターンとからなる基準ブロックを媒体に印刷し、テストブロックと基準ブロックとを比較して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認することが好ましい。このように構成すると、1個の第1テストパターンおよび第2テストパターンと、1個の第1基準パターンおよび第2基準パターンとを比較して副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認する場合と比較して、副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認しやすくなる。
本発明において、たとえば、副走査方向に対するノズル列の傾きを調整するオペレータが目視で副走査方向に対するノズル列の傾きの有無を確認する。
以上のように、本発明のインクジェットプリンタでは、オペレータの手を煩わせることなく、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。また、本発明のインクジェットプリンタの制御方法でインクジェットプリンタを制御すれば、オペレータの手を煩わせることなく、副走査方向に対するノズル列の傾き量を算出することが可能になる。さらに、本発明のヘッド傾き確認方法では、インクジェットヘッドのノズル列の、副走査方向に対する傾きの有無を従来よりも容易に確認することが可能になる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(インクジェットプリンタの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるインクジェットプリンタ1の斜視図である。図2は、図1に示すインクジェットプリンタ1のキャリッジ4等を示す概略図である。図3は、図1に示すインクジェットプリンタ1の構成を説明するためのブロック図である。図4は、図2に示すキャリッジ4の構成を説明するための概略図である。
本形態のインクジェットプリンタ1(以下、「プリンタ1」とする。)は、業務用のインクジェットプリンタであり、紙または布帛等の媒体に対して印刷を行う。プリンタ1は、インクを吐出して媒体に印刷を行うインクジェットヘッド3(以下、「ヘッド3」とする。)と、ヘッド3が搭載されるキャリッジ4と、キャリッジ4を主走査方向(図1等のY方向)へ移動させるキャリッジ駆動機構5と、上下方向と主走査方向とに直交する副走査方向(図1等のX方向)に媒体を送る送り機構としての媒体送り機構6と、キャリッジ4を主走査方向へ案内するためのガイドレール7と、ヘッド3に供給されるインクが収容される複数のインクタンク8とを備えている。
ヘッド3には、直線状に配列される複数のノズルによって構成されるノズル列3a(図5、図6参照)が形成されている。たとえば、ヘッド3には、複数列のノズル列3aが形成されている。ノズル列3aは、ヘッド3の下面に形成されており、ヘッド3は、下側に向かってインク滴を吐出する。ヘッド3の下側には、プラテン9が配置されている。プラテン9には、印刷される媒体が載置される。なお、図5、図6では、1列のノズル列3aのみが図示されている。また、ヘッド3に形成されるノズル列3aの数は、1個であっても良い。
キャリッジ4は、たとえば、図4に示すように、キャリッジ4の本体に固定されるベース部材10と、ヘッド3を保持するヘッド保持部材11とを備えている。ヘッド保持部材11は、ベース部材10に取り付けられている。また、ヘッド保持部材11は、ベース部材10の上面側に載置されている。ヘッド保持部材11は、複数の板バネ13によって、ベース部材10の上面側に押し付けられている。板バネ13の一端部は、ベース部材10に固定され、板バネ13の他端部は、ヘッド保持部材11の上面に接触している。なお、図2では、ベース部材10およびヘッド保持部材11の図示を省略している。
ベース部材10には、固定軸14が固定されている。固定軸14は、固定軸14の軸方向と上下方向とが一致するように、ベース部材10の上面側に固定されている。ヘッド保持部材11には、固定軸14が挿通される貫通穴が形成されており、ヘッド保持部材11は、ベース部材10に対して上下方向と直交する平面上で回動可能となっている。すなわち、ヘッド3は、キャリッジ4に対してと直交する平面上で回動可能となっている。すなわち、ヘッド3は、キャリッジ4に対して上下方向を回動の軸方向とする回動が可能となっている。
ヘッド保持部材11の端面には、ベース部材10に対するヘッド保持部材11の取付角度を調整するための偏心カム15の外周面が接触している。偏心カム15は、上下方向を回動の軸方向とする回動が可能となるようにベース部材10に取り付けられている。ヘッド保持部材11は、圧縮コイルバネ16によって、固定軸14を中心にして図4の反時計回りの方向に付勢されており、ヘッド保持部材11の端面は、偏心カム15の外周面に所定の接触圧で接触している。本形態では、偏心カム15を回動させることで、ベース部材10に対するヘッド保持部材11の取付角度が調整される。すなわち、偏心カム15を回動させることで、キャリッジ4に対するヘッド3の取付角度が調整される。より具体的には、偏心カム15を回動させることで、副走査方向に対するノズル列3aの傾きが調整される。
プリンタ1では、キャリッジ4に搭載されたヘッド3が交換されて、新しいヘッド3がキャリッジ4に搭載されると(すなわち、新しいヘッド3がヘッド保持部材11に取り付けられると)、副走査方向に対するノズル列3aの傾きが調整される。具体的には、新しいヘッド3がキャリッジ4に搭載されると、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量が算出されるとともに、算出されたノズル列3aの傾き量に基づいて偏心カム15を回動させて、副走査方向に対するノズル列3aの傾きを調整する。
