JP2020056140A - パラ型全芳香族ポリアミド繊維およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 その断面に大きくかつ均一な凹凸を有する、異型断面のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を提供する。【解決手段】 ポリマー溶液を吐出する吐出孔の横断面形状が凸部及び凹部を有し、該凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2が1.5以上であり、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4が3.0以上である吐出孔を用いてポリマー溶液を吐出する。【選択図】 図1

Description

本発明は、その横断面に凸部と凹部形状を有し、表面積の大きいパラ型全芳香族ポリアミド繊維およびその製造方法に関するものである。
全芳香族ポリアミド繊維は、強力、モジュラス、耐熱性等に優れた繊維であり、これらの高機能性を活かして、産業用繊維として様々な分野で使用されている。そして近年ではゴムや樹脂に短繊維を混練し、力学的特性を向上させることが行われてきている。
例えば、ゴムベルトなどの力学特性を向上させるため、ゴムに短繊維を混練した場合には、芳香族ポリアミド繊維は表面が不活性であるためにゴムとの接着力が低いため、ゴムと繊維が剥離するという問題があった。
これに対し、特開2011−241504号公報には、全芳香族ポリアミド繊維の表面に接着剤を付着させ、それを短く切断してゴムに混練することで、優れた引張強度および耐摩耗性を示す全芳香族ポリアミド繊維強化ゴム組成物を得ることが開示されている。
しかし、ゴムと直接接着させる場合より、接着力は向上するものの、接着剤と全芳香族ポリアミド繊維との接着力も低いため、根本的な接着力の向上が課題であった。
そこで、繊維の表面積を大きくし接着力を高めるために単糸を細くすることが考えられた。単糸を細くすることで、単糸自体の接着性は大きく改善したが、短繊維にカットする際や混練する際に単糸同士が絡み合い、繊維を均一に分散できないため、実際に使用されるには至らなかった。
そのため、これまでに単糸表面に凹凸を形成させ、表面積を大きくする手法が考えられていた。
しかし、全芳香族ポリアミド繊維の特徴である強度を維持しつつ、大きく均一な凹凸を単糸の表面に形成できるような繊維を製造することができなかった。
特開2011−241504号公報
本発明の課題は、かかる従来技術における問題点を解消し、高強度で、その断面に大きくかつ均一な凹凸を有する、異型断面のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討をおこなった結果、パラ型全芳香族ポリアミドポリマーを吐出する際の吐出孔を特定の形状とすることで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、
1.繊維軸に直行する横断面に、3つ以上の凸部及び3つ以上の凹部形状を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維であって、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形a内の最大内接円Aの直径Rが15.0μm以下であり、該Rと、全ての凸部の中心を直線で繋いで得られる多角形b内の最大内接円Bの直径Rとの比R/Rが1.5以上であり、且つ円Aと円Bの中心距離RABが15.0μm以下であり、さらに単繊維繊度が0.5〜20.0dtex、単繊維の引張強度が15cN/dtex以上であることを特徴とするパラ型全芳香族ポリアミド繊維、及び、
2.ポリマー溶液を吐出する吐出孔の横断面形状が凸部及び凹部を有し、該凸部の吐出孔外周側の幅L1 と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2が1.5以上であり、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4が3.0以上である吐出孔を用いてポリマー溶液を吐出することを特徴とするパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法、
が提供される。
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、パラ型全芳香族ポリアミド繊維が本来有する高い強度を備えつつ、大きく且つ均一な凹凸が繊維の断面に形成された表面積の大きい繊維となる。
したがって、本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、接着性を要求される分野、とりわけ樹脂やゴム等の補強材用途において特に有用である。
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維の横断面形状の一例を示す模式図。 本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を製造するための吐出孔の横断面形状の一例を示す模式図。
以下、本発明について詳細を説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド>
本発明におけるパラ型全芳香族ポリアミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。
<パラ型全芳香族ポリアミドの製造方法>
本発明におけるパラ型全芳香族ポリアミドは、従来公知の方法にしたがって製造することができる。例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジクロライド(以下「酸クロライド」ともいう)成分と芳香族ジアミン成分とを低温溶液重合、または界面重合などにより反応せしめることにより得ることができる。
<パラ型全芳香族ポリアミドの原料>
