JP2020059770A - ラミネート用印刷インキ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、フィルム基材への密着性、高速印刷でも非印刷部の汚れがなくハイライト転移性に優れる印刷適性、後加工適性であるラミネート強度を兼備したラミネート用印刷インキに関する。【解決手段】塩素化ポリオレフィン(A)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と、脂肪酸誘導体(C)と、有機溶剤(D)とを含有するラミネート用印刷インキであって、前記脂肪酸誘導体(C)の総計がインキ全量の0.1〜5質量%である事を特徴とするラミネート用印刷インキ。【選択図】なし

Description

本発明は、軟包装用グラビアインキやフレキソインキとして使用可能なラミネート用印刷インキに関し、さらに詳しくは版詰まり性が良好となり、フィルム基材との密着性やラミネート強度に優れるフィルム基材用ラミネート用印刷インキに関する。
近年、軟包装フィルムの被印刷体に美粧性、表面保護等の機能性を付与させる目的で、グラビアインキ、フレキソインキが広く用いられている。グラビア印刷、フレキソ印刷される被印刷体が、包装材料の中でも特にプラスチックフィルムを基材とする場合、フィルム基材の種類の多様化に応じた基材密着性、印刷品質や印刷作業性に影響するインキ流動性等が要求される。また、印刷後にウレタン系接着剤等を用いてドライラミネート加工を施し、フィルム強度や気蜜性を付与するケースでは、ラミネート強度等の後加工適性も要求される。
例えば、塩素化ポリプロピレンを主樹脂とする印刷インキは、その基材への密着性の高さ、原料コストが安価である事から、従来より使用されている(例えば、特許文献1〜6)。そして、顔料分散樹脂に、酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂を用いることで、顔料分散性が向上したとされる(例えば、特許文献2)。
また、高い溶解性を有するトルエンを含有しない場合にも印刷適性が良好となるように検討されている(例えば、特許文献3〜5)。
更に、版詰まり性を改善したものとして特許文献6が挙げられているが、依然、版詰まりの改善は十分とは言えず、フィルム密着性、高速印刷でも非印刷部の汚れがなくハイライト転移性に優れる印刷適性、後加工適性であるラミネート強度を兼備したフィルム基材用ラミネート用印刷インキの開発が望まれる。
特許第2506404号公報 特開2002−294128号公報 特開2006−57056号公報 特許第4672335号公報 特許第4672336号公報 特開2016−188274号公報
本発明の課題は、フィルム基材への密着性、高速印刷でも非印刷部の汚れがなくハイライト転移性に優れる印刷適性、後加工適性であるラミネート強度を兼備したラミネート用印刷インキに関する。
本発明のラミネート用印刷インキは、塩素化ポリオレフィン(A)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と、脂肪酸誘導体(C)と、有機溶剤(D)とを含有するラミネート用印刷インキであって、更に脂肪酸誘導体(C)を適量含有する事で課題解決に有効であることを見出した。
すなわち本発明は、塩素化ポリオレフィン(A)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と、脂肪酸誘導体(C)と、有機溶剤(D)とを含有するラミネート用印刷インキであって、前記脂肪酸誘導体(C)の総計がインキ全量の0.1〜5質量%である事を特徴とするラミネート用印刷インキに関する。
更に、本発明は、前記脂肪酸誘導体(C)が有する長鎖炭化水素基の炭素原子数が12以上であるラミネート用印刷インキに関する。
更に、本発明は、前記脂肪酸誘導体(C)が脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物であるラミネート用印刷インキに関する。
更に、本発明は、前記有機溶剤(D)が、芳香族炭化水素系溶剤を含有しないラミネート用印刷インキに関する。
更に、本発明は、プラスチックフィルムに、該ラミネート用印刷インキを、グラビア印刷機を用いて印刷してなる印刷物に関する。
本発明により、フィルム密着性、高速印刷でも非印刷部の汚れがなくハイライト転移性に優れる印刷適性、後加工適性であるラミネート強度を兼備したラミネート用印刷インキ、及び該印刷インキを印刷してなる印刷物を提供する事が出来る。
本発明について詳細に説明する。なお以下の説明で用いる「インキ」とは全て「ラミネート用印刷インキ」を示す。また「部」とは全て「質量部」を、「%」は全て「質量%」を示す。
本発明のラミネート用印刷インキは、塩素化ポリオレフィン(A)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と、脂肪酸誘導体(C)と、有機溶剤(D)とを含有するラミネート用印刷インキであって、前記脂肪酸誘導体(C)の総計がインキ全量の0.1〜10質量%である事を特徴とする。
