JP2020057774A - 発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高耐硫化性、高光維持率発光装置を提供する。【解決手段】下記組成の封止部材50を硬化させる。(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、(C)ヒドロシリル化触媒、および(D)下記式(1)で表される亜鉛シラノラート(前記式(1)中、R1からR7は、互いに独立して、直鎖状、分岐鎖状又は環状のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1から10の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mは、1以上の整数である。)【選択図】図1

Description

本発明は、発光装置に関する。
発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下「LED」ともいう。)またはレーザーダイオード(Laser Diode、以下「LD」ともいう。)の発光素子を用いた発光装置は、各種の光源として利用されている。LEDやLDの発光素子を用いた発光装置は、変換効率が高い光源であり、消費電力が少なく、長寿命であり、サイズの小型化が可能であることから、白熱電球や蛍光灯に代わる光源として利用されている。中でも、表面実装型発光装置は、小型で、鮮やかな色を発光し、初期駆動特性に優れ、振動や、オン・オフ点灯の繰り返しに強いという特徴を有する。発光素子の高出力化も急速に進んでいる。LEDやLDを用いた発光装置は、車載用や室内照明用の発光装置、液晶表示装置のバックライト光源、イルミネーション、プロジェクター用の光源装置などの広範囲の分野で利用されている。
このような発光装置は、発光素子を水分や埃等から保護するために、発光素子を被覆する封止部材が用いられている。封止部材には、例えば特許文献1から3に開示されるようにエポキシ樹脂を含む組成物が使用されている。また、特許文献4に開示されるように発光素子の高出力化に伴い、封止部材には、シリコーン樹脂も使用されている。
特開2001−234032号公報 特開2002−145993号公報 特開2002−302533号公報 特表2015−505329号公報
しかしながら、エポキシ樹脂を含む組成物から形成される封止部材は、高出力化した発光素子から発せられる光および熱によって封止部材が黄色に変色しやすく、発光装置から発せられる光の色調が変化し、所望の長寿命を達成できない場合がある。また、シリコーン樹脂を含む組成物から形成される封止部材は、気体の透過性が高く、空気を透過しやすいために、空気中の硫化物によって、発光装置に用いられている銀めっきが経時的に変色し、その結果、発光装置の光束が低下する場合がある。
そこで本発明の一態様は、耐硫化性を改善し、光束の維持率が高い発光装置を提供することを目的とする。
本発明の第一の態様は、ピーク波長が320nm以上の光を発する発光素子と、前記発光素子が載置される導電部材を含む基体と、発光素子を被覆する封止部材と、を備え、
前記導電部材が銀を含み、
前記封止部材が、下記成分(A)、(B)、(C)および(D)を含むシリコーン組成物を硬化させてなる、発光装置である。
(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化触媒、および
(D)下記式(1)で表される亜鉛シラノラート。
Figure 2020057774
前記式(1)中、RからRは、互いに独立して、直鎖状、分岐鎖状または環状のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1から10の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mは、1以上の整数である。
本発明の一態様によれば、耐硫化性を改善し、光束の維持率が高い発光装置を提供することができる。
図1は、発光装置の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明に係る発光装置を実施形態に基づいて説明する。以下に示す実施の一形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は、以下の発光装置に限定されない。なお、色名と色度座標との関係、光の波長範囲と単色光の色名との関係等は、JIS Z8110に従う。また、組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の実施形態に係る発光装置の一例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の発光装置100を示す概略断面図である。
発光装置
発光装置100は、ピーク波長が320nm以上の光を発する発光素子10と、一対の導電部材20、30を含む基体40と、発光素子10を被覆する封止部材50と、を備える。封止部材50は、発光素子10からの光により励起されて発光する蛍光体70を含んでいてもよい。
基体
基体40は、側壁を構成する凹部を有するパッケージ部材42と、このパッケージ部材42の凹部の底部を構成する一対の導電部材20、30とを含み、樹脂組成物により一体的に成形されてなるものである。発光素子10は、パッケージ部材42の底面となる導電部材20に載置されている。発光素子10は、一対の導電部材20、30と、それぞれワイヤ60を介して電気的に接続されている。パッケージ部材42の凹部の底面となる導電部材20に載置された発光素子10は、封止部材50により封止されている。一対の導電部材20、30は、基体40の外方に向けてその一部が露出され、外部からの電力の供給を受けて発光装置100を発光させることができる。
