JP2020059443A - 車室暖房用ヒーターエレメント及びその使用方法、並びに車室暖房用ヒーター - Google Patents
車室暖房用ヒーターエレメント及びその使用方法、並びに車室暖房用ヒーター Download PDFInfo
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Abstract
Description
車両の車室暖房用ヒーターエレメントであって、
外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する通電発熱可能な柱状ハニカム構造部、
当該柱状ハニカム構造部の外周側壁の外周側に対向するように形成された一対の電極部、及び、
当該柱状ハニカム構造部の外周側壁と前記一対の電極部の少なくとも一方の電極部との間に挟まれた位置で、当該柱状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されたPTCサーミスタ、
を備えた車室暖房用ヒーターエレメント。
[2]
前記柱状ハニカム構造部の容積Vに対する、前記PTCサーミスタによって前記柱状ハニカム構造部の外周側壁が被覆される部分の合計面積Sの比(S/V)が、0.1cm2/cm3以上である[1]に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[3]
前記S/Vが、0.2cm2/cm3以上である[2]に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[4]
前記複数のセルの流体の流路に直交する方向の断面において、前記複数のセルは放射状に配列されている[1]〜[3]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[5]
前記PTCサーミスタは、キュリー点が100℃以上250℃以下のPTC材料で構成される[1]〜[4]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[6]
前記柱状ハニカム構造部がSi結合SiCを含有する[1]〜[5]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[7]
前記PTCサーミスタは、前記少なくとも一方の電極部が前記柱状ハニカム構造部の外周側壁と直接接触する部分がないように配設される[1]〜[6]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[8]
前記柱状ハニカム構造部の外周側壁と前記一対の電極部の各電極部との間に挟まれた位置にPTCサーミスタがそれぞれ配設されており、
少なくとも一方のPTCサーミスタの一部と、前記柱状ハニカム構造部の外周側壁との間に位置する電気絶縁層であって、前記一対の電極部に電圧を印加したときのハニカム構造部内における電流分布の均一性を高めることが可能な位置に延設された電気絶縁層を更に備える[1]〜[7]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[9]
前記外周側壁がPTCサーミスタによって被覆される部分の合計面積Sと、当該合計面積Sから前記外周側壁が前記電気絶縁層に接する部分の面積を除いた面積Seは、0.3≦Se/S<1を満たす[8]に記載のヒーターエレメント。
[10]
車両の車室暖房用ヒーターエレメントであって、
外周側壁と、内周側壁と、外周側壁及び内周側壁の間に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する通電発熱可能な中空状ハニカム構造部、
当該中空状ハニカム構造部の外周側壁の外周側に形成された外側電極部、
当該中空状ハニカム構造部の内周側壁の内周側に形成された内側電極部、
及び、
当該中空状ハニカム構造部の内周側壁と前記内側電極部との間に挟まれた位置で、当該中空状ハニカム構造部の内周側壁を被覆するように配設されている、及び/又は、当該中空状ハニカム構造部の外周側壁と前記外側電極部との間に挟まれた位置で、当該中空状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されている、PTCサーミスタ、
を備えた車室暖房用ヒーターエレメント。
[11]
前記中空状ハニカム構造部の容積Vに対する、前記PTCサーミスタによって前記中空状ハニカム構造部の内周側壁及び/又は外周側壁が被覆される部分の合計面積Sの比(S/V)が、0.1cm2/cm3以上である[10]に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[12]