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなどが挙げられる。また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。これらのなかでは、汎用性や得られる繊維の機械的物性等の観点から、テレフタル酸ジクロライドが好ましい。なお、本発明においては、イソフタル酸クロライド等、パラ位以外の結合を形成する成分を用いてもよい。
(芳香族ジアミン成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジアミン成分としては、特に限定されるものではなく、一般的に公知なものを用いることができる。例えば、p−フェニレンジアミン、2−クロル−p−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジクロル−p−フェニレンジアミン、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフォン、3,3’−ジアミノジフェニルスルフォンなどを挙げることができる。これらは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。なお、本発明においては、m−フェニレンジアミン等、パラ位以外の結合を形成する少量の成分を用いてもよい。
これらのなかでは、高温熱延伸における安定性の観点から、p−フェニレンジアミンを単独で使用、あるいは併用することが好ましく、p−フェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとの組み合わせが最も好ましい。パラフェニレンジアミンと3,4’−ジアミノジフェニルエーテルとを組み合わせて用いる場合には、その組成比は特に限定されるものではないが、全芳香族ジアミン量に対して、それぞれ30〜70モル%、70〜30モル%とすることが好ましく、さらに好ましくは、それぞれ40〜60モル%、60〜40モル%、最も好ましくは、それぞれ45〜55モル%、55〜45モル%とする。
また、本発明に用いられるパラ型芳香族ポリアミドは、前記化学構造式(1)の構造反復単位が合計に対して、30モル%以上が好ましく、さらに好ましくは40モル%以上、最も好ましくは50モル%、の範囲である。
<重合溶媒>
パラ型全芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。なお、上用いられる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
本発明に用いられるパラ型全芳香族コポリアミドの製造においては、汎用性、有害性、取り扱い性、パラ型全芳香族コポリアミドに対する溶解性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
<その他重合条件等>
生成するパラ型全芳香族ポリアミドの溶解性を挙げるために、重合前、途中、終了時のいずれかに、一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化カルシウム等が挙げられる。
また、パラ型全芳香族ポリアミドの末端は、封止することもできる。末端封止剤を用いて末端を封止する場合には、例えば、フタル酸クロライドおよびその置換体、アニリンおよびその置換体等を末端封止剤として用いることができる。
また、生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために、脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩等を併用することもできる。
反応の終了後は、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し、中和反応を実施してもよい。
<パラ型全芳香族コポリアミド繊維の製造方法>
本発明のパラ型全芳香族コポリアミド繊維を製造するにあたっては、湿式紡糸法または半乾半湿式紡糸法を採用し、溶媒を含む均一な紡糸用溶液(ポリマードープ)を調整し、紡糸口金に設けられた吐出孔から吐出する。
<吐出孔の形状>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド異形断面繊維を得るためのポリマー溶液の吐出孔の形状は、図2に示すごとく、吐出孔の横断面形状が凸部及び凹部を有し、該凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2が1.5以上であり、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4が3.0以上であることが必要である。
ここで、横断面における凸部及び凹部の数はそれぞれ3つ以上であることが、繊維断面に大きくかつ均一な凹凸を有する、という観点から好ましい。
また、図2の(エ)に示す、凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2は2.0以上とすることがさらに好ましく、2.2以上とすることが最も好ましい。L1/L2が1.5未満の場合は、ポリマーレオロジー上、低い圧力となる吐出孔の中心部からポリマードープが吐出され易くなり、凹凸の大きな繊維を得ることができない。
さらに、図2の(エ)に示す、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、図2の(オ)に示す、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4は4.0以上がさらに好ましく、5.0以上が最も好ましい。L3/L4が5.0未満の場合は、繊維の凸部が小さくなり、有用な凹凸の繊維を得ることができない。
<エアギャップ>
紡糸口金面から凝固液までのエアギャップは、0〜10mmの範囲とすることが好ましい。エアギャップはが10mmより長いと、表面エネルギーを安定化させるため、ポリマードープが円形に近づき、異形性を保つことができない。
<紡糸工程>
本発明の繊維の製造においては、上述の如く調整された紡糸用溶液(ドープ)を用いて、湿式紡糸法またはエアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、凝固浴中の凝固液に接触させて凝固糸を形成する。