基体40のパッケージ部材42を構成する樹脂組成物に含まれる樹脂としては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、変性ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、変性ウレタン樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリシクロへキシレンジメチルテレフタレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート、液晶ポリマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートを用いることができる。パッケージ部材42を構成する樹脂組成物には、凹部の側面方向への光の透過を低減し、凹部の内部の側面の反射を高めるために、光反射率の高い白色顔料を含んでいてもよい。パッケージ部材42を構成する樹脂組成物は、白色顔料の他に、フィラー、拡散剤、反射性物質を含んでいてもよい。白色顔料、フィラー、拡散剤または反射性物質の材料としては、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、ケイ酸カルシウム、チタン酸カリウム、ガラス粒子等が挙げられる。
導電部材
一対の導電部材20、30は、銀を含む。一対の導電部材20、30の母材は、銅、アルミニウム、金、銀、タングステン、鉄およびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属、または、鉄−ニッケル合金、燐青銅などの合金からなる板状体を用いることができ、一対の導電部材20、30の表面には、発光素子10からの光を効率よく取り出すために、銀、アルミニウム、金およびこれらの合金、または銀からなる金属の膜が形成されていてもよい。一対の導電部材20、30の表面は、銀を含む銅、アルミニウム、金、タングステン、鉄およびニッケルから選ばれる少なくとも1種の金属、若しくは、鉄−ニッケル合金、燐青銅などの合金、または、銀が存在していてもよい。導電部材は、光の取り出し効率を高めるために、反射率を考慮して、表面に銀を含む膜を有するものであることが好ましい。導電部材は、導電部材の表面の少なくとも一部は、銀または銀合金からなるものであることがより好ましい。導電部材の表面に形成される膜は、単層膜でもよく、多層膜でもよい。導電部材の表面に形成される膜はメッキ処理により施されることが好ましい。
発光素子
発光素子10は、発光装置100の励起光源として用いられる。発光素子10は、ピーク波長が320nm以上である。発光素子10から発せられる光のピーク波長が320nm以上の紫外光領域及び可視光領域であると、導電部材に含まれる銀の反射率が高く、発光装置100の光の取り出し効率を良くすることができる。発光素子10から発せられる光のピーク波長は、320nm以上550nm以下の範囲にあることが好ましく、より好ましくは350nm以上500nm以下の範囲であり、さらに好ましく400nm以上490nm以下の範囲であり、よりさらに好ましくは420nm以上475nm以下の範囲であり、特に好ましくは450nm以上475nm以下の範囲である。発光素子10の発光スペクトルの半値幅は、例えば30nm以下でもよく、25nm以下でもよく、20nm以下でもよい。半値幅は、発光スペクトルにおける発光ピークの半値全幅(Full Width at Half Maximum:FWHM)をいい、各発光スペクトルにおける発光ピークの最大値の50%の値を示す発光ピークの波長幅をいう。発光素子10は、例えば、窒化物系半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)を用いた半導体発光素子であることが好ましい。発光素子として、半導体発光素子を用いることによって、高効率で入力に対するリニアリティが高く機械的衝撃にも強い安定した発光装置を得ることができる。
封止部材
封止部材は、下記成分(A)、(B)、(C)および(D)を含むシリコーン組成物を硬化させてなるものであることが好ましい。
(A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
(B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
(C)ヒドロシリル化触媒、および
(D)下記式(1)で表される亜鉛シラノラート
Figure 2020057774
前記式(1)中、RからRは、互いに独立して、直鎖状、分岐鎖状または環状のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1から10の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mは、1以上の整数である。
(A)成分
シリコーン組成物中の(A)成分は、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサンである。シリコーン組成物中の(A)成分は、組成物の主剤(ベースポリマー)となる成分であり、1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個有し、好ましくは2から20個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有し、より好ましくは2から10個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有する。
また、(A)成分は、組成物の粘度が低いという観点から、1分子中に1個のビニル基および/またはヒドロシリル基を有するポリシロキサンであっても良い。
(A)成分のオルガノポリシロキサン中のアルケニル基はケイ素原子と有機基を介して結合することができる。有機基は特に制限されず、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子のようなヘテロ原子を有することができる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基のような炭素数2から8の不飽和炭化水素基;(メタ)アクリロイル基が挙げられる。なかでも、硬化性に優れるという観点から、アルケニル基は、ビニル基または(メタ)アクリロイル基であるのが好ましく、ビニル基がより好ましい。(A)成分がアルケニル基としてビニル基を有するオルガノポリシロキサンの場合は、硬化性により優れている。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基およびメタクリロイル基のうちのいずれか一方または両方であることを意味する。