前記S/Vが、0.2cm2/cm3以上である[11]に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[13]
前記複数のセルの流体の流路に直交する方向の断面において、前記複数のセルは放射状に配列されている[10]〜[12]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[14]
前記PTCサーミスタは、キュリー点が100℃以上250℃以下のPTC材料で構成される[10]〜[13]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[15]
前記中空状ハニカム構造部がSi結合SiCを含有する[10]〜[14]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[16]
前記PTCサーミスタが中空状ハニカム構造部の内周側壁を被覆するように配設されている場合、当該PTCサーミスタは前記内側電極部が前記中空状ハニカム構造部の内周側壁と直接接触する部分がないように配設され、前記PTCサーミスタが中空状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されている場合、当該PTCサーミスタは前記外側電極部が前記中空状ハニカム構造部の外周側壁と直接接触する部分がないように配設される[10]〜[15]の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
[17]
二つの電極間に200V以上の電圧を印加する[1]〜[16]の何れか一項に記載のヒーターエレメントの使用方法。
[18]
−60℃〜20℃のガスがセルを通過することを含む[17]に記載のヒーターエレメントの使用方法。
[19]
[1]〜[16]の何れか一項に記載のヒーターエレメント、
外気又は車室内空気と前記ヒーターエレメントの一方の底面を連通する流入配管、
前記ヒーターエレメントに電圧を印加するためのバッテリー、及び
前記ヒーターエレメントの他方の底面と車室内を連通する流出配管、
を備えた車室暖房用ヒーター。
本発明に係るヒーターエレメントは、車両の車室暖房用のヒーターエレメントとして好適に利用可能である。車両には、限定的ではないが、自動車及び電車が挙げられる。自動車としては、限定的ではないが、ガソリン車、ディーゼル車、燃料電池自動車、電気自動車及びプラグインハイブリッド自動車が挙げられる。本発明に係るヒーターエレメントは、とりわけ電気自動車及び電車のような内燃機関を持たない車両に好適に利用可能である。
図1−1、図1−2及び図1−3にはそれぞれ、本発明の第一実施形態に係るヒーターエレメント100についての、模式的な斜視図が示されている。ヒーターエレメント100は、外周側壁112と、外周側壁112の内周側に配設され、一方の底面114から他方の底面116まで流体の流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113とを有する通電発熱可能な柱状ハニカム構造部を備える。また、ヒーターエレメント100は、当該柱状ハニカム構造部の外周側壁112の外周側に対向するように形成された一対の電極部120を備える。また、ヒーターエレメント100は、該柱状ハニカム構造部の外周側壁112と一対の電極部120の少なくとも一方の電極部120との間に挟まれた位置で、当該柱状ハニカム構造部の外周側壁112を被覆するように配設されたPTCサーミスタ122を備える。
柱状ハニカム構造部は、例えば、底面が多角形(四角形(長方形(図1−1参照))、正方形(図1−2参照)、五角形、六角形、七角形、八角形等)の多角柱状、底面が円形の柱状(円柱状)(図2参照)、底面がオーバル形状(図1−3参照)の柱状等の任意の形状とすることができる。底面が多角形の場合、角部は面取りしてもよい。また、柱状ハニカム構造部は中空状にすることもできる。
ヒーターエレメント100は、柱状ハニカム構造部の外周側壁112の外周側に対向するように形成された一対の電極部120を備える。柱状ハニカム構造部は、一対の電極部間に電圧を印加すると通電してジュール熱により発熱することが可能である。好ましい実施形態においては、一対の電極部120が、ハニカム構造部の中心軸を挟んで、ハニカム構造部の外周側壁112の外周側にセルの流路方向に帯状に延設される。これにより、ハニカム構造体は、一対の電極部120間に電圧を印加した時に、ハニカム構造部内を流れる電流の偏りを抑制することができ、ハニカム構造部内の温度分布の偏りを抑制することができる。各電極部120には電線を拡散接合、機械的な加圧機構、溶接等により接続することができ、例えばバッテリーから電線を介して給電可能である。