本発明のラミネート用印刷インキで使用する塩素化ポリオレフィン(A)について説明する。前記塩素化ポリオレフィン(A)は、ポリオレフィンに塩素原子を導入し得られるが、前記ポリオレフィンとしては、特に制限はなく例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン系不飽和炭化水素の共重合体、又は単独重合体からなる樹脂を使用する事ができる。前記共重合体としては、プロピレン−α−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、ポリエチレン、ポリ−4−メチル−1ペンテン等が一例として挙げる事ができる。
塩素化ポリオレフィン(A)の製造方法としては、四塩化炭素等の有機溶剤にポリオレフィンを溶解して塩素化する溶液塩素化法、ポリオレフィンを水性懸濁状態で塩素化する方法、ポリオレフィンを塊状状態で塩素化する方法等、いずれであってもよい。
また、塩素化ポリオレフィン(A)は、ポリオレフィンに、α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体と塩素が導入された酸変性塩素化ポリオレフィン樹脂としていても良い。
更に、前記酸変性塩素化ポリオレフィンの製造方法としては例えば、ポリオレフィンをα,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体にて酸変性して酸変性ポリオレフィンを得た後に、クロロホルム等の塩素系溶媒に溶解した後に塩素ガスを吹き込み、酸変性ポリオレフィンに塩素を導入してもよい。
前記α,β−不飽和カルボン酸及び/又はその誘導体としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、アコニット酸、無水アコニット酸、無水ハイミック酸、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等を挙げる事が出来る。
本発明のラミネート用印刷インキで使用する前記塩素化ポリオレフィン(A)は、塩素含有率が5〜50質量%の塩素化ポリオレフィンが好ましく用いられる。
前記塩素化ポリオレフィン(A)として代表的なものとして、塩素化ポリプロピレン樹脂を挙げる事ができる。前記塩素化ポリプロピレン樹脂としては塩素化度が30〜45%、重量平均分子量が5000〜50000であることが好ましい。
前記塩素化度とは、塩素化ポリプロピレン樹脂中の塩素原子の質量%である。塩素化度が30%未満では有機溶剤に対する溶解度が低下する傾向にあり、45%を越えるとフィルム基材との密着性が低下する傾向が生じ易い。また重量平均分子量が5000未満ではフィルム基材への密着性の効果が得られにくく、また50000を越えると溶解性、特にエステル系溶剤、アルコール系溶剤への溶解性が低下する傾向が生じ易い。
本発明のラミネート用印刷インキで使用するエチレン酢酸ビニル共重合体(B1)は、
エチレンから誘導される構成単位と、酢酸ビニルから誘導される構成単位とを特定量で含有する樹脂である。
前記エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)としては、酢酸ビニルの含有量が共重合体全体の20質量%以上50質量%以下のものが好ましい。酢酸ビニルの含有量が20質量%以上であれば、インキ皮膜の密着性、転移性を保持する傾向にあり、逆に、酢酸ビニルの含有量が50質量%以下であればインキのラミネート強度を保持する事ができる。
更に、酢酸ビニルの含有量が共重合体全体の30質量%以上40質量%以下であればより好ましい。
尚、酢酸ビニルから誘導される構成単位含有量は、JIS K7192:1999が規定する測定法に準じたものである。
本発明で使用する塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)はさらに前記エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)に塩素原子が導入する事で塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)を得る事ができるものである。
本発明のラミネート用印刷インキにおいては、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)、塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の何れかを含有していればよく、また2種を併用してもよい。
特に本発明のラミネート用印刷インキにメチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤を使用する場合には、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)を併用すると、版詰まり性、ラミネート強度、接着性の観点からさらに好ましい。エチレン酢酸ビニル共重合体と塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体との比率は、固形分重量比で10/90〜40/60であるとより好ましい。
