JP2020055767A - 植物気孔開口抑制剤 - Google Patents

植物気孔開口抑制剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2020055767A
JP2020055767A JP2018186616A JP2018186616A JP2020055767A JP 2020055767 A JP2020055767 A JP 2020055767A JP 2018186616 A JP2018186616 A JP 2018186616A JP 2018186616 A JP2018186616 A JP 2018186616A JP 2020055767 A JP2020055767 A JP 2020055767A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
plant
stomatal opening
optionally substituted
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2018186616A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7197888B2 (ja
Inventor
俊則 木下
Toshinori Kinoshita
俊則 木下
貴広 結城
Takahiro Yuki
貴広 結城
悠介 相原
Yusuke Aihara
悠介 相原
綾人 佐藤
Ayato Sato
綾人 佐藤
茂雄 藤
Shigeo Fuji
茂雄 藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagoya University NUC
Original Assignee
Nagoya University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagoya University NUC filed Critical Nagoya University NUC
Priority to JP2018186616A priority Critical patent/JP7197888B2/ja
Publication of JP2020055767A publication Critical patent/JP2020055767A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7197888B2 publication Critical patent/JP7197888B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P60/00Technologies relating to agriculture, livestock or agroalimentary industries
    • Y02P60/20Reduction of greenhouse gas [GHG] emissions in agriculture, e.g. CO2

Landscapes

  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
  • Cultivation Of Plants (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

【課題】植物気孔開口調節剤を提供すること。【解決手段】一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、植物気孔開口調節剤。【選択図】なし

