JP2020058478A - 化粧料塗布体 - Google Patents
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Abstract
【課題】径大化して剛性が高まった塗布部における化粧料塗布の際の肌あたりや打突時の感触の向上を図った化粧料塗布体を提供すること。【解決手段】化粧料塗布体8を構成する塗布部9と軸部10との間に、互いに対向するような位置に形成する各々の薄肉部11、11において、側面方向及び正面方向に対して、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となるくびれ12、12を有するので、塗布部への圧力や打突により該薄肉部が軸部の長軸方向、軸部の長軸を中心として左右方向又は捻れ方向に円滑に変形して反発や衝撃を吸収し、塗布部を肌等の塗布面に密着させ肌等の塗布面に対する肌あたりや感触を向上させるので、迅速且つ正確に液状化粧料を塗布できるものとなる。【選択図】図3
Description
本願発明は、例えば口紅、リップグロス、コンシーラー等の液状化粧料、又はアイシャドウ等の粉状化粧料(以下、「化粧料」という。)を塗布する化粧料塗布体に関する。
上記化粧料を塗布する化粧料塗布体には、該化粧料を収容し、容器本体とともに化粧料容器を構成する蓋体と固持軸を介して一体となっているものであって、例えば軟質樹脂、エラストマー又はゴム等の軟質材(以下、「軟質材」という。)とする、該固持軸の先端で固持される軸部と塗布部とから形成されるものがある(特許文献1参照)。
そして、上記化粧料塗布体の塗布部では、例えば外出時において、迅速且つ正確に化粧料の塗布が行えるように、可能な限り一度で必要量の化粧料を保持することが要求されるものである。
その手段の一例として、上記化粧料塗布体を構成する軸部及び化粧料容器のシゴキ穴と共に、塗布部の径大化が考えられるが、以下の理由から十分に採用されることがなかった。
すなわち、上記化粧料塗布体の塗布部を径大化すると、たとえ軟質材とする塗布部であっても剛性が高まり、該塗布部を肌等の塗布面に密着させようとしても十分に撓まず反発して密着し難く、塗布部の肌あたりが悪くなるので、迅速且つ正確な化粧料の塗布できないという欠点がある。
さらに、大径の塗布部を有する化粧料塗布体では、肌等の塗布面に対して打突を繰り返して化粧料を塗布することも行われるが、塗布部の剛性が高まると、肌等の塗布面に対して塗布部が反発して衝撃を与え、塗布部の感触が低下するので、迅速且つ正確な化粧料の塗布ができないという欠点もある。
そこで、化粧料塗布体を構成する径大化を図った塗布部によって肌等の塗布面に対して化粧料を塗布する際の塗布部の肌あたりや感触を向上させて、迅速且つ正確に化粧料の塗布が行えるようにするものである。
第1の特徴として、
軸部と塗布部とから一体に構成され、該軸部と該塗布部との間に変形可能な薄肉部を形成してなるものである。
そのため、化粧料塗布体の剛性が高くなった塗布部を肌等の塗布面に対して押し付けても、軸部と塗布部との間に形成される薄肉部自体は他の部分よりも相対的に剛性が低いので、該化粧料塗布体を構成する軸部の長軸方向、該軸部の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向のいずれにも円滑に変形するものとなる。
その結果、高剛性により生じる塗布部の反発を吸収して肌あたりの悪化を解消することによって肌等の塗布面に対して確実に密着するので、化粧料を迅速且つ正確に塗布することができる。
また、上記剛性が高くなった塗布部によって肌等の塗布面を打突しても、軸部と塗布部との間に形成される薄肉部自体は他の部分よりも相対的に剛性が低いので、特に該化粧料塗布体を構成する軸部の長軸方向に円滑に変形するものとなる。
その結果、高剛性により生じる衝撃を吸収して塗布部の肌等の塗布面への感触の悪化を解消して接触するので、化粧料を迅速且つ正確に塗布することができる。
なお、上記化粧料塗布体を一体に構成する軸部と塗布部との間に形成される薄肉部は、化粧料塗布体を一体に構成する塗布部と軸部とのいずれか一方において、その一部に形成されているものであり、例えば互いに対向するような位置の他、その内部に薄肉部によって密閉された空間を形成するように形成されていても良いものである。
その上、上記薄肉部は、化粧料塗布体を一体に構成する塗布部と軸部とのいずれか一方において、化粧料塗布体を貫通する孔を穿設させて形成することで、その形成を簡易且つ正確に行えるものとなる。
第1の特徴を踏まえて、第2の特徴として、
上記一体に構成される軸部と該塗布部との間の薄肉部の厚さを軸部の長軸方向に不均一に形成するものである。
