JP2020060689A - 画像表示装置及び衝撃吸収フィルム - Google Patents

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圭俊 古園
Yoshitoshi Furuzono
圭俊 古園
要一郎 満生
Yoichiro Mansei
要一郎 満生
高橋 宏明
Hiroaki Takahashi
宏明 高橋
今泉 純一
Junichi Imaizumi
純一 今泉
石川 栄作
Eisaku Ishikawa
栄作 石川
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Naoki Takahara
直己 高原
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Abstract

【課題】耐衝撃性に優れる画像表示装置を提供すること。【解決手段】画像表示装置10は、画像表示部材13と、画像表示部材13の片側又は両側に配置された衝撃吸収フィルム11と、を備え、衝撃吸収フィルム11が、支持層と、前記支持層上に設けられた粘着層と、を有し、支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、衝撃吸収フィルムの応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaである。【選択図】図1

Description

本発明は、画像表示装置及び衝撃吸収フィルムに関する。
有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)、液晶等の画像表示装置は、画像表示部材、画像表示部材から放出される光の特性を向上させる機能向上部材、画像表示部材を酸素、湿気等から保護するためのバリア部材、これらの部材を固定する固定部材などの複数の部材を積層することによって構成されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2017−120758号公報
近年、画像表示装置の軽量化、薄型化、又はフレキシブル化が検討されている。しかし、このような検討に伴い、各部材の強度は低下する傾向にある。例えば、画像表示装置に対して、外部応力、画像表示装置組立時の圧力等の衝撃が加わると、画像表示部材、バリア部材等が損傷してしまう場合がある。そのため、画像表示装置には、固定部材としても作用し得る衝撃吸収フィルムを導入することが検討されつつある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、衝撃吸収フィルムを用いた耐衝撃性に優れる画像表示装置を提供することを主な目的とする。
本発明の一側面は、画像表示部材と、画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収フィルムと、を備え、衝撃吸収フィルムが、支持層と、支持層上に設けられた粘着層と、を有し、支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、衝撃吸収フィルムの応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaである、画像表示装置を提供する。
衝撃吸収フィルムのヘーズは、5%以下であってよい。衝撃吸収フィルムの支持層の表面タック力は、200mN以下であってよい。
別の側面において、本発明は、支持層と、支持層上に設けられた粘着層と、を有し、支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaであり、画像表示装置に用いられる、衝撃吸収フィルムを提供する。
衝撃吸収フィルムのヘーズは、5%以下であってよい。衝撃吸収フィルムの支持層の表面タック力は、200mN以下であってよい。
本発明はさらに、支持層と、支持層上に設けられた粘着層と、を有し、支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaであるフィルムの、画像表示装置の衝撃吸収フィルムとしての応用又は画像表示装置の衝撃吸収フィルムの製造のための応用に関してもよい。
本発明によれば、衝撃吸収フィルムを用いた耐衝撃性に優れる画像表示装置が提供される。また、本発明によれば、画像表示装置に用いられる衝撃吸収フィルムが提供される。
画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。 支持フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 粘着フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。 (a)は、支持層及び粘着層を有する2層の衝撃吸収フィルムを模式的に示す断面図であり、(b)は、粘着層、支持層、及び粘着層をこの順を有する3層の衝撃吸収フィルムを模式的に示す断面図である。 応力−ひずみ曲線の一例を示すグラフである。 衝撃吸収フィルムの引張応力の算出に用いられる評価装置の一例を模式的に示す断面図である。 (a)は、錘体が被評価体に衝突することによって変形痕が変形痕記録部材に記録される様子を模式的に示す上面図であり、(b)は、(a)のI−I線断面図である。 変形痕が記録された変形痕記録部材を模式的に示す断面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。(メタ)アクリロイルオキシ基、(メタ)アクリロイル等の他の類似表現についても同様である。
本明細書においては、以下、応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率を単に「引張割線弾性率」という場合がある。
本明細書において、ヘーズ(Haze)とは、濁度を表わす値(%)であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Tと、試料中で拡散され散乱した光の透過率Tより、(T/T)×100として求められる。これらはJIS K 7136によって規定されており、市販の濁度計(例えば、日本電色工業株式会社製、商品名「Spectral haze meter SH7000」)によって容易に測定可能である。
[画像表示装置]
一実施形態に係る画像表示装置は、画像表示部材と、画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収フィルムと、を備える。図1は、画像表示装置の一実施形態を模式的に示す断面図である。図1に示す画像表示装置10は、基板12、衝撃吸収フィルム11、画像表示部材13、機能向上部材14、及びバリア部材15をこの順に備える。画像表示装置10は、基板12、画像表示部材13、衝撃吸収フィルム11、機能向上部材14、及びバリア部材15をこの順に備えるものであってもよい。衝撃吸収フィルム11は、基板12の画像表示部材13の反対側、機能向上部材14とバリア部材15との間、又はバリア部材15の機能向上部材14とは反対側のいずれかにさらに配置されていてもよい。
画像表示装置10は、特に制限されないが、液晶装置、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)装置等が挙げられる。画像表示装置10は、有機EL装置であってよい。
