JP2020133029A - パラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維を含む不織布及びその製造方法 - Google Patents

パラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維を含む不織布及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ニードルパンチ不織布における全芳香族ポリアミド短繊維の交絡状態、配列状態を制御することにより、全芳香族ポリアミド短繊維が有する高強度が可及的に生かされたニードルパンチ不織布を得る。【解決手段】繊維軸方向に対して直交する単糸繊維の断面形状が扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維であって、以下の(a)〜(b)の条件を満足するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、カット長49〜51mmのポリエステル丸断面短繊維とを30/70〜70/30の重量比率で混合した後、ニードルパンチにより絡合させる。(a)前記扁平断面の最長軸(L1)とその(L1)に直交する最長軸(T1)の比(L/T1)が5.0より大きい。(b)パラ型全芳香族ポリアミド短繊維のカット長が49mm〜113mmである。【選択図】図1

Description

本発明は、パラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維を含む不織布及びその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、パラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維とポリエステル丸断面短繊維からなり、該パラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維が選択的に配列されたニードルパンチ不織布及びその製造方法に関するものである。
全芳香族ポリアミド重合体は、強力、モジュラス、耐熱性等に優れた重合体であり、これらの高機能性を活かして、産業用繊維として様々な分野で使用されている。近年ではその耐熱性から、非水系二次電池用セパレーターの耐熱多孔質層を形成するために使用されるようになってきた。
しかしながら全芳香族ポリアミド重合体を短繊維とし、不織布、特にニードルパンチ不織布として用いた場合にはその高強度が生かされることが少なく用途は限定されてきた。その原因としては、ニードルパンチ不織布においては、ニードルパンチングによる繊維の交絡状態、配列状態による強度利用率が支配的となり、全芳香族ポリアミド短繊維そのものが有する高強度が生かされてこなかったからである。
特開2010−222738号公報
Bulletine of TIRI、2018年11月号
本発明は、上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ニードルパンチ不織布における全芳香族ポリアミド短繊維の交絡状態、配列状態を制御することにより、全芳香族ポリアミド短繊維が有する高強度が可及的に生かされたニードルパンチ不織布を得ることにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、特定の扁平断面形状を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維を用いるとき、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明によれば、
繊維軸方向に対して直交する単糸繊維の断面形状が扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維であって、以下の(a)〜(b)の条件を満足するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、カット長49〜51mmのポリエステル丸断面短繊維とが30/70〜70/30の重量比率で混合されてなることを特徴とするニードルパンチ不織布、
(a)前記扁平断面の最長軸(L1)とその(L1)に直交する最長軸(T1)の比(L1/T1)が5.0より大きい。
(b)パラ型全芳香族ポリアミド短繊維のカット長が49mm〜113mmである。
及び、
繊維軸方向に対して直交する単糸繊維の断面形状が扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維であって、以下の(a)〜(b)の条件を満足するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、カット長49〜51mmのポリエステル丸断面短繊維とを30/70〜70/30の重量比率で混合した後、ニードルパンチにより絡合させることを特徴とするニードルパンチ不織布の製造方法、
