以下、本開示が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
尚、本開示は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
[1.第1実施形態]
[1−1.全体構成]
図1に示すように、第1実施形態の電力供給システム1は、電力供給装置10と、放電アダプタ20と、を備える。電力供給システム1は、電力供給装置10に蓄積された電力を、放電アダプタ20に接続された電動機器に供給するように構成されている。
電動機器としては、例えば、電動工具、電動作業機、電動園芸機器などが挙げられる。これらの電動機器には、例えば、18Vの電池パックを1個接続して駆動する機器や、18Vの電池パックを2個接続して駆動する機器や、36Vの電池パックを1個接続して駆動する機器がある。
電力供給装置10は、電池収容本体部10aと、背負いベルト10bと、出力コネクタ13と、出力延長ケーブル15と、を備える。
電池収容本体部10aは、内部に複数の電池パックを収容可能に構成されている。電池パックは、電池収容本体部10aの内部に備えられるため図1では図示を省略する。本実施形態では、後述するように、電池収容本体部10aは、8個の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4(図2参照)を備えている。本実施形態の電池パックは、定格出力電圧が18Vである。
背負いベルト10bは、使用者が電池収容本体部10aを背負うことが可能となるように電池収容本体部10aに固定されている。出力コネクタ13は、出力延長ケーブル15を介して電池収容本体部10aに接続されている。出力コネクタ13は、放電アダプタ20のコネクタ(詳細には、後述の第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21cのいずれか)に接続可能に構成されている。
放電アダプタ20は、第1電圧用アダプタ20aと、複数出力用アダプタ20bと、第2電圧用アダプタ20cと、を備える。電力供給システム1は、放電アダプタ20を電池パックの代わりに電動機器に接続することで、電力供給装置10による電動機器への電力供給が可能となるように構成されている。
第1電圧用アダプタ20aは、電圧18Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第1電圧用アダプタ20aは、第1電圧用コネクタ21aと、機器接続ケーブル23aと、機器側ユニット25aと、を備える。
複数出力用アダプタ20bは、電圧18Vの出力系統を2個備えており、2系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。複数出力用アダプタ20bは、複数出力用コネクタ21bと、機器接続ケーブル23bと、機器側ユニット25bと、を備える。機器側ユニット25bは、第1機器側ユニット25b1と、第2機器側ユニット25b2と、を備える。
第2電圧用アダプタ20cは、電圧36Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧36Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第2電圧用アダプタ20cは、第2電圧用コネクタ21cと、機器接続ケーブル23cと、機器側ユニット25cと、を備える。
機器側ユニット25a,25b,25cは、それぞれ電動機器に着脱可能に構成されている。
[1−2.電力供給装置]
上記のように、電力供給装置10は、電池収容本体部10aと、出力コネクタ13と、出力延長ケーブル15と、を備える。
図2に示すように、出力コネクタ13は、グランド出力端子13a、第1正極出力端子13b、第2正極出力端子13c、識別子取得端子13d、許可信号出力端子13eを備えて構成されている。
グランド出力端子13aは、出力電圧の基準電位(=0V)となる端子である。第1正極出力端子13bは、出力電圧として18Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。第2正極出力端子13cは、出力電圧として36Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。識別子取得端子13dは、外部から識別子情報IDを取得するための端子である。許可信号出力端子13eは、外部に対して放電許可信号DSを出力するための端子である。
出力延長ケーブル15は、出力コネクタ13と電池収容本体部10aとを電気的に接続するケーブルである。出力延長ケーブル15は、複数の芯線を備えている。出力延長ケーブル15は、複数の電圧出力用芯線15a,15b,15cと、複数の信号用芯線15d,15eと、を備える。複数の電圧出力用芯線15a,15b,15cは、それぞれ、グランド出力端子13a、第1正極出力端子13b、第2正極出力端子13cに接続される。複数の信号用芯線15d,15eは、それぞれ、識別子取得端子13d、許可信号出力端子13eに接続される。
電池収容本体部10aは、図2に示すように、制御部31と、第1パック並列接続部33と、第2パック並列接続部35と、出力電圧スイッチ部37と、を備えて構成されている。
制御部31は、電池収容本体部10aにおける各種制御処理を実行する。制御部31は、例えば、出力コネクタ13から出力する電圧を制御する出力電圧制御処理や、電池収容本体部10aの各部の異常を検出する異常検出処理などを行う。制御部31は、CPU31a(演算部31a)、メモリ31b(記憶部31b)などを有する。制御部31が有する機能は、主に、CPU31aがメモリ31bに記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。
第1パック並列接続部33は、複数のパック接続部33a1〜33a4と、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4と、を備える。本実施形態では、第1パック並列接続部33は、4個のパック接続部33a1〜33a4と、4個の個別スイッチ部33b1〜33b4と、を備える。
複数のパック接続部33a1〜33a4は、それぞれ、電池パック33c1〜33c4が着脱可能に接続されるように構成されている。このため、電池収容本体部10aは、電池パック33c1〜33c4のうちいずれかの出力電圧が低下した場合(換言すれば、電力残容量が少なくなった場合)には、その電池パックを交換することが可能である。電池パック33c1〜33c4は、それぞれ、正極端子+および負極端子−を有する。
複数の個別スイッチ部33b1〜33b4は、それぞれ、複数のパック接続部33a1〜33a4に直列接続されている。複数の個別スイッチ部33b1〜33b4は、それぞれ、制御部31からの制御信号に基づいて、通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されている。
第1パック並列接続部33は、複数のパック接続部33a1〜33a4を並列接続可能に構成されており、これにより、複数のパック接続部33a1〜33a4に接続された複数の電池パック33c1〜33c4を並列接続可能に構成されている。
このように構成された第1パック並列接続部33は、制御部31からの制御信号に基づいて複数の個別スイッチ部33b1〜33b4のうち少なくとも1個が通電状態に制御されると、通電状態の個別スイッチ部33b1〜33b4に対応するパック接続部33a1〜33a4に接続された電池パック33c1〜33c4を用いて電圧出力するように構成されている。
なお、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4は、それぞれ、電流を通電状態(ON状態)または遮断状態(OFF状態)に切り替え可能に構成されたスイッチ(機械式スイッチ、半導体素子スイッチなど)を用いて構成することができる。例えば、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4は、図3に示すように接続された2個のFET(電界効果トランジスタ)を用いて構成してもよい。この2個のFETは、ゲートへの電圧印加時におけるドレイン−ソース間の通電方向が互いに逆方向となるように、直列に接続されている。なお、FETは、その特性上、ドレイン−ソース間に並列に接続される寄生ダイオードを備えており、ゲートへ電圧印加されていない場合には、この寄生ダイオードによる逆方向の通電が可能に構成されている。これに対して、図3に示すように接続した2個のFETを備えて、2個のFETをいずれも遮断状態に制御することで、電池パックにおける両方向の電流(放電電流および充電電流)を停止することができる。図3に示す個別スイッチ部33b1は、2個のFETをいずれも通電状態にすることでスイッチ部33b1を通電状態とすることができる。
また、個別スイッチ部は、1個のFETと1個のダイオードを直列接続して構成してもよい。この場合、FETは、ON状態で電池パックの放電方向の電流通電を許容し、OFF状態で電池パックの放電方向の電流通電を禁止するように配置されるとともに、ダイオードは、電池パックの放電方向の電流通電を許容し、電池パックの充電方向の電流通電を禁止するように配置されると良い。このような個別スイッチは、制御部31からの制御信号に基づいて、FETがON状態またはOFF状態に制御されることで、電池パックの放電・停止を制御することができる。
次に、第2パック並列接続部35は、複数のパック接続部35a1〜35a4と、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4と、を備える。本実施形態では、第2パック並列接続部35は、4個のパック接続部35a1〜35a4と、4個の個別スイッチ部35b1〜35b4と、を備える。複数のパック接続部35a1〜35a4は、それぞれ、電池パック35c1〜35c4が着脱可能に接続されるように構成されている。
なお、図2に示すように、第2パック並列接続部35は、第1パック並列接続部33と同様の構成であるため、詳細説明は省略する。複数のパック接続部35a1〜35a4が、複数のパック接続部33a1〜33a4に対応し、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4が、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4に対応し、電池パック35c1〜35c4が、電池パック33c1〜33c4に対応する。
次に、出力電圧スイッチ部37は、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3を備えている。出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35と出力コネクタ13(詳細には、グランド出力端子13a、第1正極出力端子13b、第2正極出力端子13c)との電気的接続状態を切り替えるように構成されている。
出力コネクタ13において、グランド出力端子13aは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第1スイッチ部SW1)を介して第2パック並列接続部35に接続されている。第1正極出力端子13bは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第2スイッチ部SW2および第3スイッチ部SW3)を介して第2パック並列接続部35に接続されている。第2正極出力端子13cは、第2パック並列接続部35に直接接続されている。
グランド出力端子13aは、第1パック並列接続部33との接続については、複数のパック接続部33a1〜33a4を介して複数の電池パック33c1〜33c4の負極端子−に電気的に接続されている。グランド出力端子13aは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第1スイッチ部SW1)を介するとともに、複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の負極端子−に電気的に接続されている。
第1正極出力端子13bは、第1パック並列接続部33との接続については、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4および複数のパック接続部33a1〜33a4を介して複数の電池パック33c1〜33c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。第1正極出力端子13bは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第2スイッチ部SW2)を介するとともに、複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の負極端子−に電気的に接続可能に構成されている。さらに、第1正極出力端子13bは、第2パック並列接続部35との接続については、出力電圧スイッチ部37(詳細には、第3スイッチ部SW3)を介するとともに、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4および複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
第2正極出力端子13cは、第2パック並列接続部35との接続については、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4および複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