基板12は、ガラス基板、金属基板、樹脂基板等であってよい。基板12は、フレキシブル基板であってよく、薄型ガラス基板であってもよい。
画像表示部材13は、一実施形態において、画素電極、有機発光層を含む中間層、及び対向電極をこの順に備える、有機EL発光素子であってよい。画素電極は、反射電極であってよい。対向電極は、透明電極であってよい。中間層は、有機発光層を含み、有機発光層以外に、正孔注入層(HIL)、正孔輸送層(HTL)、電子輸送層(ETL)、電子注入層(EIL)等を含んでいてもよい。
機能向上部材14は、画像表示部材13から放出される光の特性を向上させる機能を有する層であり、有機EL分野で一般的に使用されているものを使用することができる。
バリア部材15は、酸素、湿気等から保護するための封止層であり、有機EL分野で一般的に使用されているものを使用することができる。
[衝撃吸収フィルム]
衝撃吸収フィルム11は、支持層と、支持層上に設けられた粘着層と、を有する。衝撃吸収フィルム11は、このような少なくとも支持層及び粘着層を有することによって、優れた耐衝撃性を有するものとなり得る。衝撃吸収フィルム11は、例えば、支持層を有する支持フィルムと粘着層を有する粘着フィルムとを用いて形成することができる。
図2は、支持フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。図2に示す支持フィルム20は、基材フィルム22と、基材フィルム22の主面上に設けられた支持層21と、支持層21の基材フィルム22とは反対側の面を覆うセパレータ23と、を有する。
支持層21は、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有する。支持層21は、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含む膜であることができる。言い換えると、支持層21は、硬化性組成物の膜を硬化して形成された硬化膜であることができる。
以下、支持層21を形成するために用いることができる硬化性組成物について説明する。一実施形態に係る硬化性組成物は、(A)ラジカル重合性成分として、(A1)多官能ウレタンアクリレートを含む。
(A)ラジカル重合性成分
(A1)多官能ウレタンアクリレート
(A1)成分は、2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基(CH=CR−C(=O)O−、Rは水素原子又はメチル基)及びウレタン基(−NHC(=O)O−)を有するウレタンアクリレートである。(A1)成分は、一般に、ジオールとジイソシアネートとの重縮合反応生成物であるポリウレタン鎖と、ポリウレタン鎖の両末端にそれぞれ結合した(メタ)アクリロイル基と、を有する。(A1)成分は、硬化物の強靭性に寄与するため、硬化性組成物が(A1)成分を含むことによって、強度に優れる衝撃吸収フィルムを得易くなる傾向にある。
(A1)成分は、例えば、ジオールとジイソシアネートとの反応によって末端にイソシアネート基を有するポリウレタン鎖である重縮合反応生成物を生成させる工程と、重縮合反応生成物と水酸基及び(メタ)アクリロイル基を有するアクリルモノマーとの反応によって(A1)成分を生成させることとを含む方法によって、製造することができる。
(A1)成分の原料として用いられ得るジオールとしては、例えば、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。これらのジオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。一般に、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、又はポリカプロラクトンジオールを用いて得られるウレタンアクリレートは、それぞれ、ポリエーテルウレタンアクリレート、ポリカーボネートウレタンアクリレート、ポリエステルウレタンアクリレート、又はカプロラクトンウレタンアクリレートと称されることがある。
例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を重縮合して得られるポリエーテルジオールを用いることによって、硬化物に柔軟性を付与し、より高い衝撃吸収性を得ることができる。また、ポリエステルジオールは、結晶性が高い傾向にあり、例えば、これを用いることによって、剛直な硬化物が得られ易い傾向にある。これらを組み合わせることによって、例えば、柔軟性と剛直性とを併せもつ、非粘着性の強靭な衝撃吸収フィルムを得ることができる。
(A1)成分の原料として用いられ得るジイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加されたトリレンジイソシアネート、水素添加されたキシリレンジイソシアネート、水素添加されたジフェニルメタンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、ビフェニレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。これらのジイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分の原料として用いられ得る、水酸基を有するアクリルモノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの水酸基を有するアクリルモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分は、オキシアルキレン基をさらに有していてもよい。オキシアルキレン基を有する(A1)成分は、例えば、オキシアルキレン基を有するジオール(例えば、ポリエーテルポリオール)を用いる方法によって得ることができる。(A1)成分中のオキシアルキレン基は、下記式(3)で表される2価の基であることができる。
Figure 2020060689
式(3)中、dは2又は3を示し、eは1〜100の整数を示す。eは50以下、20以下、又は10以下であってもよく、2以上又は5以上であってもよい。
(A1)成分の重量平均分子量は、1000〜200000であってよい。(A1)成分の重量平均分子量がこの範囲にあると、柔軟性と剛直性とをより高いレベルで両立できる。同様の観点から、(A1)成分の重量平均分子量は、2000〜100000又は5000〜100000であってもよい。(A1)成分の重量平均分子量が1000以上であると、強靭性が相対的に向上する傾向にある。(A1)成分の重量平均分子量が200000以下であると、柔軟性が相対的に向上する傾向にある。(A1)成分の重量平均分子量は、例えば、ジオールとジイソシアネートとのモル比、それらの分子量等によって調節できる。本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定される、標準ポリスチレン検量線によって換算された値を意味する。
(A1)成分の含有量は、ラジカル重合性成分100質量部に対して、20〜90質量部であってよい。(A1)成分の含有量がこの範囲であると、柔軟性と剛直性とをより高いレベルで両立できる。また、硬化性組成物が、粘着層形成を容易にする適切な粘度を有し易くなる傾向にある。同様の観点から、(A1)成分の含有量は、25〜85質量部又は30〜80質量部であってもよい。
