JP2020055077A - 腕支持器具 - Google Patents

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将史 保田
Masashi Yasuda
将史 保田
周一 塚本
Shuichi Tsukamoto
周一 塚本
正和 大須
Masakazu Osu
正和 大須
正紘 大地
Masahiro Daichi
正紘 大地
洋平 山本
Yohei Yamamoto
洋平 山本
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Abstract

【課題】打音検査のように装着者が腕を広範囲に移動させる動作に対しても適用可能な腕支持器具を提供する。【解決手段】腕支持部20の一端側に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部40と、腕支持部20の他端と、第一回転軸31を中心に回転自在に連結された回転支持部30と、回転支持部30と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部とを備え、回転支持部30と腕支持部20は、第一回転軸31を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、腕支持部20の他端は、回転支持部30に対して、第一回転軸31と直交する第二回転軸32を中心に回転自在に構成されており、腕支持部20は、第二回転軸32を中心として回転支持部30から離間する方向に拡開可能に構成しており、腕受け部40を、腕支持部20が第二回転軸32で拡開する面内で、第三回転軸を中心に回転自在に連結させる。【選択図】図5

Description

本発明は、腕支持器具に関する。
橋梁やトンネルといった構造物は、設営後に適切に維持、修繕、清掃等のメンテナンスを行う必要がある。経年劣化による事故を未然に回避するためには、道路管理者が構造物を定期的にメンテナンスすることが求められる。特に平成24年12月2日に発生した中央自動車道笹子トンネル天井板落下事故が発生したこと等を背景に、国土交通省は平成26年7月1日より、トンネルや2m以上の道路橋などを、5年に1回の頻度で点検することを義務付けている。
このような橋梁構造物の内、橋梁の保全作業については、打音検査が一般に行われている。打音検査は感覚的な手法ではあるが、比較的広い範囲を迅速かつ容易に検査できるため、広く利用されている。しかしながら、打音検査においては、あくまでも検査者が対象部位に対して直接打撃を加えるため、特にトンネルの天井部の検査は無理な体勢となり、かつ長時間作業であるため、労力の負担が大きいという問題があった。
これに対して、打音検査の迅速性かつ容易性を生かしつつ、さらに検査者の作業効率の向上、および労力の軽減を目的とするコンクリート打音検査装置が提案されている(特許文献1)。このコンクリート打音検査装置は、図29に示すように、打撃部3306と、伸縮棒3307と、打撃部3306を動作させる操作スイッチ3308と、空気圧を供給するエアホース3309と、エアホース3309を巻き取り延長させるためのホースリール3310と、空気圧を大気に開放するための給排気弁3311と、空気圧源であるエアタンク3312を備える。バケット3304に乗り込んだ検査者3318は、伸縮棒3307を持って、打撃部3306を検査対象面3305に押し当てて打音検査する。しかしながら、このコンクリート打音検査装置は極めて大掛かりで装置の導入コストが極めて大きいという問題があった。トンネルや橋梁を含めた道路は地方公共団体がの管理しているものが多くあり、とりわけ町村には点検のコストは大きな負担となることが懸念される。
本発明者は、先に腕支持器具を開発した(特許文献2、3)。この腕支持器具は、農作業や工場、建築現場、例えば棚栽培果樹や鉄工所、天井作業等で腕を上げたままの作業が求められる現場において、腕を上げた状態に支持することができる。この腕支持器具は、装着者が腕を左右に大きく動かさない場面では好適に利用できる。
一方で、トンネル内の打音検査では、トンネルの内面の各位置をハンマーで叩いて音を確認する必要がある。このため図30に示すように、装着者WKが打音検査を行う位置を上下左右に変更する必要がある。このような打音検査に腕支持器具を用いた場合、装着者WKがハンマーHMを持った腕を左右に移動させることを許容しなければならず、このような動きに追随させることは困難であった。特にトンネル内の打音検査は、車両の運行を極力妨げないよう短時間で広範囲の検査を終了させることが強く求められており、装着者を乗せた作業台や作業車を移動させながら装着者が打音検査を連続的に行うことが求められている。このような状況では、作業車には迅速な作業が求められるため、腕支持器具においてもその動作を極力妨げない使い勝手の良さが求められている。換言すると、装着者の動作に対する追従性が悪い腕支持器具では、使い物にならないという状況であった。
特開2002−340871号公報 特開2018−050609号公報 特開2018−085950号公報
本発明はこのような背景に鑑みてなされたものであり、その目的の一は、打音検査のように装着者が腕を広範囲に移動させる動作に対しても適用可能な腕支持器具を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の第1の形態に係る腕支持器具によれば、装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、前記腕支持部の一端側に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部とを備え、前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、前記腕支持部の他端は、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成されており、前記腕支持部は、前記第二回転軸を中心として前記回転支持部から離間する方向に拡開可能に構成しており、前記腕受け部を、前記腕支持部が前記第二回転軸で拡開する面内で、第三回転軸を中心に回転自在に連結させることができる。上記構成により、腕支持部を拡開する方向に移動させつつも、腕を支持する腕受け部の拡開方向と同じ面内で回転自在とすることにより、装着者は腕を拡げる方向に移動させつつも、上腕の下面を支承する腕支持部の回転角度を変更できるので、腕の拡開方向への移動を妨げることなく上腕を支承するスムーズな動作が確保される。
また、第2の形態に係る腕支持器具によれば、上記構成に加えて、前記第三回転軸を、前記腕支持部の一端側に設けることができる。
さらに、第3の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記第三回転軸を、前記腕支持部の中間に設けることができる。
さらにまた、第4の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒と、前記支持棒に一端を連結され、他端を装着者の前面側に引き出してなる強制解除帯とを備え、前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動させることで保持状態を解除するよう構成されており、前記強制解除帯を引くことで、前記回転角保持機構の保持状態が強制的に解除されるように構成することができる。上記構成により、強制解除帯の他端を引っ張ることで支持棒を装着者の体軸に沿って強制的に回転させることで、回転角保持機構の保持状態を解除することが可能となる。