ヒーターエレメント100は、柱状ハニカム構造部の外周側壁112と一対の電極部120の少なくとも一方の電極部120との間に挟まれた位置で、当該柱状ハニカム構造部の外周側壁112を被覆するように配設されたPTCサーミスタ122を備える。このようなサンドイッチ構造を有することで、柱状ハニカム構造部からの熱は迅速にPTCサーミスタ122に伝えられるので、柱状ハニカム構造部が過剰発熱したときに、PTCサーミスタ122が速やかに作動し、電極部120を介して柱状ハニカム構造部を通る電流を抑制することが可能となる。PTCサーミスタ122は、柱状ハニカム構造部の外周側壁112と一対の電極部120の一方の電極部120との間に挟まれた位置にのみ設けてもよいし、柱状ハニカム構造部の外周側壁112と一対の電極部120の両方の電極部120との間に挟まれた位置に設けてもよい。PTCサーミスタを両方の電極部に対して設ける場合は、電流の偏りを防止するため、各電極部用のPTCサーミスタ同士を分離させて設けることが好ましい。
前記柱状ハニカム構造部の外周側壁と前記一対の電極部の各電極部との間に挟まれた位置にPTCサーミスタがそれぞれ配設されており、
少なくとも一方のPTCサーミスタの一部と、前記柱状ハニカム構造部の外周側壁との間に位置する電気絶縁層であって、前記一対の電極部に電圧を印加したときのハニカム構造部内における電流分布の均一性を高めることが可能な位置に延設された電気絶縁層を更に備える。
図2には、本発明の第二実施形態に係るヒーターエレメント200についての、模式的な斜視図が示されている。ヒーターエレメント200は、外周側壁112と、内周側壁117と、外周側壁112及び内周側壁117の間に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセル115を区画形成する隔壁113と、を有する通電発熱可能な中空状ハニカム構造部を備える。また、ヒーターエレメント200は、中空状ハニカム構造部の外周側壁112の外周側に形成された外側電極部120aと、中空状ハニカム構造部の内周側壁117の内周側に形成された内側電極部120bを備える。また、ヒーターエレメント200は、中空状ハニカム構造部の内周側壁117と内側電極部120bとの間に挟まれた位置で、中空状ハニカム構造部の内周側壁117を被覆するように配設されている、及び/又は、中空状ハニカム構造部の外周側壁112と外側電極部120aとの間に挟まれた位置で、中空状ハニカム構造部の外周側壁112を被覆するように配設されている、PTCサーミスタ122を備える。
中空状ハニカム構造部の全体形状及びセルの形状は、中空状であるという限定がある点を除き、第一実施形態で述べた柱状ハニカム構造部における説明と同様であるので、詳細な説明を省略する。但し、第二実施形態においては、電極部が中空状ハニカム構造部の外周側及び内周側の両方に配置されているため、セルを放射状に配列することで、電気が径方向に流れやすくなる。このため、セルを放射状に配列することは、本実施形態のように電極部を中空状ハニカム構造部の外周側及び内周側の両方に配置するときに均一加熱性能が高くなるという点で特に有利である。
ヒーターエレメント200は、中空状ハニカム構造部の外周側壁112の外周側に形成された外側電極部120aと、中空状ハニカム構造部の内周側壁117の内周側に形成された内側電極部120bを備える。中空状ハニカム構造部は、一対の電極部間に電圧を印加すると通電してジュール熱により発熱することが可能である。好ましい実施形態においては、均一発熱の観点から、外側電極部120aは中空状ハニカム構造部の外周側壁の外周側全体を被覆するように形成される。また、好ましい実施形態においては、均一発熱の観点から、内側電極部120bは、中空状ハニカム構造部の内周側壁117の内周側全体を被覆するように形成される。これにより、ハニカム構造体は、一対の電極部120a、120b間に電圧を印加した時に、ハニカム構造部内を流れる電流の偏りを抑制することができ、ハニカム構造部内の温度分布の偏りを抑制することができる。内側電極部120bは、図2−2の(a)に示すように、ハニカム構造部の中空部分を完全に閉塞するように設けることも可能であり、これによって、ヒーターエレメントの構造強度を高めることができる。各電極部120a、120bには電線を拡散接合、機械的な加圧機構、溶接等により接続することができ、例えばバッテリーから電線を介して給電可能である。
