JP2020056381A - 排ガス浄化装置 - Google Patents

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Makoto Ogawa
誠 小川
岩知道 均一
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Abstract

【課題】排ガス浄化装置に関し、排ガス浄化性能を効率的に高める。【解決手段】内燃機関1の排ガスに含まれる粒子状物質を捕集して燃焼させる排ガス浄化装置3において、入口セル4及び出口セル5を有するウォールフロー型の担体6の隔壁内部に貴金属を担持させる。隔壁表面のうち入口セル4に面する側の上流側に触媒が担持される入口上流部14を設ける。また、隔壁表面のうち出口セル5に面する側の下流側に触媒が担持される出口下流部15を設ける。【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質(PM)を捕集して燃焼させる排ガス浄化装置に関する。
従来、内燃機関の排ガス(排気ガス)を浄化するための排ガス浄化装置として、触媒が担持された担体を用いて有害成分を除去するものが知られている。すなわち、多数の微細孔が貫通形成された担体(キャリア)の内部に触媒成分を固定して排ガスを流通させ、排ガス中に含まれる一酸化炭素,未燃燃焼成分,窒素酸化物,粒子状物質(Particulate Matter;以下PM)などを浄化するものである。担体の種類としては、セラミックス成形品や金属製品(メタル担体)などが存在する。また、担体に担持される触媒の種類は、浄化の対象となる物質に応じて多様に選択される(特許文献1〜3参照)。
国際公開第2016/133086号 国際公開第2017/119101号 特開2010-269205号公報
排ガスに含まれるPMを捕集して燃焼させる排ガス浄化装置では、気孔率(空孔率)を低下させることでPMの捕集効率が向上しうる。しかしながら、PMが捕集された後の圧力損失が大きくなり、エンジン性能に悪影響を与えうる。反対に、気孔率を上昇させれば圧力損失の影響が小さくなるものの、PMの捕集効率が低下する。したがって、PMの捕集効率を高めつつ圧力損失を減少させることが難しいという課題がある。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑みて創案されたものであり、PMの捕集効率を向上させつつ圧力損失を減少させることができるようにした排ガス浄化装置を提供することである。なお、この目的に限らず、後述する「発明を実施するための形態」に示す各構成から導き出される作用効果であって、従来の技術では得られない作用効果を奏することも、本件の他の目的として位置付けることができる。
(1)開示の排ガス浄化装置は、入口セル及び出口セルを有するウォールフロー型の担体の隔壁内部に貴金属が担持され、内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質を捕集して燃焼させる排ガス浄化装置である。本装置は、隔壁表面のうち前記入口セルに面する側の上流側に触媒が担持される入口上流部を備える。また、前記隔壁表面のうち前記出口セルに面する側の下流側に触媒が担持される出口下流部を備える。
前記隔壁内部に担持される貴金属の具体例としては、金(Au),銀(Ag),白金族元素〔ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir),白金(Pt)〕などが挙げられる。これらの少なくとも一つ以上が、前記隔壁内部に担持される。好ましくは、白金(Pt)よりも触媒性能の高いロジウム(Rh)またはパラジウム(Pd)が前記隔壁内部に担持される。
前記入口上流部は、前記担体の入口端面から前記入口セルの最奥部よりも手前までの範囲をカバーするように設けられることが好ましい。換言すれば、前記隔壁表面のうち前記入口セルに面する側の下流側には、触媒が担持されない部位が設けられることが好ましい。同様に、前記出口下流部は、前記担体の出口端面から前記出口セルの最奥部よりも手前までの範囲をカバーするように設けられることが好ましい。換言すれば、前記隔壁表面のうち前記出口セルに面する側の上流側には、触媒が担持されない部位が設けられることが好ましい。