Description

本発明は、植物気孔開口調節剤、植物気孔開口抑制剤等に関する。
陸生高等植物は、葉の表皮に存在する気孔の開口調節を通じて、光合成に必要な二酸化炭素の取り込み量、蒸散量等の調節を行っている。例えば、水不足に晒されると、植物体内の水分を維持するために、気孔を閉鎖し、蒸散を抑制することが知られている。また、気孔は光に反応して開口され、光合成に必要な二酸化炭素の取り込みが促進されることが知られている。このため、気孔開口を人為的に調節することにより、光合成の促進、成長促進、乾燥耐性向上等の効果が期待できる。
気孔開口の人為的な調節の例としては、孔辺細胞において細胞膜H-ATPase(AHA2)を過剰発現させる方法が報告されている(特許文献1、非特許文献1)。この方法によれば、気孔開口を促進させ、これに伴い光合成速度及び植物成長も促進させることができる。また、孔辺細胞においてマグネシウムキラターゼHサブユニットを過剰発現させ、気孔の閉鎖を促進させることによって、乾燥耐性を向上させる方法も報告されている(非特許文献2)。
これらの方法は、遺伝子組換え技術によるものであるため、
1.遺伝子組換え技術が確立していない生物種においては組換え技術の確立及び最適化が都度必要となる。
2.遺伝子組み換え作物(GMO)の作出に時間がかかる(例えばポプラはトランスジェニック当代の作出に約半年、イネにおいては次世代のGMO種子の獲得に半年以上それぞれ要する。)
3.作成したGMOに対して都度認可が必要となる。
これに対して、既に生育している植物に対して施用することにより気孔開口を調節できる物質であれば、GMOの作出及びその認可という手続を各種植物に対して採らなくてもよいので、極めて有用である。
国際公開第2014/142334号
PNAS, January 7, 2014, vol.111, no.1, pp.533-538 Front Plant Sci, October 30, 2013, vol.4, Article440
本発明は、植物気孔開口調節剤を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み鋭意研究を重ねた結果、本発明者等は、一般式(1)で表される各々の化合物が気孔開口調節作用を有することを見出した。本発明は、この知見に基づいてさらに研究を重ねた結果、完成されたものである。
本発明は、以下の発明を包含する。
項1.
一般式(1):
[式中:R1及びR3は同一又は異なって、=O又は−OR11(R11は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルカノイル基を示す。)を示す。R2及びR4は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示す。nは0又は1〜3の整数を示す。実線と点線との二重線は同一又は異なって、単結合又は二重結合を示す(但し、式中の環は不飽和炭素環である)。]
で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、植物気孔開口調節剤。
項2.
前記化合物が、一般式(1A):
[式中:R1、R2、R3、R4、n、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。]
で表される化合物である、項1に記載の植物気孔開口調節剤。
項3.
前記R1及びR3がヒドロキシ基である、項1又は2に記載の植物気孔開口調節剤。
項4.
前記R2及びR4がアルキル基である、項1〜3のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
項5.
nが0又は1である、項1〜4のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
項6.
前記化合物が、一般式(1AA):
[式中:R1、R2、R3、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。R41は水素原子又はアルキル基を示す。]
で表される化合物である、項1〜5のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
項7.
植物気孔開口抑制剤である、項1〜6のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
項8.
項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を含有する、乾燥耐性向上剤。
項9.
項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を植物に施用することを含む、乾燥耐性向上方法。
項10.
項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を植物の気孔に接触させることを含む、項9に記載の乾燥耐性向上方法。
項11.
一般式(1):
[式中:R1及びR3は同一又は異なって、=O又は−OR11(R11は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルカノイル基を示す。)を示す。R2及びR4は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示す。nは0又は1〜3の整数を示す。実線と点線との二重線は同一又は異なって、単結合又は二重結合を示す(但し、式中の環は不飽和炭素環である)。]
で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、細胞膜プロトンポンプリン酸化阻害剤。
本発明によれば、植物気孔開口調節剤を提供することができる。また、植物成長促進剤等、乾燥耐性向上剤等を提供することもできる。
気孔開口のシグナル伝達機構の模式図である。 化合物1の気孔開口調節作用測定結果(試験例1)を示す。縦軸は、気孔開度を示す。横軸中、「DMSO」は、試験液として気孔開度測定溶液を用いた場合(ネガティブコントロール)を示し、「ABA」は試験液として気孔開度測定溶液にアブシジン酸を溶解させた溶液を用いた場合を示し、「化合物1」は試験液として気孔開度測定溶液に化合物1を溶解させた溶液を用いた場合を示す。*は、ネガティブコントロールに対するp値が0.05未満であることを示す。 化合物1の気孔開口調節作用測定結果(試験例1)を示す。縦軸は、気孔開度を示す。横軸中、「DMSO」は、試験液として気孔開度測定溶液を用いた場合を示し、「化合物1」は試験液として気孔開度測定溶液に化合物1を溶解させた溶液を用いた場合を示す。「FC」はさらにフシコクシンを溶解させた場合を示す。*は、DMSO+FCに対するp値が0.05未満であることを示す。 フォトロロピンのリン酸化の測定結果(試験例2-1)を示す。