JP2020060648A - ガラス繊維含有波長変換シリコーンシート及びそれを用いた光半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
その際、蛍光体層、白色材料およびチップとのCTEのミスマッチにより、様々な信頼性試験において剥離やクラックが発生することがわかってきた。特に多いのがLEDと蛍光体層の剥離である。
本発明のガラス繊維含有波長変換シリコーンシートは、補強層としての樹脂処理ガラス基材(I)と波長変換層としての波長変換シリコーンシート(II)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されている。前記樹脂処理ガラス基材(I)は、ガラス繊維を芯材とし、1分子中に少なくとも1個のアリール基を有するオルガノシロキサン化合物を含有するとともに23℃で可塑性の固体状または半固体状である熱硬化型シリコーン樹脂組成物を前記ガラス繊維に付着させたものである。そして、前記波長変換シリコーンシート(II)は、前記熱硬化型シリコーン樹脂組成物と蛍光体とを含むものである。
なお、図1では芯材4が層状でその両面に樹脂組成物5が付着しているような態様を示しているが、本発明は芯材4に樹脂組成物5が付着していればよく、かかる態様に限定されない。例えば、芯材4に樹脂組成物5が含浸されて一体となって樹脂処理ガラス基材2の全体を占めてもよいし、芯材4が樹脂組成物5に分散して樹脂処理ガラス基材2を構成してもよい。
本発明を構成する樹脂処理ガラス基材(I)は、前記ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートの補強層となるものである。前記樹脂処理ガラス基材は、(B)ガラス繊維を芯材とし、(A)23℃で半固体状または固体状である熱硬化型シリコーン樹脂組成物を前記ガラス繊維に付着させた基材である。なお、本発明において、(B)ガラス繊維に(A)熱硬化型シリコーン樹脂組成物を塗布、含浸させ、該組成物が未硬化の状態にあるものを特にプリプレグと言うものとする。以下、構成成分、製造方法について詳述する。
本発明の(A)成分である熱硬化性シリコーン樹脂組成物は、23℃で可塑性の固体状または半固体状であり、1分子中に少なくとも1個のアリール基を有するオルガノシロキサン化合物を含有することを特徴とする。このような性状でない場合、すなわち前記樹脂組成物が液状である場合は、前記樹脂処理ガラス基材を作製する際の作業性等が劣るため好ましくない。また、前記オルガノシロキサン化合物は、1分子中に少なくとも1個のアリール基を有するものであれば特に限定されないが、後述する付加硬化型シリコーン樹脂や縮合硬化型シリコーン樹脂を構成するオルガノシロキサン化合物が好ましい。なお、前記樹脂組成物は、必要に応じてその他の成分を更に含むことができる。
[(A1)成分]
(A1)成分は、下記平均組成式(1)
(R3SiO1/2)a(R2SiO2/2)b(RSiO3/2)c(SiO4/2)d (1)
(式中、Rは独立に水酸基、炭素数1〜10の1価飽和炭化水素基、炭素数6〜14の1価芳香族炭化水素基、及び炭素数2〜10のアルケニル基から選ばれる基であり、Rの少なくとも2個はアルケニル基であり、a、b、c、dは、a≧0、b≧0、c≧0、d≧0、a+b+c+d=1、及び0<(c+d)<1.0を満足する数である。)で示され、ケイ素原子に結合したアルケニル基を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン(即ち、不飽和基含有オルガノポリシロキサン)である。
(Me2ViSiO1/2)a1(Me2SiO2/2)b1(PhSiO3/2)c1
(Me2ViSiO1/2)a2(MeViSiO2/2)b2(PhSiO3/2)c2
(Me2ViSiO1/2)a3(MePhSiO2/2)b3(PhSiO3/2)c3
(Me2ViSiO1/2)a4(Ph2SiO2/2)b4(PhSiO3/2)c4
(Me2ViSiO1/2)a5(Ph2SiO2/2)b5(MeSiO3/2)c5
(Me2ViSiO1/2)a6(Me2SiO2/2)b6(MeViSiO2/2)b7(PhSiO3/2)c6
(Me2ViSiO1/2)a7(MePhSiO2/2)b8(MeViSiO2/2)b9(PhSiO3/2)c7
(MeVi2SiO1/2)a8(Me2SiO2/2)b10(PhSiO3/2)c8
(MeVi2SiO1/2)a9(MePh2SiO1/2)a10(MePhSiO2/2)b11(MeSiO3/2)c9
(式中、a1、a2、a3、a4、a5、a6、a7、a8、a9、a10、b1、b2、b3、b4、b5、b6、b7、b8、b9、b10、b11、c1、c2、c3、c4、c5、c6、c7、c8、及びc9は、それぞれ、0.01≦a1≦0.6、0.01≦a2≦0.6、0.01≦a3≦0.6、0.01≦a4≦0.6、0.01≦a5≦0.6、0.01≦a6≦0.2、0.01≦a7≦0.2、0.01≦a8≦0.6、0.01≦a9≦0.2、0.01≦a10≦0.2、0.005≦b1≦0.5、0.005≦b2≦0.5、0.005≦b3≦0.5、0.005≦b4≦0.5、0.005≦b5≦0.5、0.2≦b6≦0.7、0.01≦b7≦0.2、0.2≦b8≦0.7、0.01≦b9≦0.2、0.005≦b10≦0.5、0.4≦b11≦0.9、0.24≦c1≦0.9、0.24≦c2≦0.9、0.24≦c3≦0.9、0.24≦c4≦0.9、0.24≦c5≦0.9、0.2≦c6≦0.7、0.2≦c7≦0.7、0.24≦c8≦0.9、0.01≦c9≦0.2、かつa1+b1+c1=1、a2+b2+c2=1、a3+b3+c3=1、a4+b4+c4=1、a5+b5+c5=1、a6+b6+b7+c6=1、a7+b8+b9+c7=1、a8+b10+c8=1、a9+a10+b11+c9=1を満たす数である。)