(a)前記扁平断面の最長軸(L1)とその(L1)に直交する最長軸(T1)の比(L1/T1)が5.0より大きい。
(b)パラ型全芳香族ポリアミド短繊維のカット長が49mm〜113mmである。
が提供される。
本発明で使用するパラ型全芳香族ポリアミド扁平繊維は繊維間摩擦を向上させ、不織布の強度向上に寄与する。また、該扁平繊維はニードルパンチ不織布の製造工程で、ニードルのバーブに引っ掛かりにくいため、縦方向への繊維の配向が少なく、選択的に平面方向に配向させることが可能となる。丸断面繊維と扁平断面繊維を混合した不織布において、丸断面繊維が選択的に不織布平面に対し縦方向に配向し、扁平断面は不織布平面に対し平行に配向する。結果として、扁平断面繊維の繊維間摩擦向上と当該扁平断面繊維が不織布平面に平行に配向することで、不織布平面方向の強度が向上することが可能となる。
本発明の不織布をゴム補強等することで強度の高いゴム補強資材や、研磨パッド等の産業資材に適用することができる。
本発明で使用するニードル形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維を製造するための紡糸口金の吐出孔の形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維を製造するための紡糸口金の吐出孔の形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維を製造するための紡糸口金の吐出孔の形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。 本発明で使用する扁平繊維の単糸断面形状の1例を例示した断面図である。
以下、本発明について詳細を説明する。
<パラ型全芳香族ポリアミド>
本発明におけるパラ型全芳香族ポリアミドは、1種または2種以上の2価の芳香族基が、アミド結合により直接連結されたポリマーである。また、芳香族基には、2個の芳香環が酸素、硫黄、または、アルキレン基を介して結合されたもの、あるいは、2個以上の芳香環が直接結合したものも含む。さらに、これらの2価の芳香族基には、メチル基やエチル基等の低級アルキル基、メトキシ基、クロル基等のハロゲン基等が含まれていてもよい。
<パラ型全芳香族ポリアミドの製造方法>
本発明におけるパラ型全芳香族ポリアミドは、例えば、アミド系極性溶媒中で、芳香族ジカルボン酸ジクロライド(以下「酸クロライド」ともいう)成分と芳香族ジアミン成分とを低温溶液重合、または界面重合などにより反応せしめることにより得ることができる。
[パラ型全芳香族ポリアミドの原料]
(芳香族ジカルボン酸ジクロライド成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジカルボン酸クロライド成分としては、特に限定されるものではなく、例えば、テレフタル酸クロライド、2−クロルテレフタル酸クロライド、2,5−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ジクロルテレフタル酸クロライド、2,6−ナフタレンジカルボン酸クロライドなどが挙げられる。また、これらの芳香族ジカルボン酸ジクロライドは、1種類のみならず2種類以上を用いることができ、その組成比は特に限定されるものではない。これらのなかでは、汎用性や得られる繊維の機械的物性等の観点から、テレフタル酸ジクロライドが好ましい。
(芳香族ジアミン成分)
パラ型全芳香族ポリアミドの製造において使用される芳香族ジアミン成分としては、第一成分としてp−フェニレンジアミン、第2成分として3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルもしくはこれらの混合物が好ましい。第1成分と第2成分の比率好ましくは2/8〜8/2、より好ましくは3/7〜7/3である。第一成分のp−フェニレンジアミンの比率が8より大きい場合にはポリマーの結晶が析出し、溶液が不安定となる。また、2より小さい場合には強度が低下するため好ましくない。
[重合溶媒]
パラ型全芳香族ポリアミドを重合する際の溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタムなどの有機極性アミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性エーテル化合物、メタノール、エタノール、エチレングリコールなどの水溶性アルコール系化合物、アセトン、メチルエチルケトンなどの水溶性ケトン系化合物、アセトニトリル、プロピオニトリルなどの水溶性ニトリル化合物などが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独であっても、また、2種以上の混合溶媒として使用することも可能である。なお、用いられる溶媒は、脱水されていることが望ましい。