本形態では、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量は、プリンタ1が自動で算出する。また、プリンタ1のオペレータは、算出されたノズル列3aの傾き量に基づいて偏心カム15を回動させて、副走査方向に対するノズル列3aの傾きを調整する。副走査方向に対するノズル列3aの傾きが調整された後には、1つのノズル列3aを構成する複数のノズルの配列方向は、副走査方向と略一致している。すなわち、副走査方向に対するノズル列3aの傾きが調整された後には、ノズル列3aは、副走査方向と略平行になる。なお、プリンタ1は、偏心カム15を回動させる回動機構を備えていても良い。この場合には、算出されたノズル列3aの傾き量に基づいて偏心カム15が自動で回動して、副走査方向に対するノズル列3aの傾きが自動で調整される。
プリンタ1は、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する際に使用される検知機構20と、検知機構20の出力信号が入力される制御部21とを備えている。検知機構20は、媒体に印刷された後述のテストパターンTPおよび基準パターンBPの濃度を検知するための濃度検知機構である。また、検知機構20は、発光素子と受光素子とを備える反射型の光学式センサである。検知機構20は、キャリッジ4に搭載されている。制御部21は、CPU等の演算手段、および、RAM、ROM等の記憶手段等を備えている。制御部21には、キャリッジ駆動機構5および媒体送り機構6が電気的に接続されている。
以下、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出するときのプリンタ1の動作について説明する。
(インクジェットプリンタの動作)
図5は、図2に示すヘッド3が媒体に基準ブロックBBを印刷するときのプリンタ1の動作を説明するための図である。図6は、図2に示すヘッド3が媒体にテストブロックTBを印刷するときのプリンタ1の動作を説明するための図である。図7(A)は、図5に示すノズル列3aが副走査方向に対して傾いていないときの基準ブロックBBおよびテストブロックTBを示す図であり、図7(B)は、図5に示すノズル列3aが副走査方向に対して傾いているときの基準ブロックBBおよびテストブロックTBの一例を示す図である。
副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出するときには、まず、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、1列のノズル列3aから媒体に向かってインクを吐出して基準パターンBPを媒体に印刷する(基準パターン印刷ステップ)。基準パターンBPは、1列のノズル列3a(1つのノズル列3a)を構成するノズルの配列方向を長手方向とする直線状に形成されている。以下の説明では、1列のノズル列3aを構成する複数のノズルの配列方向(すなわち、ノズル列3aの長手方向)を「ノズルの配列方向」とする。
また、基準パターンBPは、直線状の第1基準パターンBP1と、第1基準パターンBP1の印刷後に第1基準パターンBP1の印刷時に停止していた位置と同じ位置に停止している媒体に印刷される直線状の第2基準パターンBP2とから構成されている。すなわち、基準パターン印刷ステップでは、図5(A)に示すように、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に移動しながら、第1基準パターンBP1を媒体に印刷した後、図5(B)に示すように、媒体送り機構6が媒体を送ることなく、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に移動しながら、第2基準パターンBP2を媒体に印刷する。第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2は、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状に形成されている。
第2基準パターンBP2の印刷時にインクを吐出するノズル列3aは、第1基準パターンBP1の印刷時にインクを吐出するノズル列3aと同じである。すなわち、第1基準パターンBP1の印刷時にヘッド3が吐出するインクと、第2基準パターンBP2の印刷時にヘッド3が吐出するインクとは同じインクである。また、第1基準パターンBP1を印刷するときのキャリッジ4の移動方向と、第2基準パターンBP2を印刷するときのキャリッジ4の移動方向とは、同じ方向になっている。すなわち、第1基準パターンBP1を印刷するとき、および、第2基準パターンBP2を印刷するときには、キャリッジ4が主走査方向の一方に移動する。
第1基準パターンBP1の印刷時(図5(A)参照)および第2基準パターンBP2の印刷時(図5(B)参照)には、ヘッド3は、ノズル列3aの中の一部のノズルからインクを吐出する。ノズル列3aを構成する複数のノズルの中の、第1基準パターンBP1の印刷時に使用されるノズルの領域である第1領域3bの一部と、第2基準パターンBP2の印刷時に使用されるノズルの領域である第2領域3cの一部とは、重なっているが、第1領域3bと第2領域3cとは、完全に一致していない。また、第1基準パターンBP1を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置と、第2基準パターンBP2を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置とは一致している。