そのため、肌等の塗布面に塗布部を押し付けたり又は塗布部で打突すると、軸部と塗布部との間に形成される薄肉部自体はその他の部分より相対的に剛性が低いので、塗布部の反発や衝撃に応じて該薄肉部は化粧料塗布体を構成する軸部の長軸方向、該軸部の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向のいずれにも適宜、円滑に変形するものとなる。
その結果、上記塗布部の高剛性のために生じる塗布部の反発を吸収することによって肌あたりの悪化を解消して、肌等の塗布面に対して確実に密着させ、又塗布部の打突時の衝撃を吸収して感触の悪化を解消して接触するので、化粧料を迅速且つ正確に塗布することができる。
特に、該孔の断面形状を変えて薄肉部の厚さや形状を自在に調整できるので、肌等の塗布面の表面状態や化粧料の塗布方法に応じて、該薄肉部における硬度等の変形特性を調整することができる。
その結果、肌等の塗布面に対する塗布部の肌あたりや感触は向上するので、化粧料をより迅速且つ正確に塗布することができる。
なお、上記化粧料塗布体の薄肉部の形成を、該化粧料塗布体を貫通する孔の穿設によるものとすると、厚さを不均一とする薄肉部を簡易且つ正確に薄肉部を形成することができるものとなる。
第1の特徴又は第2の特徴を踏まえて、第3の特徴として、
上記薄肉部において変形容易とさせる変形補助部を形成するものである。
そのため、上記化粧料塗布体の塗布部による肌等の塗布面に対する圧力又は打突によって、薄肉部の変形が容易に開始されるので、肌等の塗布面に対する塗布部の反発や衝撃をより迅速に吸収するものとなる。
その結果、肌等の塗布面に対する塗布部の肌あたりや感触はより向上するので、化粧料をより迅速且つ正確に塗布できる。
第1の特徴乃至第3の特徴のうちいずれかを踏まえて、第4の特徴として、
上記塗布部の表面に対して静電植毛加工を施してなるものである。
そのため、塗布部の表面において静電植毛された繊維により多くの化粧料を保持するとともに、肌等の塗布面に対して静電植毛された繊維が直接接触するものとなる。
その結果、肌等の塗布面に対する塗布部の肌あたりや感触はより向上するので、しかも化粧料をより迅速且つ正確に塗布できる。
本願発明は、化粧料塗布体を構成する塗布部が高剛性となっても、該塗布部と固持軸部との間に形成される薄肉部が変形して、化粧料を塗布する時の塗布部の反発や衝撃を吸収し、塗布部は肌等の塗布面に対して確実に密着して肌あたりや感触を向上させるので、径大化した塗布部による迅速且つ正確な化粧料の塗布を行うことができるという優れた効果を有するものである。
化粧料塗布体の塗布部を径大化して高剛性となっても、肌等の塗布面に対して該塗布部を確実に密着させ、又は衝撃を確実に吸収することで塗布部の肌当たりや感触を向上させるので化粧料を迅速かつ正確に塗布できるようにする。
図1乃至図3において示すのは、本願発明の実施例1である化粧料塗布体8を具える化粧料容器1であり、該化粧料容器1は、開口部3内にシゴキ4を装着し、その内部に液状化粧料5を収容する容器本体2と、該容器本体2に対して螺合により脱着自在となる蓋体6とから構成されるものである。
そして、該蓋体6には、固持軸7を介して上記化粧料塗布体8が一体に固持されている。
ここで、上記化粧料塗布体8は、軟質材である塗布部9と軸部10とから構成されるものであって、該塗布部9と軸部10との間には、塗布部9への反発や衝撃によって変形可能となる、各々の薄肉部11、11が互いに対向するような位置に形成されている。
そして、上記薄肉部11、11は、該薄肉部11、11の側面方向及び正面方向に対して、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となり、変形を容易にする変形補助部であるくびれ12、12を有している。
なお、蓋体6に化粧料塗布体8を一体に固持する固持軸7は、一端には蓋体6内に嵌着される径大部7aを、他端には上記化粧料塗布体8を構成する軸部10を挿嵌固持する固持孔7bが穿設されている。
以上のように上記化粧料塗布体8は構成されるので、液状化粧料5の塗布にあたっては次のようになるものである。
まず、該化粧料塗布体8の塗布部9の側面を肌等の塗布面に押し当てると、塗布部9の反発によって該薄肉部11、11は軸部10の長軸方向、該軸部10の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向において円滑に変形して反発を吸収するものとなる。
この場合、上記薄肉部11、11では、該薄肉部11、11の側面方向及び正面方向に対して、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となり、変形容易となるくびれ12、12を有しており、該くびれ12、12ではその他の部分よりも相対的に剛性が低いので、特に薄肉部11、11は該軸部10の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向に、より円滑に変形させて適切に反発を吸収するものとなる。
