JP2020055895A - 熱伝導シート - Google Patents
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Abstract
Description
また、特許文献2には、表面に露出する黒鉛の面積率(露出度)を25%〜80%とすることで、熱伝導率が担保された熱伝導シートが開示されている。
さらに、特許文献3には、黒鉛層の間に金属層を介在させた熱伝導シートが開示されている。
ここで、「粒子状炭素材料」とは、アスペクト比が10以下の炭素材料を意味し、「熱伝導シートの表面」とは、熱伝導シートの少なくとも一方の表面を意味する。
なお、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、粒子状金属材料のビッカーズ硬さは、例えば、“金属硬度の一覧表と硬度の比較”、[online]、2013年1月2日更新、[平成30年8月22日検索]、インターネット〈URL:
1538090429072_0.html
〉に記載されている。
なお、粒子状炭素材料および粒子状金属材料の「平均粒子径」は、湿式の粒度分布測定で求めることができる。混錬後のシートの状態では、湿式の粒度分布で粒子状炭素材料および粒子状金属材料を切り分けることができないため、熱伝導シートの断面のSEM写真(例えば、図1)を観察することで、各々の平均粒子径を測定する。
ここで、湿式の粒度分布測定は、下記のように行う。
−湿式の粒度分布測定−
各フィラー(粒子状炭素材料および粒子状金属材料)を任意の溶液に分離分散させた懸濁液を調製し、次に、得られた懸濁液を試料とし、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置(堀場製作所製、型式「LA960」)を用いて、懸濁液に含まれる各フィラー(粒子状炭素材料および粒子状金属材料)の粒子径を測定する。そして、得られた粒子径を横軸とし、各フィラー(粒子状炭素材料および粒子状金属材料)の体積を縦軸とした粒子径分布曲線の極大値における粒子径を体積基準モード径(μm)として求める。
なお、熱伝導シートの表面における熱可塑性樹脂の露出度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、熱伝導シートの熱抵抗値は、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、熱伝導シートの表面における粒子状炭素材料の露出度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
本発明の熱伝導シートは、熱伝導性を有するため、発熱体と放熱体との間に挟み込んで使用することができる。即ち、本発明の熱伝導シートは、放熱部材として、ヒートシンク、放熱板、放熱フィン等の放熱体と共に放熱装置を構成することができる。
本発明の熱伝導シートは、熱可塑性樹脂と粒子状炭素材料と粒子状金属材料とを含み、任意の他の成分をさらに含む。さらに、本発明の熱伝導シートは、粒子状炭素材料および粒子状金属材料が熱伝導シートの厚み方向に配向してなる構造を有し、且つ、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度が15%以上30%以下であることを特徴とする。本発明の熱伝導シートでは、熱伝導シートの厚み方向に配向した粒子状炭素材料および粒子状金属材料により熱伝導パスが形成され、熱伝導性を呈し得るとともに、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度が15%以上30%以下であるので、熱伝導シートの表面の密着性を向上させることができ、熱伝導シートの熱伝導性及び密着性を両立することができる。
本発明の熱伝導シートが熱可塑性樹脂を含有することにより、使用時(放熱時)の高温環境下で、熱伝導シートの柔軟性を向上させ、熱伝導シートを介して発熱体と放熱体とを良好に密着させることができる。また、本発明の熱伝導シートの特性及び効果を失わないことを条件として、熱伝導シートに熱硬化性樹脂を併用することができる。なお、本明細書において、ゴムおよびエラストマーは、「樹脂」に含まれるものとする。
本発明の熱伝導シートが含みうる熱可塑性樹脂は、マトリックス樹脂を構成し、また、粒子状炭素材料および粒子状金属材料を結着する結着材としても機能する。
このような熱可塑性樹脂としては、「常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂」、「常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂」、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、比較的低い圧力下でも、界面密着性を高めて界面熱抵抗を低下させることができ、熱伝導シートの熱伝導性(すなわち、放熱特性)を向上させることができる点で、「常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂」が好ましい。