つまり、出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の正極端子の接続状態を、第2正極出力端子13cのみに接続される状態、および少なくとも第1正極出力端子13bに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。なお、本実施形態の出力電圧スイッチ部37は、「少なくとも第1正極出力端子13bに接続される状態」として「第1正極出力端子13bおよび第2正極出力端子13cに接続される状態」を実現可能に構成されている。また、出力電圧スイッチ部37は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の負極端子の接続状態を、第1正極出力端子13bに接続される状態、およびグランド出力端子13aに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。
また、第1パック並列接続部33は、複数の電池パック33c1〜33c4の正極端子を第1正極出力端子13bに接続するとともに、複数の電池パック33c1〜33c4の負極端子をグランド出力端子13aに接続するように構成されている。
[1−3.放電アダプタ]
上述のように、放電アダプタ20は、電動機器に対する電圧出力状態が異なる複数種類の放電アダプタを備えている。本実施形態の放電アダプタ20は、第1電圧用アダプタ20aと、複数出力用アダプタ20bと、第2電圧用アダプタ20cと、を備える。
第1電圧用アダプタ20aは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を1系統出力するように構成されている。複数出力用アダプタ20bは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を2系統出力するように構成されている。第2電圧用アダプタ20cは、電動機器に対して36Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧を2倍した電圧)を1系統出力するように構成されている。
第1電圧用アダプタ20a、複数出力用アダプタ20b、第2電圧用アダプタ20cのそれぞれの構成について説明する。
[1−3−1.第1電圧用アダプタ]
図4に示すように、第1電圧用アダプタ20aは、第1電圧用コネクタ21aと、機器接続ケーブル23aと、機器側ユニット25aと、を備える。
第1電圧用コネクタ21aは、グランド外部端子21a1と、第1外部端子21a2と、識別子出力端子21a3と、許可信号取得端子21a4と、を備える。グランド外部端子21a1は、グランド出力端子13aに接続可能に構成されている。第1外部端子21a2は、第1正極出力端子13bに接続可能に構成されている。識別子出力端子21a3は、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21a4は、許可信号出力端子13eに接続可能に構成されている。
第1電圧用コネクタ21aは、情報記憶部20a1を備えている。情報記憶部20a1は、識別子出力端子21a3を介して、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。情報記憶部20a1は、第1電圧用アダプタ20aに対応した識別子情報を記憶している。なお、識別子情報は、出力コネクタ13から出力すべき電圧出力状態を表す情報である。情報記憶部20a1は、第1電圧用アダプタ20aに対応した識別子情報として、第1識別子情報ID1を記憶している。第1識別子情報ID1は、グランド出力端子13aと第1正極出力端子13bとを用いて18Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
なお、情報記憶部20a1は、例えば、識別子情報に応じて予め定められた電気抵抗値の固定抵抗素子を用いて構成できる。この場合、制御部31は、情報記憶部20a1の電気抵抗値を検出することで、接続された放電アダプタ20に適した電圧出力状態を判定することができる。
制御部31は、第1電圧用コネクタ21aから情報記憶部20a1の第1識別子情報ID1を取得すると、第1識別子情報ID1に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図4に示すように、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3が全て遮断状態(OFF状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1〜33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35における複数の個別スイッチ部35b1〜35b4の全てを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、電力供給装置10は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4を用いて、出力コネクタ13から18Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図4では、電力供給装置10については、出力コネクタ13の概略構成および電池収容本体部10aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
また、制御部31は、出力コネクタ13から電圧出力可能な場合には、放電許可信号DSを許可信号出力端子13eから許可信号取得端子21a4に対して出力し、出力コネクタ13から電圧出力が不可能である場合には、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を停止する。放電許可信号DSは、出力コネクタ13に接続された電動機器に対して、電力供給装置10が電圧出力可能な状態であるか否かを通知するための信号である。
機器接続ケーブル23aは、第1電圧用コネクタ21aに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25aを介して間接的に第1電動機器40aに接続される構成である。機器接続ケーブル23aは、グランド外部端子21a1に接続されるグランド芯線23a1と、第1外部端子21a2に接続される第1電圧芯線23a2と、許可信号取得端子21a4に接続される許可信号芯線23a3と、を備えている。
なお、機器接続ケーブル23aは、複数の芯線が単一の被覆部材により束ねられた状態のケーブルとして備えられている。
機器側ユニット25aは、第1電動機器40aのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット25aは、グランド機器端子25a1と、第1機器端子25a2と、許可信号機器端子25a3と、を備える。
グランド芯線23a1は、第1電圧用コネクタ21aのグランド外部端子21a1と機器側ユニット25aのグランド機器端子25a1とを電気的に接続する。第1電圧芯線23a2は、第1電圧用コネクタ21aの第1外部端子21a2と機器側ユニット25aの第1機器端子25a2とを電気的に接続する。許可信号芯線23a3は、第1電圧用コネクタ21aの許可信号取得端子21a4と機器側ユニット25aの許可信号機器端子25a3とを電気的に接続する。
第1電動機器40aは、18Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第1電動機器40aは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
バッテリ装着部43は、グランド端子43aと、第1機器電圧端子43bと、許可信号受信端子43cと、を備える。グランド端子43aは、グランド機器端子25a1に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子43bは、第1機器端子25a2に接続可能に構成されている。許可信号受信端子43cは、許可信号機器端子25a3に接続可能に構成されている。バッテリ装着部43は、電池パック33c1を装着可能に構成されるとともに、機器側ユニット25aを装着可能に構成されている。
モータ45は、バッテリ装着部43(詳細には、グランド端子43a、第1機器電圧端子43b)を介して電圧が印加されることで回転駆動する。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信しているときに、使用者からの駆動指令(図示省略。例えば、トリガ操作による駆動指令など。)を受信すると、駆動用スイッチ49をON状態に制御してモータ45への通電を行う。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信しているときであっても、使用者からの駆動指令を受信していない場合には、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信していないときには、使用者からの駆動指令を受信している場合であっても、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。
なお、電力供給装置10は、第1電圧用アダプタ20aが接続された場合において、第1パック並列接続部33に接続された全ての電池パック33c1〜33c4が電圧出力不可能な状態である場合には、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4を用いて電圧出力するように、出力電圧スイッチ部37を制御しても良い。
具体的には、制御部31は、第1電圧用コネクタ21aから情報記憶部20a1の識別子情報を取得すると、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3が通電状態(ON状態)、第2スイッチ部SW2が遮断状態(OFF状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部35b1〜35b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33における複数の個別スイッチ部33b1〜33b4の全てを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、電力供給装置10は、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4を用いて、出力コネクタ13から18Vの電圧を出力可能な状態となる。
[1−3−2.複数出力用アダプタ]
次に、図5に示すように、複数出力用アダプタ20bは、複数出力用コネクタ21bと、機器接続ケーブル23bと、機器側ユニット25bと、を備える。機器側ユニット25bは、第1機器側ユニット25b1と、第2機器側ユニット25b2と、を備える。
複数出力用コネクタ21bは、グランド外部端子21b1と、第1外部端子21b2と、第2外部端子21b3と、識別子出力端子21b4と、許可信号取得端子21b5と、を備える。グランド外部端子21b1は、グランド出力端子13aに接続可能に構成されている。第1外部端子21b2は、第1正極出力端子13bに接続可能に構成されている。第2外部端子21b3は、第2正極出力端子13cに接続可能に構成されている。識別子出力端子21b4は、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21b5は、許可信号出力端子13eに接続可能に構成されている。
複数出力用コネクタ21bは、情報記憶部20b1を備えている。情報記憶部20b1は、識別子出力端子21b4を介して、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。情報記憶部20b1は、複数出力用アダプタ20bに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部20b1は、複数出力用アダプタ20bに対応した識別子情報として、第2識別子情報ID2を記憶している。第2識別子情報ID2は、電圧18Vの出力系統を2個備える電圧出力状態を表す識別子情報である。この電圧出力状態は、具体的には、グランド出力端子13aと第1正極出力端子13bとを用いて18Vの出力電圧(第1系統)を出力するとともに、第1正極出力端子13bと第2正極出力端子13cを用いて18Vの出力電圧(第2系統)を出力する電圧出力状態である。
制御部31は、複数出力用コネクタ21bから情報記憶部20b1の第2識別子情報ID2を取得すると、第2識別子情報ID2に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図5に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2が通電状態(ON状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1〜33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35においても同様に、複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、電力供給装置10は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうちいずれか1つ、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4のうちいずれか1つを用いて、出力コネクタ13から18Vの電圧を2系統出力可能な状態となる。なお、図5では、電力供給装置10については、出力コネクタ13の概略構成および電池収容本体部10aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