本発明に用いられるパラ型全芳香族コポリアミドの製造においては、汎用性、有害性、取り扱い性、パラ型全芳香族コポリアミドに対する溶解性等の観点から、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)を用いることが最も好ましい。
[原料組成比]
芳香族コポリアミドの原料となる上記の芳香族ジカルボン酸クロライド成分と芳香族ジアミン成分との比は、芳香族ジアミン成分に対する芳香族ジカルボン酸クロライド成分のモル比として、0.900以上1.000以下の範囲とすることが好ましく、0.920以上0.998以下の範囲とすることがより好ましい。
0.998以上の場合、粘度が上がり過ぎ、取扱い性が悪化する。また0.920以下の場合には強度が低下するため好ましくない。
[その他重合条件等]
重合体の濃度は2〜10重量%が好ましい。2%未満の場合には塗工後の膜の強度が得られないため好ましくない。また10重量%を超えると塗工液の粘度が上昇し、塗工が困難となるため好ましくない。
生成する全芳香族ポリアミド重合体の溶解性を向上させるため、また生成した重合体の溶解性を向上させるために重合前、途中、終了時のいずれかに、一般に公知の無機塩を適当量添加しても差し支えない。このような無機塩としては、例えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム等のアルカリ金属の塩化物、および塩化マグネシウム、塩化カルシウム等のアルカリ土類金属の塩化物が挙げられる。このうち塩化リチウム、塩化カルシウムが好ましい。
また、パラ型全芳香族ポリアミドの末端は、封止することもできる。末端封止剤を用いて末端を封止する場合には、例えば、フタル酸クロライドおよびその置換体、アニリンおよびその置換体等を末端封止剤として用いることができる。
また、生成する塩化水素のごとき酸を捕捉するために、脂肪族や芳香族のアミン、第4級アンモニウム塩等を併用することもできる。
反応の終了後は、必要に応じて、塩基性の無機化合物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム等を添加し、中和反応を実施してもよい。
<パラ型全芳香族ポリアミド繊維の製造方法>
本発明のパラ型全芳香族ポリアミド繊維を製造するにあたっては、湿式紡糸法または半乾半湿式紡糸法を採用し、溶媒を含む均一な紡糸用溶液(ポリマードープ)を調整し、紡糸口金から吐出する。
[吐出孔の形状]
本発明で使用する全芳香族ポリアミド扁平断面繊維を得るための扁平吐出孔の形状は、長軸(L)と短軸端部(W1)との比(L/W1)が10以上の範囲を満足する吐出孔である。(L/W1)は好ましくは20以上、さらに好ましくは30以上である。また、短軸の端部(W1)と中心部(W2)との比(W2/W1)が、好ましくは0.1以上1.0以下、より好ましくは0.1以上0.9以下、さらに好ましくは0.1以上0.7以下、特にましくは0.1以上0.6以下の範囲である。
(W2/W1)が1.0を超えると、繊維方向に対して垂直の断面の中心部が厚く、膨らんだ形状、つまり楕円形状の繊維となり易く、薄い繊維になり難い。一方、(W2/W1)が0.1より小さい場合は、生産時に断糸しやすく、強度も満足しないものとなる。
前記記載の吐出孔の長軸(L)、短軸の端部(W1)、及び中心部(W2)とは、図2から図4に示す扁平吐出孔の各長さのことである。図3、4の場合は、弧の直径をW1とする。また、短軸の両端は直線あるいは曲線であってもよく、特に限定されるものではない。さらには短軸端部と中心部は、直線あるいは曲線で繋がっており、特に限定されるものではない。
[エアギャップ]
紡糸口金面から凝固液までのエアギャップは、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下、さらに好ましくは3mm以下の範囲である。10mmより長いと、表面エネルギーを安定化させるため、ドープが円形に近づき、異形性を保つことができない。
[紡糸工程]
本発明の繊維の製造においては、上述の如く調整された紡糸用溶液(ドープ)を用いて、湿式紡糸法またはエアギャップを設けた半乾半湿式紡糸法によって繊維を成形する。すなわち、先ず、上記で得られた紡糸用溶液(ドープ)をノズルから吐出し、続いて、凝固浴中の凝固液に接触させて凝固糸を形成する。異形断面の繊維を得るためには凝固を早くする必要がある。
凝固浴としては、パラ型全芳香族ポリアミドの貧溶媒が用いられるが、紡糸用溶液(ポリマードープ)の溶媒が急速に抜け出して、得られる全芳香族ポリアミド凝固糸に欠陥ができないように、通常は良溶媒を添加して凝固速度を調節する。貧溶媒としては水、良溶媒としてはパラ型全芳香族ポリアミドドープ用の溶媒を用いることが好ましい。良溶媒/貧溶媒の質量比は、パラ型全芳香族ポリアミドの溶解性や凝固性にもよるが、15/85〜40/60の範囲とすることが好ましい。