さらにまた、第5の形態に係る腕支持器具によれば、装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、前記腕支持部の一端に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部と、前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒と、前記支持棒に一端を連結され、他端を装着者の前面側に引き出してなる強制解除帯とを備え、前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、前記腕支持部の他端は、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成されており、前記腕支持部は、前記第二回転軸を中心として前記回転支持部から離間する方向に拡開可能に構成しており、前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動させることで保持状態を解除するよう構成されており、前記強制解除帯を引くことで、前記回転角保持機構の保持状態が強制的に解除されるように構成できる。上記構成により、強制解除帯の他端を引っ張ることで支持棒を装着者の体軸に沿って強制的に回転させることで、回転角保持機構の保持状態を解除することが可能となる。特に、装着者が腕を拡げて作業するほど、回転支持部が装着者の体軸に沿って背中側に回転する傾向となり、このため回転角保持機構の解除が行い難くなる。よって、回転角保持機構の保持状態を強制的に解除する機構を付加することで、このような状態においても便利に腕支持器具を使用することが可能となる。
さらにまた、第6の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記胴固定部は、装着者の腰部分に巻くための腰ベルト部材を備えており、前記強制解除帯は、前記他端を前記腰ベルト部材に連結することができる。上記構成により、強制解除帯を支持棒と腰ベルト部材との間でたすき掛け状に渡すことにより、装着者は強制解除帯を掴んで容易に回転角保持機構の保持状態を解除することが可能となる。
さらにまた、第7の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、一端側を装着者の前腕に連結し、他端側を前記腕支持部の一端側に連結した引上帯を備えることができる。上記構成により、腕支持部の引き上げ動作を、装着者の前腕を用いて容易に行える利点が得られる。
さらにまた、第8の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、さらに、前記腕受け部を支持すると共に、前記腕支持部に連結される腕受けスライド部を備えており、前記腕受けスライド部に前記第三回転軸が設けられており、前記腕受け部は、前記腕支持部との間で、前記第一回転軸と平行な姿勢に設けられた揺動軸を中心に揺動自在に連結されており、前記腕受けスライド部は、前記揺動軸を中心とする前記腕受け部の揺動する範囲を、前記腕支持部に垂直な方向から、装着者の手首方向に大きく、肩方向に小さくなるよう非対称に規制する揺動規制機構を設けることができる。上記構成により、装着者が腕を斜め下方に下ろす姿勢となる揺動角度を許容しつつ、上肢拳上の姿勢においては腕を上げる方向への揺動角度を規制することで、腕支持器具で腕を支持し難くなる上肢拳上の姿勢を回避するように装着者に誘導できる。
さらにまた、第9の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記揺動規制機構は、前記腕受け部の揺動範囲を、前記腕支持部に対して40°以上とすることができる。
さらにまた、第10の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記腕受け部は、その内面に通気性を有する着脱式のメッシュパッドを設けることができる。上記構成により、スポンジクッションなどと比べて表面の摩擦係数の少ないメッシュパッドでもって装着者の上腕を支持することで、上腕が腕受け部上で回転する際の抵抗を軽減して肌触りもよくなり装着感を向上できる。また通気性を持たせたことで、吸汗性にも優れ、着脱式として洗浄も容易となり、より衛生的に使用できる。
さらにまた、第11の形態に係る腕支持器具によれば、装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、前記腕支持部の一端側に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部とを備え、前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、前記腕受け部は、その内面に通気性を有する着脱式のメッシュパッドを設けることができる。上記構成により、スポンジクッションなどと比べて表面の摩擦係数の少ないメッシュパッドでもって装着者の上腕を支持することで、上腕が腕受け部上で回転する際の抵抗を軽減して肌触りもよくなり装着感を向上できる。また通気性を持たせたことで、吸汗性にも優れ、着脱式として洗浄も容易となり、より衛生的に使用できる。
さらにまた、第12の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記腕受け部が、断面視U字状で、装着者の上腕を該腕受け部上に載せた状態で、上腕部の左右を覆う長さに延長させることができる。上記構成により、腕支持器具を装着した装着者が作業中に、上腕が腕受け部上で回転した場合でも、腕受け部の端面が上腕に当接して痛みを生じる事態を回避できる。
さらにまた、第13の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記腕受け部が、断面視曲面状に形成され、装着者の上腕を該腕受け部上に載せた状態で、上腕部の高さの1/3以下の高さとすることができる。上記構成により、腕支持器具を装着した装着者が作業中に、上腕が腕受け部上で回転した場合でも、上腕と腕受け部との接触面積を少なくしたことでこの接触面における摩擦を低減できる。
さらにまた、第14の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、前記腕受け部が、断面視U字状に延長され、一方向を開口し他方を閉塞した形状に構成することができる。上記構成により、装着者の肘を腕受け部の上面で支承できるようになり、上腕を支持する態様よりも位置決めが容易となり、上腕が腕受け部の上面で回転する事態を低減して安定性を高めることが可能となる。
さらにまた、第15の形態に係る腕支持器具によれば、上記何れかの構成に加えて、トンネル内の打音検査に使用するよう構成できる。