そのため、図5(B)に示すように、第1基準パターンBP1の一部と第2基準パターンBP2の一部とが重なっている。具体的には、第1基準パターンBP1の一部と第2基準パターンBP2の一部とは、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において同じ位置に印刷されていて、完全に重なっている。第1基準パターンBP1の一部と第2基準パターンBP2の一部とが重なっている重なり部BP5の濃度は、第1基準パターンBP1の、第2基準パターンBP2と重なっていない部分の濃度、および、第2基準パターンBP2の、第1基準パターンBP1と重なっていない部分の濃度よりも高くなっている。本形態では、第1領域3bに含まれるノズルの数と、第2領域3cに含まれるノズルの数とが等しくなっている。そのため、ノズルの配列方向における第1基準パターンBP1の長さと、ノズルの配列方向における第2基準パターンBP2の長さとが等しくなっている。
また、基準パターン印刷ステップにおいて、ヘッド3は、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチPで配列される複数の基準パターンBPによって構成される基準ブロックBBを媒体に印刷する。すなわち、基準パターン印刷ステップにおいて、ヘッド3は、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチPで配列される複数の第1基準パターンBP1と第2基準パターンBP2とからなる基準ブロックBBを媒体に印刷する。基準ブロックBBでは、主走査方向で隣り合う基準パターンBPの間に一定の隙間が形成されている。
基準パターン印刷ステップにおいて、基準パターンBPが媒体に印刷されると(すなわち、基準ブロックBBが媒体に印刷されると)、媒体送り機構6が媒体を副走査方向(具体的には、図6の矢印Vで示す副走査方向の一方)に所定量送った後、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、1列のノズル列3aから媒体に向かってインクを吐出してテストパターンTPを媒体に印刷する(テストパターン印刷ステップ)。すなわち、ヘッド3は、テストパターンTPを印刷する前に、基準パターンBPを媒体に印刷する。
テストパターンTPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aは、基準パターンBPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aと同じである。すなわち、テストパターンTPは、基準パターンBPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aと同じノズル列3aから吐出されるインクによって印刷される。すなわち、基準パターンBPは、テストパターンTPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aと同じノズル列3aから吐出されるインクによって印刷される。
また、テストパターンTPは、直線状の第1テストパターンTP1と、第1テストパターンTP1の印刷後に媒体送り機構6が媒体を副走査方向(具体的には、矢印Vの方向)に所定量送ってから印刷される直線状の第2テストパターンTP2とから構成されている。すなわち、テストパターン印刷ステップでは、まず、図6(A)に示すように、基準パターンBPの印刷後に媒体送り機構6が媒体を副走査方向に所定量送ってから、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に移動して、第1テストパターンTP1を媒体に印刷する。また、テストパターン印刷ステップでは、その後、図6(B)に示すように、媒体送り機構6が媒体を副走査方向に所定量送ってから、ヘッド3がキャリッジ4と一緒に移動して、第2テストパターンTP2を媒体に印刷する。第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2は、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状に形成されている。
第2テストパターンTP2の印刷時にインクを吐出するノズル列3aは、第1テストパターンTP1の印刷時にインクを吐出するノズル列3aと同じである。すなわち、第1テストパターンTP1の印刷時にヘッド3が吐出するインクと、第2テストパターンTP2の印刷時にヘッド3が吐出するインクとは同じインクである。また、第1テストパターンTP1の印刷時にヘッド3が吐出するインクと、第1基準パターンBP1の印刷時にヘッド3が吐出するインクとは同じインクである。すなわち、基準パターン印刷ステップにおいてヘッド3が吐出するインクと、テストパターン印刷ステップにおいてヘッド3が吐出するインクとは同じインクである。
また、第1テストパターンTP1を印刷するときのキャリッジ4の移動方向と、第2テストパターンTP2を印刷するときのキャリッジ4の移動方向とは、同じ方向になっている。また、第1テストパターンTP1を印刷するときのキャリッジ4の移動方向と、第1基準パターンBP1を印刷するときのキャリッジの移動方向とは同じ方向になっている。すなわち、第1基準パターンBP1を印刷するとき、第2基準パターンBP2を印刷するとき、第1テストパターンTP1を印刷するとき、および、第2テストパターンTP2を印刷するときには、キャリッジ4が主走査方向の一方に移動する。
第1テストパターンTP1の印刷時(図6(A)参照)および第2テストパターンTP2の印刷時(図6(B)参照)には、ヘッド3は、ノズル列3aの中の一部のノズルからインクを吐出する。具体的には、ヘッド3は、第1テストパターンTP1の印刷時に、ノズルの配列方向における一方側の領域である第3領域3dに含まれる複数のノズル(すなわち、ノズルの配列方向において一端側に配置される複数のノズル)からインクを吐出し、第2テストパターンTP2の印刷時に、ノズルの配列方向における他方側の領域である第4領域3eに含まれる複数のノズル(すなわち、ノズルの配列方向において他端側に配置される複数のノズル)からインクを吐出する。