本発明のラミネート用印刷インキで使用する脂肪酸誘導体(C)について説明する。前記脂肪酸誘導体(C)の添加量はインキ全量の0.1〜5質量%の範囲である事を必須とする。脂肪酸誘導体(C)を0.1質量%以上添加する事でインキ皮膜の密着性、転移性を保持する傾向にあり、5質量%以下とする事でインキのラミネート強度を保持する事ができる。
前記脂肪酸誘導体(C)としては、脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミン等の化合物が挙げられる。
また、前記脂肪酸誘導体(C)としては該誘導体が有する長鎖炭化水素基の炭素原子数が塩素化ポリオレフィン(A)、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と相溶性がよく、低結晶性であり、且つ使用する溶剤への溶解性が良好である点から、炭素原子数12以上である事が好ましい。
炭素原子数12以上の脂肪酸を例示すれば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸等が挙げられる。これらは、単独で使用することも出来るし、2種類以上を併用することもできる。
中でも、ラウリン酸やオレイン酸が好ましい。
前記脂肪酸塩としては、前記脂肪酸の無機又は有機カチオンとの塩であり、塩を構成する対イオンとしては、カリウムイオンやナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。具体的には、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オレイン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸アンモニウム等を挙げることができる。
本発明に用いる脂肪酸エステルとしては、上記の脂肪酸と任意の価数であるアルコールとのエステル化合物である。本発明に用いる脂肪酸エステルを得る為の1価のアルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、2−ブタノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ヘプタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール等の直鎖および分岐飽和アルコールを単用又は併用することができる。
本発明に用いる脂肪酸エステルを得る為の2価のアルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族ジオール類;ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールF等のビスフェノール類、ビスフェノールAのポリアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールSのポリアルキレンオキサイド付加物、ビスフェノールFのポリアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノールのアルキレンオキサイド付加物等のビスフェノール誘導体類等の芳香族のジオール類;シクロヘキサンジメタノール等の脂環族のジオール類等が挙げられる。
本発明に用いる脂肪酸エステルを得る為の3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、ソルビト−ル、1,2,3,6−ヘキサンテトロ−ル、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリト−ル、ジペンタエリスリト−ル、2−メチルプロパントリオ−ル、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレ−ト等が挙げられる。
尚、前記脂肪酸エステルには、「脂肪酸のエステルである油脂の内、常温25℃にて液状である脂肪油」を含むものである。
脂肪油としては、サラダ油、白絞油、コーン油、大豆油、ごま油、菜種油(キャノーラ油)、榧油、こめ油、糠油、椿油、サフラワー油(ベニバナ油)、ヤシ油(パーム核油)、綿実油、ひまわり油、エゴマ油、アマニ油、オリーブオイル、ピーナッツオイル、アーモンドオイル、アボガドオイル、ヘーゼルナッツオイル、ウォルナッツオイル、グレープシードルオイル、マスタードオイル、レタス油等の植物油、鯨油、鮫油、肝油等の魚油が挙げられる。中でも大豆油が好ましい。
また、前記脂肪油をエポキシ化した例えばエポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸オクチルエステル、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等を使用してもよい。中では、エポキシ化大豆油が好ましい。