なお、本明細書において、「常温」とは、23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。
熱伝導シートが常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂を含むことにより、熱伝導シートの柔軟性を良好にすることができ、例えば、熱伝導シートと、該熱伝導シートを接着させる被着体(発熱体、放熱体)との間の密着性を高めて、熱伝導シートにより高い熱伝導性を発揮させることができる。
これらの中でも、熱伝導シートの難燃性、耐熱性、耐油性、および耐薬品性を向上させることに加え、比較的低い圧力下でも、界面密着性を高め、界面熱抵抗を低下させて、熱伝導シートの熱伝導性(すなわち、放熱特性)を向上させることができる点で、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂が好ましい。
常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂は、常温常圧下で液体状の熱可塑性フッ素樹脂であれば、特に制限されない。常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂としては、例えば、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロペンテン−テトラフルオロエチレン3元共重合体、パーフルオロプロペンオキサイド重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン−フッ化ビニリデン共重合体、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
また、市販されている、常温常圧下で液状の熱可塑性フッ素樹脂としては、例えば、デュポン株式会社製のバイトン(登録商標)LM、ダイキン工業株式会社製のダイエル(登録商標)G−101、スリーエム株式会社製のダイニオンFC2210、信越化学工業株式会社製のSIFELシリーズ、などが挙げられる。
そして、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂の含有割合は、常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂および後に詳述する常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂の合計含有量の40質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、90質量%以下であることが好ましく、75質量%以下であることがより好ましい。常温常圧下で液体の熱可塑性樹脂の含有割合が上記範囲内であれば、熱伝導シートの柔軟性をより高めて、例えば、熱伝導シートと熱伝導シートを挟み込んでいる被着体(発熱体、放熱体)との間の密着性をより良好にし得るため、比較的低い挟持圧力下(例えば、0.5MPa以下)での熱伝導シートにより高い熱伝導性を発揮させることができるからである。
熱伝導シートが常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂を含むことにより、熱伝導シート内の強度を高めることができ、熱伝導シートのハンドリングを向上させることができる。
これらの中でも、熱伝導シートの難燃性、耐熱性、耐油性、および耐薬品性などを向上させる観点からは、常温常圧下で固体の熱可塑性樹脂としては、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂であることが好ましい。
常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂は、常温常圧下で固体状の熱可塑性フッ素樹脂であれば、特に制限されない。常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂としては、例えば、フッ化ビニリデン系フッ素樹脂、テトラフルオロエチレン−プロピレン系フッ素樹脂、テトラフルオロエチレン−パープルオロビニルエーテル系フッ素樹脂等、フッ素含有モノマーを重合して得られるエラストマーなどが挙げられる。より具体的には、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリビニリデンフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチレン、エチレン−クロロフルオロエチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエステル変性物、ポリテトラフルオロエチレンのエポキシ変性物およびポリテトラフルオロエチレンのシラン変性物、などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、加工性の観点から、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレンのアクリル変性物、が好ましい。