(PhSiO3/2)c10(ViSiO3/2)c11
(MeSiO3/2)c12(ViSiO3/2)c13
(式中、c10、c11、c12、及びc13は、それぞれ、0.5≦c10≦0.95、0.05≦c11≦0.5、0.5≦c12≦0.98、0.02≦c13≦0.5、かつc10+c11=1、c12+c13=1を満たす数である。)
(Me2ViSiO1/2)a11(Ph2SiO2/2)b12(SiO4/2)d1
(Me3SiO1/2)a12(Me2ViSiO1/2)a13(MePhSiO2/2)b13(MeViSiO2/2)b14(Ph2SiO2/2)b15(SiO4/2)d2
(式中、a11、a12、a13、b12、b13、b14、b15、d1、及びd2は、それぞれ、0.1≦a11≦0.7、0.02≦a12≦0.3、0.05≦a13≦0.4、0.1≦b12≦0.2、0.02≦b13≦0.3、0.005≦b14≦0.1、0.1≦b15≦0.5、0.1≦d1≦0.7、0.1≦d2≦0.6、かつa11+b12+d1=1、a12+a13+b13+b14+b15+d2=1を満たす数である。)
(Me2ViSiO1/2)a14(SiO4/2)d3
(Me3SiO1/2)a15(Me2ViSiO1/2)a16(SiO4/2)d4
(Me3SiO1/2)a17(MePhViSiO1/2)a18(SiO4/2)d5
(式中、a14、a15、a16、a17、a18、d3、d4、及びd5は、それぞれ、0.01≦a14≦0.5、0.1≦a15≦0.5、0.05≦a16≦0.3、0.1≦a17≦0.5、0.05≦a18≦0.3、0.5≦d3≦0.99、0.3≦d4≦0.85、0.3≦d5≦0.85、かつa14+d3=1、a15+a16+d4=1、a17+a18+d5=1を満たす数である。)
[測定条件]
展開溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:0.6mL/min
検出器:示差屈折率検出器(RI)
カラム:TSK Guardcolomn SuperH−L
TSKgel SuperH4000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH3000(6.0mmI.D.×15cm×1)
TSKgel SuperH2000(6.0mmI.D.×15cm×2)
(いずれも東ソー社製)
カラム温度:40℃
試料注入量:20μL(濃度0.5重量%のTHF溶液)
(A2)成分は、ケイ素原子に結合した水素原子(以下、「SiH基」とも称する)を1分子中に2個以上有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであり、上述の(A1)成分の架橋剤として作用する成分である。
(Me2HSiO1/2)e1(Me2SiO2/2)f1(PhSiO3/2)g1
(Me2HSiO1/2)e2(Me2SiO2/2)f2(MeHSiO2/2)f3(PhSiO3/2)g2
(Me2HSiO1/2)e3(PhSiO3/2)g3
(Me2HSiO1/2)e4(MeSiO3/2)g4
(MeHSiO2/2)f4(PhSiO3/2)g5
(MeHSiO2/2)f5(MeSiO3/2)g6
(MeHSiO2/2)f6(Me2SiO2/2)f7(PhSiO3/2)g7
(MeHSiO2/2)f8(MePhSiO2/2)f9(PhSiO3/2)g8
(Me2HSiO1/2)e5(Ph2SiO2/2)f10
(Me2HSiO1/2)e6(Me2SiO2/2)f11
(Me3SiO1/2)e7(MeHSiO2/2)f12
(Me3SiO1/2)e8(MeHSiO2/2)f13(Ph2SiO2/2)f14
(Me3SiO1/2)e9(MeHSiO2/2)f15(Me2SiO2/2)f16
(式中、e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8、e9、f1、f2、f3、f4、f5、f6、f7、f8、f9、f10、f11、f12、f13、f14、f15、f16、g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7、及びg8は、それぞれ、0.01≦e1≦0.5、0.01≦e2≦0.5、0.3≦e3≦0.9、0.01≦e4≦0.9、0.3≦e5≦0.9、0.05≦e6≦0.7、0.1≦e7≦0.7、0.01≦e8≦0.2、0.01≦e9≦0.3、0.09≦f1≦0.75、0.045≦f2≦0.7、0.045≦f3≦0.7、0.05≦f4≦0.5、0.05≦f5≦0.5、0.01≦f6≦0.2、0.2≦f7≦0.8、0.01≦f8≦0.2、0.2≦f9≦0.8、0.1≦f10≦0.7、0.3≦f11≦0.95、0.3≦f12≦0.9、0.3≦f13≦0.9、0.05≦f14≦0.5、0.1≦f15≦0.6、0.3≦f16≦0.8、0.24≦g1≦0.9、0.24≦g2≦0.9、0.1≦g3≦0.7、0.1≦g4≦0.99、0.5≦g5≦0.95、0.5≦g6≦0.95、0.1≦g7≦0.7、0.1≦g8≦0.7、かつe1+f1+g1=1、e2+f2+f3+g2=1、e3+g3=1、e4+g4=1、f4+g5=1、f5+g6=1、f6+f7+g7=1、f8+f9+g8=1、e5+f10=1、e6+f11=1、e7+f12=1、e8+f13+f14=1、e9+f15+f16=1を満たす数である。)