また、工業用脂肪油としては、ひまし油等を挙げる事ができる。トウゴマという植物の種子(ヒマシ)から抽出されるひまし油を挙げる事ができ、このひまし油に水素添加し、酸化しにくく改良したものと、石油由来の酸化エチレンを付加重合して得られる水添ひまし油を用いる事も出来る。
脂肪酸アミンとしては、オクタン酸アミン、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、ベヘニルアミンなどの脂肪酸第1級アミン類、オクタン酸モノメチルアミン、ラウリルモノメチルアミン、ステアリルモノメチルアミン、ステアリルモノエチルアミン、ステアリルモノプロピルアミン、オレイルモノメチルアミン、ベヘニルモノメチルアミンなどの脂肪酸第2級アミン類、オクタン酸ジメチルアミン、ラウリルジメチルアミン、ステアリルジメチルアミン、ステアリルジエチルアミン、ステアリルジプロピルアミン、ステアリルエチルメチルアミン、オレイルジメチルアミン、ベヘニルジメチルアミンなどの脂肪酸第3級アミン類などを例示することができる。
脂肪酸アミンの代表的なものとして、顔料吸着基にジメチルアミノプロピルアミン構造を、また相溶性基としてステアリン酸主体の脂肪酸構造と12-ヒドロキシステアリン酸構造を持つアミン系脂肪酸が好ましく、市販品では、ルーブリゾール社製「ソルスパース17000」として購入する事ができる。
また、ポリエチレンイミンにひまし油系エステルと脂肪油が付加したものと、ポリカプロラクトンに脂肪油が付加したものが、櫛型骨格状に形成した塩基性顔料分散剤もアミン系脂肪酸として好ましく、市販品では、ルーブリゾール社製「ソルスパース28000」として購入する事ができる。
本発明のラミネート用印刷インキでは、前記脂肪酸誘導体(C)がとしてはこれら脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物
を使用する事が好ましい。
本発明のラミネート用印刷インキには、版詰まりに見られるインキ転移性の向上目的にロジン系樹脂を含有してもよい。更に、後述するメチルシクロヘキサン溶剤を未使用時にロジン系樹脂を含有することでインキ安定性も向上する。
前記ロジン系樹脂としては、ロジン、水添ロジン、酸変性ロジン、エステルロジンが挙げられる。
前記ロジンとしては、アビエチン酸、レボピマール酸、パルストリン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、或いはジヒドロアビエチン酸など樹脂酸を主成分とするトール油ロジン、ガムロジン、ウッドロジンなどの未変性ロジンが挙げられる。
前記未変性ロジンを各々水素化したものが水添ロジンとして使用できる。
前記、酸変性ロジンとしては、ディールズ・アルダー付加反応によりロジンにフマル酸を付加したフマロピマール酸 マレイン酸を付加したマレオピマール酸等が挙げられる。
前記、酸性変性ロジンの中でも、マレイン酸ロジンが特に好ましい。
前記エステル化ロジンとしては、ロジンとグリセリンをエステル化反応させて得られるグリセリンエステルや、ペンタエリスリトールとエステル化して得られるペンタエリスリトールエステルを挙げらる事ができる。
前記ロジン系樹脂としては、酸価150〜250mgKOH/gが好ましい。ロジン系樹脂の酸価が150mgKOH/g以上であれば重ね刷り適性が低下する傾向が抑制でき、250mgKOH/g以下であれば溶剤に対する溶解性が低下する事なく、インキの貯蔵安定性も保持しやすい傾向となる。また、ロジン系樹脂の軟化点は、100〜170℃が好ましい。ロジン系樹脂の軟化点が100℃以上であれば、インキ塗膜が柔らかくなりブロッキング性が低下する傾向が抑制でき、軟化点が170℃以下であれば、溶剤に対する溶解性が低下する傾向を回避でき、インキの貯蔵安定性も保持される傾向となる。
本発明のラミネート用印刷インキで使用する有機溶剤(D)としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合して用いることができる。
中でも塩素化ポリオレフィン(A)、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)、塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)への溶解性の観点から、メチルシクロヘキサン/シクロヘキサン/メチルエチルケトン/酢酸エチルの混合液、又はトルエン/シクロヘキサン/メチルエチルケトンがより好ましい。また、乾燥調整のために組成物全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加する事も出来る。
尚、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤を使用しない事がより好ましい。
更に、臭気の観点からメチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの炭化水素系溶剤の使用が敬遠される事がある。この際には、溶解性、インキ安定性の観点からエチレン酢酸ビニル共重合体(B1)よりも塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)を用いることが好ましい。