その結果、塗布部9は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9の高剛性による肌当たりの悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布できるものである。
また、該化粧料塗布体8の塗布部9の先端で叩くように肌等の塗布面を打突すると、肌等の塗布面に対する塗布部9の衝撃により該薄肉部11、11は軸部10の長軸方向において円滑に変形して衝撃を吸収するものとなる。
この場合、上記薄肉部11、11では、該薄肉部11、11の側面方向及び正面方向に対して、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となり、変形容易となるくびれ12、12を有しており、該くびれ12、12ではその他の部分よりも相対的に剛性が低いので、特に薄肉部11、11を該軸部10の長軸方向に、より円滑に変形させて適切に衝撃を吸収するものとなる。
その結果、塗布部9は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9の高剛性による感触の悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布できるものである。
図4において示すのは、本願発明の実施例2である化粧料塗布体8’であり、該化粧料塗布体8’は、実施例1と同様に、軟質材である塗布部9’と軸部10’とから構成されるものであって、該塗布部9’と軸部10’との間には、塗布部9’への圧力や衝撃によって変形可能となる薄肉部11’、11’が互いに対向する位置に形成されている。
しかしながら、上記各々の薄肉部11’、11’は、側面方向のみに対して、軸部端面と塗布部端面との中央において幅狭となるくびれ12’、12’を有するものであって、互いに対向するように位置する薄肉部11’、11’間の空間の断面形状が正面方向に対して長方形状となる点で、該薄肉部11、11の側面方向及び正面方向に対して、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となるくびれ12、12を有するものであって、互いに対向するように位置する薄肉部11、11間の空間の断面形状も正面方向に対して中央で幅狭のくびれ12を有する形状となる実施例1である化粧料塗布体8とは相違するものである。
以上のように上記化粧料塗布体8’は構成されるので、液状化粧料5の塗布にあたっては次のようになるものである。
まず、該化粧料塗布体8’の塗布部9’の側面を肌等の塗布面に押し当てると、塗布部9’の反発により薄肉部11’、11’が軸部10’の長軸方向、該軸部10’の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向において円滑に変形して反発を吸収するものとなる。
この場合、上記薄肉部11’、11’は、側面方向に対し、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となって、変形容易となるくびれ12’、12’を有しており、該くびれ12’、12’ではその他の部分よりも相対的に剛性が低いので、特に薄肉部11’、11’は該軸部10’の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向により円滑に変形させてより適切に反発の吸収するものとなる。
その結果、塗布部9’は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9’の高剛性による肌あたりの悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布することができる。
また、該化粧料塗布体8’の塗布部9’の先端で叩くように肌等の塗布面を打突すると、肌等の塗布面に対する塗布部9’の衝撃によって該薄肉部11’、11’は軸部10’の長軸方向において円滑に変形して衝撃を吸収するものとなる。
この場合、上記薄肉部11’、11’では、該薄肉部の側面方向に対してのみ、軸部端面と塗布部端面との中央で幅狭となって、変形容易となるくびれ12’、12’を有しており、該くびれ12’、12’では軸部10’の長軸方向への剛性が該軸部10’の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向よりも大きくなる(薄肉部の形成する空間の断面形状が長方形状である。)ので、軸部10’の長軸方向への変形を小さくしつつもより円滑に変形させて適切に衝撃を吸収するものとなる。
その結果、塗布部9’は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9’の高剛性による感触の悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布できるものとなる。