アルケニル基の結合位置としては、例えば、ポリシロキサンの分子鎖末端および分子鎖側鎖のうちのいずれか一方または両方が挙げられる。また、アルケニル基は、ポリシロキサンの分子鎖の片方の末端または両方の末端に結合することができる。
(A)成分において、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等が挙げられる。また、(A)成分であるポリシロキサンはヒドロシリル基を有していてもよい。
なかでも、耐熱性に優れるという観点から、アルケニル基以外のケイ素原子に結合した有機基は、メチル基、フェニル基であることが好ましい。
(A)成分は、その主鎖としては、オルガノポリシロキサンが挙げられる。具体的には、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンが挙げられる。なかでも、耐熱性、耐光性に優れるという観点から、ジメチルポリシロキサンおよび/または変性ジメチルポリシロキサンが好ましい。なお、耐光性とはLEDからの発光に対する耐久性(例えば、変色、焼けが生じにくいこと。)をいう。(A)成分に用いる変性ジメチルポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンの側鎖、または、末端にメチル基以外の有機基を導入したものであり、例えばエポキシ変性ジメチルポリシロキサン、脂環式エポキシ変性ジメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサンが挙げられる。
(A)成分は分子構造について特に制限されない。例えば、直鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、分岐鎖状、三次元網状等が挙げられる。直鎖状であるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。(A)成分はその分子構造として、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなるのが好ましい態様の1つとして挙げられる。(A)成分として、ビニル基含有ポリシロキサンおよび/またはヒドロシリル基含有ポリシロキサンを用いる場合、(A)成分の構造中にアルキレン基および/またはフェニレン骨格を有しても良い。
また、(A)成分の分子末端は、シラノール基(ケイ素原子結合水酸基)、アルコキシシリル基で停止しているか、トリメチルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基またはビニル基で封鎖することができる。
(A)成分としては、例えば、下記式(I)で表されるオルガノポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2020057774
式(I)中、R、R、R11はそれぞれ独立にアルケニル基であり、R12はそれぞれ独立にアルケニル基以外の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、アルコキシ基であり、R10はそれぞれ独立に有機基であり、a+b+qは2以上であり、a、bは0から3の整数であり、p、qは0以上の整数である。)
ポリシロキサンが、不飽和炭化水素基としてアルケニル基を有するポリシロキサンである場合、硬化性がより優れている。
ポリシロキサンが、不飽和炭化水素基としてアルケニル基を有するポリシロキサンとしては、例えば、式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:(RSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:(RSiO2/2で示されるシロキサン単位と式:SiO4/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体、式:(RSiO1/2で示されるシロキサン単位と式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位もしくは式:RSiO3/2で示されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサン共重合体が挙げられる。
ポリシロキサンがアルケニル基として不飽和炭化水素基を有するポリシロキサンである場合、ポリシロキサンの構造中にアルキレン基およびまたはフェニレン骨格を有しても良
い。
ここで、上記式(I)中のR12はアルケニル基以外の1価の炭化水素基であってもよい。
アルケニル基以外の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。
また、上記式(I)中のRはアルケニル基である。アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、へプテニル基が挙げられる。
(A)成分がアルケニル基として(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンである場合、硬化性により優れている。
(A)成分が(メタ)アクリロイル基を有するポリシロキサンである場合、例えば、下記平均組成式(II)で示されるものが挙げられる。
Figure 2020057774