機器接続ケーブル23bは、複数出力用コネクタ21bに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25b(第1機器側ユニット25b1、第2機器側ユニット25b2)を介して間接的に第2電動機器40bに接続される構成である。機器接続ケーブル23bは、複数出力用コネクタ21bと第1機器側ユニット25b1との間に設けられるとともに、第1機器側ユニット25b1と第2機器側ユニット25b2との間に設けられる。機器接続ケーブル23bは、グランド外部端子21b1に接続されるグランド芯線23b1と、第1外部端子21b2に接続される第1外部芯線23b2と、第2外部端子21b3に接続される第2外部芯線23b3と、許可信号取得端子21b5に接続される許可信号芯線23b4と、を備えている。
第1機器側ユニット25b1および第2機器側ユニット25b2は、それぞれ第2電動機器40bの第1バッテリ装着部43および第2バッテリ装着部44に着脱可能に構成されている。第1機器側ユニット25b1は、グランド機器端子25b11と、第1機器端子25b12と、許可信号機器端子25b13と、を備える。第2機器側ユニット25b2は、グランド機器端子25b21と、第1機器端子25b22と、許可信号機器端子25b23と、を備える。
グランド芯線23b1は、複数出力用コネクタ21bのグランド外部端子21b1と第2機器側ユニット25b2のグランド機器端子25b21とを電気的に接続する。第1外部芯線23b2は、複数出力用コネクタ21bの第1外部端子21b2と第2機器側ユニット25b2の第1機器端子25b22とを電気的に接続する。第2外部芯線23b3は、複数出力用コネクタ21bの第2外部端子21b3と第1機器側ユニット25b1の第1機器端子25b12とを電気的に接続する。許可信号芯線23b4は、複数出力用コネクタ21bの許可信号取得端子21b5と第1機器側ユニット25b1の許可信号機器端子25b13とを電気的に接続する。
なお、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bの第1外部芯線23b2は、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bのグランド芯線23b1および第2外部芯線23b3よりも細い芯線(径寸法が小さい芯線)で構成されている。
なお、グランド芯線23b1および第1外部芯線23b2は、それぞれ、複数出力用コネクタ21bから第1機器側ユニット25b1を経由して第2機器側ユニット25b2に至るように設けられている。また、第1機器側ユニット25b1のグランド機器端子25b11は、機器接続ケーブル23bのうちいずれの芯線にも接続されていない。さらに、第2機器側ユニット25b2は、ダミー許可信号記憶部25b24を備える。ダミー許可信号記憶部25b24は、許可信号機器端子25b23に接続されており、許可信号機器端子25b23を介して、第2電動機器40bに対して常に放電許可信号を出力するようにダミー許可信号DSを出力する。
第2電動機器40bは、18Vの電圧が2系統供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第2電動機器40bは、第1バッテリ装着部43と、第2バッテリ装着部44と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
第1バッテリ装着部43は、グランド端子43aと、第1機器電圧端子43bと、許可信号受信端子43cと、を備える。グランド端子43aは、グランド機器端子25b11に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子43bは、第1機器端子25b12に接続可能に構成されている。許可信号受信端子43cは、許可信号機器端子25b13に接続可能に構成されている。
第2バッテリ装着部44は、グランド端子44aと、第1機器電圧端子44bと、許可信号受信端子44cと、を備える。グランド端子44aは、グランド機器端子25b21に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子44bは、第1機器端子25b22に接続可能に構成されている。許可信号受信端子44cは、許可信号機器端子25b23に接続可能に構成されている。
モータ45は、第1バッテリ装着部43(詳細には、第1機器電圧端子43b)および第2バッテリ装着部44(詳細には、グランド端子44a)を介して電圧が印加されることで回転駆動する。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信しているときに、使用者からの駆動指令(図示省略)を受信すると、駆動用スイッチ49をON状態に制御してモータ45への通電を行う。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信しているときであっても、使用者からの駆動指令を受信していない場合には、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。モータ制御部47は、電力供給装置10からの放電許可信号DSを受信していないときには、使用者からの駆動指令を受信している場合であっても、駆動用スイッチ49をOFF状態に制御してモータ45への通電を停止する。
[1−3−3.第2電圧用アダプタ]
次に、図6に示すように、第2電圧用アダプタ20cは、第2電圧用コネクタ21cと、機器接続ケーブル23cと、機器側ユニット25cと、を備える。
第2電圧用コネクタ21cは、グランド外部端子21c1と、第2外部端子21c2と、識別子出力端子21c3と、許可信号取得端子21c4と、を備える。グランド外部端子21c1は、グランド出力端子13aに接続可能に構成されている。第2外部端子21c2は、第2正極出力端子13cに接続可能に構成されている。識別子出力端子21c3は、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。許可信号取得端子21c4は、許可信号出力端子13eに接続可能に構成されている。
第2電圧用コネクタ21cは、情報記憶部20c1を備えている。情報記憶部20c1は、識別子出力端子21c3を介して、識別子取得端子13dに接続可能に構成されている。情報記憶部20c1は、第2電圧用アダプタ20cに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部20c1は、第2電圧用アダプタ20cに対応した識別子情報として、第2識別子情報ID2を記憶している。第2識別子情報ID2は、グランド出力端子13aと第2正極出力端子13cとを用いて36Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
なお、本実施形態では、複数出力用コネクタ21bの情報記憶部20b1が記憶する識別子情報IDと、第2電圧用コネクタ21cの情報記憶部20c1が記憶する識別子情報IDは、同一の第2識別子情報ID2である。複数出力用アダプタ20bおよび第2電圧用アダプタ20cは、電力供給装置10から受電する際の電圧出力状態が同一の電圧出力状態となるためである。もし、複数出力用アダプタ20bおよび第2電圧用アダプタ20cについて、電力供給装置10から受電する際の電圧出力状態が互いに異なる電圧出力状態となる場合には、それぞれ異なる識別子情報を情報記憶部に記憶するとよい。
制御部31は、第2電圧用コネクタ21cから情報記憶部20c1の第2識別子情報ID2を取得すると、第2識別子情報ID2に基づいて、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。制御部31は、例えば、図6に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2が通電状態(ON状態)となるように、出力電圧スイッチ部37の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1〜33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35においても同様に、複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、電力供給装置10は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうちいずれか1つ、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4のうちいずれか1つを用いて、出力コネクタ13から36Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図6では、電力供給装置10については、出力コネクタ13の概略構成および電池収容本体部10aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
機器接続ケーブル23cは、第2電圧用コネクタ21cに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット25cを介して間接的に第3電動機器40cに接続される構成である。機器接続ケーブル23cは、グランド外部端子21c1に接続されるグランド芯線23c1と、第2外部端子21c2に接続される第2電圧芯線23c2と、許可信号取得端子21c4に接続される許可信号芯線23c3と、を備えている。
機器側ユニット25cは、第3電動機器40cのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット25cは、グランド機器端子25c1と、第2機器端子25c2と、許可信号機器端子25c3と、を備える。
グランド芯線23c1は、第2電圧用コネクタ21cのグランド外部端子21c1と機器側ユニット25cのグランド機器端子25c1とを電気的に接続する。第2電圧芯線23c2は、第2電圧用コネクタ21cの第2外部端子21c2と機器側ユニット25cの第2機器端子25c2とを電気的に接続する。許可信号芯線23c3は、第2電圧用コネクタ21cの許可信号取得端子21c4と機器側ユニット25cの許可信号機器端子25c3とを電気的に接続する。
第3電動機器40cは、36Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第3電動機器40cは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
なお、第3電動機器40cのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49は、第1電動機器40aのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49と比べて、駆動電圧が異なる点(18V駆動ではなく36V駆動)を除いて、ほぼ同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
[1−4.出力電圧制御]
電力供給装置10が実行する各種制御処理のうち出力電圧制御処理について説明する。出力電圧制御処理などの各種制御処理は、電力供給装置10のうち制御部31が実行する。出力電圧制御処理は、出力コネクタ13に接続された放電アダプタ20から識別子情報IDを取得し、その識別子情報IDに応じた電圧出力状態で出力コネクタ13から電圧出力するための処理である。
制御部31は、電力供給装置10の起動スイッチ(図示省略)が使用者により操作されると、出力電圧制御処理を開始する。出力電圧制御処理のフローチャートを図7に示す。
制御部31は、出力電圧制御処理を開始すると、まず、S110(Sはステップを表す)で、出力コネクタ13に放電アダプタ20が接続されたか否かを判定し、肯定判定するとS120に移行し、否定判定すると同ステップを繰り返し実行することで待機する。
制御部31は、S110で肯定判定してS120に移行すると、放電アダプタ20から識別子情報IDを取得する。本実施形態では、上述のとおり、識別子情報IDとして、第1識別子情報ID1および第2識別子情報ID2が存在する。
制御部31は、次のS130では、取得した識別子情報IDが第1識別子情報ID1であるか否かを判定する。このとき、制御部31は、肯定判定するとS140に移行して第1電圧制御処理を実行し、否定判定するとS150に移行する。
制御部31は、S130で否定判定してS150に移行すると、取得した識別子情報IDが第2識別子情報ID2であるか否かを判定する。このとき、制御部31は、肯定判定するとS160に移行して第2電圧制御処理を実行し、否定判定するとS170に移行して待機モード処理を実行する。
次に、第1電圧制御処理(S140)の処理内容を、図8のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、第1電圧制御処理を開始すると、まず、S210では、第1電圧フラグF1をセットする。
制御部31は、次のS220では、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4について、状態を確認する。このとき、制御部31は、各電池パックについて、出力電圧値を検出し、その検出結果に基づいて電圧出力が可能な状態(放電可能な状態)であるか否かを確認する。また、このとき、制御部31は、各電池パックから放電停止信号Ssが出力されているか否かを確認しても良い。放電停止信号Ssは、電池パックが自己診断結果に基づいて、放電不可能な状態と判断したときに、出力される通知信号である。なお、放電不可能な状態としては、例えば、電力残容量が少ないために放電不可能な状態や、パックの温度上昇により放電不可能な状態などが挙げられる。