(A3)成分は、白金族金属系触媒(硬化触媒)であり、前記付加硬化型シリコーン樹脂組成物の付加硬化反応を生じさせるために配合される成分である。
縮合硬化型シリコーン樹脂組成物は、(A4)成分および(A5)成分(縮合促進剤)を含む。以下(A4)及び(A5)について詳述する。
(A4)成分は、この組成物の主剤となるものであり、下記平均組成式(2)
(R’3SiO1/2)a’(R’2SiO2/2)b’(R”SiO3/2)c’(SiO4/2)d’ (2)
(R’は水素原子、炭素数1〜10の一価脂肪族炭化水素基、炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、水酸基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基であり、a’、b’、c’、及びd’は各々0以上の整数であり、b’+c’+d’は1以上の整数である。)
で示されるオルガノポリシロキサンであり、アルコキシ基、水酸基または水素原子を1分子中に少なくとも2個有するオルガノポリシロキサンである。上記平均組成式(2)において、R’は独立に水素原子、炭素数1〜10、好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6の1価飽和炭化水素基、炭素数6〜12、好ましくは6〜10、より好ましくは6〜8の1価芳香族炭化水素基、水酸基、炭素数1〜6、好ましくは1〜4のアルコキシ基から選ばれる基である。R’の具体例としては、水素原子;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;水酸基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基等が挙げられる。これらの中でも、特に水素原子、メチル基、フェニル基、水酸基、メトキシ基が好ましい。
また、上記(A4)成分のオルガノポリシロキサンは、ポリスチレン換算分子量が5,000以上1,000,000以下のものが好ましい。この範囲内であれば、性状が液体になったり、ゲル状となって相溶性を失ったりすることもない。
(A5)成分は、この組成物の縮合反応を促進する目的で添加する縮合促進剤であり、ケイ素原子に結合した水素原子を1個以上有し、且つ、ケイ素原子に結合した−OX(Xは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、又は炭素数2〜10のアルコキシアルキル基)を分子内に2個以上有するものであり、同一ケイ素原子上に1個以上の水素原子と1個以上の−OXで示される基(Xは上記と同様である)とを有するケイ素原子を1個以上有するポリオルガノシロキサンである。
本発明においての組成物には、上述した成分以外にも、必要に応じて、それ自体公知の各種の添加剤を配合することができる。添加剤としては、無機充填材、反応抑制剤、接着助剤などを挙げることができる。
本発明の(A)成分である熱硬化型シリコーン樹脂組成物は無機充填材を含んでもよい。たとえば、溶融シリカ、結晶性シリカなどのシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、三酸化アンチモン、酸化チタンなどが挙げられるが、透明性を上げるために、シリカ類が好ましい。また、これらの無機充填材は、シランカップリング剤のような表面処理剤で表面処理されたものを用いてもよく、無機充填材と前記シリコーン樹脂および芯材であるガラス繊維との濡れ性を向上させるために、スラリー状態になっていることが好ましい。
本発明の組成物には必要に応じて適宜反応抑制剤を配合することができる。反応抑制剤はヒドロシリル化による硬化反応を抑制し、保存性を改善する目的で添加する。該反応抑制剤としては、例えば、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基高含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及びそのシラン変性物及びシロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びこれらの混合物からなる群から選ばれる化合物等が挙げられる。反応抑制剤は(A)成分100質量部当り通常0.001〜1.0質量部、好ましくは0.005〜0.5質量部添加される。