ヒーターエレメント200は、中空状ハニカム構造部の内周側壁117と内側電極部120bとの間に挟まれた位置で、中空状ハニカム構造部の内周側壁117を被覆するように配設されているPTCサーミスタ122を備えることができる。代替的に又は追加的に、ヒーターエレメント200は、中空状ハニカム構造部の外周側壁112と外側電極部120aとの間に挟まれた位置で、中空状ハニカム構造部の外周側壁112を被覆するように配設されている、PTCサーミスタ122を備える。
本発明に係るヒーターエレメントは、例えば、一対の電極間に電圧を印加することで発熱させることができる。印加電圧としては、急速加熱の観点から、200V以上の電圧を印加することが好ましく、250V以上の電圧を印加することがより好ましい。先述したように、本発明に係るヒーターエレメントは高電圧を印加したときにでも初期電流を抑えることができるので、安全性が高い。また、安全仕様が重くならないため、ヒーター周りの機器を低コストで製造可能である。
次に、本発明に係るヒーターエレメントを製造する方法について例示的に説明する。
柱状ハニカム構造部(中空状ハニカム構造部を含む)の作製は、公知のハニカム構造体の製造方法に準じて行うことができる。例えば、まず、炭化珪素粉末(炭化珪素)に、金属珪素粉末(金属珪素)、バインダ、界面活性剤、造孔材、水等を添加して成形原料を作製する。炭化珪素粉末の質量と金属珪素の質量との合計に対して、金属珪素の質量が10〜40質量%となるようにすることが好ましい。尚、これは、ハニカム構造部の材質を、Si結合SiCとする場合の成形原料の配合であり、ハニカム構造部の材質をSiCとする場合には、金属珪素は添加しない。
PTCサーミスタは例えば以下の手順により作製可能である。セラミックス原料に、分散媒及びバインダを含有する原料組成物を混ぜ合わせ、混練してペースト又はスラリーを調製する。原料組成物中には分散剤、半導体化剤、シフター、金属酸化物、特性改善剤、導電体粉末等の添加剤を必要に応じて配合することができる。
このようにして得られたPTCサーミスタ付きハニカム構造部には、電極部を接合することができる。電極部は、PTCサーミスタの表面上に、スパッタリング、蒸着、電解析出、化学析出のような金属析出法によって形成することができる。また、電極部は、PTCサーミスタの表面上に電極ペーストを塗布した後、焼き付けることによって形成することもできる。更には溶射によって形成することもできる。いずれの方法によっても、PTCサーミスタの表面にコーティングされた電極部を形成することができる。電極部は単層で構成してもよいが、組成の異なる複数の電極層で構成することもできる。例えば、電極部の厚みはペーストの焼付けでは5〜30μm程度、スパッタリング及び蒸着のような乾式めっきでは100〜1000nm程度、溶射では10〜100μm程度、電解析出及び化学析出のような湿式めっきでは5〜30μm程度とすることが好ましい。内側電極部は、ハニカム構造部の中空部分を完全に閉塞するように設けることも可能であり、これによって、ヒーターエレメントの構造強度を高めることができる。
図3には、本発明の一実施形態に係る車室暖房用ヒーター300の構成が模式的に示されている。本実施形態に係るヒーターは、本発明に係るヒーターエレメント100(又は200)、外気又は車室130内空気とヒーターエレメント100(又は200)の一方の底面114を連通する流入配管132(132a、132b)、ヒーターエレメント100(又は200)に電圧を印加するためのバッテリー134、及びヒーターエレメント100(又は200)の他方の底面116と車室130内空気を連通する流出配管136を備える。
(1.ハニカム構造部の作製)
表1に記載に示す寸法を有する直方体状のSi結合SiC製ハニカム構造部を、公知の方法で成形及び焼成することで作製した。何れの実施例においてもハニカム構造部の材料組成は同じである。当該ハニカム構造部の隔壁平均厚みは0.13mm、セル密度は60セル/cm2、セルの流路に直交する断面におけるセル形状は正方形、開口率は0.806とした。表1中、a及びbはハニカム構造部の各底辺の長さ、cはハニカム構造部の高さ(セルの流路の長さ)を示す。表1中、Vはハニカム構造部の容積、TSは外周側壁の全面積を示す。
チタン酸バリウムの原料であるTiO2及びBaCO3に、分散媒、バインダ、シフター等を配合したペーストを調製し、上記のハニカム構造部の外周側壁の所定の位置に塗布後、ペーストを焼成することで、実施例の番号に応じて表1に示す各種仕様のPTCサーミスタをハニカム構造部の外周側壁に対向するようにして一対形成した。なお、実施例5及び実施例6においては、PTCサーミスタによって被覆すべきハニカム構造部の外周側壁の一部にCVD法によって電気絶縁層(酸化シリコン膜)を形成した後に、PTCサーミスタを形成した。