(2)また、前記出口下流部が貴金属を含むことが好ましい。前記出口下流部に担持される貴金属の具体例としては、金(Au),銀(Ag),白金族元素〔ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),パラジウム(Pd),オスミウム(Os),イリジウム(Ir),白金(Pt)〕などが挙げられる。好ましくは、白金(Pt)よりも触媒性能の高いロジウム(Rh)またはパラジウム(Pd)が用いられる。
(3)前記入口上流部が銀(Ag)または酸化セリウム(CeO2)を含むことが好ましい。好ましくは、銀(Ag)及び酸化セリウム(CeO2)の双方が前記入口上流部に含まれる。
(4)前記入口上流部が希土類元素を含むことが好ましい。ここでいう希土類元素の具体例としては、スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),ランタノイド〔ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),プロメチウム(Pm),サマリウム(Sm),ユウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ルテチウム(Lu)〕が挙げられる。これらの少なくとも一つ以上が前記入口上流部に担持されることが好ましい。
(5)前記入口上流部が銀または酸化セリウムと希土類元素とを含む場合には、銀または酸化セリウムが含まれる部位を前記入口セル側に露出させることが好ましい。すなわち、前記入口上流部が銀または酸化セリウムを含む表層と希土類元素を含む基層とを有することが好ましい。
(6)前記隔壁内部が窒素酸化物をトラップするバリウム(Ba)またはカリウム(K)を含むことが好ましい。なお、バリウム(Ba),カリウム(K)は窒素酸化物(NOx)を一時的に吸着するNOxトラップ触媒として作用する。
(7)前記入口上流部と前記出口下流部とが側面視で上下方向にオーバーラップして配置されることが好ましい。例えば、側面視での前記入口セルの全長LUPに対して前記入口上流部の長さL1を60%とし、前記出口セルの全長LDOWNに対して前記出口下流部の長さL2も60%とする。前記入口上流部の好ましい長さL1の範囲は例えば0.5LUP≦L1<0.75LUPであり、前記出口下流部の好ましい長さL2の範囲は例えば0.5LDOWN≦L2<0.75LDOWNである。
入口上流部を入口セル側の上流側に設け、出口下流部を出口セル側の下流側に設けることで、排気通路の圧損を低減させることができる。また、PMの捕集効率を向上させつつ圧力損失を減少させることができ、排ガス浄化性能を効率的に高めることができる。
排ガス浄化装置が適用された車両の内部を示す図である。 排ガス浄化装置の担体の構造を示す断面図である。 担体の内部構造(図2のA部)を拡大して示す断面図である。 担体の内部構造(図2のA部)の変形例を示す断面図である。 触媒の貴金属担持密度と炭化水素成分の浄化効率との関係を示すグラフである。 触媒ベッド温度とNOx浄化効率との関係を示すグラフである。 (A)〜(C)は出口セル側の触媒カバー率を変化させたときの圧力損失,浄化性能,PM捕集効率の変化を説明するためのグラフである。 (A)〜(C)は入口セル側の触媒カバー率を変化させたときの圧力損失,浄化性能,PM捕集効率の変化を説明するためのグラフである。
[1.構成]
以下、図面を参照して、実施形態としての排ガス浄化装置について説明する。図1に示すように、本件の排ガス浄化装置3は、エンジン1(内燃機関)を搭載した車両10に適用される。エンジン1の種類はディーゼルエンジンであってもよいし、ガソリンエンジンであってもよい。なお、本件の排ガス浄化装置3は、リーンバーン運転が可能なガソリンエンジンに好適である。