熱可塑性樹脂が熱可塑性フッ素樹脂である場合、熱伝導シートにおける熱可塑性フッ素樹脂の含有割合は、30質量%以上60質量%以下であることが好ましい。熱可塑性フッ素樹脂の含有割合が上記範囲内であれば、熱伝導シートの難燃性、耐熱性、耐油性、および耐薬品性などをより向上させることができる。なお、熱可塑性樹脂が常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂および常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂の双方を含む場合には、それら各々の含有割合の合計が上記範囲内にあることが好ましい。
本発明の熱伝導シートの特性および効果を失わないことを条件として、熱伝導シートに任意に使用し得る熱硬化性樹脂としては、例えば、天然ゴム;ブタジエンゴム;イソプレンゴム;ニトリルゴム;水素化ニトリルゴム;クロロプレンゴム;エチレンプロピレンゴム;塩素化ポリエチレン;クロロスルホン化ポリエチレン;ブチルゴム;ハロゲン化ブチルゴム;ポリイソブチレンゴム;エポキシ樹脂;ポリイミド樹脂;ビスマレイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂;フェノール樹脂;不飽和ポリエステル;ジアリルフタレート樹脂;ポリイミドシリコーン樹脂;ポリウレタン;熱硬化型ポリフェニレンエーテル;熱硬化型変性ポリフェニレンエーテル;などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
本発明の熱伝導シートが粒子状炭素材料を含むことにより、熱伝導シートの熱伝導性をさらに高めることができる。
粒子状炭素材料としては、特に制限されることはなく、例えば、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、薄片化黒鉛、天然黒鉛、酸処理黒鉛、膨張性黒鉛、膨張化黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック;などを用いることができる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、膨張化黒鉛が好ましい。熱伝導シートに膨張化黒鉛を用いれば、熱伝導シートの熱伝導性をより向上させることができる。
ここで、粒子状炭素材料として好適に使用し得る膨張化黒鉛は、例えば、鱗片状黒鉛などの黒鉛を硫酸などで化学処理して得た膨張性黒鉛を、熱処理して膨張させた後、微細化することにより得ることができる。そして、市販の膨張化黒鉛としては、例えば、伊藤黒鉛工業株式会社製のEC−1500、EC−1000、EC−500、EC−300、EC−100、EC−50、EC−10(いずれも商品名)等が挙げられる。
粒子状炭素材料の平均粒子径は、5μm以上であることが好ましく、25μm以上であることがより好ましく、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましい。
粒子状炭素材料の平均粒子径が上記下限値以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性等を一層向上させることができる。また、粒子状炭素材料の平均粒子径が上記上限値以下であれば、熱伝導シートの強度及び形状保持能を一層高めることができる。
また、粒子状炭素材料の平均粒子径は、後述する粒子状金属材料の平均粒子径の、10倍以下であることが好ましく、8倍以下であることがより好ましく、6倍以下であることが特に好ましく、また、0.5倍以上であることが好ましく、2倍以上であることがより好ましく、4倍以上であることが特に好ましい。
粒子状炭素材料の平均粒子径が粒子状金属材料の平均粒子径の上記上限値以下であれば、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度を調整して、熱伝導シートの表面の密着性を確実に向上させることができる。また、粒子状炭素材料の平均粒子径が粒子状金属材料の平均粒子径の上記下限値以上であれば、熱伝導シートの熱伝導性を確実に維持することができる。
また、粒子状炭素材料のアスペクト比(長径/短径)は、1以上10以下であることが好ましく、1以上5以下であることがより好ましい。
なお、本明細書において、「アスペクト比」は、粒子状炭素材料をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の粒子状炭素材料について、最大径(長径)と、最大径に直交する方向の粒子径(短径)とを測定し、長径と短径の比(長径/短径)の平均値を算出することにより求めることができる。
そして、熱伝導シート中の粒子状炭素材料の含有割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、20質量部以上であることが好ましく、30質量部以上であることがより好ましく、40質量部以上であることが特に好ましく、また、70質量部以下であることが好ましく、60質量部以下であることがより好ましく、50質量部以下であることが特に好ましい。粒子状炭素材料の含有割合が上記下限値以上であれば、熱伝導性を向上させることができる。また、粒子状炭素材料の含有割合が上記上限値以下であれば、密着性を向上させることができる。