写真左側において、「Phots」はリン酸化フォトトロピンを示し、「14-3-3」は14-3-3タンパク質を示す。写真上側において、「DMSO」は試験溶液としてDMSOを使用した場合を示し、「化合物1」は試験溶液として化合物1のDMSO溶液を使用した場合を示し、Rは80 μmol m-2 s-1 赤色光を30分間照射した場合を示し、RBはRの条件に加えて20 μmol m-2 s-1青色光を1分間照射した場合を示す。 カリウムチャネル(KAT1)活性の測定結果(試験例2-2)を示す。「化合物1」は化合物1を作用させた場合を示す。縦軸は、KAT1活性の、化合物1を作用させない場合(1)に対する相対値を示す。 細胞膜プロトンポンプのリン酸化の測定結果(試験例2-3)を示す。「DMSO B」は、試験溶液としてDMSOを用い且つ光処理した場合を示し、「化合物1」は、試験溶液として化合物1のDMSO溶液を用い且つ光処理した場合を示し、「DMSO D」は、試験溶液としてDMSOを用い且つ光処理せずに暗処理した場合を示す。縦軸はリン酸化細胞膜プロトンポンプのシグナル強度の、DMSO B(100)に対する相対値を示す。*は、DMSO Bに対するp値が0.02未満であることを示す。 細胞膜プロトンポンプのリン酸化の測定結果(試験例2-3)を示す。「DMSO」は、試験溶液としてDMSOを用い且つ暗処理した場合を示し、「化合物1」は、試験溶液として化合物1のDMSO溶液を用い且つ暗処理した場合を示す。「FC」は、試験溶液にさらにフシコクシンを加えた場合を示す。縦軸はリン酸化細胞膜プロトンポンプのシグナル強度の、DMSO+FC(100)に対する相対値を示す。*は、DMSO+FCに対するp値が0.02未満であることを示す。 発芽試験の結果(試験例3-1)を示す。「DMSO」は試験溶液としてDMSOを使用した場合を示し、「化合物1」は試験溶液として化合物1のDMSO溶液を使用した場合を示し、「ABA」は試験溶液としてアブシジン酸のDMSO溶液を使用した場合を示す。縦軸は発芽率を示す。 アブシジン酸応答遺伝子の発現量の測定結果(試験例3-2)を示す。「DMSO」は試験溶液としてDMSOを使用した場合を示し、「化合物1」は試験溶液として化合物1のDMSO溶液を使用した場合を示し、「ABA」は試験溶液としてアブシジン酸のDMSO溶液を使用した場合を示す。縦軸は発現量を示す。*は、DMSOに対するp値が0.05未満であることを示す。 61kDaタンパク質のリン酸化の測定結果(試験例3-3)を示す。「DMSO」は試験溶液としてDMSOを使用した場合を示し、「化合物1」は試験溶液として化合物1のDMSO溶液を使用した場合を示し、「ABA」は試験溶液としてアブシジン酸のDMSO溶液を使用した場合を示す。上段の写真がリン酸化61kDaタンパク質を示し、下段の写真は14-3-3タンパク質を示す。 試験例4(バラ)の結果(写真)を示す。上段が処理前の写真を示し、下段が処理から6時間後の写真を示す。 試験例4(オート麦)の結果(写真)を示す。左側が処理前の写真を示し、右側が処理から20分間後の写真を示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本発明は、その一態様において、一般式(1):
で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種(有効成分)を含有する、植物気孔開口調節剤(本明細書において、「本発明の植物気孔開口調節剤」と示すこともある。)に関する。以下に、これについて説明する。
1.有効成分
R1及びR3は同一又は異なって、=O又は−OR11(R11は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルカノイル基を示す。)を示す。R1及びR3は同一又は異なって、好ましくは−OR11である。特に好ましくは、R1及びR3は共にヒドロキシ基である。
R1又はR3中で示されるアルキル基(R11)としては、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれのものも包含される。該アルキル基の炭素数は、特に制限されず、例えば1〜8、好ましくは1〜6である。該炭素数は、特に好ましくは、1、4、又は6である。一方で、本発明のある態様において、該アルキル基の炭素数の下限は、例えば2、3、4、5、6、7である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
R1又はR3中で示されるアルカノイル基(R11)としては、−C(=O)−R12で表される基が挙げられる。R12は置換されていてもよいアルキル基である。該アルキル基としては、直鎖状、又は分岐鎖状のいずれのものも包含される。該アルキル基の炭素数は、特に制限されず、例えば1〜8、好ましくは1〜6である。該炭素数は、特に好ましくは、1、4、又は6である。一方で、本発明のある態様において、該アルキル基の炭素数の下限は、例えば2、3、4、5、6、7である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
R3の位置は、R1に対してパラ、メタ、又はオルトであり、好ましくはパラである。
R2及びR4は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示す。R2及びR4は同一又は異なって、好ましくは置換されていてもよいアルキル基であり、より好ましくはアルキル基である。
R2又はR4で示されるアルキル基には、直鎖状又は分岐鎖状(好ましくは分枝鎖状)のいずれのものも包含される。該アルキル基の炭素数は、特に制限されず、例えば1〜12、好ましくは2〜8、より好ましくは3〜6、さらに好ましくは4〜5、よりさらに好ましくは4である。該アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基等が挙げられる。これらの中でも、特に好ましくはtert−ブチル基である。該アルキル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
R2又はR4で示されるシクロアルキル基の炭素数は、特に制限されず、例えば3〜10、好ましくは4〜8、より好ましくは5〜7、さらに好ましくは6である。該シクロアルキル基の具体例としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。該シクロアルキル基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