硬化性組成物は、(A1)成分以外のその他のラジカル重合性成分を含んでいてもよい。その他のラジカル重合性成分としては、例えば、(A2)窒素含有単官能アクリルモノマー、(A3)(A1)成分以外の多官能アクリルモノマー、(A4)(A2)成分以外の単官能アクリルモノマー等が挙げられる。
(A2)窒素含有単官能アクリルモノマー
(A2)成分は、1個の(メタ)アクリロイル基(CH=CHR−C(=O)−、Rは水素原子又はメチル基)及び窒素含有基を有するモノマーである。(A2)成分は、オキシアルキレン基をさらに有していてもよい。(A2)成分中のオキシアルキレン基は、上述の式(3)で表される2価の基であることができる。窒素含有基は、下記式(1a)又は(1b)で表される基であってよい。
Figure 2020060689
式(1a)及び式(1b)中、R及びRはそれぞれ独立に、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子からなる1価の基を示し、R及びRはそれぞれ独立に、炭素原子、水素原子、及び酸素原子からなる群より選ばれる少なくとも1種の原子からなる2価の基を示す。
及びRは、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1〜3のアルキル基又は水素原子であってよく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、又はヒドロキシエチル基であってもよい。非粘着性及び剛直性が得られ易く、(A1)成分との相溶性によって硬化膜の透明性が得られ易くなる観点から、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基であってもよい。同様の観点から、R及びRは、窒素原子(N)とともにテトラヒドロ−1,4−オキサジン環を形成していてもよい。
(A2)成分は、下記式(2a)又は(2b)で表される、単官能(メタ)アクリルアミド誘導体であってもよい。式(2a)及び(2b)中、R、R、R、及びRは上記と同義であり、Rは水素原子又はメチル基を示す。
Figure 2020060689
非粘着性及び剛直性の観点から、(A2)成分から形成されるホモポリマーの理論Tgが100℃以上であってよい。(A2)成分の具体例としては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド等が挙げられる。これらの(A2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。他成分との相溶性の観点から、(A2)成分は、N,N−ジメチルアクリルアミド及び/又は(メタ)アクリロイルモルホリンであってもよい。
(A2)成分の含有量は、ラジカル重合性成分100質量部に対して、5〜60質量部であってよい。(A2)成分の含有量がこの範囲であると、非粘着性及び剛直性をより高いレベルで両立できる。また、得られる硬化性組成物が、硬化膜を容易に形成するのに適切な粘度を有し易くなる傾向にある。同様の観点から、(A2)成分の含有量は、10〜60質量部又は15〜55質量部であってもよい。
(A3)(A1)成分以外の多官能アクリルモノマー
(A3)成分は、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有し、かつウレタン基(−NHC(=O)O−)を有しないモノマーである。
(A3)成分の具体例としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ポリグリセリンポリアクリレート;これらをエチレンオキシド変性又はプロピレンオキシド変性したアルキレンオキシド変性多官能(メタ)アクリレート及びこれらをカプロラクトン変性したカプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能アクリルモノマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A3)成分は、オキシアルキレン基をさらに有していてもよい。(A3)成分中のオキシアルキレン基は、上述の式(3)で表される2価の基であることができる。アルキレンオキシド変性多官能(メタ)アクリレートは、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン、ポリグリセリン等の脂肪族アルコールのエチレンオキシド付加物又はプロピレンオキシド付加物のポリ(メタ)アクリレートであってよい。アルキレンオキシド変性多官能(メタ)アクリレートの市販品の例としては、アルケマ株式会社製、製品名「SR9035」、新中村化学株式会社製の「NKエコノマー A−PG5027E」等が挙げられる。
カプロラクトン変性多官能(メタ)アクリレートの市販品の例としては、日本化薬株式会社製、製品名「KAYARAD DPCA−60」等が挙げられる。
(A3)成分の含有量は、ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.5〜15質量部であってよい。(A3)成分の含有量がこの範囲であると、非粘着性及び剛直性をより高いレベルで両立することができる。同様の理由から、(A3)成分の含有量は、1質量部以上又は3質量部以上であってもよく、10質量部以下又は8質量部以下であってもよい。
(A4)(A2)成分以外の単官能アクリルモノマー
(A4)成分は、1個の(メタ)アクリロイル基(CH=CHR−C(=O)−、Rは水素原子又はメチル基)有し、かつ窒素含有基を有しないモノマーである。
(A4)成分としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、α−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、α−ブチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−プロピルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のグリシジル基を有する(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニルメチル(メタ)アクリレート、フェニルノルボルニル(メタ)アクリレート、シアノノルボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、メンチル(メタ)アクリレート、フェンチル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカ−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02.6]デカ−4−メチル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート等の脂環式基を有する(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
(A4)成分の含有量は、ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.5〜50質量部であってよい。(A4)成分の含有量がこの範囲であると、非粘着性及び剛直性をより高いレベルで両立することができる。同様の理由から、(A4)成分の含有量は、3質量部以上又は5質量部以上であってもよく、40質量部以下又は30質量部以下であってもよい。
