JP2020019884A - 熱伝導シートの製造方法 - Google Patents
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なお、本発明において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。
なお、本発明において、「常温」とは23℃を指し、「常圧」とは、1atm(絶対圧)を指す。
なお、本発明において、シートの「厚み」とは、デジマチックインジケーター(株式会社ミツトヨ製、ID−C112X)を用いて1/1000mmの精度で測定した値を指す。
なお、本発明において、電子線の「照射線量」とは、ラジオクロミックフィルム線量計(Far West Technology製、FWT-60)を用いて測定した値を指す。
本発明の熱伝導シートの製造方法は、熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含むシートの片面または両面に電子線を照射する工程(照射工程)を含む。そして、本発明の熱伝導シートの製造方法では、照射工程において電子線が照射されるシートの熱可塑性フッ素樹脂として、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を含有する熱可塑性フッ素樹脂を使用することを必要とする。
なお、本発明の熱伝導シートの製造方法では、照射工程において電子線を照射されたシートをそのまま熱伝導シートとしてもよいし、電子線を照射したシートに対して更に後処理を施してなるシートを熱伝導シートとしてもよい。即ち、本発明の熱伝導シートの製造方法は、照射工程の後に、電子線が照射されたシートに対して後処理を施す後処理工程を更に含んでいてもよい。
また、本発明の熱伝導シートの製造方法では、電子線が照射されるシートの熱可塑性フッ素樹脂が常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を含有しているので、熱可塑性フッ素樹脂として常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂のみを含有するシートに電子線を照射した場合と比較し、電子線の照射に起因した表面の荒れの増加や被着物に対する密着性の低下を抑制することができる。更に、表面の平滑性を保ったまま、シート強度を高めることができる。従って、得られる熱伝導シートの熱抵抗が上昇するのを抑制し、熱伝導性に優れる熱伝導シートを得ることができる。
照射工程では、熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含むシートの片面または両面に電子線を照射する。
ここで、電子線を照射するシートとしては、熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含有し、任意に添加剤を更に含有するシートを用いることができる。
そして、シートを構成する熱可塑性フッ素樹脂としては、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を少なくとも用いることが必要であり、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂と、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂とを併用することがより好ましい。熱可塑性フッ素樹脂として常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を用いない場合には、得られる熱伝導シートの熱抵抗が上昇し、熱伝導性に優れる熱伝導シートを得ることができない。また、熱可塑性フッ素樹脂として常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂と常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂とを併用すれば、得られる熱伝導シートの耐ポンプアウト性を更に高めることができると共に、被着物からの剥離性(リワーク性)を高めることができる。
なお、本発明において、ゴムおよびエラストマーは、「樹脂」に含まれるものとする。
また、シートを構成する熱伝導性充填材としては、特に限定されることなく、例えば、アルミナ粒子、酸化亜鉛粒子、無機窒化物粒子、炭化ケイ素粒子、酸化マグネシウム粒子および粒子状炭素材料などの粒子状材料、並びに、カーボンナノチューブ、気相成長炭素繊維、有機繊維を炭化して得られる炭素繊維、およびそれらの切断物などの繊維状材料を用いることができる。中でも、熱伝導性充填材としては、無機窒化物粒子および粒子状炭素材料、並びに、カーボンナノチューブ(CNT)などの繊維状炭素ナノ材料、からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
なお、熱伝導性充填材は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機窒化物粒子としては、例えば、窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子、窒化ケイ素粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、熱伝導シートに対する電気絶縁性および熱伝導性の付与の点で、窒化ホウ素粒子が好ましい。