式(II)中、R13は水素原子、ヒドロキシ基、炭素原子数1から10のアルキル基またはアリール基を示し、R14はCH=CR16−CO−O−(CH−で表される(メタ)アクリロキシアルキル基(CH=CR16−CO−O−(CH−中の、R16は水素原子またはメチル基であり、jは2から6の整数であり、2、3または4であるのが好ましい。)を示し、cは、好ましくは0.8≦c≦2.4、より好ましくは1≦c≦1.8を満たす数であり、dは、好ましくは0.1≦d≦1.2、より好ましくは0.2≦d≦1、さらに好ましくは0.4≦d≦1を満たす数であり、cとdの和(c+d)は、好ましくは2≦c+d≦2.5であり、より好ましくは2≦c+d≦2.2を満たす数である。
式(II)中、R13のアルキル基、アリール基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基が挙げられる。なかでも、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基が好ましく、特にメチル基が好ましい。
(A)成分の分子量(重量平均分子量)は、硬化性により優れており、靭性、伸び、作業性に優れるという観点から、500から100,000であるのが好ましく、1,000から100,000であるのが好ましく、5,000から50,000であるのがさらに好ましい。なお、本願明細書において、重量平均分子量は、GPC(ゲル透過カラムクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算値である。
(A)成分の23℃における粘度は、得られるシリコーン樹脂の物理的特性が良好であり、シリコーン組成物の取扱作業性が良好であることから、5から10,000mPa・sが好ましく、10から1,000mPa・sであるのがより好ましい。なお、粘度はE型粘度計によって23℃の条件下において測定されたものである。
(A)成分はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。(A)成分はその製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。
(B)成分
シリコーン組成物中の(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンである。シリコーン組成物中の(B)成分は、シリコーン組成物のポリシロキサン架橋剤である。シリコーン組成物中の(B)成分は、1分子中にケイ素原子に結合した水素基(即ち、SiH基)を少なくとも2個含有し、主鎖としてポリシロキサン構造を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンであれば特に制限されない。
(B)成分は1分子中にケイ素原子に結合した水素基を、2から300個程度を有するのが好ましく、より好ましくは3個以上(例えば3から150個程度)を有する。(B)成分の分子構造としては例えば、直鎖状、分岐状、環状、三次元網状構造が挙げられる。
(B)成分において、ケイ素原子に結合した水素基の結合位置としては、例えば、ポリシロキサンの分子鎖末端および分子鎖側鎖のうちのいずれか一方または両方が挙げられる。また、ケイ素原子に結合した水素基は、ポリシロキサンの分子鎖の片方の末端または両方の末端に結合することができる。
(B)成分としては、例えば、下記平均組成式(III)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2020057774
式(III)中、R15は独立に脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基であり、eおよびfは、0<e<2、0.8≦f≦2かつ0.8<e+f≦3を満たす数であり、好ましくは0.05≦e≦1、0.9≦f≦2かつ1.0≦e+f≦2.7となる数である。また、一分子中のケイ素原子の数は、2から300個であり、3から200個が好ましい。
式(III)中、R15の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等のハロゲン化アルキル基などが挙げられる。
なかでも、耐熱性、耐光性に優れるという観点から、メチル基等の炭素原子数1から3の低級アルキル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基が好ましい。
(B)成分としては、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端シラノール基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体等;(R15HSiO1/2単位とSiO4/2単位からなり、任意に(R15SiO1/2単位、(R15SiO2/2単位、R15HSiO2/2単位、(H)SiO3/2単位またはR15SiO3/2単位を含み得るシリコーンレジン(但し、式中、R15は前記の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基と同じである。)などのほか、これらの例示化合物においてメチル基の一部または全部をエチル基、プロピル基等の他のアルキル基やフェニル基、ヒドロシリル基で置換したものなどが挙げられる。
(B)成分としては、下記式(IV)から(VII)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンが挙げられる。
Figure 2020057774
Figure 2020057774
Figure 2020057774
Figure 2020057774
式(IV)から(VII)中、R15は脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基と同じであり、gは0または1以上の整数であり、hは1以上の整数である。(B)成分はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