本発明の実施形態1に係る腕支持器具の分解斜視図である。 図1の腕支持器具を背面側の斜め下方から見た斜視図である。 図1の腕支持器具の右側面図である。 図1の腕支持器具の正面図である。 図1の腕支持器具の右腕用腕支持部から腕ベルト部材を外した状態を示す斜視図である。 回転角保持機構を正面から見た拡大図である。 腕支持器具の分解斜視図である。 図8Aは比較例1に係る腕支持器具を装着した装着者が右腕を伸ばした状態を示す平面図、図8Bは図8Aの状態から右腕を右方向に移動させた状態を示す平面図である。 図5の右腕用腕支持部を示す透視平面図である。 図5の右腕用腕支持部の要部拡大斜視図である。 図1の腕支持器具を装着した装着者が右腕を移動させる状態を示す平面図である。 本発明の実施形態2に係る腕支持器具の斜視図である。 図12の腕支持具を逆側から見た斜視図である。 図12の腕支持器具を装着した装着者が右腕を移動させる状態を示す平面図である。 実施形態1に係る腕受け部の揺動範囲を示す垂直断面図である。 比較例2に係る腕支持器具の腕受け部の揺動範囲を示す垂直断面図である。 腕支持部を上方に傾斜させた姿勢で、更に腕受け部を上向きに揺動させた状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態3に係る腕支持器具の利用状態を示す側面図である。 比較例3に係る腕支持器具を示す斜視図である。 図19の腕受け部に上腕を載せた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る腕支持器具の斜視図である。 図21の腕受け部に上腕を載せた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態5に係る腕支持器具の斜視図である。 図23の腕受け部に上腕を載せた状態を示す断面図である。 本発明の実施形態6に係る腕支持器具の斜視図である。 本発明の実施形態7に係る腕支持器具の斜視図である。 本発明の実施形態8に係る腕支持器具を装着した状態を示す側面図である。 図27の腕支持器具において強制解除帯を引く様子を示す平面図である。 従来のコンクリート打音検査装置を示す模式図である。 打音検査を行う様子を示す斜視図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するための例示であって、本発明は以下のものに特定されない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施の形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部材を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
[実施形態1]
本発明の実施形態1に係る腕支持器具100を図1〜図10に示す。これらの図において、図1は本発明の実施形態1に係る腕支持器具100の分解斜視図、図2は図1の腕支持器具100を背面側の斜め下方から見た斜視図、図3は図1の腕支持器具100の右側面図、図4は図1の腕支持器具100の正面図、図5は図1の腕支持器具100の右腕用腕支持部20Bから腕ベルト部材41を外した状態を示す斜視図、図6は回転角保持機構を正面から見た拡大図、図7は腕支持器具100の分解斜視図、図8は図8Aは比較例1に係る腕支持器具を装着した装着者WKが右腕RAを伸ばした状態を示す平面図、図8Bは図8Aの状態から右腕RAを右方向に移動させた状態を示す平面図、図9は図5の右腕用腕支持部20Bを示す透視平面図、図10は図5の右腕用腕支持部20Bの要部拡大斜視図を、それぞれ示している。腕支持器具は、装着者の少なくとも一方の腕を支持するための部材であり、右腕用、左腕用の腕支持器具としてそれぞれ単体で利用可能である。もちろん、両腕を保持する一対の腕支持器具としてもよい。ここでは、腕支持器具100として、主にトンネル内の打音検査に用いる腕支持器具を例に挙げて説明する。
図1〜図4に示す腕支持器具100は、装着者の胴体に固定するための胴固定部10と、胴固定部10から延長された支持棒50と、支持棒50の先端に回転自在に連結された腕支持部20とを備える。この腕支持器具100は、左右の腕をそれぞれ支持するため、腕支持部20や支持棒50を一対設けている。これらの左腕用腕支持部20A、右腕用腕支持部20Bや左腕用支持棒50A、右腕用支持棒50Bはそれぞれ、左右で対称系であることを除き、同様の構成を有している。以下の説明では、一方(例えば左腕用の腕支持部20A)のみを説明をして、他方の説明を適宜省略する。また図1等の例では、左腕用腕支持部20A、右腕用腕支持部20Bにそれぞれ設けられた腕受け部40の形状を同じとしているが、左腕用腕支持部20A用、右腕用腕支持部20B用で互いに左右を対称とした腕受け部としてもよいことはいうまでもない。
(胴固定部10)
胴固定部10は、装着者の腰部の近傍に捲回されて腕支持部20を固定するための部材である。図1等の例では、装着者の腰部の背面から側面にかけて延長された平面視U字状の腰サポート部材11と、U字状の開放部分から胴体を挿入した後、開放部分を含めて柔軟な腰ベルト部材12で締結する構成としている。腰サポート部材11は弾性変形して装着者の腰部にフィットするよう、樹脂部材や金属板等で構成することが好ましい。また腰ベルト部材12は、ポリプロピレンやナイロン、皮革などの柔軟性を持つ素材が好適に利用できる。なお、腰サポート部材もこのような柔軟性のある部材で構成してもよい。さらに腰ベルト部材12は、装着者のウエストに合わせて長さを調整可能としている。例えばバックルや面ファスナ等を用いることで、腰ベルト部材12の長さの調整機構を実現できる。
また胴固定部10には、装着者の側面位置となる部分(左右の腰位置)に、支持棒50を取り付けるための棒取付具13が設けられている。図1の分解斜視図に示すように、支持棒50下端の挿入部52は、中間筒13’に挿入されている。中間筒13’は、筒状に構成され、支持棒50の下端を挿入可能としている。筒状の外形は、角柱状、円柱状等とする。また内面は、支持棒50の下端の外形に応じて円柱状や角柱状とする。この際、支持棒50の下端を一定の姿勢で挿入できるように、支持棒50の断面を非点対称、例えば断面視円形の一部を切り欠いたオリエンテーションフラット面を形成する等としてもよい。中間筒13’は金属製等、十分な強度を発揮できる材質で構成し、例えば筒状の左右に平板状の部分を一体的に設け、この平板状の左右にベルトを通すための部位、例えばスリット等を形成する。なお、中間筒13’は必須でなく、棒取付具13と一体に構成してもよい。
(支持棒50)
支持棒50は、腕支持部20と胴固定部10とを連結するための部材であり、胴固定部10から装着者の胴体に沿うように延長されている。支持棒50は、図1、図2、図3等に示すように、全体を直線状としつつ、回転支持部30を設けた端部を折曲させている。具体的には、支持棒50を胴固定部10から垂直姿勢に立てた状態で、支持棒50の上端側を装着者の背面側に折曲させて折曲端51とし、折曲端51を水平姿勢に近づけつつ、回転支持部30を設けている。回転支持部30には第一回転軸31が設けられている。このため第一回転軸31を、装着者の肩関節の近傍で下方に位置させるように、折曲された支持棒50でもってガイドできる。第一回転軸31を肩関節の下方に配置し、ここから腕支持部20を延長させることで、必然的に腕支持部20は上腕の下方に位置することとなり、腕支持部20を既定の角度で保持すれば、装着者の腕を腕支持部20でもって下支えることができ、腕を上げたままの姿勢を維持する際のサポート力を提供できる。また、支持棒50先端をL字状に折曲させた折曲端51は、直角状に折曲させずに曲面を描くように折曲させることが好ましい。これにより装着者が折曲部分に触れても角部分のエッジで圧迫等されることがないようにして触感を向上させ、装着時の不快感を軽減できる。