本発明の熱伝導シートが粒子状金属材料を含むことにより、熱伝導シートの密着性をさらに高めることができる。
これらの中でも、熱伝導率が高い点で、銀、銅が好ましい。
粒子状金属材料のビッカーズ硬さとしては、特に制限はないが、3以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、20以上であることが特に好ましく、また、150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、100以下であることが特に好ましい。粒子状金属材料のビッカーズ硬さが3以下の金属は存在しない。また、粒子状金属材料のビッカーズ硬さが上記上限値以下であれば、良好な作業性を保ちつつ、駆体に対する密着性を向上させることができる。
なお、銀のビッカーズ硬さは約25であり、青銅のビッカーズ硬さは50以上100以下であり、黄銅のビッカーズ硬さは80以上150以下であり、純銅のビッカーズ硬さは約120である。
粒子状金属材料の平均粒子径は、1μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることが特に好ましく、また、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、30μm以下であることが特に好ましい。粒子状金属材料の粒子径が上記下限値以上であれば、熱伝導性と密着性とを維持することができる。また、粒子状金属材料の粒子径が上記上限値以下であれば、良好な作業性を保つことができる。
そして、熱伝導シート中の粒子状金属材料の含有割合は、熱可塑性樹脂100質量部に対して、80質量部以上であることが好ましく、100質量部以上であることがより好ましく、150質量部以上であることが特に好ましく、また、400質量部以下であることが好ましく、300質量部以下であることがより好ましく、250質量部以下であることが特に好ましい。粒子状金属材料の含有割合が上記下限値以上であれば、密着性を向上させることができる。また、粒子状金属材料の含有割合が上記上限値以下であれば、熱伝導性を向上させることができる。
上記熱伝導シートには、必要に応じて、熱伝導シートの成形に使用され得る他の成分をさらに配合することができる。そして、熱伝導シートに配合し得る他の成分としては、特に制限されることなく、例えば、繊維状炭素材料;無機窒化物材料;赤りん系難燃剤、りん酸エステル系難燃剤等の難燃剤;脂肪酸エステル系可塑剤等の可塑剤;ウレタンアクリレート等の靭性改良剤;酸化カルシウム、酸化マグネシウム等の吸湿剤;シランカップリング剤、チタンカップリング剤、酸無水物などの接着力向上剤;ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤等の濡れ性向上剤;無機イオン交換体等のイオントラップ剤;などが挙げられる。
上記熱伝導シートが任意に含みうる繊維状炭素材料としては、特に制限されることなく、例えば、カーボンナノチューブ(以下、「CNT」と称することがある。)などの繊維状の炭素ナノ構造体、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、およびそれらの切断物などを用いることができる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
例えば、熱伝導シートが繊維状炭素材料を含めば、熱伝導シートの熱伝導性を向上させ得ると共に、粒子状炭素材料の粉落ちを防止することもできる。なお、繊維状炭素材料を配合することで、粒子状炭素材料の粉落ちを防止することができる理由は、明らかではないが、繊維状炭素材料が三次元網目構造を形成することにより、熱伝導性や強度を高めつつ、粒子状炭素材料の脱離を防止しているためであると推察される。
無機窒化物材料としては、例えば、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、絶縁性と熱伝導性の付与の点で、窒化ホウ素が好ましい。
ここで、窒化ホウ素粒子の市販品の具体例としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の「PT」シリーズ(例えば、「PT−110」);昭和電工社製の「ショービーエヌUHP」シリーズ(例えば、「ショービーエヌUHP−1」);Dangdong Chemical Engineering Institute Co.,Ltd.社製「HSL」「HS」;などが挙げられる。
そして、本発明の熱伝導シートは、特に限定されることなく、以下の構造乃至性状を有している。
本発明の熱伝導シートは、上述したような粒子状炭素材料および粒子状金属材料が熱伝導シートの厚み方向に配向してなる構造を有する。ここで、「熱伝導シートの厚み方向に配向」とは、まず熱伝導シート(二次シート)の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)を用いて観察し、シート内における粒子状炭素材料および粒子状金属材料がシートの厚み方向に配向している状態をいう。