排ガス浄化装置3は、エンジン1の排気通路2に介装される。排ガス浄化装置3は、排ガスに含まれる各種有害成分を効率よく浄化するための触媒装置であり、三元触媒としての機能と、NOx吸蔵還元触媒としての機能と、PM除去フィルターとしての機能とを併せ持つ。排ガス浄化装置3の配設位置は、例えば図1中に示すように、エンジン1に近接した位置(エキゾーストマニホールドの直下流側や過給機の直下流側など)に設定してもよいし、エンジン1から離れた位置に設定してもよい。また、排ガス浄化装置3の上流側や下流側に三元触媒コンバーターを別設し、排ガス浄化性能を向上させてもよい。
排ガス浄化装置3の内部には、排ガスが通過しうる多数の流路が形成された多孔質体が設けられる。多孔質体とは、多孔質の担体7に触媒9を担持させたものであり、円筒状や楕円筒状,直方体状に形成される。担体7の材料は、炭化ケイ素やコーディエライト(コージライト)などのセラミックスであってもよいし金属であってもよい。担体7の空孔率は高いほど好ましい。本実施形態の担体7は空孔率が50[%]を超え、かつ直径が1[μm]以上の細孔についての細孔容積が0.2[mL/g]を超えるものとする。
触媒9を担体7に担持させるための母材例としては、酸化アルミニウム(アルミナ,Al2O3)や酸化セリウム(セリア,CeO2)や酸化ジルコニウム(ジルコニア,ZrO2)などが挙げられる。なお、還元環境下で酸素を吸蔵する酸素吸蔵材料を母材に含ませてもよい。酸素吸蔵材料の例としては、セリア・ジルコニア複合固溶体(CeO2-ZrO2系物質)や希土類オキシ硫酸塩(Ln2O2SO4)などが挙げられる。
排ガス浄化装置3に内装される多孔質体の構造は、図2に示すようなウォールフロー型である。担体7の内部は、排ガスの流通方向に沿って複数のセル(小部屋状の通路)に分割され、各セルは多孔質の隔壁6(リブ)によって区画される。また、各セルは入口側か出口側のいずれかの端が目封じ8によって閉塞される。出口側の端部が閉塞されたセルは入口セル4と呼ばれ、入口側の端部が閉塞されたセルは出口セル5と呼ばれる。
それぞれの入口セル4は、少なくとも一つ以上の出口セル5に隣接するように配置され、好ましくは多数の出口セル5に隣接するように配置される。これにより、担体7の入口端面11から流入した排ガスは、まず入口セル4へと進入し、隔壁6の中を通過したのちに出口セル5へと進入して、担体7の出口端面12から流出する。つまり、すべての排ガスが隔壁6の内部を通過することになり、PM捕集効率が向上する。
担体7には、その部位に応じた種類の触媒9が担持される。例えば、隔壁6の内部と表面とで異なる触媒9が担持される。また、隔壁6の表面において、入口セル4側と出口セル5側とで異なる触媒9が担持される。以下、隔壁6の内部のことを「隔壁内部13」と呼ぶ。隔壁内部13には、貴金属触媒が担持される。貴金属の具体例としては、白金族元素〔白金(Pt),パラジウム(Pd),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),オスミウム(Os),イリジウム(Ir)〕や金(Au),銀(Ag)などが挙げられる。
好ましくは、白金よりも触媒性能の高いロジウムやパラジウムが用いられる。図5に示すように、ロジウムやパラジウムは白金よりも担持量あたりの触媒活性(全炭化水素に対する変換効率)が高い。したがって、ロジウムやパラジウムを用いることで、効率的に排ガス浄化性能を高めることができる。なお、ロジウムを用いる場合にはその担持密度を1.0[g/L]程度とする。
前述の通り、隔壁6の表面には入口セル4側と出口セル5側とで異なる触媒層が形成される。図2〜図4に示すように、担体7の隔壁表面のうち、入口セル4に面する側の上流側には入口上流部14が設けられる。入口上流部14は、入口端面11から入口セル4の最奥部よりも手前までの範囲をカバーするように設けられる。つまり、入口セル4に面する隔壁表面のうち、入口上流部14よりも下流側には触媒が担持されない。側面視での入口上流部14の長さL1は、入口セルの全長LUPに対して少なくとも「0<L1<LUP」の関係を満たし、好ましくは「0.5LUP≦L1<0.75LUP」の関係を満たすように設定される。
また、担体7の隔壁表面のうち、出口セル5に面する側の下流側には出口下流部15が設けられる。出口下流部15は、出口端面12から出口セル5の最奥部よりも手前までの範囲をカバーするように設けられる。つまり、出口セル5に面する隔壁表面のうち、出口下流部15よりも上流側には触媒が担持されない。側面視での出口下流部15の長さL2は、出口セルの全長LDOWNに対して少なくとも「0<L2<LDOWN」の関係を満たし、好ましくは「0.5LDOWN≦L2<0.75LDOWN」の関係を満たすように設定される。