R2又はR4で示されるアリール基は、特に制限されないが、炭素数が6〜12のものが好ましく、6〜12のものがより好ましく、6〜8のものがさらに好ましい。該アリール基は、単環式又は多環式(例えば2環式、3環式等)のいずれでも有り得るが、好ましくは単環式である。該アリール基としては、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ペンタレニル基、インデニル基、アントラニル基、テトラセニル基、ペンタセニル基、ピレニル基、ペリレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基が挙げられる。該アリール基は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子で置換されていてもよい。
R2又はR4で示されるハロゲン原子としては、特に制限されず、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
nは0又は1〜3の整数を示す。nは、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
nが1以上である場合、R3の位置はR2に対してパラ、メタ、又はオルトであり、好ましくはR3(nが2以上の場合は複数のR3の内の1つ)の位置はパラである。
実線と点線との二重線は同一又は異なって、単結合又は二重結合を示す(但し、式中の環は不飽和炭素環である)。R1及びR3が−OR11である場合、一般式(1)としては、好ましくは一般式(1a):
が挙げられる。
本発明の一態様において、一般式(1)の中でも、好ましくは一般式(1A):
[式中:R1、R2、R3、R4、n、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。]
が挙げられ、より好ましくは一般式(1AA):
[式中:R1、R2、R3、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。R41は水素原子又はアルキル基を示す。]
が挙げれる。
R41は水素原子が好ましい。R41で示されるアルキル基については、R2又はR4で示されるアルキル基と同様である。
R1及びR3が−OR11である場合、一般式(1A)としては、好ましくは一般式(1Aa):
が挙げられる。
R1及びR3が−OR11である場合、一般式(1AA)としては、好ましくは一般式(1AAa):
が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物には、立体異性体及び光学異性体が含まれ得るが、これらは特に限定されるものではない。
一般式(1)で表される化合物の塩は、農学的に許容される塩である限り、特に制限されるものではない。該塩としては、酸性塩、塩基性塩のいずれも採用することができる。酸性塩の例としては、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩; 酢酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、パラトルエンスルホン酸塩等の有機酸塩が挙げられ、塩基性塩の例としては、ナトリウム塩、及びカリウム塩等のアルカリ金属塩; 並びにカルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩; アンモニアとの塩; モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、トリアルキルアミン、モノ(ヒドロキシアルキル)アミン、ジ(ヒドロキシアルキル)アミン、トリ(ヒドロキシアルキル)アミン等の有機アミンとの塩等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物は水和物、溶媒和物とすることもできる。溶媒としては、例えば、農学的に許容される有機溶媒(例えばエタノール、グリセロール、酢酸等)等が挙げられる。
一般式(1)で表される化合物としては、例えば公知化合物を入手して(例えば市販品を購入して)用いることができる。公知化合物としては、例えば以下の化合物が挙げられる。
また、一般式(1)で表される化合物としては、公知の合成方法に従って又は準じて合成したものを用いてもよい。一般式(1)で表される化合物は、例えば既報(Gageaa, B. C., Parvulescua, A. N., Ponceletb, G., Parvulescu, V. I. Catalysis Lett. 2005, 105, 219.)を参考にして合成することができる。合成することができる化合物の例を以下に示す。
2.用途
本発明の植物気孔開口調節剤は、一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する。また、気孔開口の調節により、光合成の調節、さらには植物の成長調節を図ることもできる。したがって、一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種は、光合成調節剤、植物成長調節剤等の有効成分として用いることができる。
特に、一般式(1)で表される化合物は、植物の気孔開口(特に光又は薬剤(フシコクシン等)に対する気孔開口)を抑制する作用を有している。また、植物の気孔開口が抑制されることによって、蒸散が抑制され、植物内の水分量が保たれることが知られている。したがって、一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種は、植物気孔開口抑制剤、乾燥耐性向上剤、鮮度保持剤等の有効成分として用いることができる。また、植物の気孔の開口部から病原性微生物が進入することが知られている。したがって、一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種は、耐病性向上剤等の有効成分として用いることができる。
また、細胞膜プロトンポンプのリン酸化を抑制することが、一般式(1)で表される化合物の気孔開口調節作用メカニズムの一端であると考えられる。このため、一般式(1)で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種は、細胞膜プロトンポンプリン酸化阻害剤の有効成分として用いることができる。対象となる細胞膜プロトンポンプは、孔辺細胞において発現するものであれば特に制限されない。例えばシロイヌナズナの場合は、AHA1(AT2G18960)、AHA2(AT4G30190)、AHA3(AT5G57350)、AHA4(AT3G47950)、AHA5 (AT2G24520)、AHA6(AT2G07560)、AHA7(AT3G60330)、AHA8(AT3G42640)、AHA9(AT1G80660)、AHA10(AT1G17260)、AHA11(AT5G62670)等である。また、イネの場合であれば、OSA1(LOC_Os03g48310)、OSA2(LOC_Os07g09340)、OSA3(LOC_Os12g44150)、OSA4(LOC_Os05g25550)、OSA5(LOC_Os08g14360)、OSA6(LOC_Os02g55400)、OSA7(LOC_Os04g56160)、OSA8(LOC_Os03g01120)、OSA9(LOC_Os03g08560)、OSA10(LOC_Os06g08310)等である。