熱伝導シートは、0.1MPa(10N/cm2)での加圧下における熱抵抗値が0.50(℃/W)以下であることが好ましく、0.35(℃/W)以下であることがより好ましく、0.25(℃/W)以下であることが特に好ましい。0.1MPa(10N/cm2)での加圧下における熱抵抗値が上記上限値以下であると、比較的低い圧力が加えられる使用環境下で、優れた熱伝導性を有することができる。
ここで、熱抵抗値は、熱伝導シートの熱抵抗を測定するのに通常用いられる既知の測定方法を用いて測定することができ、樹脂材料熱抵抗試験器(例えば、日立テクノロジーアンドサービス社製、商品名「C47108」)などで測定することができる。
熱伝導シートの厚みは、50μm以上であることが好ましく、100μm以上であることがより好ましく、150μm以上であることが特に好ましく、また、500μm以下であることが好ましく、300μm以下であることがより好ましく、250μm以下であることが特に好ましい。熱伝導シートの厚みが上記上限値以下であれば、発熱体及び放熱体の間に熱伝導シートを介在させる必要が生じた場合に、熱伝導シートを介した発熱体及び放熱体の間の熱移動を容易とすることができる。また、熱伝導シートの厚みが上記下限値以上であれば、熱伝導シートの強度を高めて取り扱い性を高めることができる。
熱伝導シートの表面粗さSzは、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることが特に好ましく、また、100μm以下であることが好ましく、70μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが特に好ましい。本発明の熱伝導シートの表面粗さSzは、上記上限値以下であれば、良好な平滑性を得ることができる。
ここで、熱伝導シートの表面粗さSzは、レーザー顕微鏡(キーエンス社製、形状解析レーザー顕微鏡、VK−X250シリーズ)を用いて、20倍の倍率で測定し、任意に4線、長さ200μmを選択し、線粗さに対する表面粗さSzを求めることができる。
熱伝導シートの密着性(タッキング)は、1.7N以上であることが好ましく、2.0N以上であることがより好ましい。また、熱伝導シートの密着性(タッキング)が上記下限値以上であれば、熱伝導シートの密着性を向上させることができる。
なおここで、熱伝導シートの密着性(タッキング)の測定は、プローブタック試験機(株式会社レスカ製、商品名「TAC1000」)を用いて行うことができる。具体的には、直径10mmのフラットな形状のプローブ先端を0.5N(50gf)の荷重で熱伝導シートに10s間押付け、プローブを熱伝導シートから引き離す時に要する力を測定温度25℃で測定する。熱伝導シートの密着性(タッキング)の測定値が大きいほど、密着性が高く、躯体とよく密着することを示す。
なお、熱伝導シートの表面における熱可塑性樹脂の露出度が大きくなると、密着性(タッキング)がより高くなり、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度が大きくなると、密着性(タッキング)が高くなり、熱伝導シートの表面における粒子状炭素材料の露出度が大きくなると、密着性(タッキング)が低くなる。
熱伝導シートの表面における熱可塑性樹脂の露出度は、30%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが特に好ましく、また、70%以下であることが好ましく、60%以下であることがより好ましい。本発明の熱伝導シートの表面における熱可塑性樹脂の露出度が上記上限値以下であれば、熱伝導性を向上させることができる。また、熱伝導シートの表面における熱可塑性樹脂の露出度が上記下限値以上であれば、密着性を向上させることができる。
熱伝導シートの表面における粒子状炭素材料の露出度は、18%以上であることが好ましく、21%以上であることがより好ましく、30%以上であることが特に好ましく、また、42%以下であることが好ましく、35%以下であることがより好ましい。本発明の熱伝導シートの表面における粒子状炭素材料の露出度は、上記上限値以下であれば、密着性を向上させることができる。また、熱伝導シートの表面における粒子状炭素材料の露出度が上記下限値以上であれば、熱伝導性を向上させることができる。
熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度は、15%以上である必要があり、20%以上であることが好ましく、また、30%以下である必要があり、25%以下であることが好ましい。本発明の熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度は、上記上限値以下であれば、熱伝導性を向上させることができる。また、熱伝導シートの表面における粒子状金属材料の露出度が上記下限値以上であれば、密着性を向上させることができる。