第3領域3dに含まれる複数のノズルを一端側ノズル部とし、第4領域3eに含まれる複数のノズルを他端側ノズル部とすると、本形態では、ノズルの配列方向における一端側ノズル部と他端側ノズル部との間隔は、ノズルの配列方向で隣接する2個のノズルの間隔以上となっている。また、第1テストパターンTP1を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置と、第2テストパターンTP2を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置とは一致している。
また、ヘッド3は、第1テストパターンTP1の印刷時に、矢印Vの方向における上流側に配置される複数のノズルからインクを吐出し、第2テストパターンTP2の印刷時に、矢印Vの方向における下流側に配置される複数のノズルからインクを吐出する。本形態では、第3領域3dに含まれるノズルの数と、第4領域3eに含まれるノズルの数とが等しくなっている。そのため、ノズルの配列方向における第1テストパターンTP1の長さと、ノズルの配列方向における第2テストパターンTP2の長さとが等しくなっている。また、第3領域3dに含まれるノズルの数は、第1領域3bに含まれるノズルの数と等しくなっているため、ノズルの配列方向における第1テストパターンTP1の長さは、ノズルの配列方向における第1基準パターンBP1の長さと等しくなっている。
第1テストパターンTP1の一部と第2テストパターンTP2の一部とは、ノズルの配列方向において同じ位置に印刷されている。すなわち、第1テストパターンTP1の印刷が終わると、媒体送り機構6は、第1テストパターンTP1の一部と第2テストパターンTP2の一部とが、ノズルの配列方向において同じ位置に印刷されるように媒体を搬送する。また、上述のように、第1テストパターンTP1を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置と、第2テストパターンTP2を印刷する際の、主走査方向におけるヘッド3の位置とは一致している。
そのため、副走査方向に対してノズル列3aが傾いていないとき(ノズルの配列方向と副走査方向とが一致しているとき)には、図6および図7(A)に示すように、第1テストパターンTP1の一部と第2テストパターンTP2の一部とが重なっている。具体的には、第1テストパターンTP1の一部と第2テストパターンTP2の一部とは、ノズル配列方向と上下方向とに直交する方向において同じ位置に印刷されていて、完全に重なっている。このときには、テストパターンTPは、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状となる。本形態では、副走査方向に対してノズル列3aが傾いていないときには、テストパターンTPの形状と基準パターンBPの形状とは同形状となっており、テストパターンTPの濃度と基準パターンBPの濃度とは等しくなっている。
一方、副走査方向に対してノズル列3aが傾いているときには、たとえば、図7(B)に示すように、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2とが主走査方向においてずれる。そのため、副走査方向に対してノズル列3aが傾いているときには、テストパターンTPは、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状には形成されていないが、テストパターンTPの一部は、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状になる。
すなわち、本形態では、テストパターンTPの少なくとも一部は、ノズルの配列方向を長手方向とする直線状になっている。また、ノズルの配列方向において第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2とが印刷されている部分を同位置印刷部TP5とすると、ノズルの配列方向における同位置印刷部TP5の長さは、ノズルの配列方向における重なり部BP5の長さと等しくなっている。
また、テストパターン印刷ステップにおいて、ヘッド3は、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において一定のピッチPで配列される複数のテストパターンTPによって構成されるテストブロックTBを媒体に印刷する。すなわち、テストパターン印刷ステップにおいて、ヘッド3は、ノズルの配列方向と上下方向とに直交する方向において、基準パターンBPのピッチPと同じピッチPで配列される複数の第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2とからなるテストブロックTBを媒体に印刷する。本形態のピッチP1は、第1ピッチである。
なお、ヘッド3が吐出するインクがUVインク等の粘度の高いインクである場合には、ピッチP1は比較的狭くなり、ヘッド3が吐出するインクが水性インク等の粘度の低いインクである場合には、ピッチP1は比較的広くなる。また、基準パターン印刷ステップおよびテストパターン印刷ステップにおいて、インクがにじみやすい媒体に印刷が行われる場合には、ピッチP1は比較的広くなり、インクがにじみにくい媒体に印刷が行われる場合には、ピッチP1は比較的狭くなる。