本発明の組成物には、接着性を付与するため、接着助剤(接着付与剤)を必要に応じて添加できる。接着助剤としては、例えば、一分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)、ケイ素原子に結合したアルケニル基(例えばSi−CH=CH2基)、アルコキシシリル基(例えばトリメトキシシリル基)、エポキシ基(例えばグリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基)から選ばれる官能性基を少なくとも2種、好ましくは2種又は3種含有する直鎖状又は環状のケイ素原子数4〜50個、好ましくは4〜20個程度のオルガノシロキサンオリゴマー、オルガノオキシシリル変性イソシアヌレート化合物及び/又はその加水分解縮合物(オルガノシロキサン変性イソシアヌレート化合物)などが挙げられる。
本発明におけるガラス繊維は、繊維状でもガラスクロスと呼ばれる布帛状でもチョップドストランドでも不織布でもウールでもよい。ガラスの種類としては、Eガラス、Tガラス、NEガラス、Sガラス、石英などが挙げられるが、低線膨張と耐変色性を兼ね備えたTガラス、石英が好ましく、更に好ましくは石英である。また、繊維の形態としては取扱いが容易であるなどの理由で、ガラスクロスを用いるのが好ましい。石英ガラスクロスは、平織、朱子織、綾織、などが挙げられるが、厚みの均一性などから平織、朱子織が好ましく、薄型化という観点から平織が更に好ましい。例えば、石英ガラスストランド及び/又は石英ガラスヤーンを用いて作製されたものである。石英ガラスストランド及び/又は石英ガラスヤーンは、上記石英ガラス繊維を50本以上500本以下束ねたものである。なお、本発明においては、繊維を撚らずに束ねたものをストランドと称し、繊維に撚りをかけて束ねたものをヤーンと称する。
前記樹脂処理ガラス基材の製造方法としては、特に限定されないが、一般的なガラス繊維の処理方法を適用することができる。例えば、一般的なガラス繊維の塗布方法(コーティング方式)を例示できる。代表的なコーティング方式としては、ダイレクトグラビアコーター、チャンバードクターコーター、オフセットグラビアコーター、一本ロールキスコーター、リバースキスコーター、バーコーター、リバースロールコーター、スロットダイ、エアードクターコーター、正回転ロールコーター、ブレードコーター、ナイフコーター、含浸コーター、MBコーター、MBリバースコーターなどがある。中でもダイレクトグラビアコーター、オフセットコーター、含浸コーター、スロットダイ塗布方式が本発明の樹脂処理ガラス基材の製造には好ましい。
本発明を構成する波長変換シリコーンシート(II)は、前記ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートの波長変換層となるものである。前記波長変換シリコーンシートは、前記(A)23℃で固体状または半固体状である熱硬化型シリコーン樹脂組成物と(C)蛍光体とを含むシリコーンシートである。なお、本発明において、(A)熱硬化型シリコーン樹脂組成物と(C)蛍光体とを混合し、シート状に成形したものであって、未硬化でも、硬化したものであってもよいが、該シートが未硬化の状態にあるものを特にフィルム成形物と言うものとする。以下、構成成分、製造方法について詳述する。
(A)23℃で固体状または半固体状である熱硬化型シリコーン樹脂組成物の例としては、上記で例示したものと同様のものを用いることができる。前記樹脂組成物の構成は前記(I)で用いたものと同じであるため、貼り合せて用いる際の親和性に優れ、反りを低減できる。
本発明の波長変換シリコーンシートに含まれる、(C)成分の蛍光体としては、無機蛍光体、有機蛍光体のどちらも使用することができ、有機蛍光体としては錯形成した有機蛍光体を使用することもできる。なお、蛍光体含有シリコーンフィルムの耐熱性など信頼性の観点から、無機蛍光体が好ましい。
無機蛍光体としては、例えば、窒化物系半導体を発光層とする半導体発光ダイオードからの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換するものを使用することができる。このような無機蛍光体としては、例えば、Eu、Ce等のランタノイド系元素により主に賦活される窒化物系蛍光体、酸窒化物系蛍光体;Eu等のランタノイド系元素、Mn等の遷移金属系元素により主に賦活されるアルカリ土類金属ハロゲンアパタイト蛍光体、アルカリ土類金属ホウ酸ハロゲン蛍光体、アルカリ土類金属アルミン酸塩蛍光体、アルカリ土類金属ケイ酸塩蛍光体、アルカリ土類金属硫化物蛍光体、希土類硫化物蛍光体、アルカリ土類金属チオガレート蛍光体、アルカリ土類金属窒化ケイ素蛍光体、ゲルマン酸塩蛍光体;Ce等のランタノイド系元素で主に賦活される希土類アルミン酸塩蛍光体、希土類ケイ酸塩蛍光体;Eu等のランタノイド系元素で主に賦活されるCa−Al−Si−O−N系オキシ窒化物ガラス蛍光体等を挙げることができる。なお、これらの無機蛍光体は単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。具体例として、下記の無機蛍光体を例示できるが、これに限定されない。