ここで、窒化ホウ素粒子の市販品の具体例としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の「PT」シリーズ(例えば、「PT−110」);昭和電工社製の「ショービーエヌUHP」シリーズ(例えば、「ショービーエヌUHP−1」);Dangdong Chemical Engineering Institute Co.,Ltd.社製の「HSL」、「HS」;などが挙げられる。
粒子状炭素材料としては、特に制限されることはなく、例えば、人造黒鉛、鱗片状黒鉛、薄片化黒鉛、天然黒鉛、酸処理黒鉛、膨張性黒鉛、膨張化黒鉛などの黒鉛;カーボンブラック;などを用いることができる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を任意の比率で併用してもよい。
これらの中でも、膨張化黒鉛が好ましい。膨張化黒鉛を用いれば、熱伝導シートの熱伝導性をより向上させることができる。
更に、粒子状炭素材料の長軸方向の平均粒子径は、30μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましく、300μm以下であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。また、粒子状炭素材料の短軸方向の平均粒子径は、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましい。粒子状炭素材料の平均粒子径が上記範囲内であれば、熱伝導シートの熱伝導性を向上させることができる。なお、本明細書において、「平均粒子径」は、粒子状炭素材料をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察し、任意の50個の粒子状炭素材料について最大径(長径)および最小径(短径)を測定し、測定した長径および短径の個数平均値を算出することにより求めることができる。
繊維状材料として好適に使用し得る、CNTを含む繊維状炭素ナノ材料は、CNTのみからなるものであってもよいし、CNTと、CNT以外の繊維状の炭素ナノ材料との混合物であってもよい。
なお、繊維状炭素ナノ材料中のCNTとしては、特に限定されることなく、単層カーボンナノチューブおよび/または多層カーボンナノチューブを用いることができるが、CNTは、単層から5層までのカーボンナノチューブであることが好ましく、単層カーボンナノチューブであることがより好ましい。
ここで、スーパーグロース法により製造したSGCNTを含む繊維状炭素ナノ材料は、SGCNTのみから構成されていてもよいし、SGCNTに加え、例えば、非円筒形状の炭素ナノ構造体等の他の炭素ナノ構造体が含まれていてもよい。
シートに任意に配合し得る添加剤としては、特に限定されることなく、例えば、難燃剤、可塑剤、靭性改良剤、吸湿剤、接着力向上剤、濡れ性向上剤、イオントラップ剤などが挙げられる。
そして、添加剤の配合量は、所期の効果が得られる範囲内で適宜に調節することができる。
熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含むシートは、特に限定されることなく、任意のシート形成方法を用いて調製することができる。
中でも、熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含むシートは、上述した熱可塑性フッ素樹脂と熱伝導性充填材とを含み、任意に添加剤を更に含有し得る複合材料を加圧してシート状に成形し、複合材料シートを得る工程と、複合材料シートを厚み方向に複数枚積層して、或いは、複合材料シートを折畳または捲回して、積層体を得る工程と、積層体を、積層方向に対して45°以下の角度でスライスし、シートを得る工程とを経て製造することが好ましい。上述した工程を経て製造されたシートは、積層体を構成していた複合材料シートのスライス片が並列接合されてなる構成を有しており、熱伝導性充填材が厚み方向に配向するため、厚み方向の熱伝導率に優れているからである。
上述したシートへの電子線の照射は、特に限定されることなく、例えば酸素濃度1000質量ppm以下の低酸素濃度環境下において、電子線照射装置を用いて行うことが好ましい。低酸素濃度環境は、チャンバー内を減圧する方法やチャンバーに窒素を導入する方法で準備することができるが、チャンバーに窒素を導入する方法が生産効率上好ましい。
なお、シートの両面に電子線を照射する場合には、少なくとも一方の表面(照射面)に対する照射線量が上記範囲内であれば、他方の表面(照射面)に対する照射線量は上記範囲外であってもよいが、シートの両方の表面(照射面)に対する照射線量が上記範囲内であることが好ましい。
任意に実施し得る後処理工程では、照射工程において電子線を照射したシートに対して後処理を施し、熱伝導シートを得る。
そして、実施例および比較例において、シートの厚み、熱伝導シートの熱抵抗値、耐ポンプアウト性およびリワーク性は、下記の方法で測定および評価した。
シートの厚みは、デジマチックインジケーター(株式会社ミツトヨ製、ID−C112X)を用いて、1/1000mmの精度で測定した。
<熱抵抗値>
熱伝導シートの熱抵抗値は、樹脂材料熱抵抗試験器(株式会社日立テクノロジーアンドサービス製)を用いて測定した。ここで、1.0cm角の略正方形に切り出した熱伝導シートを試料とし、試料温度50℃において、比較的低圧である0.30MPaを加えた時の熱抵抗値(℃/W)と、試料温度50℃において、比較的高圧である0.80MPaを加えた時の熱抵抗値(℃/W)とをそれぞれ測定した。熱抵抗値が小さいほど熱伝導シートが熱伝導性に優れ、発熱体と放熱体との間に介在させた際の伝熱特性に優れていることを示す。