上記のようにして作成したPTCサーミスタ付きのハニカム構造部のPTCサーミスタ表面上に、ガラスフリット混合ペーストを焼き付ける方法によって、タングステンを材質とする電極部(厚み1mm)を形成し、ヒーターエレメントを製造した。何れの実施例においても、電極部はPTCサーミスタの表面全体を過不足なく被覆するように形成したが、ハニカム構造部の外周側壁と直接接触する部分がないように留意した。表1中、実施例1〜6において電極部位置が「外」とあるのは、電極部がPTCサーミスタよりも外周側にあることを意味する。
上記の手順で得られた各実施例に係るヒーターエレメントの対向する一対の電極部に対して、室温にて200Vの電圧を印加して発熱させたときのハニカム高さ(セルの流路の長さ)方向の中央位置におけるハニカム中心軸付近の最高到達温度を調査した。そして、以下の基準によって、過昇温防止効果を評価した。結果を表1に示す。
D: PTC材料のキュリー温度+100℃以上。
C: PTC材料のキュリー点温度+80℃以上+100℃未満。
B: PTC材料のキュリー点温度+60℃以上+80℃未満。
A: PTC材料のキュリー点温度+60℃未満。
上記の手順で得られた各実施例に係るヒーターエレメントの対向する一対の電極部に対して、室温にて200Vの電圧を印加して加温したときのハニカム各位置:ハニカム高さ(セルの流路の長さ)方向の中央面内で、一本の対角線上の5点(最外周セル2点、中央セル、およびその中間セル2点)および、一本の辺の中央を結ぶ線上の5点(最外周セル2点、中央セル1点、およびその中間セル2点(但し、中央セルは共通))の計9点の温度分布を熱電対による温度計測の方法によって調査した。そして、以下の基準によって、ハニカム温度均一性を評価した。結果を表1に示す。
D: ハニカム内の最大温度差 100℃以上
C: ハニカム内の最大温度差 60℃以上 100℃未満
B: ハニカム内の最大温度差 30℃以上 60℃未満
A: ハニカム内の最大温度差 30℃未満
表1の結果からわかるように、S/Vが大きくなるにつれて、過昇温防止効果が向上することが分かる。また、ハニカム温度均一性はハニカム中の電気伝導経路長さが比較的短くなってしまう領域を電気絶縁して覆うほうが向上することが分かる。
実施例1と同様のハニカム構造部を用意した。比較例1では、電極部をハニカム構造部の外周側壁に形成した後にPTCサーミスタを形成した他は実施例1と同様の方法でヒーターエレメントを作製した。表1中、比較例1において電極部位置が「内」とあるのは、電極部がPTCサーミスタよりも内周側にあることを意味する。得られたヒーターエレメントに対して、実施例と同様の方法で、過昇温防止効果の試験及びハニカム温度均一性調査を行った。結果を表1に示す。
112 外周側壁
113 隔壁
114 一方の底面
115 セル
116 他方の底面
117 内周側壁
118 電気絶縁層
119 電線
120 電極部
120a 外側電極部
120b 内側電極部
122 PTCサーミスタ
130 車室
139(139a、139b) バルブ
132(132a、132b) 流入配管
134 バッテリー
136 流出配管
138 送風機
300 車室暖房用ヒーター
Claims (19)
- 車両の車室暖房用ヒーターエレメントであって、
外周側壁と、外周側壁の内周側に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁とを有する通電発熱可能な柱状ハニカム構造部、
当該柱状ハニカム構造部の外周側壁の外周側に対向するように形成された一対の電極部、及び、
当該柱状ハニカム構造部の外周側壁と前記一対の電極部の少なくとも一方の電極部との間に挟まれた位置で、当該柱状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されたPTCサーミスタ、
を備えた車室暖房用ヒーターエレメント。 - 前記柱状ハニカム構造部の容積Vに対する、前記PTCサーミスタによって前記柱状ハニカム構造部の外周側壁が被覆される部分の合計面積Sの比(S/V)が、0.1cm2/cm3以上である請求項1に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記S/Vが、0.2cm2/cm3以上である請求項2に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記複数のセルの流体の流路に直交する方向の断面において、前記複数のセルは放射状に配列されている請求項1〜3の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記PTCサーミスタは、キュリー点が100℃以上250℃以下のPTC材料で構成される請求項1〜4の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記柱状ハニカム構造部がSi結合SiCを含有する請求項1〜5の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記PTCサーミスタは、前記少なくとも一方の電極部が前記柱状ハニカム構造部の外周側壁と直接接触する部分がないように配設される請求項1〜6の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記柱状ハニカム構造部の外周側壁と前記一対の電極部の各電極部との間に挟まれた位置にPTCサーミスタがそれぞれ配設されており、