凝固浴としては、パラ型全芳香族ポリアミドの貧溶媒が用いられるが、紡糸用溶液(ポリマードープ)の溶媒が急速に抜け出して、得られる全芳香族ポリアミド凝固糸に欠陥ができないように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。貧溶媒としては水、良溶媒としてはパラ型全芳香族ポリアミドドープ用の溶媒を用いることが好ましい。良溶媒/貧溶媒の質量比は、パラ型全芳香族ポリアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60の範囲とすることが好ましい。
凝固液から凝固糸条を引き上げた後は、公知の方法によって、最終的なパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。例えば、水洗工程を実施して形成された未延伸糸から溶媒を除去し、必要に応じて延伸を実施し、乾燥工程等を経た後に必要に応じて延伸することにより配向させ、最終的な繊維を得ることができる。
<延伸工程>
次いで、延伸を実施する。延伸の方法としては特に限定されるものではない。延伸倍率については特に制限はないが、少なくとも6倍以上とすることが好ましく、8倍以上とすることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られる全芳香族ポリアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。
<パラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、以下の物性を有する。
[単繊維断面の凹凸]
かくして得られた本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、図1に示す如く、繊維軸に直行する横断面に、3つ以上の凸部及び3つ以上の凹部形状を有し、図1の(ア)に示される、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形a内の最大内接円Aの直径Rが15.0μm以下であり、該Rと、図1の(イ)に示される、全ての凸部の中心を直線で繋いで得られる多角形b内の最大内接円Bの直径Rとの比R/Rが1.5以上であり、且つ図1の(ウ)に示される、円Aと円Bの中心距離RABが15.0μm以下であることが必要である。
直径Rは、12.0μm以下が好ましく、10.0μm以下がより好ましく、9.0μm以下がさらに好ましい。Rが15を超えると単糸の柔軟性が低くなり、例えばゴムに添加した場合には、ゴムの曲げ挙動に対しの追従性が悪化し、剥離の原因になるため好ましくない。
/Rは、1.6以上がより好ましく、1.7以上がさらに好ましい。R/Rが1.5未満の場合、凹凸が小さく十分な接着性を有するような表面積を得ることができない。RABは10.0μm以下がさらに好ましく、5.0μm以下が最も好ましい。RABが15.0μmより大きい場合は、繊維の各凸部の長さ均一でないことを示しており、各凸部の長さが均一であるほうが表面積が大きくなり、不均一であると表面積が小さくなる。
<単繊維の繊度>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、その単繊維の繊度が0.5〜20.0dpfであることが必要である。0.5dpf未満である場合、ゴムや樹脂との混練を行う際に単糸同士が絡まり易くなり、均一に分散できなくなる場合がある。また、20.0dpfより大きい場合、単繊維の引張強度が著しく低下するため、単繊維が切れやすくなり、ゴムや樹脂の力学的特性を向上させるという本来の目的を達成し得ない。
<単繊維の引張強度>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、その単繊維の引張強度が15.0cN/dtex以上である。単繊維の引張強度は18.0cN/dtex以上がさらに好ましく、20.0cN/dtex以上が最も好ましい。15.0cN/dtex未満の場合、単繊維が切れやすくなり、ゴムや樹脂の力学的特性を向上させるという本来の目的を達成し得ない。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例および比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらの記載によって本発明の範囲が限定されるものではない。尚、実施例および比較例においては、下記の項目について、下記の方法によって測定・評価を行った。
(1)パラ型全芳香族ポリアミド繊維の凹凸度及び均一度
繊維の単繊維断面写真において繊維をN=5個測定し、凸部と凹部の数を数えた。また、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形a内の最大内接円Aの直径Rと、全ての凸部の中心を直線で繋いで得られる多角形b内の最大内接円Bの直径Rを算出した。さらに、円Aと円Bの中心距離RAB算出した。
(2)パラ型全芳香族ポリアミド繊維の単繊維繊度
得られた繊維束を、公知の検尺機を用いて100m巻き取り、その質量を測定した。得られた質量に100を乗じた値を10000mあたりの質量、すなわち繊度(dtex)として算出した。さらに、繊度を単繊維の本数で除した値を単繊維繊度(dpf)として算出した。
(3)パラ型全芳香族ポリアミド繊維の単繊維引張強度
引張試験機(INTESCO社製、商品名:INTESCO、型式:201X型)により、糸試験用チャックを用いて、以下の条件で測定を実施し、得た破断強力を単繊維繊度で除した値を単繊維の引張強度とした。
[測定条件]
温度 :室温
試験速度 :10mm/分
チャック間距離 :25.4mm
<実施例1>
[紡糸用溶液の調製工程]
コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比が1:1のパラ型全芳香族ポリアミド)の紡糸用溶液(ドープ)を準備した。
[紡糸工程]