(A)成分(ラジカル重合性成分)の合計の含有量は、特に制限されないが、70質量%以上、80質量%以上、90質量%以上、95質量%以上、又は99質量%以上であってよい。
(B)光重合開始剤
硬化性組成物は、光ラジカル重合による効率的な硬化のために、(B)光重合開始剤をさらに含有していてもよい。(B)は、活性エネルギー線の照射によってラジカル重合を開始させることが可能な化合物であれば、特に制限されない。活性エネルギー線は、紫外線、電子線、α線、β線、及びγ線を含む。(B)としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイル系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、アシルフォスフィンオキサイド系等が挙げられる。(B)は、分子内水素引き抜き型光重合開始剤であってよい。
(B)の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、N,N,N’,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)、N,N−テトラエチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2−エチルアントラキノン、t−ブチルアントラキノン、1,4−ジメチルアントラキノン、1−クロロアントラキノン、2,3−ジクロロアントラキノン、3−クロル−2−メチルアントラキノン、1,2−ベンゾアントラキノン、2−フェニルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、9,10−フェナントラキノン、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等の芳香族ケトン化合物;ベンゾイン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン化合物;ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル等のベンゾインエーテル化合物;ベンジル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール、及びβ−(アクリジン−9−イル)(メタ)アクリル酸のエステル化合物;9−フェニルアクリジン、9−ピリジルアクリジン、1,7−ジアクリジノヘプタン等のアクリジン化合物、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モリホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、にオリゴ(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−(1−メチルビニル)フェニル)プロパノン)が挙げられる。これらの光重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分の含有量は、ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01〜10質量部、0.1〜6質量、又は0.3〜5質量部であってよい。(B)の含有量がこの範囲であることで、特に良好な光重合性が得られる傾向にある。
その他の成分
硬化性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、帯電防止剤、防汚剤、難燃剤、酸化防止剤、分散剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、界面活性剤、チクソトロピー化剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。硬化性組成物は、光重合開始剤とともに又は光重合開始剤に代えて、熱ラジカル重合開始剤を含有していてもよい。
硬化性組成物の25℃での粘度は、300〜20000mPa・sであってよい。硬化性組成物の25℃での粘度がこの範囲であると、塗工性の点で、より優れた効果が得られる。塗工性が優れると、厚みの調整が容易となり得る。同様の理由から、硬化性組成物の25℃での粘度が500〜15000mPa・s又は800〜10000mPa・sであってもよい。
塗工するための硬化性組成物は、有機溶剤を含有していてもよく、含有していなくてもよい。本実施形態に係る硬化性組成物は、有機溶剤を必要とせずに塗工に適した粘度を有することができる。有機溶剤を使用しないことは、環境対応及び工程短縮の面で有利である。
基材フィルム22は、透明プラスチックフィルムであってよい。基材フィルム22は、プラスチックフィルムを有するものに限られないが、プラスチックフィルムは、硬化性組成物の塗工性及び支持層の平滑性の点で特に有利である。プラスチックフィルムは、延伸プラスチックフィルムであってもよい。これによって、フィルムの巻取り性、加工性の点で、より優れた効果が得られる傾向にある。
基材フィルム22の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、含ノルボルネン樹脂、ポリエーテルスルホン、セロファン、芳香族ポリアミド等;これらの組み合わせを含むフィルムなどが挙げられる。プラスチックフィルムは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリメタクリル酸エステル、ポリカーボネート、又はポリ塩化ビニルのフィルムであってもよい。
基材フィルム22は、支持層21が設けられる側の表面に、帯電防止処理、コロナ処理、プラズマ処理、密着付与性プライマー処理が施されていてもよい。
基材フィルム22は、支持層21が設けられる側の表面に、転写可能な耐擦傷層が設けられていてもよい。耐擦傷層は、耐擦傷性を高めることが可能な層を意味する。基材フィルム22上にこのような転写可能な耐擦傷層を設けることによって、硬化性組成物を硬化させて支持層21を形成するとともに、支持層21上に耐擦傷層を設けることができる。
基材フィルム22の厚みは、特に制限されないが、10μm以上、20μm以上、25μm以上、30μm以上、又は40μm以上であってよく、200μm以下、150μm以下、125μm以下、又は100μm以下であってよい。基材フィルム22の厚みがこの範囲であることで、フィルムの巻取り性、加工性の点で、より優れた効果が得られる。プラスチックフィルムが薄過ぎると、強度が不足し、硬化膜の平坦性が得られ難い傾向にある。プラスチックフィルムが厚過ぎると、柔軟性が低下する傾向がある。
セパレータ23は、特に限定されないが、例えば、ポリエステル樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂等の任意の樹脂を含むプラスチックフィルムなどが挙げられる。セパレータ23の片面又は両面に、離型処理、密着付与処理又は帯電防止処理が施されていてもよい。
セパレータ23の厚みは、特に制限されないが、10〜300μmであってよい。
支持フィルム20を使用する際には、基材フィルム22若しくはセパレータ23のいずれか一方、又は、基材フィルム22及びセパレータ23の両方を剥離し、露出した支持層21を所望の部位に貼り付けて使用することができる。
支持フィルム20は、例えば、基材フィルム22上に硬化性組成物の膜を形成する工程と、光照射によって硬化性組成物を硬化させて、硬化性組成物の硬化物を含む支持層を形成する工程と、を備える方法によって、製造することができる。
