JP5307470B2 - セメント補強用全芳香族ポリアミド繊維、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
ここで、上記全芳香族ポリアミドとしては、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドが好ましい。
次に、本発明は、全芳香族ポリアミド繊維を湿式法または半乾半湿式法により紡糸するに際し、ポリマードープ吐出後の脱溶媒工程において、浸漬長が10m以上で、かつ溶媒の濃度勾配がある複数の脱溶媒槽を使用することを特徴とする上記セメント補強用全芳香族ポリアミド繊維の製造方法に関する。
ここで、上記のセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維の製造方法における上記脱溶媒槽の濃度勾配は、好ましくは15%〜0.001%の範囲である。
なお、ここでいう湿式法とは、紡糸口金から直接凝固浴中に糸条を押出す方式をいい、半乾半湿式法とは、紡糸口金と凝固浴の間にエアーギャップを設け、紡糸口金から押出された糸条はエアー中を通過した後に凝固浴中を通過させる方法をいう。この際、エアーギャップ距離(紡糸口金面と凝固液面との距離)は、通常、吐出孔間距離の6倍以下とされる。
なお、延伸時の熱処理温度は、好ましくは400〜600℃、さらに好ましくは450〜550℃である。
単糸繊度は、ポリマー吐出量および延伸倍率により容易に調整することができる。
ここで、引張弾性率は、全芳香族ポリアミド繊維を製造するに際し、例えば延伸倍率をコントロールすることで制御することができる。
(1)引張弾性率
得られた芳香族ポリアミド繊維につき、引張試験機(INSTRON社製、商品名:INSTRON、型式:5565)を用いて、JIS−L1013に準拠して、以下の条件にて測定を実施した。
[測定条件]
測定試料長 :750mm
引張速度 :250mm/min
チャック間距離:500mm
本発明における分散性評価は、マグネットスターラーで攪拌中の水500mLの中へ、本発明により得られた繊維長5mmのアラミド繊維0.5gを投入後、30秒攪拌し、その後の分散状態を目視で評価した。分散性の評価は、次のとおりである。
[評価基準]
◎:非常に良好(繊維が単糸レベルで分散した状態である。)
○:良好(繊維の塊が若干存在しているが、ほぼ単糸レベルで分散した状態である。)
×:不良(繊維の塊が多数存在している状態である。)
普通ポルトランドセメント1,500g、水630g、および補強用全芳香族ポリアミド繊維を、モルタルミキサー(株式会社マルイ製、型式:MIC−362型、容量:5L)を用いて、140rpmの撹拌速度で約3分間混練し、ペーストを得た。次いで、ミニスランプコーン(高さ15cm、下面内径10cm、上面内径5cmの内側がくり貫かれた円錐柱)に得られたペーストを摺り切りで注ぎ入れ、水平に配置した50cm角のアルミ板の上にミニスランプコーンを伏せた後、ゆっくり垂直に引き上げた。このとき、セメントペーストはアルミ板上に円形に広がるが、このときの広がった円形の直径(mm)を測定し、施工性(流動性)の指標とした。なお、円形が歪んでいる場合には、最短径と最長径の相加平均を求めた。
円形の直径の値が大きいほどセメントペーストの施工性(流動性)が高く、取り扱い性が良い。
耐久性評価は、縦600mm、横600mm、高さ50mmのセメント中に、本発明により得られた繊維長5mmのアラミド繊維を1kg/m3添加し、乾燥過程(28日後)におけるひびの長さ(mm)を測定した。
セメントにおける分散性、施工性、耐久性評価に供する原糸は、以下の手順で作成した。
紡糸用のドープは、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド(共重合モル比が1:1の全芳香族ポリアミド)の濃度6wt%のNMP溶液を用いた。得られたドープを用い、孔数48ホールの紡糸口金から吐出し、エアーギャップ約10mmを介してNMP濃度30wt%の水溶液中に紡出し、その後、15槽かつ濃度勾配が10wt%〜0.001wt%の脱溶媒槽で脱溶媒した後、乾燥し、次いで、温度500℃下で8倍に延伸した後、巻き取ることによりパラ型全芳香族ポリアミド繊維を得た。
その結果、得られたアラミド繊維は、総繊度2,400dtex、フィラメント数48フィラメント、単糸繊度50detx/フィラメントであり、弾性率は420cN/dtexであった。この繊維長が5mmの原糸を用い、分散性、施工性(流動性)、耐久性を評価した結果はそれぞれ、非常に良好、127mm、335mmであった。その結果を表1に示す。
なお、脱溶媒工程における浸漬長の総計は、22.5mであった。
得られるパラ型全芳香族ポリアミド繊維の単糸繊度が、それぞれ、100dtex、150dtexとなる以外は、実施例1と同様にして、分散性、施工性、耐久性評価を実施した。その結果を表1に示す。
なお、単糸繊度は、口金からのポリマー吐出量を実施例1より増加させて調整した。
比較例として、得られるパラ型全芳香族ポリアミド繊維の単糸繊度が2dtexとなること以外は、実施例1と同様にして原糸を作成し、分散性、施工性、耐久性評価を実施した。その結果を表1に記載した。
なお、単糸繊度は、口金からのポリマー吐出量を減らすことで2dtexになるように調整した。
比較例として、脱溶媒層を多槽式にしないこと以外は、実施例1と同様にしたが、この場合、脱溶媒が完了せず目的とする繊維が得られなかった。
Claims (3)
- コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミドからなる全芳香族ポリアミド繊維であって、単糸繊度が50〜200dtex、かつ引張弾性率が300〜420cN/dtexである(ただし、当該全芳香族ポリアミド繊維の表面に無機粒子が付着され、かつ比重2.0〜3.5であるものを除く)ことを特徴とするセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維。
- 上記全芳香族ポリアミド繊維を湿式法または半乾半湿式法により紡糸するに際し、ポリマードープをノズルより吐出して凝固浴中で凝固させたのち、凝固後の脱溶媒工程において、浸漬長が10m以上で、かつ溶媒の濃度勾配がある複数の脱溶媒槽を使用することを特徴とする請求項1記載のセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
- 脱溶媒槽の溶媒の濃度勾配が、15重量%〜0.001重量%の範囲である請求項2記載のセメント補強用全芳香族ポリアミド繊維の製造方法。
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