有機蛍光体としては、例えば、Eu等のランタノイド系元素等で主に賦活される有機蛍光体や有機錯体蛍光体等を使用することができ、9,10−ジアリールアントラセン誘導体、ピレン、コロネン、ペリレン、ルブレン、1,1,4,4−テトラフェニルブタジエン、トリス(8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(8−キノリノラート)亜鉛錯体、トリス(4−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、トリス(4−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−トリフルオロメチル−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、ビス(2−メチル−5−シアノ−8−キノリノラート)[4−(4−シアノフェニル)フェノラート]アルミニウム錯体、トリス(8−キノリノラート)スカンジウム錯体、ビス〔8−(パラ−トシル)アミノキノリン〕亜鉛錯体及びカドミウム錯体、1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン、ペンタフェニルシクロペンタジエン、ポリ[2,5−ジヘプチルオキシ−p−フェニレンビニレン]、クマリン系蛍光体、ペリレン系蛍光体、ピラン系蛍光体、アンスロン系蛍光体、ポルフィリン系蛍光体、キナクリドン系蛍光体、N,N’−ジアルキル置換キナクリドン系蛍光体、ナフタルイミド系蛍光体、N,N’−ジアリール置換ピロロピロール系蛍光体、あるいはIr錯体等の燐光性発光体などを使用できる。
前記波長変換シリコーンシートの製造方法としては、例えばフィルムコータ、熱プレス機等をあげることができる。これらの手段を用いて組成物をシート状に加工するには、例えば組成物を、加圧用ベースフィルムと剥離フィルムとの間に挟み、熱プレス機を用いて通常60〜120℃、好ましくは70〜100℃の温度で、0.5〜10t/cm2、好ましくは1〜7t/cm2の圧力下で、約1〜約30分間、好ましくは2〜10分間圧縮成形を行う。
本発明のガラス繊維含有波長変換シリコーンシートは、補強層としての上記樹脂処理ガラス基材(I)と、波長変換層としての上記波長変換シリコーンシート(II)とを積層することで得られる。例えば、上記硬化性シリコーン樹脂組成物の未硬化物からなるプリプレグ、もしくはその硬化物のいずれかと、上記製造方法で製造された蛍光体含有硬化性シリコーン樹脂組成物の未硬化物からなるフィルム成形物、もしくはその硬化物のいずれかを積層することによりガラス繊維含有波長変換シリコーンシートを製造する。
厚さ20μm以上であれば、ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートを作製することが容易になる。また、厚さ500μm以下であれば、波長変換層として光半導体装置に搭載するのに十分な厚さとなる。
また、熱伝導率が0.40W/m・K以上であれば、波長変換時の発熱が抑えられ、デバイスに異常が発生し難くなるため好ましく、10W/m・K以下であれば、シリコーン分の低い熱伝導率(0.29W/m・K)にかかわらず限られた厚みでもシートを作製することができるため好ましい。
上記ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートの硬化物は、光半導体装置の樹脂封止層とすることができる。この硬化物を適用する半導体装置は特に限定されないが、例えばLED素子を挙げることができる。本発明のガラス繊維含有波長変換シリコーンシートの硬化物は、熱伝導率が高いため高温点灯しても発熱が少なく、自己接着性、接着耐久性を有するためクラックや剥離がない。また、補強層にガラス繊維を含有することにより、線膨張係数も低いため、熱衝撃に対して膨張および収縮が少なく、クラックや剥離がない。また、補強層に蛍光体を含有しないことにより、ガラス繊維の目地に蛍光体が流れ込むことによる蛍光体層の色ばらつきが非常に少ない(即ち、波長変換均一性が高い)。こうした上記硬化物の優れた特徴により、上記硬化物を光半導体装置の樹脂封止層とする本発明の光半導体装置は、信頼性と波長変換均一性に優れる。
(A1)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン:(融点:80℃、重量平均分子量:20,000)
(Me2ViSiO1/2)0.018(Me2SiO2/2)0.662(MeViSiO2/2)0.018(PhSiO3/2)0.302
(A2)オルガノハイドロジェンポリシロキサン:(重量平均分子量:10,000)
(MeHSiO2/2)0.036(Me2SiO2/2)0.66(PhSiO3/2)0.304
(A3)硬化触媒:塩化白金酸 オクチルアルコール溶液(白金金属単体としての濃度:1質量%)
(A4)オルガノポリシロキサン:調製例8〜11においては上記(A2)のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを(A4)オルガノポリシロキサンとして用いた。
(A5)縮合促進剤:[HSi(OEt)2]0.67(Ph2SiO)0.33
(B)ガラス繊維
(B1) SQF1024C(平織石英クロス、厚さ25μm、信越石英(株)製)
(B2) SQF2116AC(平織石英クロス、厚さ95μm、信越石英(株)製)
(B3) SQMBC−00(石英チョップドストランド、フィラメント径5μm、アスペクト比10、信越石英(株)製)
(C)蛍光体
(C1) NYAG4454L(YAG系蛍光体、Intematix社製)