本発明の植物気孔開口調節剤の対象植物は、気孔を有する植物である限り特に限定されない。例えば、被子植物(双子葉植物、単子葉植物等)、裸子植物、シダ植物等の植物に対して広く適用できる。具体例としては、トマト、ピーマン、トウガラシ、ナス等のナス類、キュウリ、カボチャ、メロン、スイカ等のウリ類、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ等の菜類、セルリー、パセリー、レタス等の生菜又は香辛菜類、ネギ、タマネギ、ニンニク等のネギ類、ダイズ、ラッカセイ、インゲン、エンドウ、アズキ等の豆類、イチゴ等のその他果菜類、ダイコン、カブ、ニンジン、ゴボウ等の直根類、サトイモ、キャッサバ、バレイショ、サツマイモ、ナガイモ等のイモ類、アスパラガス、ホウレンソウ、ミツバ等の柔菜類、トルコギキョウ、ストック、カーネーション、キク等の花卉類、イネ、コムギ、オオムギ、エンバク、トウモロコシ等の穀物類、ベントグラス、コウライシバ等の芝類、ナタネ、ラッカセイ等の油料作物類、サトウキビ、テンサイ等の糖料作物類、ワタ、イグサ等の繊維料作物類、クローバー、ソルガム、デントコーン等の飼料作物類、リンゴ、ナシ、ブドウ、モモ等の落葉性果樹類、ウンシュウミカン、レモン、グレープフルーツといった柑橘類、サツキ、ツツジ、スギ等の木本類等が挙げられる。
本発明の植物気孔開口調節剤は、上記した薬剤のみからなるものでもよいが、上記した薬剤に加えて、後述の剤形、施用態様等に応じて種々の添加剤を含んでいてもよい。植物気孔開口調節剤中の上記薬剤の含有割合は、後述の剤形、施用態様等に応じて適宜決定することができるが、例えば0.0001〜100質量%の範囲を例示することができる。より具体的な例として、上記薬剤の含有割合は、液剤である本発明の植物気孔開口調節剤を気孔に接触させる場合であれば、1〜500μM、好ましくは10〜200μM、より好ましくは50〜150μM程度が例示される。
本発明の植物気孔開口調節剤の剤形は、農学的に許容される剤形である限り特に限定されない。例えば、液剤、固形剤、粉剤、顆粒剤、粒剤、水和剤、フロアブル剤、乳剤、ペースト剤、分散剤等が挙げられる。
添加剤は、農学的に許容される添加剤である限り特に限定されない。例えば、担体、界面活性剤、展着剤、スプレー・アジュバント、増粘剤、増量剤、結合剤、ビタミン類、酸化防止剤、pH調整剤、揮散抑制剤、色素等が挙げられる。
これらの中でも、特に、ポリオキシエチレンヘキシタン脂肪酸エステルなどの界面活性剤を含むスプレー・アジュバント、シリコーン界面活性剤等の植物の撥水性抑制剤が好ましい。本発明の一態様においては、これら2種の成分を併用することが望ましい。スプレー・アジュバントの含有量は、剤形によっても異なり得るが、例えば液剤の場合、本発明の植物気孔開口調節剤100質量%に対して、例えば0.01〜0.3質量%、好ましくは0.03〜0.1質量%である。また、撥水性抑制剤の含有量は、剤形によっても異なり得るが、例えば液剤の場合、本発明の植物気孔開口調節剤100質量%に対して、例えば0.005〜0.1質量%、好ましくは0.01〜0.05質量%である。
本発明の植物気孔開口調節剤の施用態様は、農薬の使用態様として公知の態様(或いは将来開発される態様)である限り特に限定されない。例えば、散布、滴下、塗布、植物生育環境中(土壌中、水中、固形培地中、液体培地中等)への混合又は溶解等が挙げられる。本発明の植物気孔開口調節剤の作用対象は気孔であるので、好ましくは本発明の植物気孔開口調節剤を植物の気孔に接触させることにより施用することが好ましい。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
試験例1.気孔開口調節作用の測定試験1
以下の化合物1について、気孔開口調節作用を測定した。
<試験例1-1.表皮小片の作製>
マルバツユクサ(Commelina benghalensis)の茎の一部を、バーミキュライトとピートモスとの混合土を入れたプランターに挿し、自然光が入る室内の窓際(室温25〜28℃)で、2〜4週間生育させた。プランターを暗室に置き、一晩、暗処理した。暗処理後、弱い赤色光下で、十分に展開した葉の裏側の表皮をピンセットで剥離し、これをはさみで切って、2.0〜3.0 mm四方の小片を作製した。
<試験例1-2.試験液の調製>
試験液として、気孔開度測定溶液(5 mM MES-BTP[pH6.5], 50 mM KCl, 0.1 mM CaCl2, 0.5% DMSO)、該測定溶液に被検化合物(化合物1:50μM又はアブシジン酸:20μM)を溶解させた溶液、及びこれらの溶液にフシコクシンを溶解(10μM)させた溶液を調製した。
<試験例1-3.測定試験>
試験液それぞれを、96穴プレートの5つのウェルに50μl/ウェルずつ分注し、そこにリーフディスクを浸漬した。蛍光灯照射下で4時間、薬剤処理した。薬剤処理後、実体蛍光顕微鏡(Leica M205FA)による観察像(600倍)下で、気孔閉鎖を評価した。各リーフディスクあたり30個の気孔の短径(以下、「気孔開度」と示す。)を測定した。上記測定試験を計2回行い、各試験液を用いた場合それぞれについて得られた計2回の測定値に基づいて平均値及び標準偏差(Standard deviation; SD)を求めた。
<試験例1-4.結果>
結果を図2及び図3に示す。化合物1は気孔開口調節作用を有することが分かった。
試験例2.気孔開口調節作用メカニズムの解析
気孔開口のシグナル伝達機構は図1の通りである。青色光がフォトトロピンに受容され、細胞膜プロトンポンプを活性化し、カリウムイオン取り込みを誘導する。これにより、浸透圧が上昇し、水が取り込まれ、孔辺細胞の体積が増加することで気孔が開口する。本試験例では、化合物1が上記メカニズムのどこに作用するかを解析した。
<試験例2-1.フォトロロピンのリン酸化>
ソラマメ(Vicia faba)由来の孔辺細胞プロトプラストにおけるフォトトロピンの青色光誘発自己リン酸化を、既報(Kinoshita et al. (2003) Blue light- and phosphorylation-dependent binding of a 14-3-3 protein to phototropins in stomatal guard cells of broad bean. Plant Physiol. 133: 1453-1463.)に従って、14-3-3タンパク質をプローブとして用いたタンパク質ブロット分析によって調べた。試験溶液として、DMSO又は化合物1のDMSO溶液を使用した。化合物1の作用時の濃度は50μMとした。ソラマメ(Vicia faba)由来の孔辺細胞中の14-3-3タンパク質は、既報(Kinoshita, T. and Shimazaki, K. (1999) Blue light activates the plasma membrane H+-ATPase by phosphorylation of the C-terminus in stomatal guard cells. EMBO J. 18: 5548-5558.)に従って、ウェスタンブロッティングによって検出した。