本形態では、基準ブロックBBを構成する基準パターンBPの数(すなわち、第1基準パターンBP1の数、第2基準パターンBP2の数)と、テストブロックTBを構成するテストパターンTPの数(すなわち、第1テストパターンTP1の数、第2テストパターンTP2の数)とが等しくなっている。たとえば、基準ブロックBBを構成する基準パターンBPの数およびテストブロックTBを構成するテストパターンTPの数は、7個となっている。
副走査方向に対してノズル列3aが傾いていないときには、テストブロックTBの形状と基準ブロックBBの形状とは同形状となっており、テストブロックTBでは、主走査方向で隣り合うテストパターンTPの間に一定の隙間が形成されている。一方、副走査方向に対してノズル列3aが傾いているときには、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量によっては、図7(B)に示すように、テストブロックTBにおいて、主走査方向で隣り合うテストパターンTPの間に隙間が形成されないこともある。
テストパターン印刷ステップにおいて、テストパターンTPが媒体に印刷されると(すなわち、テストブロックTBが媒体に印刷されると)、媒体送り機構6が媒体を副走査方向に所定量送った後、検知機構20が基準パターンBPを検知する(基準パターン検知ステップ)。基準パターン検知ステップでは、検知機構20は、キャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、第1基準パターンBP1の一部と第2基準パターンBP2の一部とが重なる部分(すなわち、重なり部BP5)の全部または一部の濃度である基準パターン濃度を検知する。
より具体的には、基準パターン検知ステップでは、検知機構20は、キャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、基準ブロックBBの全体の、ノズルの配列方向において基準パターン濃度が検知される部分の平均濃度である基準平均濃度を検知する。すなわち、基準パターン検知ステップでは、検知機構20は、基準ブロックBBの全体の、重なり部BP5が印刷された部分の全部またはノズルの配列方向における一部の平均濃度である基準平均濃度を検知する。
基準パターン検知ステップにおいて、基準平均濃度が検知されると、媒体送り機構6が媒体を副走査方向に所定量送った後、検知機構20がテストパターンTPを検知する(テストパターン検知ステップ)。テストパターン検知ステップでは、検知機構20は、キャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、ノズルの配列方向において第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2とが印刷されている部分(すなわち、同位置印刷部TP5)の全部または一部の濃度であるテストパターン濃度を検知する。
より具体的には、テストパターン検知ステップでは、検知機構20は、キャリッジ4と一緒に主走査方向に移動しながら、テストブロックTBの全体の、ノズルの配列方向においてテストパターン濃度が検知される部分の平均濃度であるテスト平均濃度を検知する。すなわち、テストパターン検知ステップでは、検知機構20は、テストブロックTBの全体の、同位置印刷部TP5が印刷された部分の全部またはノズルの配列方向における一部の平均濃度であるテスト平均濃度を検知する。
副走査方向に対してノズル列3aが傾いていないときには、上述のように、テストブロックTBの形状と基準ブロックBBの形状とが同形状となっており、かつ、テストパターンTPの濃度と基準パターンBPの濃度とは等しくなっているため、基準平均濃度とテスト平均濃度とが等しくなる。これに対して、副走査方向に対してノズル列3aが傾いているときには、図7(B)に示すように、主走査方向で隣り合う重なり部BP5の間に印刷されていない空白部が形成される一方で、主走査方向で隣り合う第1テストパターンTP1の間に第2テストパターンTP2の少なくとも一部が印刷されるため、テスト平均濃度は、基準平均濃度よりも高くなる。
なお、テストパターン検知ステップでの、ノズルの配列方向における検知機構20の検知範囲は、基準パターン検知ステップでの、ノズルの配列方向における検知機構20の検知範囲と等しくなっている。また、基準パターン印刷ステップの後に、基準パターン検知ステップを実行し、その後、テストパターン印刷ステップを実行してから、テストパターン検知ステップを実行しても良い。また、テストパターン印刷ステップの後に、基準パターン印刷ステップを実行し、その後、基準パターン検知ステップおよびテストパターン検知ステップを実行しても良いし、テストパターン印刷ステップの後に、テストパターン検知ステップを実行し、その後、基準パターン印刷ステップを実行してから、基準パターン検知ステップを実行しても良い。
テスト平均濃度が検知されると、制御部21は、検知機構20の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する(傾き量算出ステップ)。上述のように、副走査方向に対してノズル列3aが傾いていないときには、基準平均濃度とテスト平均濃度とが等しくなる一方で、副走査方向に対してノズル列3aが傾いているときには、テスト平均濃度が基準平均濃度よりも高くなるため、傾き量算出ステップでは、制御部21は、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する。
すなわち、傾き量算出ステップでは、制御部21は、テスト平均濃度と所定の基準濃度である基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する。すなわち、傾き量算出ステップでは、制御部21は、テストパターン濃度と所定の基準濃度とに基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する。本形態では、所定の基準濃度は、基準パターン濃度と、主走査方向で隣り合う重なり部BP5の間の印刷が行われていない空白部の濃度とに基づいて算出されている。