より好ましくは、図2〜図4に示すように、入口上流部14と出口下流部15とが側面視で上下方向にオーバーラップして配置される。例えば、側面視での入口セル4の全長LUPに対して、入口上流部14の長さL1を60%とする。また、出口セル5の全長LDOWNに対して、出口下流部15の長さL2も60%とする。この場合、入口上流部14の下流端部と出口下流部15の上流端部とが図2〜図4中で上下方向にオーバーラップした状態となる。これにより、入口上流部14や出口下流部15の近傍を通過せずに流出する排ガスの量が減少し、PM捕集効率や排ガス浄化効率が向上する。
入口上流部14には、銀(Ag)または酸化セリウム(CeO2)または希土類元素(Rare-Earth Elements,REE)を担持させることが好ましい。銀や酸化セリウムはPMの燃焼促進材として機能し、隔壁内部13に担持される貴金属よりも低温でPMを燃焼させうる。一方、希土類元素は、P/Znトラップ(リン及び亜鉛トラップ)として機能し、排ガス中に含まれるリンや亜鉛による被毒を抑制する。なお、銀を用いる場合にはその担持密度を2.0[g/L]程度とする。
前者(銀,酸化セリウム)と後者(希土類)とをともに入口上流部14に担持させる場合には、銀,酸化セリウムが含まれる部位を入口セル4側に露出させることが好ましい。例えば図4に示すように、希土類元素を含む部位を基層16とし、銀,酸化セリウムを含む部位を表層17とすることが好ましい。この場合、希土類元素を含む基層16をウォッシュコート法で形成した後に、銀,酸化セリウムを含む表層17を再びウォッシュコート法で形成すればよい。入口セル4側に銀,酸化セリウムを露出させることで、PMの燃焼性が向上する。なお、前者(銀,酸化セリウム)と後者(希土類)とのいずれか一方を入口上流部14に担持させる場合には、図3に示すように、単一層を形成すればよい。
ここでいう希土類元素の具体例としては、スカンジウム(Sc),イットリウム(Y),ランタノイド〔ランタン(La),セリウム(Ce),プラセオジム(Pr),ネオジム(Nd),プロメチウム(Pm),サマリウム(Sm),ユウロピウム(Eu),ガドリニウム(Gd),テルビウム(Tb),ジスプロシウム(Dy),ホルミウム(Ho),エルビウム(Er),ツリウム(Tm),イッテルビウム(Yb),ルテチウム(Lu)〕が挙げられる。これらの少なくとも一つ以上を入口上流部14に担持させることで、P/Znトラップ性能が向上する。
出口下流部15には、貴金属を担持させることが好ましい。出口下流部15に担持される貴金属の具体例としては、白金族元素〔白金,パラジウム,ルテニウム,ロジウム,オスミウム,イリジウム〕,金,銀などが挙げられる。ここで担持される貴金属の種類は、隔壁内部13に担持されるものと同一であってもよいし、相違してもよい。好ましくは、ロジウムまたはパラジウムが用いられる。なお、ロジウムを用いる場合にはその担持密度を0.4[g/L]程度とする。
なお、隔壁内部13には貴金属だけでなくバリウム(Ba)またはカリウム(K)を含ませてもよい。バリウム,カリウムはNOxを一時的に吸着するNOxトラップとして作用する。図6に示すように、カリウムはバリウムよりも高温でのNOx浄化に適しており、燃焼温度の高いガソリンエンジンでの排ガス浄化に適している。また、カリウムはバリウムよりもNO2のトラップ性能が高く、NOx浄化効率が高い。一方、カリウムは熱的に不安定であり、担持位置から落下,飛散することがある。この場合、飛散したカリウムが他の触媒や貴金属の触媒作用(三元活性,特にTHC浄化性能)を阻害しうる。したがって、カリウムだけでなくバリウムを併用することが好ましい。
触媒9の種類と担持位置との組み合わせを、以下の表1,表2に例示する。ここでは、20種類の実施例(No.1〜No.20)を示す。すべての実施例において、隔壁内部13に貴金属が含まれている。表中の「Pd/Rh」はパラジウムまたはロジウムを含むことを意味し、「Pd/Rh-Ba/K」はさらにバリウムまたはカリウムが添加されていることを意味する。また、表中の「Ag/CeO2」は銀または酸化セリウムを含むことを意味し、「REE」は希土類元素を含むことを意味する。