一方、支持棒50の下端は円柱状の挿入部52として、胴固定部10のパイプ状の中間筒13’に挿入可能としている。また挿入部52を中間筒13’に挿入した状態でロックできるよう、挿入部52の側面には弾性的に突出するストッパ53を設けている。ストッパ53は、ばねなどで側面に突出するよう付勢されており、中間筒13’に開口された穴から突出することで、支持棒50が中間筒13’から抜け落ちないようにロックできる。また中間筒13’の長さ方向に沿って所定の間隔でストップ穴14を複数開口することで、ストッパ53の係止位置を変更可能とでき、これによって支持棒50の高さが調整可能となる。例えば装着者の身長や体格に応じて、支持棒50の固定位置を変更し、回転支持部30が装着者の肩関節の下方となるように調整できる。
(腕支持部20)
腕支持部20は、主に装着者の上腕部分を保持するよう構成されている。いいかえると、装着者の前腕部分は規制なく自由に動かせるようにしている。この腕支持部20は、腕を支持するための部材であり、装着者の腕に沿って延長されている。なお方向の説明のため図1、図2において、装着者の前後方向をx軸方向、左右方向をy軸方向、上下方向をz軸とする。腕支持部20はx軸方向に延長されている。
腕支持部20の一端(図1において先端側)には、腕受け部40が連結されている。また腕支持部20の他端(図1において後端側)には、第一回転軸31を中心に回転自在に連結された回転支持部30が設けられている。
(回転支持部30)
回転支持部30は、腕支持部20の後端に回転自在に連結されている。この回転軸を、本明細書では第一回転軸31と呼ぶ。これにより腕支持部20は、図1、図2においてy軸に沿った第一回転軸31を中心に、xz平面内を自由に旋回することができる。
一方で回転支持部30は、図5に示すように、腕支持部20を横方向に回転させるための第二回転軸32を備えている。これにより腕支持部20は、z軸に沿った第二回転軸32を中心に、xy平面内を自由に旋回することができる。これにより装着者は、腕支持器具100を装着した状態で、腕を上げ下げしたり、脇を開いたり閉じたりすることができる。すなわち、回転支持部30と腕支持部20とを連結する第一回転軸31、第二回転軸32でもって、装着者の腕の動きに応じて、腕に装着された腕支持部20を姿勢変化を許容している。
(回転角保持機構)
さらに回転支持部30と腕支持部20は、第一回転軸31を中心とする旋回に際して、既定の回転角度で保持するための回転角保持機構を備えている。回転角保持機構は、図5等に示すように、回転支持部30に同心円状に設けられた複数の係止溝34と、腕支持部20に設けられた、係止溝34に係止されて保持される係止爪36とで構成されている。これにより、腕支持部20を任意の角度で固定する際には、この角度に対応する回転支持部30の係止溝34に、腕支持部20の爪を係止することで、容易に腕支持部20を保持状態に維持できる。また、保持状態を解除するには、脇や肘を開く方向(y軸方向)に腕を動かすことで、容易に係止爪36と係止溝34との係止状態を解除できる。これにより装着者は、腕を上げた状態で保持させる角度の調整を、脇を開けた状態で所望の角度に腕を上げて、保持したい角度で脇を閉めることにより、簡単に角度保持機構のON/OFFを切り替えることができ、快適に上腕の保持と解除とを操作して作業することが可能となる。
ここで回転角保持機構の詳細を説明する。回転支持部30と腕支持部20は、十分な強度を有する材質、例えば金属製とする。回転支持部30は、扇形の保持板33を垂直姿勢で支持棒50先端の折曲端51に固定している。さらに保持板33の、折曲端51と固定した面(折曲端固定面)とは反対側の面(腕支持部固定面)において、扇形の中心付近には、第一回転軸31を介して回転自在に、腕支持部20の後端が固定される。腕支持部20の後端には、第一連結部材21と、第二連結部材22が備えられる。第一連結部材21と保持板33とは、第一回転軸31で回転自在となるよう固定されている。また第一連結部材21と第二連結部材22とは、第一回転軸31と交差する第二回転軸32で回転自在に固定される。第二連結部材22は、他端を棒状に延長して、腕受け部40を固定している。
(係止爪36)
さらに第二連結部材22は、保持板33と対向する面に係止爪36を設けている。係止爪36は、第一連結部材21を第一回転軸31上で、保持可能な任意の回転角度で回転させた状態で、第二連結部材22を保持板33に接触させたとき、係止溝34に挿入される位置に、第二連結部材22上に設けられる。また第二連結部材22は、保持板33と対向する面を平面状に形成する。好ましくは、第二連結部材22の横断面は矩形状とする。
さらに係止爪36は、図6に示すように係止溝34に挿入できるよう、係止溝34の幅よりも小さい高さに形成する。また係止爪36の底面は平面状36aとし、上面は傾斜面36bとする。いいかえると、係止爪36は端縁を面状とせず、線状(断面視において点状)となるようにする。これにより、腕支持部20を所望の回転角に保持する際、装着者が任意の角度で脇を閉めるように腕を動かして、係止爪36が複数の係止溝34のいずれかに挿入しようとするときに、係止爪36が係止溝34の壁の上面に当接して挿入できなくなる事態を回避し易くできる。すなわち、係止させる対象を面と面との組み合わせとして対向させると、端縁が引っ掛かり易くなって係止爪36が係止溝34に入り難くなることが考えられるところ、面と線との組み合わせとすることで、最初に接触する部位の面積を小さくして当接の可能性を低減し、また当接しても、線接触であれば滑り易くなり、隣接する係止溝34に係止爪36が案内され易くなるからである。さらに係止状態の解除においても、腕支持部20を上方に押し上げる際、係止爪36上面の傾斜面36bに沿って上方の係止溝34の端縁を滑らせることで、上方の係止溝34に阻害されることなく腕支持部20を上方向に移動させることが可能となる。いいかえると、保持状態の解除と回転角度の変更動作を同時行える利点が得られる。また傾斜面36bを曲面状とすることで、腕を持ち上げる際に係止溝の端縁と曲面状の傾斜面36bとを一層滑り易くして、保持状態から腕上げに切り替える動作をスムーズに行える。さらに係止爪36の下面と上面の境界線、すなわち平面状36aと傾斜面36bとが接する部分を面取りすることが好ましい。これにより係止爪36を複数の係止溝34の一に挿入する際の当接感をさらに和らげ、滑り易くして挿入をスムーズに行える。
(係止溝34)
また保持板33は、腕支持部固定面において、扇形の円弧状部分に沿って、同心円状に複数の係止溝34を形成している。係止溝34は、一定の幅で壁状に並べて形成される。係止溝34の幅や数は、求められる腕支持部20を保持可能な角度のピッチ等に応じて決定される。
(腕受け部40)
一方で腕支持部20の他端には、上面に腕受け部40が設けられる。腕受け部40は、その下面において腕支持部20との間で、揺動軸46を中心に揺動自在に連結されている。この揺動軸46は、第一回転軸31と平行な姿勢に設けられている。いいかえると、揺動軸46は腕支持部20の延長方向と直交する姿勢に設けられている。これにより、第一回転軸31と、装着者の肩関節とが一致しないことにより腕支持部20が装着者の腕に十分に追従しない角度となっても、装着者の腕に触れる部分である腕受け部40と腕支持部20とを一定の姿勢で固定せず、揺動軸46を設けて揺動自在としたことで、腕支持部20に対する腕受け部40の角度を変化可能となった結果、一定範囲であれば腕支持部20の回転角によらず腕受け部40と腕との姿勢を同一に維持できるので、腕を腕受け部40の広い面積でもって受けることが可能となり、腕受け部の端縁部分が起き上がってエッジ部分で応力が集中して腕に食い込む事態を解消、軽減でき、腕への負荷の少ない腕支持器具を実現できる。また、端縁部分の接触が軽減できることにより、係止溝34の数を増やして、腕をより上方へ上げたときのサポートも可能となる。