紡糸用溶液(ドープ)を、吐出孔の凸部と凹部の数が6個であり、凸部の吐出孔外周側の幅L1 と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2が1.7であり、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4が5.4である紡糸口金からエアギャップを介してNMP濃度30質量%の50℃の水溶液で満たされた凝固浴中に紡出し、凝固糸を得た。その後、得られた凝固糸を水洗し、乾燥した。
[延伸工程]
延伸温度500℃下で8倍に延伸し、巻き取りを実施することにより、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の単繊維繊度は0.8dpfであった。物性を表1に示す。
<実施例2>
単繊維繊度を1.5dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例3>
単繊維繊度を3.0dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例4>
単繊維繊度を5.0dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例5>
吐出孔の凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2を2.0、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4を4.8とし、単繊維繊度を1.5dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<実施例6>
吐出孔の凸部と凹部の数を4個とし、吐出孔の凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2を2.2、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4を5.5とし、単繊維繊度を1.5dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表1に示す。
<比較例1>
吐出孔の凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2を1.0、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4を4.0とし、単繊維繊度を1.5dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
<比較例2>
吐出孔の凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2を1.7、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4を2.0とし、単繊維繊度を1.5dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
<比較例3>
単繊維繊度を25.0dpfとした以外は、実施例1と同様の方法で、コポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維を得た。得られた繊維の物性を表2に示す。
Figure 2020056140
Figure 2020056140
全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形a内の最大内接円Aの直径
全ての凸部の中心を直線で繋いで得られる多角形b内の最大内接円Bの直径
AB 円Aと円Bの中心距離
L1 凸部の吐出孔外周側の幅L1
L2 凸部の吐出孔中心側の幅L2
L3 凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さ
L4 全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径

Claims (5)

  1. 繊維軸に直行する横断面に、3つ以上の凸部及び3つ以上の凹部形状を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維であって、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形a内の最大内接円Aの直径Rが15.0μm以下であり、該Rと、全ての凸部の中心を直線で繋いで得られる多角形b内の最大内接円Bの直径Rとの比R/Rが1.5以上であり、且つ円Aと円Bの中心距離RABが15.0μm以下であり、さらに単繊維繊度が0.5〜20.0dtex、単繊維の引張強度が15cN/dtex以上であることを特徴とするパラ型全芳香族ポリアミド繊維。
  2. パラ型全芳香族ポリアミドが、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドである請求項1に記載のパラ型全芳香族ポリアミド繊維。
  3. ポリマー溶液を吐出する吐出孔の横断面形状が凸部及び凹部を有し、該凸部の吐出孔外周側の幅L1と凸部の吐出孔中心側の幅L2の比L1/L2が1.5以上であり、凸部の吐出孔外周側から凸部の吐出孔中心側までの長さL3と、全ての凹部の中心を直線で繋いで得られる多角形内の最大内接円の直径L4との比L3/L4が3.0以上である吐出孔を用いてポリマー溶液を吐出することを特徴とするパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  4. 吐出孔の横断面形状が3つ以上の凸部及び3つ以上の凹部を有する請求項3に記載のパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
  5. パラ型全芳香族ポリアミドが、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミドである請求項3又は4のいずれかに記載のパラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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