塩素化度は、5〜40の範囲のものが好ましい。この範囲にあると、顔料の分散性、ノンメチルシクロヘキサン溶剤に対する溶解性が良好となる。ここで、本発明における塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の塩素化度とは、エチレン酢酸ビニル共重合体中の塩素原子の質量%である。
本発明のラミネート用印刷インキで使用する顔料としては、着色顔料、白色顔料いずれでもよい。白色顔料を添加すれば、例えば裏刷りグラビア印刷を例に挙げれば、絵柄の背景に相当する白インキとしても使用することができる。
本発明のラミネート用印刷インキに使用される着色顔料としては、一般のインキ、塗料、および記録剤などに使用されている有機顔料や染料を挙げることができる。有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、ジクトピロロピロール系、イソインドリン系などの顔料が挙げられる。
カラーインデックス名としては、
C.I.Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、42、74、83;
C.I.Pigment Orange 16;
C.I.Pigment Red 5、22、38、48:1、48:2、48:4、49:1、53:1、57:1、63:1、81、101;
C.I.Pigment Violet 19、23;
C.I.Pigment Blue 23、15:1、15:3、15:4、17:1、18、27、29
C.I.Pigment Green 7、36、58、59;
C.I.Pigment Black 7;
C.I.Pigment White 4、6、18などが挙げられる。
藍インキにはC.I.Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン)、黄インキにはコスト・耐光性の点からC.I.Pigment Yellow83、紅インキにはC.I.Pigment Red 57:1を用いることが好ましい。墨インキにはカーボンブラック、金、銀インキにはアルミニウム、パールインキにはマイカ(雲母)を使用することがコストや着色力の点から好ましい。アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
また、本発明のラミネート用印刷インキに使用される白色顔料としては、例えば、酸化チタン、硫化亜鉛、鉛白、亜鉛華、リトボン、アンチモンホワイト、塩基性硫酸鉛、塩基性ケイ酸鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、石膏、シリカ、等があげられる。
尚、前記顔料の平均粒径は、10〜400nmの範囲にあるものが好ましく、より好ましくは50〜350nm程度のものである。 また前記着色顔料の添加量としては、十分な画像濃度や印刷画像の耐光性を得るため、インキ全量の1〜20質量%の範囲で含有させることが好ましい。
本発明では更に必要に応じて、併用樹脂、体質顔料、顔料分散剤、レベリング剤、消泡剤、ワックス、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
本発明のラミネート用印刷インキに必要に応じて併用される樹脂の例としては、前記塩素化ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル共重合体、塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体ロジン以外の樹脂、例えば、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。併用樹脂は、単独で、または2種以上を混合して用いることができる。併用樹脂の含有量は、インキの総質量に対して1〜25質量%が好ましく、更に好ましくは2〜15質量%である。
顔料を有機溶剤に安定に分散させるには、前記樹脂単独でも分散可能であるが、さらに顔料を安定に分散するため分散剤を併用することもできる。分散剤としては、アニオン性、ノニオン性、カチオン性、両イオン性などの界面活性剤を使用することができる。例えばポリエチレンイミンにポリエステル付加させた櫛型構造高分子化合物、あるいはα−オレフィンマレイン酸重合物のアルキルアミン誘導体などが挙げられる。具体的にはソルスパーズシリーズ(LUBRIZOL)、アジスパーシリーズ(味の素)、ホモゲノールシリーズ(花王)などを挙げることができる。またBYKシリーズ(ビックケミー)、EFKAシリーズ(EFKA)なども適宜使用できる。分散剤は、インキの保存安定性の観点からインキの総質量に対して0.05質量%以上、ラミネート適性の観点から5質量%以下でインキ中に含まれることが好ましく、さらに好ましくは、0.1〜2質量%の範囲である。