また揺動軸46を、第一回転軸31と平行としたことで、腕支持部20の回転角度の増減に応じて、これと平行な腕受け部40の揺動軸46の揺動角度を調整することで、腕受け部40の傾斜すなわち端縁部分の立ち上がりに対応できるので、腕受け部40の端縁部分が装着者の腕に当接する事態を効果的に軽減できる。
腕受け部40は、図1〜図4等に示すように、垂直断面視において半円状に折曲された腕サポート部材42と、この腕サポート部材42の開口端を閉塞するように設けられた腕ベルト部材41を備える。腕ベルト部材41も、面ファスナやバックルにより、長さを調整できるようにしている。この例では、2枚の腕ベルト部材41の対向する面に面ファスナをそれぞれ設けて着脱自在に貼付可能としている。この腕受け部40に装着者の上腕を装着するには、腕ベルト部材41を開いた状態で、上腕を腕サポート部材42に乗せて、上腕の上から腕ベルト部材41を重ね、長さを調整して巻き付ける。あるいは腕ベルト部材41を綴じた状態でリング状に大きめに開口された腕受け部40に上腕を通した後、腕ベルト部材41を締め付けて上腕に密着するよう調整する。
また腕サポート部材42の外面には、図2〜図3に示すように、腕の方向(x軸方向)に沿うように下方に突出させた突出プレート45を設けており、この突出プレート45を貫通するように揺動軸46を設けている。揺動軸46はy軸方向に沿って設けられ、腕受け部40をxz平面内で揺動させることができる。
さらに腕受け部40は、装着者の上腕に捲回して保持するための腕サポート部材42を有している。これにより、装着者の上腕に腕支持部20を外れ難いように装着して、上腕の動きに対する腕支持部20の追従性を高めることができる。
(支持棒旋回機構54)
また支持棒50は、その延長方向を中心として回転自在に構成することもできる。例えば図7の分解斜視図に示す例では、支持棒50の中間部分に、延長方向(z軸方向)に回転する支持棒旋回機構54を設けている。この図に示す支持棒旋回機構54は、支持棒50を中間で分割して差し込むことで旋回自在としている。ここでは分割された支持棒同士の間に円筒形の樹脂製のカラー54aを介在させ、カラー54aを一方の支持棒に圧入し、圧入されたカラー54aの中空状の空洞に他方の支持棒を挿入させている。この際、Oリング等の弾性部材を介在させることで、支持棒の旋回に摩擦力を与えて、ユーザが支持棒を所望の角度とした状態に保持できる。あるいは、バネを利用して、一定の回転方向に支持棒を付勢する用に構成してもよい。
このように、第二回転軸32と平行な回転軸を支持棒50に付加することで、装着者は脇を閉じたまま、すなわち回転角保持機構の保持状態を維持したまま、腕を開く動作が可能となり、作業の自由度を増すことができる。
(第三回転軸25)
また腕受け部40は、腕支持部20が第二回転軸32で拡開する面内で、第三回転軸25を中心に回転自在に連結されている。これにより、腕支持部20を拡開する方向に移動させつつも、腕を支持する腕受け部40の拡開方向と同じ面内で回転自在とすることができる。
特にトンネルの打音検査では、図30に示すように装着者WKが打音検査を行う位置を左右に変更する必要がある。このような動作を行うには、装着者WKの上腕(ここでは右腕)を左右に移動させる必要がある。しかしながら、比較例1に係る腕支持器具を装着した状態では、装着者WKが図8Aに示す姿勢から右腕RAを右方向に移動させようとすると、腕受け部40がこれに連れて右方向に移動する結果、図8Bに示すように回転支持部30の位置が装着者WKの背面側に位置することになる。すなわち回転支持部30が胴回りに回転することとなるが、回転支持部30は腰ベルト部材12等の胴固定部10で保持されているため、腕の細かな移動に追従させることは容易でない。また腕支持部20を第二回転軸32を中心に拡開してしまうと、回転角保持機構の保持状態が解除されてしまう。そこで、回転支持部30の位置を固定したまま、言い換えると腕支持部20の他端を回転角保持機構で保持した状態のままで、装着者の上腕を左右に移動させる動作を許容する機構が求められていた。
これを実現するため、第三回転軸25を、腕支持部20の一端側に設ける。具体的には、図3、図5、及び図9に示すように、腕受け部40を支持する腕受けスライド部43を腕支持部20に連結している。この腕受けスライド部43は、腕支持部20に沿って摺動自在に連結されている。そして図10の拡大斜視図に示すように、腕受けスライド部43に第三回転軸25Aを設けている。これにより、図11の平面図において実線で示すように装着者WKが右腕RAを正面に伸ばした姿勢から、破線で示すように右方向に移動させても、腕受け部40が回転されて、腕支持部20は同じ姿勢のままで、いいかえると拡開する方向に移動されずに回転角保持機構による保持状態を維持したままとできる。このようにして、装着者は腕を左右に移動させることができ、このような腕の左右の振りに追随して、上腕の下面を支承する腕支持部20を水平面内で回転させることができる。
[実施形態2]
以上の腕支持器具は、腕支持部20を水平面内に回転させる第三回転軸25Aを、腕受け部40の直下に設ける例を説明した。ただ本発明はこの構成に限られず、上腕の水平面内の移動を許容する他の部位に設けることもできる。このような例として、実施形態2に係る腕支持器具200を図12及び図13の斜視図に示す。この図に示す腕支持器具200は、腕支持部20の中間に第三回転軸25Bを設けている。具体的には、第二連結部材22の先端に、さらに第三連結部材23を設けており、この第三連結部材23と第二連結部材22とを第三回転軸25Bで回転自在としている。これによって、図14の平面図で実線にて示すように装着者が右腕RAを伸ばした姿勢から、破線で示すように右側に移動させると、第三連結部材23が第三回転軸25Bで折曲されることにより、腕支持部20の後端側を保持したままで腕受け部40を右腕RAの移動に追随させることができる。
なお、第三回転軸25は、一方向への折曲のみを許容するように構成してもよい。図12の斜視図に示す例では、図において右側への折曲を許容しつつ、左側への折曲を規制している。同様に図5の例でも、回転可能な範囲を規制することができる。このようにすることで、腕支持器具による腕の支持がなされる範囲を装着者側で把握し易くして、角度保持機構の連結状態と解除状態の切り替えを装着者側で認識、区別し易くできる。
(腕受けスライド部43)
各実施例において、腕支持部20は、その延長方向に沿って腕受け部40の位置を変更可能に構成している。具体的には図3、図5、図10等に示すように、腕受け部40の下面に、腕支持部20の延長方向に沿って摺動自在に連結された腕受けスライド部43を設けている。これにより、腕支持部20は、腕受け部40と回転支持部30との距離を可変とでき、肩関節の角度によって腕を把持する腕受け部40と回転支持部30との距離が変化しても、腕支持部20の長さを調整することで装着者への負担なく快適な動作を実現できる。
腕支持部20は、全体を円柱状とする他、部分的に矩形状としたり、あるいは平坦面を形成してもよい。図3、図10等の例では、先端側の腕受けスライド部43が摺動する部分で、円柱状の対向する側面を、それぞれ平行な平坦面26としている。これによりスライド領域の腕支持部20は、断面視がトラック形状となる。また軸受けスライド部24は、この断面視トラック形状の腕支持部20の外周に沿った円環部を形成している。これにより、腕受けスライド部43をこの平坦面26に沿って摺動させる際、腕受け部40が腕支持部20に沿って回転する事態を回避できる。