制御部31は、次のS230では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定し、肯定判定するとS250に移行し、否定判定するとS240に移行して待機モード処理を実行する。
制御部31は、S230で肯定判定してS250に移行すると、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4の中から、放電する電池パックを決定する。このとき、電力残容量が最も多い電池パック(あるいは、出力電圧が最も高い電池パック)を、放電する電池パックに決定する。制御部31は、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4のうち、放電する電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に制御し、その他の個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に制御する。
制御部31は、次のS260では、第1パック並列接続部33に接続された電池パックが放電するか否かを判定し、肯定判定するとS270に移行し、否定判定するとS275に移行する。つまり、S260では、第1パック並列接続部33に接続された電池パックが放電するのか、第2パック並列接続部35に接続された電池パックが放電するのかを判定している。
制御部31は、S270では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3の全てを遮断状態(OFF状態)に制御する。これにより、第1パック並列接続部33に接続された電池パック33c1〜33c4の放電により、出力コネクタ13からの電圧出力が可能な状態となる。
制御部31は、S275では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3を通電状態(ON状態)に制御し、第2スイッチ部SW2を遮断状態(OFF状態)に制御する。これにより、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の放電により、出力コネクタ13からの電圧出力が可能な状態となる。
制御部31は、次のS280では、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を開始する。
制御部31は、次のS290では、放電アダプタ20が接続されているか否かを判定し、肯定判定するとS300に移行し、否定判定するとS330に移行する。
制御部31は、S300では、放電中の電池パック(S250で決定された電池パック)から放電停止信号Ssが出力されているか否かを判定し、肯定判定するとS310に移行し、否定判定すると再びS290に移行する。なお、電池パックは、放電不可能な状態になると放電停止信号Ssを制御部31に対して出力する。放電不可能な状態としては、例えば、電力残容量が少ないために放電不可能な状態や、パックの温度上昇により放電不可能な状態などが挙げられる。
制御部31は、S310では、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を停止する。制御部31は、次のS320では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S320での処理が完了すると、再びS220に移行する。
制御部31は、S290で否定判定されてS330に移行すると、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を停止する。制御部31は、次のS340では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S340での処理が完了すると、第1電圧制御処理を終了して、再びS110に移行する。
次に、第2電圧制御処理(S160)の処理内容を、図9のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、第2電圧制御処理を開始すると、まず、S410では、第2電圧フラグF2をセットする。
制御部31は、次のS420では、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4について、状態を確認する。このとき、制御部31は、各電池パックについて、出力電圧値を検出し、その検出結果に基づいて電圧出力が可能な状態(放電可能な状態)であるか否かを確認する。また、このとき、制御部31は、各電池パックから放電停止信号Ssが出力されているか否かを確認しても良い。
制御部31は、次のS430では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定し、肯定判定するとS450に移行し、否定判定するとS440に移行して待機モード処理を実行する。
制御部31は、S430で肯定判定してS450に移行すると、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4の中から、放電する電池パックを1個決定するとともに、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4の中から、放電する電池パックを1個決定する。このとき、電力残容量が最も多い電池パック(あるいは、出力電圧が最も高い電池パック)を、放電する電池パックに決定する。制御部31は、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4のうち、放電する電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に制御し、その他の個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に制御する。
制御部31は、次のS460では、出力電圧スイッチ部37に関して、第1スイッチ部SW1および第3スイッチ部SW3を遮断状態(OFF状態)に制御し、第2スイッチ部SW2を通電状態(ON状態)に制御する。これにより、第1パック並列接続部33に接続された電池パック33c1〜33c4の放電、および第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の放電により、出力コネクタ13からの電圧出力が可能な状態となる。
制御部31は、次のS470では、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を開始する。
制御部31は、次のS480では、放電アダプタ20の接続があるか否かを判定し、肯定判定するとS490に移行し、否定判定するとS520に移行する。
制御部31は、S490では、放電中の2個の電池パック(S450で決定された2個の電池パック)のうち少なくとも1個から放電停止信号Ssが出力されているか否かを判定し、肯定判定するとS500に移行し、否定判定すると再びS480に移行する。
制御部31は、S500では、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を停止する。制御部31は、次のS510では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S510での処理が完了すると、再びS420に移行する。
制御部31は、S480で否定判定されてS520に移行すると、許可信号出力端子13eから外部への放電許可信号DSの出力を停止する。制御部31は、次のS530では、出力電圧スイッチ部37(第1スイッチ部SW1,第2スイッチ部SW2,第3スイッチ部SW3)、および全ての個別スイッチ部33b1〜33b4、35b1〜35b4を遮断状態(OFF状態)に制御する。制御部31は、S530での処理が完了すると、第2電圧制御処理を終了して、再びS110に移行する。
次に、待機モード処理(S170、S240、S440)の処理内容を、図10のフローチャートを用いて説明する。
制御部31は、待機モード処理を開始すると、まず、S610では、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4、および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4について、状態を確認する。このとき、制御部31は、各電池パックについて、出力電圧値を検出し、その検出結果に基づいて電圧出力が可能な状態(放電可能な状態)であるか否かを確認する。また、このとき、制御部31は、各電池パックについて、放電停止信号Ssの出力があるか否かを確認してもよい。
制御部31は、次のS620では、接続されている複数の電池パックの中に、放電可能な状態の電池パックがあるか否かを判定するとともに、放電アダプタ20の接続が解除されているか否かを判定する。
このとき、制御部31は、放電可能な状態の電池パックがある場合、または、放電アダプタ20の接続が解除されている場合に、肯定判定して待機モード処理を終了し、再びS110に移行する。また、このとき、制御部31は、放電可能な状態の電池パックがなく、かつ、放電アダプタ20が接続されている場合に、否定判定して、再びS610に移行する。
このように、電力供給装置10は、出力電圧制御処理を実行することで、接続された放電アダプタ20(第1電圧用アダプタ20a、複数出力用アダプタ20b、第2電圧用アダプタ20c)の種類を判別して、放電アダプタ20の種類に応じた電圧出力状態で出力コネクタ13から電圧出力を行う。
[1−5.効果]
以上説明したように、本実施形態の電力供給システム1に備えられる電力供給装置10は、複数(4個以上)のパック接続部33a1〜33a4,35a1〜35a4に接続された複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4を用いて出力コネクタ13から電圧出力するにあたり、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4を、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35の2つのグループに分類している。電力供給装置10は、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4を2つのグループに分類した上で、第1パック並列接続部33と出力コネクタ13(グランド出力端子13a、第1正極出力端子13b)との接続状態を固定状態としつつ、第2パック並列接続部35と出力コネクタ13(グランド出力端子13a、第1正極出力端子13b、第2正極出力端子13c)との接続状態を切り替えるように構成されている。
このような構成は、複数(4個以上)の電池パックと出力部(出力コネクタ)との接続状態を様々なパターンに切り替える構成に比べて、接続状態のパターンを減らすことができるため、出力電圧スイッチ部37の構成を簡略化できる。これにより、電力供給装置10は、出力電圧スイッチ部37のコスト増加を抑制できる。
そして、制御部31が、出力コネクタ13から出力すべき電圧出力状態を判定して、判定結果に基づき出力電圧スイッチ部37を制御することで、複数の電圧出力状態を切り替えることができ、用途に応じた適切な電圧出力状態を実現できる。
よって、この電力供給装置10によれば、複数の電圧出力状態を切り替えるにあたり、装置の構成を簡略化することができ、コスト増加を抑制できる。
次に、第1パック並列接続部33は、複数のパック接続部33a1〜33a4のそれぞれに直列接続された複数の個別スイッチ部33b1〜33b4を備えており、第2パック並列接続部35は、複数のパック接続部35a1〜35a4のそれぞれに直列接続された複数の個別スイッチ部35b1〜35b4を備えている。制御部31は、グランド出力端子13aと第1正極出力端子13bとの間に、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち1個の電池パックが接続されるように、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4,35b1〜35b4および出力電圧スイッチ部37を制御することができる。具体的には、第1電圧用アダプタ20aが接続された場合の電圧出力状態(図4参照)であり、第1電圧制御処理(S140)が実行されるときの電圧出力状態である。
これにより、電力供給装置10は、1個の電池パックの定格出力電圧(18V)を、第1正極出力端子13bおよびグランド出力端子13aから外部(詳細には、放電アダプタ20、第1電動機器40a)に出力できる。
次に、制御部31は、グランド出力端子13aと第2正極出力端子13cとの間に、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち2個の電池パックが直列接続されるように、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4,35b1〜35b4および出力電圧スイッチ部37を制御することができる。具体的には、第2電圧用アダプタ20cが接続された場合の電圧出力状態(図6参照)であり、第2電圧制御処理(S160)が実行されるときの電圧出力状態である。
これにより、電力供給装置10は、直列接続された2個の電池パックの出力電圧(例えば、電池パックの定格出力電圧の2倍の電圧:36V)を、第2正極出力端子13cおよびグランド出力端子13aから外部に出力できる。