<耐ポンプアウト性>
IGBTモジュール(平面部が5cm×8cm)に熱伝導シートを貼り付け、他方にヒートシンクを組み込み、モジュール側のねじ穴2か所を3MPaのトルクで締め付けた。また、モジュール側にヒーターをセットし、モジュール側を加熱できるようにした。そして、モジュール側を125℃に加熱して30分間保持した後、ヒーターをオフにして室温で30分間放置するサイクルを300サイクル繰り返すヒートサイクル試験を実施した。そして、ヒートサイクル試験後の熱伝導性シートの状態を目視で確認し、以下の基準に従って耐ポンプアウト性を評価した。熱伝導シートに潰れ、はみ出し、裂けおよび千切れが無いほど、熱伝導シートが耐ポンプアウト性に優れていることを示す。
A:熱伝導シートの潰れなし、はみ出しなし
B:熱伝導シートの潰れあり、はみ出しあり
C:熱伝導シートの潰れあり、はみ出しあり、裂けあり
D:熱伝導シートの潰れあり、はみ出しあり、千切れあり
<リワーク性>
IGBTモジュール(平面部が5cm×8cm)に熱伝導シートを貼り付け、他方にヒートシンクを組み込み、モジュール側のねじ穴2か所を3MPaのトルクで締め付けた。また、モジュール側にヒーターをセットし、モジュール側を加熱できるようにした。そして、モジュール側を125℃に加熱して30分間保持した後、ヒーターをオフにして室温で30分間放置するサイクルを300サイクル繰り返すヒートサイクル試験を実施した。そして、ヒートサイクル試験後の熱伝導性シートを、ピンセットでつまみ、剥がしやすさ(リワーク性)を以下の基準で評価した。
A:熱伝導シートが綺麗に剥がせ、あと残りしない
B:熱伝導シートが綺麗に剥がせるが、熱伝導シートのあとが残る
C:熱伝導シートが剥がし難く、熱伝導シートのあとが残る
D:熱伝導シートがへばりついて取れない
<シートの準備>
カーボンナノチューブ(日本ゼオン製、単層カーボンナノチューブ、比表面積:600m2/g)を400mg量り取り、溶媒としてのメチルエチルケトン2L中に混ぜ、ホモジナイザーにより2分間撹拌し、粗分散液を得た。次に、湿式ジェットミル(株式会社常光製、製品名「JN−20」)を使用し、得られた粗分散液を湿式ジェットミルの0.5mmの流路に100MPaの圧力で2サイクル通過させて、カーボンナノチューブをメチルエチルケトンに分散させた。そして、固形分濃度0.20%の分散液を得た。
その後、得られた分散液をキリヤマろ紙(No.5A)を用いて減圧ろ過し、シート状の易分散性カーボンナノチューブ集合体を得た。
次に、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂(ダイキン工業株式会社製、商品名「ダイエルG−101」)を70部と、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂(スリーエムジャパン株式会社製、商品名「ダイニオンFC−2211」、ムーニー粘度:27ML1+4、100℃)を30部と、熱伝導性充填材である膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC100」、体積平均粒子径:250μm、電子顕微鏡観察における長軸方向の平均粒子径:200μm、短軸方向の平均粒子径:10〜20μm)50部および上述で得られた易分散性カーボンナノチューブ集合体0.5部とを、加圧ニーダー(日本スピンドル製)を用いて、温度150℃にて20分間撹拌混合した。次に、得られた混合物を解砕機に投入して、10秒間解砕することにより、複合材料を得た。
次いで、得られた複合材料50gを、サンドブラスト処理を施した厚み50μmのPETフィルム(保護フィルム)で挟み、ロール間隙550μm、ロール温度50℃、ロール線圧50kg/cm、ロール速度1m/分の条件にて圧延成形(一次加圧)し、厚み0.5mmの複合材料シートを得た。
続いて、得られた複合材料シートを縦150mm×横150mm×厚み0.5mmに裁断し、複合材料シートの厚み方向に120枚積層し、更に、温度120℃、圧力0.1MPaで3分間、積層方向にプレス(二次加圧)することにより、高さ約60mmの積層体を得た。
その後、二次加圧された積層体の側面を0.3MPaの圧力で押し付けながら、木工用スライサー(株式会社丸仲鐵工所製、商品名「超仕上げかんな盤スーパーメカS」)を用いて、積層方向に対して0度の角度で(換言すれば、積層された複合材料シートの主面の法線方向に)スライスすることにより、縦150mm×横60mm×厚み0.15mmのシートを得た。
<熱伝導シートの製造>
上記シートの両面に、低エネルギー電子線照射装置(浜松ホトニクス社製、L12978)を用いて、管電圧70kV、管電流0.1mA、搬送速度6.6mm/s、照射距離10mm、酸素濃度1000ppmの条件で、電子線照射(各照射面の照射線量:50kGy)を実施した。