好ましくは、腕支持部20を金属製とする一方で、腕受けスライド部43を樹脂製とする。これにより、腕支持部20と腕受けスライド部43を共に金属製とする場合に金属部材同士の摩擦によって金属紛が発生するところ、樹脂受けスライド部を樹脂製とすることでこのような事態を回避できる。樹脂製の腕受けスライド部43を金属製の腕支持部20上にスライドさせることで、適度な摩擦力を付与し、摺動自在としつつ、任意の位置で腕受け部40を停止させた状態とできる。すなわち、上腕を受ける腕受け部40の位置が定まるよう、腕受け部40と腕支持部20との間にある程度の摩擦力を生じさせることで、スライドを許容しつつも、停止位置では保持させるようにできる。
また、腕受け部40を腕支持部20の延長方向に沿って摺動自在とする構成の他、腕支持部の長さを伸縮自在に構成してもよい。この方法であれば、装着者の腕の長さに応じて快適な位置で腕受け部40を装着する作業も容易となる。腕受け部40の伸縮機構は、例えば筒状部材に棒状部材を挿入して実現できる。
実施形態1においては、軸受けスライド部24は、腕支持部20を回転させるための第三回転軸25も設けている。図10の拡大斜視図に示す例では、軸受けスライド部24の上部に第一台座部47を固定している。第一台座部47は天面を平面状としている。この第一台座部47の天面に、底面を平面状とする第二台座部48を、第三回転軸25を介して回転自在に連結している。第三回転軸25は、腕支持部20と直交する方向(図10において鉛直方向)に設けている。さらに第二台座部48は、腕受け部40を揺動させるための揺動軸46を設けている。この揺動軸46は、腕支持部20及び第三回転軸25といずれも直交する方向に設定している。また、揺動軸46を第三回転軸25よりも上方に設けたことで、腕支持部20と揺動軸46との距離dを稼ぐことができる。このように揺動軸46を腕支持部20から離間させることで、図15に示すように腕受け部40を揺動させる角度範囲を大きく取ることが可能となる。
比較例2に係る腕支持器具では、図16の垂直断面図に示すように、揺動軸を中心とする腕受け部40の揺動範囲α1が比較的小さい。図16の例では約12.5°であった。上腕の動作範囲は、装着者の体格などによって決まるところ、作業内容によっては、より広い揺動範囲を確保した方が、快適に使用できることが判明した。そこで実施形態1等においては、腕受け部40の揺動範囲α2を、腕支持部に対して40°以上としている。図15に示す例では、腕受け部40の揺動範囲α2を45°としている。これによって、より広い動作範囲を確保できる。例えば、装着者が腕を斜め下方に下ろす姿勢での作業範囲を広くして、操作性を向上できる。
(揺動規制機構)
また、腕受け部40の揺動範囲は、腕支持部20に垂直な方向に対して対称とする構成に限られない。例えば、揺動範囲を規制する規制する揺動規制機構を軸受けスライド部24に設けて、腕支持部20に垂直な方向に対して、装着者の手首方向に大きく、肩方向に小さくなるよう非対称に規制してもよい。
一般に、腕支持部20を上方に傾斜させた姿勢になるほど、腕支持器具による上腕の支持効果は減少する。加えて、図17に示すように揺動軸46によって腕支持部20を更に上向きに、いいかえると肩方向に近づくように傾斜されると、傾斜角度が一層大きくなり、上腕の支持効果は更に減少する。よって、このように傾斜が上向きとなる方向には腕受け部40を腕支持部20に対して傾斜させないようにすることで、このような支持効果の減少を抑制できる。
揺動規制機構は、揺動軸46を中心とした腕支持部20の揺動範囲を規制する。図15の例では、腕受け部40を構成する第二台座部48の、揺動を規制する側(図において右側)に揺動規制機構として壁部49を形成している。腕受け部40が右側に揺動しようとすると、腕サポート部材の底面に形成された突出プレート45が壁部49に当接して、これ以上揺動することを抑止する。このようにして、装着者が腕を斜め下方に下ろす姿勢となる揺動角度を許容しつつ、上肢拳上の姿勢においては腕を上げる方向への揺動角度を規制することで、腕支持器具で腕を支持し難くなる上肢拳上の姿勢を回避するように装着者に誘導できる。
[実施形態3]
その一方で、腕を上げる作業が必要な場面も生じる。腕を上げる作業は相当負荷がかかる。特に腕を上げる作業自体には、腕支持器具はサポート力を付加できない。加えて、腕支持器具を装着していることで、却って腕を上げる作業を行い難くなっている。
そこで、腕を上げ易くする引上帯を付加することで、腕支持器具を装着している装着者が腕を上げ易くするできる。このような例を実施形態3に係る腕支持器具300として、図18に示す。
(引上帯60)
この図に示す腕支持器具300は、引上帯60を備えている。引上帯60の一端側は、装着者WKの前腕FAに連結され、他端側は腕支持部20の一端側に連結される。これにより、装着者WKは肘を曲げて前腕FAを持ち上げるだけで、この前腕FAに引っ張られて腕支持部20の上端が持ち上がる。この結果、肩を回して腕全体を持ち上げる場合よりも楽に上腕を引き上げることが可能となる。引上帯60は、全体を帯状とし、先端側は装着者WKの前腕に巻かれるベルト上の前腕帯62に連結される。また後端側は、腕支持部20の先端に連結されている。
[実施形態4]
図19に示す比較例3に係る腕支持器具1900を用いて、腕支持部1920の腕受け部1940に装着者の上腕を載せて、腕サポート部材1942で上腕の下面を把持し、さらに上腕の上面を腕ベルト部材1941で締結した状態を図20の断面図に示す。この図に示すように、上腕UAが腕サポート部材1942と腕ベルト部材1941で締め付けられた状態となるため、場合によっては快適でなく、特に腕を動かす際に腕が回転すると、皮膚が擦れて痛みが生じることがあった。また腕受け部1940の端縁が、上腕UAに当接して肉を挟むこともあった。
これに対して、実施形態4に係る腕支持器具400を図21の斜視図に示す。この図に示す腕支持器具400は、腕受け部40Dを、図19よりも深い断面視U字状としている。具体的には、装着者の上腕UAをこの腕受け部40D上に載せた状態で、上腕UAの左右を覆う長さに延長している。この結果、図22の断面図に示すように、上腕UAの上面を覆う腕ベルト部材41による締め付け感が低減される。また腕受け部40Dを深くしたことで、その端縁が腕に触れることもなくなり、この部分が腕に当接する事態も回避できる。
[実施形態5]
また本発明は、腕受け部を深く形成する構成に限らず、逆に浅く構成してもよい。このような例を実施形態5に係る腕支持器具500として、図23の斜視図及び図24の断面図に示す。これらの図に示す腕支持器具500は、腕受け部40Eを図19のような半円状とせず、平板に近い曲面としたことで、この上に上腕UAを載せても、腕受け部40Eの端縁が腕に食い込み難くなる。加えて、腕受け部40Eと上腕UAとの接触面積も小さくなるので、この接触面における摩擦を低減でき、抵抗感を和らげる効果も得られる。図24の断面図に示す例では、装着者の上腕UAを腕受け部40Eに載せた状態で、上腕UAの高さの1/3以下の高さに腕受け部40Eの高さを抑えている。
[実施形態6]
一方で、腕受け部を、装着者の上腕の中間でなく、肘の部分を載せるように構成してもよい。このような例を実施形態6に係る腕支持器具600として、図25の斜視図に示す。この図に示す腕支持器具600は、腕受け部40Fを、装着者の肘を支承し易いように、断面視U字状に延長しつつ、一方向を開口して他方を閉塞した形状に形成している。これにより、上腕の中間という不確定な部位でなく、装着者の肘で位置決めした状態に支持できるため、上腕が腕受け部40Fの上面で回転する事態を低減して安定性を高めることが期待できる。
[実施形態7]