次に、制御部31は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のそれぞれについて、接続された複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち現在電圧が最も高い電池パックを用いて電圧出力するように、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4,35b1〜35b4を制御するように構成されている。
このような電力供給装置10は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のそれぞれについて、電圧出力する毎に、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち現在電圧が最も高い電池パックを用いて電圧出力するため、電圧出力する毎に、使用する電池パックを切り替えることができる。これにより、この電力供給装置10は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のそれぞれから電圧出力するにあたり、複数の電池パックを順番に使用することができ、1個の電池パックだけが継続使用されるのを抑制できるため、電池パックの寿命が短くなるのを抑制できる。
次に、制御部31は、放電アダプタ20から取得した識別子情報IDに基づいて、出力コネクタ13から出力すべき電圧出力状態を判定している(出力電圧制御処理。S120〜S160)。この電力供給装置10は、外部からの要求(換言すれば、放電アダプタ20を選択した使用者の意志)に応じて電力出力状態を切り替えることができる。なお、識別子情報の取得方法としては、例えば、電気的信号として識別子情報を受信する取得方法や、電力供給装置に設けられたユーザ操作部を用いた操作入力により識別子情報を取得する方法など、を採用してもよい。
次に、制御部31は、識別子情報として、第1識別子情報ID1(1個の電池パックの定格出力電圧を出力する電圧出力状態を示す識別子情報)を取得した場合には、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち1個の電池パックをグランド出力端子13aと第1正極出力端子13bとの間に接続するように出力電圧スイッチ部37を制御する。また、制御部31は、識別子情報として、第2識別子情報ID2(1個の電池パックの出力電圧の2倍の電圧を出力する電圧出力状態を示す識別子情報)を取得した場合には、複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4のうち直列接続した2個の電池パックをグランド出力端子13aと第2正極出力端子13cとの間に接続するように出力電圧スイッチ部37を制御する。
この電力供給装置10は、取得した識別子情報IDの内容に応じて、出力電圧スイッチ部37を制御することで、外部からの指令に基づいて、出力コネクタ13から出力すべき電圧出力状態を少なくとも2つの出力状態(1個の電池パックの定格出力電圧を出力する電圧出力状態、1個の電池パックの出力電圧の2倍の電圧を出力する電圧出力状態)のいずれかに変更することができる。
次に、制御部31は、識別子情報IDを取得できない場合には、出力コネクタ13からの電圧出力を停止するように、出力電圧スイッチ部37を制御する(S170:待機モード)。この電力供給装置10は、外部からの指令に反した不適切な電圧出力状態(過大な電圧を出力する状態など)となることを抑制でき、出力コネクタ13に接続された電動機器の破損を抑制できる。
次に、第1パック並列接続部33は、3個以上のパック接続部33a1〜33a4を備え、第2パック並列接続部35は、3個以上のパック接続部35a1〜35a4を備える。このように、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35がそれぞれ3個以上のパック接続部を備えることで、2個のパック接続部を備える場合に比べて、電力供給装置10の全体として接続可能な電池パックの個数を増加でき、より長期にわたる電圧出力が可能となる。
次に、電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4は、電池パックの状態を表す状態通知信号として放電停止信号Ssを出力するように構成されている。そして、制御部31は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック33c1〜33c4、35c1〜35c4の放電停止信号Ssに基づいて、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のそれぞれについて電圧出力可能であるか否かを判定する(S300、S490)。制御部31は、その判定の結果に基づいて、出力コネクタ13に接続された電動機器に対する放電許可信号DSの出力状態を制御するように構成されている(S310、S500)。
電力供給装置10は、このように放電許可信号DSの出力状態(出力・停止)の制御を行うことで、出力コネクタ13に直接的にまたは他部材を介して間接的に接続された電動機器に対して、電力供給装置10からの電力供給が可能か否かを通知することができる。これにより、電動機器が、電力供給装置の個々の電池パックが高温状態や過放電状態により電力供給が可能であるか否かを個別に判定することなく、放電許可信号DSに基づいて電力供給装置10から電力供給を受けられるか否かを判定できる。なお、放電許可信号DSは、電力供給装置10が電力供給可能か否かを表す信号である。
次に、制御部31は、識別子情報IDとして、第1識別子情報ID1を取得した場合において、電池パックの状態を表す状態通知信号(放電停止信号Ss)に基づいて、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のうち少なくとも1つが電圧出力可能と判定された場合(S230で肯定判定)には、出力コネクタ13に接続された電動機器に対して放電許可信号DSを出力する(S280)ように構成されている。
また、制御部31は、識別子情報IDとして、第2識別子情報ID2を取得した場合において、状態通知信号(放電停止信号Ss)に基づいて、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のいずれも電圧出力可能と判定された場合(S430で肯定判定)には、出力コネクタ13に接続された電動機器に対して放電許可信号DSを出力する(S470)ように構成されている。
この電力供給装置10は、取得した識別子情報IDに応じた電圧出力状態を実現可能か否かについて状態通知信号(放電停止信号Ss)に基づいて判定し、判定結果に応じて放電許可信号DSを出力することで、識別子情報IDに応じた電圧出力状態が実現可能であることを電動機器に対して通知できる。
次に、制御部31は、識別子情報IDに基づく電圧出力状態の判断が不可能な場合(S130,S150でそれぞれ否定判定した場合)、または、状態通知信号(放電停止信号Ss)に基づいて第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35のいずれも電圧出力が不可能と判定された場合(S230で否定判定、S430で否定判定、S300で肯定判定、S490で肯定判定のうち少なくとも1つに該当した場合)には、出力コネクタ13に接続された電動機器に対する放電許可信号DSの出力を停止する(あるいは、放電許可信号DSの出力を行わない)ように構成されている。
この電力供給装置10は、外部からの指令に反した不適切な電圧出力状態となることを抑制でき、また、識別子情報IDに応じた電圧出力状態が実現不可能であることを電動機器に対して通知できる。
次に、本実施形態の電力供給システム1は、電力供給装置10と、外部機器側コネクタ(第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21cのいずれか)と、機器接続ケーブル23a,23b,23cと、を備える。電力供給装置10は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35を収容する電池収容本体部10aと、出力コネクタ13と電池収容本体部10aとを接続する出力延長ケーブル15と、を備える。
また、電力供給システム1に備えられる電力供給装置10は、出力延長ケーブル15を介して出力コネクタ13と電池収容本体部10aとが接続される構成のため、出力コネクタ13が電池収容本体部10aに埋設される構成(出力延長ケーブル15を備えていない構成)に比べて、出力コネクタ13または外部機器側コネクタ(第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21cのいずれか)に外力が加えられた際に、出力延長ケーブル15が外力に応じて変形することで、出力コネクタ13と外部機器側コネクタとの接続が外れる方向に外力が加わりやすくなる。このため、外力が加えられた場合には、出力コネクタ13と外部機器側コネクタとが外れることで、電池収容本体部10aに外力が及ぶのを抑制できるとともに、電力供給システム1の使用者の安全性が高まる。
次に、電力供給システム1においては、電力供給装置10の制御部31は外部から取得した識別子情報IDに基づいて出力コネクタ13から出力すべき電圧出力状態を判定している。電力供給装置10の出力コネクタ13は、識別子情報IDを取得するための識別子取得端子13dと、放電許可信号DSを出力するための許可信号出力端子13eと、を備えている。外部機器側コネクタ(第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21c)は、識別子情報IDを出力する識別子出力端子21a3,21b4,21c3と、放電許可信号DSを取得するための許可信号取得端子21a4,21b5,21c4と、を備えている。識別子出力端子21a3,21b4,21c3は、出力コネクタ13との接続時には識別子取得端子13dと接続されるように構成されている。許可信号取得端子21a4,21b5,21c4は、出力コネクタ13との接続時には許可信号出力端子13eと接続されるように構成されている。
このような電力供給システム1は、電力供給装置10と外部機器側コネクタ(第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21c。詳細には、放電アダプタを介して接続された電動機器。)との間で、識別子情報IDおよび放電許可信号DSのやりとりが可能になる。
次に、外部機器側コネクタ(第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21c。)は、識別子情報IDを記憶する情報記憶部20a1,20b1,20c1を備えている。このように、外部機器側コネクタが情報記憶部20a1,20b1,20c1を備えることで、外部機器側コネクタから電力供給装置10に対して、コネクタの種類(あるいは、放電アダプタの種類。さらには、電動機器の種類。)に応じた識別子情報IDを出力することができ、電力供給装置10から外部機器側コネクタに対する電圧出力状態を、コネクタの種類に適した電圧出力状態に設定できる。
次に、電力供給システム1においては、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bの第1外部芯線23b2は、複数出力用コネクタ21bに接続される機器接続ケーブル23bのグランド芯線23b1および第2外部芯線23b3よりも細い芯線(径寸法が小さい芯線)で構成されている。
このように、複数出力用コネクタ21bは、第1電圧用コネクタ21a、第2電圧用コネクタ21cと比べて、端子および芯線の数が多いが、第1外部芯線23b2がグランド芯線23b1および第2外部芯線23b3よりも細い芯線で構成されている。このため、複数出力用コネクタ21bは、第1外部芯線23b2がグランド芯線23b1および第2外部芯線と23b3同等の太さの芯線で構成された場合に比べて、複数の芯線の合計断面積を縮小できるため、複数の芯線全体としての柔軟性を向上できる。これにより、複数出力用コネクタ21bは、第1電圧用コネクタ21aおよび第2電圧用コネクタ21cと比べて、接続される機器接続ケーブル23bにおける複数の芯線全体の柔軟性が大幅に低下するのを抑制でき、複数の芯線のとりまわし作業の負担増加を抑制できる。
また、このような構成を採ることで、出力コネクタ13と電池収容本体部10aとの間の出力延長ケーブル15の断面積(換言すれば、太さ)に比べて、外部機器側コネクタと外部機器(電動機器)との間の機器接続ケーブル23a,23b,23cの断面積を、小さく設定できる。これにより、機器接続ケーブル23a,23b,23cの柔軟性が高くなり、外部機器の取り回し作業時の負担を軽減できる。
なお、複数の芯線は、単一の被覆部材により束ねられた状態で機器接続ケーブルとして備えられている。
次に、電力供給装置10は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35を収容する電池収容本体部10aと、出力コネクタ13と電池収容本体部10aとを接続する出力延長ケーブル15と、を備えている。
このように、電池収容本体部10aに対して出力コネクタ13が出力延長ケーブル15を介して接続されることで、電池収容本体部10aに対する出力コネクタ13の相対位置を変更することができ、出力コネクタ13のみを移動させることができるため、様々な使用環境に対応することができる。
[1−6.文言の対応関係]
ここで、本実施形態における文言の対応関係について説明する。
電力供給システム1が電力供給システムの一例に相当し、電力供給装置10が電力供給装置の一例に相当し、第1電圧用コネクタ21a,複数出力用コネクタ21b,第2電圧用コネクタ21cがそれぞれ外部機器側コネクタの一例に相当し、機器接続ケーブル23a,23b,23cがそれぞれ機器接続ケーブルの一例に相当する。