硬化性組成物の膜を形成する方法としては、通常の塗工方式又は印刷方式を適用することができる。塗工方式又は印刷方式としては、例えば、リバースコーティング、トランスファロールコーティング、グラビアロールコーティング、キスコーティング、キャストコーティング、スプレーコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、スロットオリフィスコーティング、エアドクターコーティング、バーコーティング、コンマコーティング、ブレードコーティング、ダムコーティング、ダイコーティング等のコーティング、グラビア印刷等の凹版印刷、スクリーン印刷等の孔版印刷などが挙げられる。硬化性組成物の粘度は、必要に応じて、低粘度のラジカル重合成分の配合及び溶剤の添加によって調節することができる。
硬化性組成物を硬化させるための光照射における活性エネルギー線は、紫外線、電子線等であってよい。活性エネルギー線の照射は、窒素雰囲気下で行うこともできる。これによって、硬化性組成物の硬化性が向上する傾向にある。同様の観点から、未硬化の硬化性組成物の膜にセパレータ23を積層してから、基材フィルム22又はセパレータ23を介して、活性エネルギー線を照射してもよい。硬化性組成物が熱ラジカル重合開始剤を含有する場合、加熱により硬化性組成物を硬化させてもよい。溶剤を使用する場合、必要によって溶剤が膜から除去される。光照射の条件は、硬化性組成物の構成成分、作製される支持層の厚み等に合わせて適宜設定してよい。
支持層21の引張割線弾性率は、1〜100MPaであってよい。支持層21の引張割線弾性率は、2MPa以上、2.5MPa以上、又は3MPa以上であってもよく、90MPa以下、80MPa以下、又は75MPa以下であってもよい。なお、本明細書における「引張割線弾性率」は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。
支持層21の引張割線弾性率は、例えば、(A2)成分又は(A3)成分を増やすことによって向上する傾向にあり、(A4)成分を増やすことによって低下する傾向にある。そのため、これら成分の含有量を調整することによって、支持層21の引張割線弾性率を調節することができる。
支持層21の厚みは、特に制限されないが、5〜300μm、10〜200μm、30〜150μmであってよい。支持層21の厚みがこのような範囲にあると、強靭性及び衝撃吸収性をより高いレベルで両立することができる。
支持層21は、透明性が高いことが望ましい。具体的には、支持層21のヘーズ(Haze)は、例えば、5.0%以下、3.0%以下、又は2.0%以下であってよい。
図3は、粘着フィルムの一実施形態を模式的に示す断面図である。図3に示す粘着フィルム30は、基材フィルム32と、基材フィルム32の主面上に設けられた粘着層31と、粘着層31の基材フィルム32とは反対側の面を覆うセパレータ33と、を有する。
粘着層31は、特に制限されず、粘着剤分野で使用される粘着性組成物から形成され得る。粘着層31は、一実施形態として、アクリルポリマー及び架橋剤を含む粘着性組成物の硬化物を含有し得る。粘着層31は、アクリルポリマー及び架橋剤を含む粘着性組成物の硬化物を含む膜であることができる。言い換えると、粘着層31は、粘着性組成物の膜を硬化して形成された硬化膜であることができる。
以下、粘着層31を形成するために用いることができる粘着性組成物について説明する。一実施形態に係る粘着性組成物は、(X)アクリルポリマーと、(Y)架橋剤と、を含有する。
(X)アクリルポリマー
(X)成分は、1個の(メタ)アクリロイル基(CH=CHR−C(=O)−、Rは水素原子又はメチル基)を有するモノマー(アクリルモノマー)を、1種を単独で重合したもの又は2種以上を組み合わせて共重合したものである。(X)成分は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、(メタ)アクリロイル基を分子内に2個以上有する化合物又は(メタ)アクリロイル基を有していない重合性化合物(アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、エチレン、プロピレン等の重合性不飽和結合を分子内に1個有する化合物、ジビニルベンゼン等の重合性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物)を、アクリルモノマーと共重合したものであってよい。
(X)成分の原料として用いられ得るアクリルモノマーとしては、例えば、上述の(A2)成分(窒素含有単官能アクリルモノマー)及び(A4)成分((A2)成分以外の単官能アクリルモノマー)で例示したもの等が挙げられる。
(X)成分は、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位を含んでいてよい。このような構成単位の含有量は、全構成単位の質量を基準として、50〜90質量%又は50〜85質量%であってよい。このような構成単位の含有量がこのような範囲にあると、支持層との密着性が向上する傾向にある。このような構成単位の含有割合のアクリルポリマーは、一般に、各モノマーを上記共重合割合と同じ割合で配合し、共重合させることで得ることができる。モノマーの重合率は、実質的に100質量%とすることが望ましい。
(X)成分は、水酸基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位をさらに含んでいてもよい。このような構成単位の含有量は、構成単位の全質量を基準として、5〜30質量%又は10〜20質量%であってよい。
(X)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて換算した値が、100000〜1500000であってよい。重量平均分子量が100000以上であると、支持層等に対して剥がれの発生しない粘着力を有する粘着層を得ることができ、一方、1500000以下であると、粘着性組成物の粘度が高くなり過ぎず、フィルム状の粘着層を形成する際の加工性が良好になる傾向にある。同様の観点から、(X)成分の重量平均分子量は150000〜1200000であってもよい。
(X)成分の重合方法としては、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の既知の重合方法が挙げられる。
(X)成分を重合する際に用いられ得る重合開始剤としては、例えば、熱によってラジカルを発生する化合物が挙げられる。熱によってラジカルを発生する化合物は、具体的には、過酸化ベンゾイル、ラウロイルパーオキシド等の有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系化合物などが挙げられる。
(Y)架橋剤
(Y)成分の具体例としては、熱架橋剤、光架橋剤等が挙げられる。
熱架橋剤としては、例えば、イソシアネート系、メラミン系、エポキシ系等の熱架橋剤が挙げられる。熱架橋剤は、粘着性組成物中に緩やかに広がった網目状構造を形成し易い観点から、3官能、4官能等の多官能架橋剤であってよい。これらの中でも、熱架橋剤は、イソシアネート系の熱架橋剤であってよく、多官能性ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物であってよい。多官能性ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートの三量体、トチメチロールプロパン等のトリオール、単官能アルコール、ジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物等が挙げられる。