<試験例2-2.カリウムチャネル(KAT1)活性>
既報(Uozumi et al. (1995) Identification of strong modifications in cation selectivity in an Arabidopsis inward rectifying potassium channel by mutant selection in yeast. J. Biol. Chem. 270: 24276-24281.)に従って、mMESSAGE mMACHINE T7キット(Ambion、Austin、TX)を用いてKAT1をコードするキャップ化相補RNAを合成し、アフリカツメガエル卵母細胞に注入した。AxoClamp 2B電圧クランプ増幅器(Axon Instruments、Foster City、CA)を用いて、以下のプロトコルに従って2電極電圧クランプ法を実施した:-40mVの保持電位。+ 10mVから-170 mVまで-20mV刻みで500ms。 外部溶液は、120mMのKCl、1mMのMgCl2、1mMのCaCl2、10mMの4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)(pH7.3、NaOHで調整)および0.2%(w / v) DMSO中の化合物1、を含有する。化合物1の作用時の濃度は50μMとした。
<試験例2-3.細胞膜プロトンポンプのリン酸化>
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)の表皮由来の孔辺細胞における細胞膜プロトンポンプの青色光およびFC誘導リン酸化を、既報(Hayashi et al. (2011) Immunohistochemical detection of blue light-induced phosphorylation of the plasma membrane H+-ATPase in stomatal guard cells. Plant Cell Physiol. 52: 1238-1248.)に従って免疫組織化学的に測定した。試験溶液として、DMSO、化合物1のDMSO溶液、又はこれらにフシコクシンを添加した溶液を使用した。化合物1の作用時の濃度は50μMとし、フシコクシンの作用時の濃度は10μMとした。
<試験例2-4.結果>
試験例2-1の結果を図4に、試験例2-2の結果を図5に、試験例2-3の結果を図6及び図7に示す。図4〜7より、細胞膜プロトンポンプのリン酸化を抑制することが、化合物1の気孔開口調節作用メカニズムの一端であることが分かった。
試験例3.アブシジン酸応答に対する影響の解析
アブシジン酸は気孔開口調節作用を有するものの、種々の副作用(アブシジン酸応答)を引き起こすことが知られている。そこで、化合物1のアブシジン酸応答に対する影響を解析した。
<試験例3-1.種子の発芽>
既報(Tsuzuki et al. (2011) Mg-chelatase H subunit affects ABA signaling in stomatal guard cells, but is not an ABA receptor in Arabidopsis thaliana. J. Plant Res. 124: 527-538.)に従って、シロイヌナズナ種子を用いて種子発芽試験を行った。試験溶液として、DMSO、又は化合物1若しくはアブシジン酸のDMSO溶液を使用した。化合物1及びアブシジン酸の作用時の濃度は50μMとした。
<試験例3-2.アブシジン酸応答遺伝子の発現>
シロイヌナズナ苗木におけるアブシジン酸応答遺伝子(RAB18(At5g66400)及びRD29B(At5g52300))の発現レベルを、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって測定した。 比較サイクル閾値法を用いて相対定量を行い、増幅されたRAB18またはRD29B産物の相対量を、内部対照(TUB2)の相対量に正規化した。具体的には、2週齢の実生を、50μMのアブシジン酸又は化合物1を含む液体MS培地(pH5.8)中で、24℃で3時間インキュベートした。 全RNAを抽出し、アブシジン酸又は化合物1処理植物から第1鎖cDNAを調製した。 Power SYBR Green PCR Master MixとStepOne(登録商標)Real-Time PCR System(Applied Biosystems、Carlsbad、CA)を用いて定量的RT-PCRを実施した。RAB18、RD29B、及びTUB2のcDNAを、特異的プライマーを用いたPCRによって増幅した。
<試験例3-3.61kDaタンパク質のリン酸化>
ソラマメ(Vicia faba)由来の孔辺細胞プロトプラストにおける61kDaタンパク質のリン酸化を、既報(Takahashi et al. (2007) Protein phosphorylation and binding of a 14-3-3 protein in Vicia guard cells in response to ABA. Plant Cell Physiol. 48: 1182-1191.)に従って、14-3-3タンパク質をプローブとして用いたタンパク質ブロット分析によって評価した。孔辺細胞プロトプラストは、20μMのABAまたは50μMの化合物1で24℃で20分間処理した。
<試験例3-4.結果>
試験例3-1の結果を図8に、試験例3-2の結果を図9に、試験例3-3の結果を図10に示す。図8〜10より、化合物1はアブシジン酸応答に対して影響を与えないことが分かった。
試験例4.乾燥耐性試験
バラの葉及び7日齢のオート麦の苗に、試験溶液(0.02%Silwet L77(Biomedical Science、Tokyo、Japan)、0.05%Approach BI(Maruwa Biochemical 、Tokyo、Japan)、0.5%DMSO又は100μM化合物1)を散布して、50 μmol m-2 s-1の白色蛍光灯及び70%相対湿度下、24℃で3時間放置した。その後、葉を摘出し、24時間、50 μmol m-2 s-1の白色蛍光灯及び35〜50%の相対湿度下で、6時間(バラ)または20分間(オート麦)インキュベートした。
バラの結果(写真)を図11に、オート麦の結果(写真)を図12に示す。図11〜12より、化合物1により、乾燥耐性が向上することが分かった。