本発明のラミネート用印刷インキは、各樹脂、着色剤などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料を各樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、例えば各樹脂、着色剤、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
基材として利用可能なプラスチックフィルムとしては、ポリプロピレン(PP)が中心となり使用されているが、特に限定は無く、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂に代表される生分解性樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂またはそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。
これらのフィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでも良く、その製法も限定されるものではない。また、基材フィルムの厚さも特に限定されるものではないが、通常は1〜500μmの範囲であればよい。
また、フィルムの印刷面には、コロナ放電処理がされていれば更に基材密着性を向上させる事ができ好ましい。また、シリカ、アルミナ等が蒸着されていてもよい。
また印刷方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷などの既知の版を使用する印刷方式で印刷できるが、特にグラビア印刷方式で印刷することが好ましい。グラビア印刷に用いられるシリンダーは、彫刻タイプ、腐食タイプ等公知のものが用いられる。
また、本発明のラミネート用印刷インキは、練肉配合のベースインキの時点で、25℃でその粘度が離合社製ザーンカップ#4にて5〜30秒であればよく、より好ましくは6〜20秒、更に好ましくは8〜18秒である。ミリパスカル秒で粘度を示すと、25℃にて、50〜400(mPa・s)の範囲であればよく、より好ましくは50〜240(mPa・s)の範囲であればよく、更に好ましくは80〜220(mPa・s)の範囲である。
前記連肉配合のベースインキを適宜混合溶剤を用い印刷用インキに希釈・調整した際の粘度は、25℃で離合社製ザーンカップ#3にて13〜18秒の範囲、60〜100(mPa・s)の範囲が好ましい。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR−Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:1.0重量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定した。
(エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)の樹脂溶液の調整)
エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)の樹脂溶液として、三井・デュポン ポリケミカル社製エバフレックスEV40W;酢酸ビニルから誘導される構成単位含有量41%に酢酸エチル/メチルエチルケトン/メチルシクロヘキサン=20/20/40の質量比率で加え、固形分20%になる様に溶解した樹脂溶液(B1L)を作製した。
(塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の樹脂溶液の調整)
塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の樹脂溶液として、沾州北方塑料化工社製CEVA B−3(塩素化度30〜40)に酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピル/メチルエチルケトン=20/20/40の質量比率で加え、固形分20%になる様に溶解した樹脂溶液(B2L)を作製した。
(混合溶剤Iの調整)
ベースインキの練肉と、練肉後のインキ作製で使用する混合溶剤Iとして、質量比率で酢酸ノルマルプロピル/メチルエチルケトン/メチルシクロヘキサン=25/25/50で混合した混合溶剤Iを作製した。
〔実施例1〜12、比較例1〜8:ベースインキ練肉及びインキの調整法〕
表1〜3に記載の配合比率でまず藍顔料を加えたベースインキをマイティーミル(株式会社井上製作所製)を用いて混練した後、印刷インキ化すべく表1〜3に併記した配合比率にて藍インキを調製した。
〔実施例1〕
藍顔料Fastogen BlueFA5380(DIC社製)10部、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)の樹脂溶液(B1L)15部、塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の樹脂溶液(B2L)10部、混合溶液Iを15部加えマイティーミルにて練肉し、まずはベースインキを作製した。