凝固液から凝固糸条を引き上げた後は、公知の方法によって、最終的なパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得ることができる。例えば、水洗工程を実施して形成された未延伸糸から溶媒を除去し、必要に応じて延伸を実施し、乾燥工程等を経た後に必要に応じて延伸することにより配向させ、最終的な繊維を得ることができる。
[延伸工程]
次いで、延伸を実施する。延伸の方法としては特に限定されるものではない。延伸倍率については特に制限はないが、少なくとも6倍以上とすることが好ましく、8倍以上とすることがさらに好ましい。延伸倍率を制御することにより、得られる全芳香族ポリアミド繊維の伸度および強度を制御することができる。また、逐次延伸を採用すれば、延伸安定性を向上させることができる。
<扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性>
本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、以下の物性を有する。
[単糸断面の扁平度]
本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、扁平化された当該繊維の単糸断面の最長軸(L1)とそのL1と直交する最長軸(T1)(T1は繊維厚みとも称する)の比(L1/T1)が5.0より大きく、好ましくは7以上、より好ましくは10以上、さらに好ましくは13以上である。(L1/T1)が5未満では薄肉での強化が十分とは言えない。
単糸断面の最長軸(L1)とそのLと直交する最長軸(T1)とは、図5から図7に示す扁平断面糸の各長さのことである。
また、本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維の扁平化された当該繊維の単糸断面の両端3μmを省いた最長軸(L2)に直交する最短軸(T2)と、単糸断面の最長軸(L1)に直交する最長軸(T1)との比(T2/T1)が、好ましくは0.7以上1.0以下であり、より好ましくは、0.8以上1.0以下、さらに好ましくは0.9以上1.0以下の範囲である。
最長軸(T1)と両端3μmを省いた最長軸(L2)に直交する最短軸(T2)とは、図8、図9に示すような扁平断面糸の各長さのことである。
さらに、本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維の扁平化された当該繊維の単糸断面積(A1)と単糸の円周が外接する長方形の面積(A2)との比(A2/A1)が、好ましくは1.00以上1.25以下であり、より好ましくは1.00以上1.20以下、さらに好ましくは1.00以上1.15以下、特に好ましくは1.00以上1.10以下の範囲である。
扁平断面繊維は一様に薄い厚みを保持することが求められる。(A2/A1)は、扁平断面の歪を示しており、1.25を超えると極度に厚いところあるいは薄いところができてしまうため、薄肉での強化が十分とは言えない。
繊維の単糸断面積(A1)と単糸の円周が外接する長方形の面積(A2)とは、図10、図11に示す扁平断面繊維の各長さのことである。
[単糸断面の厚み]
本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、扁平化された当該繊維の単糸断面の最長軸(L1)と直交する最長軸の長さ(T1)が30μm以下である。(T1)は好ましくは25μm以下、より好ましくは20μm以下、さらに好ましくは15μm以下、特に好ましくは3μm以下である。(T1)が30μmより大きい場合は、厚みが大きいため、本発明が目的とする薄さを求められる用途に適さない。
[短繊維製造工程]
前記で作成したフィラメントを収束し、油剤塗布後、捲縮をかけ、カットする。カット長は49mm〜113mmの範囲で適切なカット長を選択しカットする。カット長がこの範囲を外れる場合は、不織布の強度が低下する場合がある。
[不織布製造工程]
本発明ではニードルパンチ不織布を選択する。不織布に使用する短繊維はポリエステル丸断面繊維と上記パラ型全芳香族ポリアミド扁平断面繊維を混合したものとする。その混合比率は丸断面/扁平断面で30/70〜70/30である。扁平断面繊維の比率が30%未満となると、繊維間摩擦向上の効果が低下し、強度向上とならない。一方、扁平断面繊維の比率が70%以上の場合には丸断面繊維の量が低下し、不織布の交絡が減少し全体として強度が低下するため好ましくない。
この際、ポリエステル丸断面繊維のカット長は49〜51mmとする。ポリエステル丸断面繊維のカット長がこの範囲を外れる場合は、不織布の強度が低下する場合がある。