Claims (11)

  1. 一般式(1):
    [式中:R1及びR3は同一又は異なって、=O又は−OR11(R11は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルカノイル基を示す。)を示す。R2及びR4は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示す。nは0又は1〜3の整数を示す。実線と点線との二重線は同一又は異なって、単結合又は二重結合を示す(但し、式中の環は不飽和炭素環である)。]
    で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、植物気孔開口調節剤。
  2. 前記化合物が、一般式(1A):
    [式中:R1、R2、R3、R4、n、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。]
    で表される化合物である、請求項1に記載の植物気孔開口調節剤。
  3. 前記R1及びR3がヒドロキシ基である、請求項1又は2に記載の植物気孔開口調節剤。
  4. 前記R2及びR4がアルキル基である、請求項1〜3のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
  5. nが0又は1である、請求項1〜4のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
  6. 前記化合物が、一般式(1AA):
    [式中:R1、R2、R3、及び実線と点線との二重線は前記に同じである。R41は水素原子又はアルキル基を示す。]
    で表される化合物である、請求項1〜5のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
  7. 植物気孔開口抑制剤である、請求項1〜6のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を含有する、乾燥耐性向上剤。
  9. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を植物に施用することを含む、乾燥耐性向上方法。
  10. 請求項1〜7のいずれかに記載の植物気孔開口調節剤を植物の気孔に接触させることを含む、請求項9に記載の乾燥耐性向上方法。
  11. 一般式(1):
    [式中:R1及びR3は同一又は異なって、=O又は−OR11(R11は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、又は置換されていてもよいアルカノイル基を示す。)を示す。R2及びR4は同一又は異なって、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基、又はハロゲン原子を示す。nは0又は1〜3の整数を示す。実線と点線との二重線は同一又は異なって、単結合又は二重結合を示す(但し、式中の環は不飽和炭素環である)。]
    で表される化合物、その塩、及びそれらの溶媒和物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、細胞膜プロトンポンプリン酸化阻害剤。
JP2018186616A 2018-10-01 2018-10-01 植物気孔開口抑制剤 Active JP7197888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018186616A JP7197888B2 (ja) 2018-10-01 2018-10-01 植物気孔開口抑制剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018186616A JP7197888B2 (ja) 2018-10-01 2018-10-01 植物気孔開口抑制剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020055767A true JP2020055767A (ja) 2020-04-09
JP7197888B2 JP7197888B2 (ja) 2022-12-28