(B)成分は、その製造について特に制限されない。例えば、従来公知のものが挙げられる。具体的には、例えば、下記一般式:R15SiHClおよび(R15SiHCl(式中、R15は前記の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基と同じである。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを共加水分解し、或いは該クロロシランと下記一般式:(R15SiClおよび(R15SiCl(式中、R15は前記の脂肪族不飽和結合を含有しない非置換または置換の1価の炭化水素基と同じである。)から選ばれる少なくとも1種のクロロシランを組み合わせて共加水分解して得ることができる。また、(B)成分として、共加水分解して得られたポリシロキサンを平衡化したものを使用することができる。
(B)成分は、硬化後のゴム物性(靭性、伸び)に優れるという観点から、(A)成分中のアルケニル基1モル当たり、(B)成分が有する、ケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)が、0.1モルから5モルとなる量で使用されるのが好ましく、より好ましくは0.5モルから2.5モル、さらに好ましくは1.0モルから2.0モルとなる量で使用される。
SiH基量が0.1モル以上である場合、硬化が十分で、強度のあるゴム硬化物(シリコーン樹脂)が得られる。
SiH基量が5モル以下である場合、硬化物が脆くなることがなく、強度のあるゴム硬化物が得られる。
(A)成分および(B)成分は、(A)成分および(B)成分の混合物として使用することができる。
(C)成分
シリコーン組成物中の(C)成分は、ヒドロシリル化反応触媒(ポリシロキサン触媒)である。シリコーン組成物中の(C)成分は、シリコーン組成物のポリシロキサン架橋剤である。シリコーン組成物中の(C)成分は、(A)成分が有するアルケニル基と、(B)成分が有する、ケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)との付加反応を促進するための触媒である。シリコーン組成物は(C)成分を含むことにより、硬化性に優れている。
(C)成分は、特に制限されない。例えば、従来公知のヒドロシリル化触媒が挙げられる。シリコーン組成物に含まれる(C)成分の具体例としては、例えば、白金(白金黒を含む)、ロジウム、パラジウム等の白金族金属単体;HPtCl・nHO、HPtCl・nHO、NaHPtCl・nHO、KHPtCl・nHO、NaPtCl・nHO、KPtCl・nHO、PtCl・nHO、PtCl、NaHPtCl・nHO(但し、式中、nは0から6の整数であり、好ましくは0または6である)等の塩化白金、塩化白金酸および塩化白金酸塩;アルコール変性塩化白金酸(米国特許第3,220,972号明細書参照);塩化白金酸とオレフィンとのコンプレックス(米国特許第3,159,601号明細書、同第3,159,662号明細書、同第3,775,452号明細書参照);白金黒、パラジウム等の白金族金属をアルミナ、シリカ、カーボン等の担体に担持させたもの;ロジウム−オレフィンコンプレックス;クロロトリス(トリフェニルフォスフィン)ロジウム(ウィルキンソン触媒);塩化白金、塩化白金酸または塩化白金酸塩とビニル基含有シロキサン、特にビニル基含有環状シロキサンとのコンプレックスなどの白金族金属系触媒が挙げられる。
(C)成分は、触媒量の範囲で使用することができる。優れた硬化性を発揮できる観点から、(A)成分および(B)成分の合計量に対する白金族金属の質量換算で、0.1から500ppm(好ましくは10から100ppm)とすることができる。
(D)成分
シリコーン組成物中、(D)成分である下記式(1)で表される亜鉛シラノラートは、発光装置の耐硫化性を改善するものとして作用する。シリコーン組成物中に、(D)成分である下記式(1)で表される亜鉛シラノラートが含まれていると、シリコーン組成物を硬化させてなる封止部材中に亜鉛シラノラートまたは亜鉛シラノラートの分解物が存在し、封止部材を透過する空気中に含まれている硫化物が、導電部材に含まれている銀よりもイオン化傾向が高く、反応性の良い亜鉛シラノラートまたは亜鉛シラノラートの分解物と反応して結合し、導電部材に含まれている銀の腐食を抑制することができる。そのため、発光装置は、耐硫化性が改善され、導電部材の反射率が維持されて、光束の維持率を高くすることができる。(D)成分である亜鉛シラノラートは、主鎖にシロキサン鎖を有するものであり、(A)成分および(B)成分との相溶性が良好であり、光透過性に優れた封止部材を形成することができる。(D)成分である亜鉛シラノラートは、封止部材である光透過性を損なわないように、着色していないものが好ましい。例えば450nmにおける封止部材の透過率は、85%以上であってもよく、好ましくは90%以上であってもよい。
Figure 2020057774
式(1)中、RからRは、互いに独立して、直鎖状、分岐鎖状または環状のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1から10の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mは、1以上の整数である。亜鉛は2価の亜鉛である。
式(1)中、RからRが、互いに独立して、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1から10のアルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。RからRの互いに独立して、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1から10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。式(1)中、mは、好ましくは1から100の整数であり、より好ましくは1から50の整数であり、さらに好ましくは2から25の整数であり、よりさらに好ましくは2から15の整数であり、特に好ましくは2から11の整数である。