そして、得られた熱伝導シートの熱抵抗値、耐ポンプアウト性およびリワーク性を測定または評価した。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を0.2mVに変更し、各照射面の照射線量を100kGyに変更した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を1.8mVに変更し、各照射面の照射線量を1000kGyに変更した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を3.7mVに変更し、各照射面の照射線量を2000kGyに変更した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を11.0mVに変更し、各照射面の照射線量を6000kGyに変更した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を14.6mVに変更し、各照射面の照射線量を8000kGyに変更した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、管電流を5.5mVに変更し、シートの片面のみに電子線照射(照射面の照射線量:3000kGy)を実施した他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
シートの準備時に、膨張化黒鉛「EC100」50部の替わりに、電気絶縁性を有する熱伝導性充填材としての窒化ホウ素粒子(Dangdong Chemical Engineering Institute Co.,Ltd.社製、商品名「HSL」、体積平均粒子径:36μm、電子顕微鏡観察における長軸方向の平均粒子径:30μm、短軸方向の平均粒子径:0.5〜3μm、六方晶窒化ホウ素粒子)130部を用いた他は、実施例4と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
シートの準備時に、膨張化黒鉛「EC100」50部の替わりに、膨張化黒鉛(伊藤黒鉛工業株式会社製、商品名「EC300」、体積平均粒子径:50μm、電子顕微鏡観察における長軸方向の平均粒子径:50μm、短軸方向の平均粒子径:10〜20μm)90部を用いた他は、実施例4と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
シートの準備時に、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂「ダイエルG−101」を100部用い、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂「ダイニオンFC−2211」を用いなかった他は、実施例4と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、電子線照射を実施しなかった他は、実施例1と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
熱伝導シートの製造時に、電子線照射を実施しなかった他は、実施例8と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
シートの準備時に、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂「ダイニオンFC−2211」を100部用い、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂「ダイエルG−101」を用いなかった他は、実施例4と同様にしてシートおよび熱伝導シートを製造した。そして、実施例1と同様にして各種評価を行った。結果を表1に示す。
一方、電子線を照射しなかった比較例1および2では、耐ポンプアウト性に優れる熱伝導シートが得られないことが分かる。
また、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を用いなかった比較例3では、耐ポンプアウト性を高めることはできるものの、熱抵抗値が上昇してしまい、熱伝導性に優れる熱伝導シートが得られないことが分かる。
Claims (5)
- 熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含む熱伝導シートの製造方法であって、
熱可塑性フッ素樹脂と、熱伝導性充填材とを含むシートの片面または両面に電子線を照射する工程を含み、
前記熱可塑性フッ素樹脂が、常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂を含有することを特徴とする、熱伝導シートの製造方法。 - 前記熱可塑性フッ素樹脂が、常温常圧下で固体の熱可塑性フッ素樹脂を更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱伝導シートの製造方法。
- 前記熱可塑性フッ素樹脂中における前記常温常圧下で液体の熱可塑性フッ素樹脂の割合が、50質量%以上90質量%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の熱伝導シートの製造方法。
- 前記シートの厚みが50μm以上300μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3の何れかに記載の熱伝導シートの製造方法。
- 前記電子線の照射線量が照射面当たり50kGy以上8000kGy以下であることを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の熱伝導シートの製造方法。
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