また腕受け部には、装着者の上腕を受ける際により快適な素材として、メッシュパッドを設けてもよい。このような例を実施形態7に係る腕支持器具700として図26に示す。この図に示す腕支持器具700は、腕受け部40Gの内面に、メッシュパッド70を設けている。メッシュパッド70は、通気性に優れた素材、例えば繊維等で構成される。またメッシュパッド70は腕受け部40Gと着脱式とすることが好ましい。例えば面ファスナやホック、フック、粘着テープ等を用いて着脱式に貼付できる。図26の例では、面ファスナ72でもってメッシュパッド70を腕受け部40Gと着脱式としている。
このようにスポンジクッションなどと比べて表面の摩擦係数の少ないメッシュパッド70でもって装着者の上腕を支持することで、上腕が腕受け部40G上で回転する際の抵抗を軽減して肌触りもよくなり装着感を向上できる。また通気性を持たせたことで、吸汗性にも優れ、着脱式として洗浄も容易となり、より衛生的に使用できる。特にトンネルではトンネルの内壁に付着した土や誇りで汚れやすくなるため、装着者の作業環境が悪くなる傾向にあるところ、装着感や衛生面でのケアによってこれらを緩和する効果が期待できる。
[実施形態8]
上述の通り、腕支持部20の保持状態を解除するには、脇や肘を開く方向(y軸方向)に腕を動かすことで、回転角保持機構の係止爪36と係止溝34との係止状態を解除する。一方で、左右に広い範囲で装着者が腕を動かすようになると、回転支持部30は図8Aに示す体側面側から、図8Bに示すように背面側に回り込むように移動することが生じる。この姿勢になると、単に腕を開いただけでは係止爪36と係止溝34との係止状態を解除し難くなってしまう。保持状態を強制的に解除するには、装着者が回転支持部30を先端に固定した支持棒50を手で握って手前側に引き寄せることが考えられる。これによって回転支持部30が背面側から体側面側あるいは手前側に回転されるので、係止爪36と係止溝34との係止状態が解除される。
ただ、装着者が支持棒を握るには、手首を体側面や背面側まで引き寄せる必要があり、ストロークが長くなって操作がし難くなることが考えられる。そこで、支持棒を手前側に引き寄せるための強制解除帯を付加して、強制解除操作を行い易くできる。このような例を実施形態8に係る腕支持器具800として、図27、図28に示す。
強制解除帯80は、一端を支持棒50に連結し、他端を装着者WKの前面側に引き出している。この強制解除帯80を装着者WKが引くことで、回転角保持機構の保持状態が強制的に解除される。このように、強制解除帯80を引っ張ることで支持棒50を装着者WKの体軸に沿って強制的に回転させて、容易に回転角保持機構の保持状態を解除することが可能となる。特に、装着者WKが腕を拡げて作業するほど、回転支持部30が装着者WKの体軸に沿って背中側に回転する傾向となり、このため回転角保持機構の解除が行い難くなる。よって、回転角保持機構の保持状態を強制的に解除する機構を付加することで、このような状態においても便利に腕支持器具を使用することが可能となる。
(強制解除帯80)
図27の例では、強制解除帯80は、支持棒50と腰ベルト部材12の間に渡されたベルト状に構成されている。これにより装着者WKは、支持棒50と腰ベルト部材12の間で延長された強制解除帯80のどこを握っても、これを引っ張って支持棒50を手前側に引き寄せて、回転角保持機構の係止爪36と係止溝34との係止状態を解除することができる。特に強制解除帯80を支持棒50と腰ベルト部材12との間でたすき掛け状に渡すことにより、強制解除帯80が常に体表面に表出しているため、装着者WKは強制解除帯80を掴み易くなる。
また装着者WKは、図28に示すように解除したい回転角保持機構で保持された腕とは反対側の腕、図28の例では左腕LAでもって強制解除帯80を引くことができる。この場合、左腕LAを支持棒50のある背面側まで回さなくとも、支持棒50に連結された強制解除帯80を握ることができれば足りるので、容易に保持状態の強制解除を行えるようになる。また強制解除帯80の一端を自由端とすることもできるが、好ましくは図27のように支持棒50と腰ベルト部材12の間に掛けることで、強制解除帯80が通常作業時において邪魔になることもなく、使い勝手が向上される。
強制解除帯80は、柔軟性を有する材質等で構成される。腰ベルト部材12等と同様の素材で強制解除帯80を構成してもよい。また支持棒50は、強制解除帯80を連結するための環状やU字状の帯取付部を形成することが好ましい。図27、図5等に示した例では、支持棒50の中間に、U字状の帯取付部56を設けている。
(使用方法)
次に、この腕支持器具100の使用方法を説明する。まず胴固定部10を装着者の腰に装着する。具体的には、腰の後ろに腰サポート部材11を当て、腰の前面から腰ベルト部材12を締結して締め付け力を調整し、腰固定部を腰部に固定する。
次に胴固定部10の左右に設けられたパイプ状の棒取付具13に、支持棒50の挿入部52を挿入した中間筒13’に固定する。必要に応じてストッパ53等を用いて、支持棒50上端の折曲端51に連結された第一回転軸31の高さを調整する。
さらに腕受け部40に装着者の上腕を固定する。腕受け部40の腕サポート部で上腕の下面を把持し、さらに上腕の上面を腕ベルト部材41で締結する。
このようにして腕支持器具100が装着者に装着される。この状態で装着者は所望の作業を行う。装着者が腕を上げる際には、脇を開いた状態で上腕を所望の角度に調整し、角度が決定されると脇を閉めるように上腕を動かす。これにより、腕支持部20の係止爪36が、回転支持部30の係止溝34のいずれかに係止されて保持状態となり、装着者が上腕の力を抜いても、腕支持部20が回転角保持機構によって上腕が支えられ、腕を上げた状態での作業をサポートすることが可能となる。また腕を下ろしたい場合や角度を変えた場合には、脇を開けるように肘を胴体から離すことで、係止爪36と係止溝34の係止状態が簡単に解除されて、腕の動きが阻害されずに自由に動かせるようになる。
本発明の腕支持器具は、トンネルや橋梁の打音検査に好適に利用できる。また、農作業や工場、建築現場、例えば棚栽培果樹や鉄工所、天井作業等で腕を上げた姿勢や水平状態とした姿勢ままの作業が求められる現場における、腕を所定姿勢に支持するための器具として好適に利用できる。
100、200、300、400、500、600、700、800、1900…腕支持器具
10…胴固定部
11…腰サポート部材
12…腰ベルト部材
13…棒取付具
13’…中間筒
14…ストップ穴
20、1920…腕支持部;20A…左腕用腕支持部;20B…右腕用腕支持部
21…第一連結部材
22…第二連結部材
23…第三連結部材
25、25A、25B…第三回転軸
26…平坦面
30…回転支持部
31…第一回転軸
32…第二回転軸
33…保持板
34…係止溝
36…係止爪;36a…平面状;36b…傾斜面
40、40D、40E、40F、40G、1940…腕受け部
41、1941…腕ベルト部材
42、1942…腕サポート部材
43…腕受けスライド部
45…突出プレート
46…揺動軸
47…第一台座部
48…第二台座部
49…壁部
50…支持棒;50A…左腕用支持棒;50B…右腕用支持棒
51…折曲端
52…挿入部
53…ストッパ
54…支持棒旋回機構;54a…カラー
56…帯取付部
60…引上帯
62…前腕帯
70…メッシュパッド
72…面ファスナ
80…強制解除帯
3304…バケット
3305…検査対象面
3306…打撃部
3307…伸縮棒
3308…操作スイッチ
3309…エアホース
3310…ホースリール
3311…給排気弁
3312…エアタンク
3318…検査者
WK…装着者
HM…ハンマー