前記式(1)中、亜鉛に隣接するシロキサン鎖のケイ素原子に結合している2つの基RおよびRの少なくとも1つの基は、メチル基、または電子求引基であることが好ましい。前記式(1)中に、亜鉛に隣接するシロキサン単位のケイ素原子に結合している2つの基RおよびRのうち少なくとも1つの基がメチル基であると、シリコーン組成物の(A)オルガノポリシロキサンとしてジメチルポリシロキサンを用いた場合に、相溶性が良好となる。前記式(1)中に、亜鉛に隣接するシロキサン単位のケイ素原子に結合している2つの基RおよびRのうち少なくとも1つの基が電子求引基であると、前記式(1)で表される亜鉛シラノラートの安定性が高くなり亜鉛シラノラートの分解が抑制され、取り扱い性を向上することができる。前記式(1)中、Rは、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。また、前記式(1)中、Rは、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。前記式(1)中、RおよびRは、互い同一でも異なっていてもよい。前記式(1)中、RからRがメチル基であることが好ましい。
シリコーン組成物中、(D)成分は、下記式(2)で表される亜鉛シラノラートであることが好ましい。下記式(2)で表される亜鉛シラノラートは、(A)のオルガノポリシロキサンと相溶性が良好であり、シリコーン組成物を硬化させて光透過率の高い封止部材を得ることができる。
Figure 2020057774
式(2)中、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基である。式(2)中、良好な相溶性と、高い光透過率を有するシリコーン組成物を得るために、mは、好ましくは1から50の整数であり、さらに好ましくは2から25の整数であり、よりさらに好ましくは2から15の整数であり、特に好ましくは2から11の整数である。亜鉛は2価の亜鉛である。式(2)中、R及びRがメチル基であることが好ましい。前記式(2)中、R及びRがメチル基であると、シリコーン組成物の(A)オルガノポリシロキサンとしてジメチルポリシロキサンを用いた場合に、さらに相溶性が良好となる。
シリコーン組成物中、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対して、(D)成分の亜鉛シラノラートを0.1質量部以上0.5質量部以下含有することが好ましい。シリコーン組成物中、(D)成分の亜鉛シラノラートの含有量は、(A)成分および(B)成分の合計100質量部に対して、より好ましくは0.12質量部以上0.45質量部以下であり、さらに好ましくは0.13質量部以上0.40質量部以下である。シリコーン組成物中、(D)成分の含有量が、(A)成分および(B)成分の合計量100質量部に対して0.1質量部以上であれば、耐硫化性を向上させることができ、0.5質量部以下であれば、シリコーン組成物を硬化させてなる封止部材の光透過率を高くすることができる。
(D)成分の製造方法
(D)成分の亜鉛シラノラートの製造方法は、塩化亜鉛または亜鉛カルボン酸塩とシラノール基含有オルガノポリシロキサンのアルカリ金属塩との反応により製造することができる。例えば、両末端にシラノール基を有する直鎖状のポリシロキサンに2当量のナトリウムメトキシドを加え、水酸基の脱プロトン化を行う。次いで、1当量のトリメチルクロロシランを反応させ、直鎖状のポリシロキサンの片側の末端をトリメチルシリル基で保護する。得られた溶液を、アルコールと芳香族炭化水素を混合した混合溶媒に溶解させた亜鉛の塩化物の溶液に加えることで、式(1)または式(2)の亜鉛シラノラートを得ることができる。
シラノール基含有オルガノポリシロキサンのアルカリ金属塩としては、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンのカリウム塩、分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたジオルガノポリシロキサンのナトリウム塩等が例示される。このオルガノポリシロキサンのケイ素原子に結合する基は、式(1)中のRからRで表される基または式(2)中のRおよびRで表される基であり、具体的には、互いに独立して、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1から10のアルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であることが好ましい。直鎖状または分岐鎖状の炭素数1から10のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。アルコキシ基は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基等が挙げられる。シラノール基含有オルガノポリシロキサンの片側の末端のシラノール基に隣接するシロキサン鎖のケイ素原子に結合している2つの基のうち少なくとも1つの基は、メチル基、または電子求引基であることが好ましく、好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基である。シラノール基含有オルガノポリシロキサンの片側の末端のシラノール基に隣接するシロキサン鎖のケイ素原子に結合している2つの基が両方ともメチル基、または電子求引基であってもよく、好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基である。
塩化亜鉛または亜鉛カルボン酸塩とシラノール基含有オルガノポリシロキサンのアルカリ金属塩との反応は、有機溶媒中で行うことが好ましい。有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、およびメトキシイソプロパノール等のアルコール;トルエン、およびキシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、およびヘプタン等の脂肪族炭化水素、および石油エーテル等が挙げられる。反応は、室温または加熱して行ってもよい。
蛍光体