なお、熱伝導シートの表面における各成分(熱可塑性樹脂、粒子状炭素材料、粒子状金属材料)の露出度は、走査型顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製 SU3500)を用いて、測定倍率を400倍とし、加速電圧を5kVとし、スポット強度を60として、熱伝導シートの表面の画像(例えば、図2および図3)を得て、Winroof(三谷商事株式会社製)を用いて画像処理を行うことにより算出することができる。
熱伝導シートのアスカーC硬度は、60以上であることが好ましく、65以上であることがより好ましく、また、80以下であることが好ましく、75以下であることがより好ましい。本発明の熱伝導シートのアスカーC硬度は、上記上限値以下であれば、熱伝導シートの柔軟性を高めて、例えば、熱伝導シートと熱伝導シートを挟み込んでいる被着体(発熱体、放熱体)との間の密着性をより良好にすることができ、また、上記下限値以上であれば、熱伝導シートの強度を向上させることができる。
ここで、熱伝導シートのアスカーC硬度の測定は、日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計(高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用して温度25℃で行うことができる。
なお、粒子状金属材料の添加量を多くしても、熱伝導シートのアスカーC硬度はそれほど大きくならないが、粒子状炭素材料の添加量を多くすると、熱伝導シートのアスカーC硬度は大きくなる。また、粒子状炭素材料の平均粒子径を小さくすると、熱伝導シートのアスカーC硬度は大きくなる。
本発明の熱伝導シートは、例えば、以下に詳述する、(i)プレ熱伝導シート成形工程、(ii)積層体形成工程、(iii)スライス工程、などを含む熱伝導シート調製方法により調製される。
プレ熱伝導シート成形工程では、熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料と、粒子状金属材料とを含み、任意の他の成分をさらに含む組成物を加圧してシート状に成形し、プレ熱伝導シートを得る。
ここで、組成物は、熱可塑性樹脂と、粒子状炭素材料と、粒子状金属材料と、任意の他の成分とを混合して調製することができる。そして、熱可塑性樹脂、粒子状炭素材料、粒子状金属材料、および任意の他の成分としては、本発明の熱伝導シートに含まれ得る、上述した熱可塑性樹脂、上述した粒子状炭素材料、上述した粒子状金属材料、および上述した他の成分を用いることができる。
因みに、熱伝導シートの樹脂を架橋型の樹脂とする場合には、架橋型の樹脂を含む組成物を用いてプレ熱伝導シートを成形してもよいし、架橋可能な樹脂と硬化剤とを含有する組成物を用いてプレ熱伝導シートを成形し、プレ熱伝導シート成形工程後に架橋可能な樹脂を架橋させることにより、熱伝導シートに架橋型の樹脂を含有させてもよい。
そして、上述のようにして調製した組成物は、任意に脱泡および解砕した後に、加圧してシート状に成形することができる。このように組成物を加圧成形したシート状のものを、プレ熱伝導シートとすることができる。なお、混合時に溶媒を用いている場合には、溶媒を除去してからシート状に成形することが好ましく、例えば、真空脱泡を用いて脱泡を行えば、脱泡時に溶媒の除去も同時に行うことができる。
そして、組成物を加圧してシート状に成形してなるプレ熱伝導シートでは、粒子状炭素材料および粒子状金属材料が主として面内方向に配向し、特にプレ熱伝導シートの面内方向の熱伝導性が向上すると推察される。
積層体形成工程では、プレ熱伝導シート成形工程で得られたプレ熱伝導シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、プレ熱伝導シートを折畳または捲回して、熱可塑性樹脂および粒子状炭素材料および粒子状金属材料を含む熱伝導シートが厚み方向に複数形成された積層体を得る。ここで、プレ熱伝導シートの折畳による積層体の形成は、特に制限されることなく、折畳機を用いてプレ熱伝導シートを一定幅で折り畳むことにより行うことができる。また、プレ熱伝導シートの捲回による積層体の形成は、特に制限されることなく、プレ熱伝導シートの短手方向または長手方向に平行な軸の回りにプレ熱伝導シートを捲き回すことにより行うことができる。また、プレ熱伝導シートの積層による積層体の形成は、特に制限されることなく、積層装置を用いて行うことができる。例えば、シート積層装置(日機装社製、製品名「ハイスタッカー」)を用いれば、層間に空気が入り込むことを抑えることができるため、良好な積層体を効率的に得ることができる。
スライス工程では、積層体形成工程で得られた積層体を、積層方向に対して45°以下
の角度でスライスし、積層体のスライス片よりなる熱伝導シートを得る。ここで、積層体をスライスする方法としては、特に限定されることなく、例えば、マルチブレード法、レーザー加工法、ウォータージェット法、ナイフ加工法等が挙げられる。中でも、熱伝導シートの厚みを均一にし易い点で、ナイフ加工法が好ましい。また、積層体をスライスする際の切断具としては、特に限定されることなく、スリットを有する平滑な盤面と、このスリット部より突出した刃部とを有するスライス部材(例えば、鋭利な刃を備えたカンナやスライサー)を用いることができる。