RA…右腕
FA…前腕
UA…上腕
LA…左腕

Claims (15)

  1. 装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、
    装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、
    前記腕支持部の一端側に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、
    前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、
    前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部と、
    を備え、
    前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、
    前記腕支持部の他端は、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成されており、前記腕支持部は、前記第二回転軸を中心として前記回転支持部から離間する方向に拡開可能に構成しており、
    前記腕受け部は、前記腕支持部が前記第二回転軸で拡開する面内で、第三回転軸を中心に回転自在に連結されてなる腕支持器具。
  2. 請求項1に記載の腕支持器具であって、
    前記第三回転軸が、前記腕支持部の一端側に設けられてなる腕支持器具。
  3. 請求項1に記載の腕支持器具であって、
    前記第三回転軸が、前記腕支持部の中間に設けられてなる腕支持器具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、さらに、
    前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒と、
    前記支持棒に一端を連結され、他端を装着者の前面側に引き出してなる強制解除帯と、
    を備え、
    前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動させることで保持状態を解除するよう構成されており、
    前記強制解除帯を引くことで、前記回転角保持機構の保持状態が強制的に解除されるように構成されてなる腕支持器具。
  5. 装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、
    装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、
    前記腕支持部の一端に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、
    前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、
    前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部と、
    前記腕支持部と胴固定部とを連結するため、該胴固定部から装着者の胴体に沿うように延長された支持棒と、
    前記支持棒に一端を連結され、他端を装着者の前面側に引き出してなる強制解除帯と、
    を備え、
    前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、
    前記腕支持部の他端は、前記回転支持部に対して、前記第一回転軸と直交する第二回転軸を中心に回転自在に構成されており、前記腕支持部は、前記第二回転軸を中心として前記回転支持部から離間する方向に拡開可能に構成しており、
    前記回転角保持機構は、前記腕支持部を前記回転支持部に当接させた状態で保持状態とし、前記腕支持部を前記第二回転軸を中心に前記回転支持部から離間させるように移動さ
    せることで保持状態を解除するよう構成されており、
    前記強制解除帯を引くことで、前記回転角保持機構の保持状態が強制的に解除されるように構成されてなる腕支持器具。
  6. 請求項4又は5に記載の腕支持器具であって、
    前記胴固定部は、装着者の腰部分に巻くための腰ベルト部材を備えており、
    前記強制解除帯が、前記他端を前記腰ベルト部材に連結してなる腕支持器具。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、さらに、
    一端側を装着者の前腕に連結し、他端側を前記腕支持部の一端側に連結した引上帯を備えてなる腕支持器具。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、さらに、
    前記腕受け部を支持すると共に、前記腕支持部に連結される腕受けスライド部を備えており、
    前記腕受けスライド部に前記第三回転軸が設けられており、
    前記腕受け部は、前記腕支持部との間で、前記第一回転軸と平行な姿勢に設けられた揺動軸を中心に揺動自在に連結されており、
    前記腕受けスライド部は、前記揺動軸を中心とする前記腕受け部の揺動する範囲を、前記腕支持部に垂直な方向から、装着者の手首方向に大きく、肩方向に小さくなるよう非対称に規制する揺動規制機構を設けてなる腕支持器具。
  9. 請求項8に記載の腕支持器具であって、
    前記揺動規制機構は、前記腕受け部の揺動範囲を、前記腕支持部に対して40°以上としてなる腕支持器具。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部は、その内面に通気性を有する着脱式のメッシュパッドを設けてなる腕支持器具。
  11. 装着者の少なくとも一方の腕を支持するための腕支持器具であって、
    装着者の少なくとも一方の腕に装着するため、腕の延長方向に沿って延長された腕支持部と、
    前記腕支持部の一端側に連結された、腕と当接されて支えるための腕受け部と、
    前記腕支持部の他端と、第一回転軸を中心に回転自在に連結された回転支持部と、
    前記回転支持部と連結された、装着者の胴体に固定するための胴固定部と、
    を備え、
    前記回転支持部と腕支持部は、前記第一回転軸を中心として、既定の回転角度にて保持可能な回転角保持機構を備え、
    前記腕受け部は、その内面に通気性を有する着脱式のメッシュパッドを設けてなる腕支持器具。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部が、断面視U字状で、装着者の上腕を該腕受け部上に載せた状態で、上腕部の左右を覆う長さに延長されてなる腕支持器具。
  13. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部が、断面視曲面状に形成され、装着者の上腕を該腕受け部上に載せた状態で、上腕部の高さの1/3以下の高さとしてなる腕支持器具。
  14. 請求項1〜11のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    前記腕受け部が、断面視U字状に延長され、一方向を開口し他方を閉塞した形状に構成されてなる腕支持器具。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の腕支持器具であって、
    トンネル内の打音検査に使用するよう構成してなる腕支持器具。
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