シリコーン組成物には、発光素子10からの光を吸収し、異なる波長の光に波長変換する蛍光体70を含むことが好ましい。蛍光体70としては、例えば、Ce(セリウム)で賦活されたYAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Ceで賦活されたLAG(ルテチウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体、Eu(ユーロピウム)及び/又はCr(クロム)で賦活された窒素含有アルミノ珪酸カルシウム(CaO−Al−SiO)系蛍光体、Euで賦活されたシリケート((Sr,Ba)SiO)系蛍光体、βサイアロン蛍光体、KSF(KSiF:Mn)系蛍光体等を用いることができる。蛍光体を表す組成中、カンマ(,)で区切られて記載されている複数の元素は、カンマで区切られた複数の元素から選ばれる少なくとも一種の元素を含み、前記複数の元素から2種以上を組み合わせて含んでいてもよいことを表す。蛍光体を表す組成中、コロン(:)の前は母体結晶を表し、コロン(:)の後は賦活元素を表す。
シリコーン組成物には、(A)から(D)成分および蛍光体以外に、フィラー、光安定剤、着色剤等のその他の成分を含んでいてもよい。フィラーとしては、例えば酸化ケイ素、チタン酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等を挙げることができる。シリコーン組成物中の、蛍光体および(A)から(D)成分以外のその他の成分の含有量は、シリコーン組成物100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上20質量部以下である。
発光装置の製造方法
発光装置の製造方法の一例を以下に説明する。
パッケージ部材の凹部の底部を構成する一対の導電部材を、パッケージ部材の凹部に相当する凹みを有する上金型と、下金型で挟み込む。導電部材を挟み込んだ下金型および上金型によって形成された凹み部分を含む空間部に例えばトランスファー・モールド工程により、パッケージ部材を構成する熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物を流し込む。導電部材を挟み込んだ下金型および上金型によって形成された空間部に流し込まれた樹脂組成物を硬化させて、側壁を構成する凹部を有するパッケージ部材42と、このパッケージ部材の凹部の底部を構成する一対の導電部材を一体的に成形した基体40を製造する。
上金型と下金型を取り外し、パッケージ部材42の凹部の内部の一方の導電部材20に発光素子10を載置し、ワイヤ60を介して、発光素子10を一対の導電部材20、30に電気的に接続する。
パッケージ部材42の凹部内に、(A)から(D)成分および蛍光体を含むシリコーン組成物を配置して、シリコーン組成物で発光素子10を封止し、シリコーン組成物を硬化させて、発光素子10を被覆する封止部材を備えた発光装置100を製造することができる。シリコーン組成物をパッケージ部材42の凹部の内部に配置させる手段としては、滴下手段、射出手段、押出手段などを適用することができる。シリコーン組成物をパッケージ部材42の凹部の内部に配置させる手段としては、凹部の上面を、シリコーン組成物を配置する指標とすることができ、残存する空気を効果的に押し出してシリコーン組成物を凹部の内部に配置させ、シリコーン組成物を硬化させてなる封止部材を得ることができることから、滴下手段を用いることが好ましい。
発光装置を、1gの硫化ナトリウム9水和物を配置した120cmのオートクレーブに配置し、100℃で24時間加熱する耐硫化試験を行い、耐硫化試験前の発光装置の光束と、耐硫化試験開始から24時間後における発光装置の光束を、積分球にて測定し、測定された各光束から下記式(a)に基づいて算出される光束維持率が80%以上であることが好ましい。さらに好ましくは85%以上である。
Figure 2020057774
発光装置の光束維持率を80%以上とすることで、硫化物によって導電部材に含まれる銀が黒色へ変色するのを抑制し、高い反射率を維持することができる。これにより、発光装置から取り出される光の光束が高い状態で維持され、耐硫化性が改善されている。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
(D)成分の亜鉛シラノラートの製造
両末端にシラノ―ル基を有する直鎖状のジメチルポリシロキサンに2当量のナトリウムメトキシドを加え、水酸基の脱プロトン化を行った。次いで、1当量のトリメチルクロロシランを反応させ、直鎖状のポリシロキサンの片側の末端をトリメチルシリル基で保護した。得られた溶液を、1−メトキシ−2−プロパノール及びトルエンを混合した混合溶媒に溶解させた塩化亜鉛溶液に滴下して反応させ、式(2)で表される亜鉛シラノラートを製造した。式(2)中、R及びRは、共にメチル基であり、mは、11であった。
実施例1
図1に示される側壁を構成する凹部を有するパッケージ部材42と、パッケージ部材の凹部の底部を構成する一対の導電部材20、30を有する基体40を準備した。一方の導電部材20に発光ピーク波長が450nmである窒化物半導体を発光素子10として載置し、ワイヤ60を介して、導電部材20および30と発光素子10を電気的に接続した。
シリコーン組成物として、(A)成分、(B)成分および(C)成分を含有する熱硬化性ジメチルシリコーン樹脂(東レ・ダウコーニング株式会社、商品名:OE6351)を用いた。(C)成分の含有量は、熱硬化性ジメチルシリコーン樹脂中、500ppm(0.05質量%)以下と少量なので、熱硬化性ジメチルシリコーン樹脂の量を、(A)成分および(B)成分の合計量とした。製造した式(2)で表される亜鉛シラノラートを(D)成分として、熱硬化性ジメチルシリコーン樹脂100質量部に対して、(D)成分の亜鉛シラノラートを0.14質量部、KSiF:Mnを25.92質量部、(Si,Al)(O,N):Euを16.2質量部、CaAlSiN:Euを2.88質量部フィラーとしてシリカ(二酸化ケイ素)を36.2質量部加えて、シリコーン組成物を製造した。得られたシリコーン組成物を、滴下手段を用いてパッケージ部材42の凹部にポッティングし、発光素子10を封止した。シリコーン組成物を80℃で2時間、次いで、150℃で3時間硬化させ、シリコーン組成物からなる封止部材で発光素子10を封止した発光装置を製造した。