第1パック並列接続部33が第1パック並列接続部の一例に相当し、第2パック並列接続部35が第2パック並列接続部の一例に相当する。複数のパック接続部33a1〜33a4,35a1〜35a4が複数のパック接続部の一例に相当し、複数の電池パック33c1〜33c4,35c1〜35c4が複数の電池パックの一例に相当し、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4,35b1〜35b4が複数の個別スイッチ部の一例に相当する。出力コネクタ13が出力部の一例に相当し、出力電圧スイッチ部37が出力電圧スイッチ部の一例に相当し、制御部31が制御部の一例に相当する。
放電停止信号Ssが状態通知信号の一例に相当し、放電許可信号DSが放電許可信号の一例に相当する。
[2.第2実施形態]
次に、第2実施形態として、3個のパック並列接続部を備える第2電力供給装置110について説明する。
図11〜図14に示すように、第2電力供給装置110は、第2電力供給システム101の一部を構成することができる。第2電力供給システム101は、第2電力供給装置110と、第2放電アダプタ120と、を備える。
[2−1.第2電力供給装置]
第2電力供給装置110は、第1実施形態の電力供給装置10と同様に、電池収容本体部と、背負いベルトと、出力コネクタと、出力延長ケーブルと、を備えており、外観は電力供給装置10と同様であるため、図示および説明を省略する。
第2電力供給装置110は、図11に示すように、第2電池収容本体部110aと、第2出力コネクタ113と、第2出力延長ケーブル115と、を備える。
第2出力コネクタ113は、グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b、第2正極出力端子113c、第3正極出力端子113d、識別子取得端子113e、許可信号出力端子113fを備えて構成されている。
グランド出力端子113aは、出力電圧の基準電位(=0V)となる端子である。第1正極出力端子113bは、出力電圧として18Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。第2正極出力端子113cは、出力電圧として36Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。第3正極出力端子113dは、出力電圧として54Vを出力する際、または、複数の18Vを出力する際に用いられる端子である。識別子取得端子113eは、外部から識別子情報IDを取得するための端子である。許可信号出力端子113fは、外部に対して放電許可信号DSを出力するための端子である。
第2出力延長ケーブル115は、第2出力コネクタ113と第2電池収容本体部110aとを電気的に接続するケーブルである。第2出力延長ケーブル115は、複数の芯線を備えている。第2出力延長ケーブル115は、複数の電圧出力用芯線115a,115b,115c,115dと、複数の信号用芯線115e,115fと、を備える。複数の電圧出力用芯線115a,115b,115c,115dは、それぞれ、グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b、第2正極出力端子113c、第3正極出力端子113dに接続される。複数の信号用芯線115e,115fは、それぞれ、識別子取得端子113e、許可信号出力端子113fに接続される。
第2電池収容本体部110aは、図11に示すように、制御部31と、第1パック並列接続部33と、第2パック並列接続部35と、第3パック並列接続部39と、第2出力電圧スイッチ部137と、を備えて構成されている。
制御部31は、第2電池収容本体部110aにおける各種制御処理を実行する。制御部31は、例えば、第2出力コネクタ113から出力する電圧を制御する出力電圧制御処理や、第2電池収容本体部110aの各部の異常を検出する異常検出処理などを行う。制御部31は、CPU31a(演算部31a)、メモリ31b(記憶部31b)などを有する。制御部31が有する機能は、主に、CPU31aがメモリ31bに記憶されている各種プログラムを実行することにより実現される。
第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35は、第1実施形態と同様の構成であるため、説明を省略する。第3パック並列接続部39は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35と同様に、複数(本実施形態では、4個)のパック接続部と、複数(本実施形態では、4個)の個別スイッチ部と、を備えるとともに、複数のパック接続部のそれぞれに対して電池パックが着脱可能に接続されるように構成されている。第3パック並列接続部39は、第1パック並列接続部33および第2パック並列接続部35と同様の構成であるため、詳細説明は省略する。
次に、第2出力電圧スイッチ部137は、第1スイッチ部SW1、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3、第4スイッチ部SW4、第5スイッチ部SW5、第6スイッチ部SW6を備えている。第2出力電圧スイッチ部137は、第2パック並列接続部35と第2出力コネクタ113(詳細には、グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b、第2正極出力端子113c、第3正極出力端子113d)との電気的接続状態、および第3パック並列接続部39と第2出力コネクタ113との電気的接続状態、を切り替えるように構成されている。
第2出力コネクタ113において、グランド出力端子113aは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第1スイッチ部SW1、第4スイッチ部SW4)を介して第2パック並列接続部35および第3パック並列接続部39に接続されている。第1正極出力端子113bは、第1パック並列接続部33に直接接続されるとともに、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第2スイッチ部SW2、第3スイッチ部SW3、第6スイッチ部SW6)を介して第2パック並列接続部35および第3パック並列接続部39に接続されている。第2正極出力端子113cは、第2パック並列接続部35に直接接続されるとともに、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第5スイッチ部SW5)を介して第3パック並列接続部39に接続されている。第3正極出力端子113dは、第3パック並列接続部39に直接接続されている。
グランド出力端子113aは、第1パック並列接続部33との接続については、複数のパック接続部33a1〜33a4を介して複数の電池パック33c1〜33c4の負極端子−に電気的に接続されている。グランド出力端子113aは、第2パック並列接続部35との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第1スイッチ部SW1)を介するとともに、複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の負極端子−に電気的に接続されている。グランド出力端子113aは、第3パック並列接続部39との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第4スイッチ部SW4)を介するとともに、複数のパック接続部(図示省略)を介して複数の電池パック(図示省略)の負極端子−に電気的に接続されている。
第1正極出力端子113bは、第1パック並列接続部33との接続については、複数の個別スイッチ部33b1〜33b4および複数のパック接続部33a1〜33a4を介して複数の電池パック33c1〜33c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。第1正極出力端子113bは、第2パック並列接続部35との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第2スイッチ部SW2)を介するとともに、複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の負極端子−に電気的に接続可能に構成されている。さらに、第1正極出力端子113bは、第2パック並列接続部35との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第3スイッチ部SW3)を介するとともに、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4および複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。さらに、第1正極出力端子113bは、第3パック並列接続部39との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第6スイッチ部SW6)を介するとともに、複数の個別スイッチ部(図示省略)および複数のパック接続部(図示省略)を介して複数の電池パック(図示省略)の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
第2正極出力端子113cは、第2パック並列接続部35との接続については、複数の個別スイッチ部35b1〜35b4および複数のパック接続部35a1〜35a4を介して複数の電池パック35c1〜35c4の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。第2正極出力端子113cは、第3パック並列接続部39との接続については、第2出力電圧スイッチ部137(詳細には、第5スイッチ部SW5)を介するとともに、複数のパック接続部(図示省略)を介して複数の電池パック(図示省略)の負極端子−に電気的に接続可能に構成されている。
第3正極出力端子113dは、第3パック並列接続部39との接続については、複数の個別スイッチ部(図示省略)および複数のパック接続部(図示省略)を介して複数の電池パック(図示省略)の正極端子+に電気的に接続可能に構成されている。
つまり、第2出力電圧スイッチ部137は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の正極端子の接続状態を、第2正極出力端子113cのみに接続される状態、および少なくとも第1正極出力端子113bに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。なお、本実施形態の第2出力電圧スイッチ部137は、「少なくとも第1正極出力端子113bに接続される状態」として「第1正極出力端子113bおよび第2正極出力端子113cに接続される状態」を実現可能に構成されている。また、第2出力電圧スイッチ部137は、第2パック並列接続部35に接続された電池パック35c1〜35c4の負極端子の接続状態を、第1正極出力端子113bに接続される状態、およびグランド出力端子113aに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。
さらに、第2出力電圧スイッチ部137は、第3パック並列接続部39に接続された複数の電池パックの正極端子の接続状態を、第3正極出力端子113dのみに接続される状態、および少なくとも第1正極出力端子113bに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。なお、本実施形態の第2出力電圧スイッチ部137は、「少なくとも第1正極出力端子113bに接続される状態」として「第1正極出力端子113bおよび第3正極出力端子113dに接続される状態」を実現可能に構成されている。また、第2出力電圧スイッチ部137は、第3パック並列接続部39に接続された複数の電池パックの負極端子の接続状態を、第2正極出力端子113cに接続される状態、およびグランド出力端子113aに接続される状態のうち、いずれかに切り替えるように構成されている。
また、第1パック並列接続部33は、複数の電池パック33c1〜33c4の正極端子を第1正極出力端子113bに接続するとともに、複数の電池パック33c1〜33c4の負極端子をグランド出力端子113aに接続するように構成されている。
[2−2.第2放電アダプタ]
第2放電アダプタ120は、電動機器に対する電圧出力状態が異なる複数種類の放電アダプタを備えている。図12,図13,図14に示すように、第2放電アダプタ120は、第3電圧用アダプタ120aと、複数出力用アダプタ120bと、第1電圧用アダプタ120cと、を備える。
第3電圧用アダプタ120aは、電動機器に対して54Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧を3倍した電圧)を1系統出力するように構成されている。複数出力用アダプタ120bは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を3系統出力するように構成されている。第1電圧用アダプタ120cは、電動機器に対して18Vの電圧(1個の電池パックの定格電圧)を1系統出力するように構成されている。
[2−2−1.第3電圧用アダプタ]
図12に示すように、第3電圧用アダプタ120aは、電圧54Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧54Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第3電圧用アダプタ120aは、第3電圧用コネクタ121aと、機器接続ケーブル123aと、機器側ユニット125aと、を備える。機器側ユニット125aは、第4電動機器40dに着脱可能に構成されている。