光架橋剤は、特に制限されず、粘着剤分野で通常使用される光架橋剤を用いることできる。
(Y)成分の含有量は、(X)成分全量に対して、0.01〜10質量%であってよく、0.05〜5質量%又は0.1〜3質量%であってもよい。
(X)成分又は(Y)成分のいずれかが活性エネルギー線の照射によって硬化するものである場合、光重合開始剤が必要となる。光重合開始剤としては、例えば、上述の(B)成分で例示したものが挙げられる。
光重合開始剤の含有量は、粘着性組成物の全質量基準として、0.05〜5質量%、0.1〜3質量%、又は0.1〜0.5質量%であってよい。
その他の成分
粘着性組成物は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その他の成分をさらに含有していてもよい。その他の成分としては、例えば、重合禁止剤、酸化防止剤、光安定化剤、シランカップリング剤等の添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工するための粘着性組成物は、有機溶剤を含有していてもよく、含有していなくてもよい。粘着性組成物は、有機溶剤を必要とせずに塗工に適した粘度を有することができる。
基材フィルム32としては、例えば、基材フィルム22で例示したもの等が挙げられる。セパレータ33としては、例えば、セパレータ23で例示したもの等が挙げられる。
粘着フィルム30を使用する際には、基材フィルム32若しくはセパレータ33のいずれか一方、又は、基材フィルム32及びセパレータ33の両方を剥離し、露出した粘着層31を所望の部位に貼り付けて使用することができる。
粘着フィルム30は、例えば、基材フィルム32上に粘着性組成物の膜を形成する工程と、加熱又は光照射によって、粘着性組成物を硬化させて、粘着性組成物の硬化物を含む粘着層を形成する工程と、を備える方法によって、製造することができる。加熱又は光照射の条件は、粘着性組成物の構成成分、作製される支持層の厚み等に合わせて適宜設定してよい。
加熱又は光照射の条件は、粘着性組成物の構成成分、作製される支持層の厚み等に合わせて適宜設定することができる。
粘着層31の引張割線弾性率は、支持層21の引張割線弾性率よりも低くてよい。粘着層31の引張割線弾性率は、1MPa未満であってよく、1〜500kPa、5〜300kPa、又は10〜200kPaであってもよい。
粘着層31の引張割線弾性率は、例えば、(X)成分(特に、炭素数1〜18のアルキル基を有する(メタ)アクリレートに由来する構成単位)を増やす、又は(Y)成分を増やすことによって向上する傾向にある。そのため、これら成分の含有量を調整することによって、粘着層31の引張割線弾性率を調節することができる。
粘着層31の厚みは、特に制限されないが、5〜200μm、10〜150μm、又は30〜100μmであってよい。粘着層31の厚みがこのような範囲にあると、強靭性及び粘着性を両立することができ、得られる衝撃吸収フィルムに高い衝撃吸収性を付与することができる。
支持層21は、透明性が高いことが望ましい。具体的には、支持層21のヘーズは、例えば、例えば、5.0%以下、3.0%以下、又は2.0%以下であってよい。
図4(a)は、支持層及び粘着層を有する2層の衝撃吸収フィルムを模式的に示す断面図であり、図4(b)は、粘着層、支持層、及び粘着層をこの順を有する3層の衝撃吸収フィルムを模式的に示す断面図である。図4(a)に示す2層の衝撃吸収フィルム40は、例えば、上述の支持フィルム20のセパレータ23及び上述の粘着フィルム30のセパレータ33をそれぞれ剥離し、支持フィルム20の支持層21と粘着フィルム30の粘着層31とを貼り合わせる工程を含む方法によって、作製することができる。衝撃吸収フィルムは、図4(b)に示すとおり、3層の衝撃吸収フィルムであってもよい。3層の衝撃吸収フィルム50は、例えば、1枚の上述の支持フィルム20及び2枚の上述の粘着フィルム30を用意し、支持フィルム20の基材フィルム22及びセパレータ23、並びに、2枚の粘着フィルム30のセパレータ33を剥離し、支持フィルム20の支持層21の両面に粘着フィルム30の粘着層31を貼り合わせる工程を含む方法によって、作製することができる。
衝撃吸収フィルムを使用する際には、基材フィルムのいずれか一方又は両方を剥離し、露出した支持層又は粘着層を所望の部位に貼り付けて使用することができる。
衝撃吸収フィルムの厚みは、10〜500μm、20〜350μm、又は60〜250μmであってよい。衝撃吸収フィルムの厚みがこのような範囲にあると、強靭性及び粘着性を両立することができ、ハンドリング性に優れる衝撃吸収フィルムを得易くなる傾向にある。
衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率は、1〜100MPaである。支持層の引張割線弾性率は、通常、粘着層の引張割線弾性率に比べてはるかに高い傾向にあるため、衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率は、支持層の引張割線弾性率が支配的となり、その数値は、支持層の引張割線弾性率とほぼ同等の値をとり得る。衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率は、2MPa以上、2.5MPa以上、又は3MPa以上であってもよく、90MPa以下、85MPa以下、又は80MPa以下であってもよい。衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率がこのような範囲にあると、強靭性及び柔軟性を両立することができる傾向にある。衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率は、上述のとおり、支持層の引張割線弾性率が支配的であることから、主に支持層の引張割線弾性率を調節することによって、調節することができる。
衝撃吸収フィルムのヘーズは、透明性の観点から、5.0%以下であってよい。衝撃吸収フィルムのヘーズは、4.0%以下、3.0%以下、2.0%以下、又は1.5%以下であってもよい。
衝撃吸収フィルムの可視光領域(波長:380nm〜780nm)の光線に対する光透過率は、80%以上、85%以上、又は90%以上であってよい。
衝撃吸収フィルムの支持層21の表面タック力は、200mN以下であってよい。衝撃吸収性フィルムの支持層21の表面タック力がこのような範囲にあると、所望の部位に貼り付けて使用する際に高いハンドリング性を得ることができる傾向にある。衝撃吸収フィルムの支持層21の表面タック力は、180mN以下、150mN以下、又は120mN以下であってもよい。衝撃吸収フィルムの支持層21の表面タック力は、例えば、1mN以上、10mN以上、又は20mN以上であってもよい。なお、本明細書における「支持層の表面タック力」は、実施例に記載の方法によって測定される値を意味する。
本実施形態に係る衝撃吸収フィルムは、画像表示装置に好適に用いられる。本実施形態に係る衝撃吸収フィルムは、画像表示部材の片側又は両側に配置されることによって、画像表示装置の耐衝撃性を高めることができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[支持層の作製]