図5において示すのは、本願発明の実施例3である化粧料塗布体8”であり、該化粧料塗布体8”は、実施例1及び実施例2と同様に、軟質材である塗布部9”と軸部10”とから構成され、該塗布部9”と軸部10”の間に薄肉部11”、11”が形成されている点で共通している。
しかしながら、本願発明の実施例3である化粧料塗布体8”においては、該塗布部9”と軸部10”の間に断面形状が略半円形状であって、その薄肉部11”、11”における軸部10”又は塗布部9”方向への肉厚が不均一、すなわち軸部方向へ薄くなり、しかもくびれを有していない点で、薄肉部11”、11”自体の厚さが均一であり、くびれ12、12’を有している本願発明の実施例1及び実施例2である化粧料塗布体8、8’とは相違する。
以上のように上記化粧料塗布体8”は構成されるので、液状化粧料5を塗布するにあたっては次のようになるものである。
まず、該化粧料塗布体8”の塗布部9”の側面を肌等の塗布面に押し当てると、塗布部9”の反発により薄肉部11”、11”が軸部10”の長軸方向、該軸部10”の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向において円滑に変形して反発を吸収するものとなる。
この場合、薄肉部11”、11”は軸部10”又は塗布部9”方向に不均一の厚さであり、薄肉部11”、11”の剛性に高低が生じるので、特に薄肉部11”、11”は軸部10”方向で、該軸部10”の長軸を中心に左右方向のみならず捻れ方向において円滑に変形して反発を吸収するものとなる。
その結果、塗布部9”は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9”の高剛性による肌あたりの悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布できるものとなる。
また、該化粧料塗布体8”の塗布部9”の先端で叩くように肌等の塗布面を打突すると、肌等の塗布面に対する塗布部9”の衝撃により該薄肉部11”、11”は軸部10”の長軸方向において円滑に変形して衝撃を吸収するものとなる。
特に、薄肉部11”、11”は軸部10”又は塗布部9”方向に不均一の厚さであり、薄肉部11”、11”の剛性に高低が生じている、すなわち軸部10”側は塗布部9”よりも低くなって薄肉部11”、11”の変形特性が変わるので、軸部10”の長軸方向に対して小さな衝撃であれば剛性が低い部分で、一方大きな衝撃であれば剛性の高い部分までの変形により衝撃を吸収するものとなる。
その結果、塗布部9”は肌等の塗布面に確実に密着して、塗布部9”の高剛性による感触の悪化を解消し、液状化粧料5を迅速且つ正確に塗布できるものとなる。
1 化粧料容器
2 容器本体
3 開口部
4 シゴキ
5 液状化粧料
6 蓋体
7 固持軸
7a 径大部
7b 固持孔
8、8’、8” 化粧料塗布体
9、9’、9” 塗布部
10、10’、10” 軸部
11、11’、11” 薄肉部
12、12’、12” くびれ
Claims (4)
-
軸部と塗布部とから一体に構成され、
該軸部と該塗布部との間に変形可能な薄肉部を形成してなる
ことを特徴とする化粧料塗布体。
-
上記一体に構成される軸部と該塗布部との間の薄肉部の厚さを軸部の長軸方向に不均一に形成する
ことを特徴とする請求項1記載の化粧料塗布体。
-
上記薄肉部において変形容易とさせる変形補助部を形成する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の化粧料塗布体。
-
上記塗布部の表面に対して静電植毛加工を施してなる
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のうちいずれかに記載の化粧料塗布体。
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Citations (3)
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JP2014140724A (ja) * | 2012-12-29 | 2014-08-07 | Kao Corp | 化粧料塗布具 |
JP2015047360A (ja) * | 2013-09-02 | 2015-03-16 | フィグラ株式会社 | 化粧料塗布体 |
JP2016016186A (ja) * | 2014-07-09 | 2016-02-01 | 花王株式会社 | 化粧料塗布具 |
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2018
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