Family

ID=70106400

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018186616A Active JP7197888B2 (ja) 2018-10-01 2018-10-01 植物気孔開口抑制剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7197888B2 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH032102A (ja) * 1988-12-01 1991-01-08 Suzanne R Abrams アブシジン酸誘導体
JP2007522217A (ja) * 2004-02-10 2007-08-09 サンタラス インコーポレイティッド プロトンポンプ阻害剤、緩衝剤および非ステロイド系抗炎症薬の組み合わせ
JP2010516811A (ja) * 2007-01-31 2010-05-20 バレント バイオサイエンシス コーポレーション 安定なs−(+)−アブシジン酸の液体および可溶性顆粒製剤
JP2016117685A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 国立大学法人名古屋大学 植物気孔開口調節剤

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH032102A (ja) * 1988-12-01 1991-01-08 Suzanne R Abrams アブシジン酸誘導体
JP2007522217A (ja) * 2004-02-10 2007-08-09 サンタラス インコーポレイティッド プロトンポンプ阻害剤、緩衝剤および非ステロイド系抗炎症薬の組み合わせ
JP2010516811A (ja) * 2007-01-31 2010-05-20 バレント バイオサイエンシス コーポレーション 安定なs−(+)−アブシジン酸の液体および可溶性顆粒製剤
JP2016117685A (ja) * 2014-12-22 2016-06-30 国立大学法人名古屋大学 植物気孔開口調節剤

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
SHIMAZAKI,K. ET AL.: "Involvement of intracellular Ca2+ in blue light-dependent proton pumping in guard cell protoplasts f", PHYSIOLOGIA PLANTARUM, vol. 105, no. 3, JPN6022025181, 1999, pages 554 - 561, ISSN: 0004803205 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP7197888B2 (ja) 2022-12-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
HU230715B1 (hu) Szubsztituált tién-3-il-szulfonilamino-(tio)karbonil-triazolin(ti)on-származékot és mezotriont tartalmazó herbicid készítmények
KR101784325B1 (ko) 식물 생장 조절
TW200812476A (en) Contacting crop plants with compositions
RU2582368C2 (ru) Способ стимулирования роста растения
EA021521B1 (ru) Способ регуляции роста и/или усиления сельскохозяйственных растений и применение композиции для регуляции роста и/или усиления сельскохозяйственных растений
WO2013088956A1 (ja) 植物のアミノ酸含量を高めるための化合物およびその利用
KR20140028053A (ko) 식물 생장의 촉진 방법
JP2022097560A (ja) 植物の灌水量の低減剤、及び植物の灌水量を低減する方法
JP2016117685A (ja) 植物気孔開口調節剤
JP6976578B2 (ja) 植物気孔開口調節剤
JP2020055767A (ja) 植物気孔開口抑制剤
JP2020110130A (ja) 植物の生長調節用組成物及び植物の生長の調節方法
CN113194723A (zh) 植物的耐热性或耐盐性提高剂
JP6679490B2 (ja) 不定根発生誘導剤及び根系発達促進剤
KR100849651B1 (ko) 식물체의 크기를 감소시키는 방법 및 그 방법에 의하여얻어진 식물체
KR100833547B1 (ko) 식물체의 개화를 지연시키는 방법 및 그 방법에 의하여얻어진 식물체
JP2004083459A (ja) メラトニンを有効成分とする植物活性化剤
JP6842082B2 (ja) 植物成長調整剤
JPH0672081B2 (ja) 植物生長促進剤
WO2023210570A1 (ja) 植物気孔開口調節剤
JP7325429B2 (ja) 植物の耐塩性向上剤
KR100688431B1 (ko) 식물체의 크기를 감소시키는 방법 및 그 방법에 의하여얻어진 식물체
JPS61100504A (ja) 増収剤
Tamari et al. Hardening of clerodendrum to chilling: chemical treatments and growth at low temperatures
WO2021172594A1 (ja) 植物の耐熱性あるいは耐乾燥性向上剤、耐塩性向上剤、活性向上剤

Legal Events

Date Code Title Description
A80 Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80

Effective date: 20181026

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210811

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20220527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220621

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220815

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20220816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221206

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7197888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150