(硬化性組成物の調製)
各成分を、表1に示す比率で混合し、40℃で1時間撹拌して、製造例1〜7の硬化性組成物を得た。表中の数値は質量部である。
各成分の詳細は以下のとおりである。
<(A)ラジカル重合性化合物>
(A1)成分:多官能ウレタンアクリレート
A1−1:ポリエステルウレタンアクリレート(日立化成株式会社製、製品名:ヒタロイド4864HMG、官能基数:2、重量平均分子量:16000)
A1−2:ウレタンアクリレート(日油株式会社製、製品名:ブレンマーTA−604AU、官能基数:3、分子量:2000)
(A2)成分:窒素含有単官能アクリルモノマー
A2−1:アクリロイルモルホリン(KJケミカルズ株式会社製、製品名:ACMO)
(A3)成分:(A1)成分以外の多官能アクリルモノマー
A3−1:6官能アクリルモノマー(日本化薬株式会社製、製品名:KAYARAD DPCA−60、官能基数:6)
A3−2:3官能アクリルモノマー(アルケマ株式会社製、製品名:SR9035、官能基数:3)
(A4)成分:(A2)成分以外の単官能アクリルモノマー
A4−1:2−エチルヘキシルアクリレート(東亜合成株式会社製、製品名:2EHA)
A4−2:イソボルニルアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名:NKエステルA−IB)
<(B)光重合開始剤>
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(BASF社製、製品名:イルガキュア184)
(A1−1)ポリエステルウレタンアクリレートの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定される、標準ポリスチレン検量線によって換算して得た値である。GPC法の測定条件は以下の通りである。
装置:東ソー株式会社製 HLC−8320GPC(RI検出器内蔵)
検出器:RI(示差屈折計)
溶媒:純正1級THF(テトラヒドロフラン)
ガードカラム:TSK−guardcolumn SuperMP(HZ)−H(1本)
ガードカラムサイズ:4.6mm(ID)×20mm
カラム:東ソー株式会社製 TSK−GELSuperMulitipore HZ−H(3本連結)、カラムサイズ:4.6mm(ID)×150mm
温度:40℃
試料濃度:0.01g/5mL
注入量:10μL
流量:0.35mL/min
Figure 2020060689
(支持フィルムの作製)
得られた各硬化性組成物を、基材フィルムであるポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、製品名:コスモシャインA4300、厚み:75μm)上に適量塗布した。硬化性組成物の塗膜の上から、セパレータである離型処理されたPETフィルム(東レフィルム加工株式会社製、製品名:セラピールBKE、厚み:38μm)を、100μmのスペーサーをPETフィルム同士の間に挟み、硬化性組成物を拡げながら貼り合わせた。コンベア式メタルハライドランプ照射装置を用いて、照度150mW/cm、積算光量1200mJ/cmで塗膜に光照射することによって、硬化性組成物が硬化した硬化膜(支持層)を形成し、支持層を有する製造例1〜7の支持フィルムを得た。支持層の膜厚は100μmであった。
[粘着層の作製]
(共重合体の合成)
冷却管、温度計、撹拌装置、滴下漏斗、及び窒素導入管の付いた反応容器に、初期モノマーとして2−エチルヘキシルアクリレート36.0g、t−ブチルメタクリレート12.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート9.0g、メチルメタクリレート3.0g、酢酸エチル100.0g、及びトルエン20gを加え、100mL/分の風量で窒素置換しながら、15分間で常温(25℃)から80℃まで加熱した。その後、80℃に保ちながら、追加モノマーとして、2−エチルヘキシルアクリレート24.0g、t−ブチルメタクリレート8.0g、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.0g、及びメチルメタクリレート2.0gを添加し、これにラウロイルパーオキシド1.0gを溶解した溶液を準備して60分間かけて滴下し、滴下終了後さらに2時間反応させた。続いて、酢酸エチル13g及びトルエン20gを加え、固形分濃度40%の共重合体(重量平均分子量440000)の溶液を得た。
(粘着性組成物の調製)
得られた共重合体の溶液の固形分100%に対して、熱架橋剤として多官能ヘキサメチレンジイソシアネート系化合物(日本ポリウレタン工業株式会社、製品名:コロネートHL)0.2質量%を秤量し、撹拌混合して粘着性組成物を得た。
(粘着フィルムの作製)
基材フィルムである表面に離型処理したPETフィルムに、上記で得られた粘着性組成物を滴下し、乾燥後の厚みが50μmとなるようにバーコーターを用いて塗工し、100℃で10分間加熱乾燥した。その後、セパレータである塗工面側に離型処理したPETフィルムを被せ、9.8N(1.0kgf)のハンドローラーにて貼り付けることによって、粘着フィルムを作製した。粘着層の膜厚は50μmであった。後述の引張割線弾性率の測定に従って、引張割線弾性率を求めたところ、粘着フィルムの引張割線弾性率は、100kPaであった。
[衝撃吸収フィルムの作製]
(実施例1)
製造例1の支持フィルム及び上記で作製した粘着フィルムのセパレータをそれぞれ剥離し、支持層と粘着層とを1.5kgのハンドローラーによって貼り合わせることによって、PETフィルム、衝撃吸収フィルム(支持層及び粘着層)、並びにPETフィルムが積層された実施例1の衝撃吸収フィルムを得た。
(実施例2〜6及び比較例1)
製造例1の支持フィルムを、製造例2〜7の支持フィルムに変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜6及び比較例1の衝撃吸収フィルムを得た。
(比較例2)
製造例1の支持フィルムを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、製品名:A4300、厚み:100μm)に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の衝撃吸収フィルムを得た。
[評価]
各実施例及び比較例で得られた衝撃吸収フィルムについて、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示す。
<引張割線弾性率の測定>
各支持層(製造例1〜7の支持層及び比較例2で使用したPETフィルム)並びに各衝撃吸収フィルム(実施例1〜6及び比較例1、2の衝撃吸収フィルム)について、応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率を測定した。各支持層及び各衝撃吸収フィルムを、長さ10mm×幅5mmのサイズに切り出して評価サンプルを作製した。評価サンプルをチャック間距離が5mmとなるように挟み込み、引張試験機(株式会社オリエンテック製、製品名:RTC−1210)を用いて、23℃の環境下、引張速度300mm/分で引っ張り、応力−ひずみ曲線を得た。図5は、応力−ひずみ曲線の一例を示すグラフである。引張割線弾性率は下記式(A)に準拠して算出した。なお、粘着層のみを測定する際は、長さ10mm×幅50mmのサイズに切り出して評価サンプルとした。