刃部を備える1枚の刃は、刃先の表裏両側が切刃となっている「両刃」であってもよく、刃の表側のみが切刃となっている「片刃」であってもよい。
また、2枚の刃のうちの一方または両方の刃が両刃の場合、当該両刃は、対称刃であっても非対称刃であってもよい。
また、2枚の刃は、それぞれ、1段刃であっても2段刃であってもよい。
熱伝導シートにおける各成分の体積分率は、各成分の添加量および比重を用いて算出した。
熱伝導シートの熱抵抗値は、樹脂材料熱抵抗試験器(株式会社日立テクノロジーアンドサービス製)を用いて測定した。ここで、1.0cm2の略正方形に切り出した熱伝導シートを試料とし、試料温度50℃において、比較的低圧である0.10MPaを加えた時の熱抵抗値(℃/W)を測定した。熱抵抗値が小さいほど熱伝導シートが熱伝導性に優れ、例えば、発熱体と放熱体との間に介在させて放熱装置とした際の放熱特性に優れていることを示す。
熱伝導シートのアスカーC硬度の測定は、日本ゴム協会規格(SRIS)のアスカーC法に準拠し、硬度計(高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」を使用して温度25℃で行った。
具体的には、実施例および比較例で得られた熱伝導シートを幅25mm×長さ50mm×厚さ0.5mmの大きさに切り取り、24枚重ね合わせることにより試験片を得た。得られた試験片を温度25℃に保たれた恒温室内に48時間以上静置することにより、試験体としての熱伝導シート層を得た。次に、指針が95〜98となるようにダンパー高さを調整し、熱伝導シート層とダンパーとを衝突させた。当該衝突から60秒後の熱伝導シート層のアスカーC硬度を、硬度計(高分子計器社製、商品名「ASKER CL−150LJ」)を用いて2回測定し、測定結果の平均値を算出した。アスカーC硬度が小さい程、柔軟性および可撓性に優れることを示し、アスカーC硬度が大きい程、硬いことを示す。
熱伝導シートの表面における各成分の露出度は、走査型顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ製 SU3500)を用いて、測定倍率を400倍とし、加速電圧を5kVとし、スポット強度を60として、熱伝導シートの表面の画像(例えば、図2および図3)を得て、winroof(三谷商事株式会社製)を用いて画像処理を行うことにより算出した。
なお、各成分は色の濃淡(白色:金属材料、灰色:熱可塑性樹脂、黒色:炭素材料(黒鉛))が異なって写し出された。
熱伝導シートの密着性(タッキング)の測定は、プローブタック試験機(株式会社レスカ製、商品名「TAC1000」)を用いて行った。具体的には、直径10mmの平らな形状のプローブ先端を0.5N(50gf)の荷重で熱伝導シートに10秒間押付け、プローブを熱伝導シートから引き離す時に要する力を測定温度25℃で測定した。熱伝導シートの密着性(タッキング)の測定値が大きいほど、密着性が高く、躯体とよく密着することを示し、1.7N以上であれば許容範囲内である。
<組成物の調製>
難燃性樹脂としての常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG−101」)70部と、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(スリーエムジャパン株式会社製、商品名「ダイニオンFC2211」)30部と、粒子状炭素材料としての膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC500」、体積平均粒子径:30μm)47部と、粒子状金属材料としての銀フレーク(DOWAエレクトロニクス製、商品名「FA−S−13」、平均粒子径:14.7μm、ビッカーズ硬さ:25)200部とを、加圧ニーダー(日本スピンドル製)を用いて、温度150℃にて20分間撹拌混合した。次に、得られた混合物を解砕機(大阪ケミカル社製、商品名「ワンダークラッシュミルD3V−10」)に投入して、10秒間解砕することにより、組成物を得た。
次いで、得られた組成物50gを、サンドブラスト処理を施した厚み50μmのPETフィルム(保護フィルム)で挟み、ロール間隙900μm、ロール温度50℃、ロール線圧50kg/cm、ロール速度1m/分の条件にて圧延成形(一次加圧)し、厚み0.8mmのプレ熱伝導シートを得た。
続いて、得られたプレ熱伝導シートを縦150mm×横150mm×厚み0.8mmに裁断し、プレ熱伝導シートの厚み方向に75枚積層し、高さ約60mmの積層体を得た。更に、温度80℃、圧力0.2MPaで2分間、積層方向にプレス(二次加圧)することにより、高さ50mmの積層体を得た。
その後、スライスに必要な長さを残して、得られた積層体の上面の全体を金属板で押さえ、積層方向に(即ち、上から)0.1MPaの圧力をかけて、積層体を固定した。なお、積層体の側面、背面の固定は行わなかった。このとき、積層体の温度は25℃であった。