第3電圧用コネクタ121aは、グランド外部端子121a1と、第3外部端子121a2と、識別子出力端子121a3と、許可信号取得端子121a4と、を備える。グランド外部端子121a1は、グランド出力端子113aに接続可能に構成されている。第3外部端子121a2は、第3正極出力端子113dに接続可能に構成されている。識別子出力端子121a3は、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。許可信号取得端子121a4は、許可信号出力端子113fに接続可能に構成されている。
第3電圧用コネクタ121aは、情報記憶部120a1を備えている。情報記憶部120a1は、識別子出力端子121a3を介して、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。情報記憶部120a1は、第3電圧用アダプタ120aに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部120a1は、第3電圧用アダプタ120aに対応した識別子情報として、第3識別子情報ID3を記憶している。第3識別子情報ID3は、グランド出力端子113aと第3正極出力端子113dとを用いて54Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
制御部31は、第3電圧用コネクタ121aから情報記憶部120a1の第3識別子情報ID3を取得すると、第3識別子情報ID3に基づいて、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。制御部31は、例えば、図12に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3、第4スイッチ部SW4、第6スイッチ部SW6が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2、第5スイッチ部SW5が通電状態(ON状態)となるように、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33、第2パック並列接続部35、第3パック並列接続部39のそれぞれにおいて、接続された複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、第2電力供給装置110は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうちいずれか1つ、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4のうちいずれか1つ、および第3パック並列接続部39に接続された複数の電池パックのうちいずれか1つを用いて(換言すれば、3個の電池パックを用いて)、第2出力コネクタ113から54Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図12では、第2電力供給装置110については、第2出力コネクタ113の概略構成および第2電池収容本体部110aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
機器接続ケーブル123aは、第3電圧用コネクタ121aに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット125aを介して間接的に第4電動機器40dに接続される構成である。機器接続ケーブル123aは、グランド外部端子121a1に接続されるグランド芯線123a1と、第3外部端子121a2に接続される第3電圧芯線123a2と、許可信号取得端子121a4に接続される許可信号芯線123a3と、を備えている。
機器側ユニット125aは、第4電動機器40dのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット125aは、グランド機器端子125a1と、第3機器端子125a2と、許可信号機器端子125a3と、を備える。
グランド芯線123a1は、第3電圧用コネクタ121aのグランド外部端子121a1と機器側ユニット125aのグランド機器端子125a1とを電気的に接続する。第3電圧芯線123a2は、第3電圧用コネクタ121aの第3外部端子121a2と機器側ユニット125aの第3機器端子125a2とを電気的に接続する。許可信号芯線123a3は、第3電圧用コネクタ121aの許可信号取得端子121a4と機器側ユニット125aの許可信号機器端子125a3とを電気的に接続する。
第4電動機器40dは、54Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第4電動機器40dは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
なお、第4電動機器40dのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49は、第1電動機器40aのバッテリ装着部43、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49と比べて、駆動電圧が異なる点(18V駆動ではなく54V駆動)を除いて、ほぼ同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
[2−2−2.複数出力用アダプタ]
図13に示すように、複数出力用アダプタ120bは、電圧18Vの出力系統を3個備えており、3系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。複数出力用アダプタ120bは、複数出力用コネクタ121bと、機器接続ケーブル123bと、機器側ユニット125bと、を備える。機器側ユニット125bは、第1機器側ユニット125b1と、第2機器側ユニット125b2と、第3機器側ユニット125b3と、を備える。機器側ユニット125bは、第5電動機器40eに着脱可能に構成されている。
複数出力用コネクタ121bは、グランド外部端子121b1と、第1外部端子121b2と、第2外部端子21b3と、第3外部端子121b4と、識別子出力端子121b5と、許可信号取得端子121b6と、を備える。グランド外部端子121b1は、グランド出力端子113aに接続可能に構成されている。第1外部端子121b2は、第1正極出力端子113bに接続可能に構成されている。第2外部端子121b3は、第2正極出力端子113cに接続可能に構成されている。第3外部端子121b4は、第3正極出力端子113dに接続可能に構成されている。識別子出力端子121b5は、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。許可信号取得端子121b6は、許可信号出力端子113fに接続可能に構成されている。
複数出力用コネクタ121bは、情報記憶部120b1を備えている。情報記憶部120b1は、識別子出力端子121b5を介して、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。情報記憶部120b1は、複数出力用アダプタ120bに対応した識別子情報を記憶している。情報記憶部120b1は、複数出力用アダプタ120bに対応した識別子情報として、第3識別子情報ID3を記憶している。第3識別子情報ID3は、電圧18Vの出力系統を3個備える電圧出力状態を表す識別子情報である。この電圧出力状態は、具体的には、グランド出力端子113aと第1正極出力端子113bとを用いて18Vの出力電圧(第1系統)を出力し、第1正極出力端子113bと第2正極出力端子113cを用いて18Vの出力電圧(第2系統)を出力し、第2正極出力端子113cと第3正極出力端子113dを用いて18Vの出力電圧(第3系統)を出力する電圧出力状態である。
なお、本実施形態では、複数出力用コネクタ121bの情報記憶部120b1が記憶する識別子情報IDと、第3電圧用コネクタ121aの情報記憶部120a1が記憶する識別子情報IDは、同一の第3識別子情報ID3である。複数出力用アダプタ120bおよび第3電圧用アダプタ120aは、第2電力供給装置110から受電する際の電圧出力状態が同一の電圧出力状態となるためである。もし、複数出力用アダプタ120bおよび第3電圧用アダプタ120aについて、第2電力供給装置110から受電する際の電圧出力状態が互いに異なる電圧出力状態となる場合には、それぞれ異なる識別子情報を情報記憶部に記憶するとよい。
制御部31は、複数出力用コネクタ121bから情報記憶部120b1の第3識別子情報ID3を取得すると、第3識別子情報ID3に基づいて、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。制御部31は、例えば、図13に示すように、第1スイッチ部SW1、第3スイッチ部SW3、第4スイッチ部SW4、第6スイッチ部SW6が遮断状態(OFF状態)、第2スイッチ部SW2、第5スイッチ部SW5が通電状態(ON状態)となるように、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33、第2パック並列接続部35、第3パック並列接続部39のそれぞれにおいて、接続された複数の電池パックのうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、第2電力供給装置110は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうちいずれか1つ、第2パック並列接続部35に接続された複数の電池パック35c1〜35c4のうちいずれか1つ、および第3パック並列接続部39に接続された複数の電池パックのうちいずれか1つを用いて(換言すれば、3個の電池パックを用いて)、第2出力コネクタ113から18Vの電圧を3系統出力可能な状態となる。なお、図13では、第2電力供給装置110については、第2出力コネクタ113の概略構成および第2電池収容本体部110aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
機器接続ケーブル123bは、複数出力用コネクタ121bに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット125b(第1機器側ユニット125b1、第2機器側ユニット125b2、第3機器側ユニット125b3)を介して間接的に第5電動機器40eに接続される構成である。機器接続ケーブル123bは、複数出力用コネクタ121bと第1機器側ユニット125b1との間、複数出力用コネクタ121bと第2機器側ユニット125b2との間、複数出力用コネクタ121bと第3機器側ユニット125b3との間、のそれぞれに設けられる。機器接続ケーブル123bは、グランド外部端子121b1に接続されるグランド芯線123b1と、第1外部端子121b2に接続される第1外部芯線123b2と、第2外部端子121b3に接続される第2外部芯線123b3と、第3外部端子121b4に接続される第3外部芯線123b4と、許可信号取得端子121b6に接続される許可信号芯線123b5と、を備えている。
第1機器側ユニット125b1、第2機器側ユニット125b2、第3機器側ユニット125b3は、それぞれ第5電動機器40eの第1バッテリ装着部43、第2バッテリ装着部44、第3バッテリ装着部46に着脱可能に構成されている。第1機器側ユニット125b1は、グランド機器端子125b11と、第1機器端子125b12と、許可信号機器端子125b13と、を備える。第2機器側ユニット125b2は、グランド機器端子125b21と、第1機器端子125b22と、許可信号機器端子125b23と、を備える。第3機器側ユニット125b3は、グランド機器端子125b31と、第1機器端子125b32と、許可信号機器端子125b33と、を備える。
グランド芯線123b1は、複数出力用コネクタ121bのグランド外部端子121b1と第3機器側ユニット125b3のグランド機器端子125b31とを電気的に接続する。第1外部芯線123b2は、複数出力用コネクタ121bの第1外部端子121b2と第3機器側ユニット125b3の第1機器端子125b32とを電気的に接続する。第2外部芯線123b3は、複数出力用コネクタ121bの第2外部端子121b3と第2機器側ユニット125b2の第1機器端子125b22とを電気的に接続する。第3外部芯線123b4は、複数出力用コネクタ121bの第3外部端子121b4と第1機器側ユニット125b1の第1機器端子125b12とを電気的に接続する。許可信号芯線123b5は、複数出力用コネクタ121bの許可信号取得端子121b6と第1機器側ユニット125b1の許可信号機器端子125b13とを電気的に接続する。
なお、複数出力用コネクタ121bに接続される機器接続ケーブル123bの第1外部芯線123b2および第2外部芯線123b3は、複数出力用コネクタ121bに接続される機器接続ケーブル123bのグランド芯線123b1および第3外部芯線123b4よりも細い芯線(径寸法が小さい芯線)で構成されている。
また、第1機器側ユニット125b1のグランド機器端子125b11、第2機器側ユニット125b2のグランド機器端子125b21は、いずれも、機器接続ケーブル123bのうちいずれの芯線にも接続されていない。さらに、第2機器側ユニット125b2および第3機器側ユニット125b3は、それぞれ、ダミー許可信号記憶部125b24およびダミー許可信号記憶部125b34を備える。ダミー許可信号記憶部125b24は、許可信号機器端子125b23に接続されており、許可信号機器端子125b23を介して、第5電動機器40eに対してダミー許可信号DSを出力する。ダミー許可信号記憶部125b34は、許可信号機器端子125b33に接続されており、許可信号機器端子125b33を介して、第5電動機器40eに対して常に放電許可信号を出力するようにダミー許可信号DSを出力する。