不織布を製造するには、先ず短繊維を計量後、カーディングする。不織布の積層方法はエアレイ、クロスレイのいずれも選択可能であるが、均一性の観点から、クロスレイが好ましい。ウェッブを積層後、ニードルパンチを行う。
ニードルパンチに使用するニードルのバーブの形状は図1に示すスロートデプス(J)が扁平断面繊維の断面の最長軸(L1)と(L1/J≧2)の関係であることが好ましい。かつ、丸断面繊維の直径(D)との比率は(D/J)≦1.5であることが好ましい。
(L1/J)が2未満の場合には扁平断面繊維がバーブに引っ掛かりやすくなり、扁平断面繊維が縦方向に配列し、丸断面繊維を選択的に縦方向に配列することができなくなり、好ましくない。 一方、(D/J)が1.5を越える場合には縦方向に配列すべき丸断面繊維の数が減少し、不織布の交絡が減少し、強度が低下し好ましくない。また、ニードルの打ち込み本数(ペネ数)は225本/cm以上25000本/cm以下であることが好ましい。打ち込み本数(ペネ数)が225本/cm未満であれば、交絡が少なく強度が向上しない。打ち込み本数(ペネ数)が25000本/cm越える場合は針折れ等が発生し、生産が困難となる。
<扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維の物性>
本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、以下の物性を有する。
[引張強度]
本発明の扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、その引張強度が16.0〜30.0cN/dtexである。より好ましくは、24.0〜30.0cN/dtexである。
[単糸断面の扁平度]
本発明の扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、扁平化された当該繊維の単糸断面の扁平化された当該繊維の単糸断面の直交する最長軸(L1)と最短軸(T1)の比(L1/T1)が5.00より大きい。
[扁平度の変動係数]
本発明で使用する扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド繊維は、扁平化された当該繊維の単糸断面の扁平度の変動係数が10%未満である。好ましくは8%未満、より好ましくは
5%未満ある。
[垂直方向に配列した繊維の数]
不織布のMD方向の断面とTD方向の断面を電子顕微鏡にて100倍の倍率で1cm分の長さを観察し、縦方向に配列した繊維の本数を数える。また、同時に縦方向に配列した繊維を200〜400倍の倍率で観察し、扁平断面、丸断面のいずれであるかを確認する。尚、ここで、「縦方向に配列した」とは不織布の厚さ方向と、繊維の配列方向とのなす角度が0°〜20°である場合を示す。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳しく具体的に説明する。ただし、これらの実施例および比較例は本発明の理解を助けるためのものであって、これらの記載によって本発明の範囲が限定されるものではない。尚、実施例中の各物性は以下の方法により測定した。
(単繊維の断面形状)
キーエンス社製マイクロスコープVHX−2000を用いて倍率500〜800倍でL1、L2、T1、T2、A1、Dを50点計測した。A2に関しては計測したT1、L1を用いて、T1×L1にて算出した。
(引張強度)
インテスコ社製、型番201X型試験機の一部を用いて、以下の条件で測定した。
引張速度:10mm/分、つかみ間隔:25.4mm
(変動係数)
上記短繊維断面の形状を測定した50点のL1とT1の結果から、L1/T1の平均値と標準偏差をもとめ、以下の式により変動係数を算出した。
変動係数=標準偏差÷平均値×100 (%)
<実施例1>
[紡糸用溶液の調製工程]
紡糸用溶液(ドープ)として、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比が1:1のパラ型全芳香族ポリアミド)の濃度6質量%N−メチルピロリドン(NMP)溶液を準備した。
[紡糸工程]
紡糸用溶液(ドープ)を、扁平口金(図3)の紡糸口金から5mmのエアギャップを介してNMP濃度30質量%の50℃の水溶液で満たされた凝固浴中に紡出し、凝固糸を得た。その後、得られた凝固糸を水洗し、乾燥した。
[延伸工程]
延伸温度510℃下で8倍に延伸し、巻き取りを実施することにより、単糸繊度1.67dtexのコポリパラフェニレン・3、4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド扁平繊維を得た。延伸後、収束し、油剤塗布、捲縮をかけたのち、51mmにカットした。得られた繊維の引張強度は20.5cN/dtexであった。
[不織布製造工程]