少なくとも一方のPTCサーミスタの一部と、前記柱状ハニカム構造部の外周側壁との間に位置する電気絶縁層であって、前記一対の電極部に電圧を印加したときのハニカム構造部内における電流分布の均一性を高めることが可能な位置に延設された電気絶縁層を更に備える請求項1〜7の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。 - 前記外周側壁がPTCサーミスタによって被覆される部分の合計面積Sと、当該合計面積Sから前記外周側壁が前記電気絶縁層に接する部分の面積を除いた面積Seは、0.3≦Se/S<1を満たす請求項8に記載のヒーターエレメント。
- 車両の車室暖房用ヒーターエレメントであって、
外周側壁と、内周側壁と、外周側壁及び内周側壁の間に配設され、一方の底面から他方の底面まで流体の流路を形成する複数のセルを区画形成する隔壁と、を有する通電発熱可能な中空状ハニカム構造部、
当該中空状ハニカム構造部の外周側壁の外周側に形成された外側電極部、
当該中空状ハニカム構造部の内周側壁の内周側に形成された内側電極部、
及び、
当該中空状ハニカム構造部の内周側壁と前記内側電極部との間に挟まれた位置で、当該中空状ハニカム構造部の内周側壁を被覆するように配設されている、及び/又は、当該中空状ハニカム構造部の外周側壁と前記外側電極部との間に挟まれた位置で、当該中空状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されている、PTCサーミスタ、
を備えた車室暖房用ヒーターエレメント。 - 前記中空状ハニカム構造部の容積Vに対する、前記PTCサーミスタによって前記中空状ハニカム構造部の内周側壁及び/又は外周側壁が被覆される部分の合計面積Sの比(S/V)が、0.1cm2/cm3以上である請求項10に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記S/Vが、0.2cm2/cm3以上である請求項11に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記複数のセルの流体の流路に直交する方向の断面において、前記複数のセルは放射状に配列されている請求項10〜12の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記PTCサーミスタは、キュリー点が100℃以上250℃以下のPTC材料で構成される請求項10〜13の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記中空状ハニカム構造部がSi結合SiCを含有する請求項10〜14の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 前記PTCサーミスタが中空状ハニカム構造部の内周側壁を被覆するように配設されている場合、当該PTCサーミスタは前記内側電極部が前記中空状ハニカム構造部の内周側壁と直接接触する部分がないように配設され、前記PTCサーミスタが中空状ハニカム構造部の外周側壁を被覆するように配設されている場合、当該PTCサーミスタは前記外側電極部が前記中空状ハニカム構造部の外周側壁と直接接触する部分がないように配設される請求項10〜15の何れか一項に記載の車室暖房用ヒーターエレメント。
- 二つの電極間に200V以上の電圧を印加する請求項1〜16の何れか一項に記載のヒーターエレメントの使用方法。
- −60℃〜20℃のガスがセルを通過することを含む請求項17に記載のヒーターエレメントの使用方法。
- 請求項1〜16の何れか一項に記載のヒーターエレメント、
外気又は車室内空気と前記ヒーターエレメントの一方の底面を連通する流入配管、
前記ヒーターエレメントに電圧を印加するためのバッテリー、及び
前記ヒーターエレメントの他方の底面と車室内を連通する流出配管、
を備えた車室暖房用ヒーター。
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