次いで、サーボプレス機(放電精密加工研究所製)のプレス部分に、切断刃(両刃、刃角2θ:20°、刃部の最大厚み:3.5mm、材質:超鋼、ロックウェル硬度:91.5、刃面のシリコン加工:なし、全長:200mm)を取り付け、スライス速度200mm/秒、スライス幅100μmの条件で積層体の積層方向(換言すれば、積層されたプレ熱伝導シートの主面の法線に一致する方向に)にスライスして、縦150mm×横60mm×厚み0.10mmの熱伝導シートを得た。
そして、得られた熱伝導シートについて、上述の方法に従って、上述の測定を行った。結果を表1に示す。
実施例1において、粒子状金属材料として、銀フレーク200部の代わりに、銅フレーク(DOWAエレクトロニクス製、商品名「AO−YCD−1」、平均粒子径:7.0μm、ビッカーズ硬さ:120)168部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例1において、膨張化黒鉛の添加量を47部から24部に変更し、且つ、銀フレークの添加量を200部から120部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例3において、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂の添加量を70部から77部に変更し、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂の添加量を30部から33部に変更し、且つ、銀フレークの添加量を120部から150部に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例1において、粒子状炭素材料として、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC500」、体積平均粒子径:30μm)を用いる代わりに、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC100」、体積平均粒子径:250μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例2において、粒子状炭素材料として、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC500」、体積平均粒子径:30μm)を用いる代わりに、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC100」、体積平均粒子径:250μm)を用いたこと以外は、実施例2と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例3において、粒子状炭素材料として、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC500」、体積平均粒子径:30μm)を用いる代わりに、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC100」、体積平均粒子径:250μm)を用いたこと以外は、実施例3と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
実施例1において、膨張化黒鉛47部および銀フレーク200部を用いる代わりに、膨張化黒鉛90部のみを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、「組成物の調製」、「プレ熱伝導シートの成形」、「積層体の形成」および「熱伝導シートの成形」を行った。
Claims (7)
- 熱可塑性樹脂と粒子状炭素材料と粒子状金属材料とを含む熱伝導シートであって、
前記粒子状炭素材料および前記粒子状金属材料が、前記熱伝導シートの厚み方向に配向してなり、
前記熱伝導シートの表面における前記粒子状金属材料の露出度が15%以上30%以下である、熱伝導シート。 - 前記粒子状金属材料のビッカーズ硬さが3以上150以下である、請求項1に記載の熱伝導シート。
- 前記粒子状金属材料の金属が銀および銅の少なくともいずれかである、請求項1または2に記載の熱伝導シート。
- 前記粒子状炭素材料の平均粒子径は、前記粒子状金属材料の平均粒子径の10倍以下である、請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導シート。
- 前記熱伝導シートの表面における前記熱可塑性樹脂の露出度が30%以上70%以下である、請求項1〜4の何れかに記載の熱伝導シート。
- 0.1MPaでの加圧下における熱抵抗値が0.50(℃/W)以下である、請求項1〜5の何れかに記載の熱伝導シート。
- 前記熱伝導シートの表面における前記粒子状金属材料の露出度に対する前記熱伝導シートの表面における前記粒子状炭素材料の露出度の比(前記粒子状炭素材料の露出度/前記粒子状金属材料の露出度)が0.5以上3.0以下である、請求項1〜6の何れかに記載の熱伝導シート。
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