実施例2
熱硬化性ジメチルシリコーン樹脂100質量部に対して、(D)成分の亜鉛シラノラートを0.3質量部含有するシリコーン組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして発光装置を製造した。
比較例1
シリコーン組成物に(D)成分の亜鉛シラノラートを含まないシリコーン組成物を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、発光装置を製造した。
初期値の光束の測定
積分球を使用した全光束測定装置を用いて、各実施例および比較例の発光装置の光束を測定した。比較例1の発光装置の光束を100%として、各実施例の相対光束を測定した。結果を表1に示した。
耐硫化試験
1gの硫化ナトリウム9水和物を配置した容積が120cmのオートクレーブ内に各実施例および比較例の発光装置を配置し、100℃で24時間加熱し、耐硫化試験を行った。耐硫化試験後の各発光装置の光束を初期値の光束の測定と同様にして測定した。前記計算式(a)に示すように、耐硫化試験後の光束を耐硫化試験前の光束で除した数値の100の積を光束維持率として算出した。結果を表1に示した。
Figure 2020057774
(D)成分の亜鉛シラノラートを含むシリコーン樹脂を硬化させてなる封止部材を備えた実施例1および2の発光装置の相対光束は、比較例1の発光装置と比べて数値が大きく変化しておらず、(D)成分の亜鉛シラノラートが、発光装置の光束に影響を与えていないことが確認できた。
また、実施例1および2の発光装置は、耐硫化試験後の光束維持率が80%以上であり、導電部材に含まれる銀または銀合金が、空気中に含まれる硫化物によって変色しておらず、耐硫化性が改善されていることが確認できた。
(D)成分の亜鉛シラノラートを含まないシリコーン組成物を硬化させてなる封止部材を備えた比較例1の発光装置は、耐硫化試験後の光束維持率が80%未満であり、耐硫化性が改善されていなかった。
本発明の実施形態に係る発光装置は、表面実装型発光装置として好適に用いることができ、車載用や室内照明用の発光装置、液晶表示装置のバックライト光源、イルミネーション、プロジェクター用の光源装置などに利用できる。

Claims (9)

  1. ピーク波長が320nm以上の光を発する発光素子と、前記発光素子が載置される導電部材を含む基体と、発光素子を被覆する封止部材と、を備え、
    前記導電部材が銀を含み、
    前記封止部材が、下記成分(A)、(B)、(C)および(D)を含むシリコーン組成物を硬化させてなる、発光装置。
    (A)1分子中にケイ素原子に結合したアルケニル基を少なくとも2個含有するオルガノポリシロキサン、
    (B)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を少なくとも2個含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン、
    (C)ヒドロシリル化触媒、および
    (D)下記式(1)で表される亜鉛シラノラート
    Figure 2020057774
    (式(1)中、RからRは、互いに独立して、直鎖状、分岐鎖状または環状のフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1から10の1価の炭化水素基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mは、1以上の整数である。)
  2. 前記式(1)中、RからRが、互いに独立して、直鎖状または分岐鎖状の炭素数1から10のアルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、シクロへキシル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、mが2から11の整数である、請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記式(1)中、Rが、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基である、請求項1または2に記載の発光装置。
  4. 前記式(1)中、Rが、メチル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、ヒドロキシ基、またはアルコキシ基であり、RからRがメチル基である、請求項1から3のいずれか1項に記載の発光装置。
  5. 前記成分(A)のオルガノポリシロキサンが、ジメチルポリシロキサンおよび/または変性ジメチルポリシロキサンである、請求項1から4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 前記シリコーン組成物中の成分(D)の含有量が、成分(A)および(B)の合計量100質量部に対して、0.1質量部以上0.5質量部以下である、請求項1から5のいずれか1項に記載の発光装置。
  7. 前記導電部材の表面の少なくとも一部が銀または銀合金からなる、請求項1から6のいずれか1項に記載の発光装置。
  8. 前記基体が、側壁を構成する凹部を有するパッケージ部材と、前記パッケージ部材の凹部の底部を構成する前記導電部材を含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の発光装置。
  9. 前記発光装置を、1gの硫化ナトリウム9水和物を配置した120cmのオートクレーブに配置し、100℃で24時間加熱する耐硫化試験を行い、耐硫化試験前の発光装置の光束と、耐硫化試験開始から24時間後における発光装置の光束を、積分球にて測定し、測定された各光束から下記式(a)に基づいて算出される光束維持率が80%以上である、請求項1から8のいずれか1項に記載の発光装置。
    Figure 2020057774
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