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、テストパターン印刷ステップにおいて、ヘッド3が媒体にテストパターンTPを印刷し、テストパターン検知ステップにおいて、媒体に印刷されたテストパターンTPを検知機構20が検知し、傾き量算出ステップにおいて、検知機構20の検知結果に基づいて制御部21が副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出している。すなわち、本形態では、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量が自動で算出されている。そのため、本形態では、オペレータの手を煩わせることなく、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出することが可能になる。
本形態では、基準パターン印刷ステップにおいて、ヘッド3が媒体に基準ブロックBBを印刷し、基準パターン検知ステップにおいて、検知機構20が基準平均濃度を検知し、傾き量算出ステップにおいて、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて制御部21が副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出している。そのため、本形態では、テスト平均濃度と比較される基準濃度を制御部21に予め記憶しておく必要がない。したがって、本形態では、制御部21の記憶容量を低減することが可能になる。
なお、基準濃度が予め算出されて制御部21に記憶されている場合には、ヘッド3が吐出するインクの種類や媒体の種類等に応じて、複数の基準濃度を制御部21に記憶する必要があるため、制御部21の記憶容量が大きくなる。また、基準濃度が予め算出されて制御部21に記憶されている場合には、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する際に、たとえば、ヘッド3が吐出するインクの種類や媒体の種類等をオペレータが制御部21に入力しないと、制御部21は、基準濃度に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出することができないが、本形態では、ヘッド3が吐出するインクの種類や媒体の種類等をオペレータが制御部21に入力しなくても、基準平均濃度に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出することが可能になる。
本形態では、基準パターン検知ステップにおいて、基準ブロックBBの全体の、ノズルの配列方向において基準パターン濃度が検知される部分の平均濃度である基準平均濃度を検知機構20が検知し、テストパターン検知ステップにおいて、テストブロックTBの全体の、ノズルの配列方向においてテストパターン濃度が検知される部分の平均濃度であるテスト平均濃度を検知機構20が検知している。
そのため、本形態では、基準パターン検知ステップにおいて、1個の第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2を含むピッチP分の平均濃度を検知機構20が検知するとともに、テストパターン検知ステップにおいて、1個の第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2を含むピッチP分の平均濃度を検知機構20が検知する場合と比較して、検知機構20によって基準ブロックBBの平均濃度およびテストブロックTBの平均濃度をより正確に検知することが可能になる。したがって、本形態では、傾き量算出ステップにおいて、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を精度良く算出することが可能になる。
本形態では、ヘッド3は、第1テストパターンTP1の印刷時に、ノズルの配列方向において一端側に配置される複数のノズルからインクを吐出し、第2テストパターンTP2の印刷時に、ノズルの配列方向において他端側に配置される複数のノズルからインクを吐出している。そのため、本形態では、副走査方向に対してノズル列3aが傾いている場合の、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2との主走査方向のずれ量を大きくすることが可能になる。したがって、本形態では、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量が小さくても、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異を大きくすることが可能になり、その結果、テスト平均濃度と基準平均濃度との差異に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出しやすくなる。
本形態では、ヘッド3は、1列のノズル列3aから媒体に向かってインクを吐出して、テストパターンTPおよび基準パターンBPを媒体に印刷している。そのため、本形態では、複数列のノズル列3aからインクが吐出される場合と比較して、ヘッド3による媒体の印刷時間、検知機構20の検知時間および制御部21の処理時間を短縮することが可能になる。
(基準パターン、テストパターンの変形例)