(D)無機充填材(無機フィラー)
(D1) CRB−8SE(シリカ:一次平均粒径10μm、フミテック(株)製)
(D2) AEROSIL957L(シリカ:一次平均粒径0.1μm、日本アエロジル(株)製)
(D3) SO−25H(シリカ:一次平均粒径0.5μm、(株)アドマテックス製)
前記(A1)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100g、前記(A2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、前記(A3)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、アセチレンアルコール系反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤(接着助剤)として下記一般式(6)の接着付与剤6gを混合し、シリコーン樹脂組成物S1を調製した。当該S1をトルエンで希釈し、不揮発分を70%に調整してワニスとしたのちに、該ワニスを含浸ロール2本がついた含浸浴内に投入した。その後前記ワニスにガラス繊維(B1)を含浸させ、含浸ロールの隙間を80μmにして塗工し、100℃×10分で乾燥させ、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP1を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記シリコーン樹脂組成物S1のワニスを調製するまでは調製例1と同様に行い、ガラス繊維(B1)の代わりに(B2)を含浸させ、含浸ロールの隙間200μmで塗工し、調製例1と同条件で乾燥して縦150mm×横150mm、厚さ120μmのプリプレグP2を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記シリコーン樹脂組成物S1を調製するまでは調製例1と同様の操作を行い、ガラス繊維(B3)を200g加え、混合しトルエンで希釈し、不揮発分を70%にしてワニスとした後は自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で塗工し、100℃×10分で乾燥して、縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F1を製造した。
(A1)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100g、前記(A2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、前記(A3)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、アセチレンアルコール系反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび無機充填材(D1)を200g混合し、シリコーン樹脂組成物S2を調製した。当該S2をトルエンで希釈してワニスとし、以下は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP3を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記(A1)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100g、前記(A2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、前記(A3)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、アセチレンアルコール系反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび無機充填材(D2)を200g混合し、シリコーン樹脂組成物S3を調製した。当該S3をトルエンで希釈してワニスとし、以下は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP4を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記(A1)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100g、前記(A2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサンを100g、前記(A3)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、アセチレンアルコール系反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび無機充填材(D3)を200g混合し、シリコーン樹脂組成物S4を調製した。