Esc:引っ張り始めてから1.5mmのひずみを加えた時の引張割線弾性率(MPa[kgf/mm])
ε:規定したひずみ(1.5mm)
Fs:引っ張り始めてから1.5mmのひずみが生じるのに要する荷重(引張荷重)(N[kgf])
A:評価サンプルの引っ張る前の平均断面積(mm
Esc=ε×(Fs/A) (A)
<引張応力の測定>
(評価装置の準備)
実施例1〜6及び比較例1、2の衝撃吸収フィルムについて、衝撃吸収フィルムの引張応力を測定した。図6は、衝撃吸収フィルムの引張応力の算出に用いられる評価装置の一例を模式的に示す断面図である。図6に示す評価装置110は、支持層61及び粘着層62を有する衝撃吸収フィルム60と保護対象部材63とを含む被評価体104を支持するとともに、衝撃が印加されたときに変形痕として記録する変形痕記録部材105と、被評価体104の上方から錘体101を落下させ、被評価体104を介して変形痕記録部材105に衝撃を印加する衝撃印加機構103と、を備える。衝撃印加機構103は、錘体101を被評価体104の所定の位置に落下させるためのガイド102を有していてもよい。評価装置110は、変形痕記録部材105を支持するための支持部材106を備えていてもよい。落下高さHは、被評価体104から錘体101の下部までの高さを意味する。
図7(a)は、錘体が被評価体に衝突することによって変形痕が変形痕記録部材に記録される様子を模式的に示す上面図であり、図7(b)は、図7(a)のI−I線断面図である。図示のとおり、被評価体104の上方から錘体101を落下させ、錘体101を被評価体104に衝突させることによって、被評価体104を介して変形痕記録部材105に衝撃が印加され、変形痕記録部材105上に変形痕105aが記録される。錘体101の形状が、球形、半球状の端部を備えるハンマーヘッド形、又は少なくとも一端が球状である紡錘形である場合、変形痕105aの形状は、通常、球状である。
図8は、変形痕が記録された変形痕記録部材を模式的に示す断面図である。rは、変形痕105aの形状に対応する仮想的な球の半径である。rは、錘体101の半径rよりも大きい。r(mm)は、変形痕5aの直径(最長径)及び深さ(最深部)をそれぞれd(mm)、h(mm)としたとき、下記式(B)によって求められる。
半径r(mm)=d/(8×h)+(h/2) (B)
引張応力は、例えば、図6に示す被評価体104において、衝撃が印加されたときに保護対象部材63に生じる応力である。得られる引張応力が小さいほど、保護対象部材63の受ける衝撃が小さく、衝撃吸収フィルム60の衝撃吸収性が高い傾向にあるといえる。引張応力は、下記式(C)によって求められる。
引張応力(MPa)=α×(0.5×β)/r×1000 (C)
ここで、r(mm)は上記と同義であり、α(GPa)は保護対象部材43のヤング率を示し、β(mm)は保護対象部材43の厚みを示す。
図6に示す評価装置と同様の構成を有する評価装置を用意した。各部材の詳細は以下のとおりである。
錘体:スチール材(形状:球状、質量:50g、半径:11.4mm(直径:22.8mm)、曲率:0.088mm−1
ガイド:アクリルパイプ(内径:23.6mm、長さ:102cm)
変形痕記録部材:純アルミニウム板(縦110mm×横110mm×厚み5mm)
支持部材:鋼材机
保護対象部材:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡株式会社製、製品名:A4100、縦50mm×横50mm、ヤング率α:2.0GPa、厚み:50μm(0.050mm))
実施例1〜6及び比較例1、2の衝撃吸収フィルムを、縦30mm×横30mmに切り出した。切り出した衝撃吸収フィルムの両面のPETフィルムを剥がし、準備した評価装置の保護対象部材上に、保護対象部材と粘着層とが接するように衝撃吸収フィルムを配置した。次いで、落下高さHを60cmとし、被評価体の上方から錘体を落下させ、被評価体を介して変形痕記録部材に衝撃を印加した。変形痕記録部材に記録された変形痕を解析し、引張応力を算出した。
<ヘーズの測定>
JIS K 7136に準拠した測定によって、実施例1〜6及び比較例1、2の衝撃吸収フィルムの両面のPETフィルムを剥がし、衝撃吸収フィルムの中心点のヘーズを測定した。測定装置として日本電色工業株式会社製、商品名:Spectral haze meter SH7000を用い、光源をC、基準を空気をとした。
<支持層の表面タック力の測定>
実施例1〜6及び比較例1、2の衝撃吸収フィルムの両面のPETフィルムを剥がし、衝撃吸収フィルムの支持層の中心点の表面タック力を測定した。測定は、タッキング試験機(株式会社レスカ製、商品名:TAC−II)を用い、測定プローブ径5.0mm(型式:LT25A−500)、プレロード294mN(30gf)にて5秒間保持した後に、速度600mm/分にて引き離した際の数値を計測した。
Figure 2020060689
表2に示すとおり、支持層が多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、衝撃吸収フィルムの引張割線弾性率が1〜100MPaである実施例1〜6の衝撃吸収フィルムは、これらの要件を満たさない比較例1、2の衝撃吸収フィルムに比べて、耐衝撃性に優れていた。これらのことから、このような衝撃吸収フィルムを用いた本発明の画像表示装置が、耐衝撃性に優れることが示唆された。
10…画像表示装置、11,40,50…衝撃吸収フィルム、12…基板、13…画像表示部材、14…機能向上部材、15…バリア部材、20…支持フィルム、21,61…支持層、22,32…基材フィルム、23,33…セパレータ、30…粘着フィルム、31,62…粘着層、63…保護対象部材、101…錘体、102…ガイド、103…衝撃印加機構、104…被評価体、105…変形痕記録部材、105a…変形痕、106…支持部材、110…評価装置。

Claims (6)

  1. 画像表示部材と、前記画像表示部材の片側又は両側に配置された衝撃吸収フィルムと、を備え、
    前記衝撃吸収フィルムが、支持層と、前記支持層上に設けられた粘着層と、を有し、
    前記支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、
    前記衝撃吸収フィルムの応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaである、画像表示装置。
  2. 前記衝撃吸収フィルムのヘーズが、5%以下である、請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 前記衝撃吸収フィルムの前記支持層の表面タック力が、200mN以下である、請求項1又は2に記載の画像表示装置。
  4. 支持層と、前記支持層上に設けられた粘着層と、を有し、
    前記支持層が、多官能ウレタンアクリレートを含む硬化性組成物の硬化物を含有し、
    応力−ひずみ曲線における引張割線弾性率が、1〜100MPaであり、
    画像表示装置に用いられる、衝撃吸収フィルム。
  5. 前記衝撃吸収フィルムのヘーズが、5%以下である、請求項4に記載の衝撃吸収フィルム。
  6. 前記衝撃吸収フィルムの前記支持層の表面タック力が、200mN以下である、請求項4又は5に記載の衝撃吸収フィルム。
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