扁平断面繊維と同じ繊度でカット長が51mmのポリエステル製の丸断面繊維を扁平断面/丸断面比率を50/50で混合し、カードにかけバーブのスロートデプスが10ミクロンの針をペネ数5000本/cmでパンチングし目付200g/mの不織布を得た。得られた不織布の物性を表1に示す。
<実施例2>
扁平断面/丸断面比率を30/70で混合する以外は実施例1と同様にして、不織布を作成した。得られた不織布の物性を表1に示す。
<比較例1>
丸断面繊維の比率を100%とする以外は、実施例1と同様にして、不織布を作成した。得られた不織布の物性を表1に示す。
<比較例2>
丸断面繊維の比率を10%とする以外は、実施例1と同様にして、不織布を作成した。得られた不織布の物性を表1に示す。
<比較例3>
丸断面繊維の比率を90%とする以外は実施例1と同様にして、不織布を作成した。得られた不織布の物性を表1に示す。
<比較例4>
バーブのスロートデプスをL1/Jが1.18(L1=17.7、J=15)、D/Jが0.6(D=9、J=15)となるニードルを使用した以外は実施例1と同様に実施した。得られた不織布の物性を表1に示す。
<比較例5>
扁平繊維の(L1/T1)を2とする以外は実施例1と同様にして、不織布を作成した。得られた不織布の物性を表1に示す。
Figure 2020133029
J スロートデプス
L 扁平吐出孔の長軸
W1 扁平吐出孔の短軸端部
W2 扁平吐出孔の短軸中心部
L1 偏平繊維の単糸断面の最長軸
T1 L1と直交する単糸断面の厚み方向の最長軸
L2 扁平繊維の単糸断面の両端3μmを省いた最長軸
T2 L2と直交する単糸断面の厚み方向の最短軸
A1 扁平繊維の単糸断面積
A2 扁平繊維の単糸の円周が外接する長方形の面積

Claims (7)

  1. 繊維軸方向に対して直交する単糸繊維の断面形状が扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維であって、以下の(a)〜(b)の条件を満足するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、カット長49〜51mmのポリエステル丸断面短繊維とが30/70〜70/30の重量比率で混合されてなることを特徴とするニードルパンチ不織布。
    (a)前記扁平断面の最長軸(L1)とその(L1)に直交する最長軸(T1)の比(L1/T1)が5.0より大きい。
    (b)パラ型全芳香族ポリアミド短繊維のカット長が49mm〜113mmである。
  2. 下記の方法により測定した、不織布表面に対して垂直方向に配列した繊維が、MD方向、TD方向共に15か所/cm以上であり、且つ該繊維の80%以上が丸断面繊維である請求項1記載のニードルパンチ不織布。
    (測定方法)
    不織布のMD方向の断面とTD方向の断面を、電子顕微鏡にて100倍の倍率で1cm分の長さを観察し、縦方向に配列した繊維の本数を数える。また、同時に縦方向に配列した繊維を200〜400倍の倍率で監察し、扁平断面、丸断面のどちらかを確認する。尚、ここで、「縦方向に配列した」とは不織布の厚さ方向と、繊維の配列方向とのなす角度が0°〜20°である場合を示す。
  3. パラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、ポリエステル丸断面短繊維の繊度が共に0.5〜5.5dtexである請求項1又は2記載のニードルパンチ不織布。
  4. 前記扁平断面における(L1)と(T1)の比(L1/T1)の変動係数が10%未満である請求項1〜3のいずれか1項に記載のニードルパンチ不織布。
  5. パラ型全芳香族ポリアミド短繊維の引張強度が16〜30cN/dtexである請求項1〜4のいずれか1項に記載のニードルパンチ不織布。
  6. 繊維軸方向に対して直交する単糸繊維の断面形状が扁平断面を有するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維であって、以下の(a)〜(b)の条件を満足するパラ型全芳香族ポリアミド短繊維と、カット長49〜51mmのポリエステル丸断面短繊維とを30/70〜70/30の重量比率で混合した後、ニードルパンチにより絡合させることを特徴とするニードルパンチ不織布の製造方法。
    (a)前記扁平断面の最長軸(L1)とその(L1)に直交する最長軸(T1)の比(L1/T1)が5.0より大きい。
    (b)パラ型全芳香族ポリアミド短繊維のカット長が49mm〜113mmである。
  7. パラ型全芳香族ポリアミド短繊維の扁平断面の最長軸(L1)と、ニードルのスロートデプス(J)との比(L1/J)が2以上であり、且つポリエステル丸断面短繊維の直径(D)と前記スロートデプス(J)との比(D/J)が1.5以下である請求項6記載のニードルパンチ不織布の製造方法。
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