上述した形態において、第1基準パターンBP1の全部と第2基準パターンBP2の全部とが重なっていても良い。すなわち、第1基準パターンBP1の印刷時に使用される複数のノズルと、第2基準パターンBP2の印刷時に使用される複数のノズルとが同じノズルであっても良い。また、上述した形態において、ノズルの配列方向における第1基準パターンBP1の長さと、ノズルの配列方向における第2基準パターンBP2の長さとが異なっていても良い。たとえば、ノズルの配列方向における第1基準パターンBP1の長さがノズルの配列方向における第2基準パターンBP2の長さより長くなっていても良い。この場合には、第2基準パターンBP2の全部または一部が第1基準パターンBP1の一部と重なっている。
上述した形態において、第1テストパターンTP1の全部と第2テストパターンTP2の全部とが、ノズルの配列方向において同じ位置に印刷されていても良い。すなわち、第1テストパターンTP1の印刷が終わった後に、媒体送り機構6は、第1テストパターンTP1の全部と第2テストパターンTP2の全部とが、ノズルの配列方向において同じ位置に印刷されるように媒体を搬送しても良い。また、上述した形態において、ノズルの配列方向における第1テストパターンTP1の長さと、ノズルの配列方向における第2テストパターンTP2の長さとが異なっていても良い。たとえば、ノズルの配列方向における第1テストパターTP1の長さがノズルの配列方向における第2テストパターンTP2の長さより長くなっていても良い。この場合には、第2テストパターンTP2の全部または一部が第1テストパターンTP1の一部とノズルの配列方向において同じ位置に印刷されている。
上述した形態において、基準パターンBPは、3個以上の第N基準パターンによって構成されていても良い。たとえば、基準パターンBPは、第1基準パターンBP1と、第2基準パターンBP2と、第2基準パターンBP2の印刷後に、第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2の印刷時に停止していた位置と同じ位置に停止している媒体に印刷される直線状の第3基準パターンとから構成されていても良い。同様に、テストパターンTPは、3個以上の第Nテストパターンによって構成されていても良い。たとえば、テストパターンTPは、第1テストパターンTP1と、第2テストパターンTP2と、第2テストパターンTP2の印刷後に媒体送り機構6が媒体を副走査方向に所定量送ってから印刷される直線状の第3テストパターンとから構成されていても良い。
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
上述した形態において、ヘッド3は、第1テストパターンTP1の印刷時に、または、第2テストパターンTP2の印刷時に、矢印Vの方向における中間位置に配置される複数のノズルからインクを吐出しても良い。また、上述した形態において、基準パターンBPは、テストパターンTPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aと異なるノズル列3aから吐出されるインクによって印刷されても良い。この場合であっても、基準パターンBPの印刷時のインクとテストパターンTPの印刷時のインクとは同じインクである。
上述した形態において、ヘッド3は、基準パターンBPの印刷時およびテストパターンTPの印刷時に、2列以上のノズル列3aから媒体に向かってインクを吐出しても良い。この場合であっても、基準パターンBPは、テストパターンTPの印刷時にインクを吐出するノズル列3aの列数と同じ列数のノズル列3aから吐出されるインクによって印刷される。また、この場合であっても、基準パターンBPの印刷時のインクとテストパターンTPの印刷時のインクとは同じインクである。
上述した形態において、検知機構20は、基準パターン検知ステップにおいて、1個の第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2を含むピッチP分の平均濃度を検知するとともに、テストパターン検知ステップにおいて、1個の第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2を含むピッチP分の平均濃度を検知しても良い。この場合には、ヘッド3は、基準パターン印刷ステップにおいて、1個の基準パターンBPのみを印刷するとともに、テストパターン印刷ステップにおいて、1個のテストパターンTPのみを印刷しても良い。
上述した形態において、テスト平均濃度と比較される基準濃度は、予め算出されて制御部21に記憶されていても良い。この場合には、基準パターン印刷ステップおよび基準パターン検知ステップが不要になる。また、上述した形態において、プリンタ1は、媒体送り機構6に代えて、ヘッド3を副走査方向に移動させる送り機構を備えていても良い。さらに、上述した形態において、検知機構20は、キャリッジ4に搭載されていなくても良い。
上述した形態において、検知機構20は、たとえば、カメラ等の画像センサであっても良い。この場合には、制御部21は、画像センサである検知機構20の検知結果に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する。具体的には、制御部21は、検知機構20でのテストパターンTPの画像処理の結果に基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出する。また、この場合には、テストパターンTPは、第1テストパターンTP1のみによって構成されていても良い。また、この場合には、基準パターン印刷ステップおよび基準パターン検知ステップが不要になる。ただし、上述した形態のように、検知機構20が濃度検知機構であれば、比較的安価な濃度検知機構を用いて、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量を算出することが可能になるため、プリンタ1のコストを低減することが可能になる。