第5電動機器40eは、18Vの電圧が3系統供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第5電動機器40eは、第1バッテリ装着部43と、第2バッテリ装着部44と、第3バッテリ装着部46と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。
なお、第5電動機器40eは、第2電動機器40bと比べて、少なくとも第3バッテリ装着部46を備えている点が異なるが、バッテリ装着部43、第1バッテリ装着部43、第2バッテリ装着部44、モータ45、モータ制御部47、駆動用スイッチ49を備える点では共通しており、ほぼ同様の構成であるため、詳細説明を省略する。
なお、第3バッテリ装着部46は、グランド端子46aと、第1機器電圧端子46bと、許可信号受信端子46cと、を備える。グランド端子46aは、グランド機器端子125b31に接続可能に構成されている。第1機器電圧端子46bは、第1機器端子125b32に接続可能に構成されている。許可信号受信端子46cは、許可信号機器端子125b33に接続可能に構成されている。
[2−2−3.第1電圧用アダプタ]
図14に示すように、第1電圧用アダプタ120cは、電圧18Vの出力系統を1個備えており、1系統の電圧18Vを電動機器に出力するためのアダプタである。第1電圧用アダプタ120cは、第1電圧用コネクタ121cと、機器接続ケーブル123cと、機器側ユニット125cと、を備える。機器側ユニット125cは、第6電動機器40fに着脱可能に構成されている。
第1電圧用コネクタ121cは、グランド外部端子121c1と、第1外部端子121c2と、識別子出力端子121c3と、許可信号取得端子121c4と、を備える。グランド外部端子121c1は、グランド出力端子113aに接続可能に構成されている。第1外部端子121c2は、第1正極出力端子113bに接続可能に構成されている。識別子出力端子121c3は、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。許可信号取得端子121c4は、許可信号出力端子113fに接続可能に構成されている。
第1電圧用コネクタ121cは、情報記憶部120c1を備えている。情報記憶部120c1は、識別子出力端子121c3を介して、識別子取得端子113eに接続可能に構成されている。情報記憶部120c1は、第1電圧用アダプタ120cに対応した識別子情報を記憶している。なお、識別子情報は、第2出力コネクタ113から出力すべき電圧出力状態を表す情報である。情報記憶部120c1は、第1電圧用アダプタ120cに対応した識別子情報として、第1識別子情報ID1を記憶している。第1識別子情報ID1は、グランド出力端子113aと第1正極出力端子113bとを用いて18Vの電圧を出力する電圧出力状態を表す識別子情報である。
制御部31は、第1電圧用コネクタ121cから情報記憶部120c1の第1識別子情報ID1を取得すると、第1識別子情報ID1に基づいて、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。制御部31は、例えば、図14に示すように、第1スイッチ部SW1から第6スイッチ部SW6が全て遮断状態(OFF状態)となるように、第2出力電圧スイッチ部137の状態を制御する。また、このとき、制御部31は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4のうち、出力電圧が最も高い電池パックに対応する個別スイッチ部(複数の個別スイッチ部33b1〜33b4のうち1つ)を通電状態(ON状態)に設定するとともに、そのほかの電池パックに対応する個別スイッチを遮断状態(OFF状態)に設定する。さらに、このとき、制御部31は、第2パック並列接続部35および第3パック並列接続部39のそれぞれについて、複数の個別スイッチ部の全てを遮断状態(OFF状態)に設定する。
これにより、第2電力供給装置110は、第1パック並列接続部33に接続された複数の電池パック33c1〜33c4を用いて、第2出力コネクタ113から18Vの電圧を出力可能な状態となる。なお、図14では、第2電力供給装置110については、第2出力コネクタ113の概略構成および第2電池収容本体部110aにおける各スイッチ部の状態を表しており、他の構成については図示を省略している。
機器接続ケーブル123cは、第1電圧用コネクタ121cに電気的に接続されるとともに、機器側ユニット125cを介して間接的に第6電動機器40fに接続される構成である。機器接続ケーブル123cは、グランド外部端子121c1に接続されるグランド芯線123c1と、第1外部端子121c2に接続される第1電圧芯線123c2と、許可信号取得端子121c4に接続される許可信号芯線123c3と、を備えている。
機器側ユニット125cは、第6電動機器40fのバッテリ装着部43に着脱可能に構成されている。機器側ユニット125cは、グランド機器端子125c1と、第1機器端子125c2と、許可信号機器端子125c3と、を備える。
グランド芯線123c1は、第1電圧用コネクタ121cのグランド外部端子121c1と機器側ユニット125cのグランド機器端子125c1とを電気的に接続する。第1電圧芯線123c2は、第1電圧用コネクタ121cの第1外部端子121c2と機器側ユニット125cの第1機器端子125c2とを電気的に接続する。許可信号芯線123c3は、第1電圧用コネクタ121cの許可信号取得端子121c4と機器側ユニット125cの許可信号機器端子125c3とを電気的に接続する。
第6電動機器40fは、18Vの電圧が供給されることで駆動可能に構成された電動機器である。第6電動機器40fは、バッテリ装着部43と、モータ45と、モータ制御部47と、駆動用スイッチ49と、を備える。第6電動機器40fは、第1電動機器40aと同一構成であるため、詳細説明は省略する。
なお、第2電力供給装置110は、第1電圧用アダプタ120cが接続された場合において、第1パック並列接続部33に接続された全ての電池パックが電圧出力不可能な状態である場合には、第2パック並列接続部35に接続された電池パック、または第3パック並列接続部39に接続された電池パックを用いて電圧出力するように、第2出力電圧スイッチ部137を制御しても良い。
[2−3.出力電圧制御]
第2電力供給装置110は、第1実施形態の電力供給装置10と同様に、制御部31が出力電圧制御処理などの各種制御処理を実行する。
第2電力供給装置110の制御部31が実行する出力電圧制御処理は、第1実施形態と比べて細部では異なるが、第2出力コネクタ113に接続された第2放電アダプタ120から識別子情報IDを取得し、その識別子情報IDに応じた電圧出力状態で第2出力コネクタ113から電圧出力する処理という点では共通している。よって、ここでは、第2実施形態の出力電圧制御処理に関する説明は省略する。
なお、第2電力供給装置110は、出力電圧制御処理を実行することで、接続された第2放電アダプタ120(第3電圧用アダプタ120a、複数出力用アダプタ120b、第1電圧用アダプタ120c)の種類を判別して、第2放電アダプタ120の種類に応じた電圧出力状態で第2出力コネクタ113から電圧出力を行う。
[2−4.効果]
以上説明したように、第2電力供給システム101に備えられる第2電力供給装置110は、3個のパック並列接続部33,35,39を備えており、電池パックの出力電圧の3倍の電圧(54V)を出力可能に構成されるとともに、電池パックの定格電圧(18V)を3系統出力可能に構成されている。
第2電力供給装置110は、複数(6個以上)のパック接続部に接続された複数の電池パックを用いて出力コネクタ13から電圧出力するにあたり、複数の電池パックを3個のパック並列接続部33,35,39に応じて3つのグループに分類している。第2電力供給装置110は、複数の電池パックを3つのグループに分類した上で、第1パック並列接続部33と第2出力コネクタ113(グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b)との接続状態を固定状態としつつ、第2パック並列接続部35と第2出力コネクタ113(グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b、第2正極出力端子113c)との接続状態、および第3パック並列接続部39と第2出力コネクタ113(グランド出力端子113a、第1正極出力端子113b、第2正極出力端子113c、第3正極出力端子113d)との接続状態、を切り替えるように構成されている。
このような構成は、複数(6個以上)の電池パックと出力部(第2出力コネクタ)との接続状態を様々なパターンに切り替える構成に比べて、接続状態のパターンを減らすことができるため、第2出力電圧スイッチ部137の構成を簡略化できる。これにより、第2電力供給装置110は、第2出力電圧スイッチ部137のコスト増加を抑制できる。
そして、制御部31が、第2出力コネクタ113から出力すべき電圧出力状態を判定して、判定結果に基づき第2出力電圧スイッチ部137を制御することで、複数の電圧出力状態を切り替えることができ、用途に応じた適切な電圧出力状態を実現できる。
よって、第2電力供給装置110によれば、複数の電圧出力状態を切り替えるにあたり、装置の構成を簡略化することができ、コスト増加を抑制できる。
[3.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
(3a)上記実施形態では、1つのパック並列接続部に備えられるパック接続部の個数(換言すれば、電池パックの個数)が4個の形態について説明したが、パック接続部の個数は4個に限られることはなく、2個以上であれば任意の値を採ることができる。
また、上記実施形態では、複数のパック並列接続部がそれぞれ備えるパック接続部の個数が同一となる形態について説明したが、複数のパック並列接続部がそれぞれ異なる個数のパック接続部を備える構成であっても良い。
(3b)本開示の電力供給装置は、装着される電池パックの定格出力電圧は18Vに限られることはなく、定格出力電圧が18V以外の電池パックが装着される構成であっても良い。
(3c)出力部(出力コネクタ)に接続される外部機器側コネクタは、機器側ユニットを介して間接的に電動機器に接続される構成に限られることはなく、電動機器に直接接続される形態であってもよい。
(3d)電動機器は、例えば、電動ハンマ、電動ハンマドリル、電動ドリル、電動ドライバ、電動レンチ、電動レシプロソー、電動ジグソー、電動カッター、電動チェンソー、電動カンナ、電動鋲打ち機、電動釘打ち機、電動ヘッジトリマ、電動芝刈り機、電動芝生バリカン、電動刈払機、電動クリーナ、電動ブロア、グラインダ等であってもよい。
(3e)本開示の電力供給装置においては、出力部から電圧出力するときのグランド出力端子、第1正極出力端子、第2正極出力端子のそれぞれの電位は、予め定められた範囲内の電位であってもよい。
出力部における各端子の電位を予め定められた範囲内に設定することで、出力部に接続された電動機器に対して不適切な電圧が印加されることを抑制できる。つまり、各端子の電位が無制限に変更可能な構成の場合、出力電圧値の設定ミスが生じると、出力部に接続された電動機器に対して不適切な電圧(例えば、過大電圧)が印加されて、電動機器が破損する可能性がある。これに対して、この電力供給装置は、出力部に接続された電動機器に対する不適切な電圧印加を抑制できるため、電動機器の破損を抑制できる。
(3f)本開示の電力供給装置は、第1パック並列接続部および第2パック並列接続部を収容する電池収容本体部と、出力部と電池収容本体部とを接続する出力延長ケーブルと、を備えてもよい。
このように、電池収容本体部に対して出力部が出力延長ケーブルを介して接続されることで、電池収容本体部に対する出力部の相対位置を変更することができ、出力コネクタのみを移動させることができるため、様々な使用環境に対応することができる。
また、本開示の電力供給装置は、第1パック並列接続部および第2パック並列接続部を収容する電池収容本体部を備えるとともに、出力部(出力コネクタ)が電池収容本体部と一体に備えられる構成であってもよい。
つまり、電力供給装置の構成としては、上記実施形態のように、出力延長ケーブルを備える構成に限られることはなく、例えば、このように、出力部(出力コネクタ)が電池収容本体部と一体に備えられる構成であってもよい。電池収容本体部に対して出力部が一体に備えられることで、電池収容本体部と出力部とが別体に備えられる構成に比べて、シンプルな構造となり、コスト低減を図ることができる。
(3g)上記第2実施形態では、出力電圧が18Vおよび54Vとなる形態について説明したが、36Vを1系統出力する形態としてもよい。また、複数の系統で電圧出力する形態としては、18Vを3系統出力する形態に限られることはなく、例えば、18Vを1系統と36Vを1系統とを同時に出力する形態としても良い。
(3h)上記実施形態における1つの構成要素が有する機能を複数の構成要素として分散させたり、複数の構成要素が有する機能を1つの構成要素に統合させたりしてもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、同様の機能を有する公知の構成に置き換えてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言のみによって特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。