表中の空欄は、触媒非担持としてもよいし、何らかの触媒(例えば白金,遷移金属硫酸塩,アルカリ金属硫酸塩など)を担持させてもよい。少なくともNo.1,No.6,No.11,No.16の入口上流部14については、何らかの触媒が担持されているものとする。同様に、No.1〜No.10の出口下流部15についても、何らかの触媒が担持されているものとする。また、入口上流部14に銀及び酸化セリウムと希土類元素とがともに含まれないものについては、二層構造にする(基層16及び表層17を形成する)必要はない。
Figure 2020056381
Figure 2020056381
[2.作用・効果]
図7(A)〜(C)は、入口上流部14の長さL1を入口セル4の全長LUPの半分(50%)に固定し、出口下流部15の長さL2をゼロから出口セル5の全長LDOWNまで(0%から100%まで)変化させたときに、圧力損失,排ガスの浄化性能,PM捕集効率のそれぞれがどのように変化するかを示すグラフである。
圧力損失は、出口下流部15の長さL2を全長LDOWNの7〜8割以下にすることで小さな値に抑えることが可能である。また、浄化性能及びPM捕集効率は、出口下流部15の長さL2を全長LDOWNの半分以上にすることで急激に上昇する。したがって、出口下流部15の好ましい長さL2の範囲は0.5LDOWN≦L2<0.75LDOWNと考えられる。なお、図7(A)〜(C)中の破線は、隔壁内部13に担持される貴金属の担持量を増加させた場合の圧力損失,排ガスの浄化性能,PM捕集効率を示す。このように、出口下流部15が出口セル5の全長LDOWNにわたる広範囲に形成されない場合であっても、隔壁内部13の貴金属担持量を調節することで良好な排ガス浄化性能が維持されうる。
図8(A)〜(C)は、出口下流部15の長さL2を出口セル5の全長LDOWNの半分(50%)に固定し、入口上流部14の長さL1をゼロから入口セル4の全長LUPまで(0%から100%まで)変化させたときに、圧力損失,排ガスの浄化性能,PM捕集効率のそれぞれがどのように変化するかを示すグラフである。入口上流部14の長さL1を全長LDOWNの7〜8割以下にすることで圧力損失を小さく抑えることが可能である。また、浄化性能及びPM捕集効率は、入口上流部14の長さL1を全長LUPの半分以上にすることで急激に上昇する。したがって、入口上流部14の好ましい長さL1の範囲は0.5LUP≦L1<0.75LUPと考えられる。
(1)入口上流部14を隔壁6の表面のうち入口セル4側の上流側に設け、出口下流部15を出口セル5側の下流側に設けることで、排気通路2の圧力損失を減少させることができる。また、PMの捕集効率を向上させつつ圧力損失を減少させることができ、排ガス浄化性能を効率的に高めることができる。なお、入口セル4に面する隔壁表面のうち、入口上流部14よりも下流側には触媒が担持されない。同様に、出口セル5に面する隔壁表面のうち、出口下流部15よりも上流側には触媒が担持されない。これらの「触媒非担持部」は、排ガスの流通抵抗が小さく圧力損失の小さい流路として機能する。したがって、簡素な構成で圧力損失を減少させることができる。
(2)表2のNo.11〜20に示すように、出口下流部15に貴金属触媒を含ませることで、出口セル5側でのNOx還元効率を高めることができる。これにより、排ガス浄化装置3からのNOxのスリップ量を減少させることができ、排ガス浄化性能を効率的に高めることができる。
(3)表1〜表2のNo.2,4,5,7,9,10,12,14,15,17,19,20に示すように、入口上流部14に銀または酸化セリウムを含ませることで、PMの燃焼を促進することができ、隔壁内部13よりも低温な状態でPMを燃焼させることができる。これにより、従来よりも短時間で迅速に担体7を再生させることが可能となり、排ガス浄化性能を効率的に高めることができる。また、PMの堆積による圧損上昇を防止することができる。