当該S4をトルエンで希釈してワニスとし、以下は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP5を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記(A1)としてアルケニル基含有オルガノポリシロキサン100g、前記(A2)としてオルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、前記(A3)として塩化白金酸のオクチルアルコール変性溶液(白金濃度1質量%)0.2g、アセチレンアルコール系反応抑制剤としてエチニルシクロヘキサノール0.6g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび前記(C)として蛍光体(C1)を200g混合し、シリコーン樹脂組成物S5を調製した。トルエンで希釈し、不揮発分を70%にしてワニスとした後は自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で塗工し、100℃×10分乾燥させ、縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F2を製造した。
前記(A4)として、前記(A2)成分として用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサン100g、前記(A5)成分の縮合促進剤2g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gを混合し、シリコーン樹脂組成物S6を調製した。以下は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP6を製造した。この時のガラス繊維に付着する樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記シリコーン樹脂組成物S6を調製するまでは調製例8と同様の操作を行い、ガラス繊維(B3)を100g加え、混合しトルエンで希釈し、不揮発分を70%にしてワニスとした後は自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で塗工し、100℃×10分で乾燥させ、縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F3を製造した。
前記(A4)として、前記(A2)成分として用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサンを100g、前記(A5)成分の縮合促進剤2g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび無機充填材(D1)を100g混合し、シリコーン樹脂組成物S7を調製した。当該S7をトルエンで希釈してワニスとし、以下は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP7を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
前記(A4)として、前記(A2)成分として用いたオルガノハイドロジェンポリシロキサンを100g、前記(A5)成分の縮合促進剤2g、接着付与剤として上記一般式(6)の接着付与剤6gおよび前記(C)として蛍光体(C1)を100g混合し、シリコーン樹脂組成物S8を調製した。トルエンで希釈し、不揮発分を70%にしてワニスとした後は自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で塗工し、100℃×10分乾燥させ、縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F4を製造した。
前記シリコーン樹脂組成物S1を調製するまでは調製例1と同様の操作を行い、自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F5を製造した。
前記シリコーン樹脂組成物S2を調製するまでは調製例4と同様の操作を行い、自動塗工装置 PI−1210(テスター産業(株)製)で縦150mm×横150mm、厚さ40μmを有するフィルム成形物F6を製造した。
前記シリコーン樹脂組成物S5を不揮発分70%に希釈してワニスとするまでは調製例7と同様の操作を行い、含浸ロール2本がついた含浸浴内に投入した。その後前記ワニスにガラス繊維(B1)を含浸させ、含浸ロールの隙間を80μmにして塗工し、100℃×10分で乾燥させ、縦150mm×横150mm、厚さ40μmのプリプレグP8を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は30質量%であった。
含浸ロールの隙間を30μmにした以外は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ30μmのプリプレグP9を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は10質量%であった。
含浸ロールの隙間を150μmにした以外は調製例1と同様の操作を行い、縦150mm×横150mm、厚さ90μmのプリプレグP10を製造した。この時のガラス繊維に付着した樹脂組成物の付着量は80質量%であった。
(A)成分として、液状の付加硬化型ポリシロキサン組成物である、LPS−3412(信越化学工業(株)製、粘度9Pa・s)を用いた以外は調製例1と同様の操作を行ったが、塗工時に液だれがひどく、乾燥後も粘着が強くてシート状に切り出すことが困難であったため、以後の評価は行わなかった。