ベースインキに更に塩素化ポリオレフィン(A)としてスーパークロンSC360(塩素化度31、固形分60%(エチルアルコール溶剤使用)、CAS No.68442−33−1、塩素化ポリプロピレン、日本製紙株式会社製)10部、
塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)の樹脂溶液(B2L)15部、混合溶剤Iを24.5部、脂肪酸誘導体(C)として大豆油0.5部を加え攪拌し藍インキを作製した。
〔実施例2〕
実施例1の脂肪酸誘導体(C)大豆油0.5部の代わりに、ひまし油0.5部を加え、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔実施例3〕
実施例1の脂肪酸誘導体(C)大豆油0.5部の代わりに、ラウリン酸(炭素原子数12)1.5部を加え、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを23.5部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔実施例4〕
実施例1の脂肪酸誘導体(C)大豆油0.5部の代わりに、オレイン酸(炭素原子数18)1.5部を加え、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを23.5部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔実施例5〕
実施例1の脂肪酸誘導体(C)大豆油0.5部の代わりに、エポキシ化大豆油(エポサイザーW−100−EL 酸価0.5KOHmg/g DIC(株)社製)2.0部を加え、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを23部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔実施例6〜9、13及び14〕
実施例6〜9については、脂肪酸誘導体(C)としてアミン系脂肪酸Solsperse17000(固形分50%、ルーブリゾール社製)を使用した。Solsperse17000は顔料吸着基と相溶性基を持つシングル型塩基性(ω−ジアルキルアミドの4級アンモニウム塩)であり、顔料吸着基にジメチルアミノプロピルアミン、相用性基にステアリン酸を主体とする脂肪酸で構成され、顔料吸着基と相用性基の両基間を12-ヒドロキシステアリン酸で構成されるものである。
尚、実施例13、14には、アミン系脂肪酸Solsperse17000と他の脂肪酸誘導体である大豆油や、ラウリン酸と併用した藍インキを作製した。
〔実施例10〕
実施例1の脂肪酸誘導体(C)大豆油0.5部の代わりに、水添ひまし油(T−20SF、伊藤製油製)3部を加え、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを22部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔実施例11、12〕
実施例11、12については、脂肪酸誘導体(C)としてSolsperse28000(固形分50%、ルーブリゾール社製)を使用した。Solsperse28000ポリエチレンはイミンにひまし油系エステルと脂肪油が付加したものと、ポリカプロラクトンに脂肪油が付加したものが、櫛型骨格状に形成した塩基性顔料分散剤である。
また、実施例12では、ロジン溶液として(荒川化学工業社製 マレイン化ロジンであるマルキードNo.31;酸価200以下、エチルアルコールで固形分50%に溶解させたもの)を1部添加した。
〔比較例1〕
比較例1では、表3の配合に従って実施例1と同様の手順にて脂肪酸誘導体(C)を未使用の藍インキを作製した。
〔比較例2〕
比較例2では、表3の配合に従って実施例1と同様の手順にて脂肪酸誘導体(C)を未使用の上、ロジン溶液として(荒川化学工業社製 マレイン化ロジンであるマルキードNo.31;酸価200以下、エチルアルコールで固形分50%に溶解させたもの)を5部添加し、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを20部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例3〕
比較例3では、脂肪酸誘導体(C)である大豆油を0.05部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例4〕
比較例4では、脂肪酸誘導体(C)である大豆油を12部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを15部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例5〕
比較例5では、脂肪酸誘導体(C)であるアミン系脂肪酸ソルスパース17000(ルーブリゾール社製)を0.05部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例6〕