(4)表1〜表2のNo.3〜5,8〜10,13〜15,18〜20に示すように、入口上流部14に希土類元素を含ませることで、燃料やエンジンオイルに含まれるリン成分や亜鉛成分を希土類元素に吸着させることができる。これにより、耐被毒性を向上させることができ、排ガス浄化性能を効率的に高めることができる。
(5)表1〜表2のNo.5,10,15,20に示すように、希土類元素を含む部位を基層16とし、銀,酸化セリウムを含む部位を表層17とすることで、耐被毒性を向上させつつPMの燃焼性を効率的に向上させることができる。
(6)表1〜表2のNo.6〜10,16〜20に示すように、隔壁内部13にバリウム,カリウムを含ませることで、隔壁内部13のNOx吸蔵量を増加させることができる。また、隔壁内部13には貴金属も含まれているため、バリウム,カリウムに吸蔵されたNOxをその場で還元することが容易であり、NOx浄化効率を高めることができる。
(7)図2〜図4に示すように、入口上流部14と出口下流部15とを側面視で上下方向にオーバーラップさせることで、PM捕集効率や排ガス浄化効率を高めることができる。なお、入口上流部14の長さL1を0.5LUP≦L1<0.75LUPの範囲内で設定するとともに、出口下流部15の長さL2を0.5LDOWN≦L2<0.75LDOWNの範囲内で設定すれば、図7〜図8に示すように、圧力損失を過度に上昇させることなく浄化性能とPM捕集効率とを高い水準に維持することができる。
[3.変形例]
上記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、本実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、それらの趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、あるいは適宜組み合わせることができる。
上述の実施形態ではエンジン1を搭載した車両10を例示したが、本件の適用対象は車両10に限定されない。上記の排ガス浄化装置3は、例えば船舶や航空機などに搭載されるエンジン1の排気通路2に介装させることが可能である。あるいは、発電機や産業用機械に内蔵されるエンジン1の排ガス浄化装置3として利用することができる。
1 エンジン(内燃機関)
2 排気通路
3 排ガス浄化装置
4 入口セル
5 出口セル
6 隔壁
7 担体
8 目封じ
9 触媒
10 車両
11 入口端面
12 出口端面
13 隔壁内部
14 入口上流部
15 出口下流部
16 基層
17 表層

Claims (7)

  1. 入口セル及び出口セルを有するウォールフロー型の担体の隔壁内部に貴金属が担持され、内燃機関の排ガスに含まれる粒子状物質を捕集して燃焼させる排ガス浄化装置において、
    隔壁表面のうち前記入口セルに面する側の上流側に触媒が担持される入口上流部と、
    前記隔壁表面のうち前記出口セルに面する側の下流側に触媒が担持される出口下流部と
    を備えることを特徴とする排ガス浄化装置。
  2. 前記出口下流部が貴金属を含む
    ことを特徴とする請求項1記載の排ガス浄化装置。
  3. 前記入口上流部が銀または酸化セリウムを含む
    ことを特徴とする請求項1または2記載の排ガス浄化装置。
  4. 前記入口上流部が希土類元素を含む
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置。
  5. 前記入口上流部が銀または酸化セリウムを含む表層と希土類元素を含む基層とを有する
    ことを特徴とする請求項3に従属する請求項4に記載の排ガス浄化装置。
  6. 前記隔壁内部が窒素酸化物をトラップするバリウムまたはカリウムを含む
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置。
  7. 前記入口上流部と前記出口下流部とが側面視で上下方向にオーバーラップして配置される
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の排ガス浄化装置。
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