上述した形態において、副走査方向に対するノズル列3aの傾きを調整するオペレータが、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2との主走査方向における重なり度合いに基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を目視で確認しながら、副走査方向に対するノズル列3aの傾きを調整しても良い。すなわち、上述した形態において、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量が自動で算出されなくても良い。この場合には、プリンタ1は、検知機構20を備えていなくても良い。
また、この場合には、オペレータは、第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2と、第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2とを目視で比較して(すなわち、テストパターンTPと基準パターンBPとを目視で比較して)副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認する。具体的には、オペレータは、テストブロックTBと基準ブロックBBとを目視で比較して副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認する。
この場合には、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2との主走査方向における重なり度合いをオペレータが目視で確認することで、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認しているため、ルーペ等を使用して副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認する場合と比較して、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を容易に確認することが可能になる。また、この場合には、第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2と、第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2とを比較して(具体的には、テストブロックTBと基準ブロックBBとを比較して)、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認しているため、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無をより容易に確認することが可能になる。
なお、上述のように、第1テストパターンTP1の印刷時にインクを吐出する一端側ノズル部と、第2テストパターンTP2の印刷時にインクを吐出する他端側ノズル部との、ノズルの配列方向における間隔が、ノズルの配列方向で隣接する2個のノズルの間隔以上となっているため、副走査方向に対してノズル列3aが傾いている場合の、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2との主走査方向のずれ量を大きくすることが可能になる。したがって、副走査方向に対するノズル列3aの傾き量が小さくても、第1テストパターンTP1と第2テストパターンTP2との主走査方向における重なり度合いに基づいて副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を容易に確認することが可能になる。
また、1個の第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2と、1個の第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2とを目視で比較して(すなわち、1個のテストパターンTPと1個の基準パターンBPとを目視で比較して)副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認することも可能であるが、テストブロックTBと基準ブロックBBとを目視で比較して副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認する方が、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認しやすくなる。
また、たとえば、第1テストパターンTP1および第2テストパターンTP2と、予め印刷された第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2とを比較して、副走査方向に対するノズル列3aの傾きの有無を確認することも可能であるが、この場合には、ヘッド3が吐出するインクの種類や媒体の種類等に応じて、複数の第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2を予め複数の媒体に印刷しておく必要があるため、第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2が予め印刷された複数の媒体の管理が煩雑になる。これに対して、テストパターンTPの印刷前に第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2を印刷すれば、第1基準パターンBP1および第2基準パターンBP2が予め印刷された複数の媒体を管理する必要がなくなる。