比較例6では、脂肪酸誘導体(C)であるアミン系脂肪酸ソルスパース17000(ルーブリゾール社製)を12部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを15部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例7〕
比較例7では、脂肪酸誘導体(C)であるソルスパース28000(ルーブリゾール社製)を0.05部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
〔比較例8〕
比較例8では、脂肪酸誘導体(C)であるソルスパース28000(ルーブリゾール社製)を12部として、インキ全量が100部になる様に混合溶液Iを15部で調整し、実施例1と同様の手順にて藍インキを作製した。
作製した実施例1〜12、及び比較例1〜8の藍インキを使用し、下記の手順に従って評価試験を行った。
〔評価項目1:フィルムへの密着性〕
表1〜3に記載の藍インキの粘度を、前記混合溶剤Iでザーンカップ#3(離合社製)で16秒(25℃)に調整し、版深22μmグラビア版を備えたグラビア校正機により、二軸延伸ポリプロピレンフィルムV(以下、OPPフィルム、東洋紡績株式会社製 P2161 厚さ20μm)のコロナ処理面側に印刷し、作製した印刷物を1日放置後、印刷面にセロハンテープ(ニチバン製12mm幅)を貼り付け、これを急速に剥がしたときの印刷皮膜の外観の状態を次の5段階で目視判定した。

5:印刷皮膜が全く剥がれなかった。
4:印刷皮膜の70%以上〜90%未満がフィルムに残った。
3:印刷皮膜の50%以上〜70%未満がフィルムに残った。
2:印刷皮膜の30%以上〜50%未満がフィルムに残った。
1:印刷皮膜が30%未満しか残らなかった。
〔評価項目2:転移性〕
表1〜3に記載の藍インキを、前記混合溶剤Iで離合社製ザーンカップNo3を使用し16秒になるように希釈した。それを、版深度25μmを有するレーザーグラビア版を取り付けたMD型グラビア印刷機(富士機械株式会社製)を用いて、片面にコロナ放電処理を施した二軸延伸ポリプロピレンフィルムV(東洋紡績株式会社製 P2161 厚さ20μm)の処理面に印刷を行った。
転移性は、グラビア版の円周600mmφで200m/minの印刷速度した際のハイライト印刷部分(網点面積10%未満)におけるカスレの面積の割合を評価するカスレ試験と、非印刷部の汚れ具合を目視評価した。 評価4以上が実用範囲である。
(評価基準)
5:カスレが全くなく、非印刷部の汚れもない。
4:カスレが少し見られる 、若しくは非印刷部に汚れが少しみられる。
3:カスレが少し見られ 、且つ非印刷部に汚れが少し見られる。
2:カスレが見られ 、且つ非印刷部に汚れが見られる。
1:カスレが多く見られ、且つ非印刷部にも汚れが多く見られる。
〔評価項目3:ラミネート強度〕
上記印刷物にエーテル系のドライラミネート接着剤ディックドライLX−401A/SP−60(DIC製)を塗膜量が2.5g/mとなるように塗布、乾燥後、ドライラミネート機(武蔵野機械設計事務所製)によって無延伸ポリプロピレンフィルム(以下、CPP:東洋紡(株)製 P1128 20μm)を積層し、40℃で3日間エージング施し、ラミネート物を得た後、15mm幅に切り出し引っ張り速度300mm/分で90度剥離試験を行った。
数値が大きい方が、ラミネート強度が強い。
各藍インキの配合、及び評価結果を表1〜3に示す。
Figure 2020059770
Figure 2020059770
Figure 2020059770
以上の結果から、本発明のラミネート印刷インキはフィルム密着性、転移性に優れ、その印刷物はラミネート強度を有する結果となった。
本発明のラミネート印刷インキは、各種グラビア印刷物として、食品包材・サニタリー・コスメ・電子部品等工業製品向け用途に幅広く展開され得る。

Claims (5)

  1. 塩素化ポリオレフィン(A)と、エチレン酢酸ビニル共重合体(B1)および/又は塩素化エチレン酢酸ビニル共重合体(B2)と、脂肪酸誘導体(C)と、有機溶剤(D)とを含有する印刷インキ組成物であって、
    前記脂肪酸誘導体(C)の総計がインキ全量の0.1〜5質量%である事を特徴とするラミネート用印刷インキ。
  2. 前記脂肪酸誘導体(C)が有する長鎖炭化水素基の炭素原子数が12以上である請求項1に記載のラミネート用印刷インキ。
  3. 前記脂肪酸誘導体(C)が脂肪酸、脂肪酸塩、脂肪酸エステル、脂肪酸アミンからなる群から選ばれる1種以上の化合物である請求項1又は2に記載のラミネート用印刷インキ。
  4. 前記有機溶剤(D)が、芳香族炭化水素系溶剤を含有しない請求項1〜3の何れか1つに記載のラミネート用印刷インキ。
  5. プラスチックフィルムに、請求項1〜4のいずれか1つに記載のラミネート用印刷インキを、グラビア印刷機を用いて印刷してなる印刷物。
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