表2A,2Bに示されるように、調製例および比較調製例で調製した補強層および蛍光体層について、熱ラミネータを使用してロール温度80℃で補強層および蛍光体層を貼り合わせた。貼り合わせた積層シートについて、以下の物性及び特性を測定した。なお、実施例1〜13は本発明のガラス繊維含有波長変換シリコーンシートであり、図1に示す2層構造(実施例1、3〜8、10、11)もしくは図2に示す3層構造(実施例2、9)のもの、又は、図1に示す積層構造単位を複数回繰り返して積層しているもの(実施例12、13)である。一方、比較例1〜4では補強層がガラス繊維を含まず、比較例5〜8では補強層における付着した樹脂組成物量が本発明の範囲外であり、比較例10では補強層がガラス繊維のみで樹脂組成物を含まず、比較例9では補強層に蛍光体が含まれている。
積層シート0.08〜0.5mmにおいて、150℃×4時間加熱して硬化させ、5mm×4cmの試験片を作製し、TMA法によるX−Y方向の線膨張係数を昇温速度5℃/分で温度範囲は−100℃〜200℃を測定し、−50〜0℃の線膨張係数を測定した。
150℃×4時間加熱して硬化させ、熱伝導率測定装置(QTM−500、京都電子製)を用いて各積層シートの熱伝導率を測定した。
未硬化の波長変換シートを、主発光ピークが460nmのInGaN半導体を用いたLEDチップが搭載されたCSP(Chip Size Package)基板にダイボンダーでダイアタッチをおこない、150℃4時間加熱して硬化させた。その後、5mm×5mmにダイシングを行い、厚さ300μmのCSPを得た。
作製した光半導体装置(CSP)各50個を点灯させて大塚電子製LED光学特性モニタ(LE−3400)により色度座標のバラつきを測定し平均値を得た。u’、v’それぞれの標準偏差をΔu’,Δv’で示す。
(注:u’、v’:CIE1976色度座標。JIS Z 8726:1990に記載の求め方による。)
作製した光半導体装置(CSP)各20個を−40℃〜120℃の熱衝撃試験を2,000サイクル行い、クラック、剥離の個数を確認した。
作製した光半導体装置(CSP)各20個を120℃/200mAの高温点灯試験を1,000時間行い、クラック、剥離の個数を確認した。
3…波長変換シリコーンシート、 4…芯材、 5…熱硬化型シリコーン樹脂組成物。
Claims (8)
- ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートであって、
該ガラス繊維含有波長変換シリコーンシートは、樹脂処理ガラス基材(I)と波長変換シリコーンシート(II)とが積層されたものであり、
前記樹脂処理ガラス基材(I)は、ガラス繊維を芯材とし、1分子中に少なくとも1個のアリール基を有するオルガノシロキサン化合物を含有するとともに23℃で可塑性の固体状または半固体状である熱硬化型シリコーン樹脂組成物を前記ガラス繊維に付着させたものであり、かつ、付着後の全質量を100質量%とした時に付着した前記樹脂組成物が15〜70質量%となるものであり、
前記波長変換シリコーンシート(II)は、前記熱硬化型シリコーン樹脂組成物と蛍光体とを含むものであり、かつ、
前記樹脂処理ガラス基材(I)と前記波長変換シリコーンシート(II)とがそれぞれ少なくとも1層以上積層されてなるものであることを特徴とするガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。 - 前記樹脂処理ガラス基材(I)と前記波長変換シリコーンシート(II)における前記熱硬化型シリコーン樹脂組成物は、共に未硬化のものであることを特徴とする請求項1に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 前記ガラス繊維が、ガラスクロス、ガラス不織布、ガラスウールまたはガラスチョップドストランドから選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 前記ガラス繊維が、石英ガラスクロスであることを特徴とする請求項3に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 前記ガラス繊維の表面がシランカップリング剤で処理されているものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 前記熱硬化型シリコーン樹脂組成物が、更に無機充填材を含むものであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 前記無機充填材のレーザー回折散乱法による一次平均粒径が0.05〜20μmであることを特徴とする請求項6に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシート。
- 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のガラス繊維含有波長変換シリコーンシートの硬化物からなる樹脂封止層を有するものであることを特徴とする光半導体装置。
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