JP2020053667A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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宏典 川上
Hironori Kawakami
宏典 川上
拓史 塩見
Takushi Shiomi
拓史 塩見
良多 高橋
Ryota Takahashi
良多 高橋
池田 秀嗣
Hideji Ikeda
秀嗣 池田
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Abstract

【課題】発光半値幅を従来と比べて細くすることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する。【解決手段】陽極3と、発光層5と、陰極4と、を有し、発光層5は、第一の化合物、及び第二の化合物を含み、第一の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、第二の化合物は、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物である、有機エレクトロルミネッセンス素子。【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
一重項励起子からの発光を用いる蛍光型の有機EL素子は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるが、内部量子効率25%が限界といわれている。一重項励起子に加えて三重項励起子を利用し、有機EL素子をさらに効率的に発光させることが期待されている。
このような背景から、遅延蛍光を利用した高効率の蛍光型の有機EL素子が提案され、研究がなされている。
例えば、TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構が研究されている。このTADF機構(TADFメカニズム)は、一重項準位と三重項準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が熱的に生じる現象を利用する機構である。熱活性化遅延蛍光については、例えば、『安達千波矢編、「有機半導体のデバイス物性」、講談社、2012年4月1日発行、261−268ページ』に記載されている。このTADF機構を利用した有機EL素子が、例えば、非特許文献1に開示されている。
非特許文献1に開示された有機EL素子は、アシストドーパントとしてのTADF化合物、発光材料としてのペリレン誘導体(TBPe;2,5,8,11-tetra-tert-butylperylene)、及びホスト材料としてのDPEPO(bis-(2-(diphenylphosphino)phenyl)ether oxide)を含んだ発光層を備える。この発光層は、青色に発光する。
Hajime Nakanotani et al,"High-efficiency organic light-emitting diodes with fluorescent emitters", NATURE COMMUNICATIONS, 5, 4016,2014
非特許文献1に記載された有機エレクトロルミネッセンス素子は、ホスト材料としてTADF化合物を用い、発光材料としてペリレン誘導体(化合物TBPe)を用いたことで青色発光するが、より発光半値幅を細くすることが求められている。
本発明の目的は、発光半値幅を従来と比べて細くすることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、陽極と、発光層と、陰極と、を有し、前記発光層は、第一の化合物、及び第二の化合物を含み、前記第一の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、前記第二の化合物は、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物で表される化合物である、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
Figure 2020053667
(前記式(1−1)、前記式(1−2)及び前記式(1−3)中、
環Aは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環、又は下記式(2)で表されるベンゼン環である。
前記式(1−1)の2つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
前記式(1−2)の3つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよく、異なっていてもよい。)
Figure 2020053667
(前記式(2)中、
2つの*の環形成炭素原子の一方で、前記式(1−1)又は前記式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で前記式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
nは1又は2の整数である。nが2である場合、2つのR17は同じであってもよいし、異なってもよい。)
本発明の一態様によれば、前述の本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、発光半値幅を従来と比べて細くすることのできる有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を備える電子機器を提供することができる。
本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。 過渡PLを測定する装置の概略図である。 過渡PLの減衰曲線の一例を示す図である。 本発明の第一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の発光層における第一の化合物、及び第二の化合物の、エネルギー準位、及びエネルギー移動の関係を示す図である。 本発明の第二実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の、エネルギー準位、及びエネルギー移動の関係を示す図である。
[有機EL素子]
(有機EL素子の素子構成)
以下、本実施形態に係る有機EL素子の素子構成について説明する。
本実施形態に係る有機EL素子は、一対の電極間に有機層を備える。この有機層は、有機化合物で構成される層を少なくとも一つ含む。あるいは、この有機層は、有機化合物で構成される複数の層が積層されてなる。有機層は、無機化合物をさらに含んでいてもよい。本実施形態の有機EL素子において、有機層のうち少なくとも一層は、発光層である。ゆえに、有機層は、例えば、一つの発光層で構成されていてもよいし、有機EL素子に採用され得る層を含んでいてもよい。有機EL素子に採用され得る層としては、特に限定されないが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、及び障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(f)等の構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
(f)陽極/正孔注入・輸送層/障壁層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられる。ただし、本発明は、これらの構成に限定されない。尚、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層である。前記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層、及び正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。前記「電子注入・輸送層」は「電子注入層、及び電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。有機EL素子が、正孔注入層、及び正孔輸送層を有する場合には、正孔輸送層と陽極との間に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、有機EL素子が電子注入層、及び電子輸送層を有する場合には、電子輸送層と陰極との間に電子注入層が設けられていることが好ましい。また、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、及び電子注入層は、それぞれ、一層で構成されていてもよいし、複数の層で構成されていてもよい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を有する。有機層10は、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層6、正孔輸送層7、発光層5、電子輸送層8、及び電子注入層9が、この順番で積層されている。
(発光層)
有機EL素子1の発光層5は、第一の化合物、及び第二の化合物を含む。発光層5は、金属錯体を含んでもよい。発光層5は、燐光発光性の重金属錯体を含まないことも好ましい。重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。発光層5は、金属錯体を含まないことも好ましい。
第一の化合物は、ホスト材料(マトリックス材料と称する場合もある。)であることも好ましい。第二の化合物は、ドーパント材料(ゲスト材料、エミッター、発光材料と称する場合もある。)であることも好ましい。
<第一の化合物>
第一の化合物は、遅延蛍光性の化合物である。第一の化合物は、燐光発光性の金属錯体ではないことが好ましい。また、第一の化合物は、金属錯体ではないことも好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(1)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(1)において、
40は、下記一般式(1a)で表される基であり、
40は、1以上5以下の整数であり、
複数のD40は、互いに同一であるか、又は異なる。
40は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのL40は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の芳香族複素環基
からなる群から選択される。
40は、シアノ基又は下記一般式(1b)で表される基である。
Figure 2020053667
前記一般式(1a)において、
〜Dは、それぞれ独立に、L40と結合する炭素原子又はR40xと結合する炭素原子である。
40xは、水素原子又は置換基であり、
複数のR40xは、互いに同一であるか、又は異なる。
40は、酸素原子、硫黄原子、R41xと結合する窒素原子、又はL40と結合する窒素原子である。
41xは、水素原子又は置換基である。
ただし、D〜Dのうちいずれか1つがL40と結合する炭素原子であるか、又はX40がL40と結合する窒素原子である。
前記一般式(1b)において、
41〜A46は、それぞれ独立に、窒素原子、L40と結合する炭素原子、又はR42xと結合する炭素原子である。
42xは、水素原子又は置換基であり、
複数のR42xは、互いに同一であるか、又は異なる。
ただし、A41〜A46のうちいずれか1つがL40と結合する炭素原子であり、残りの少なくともいずれかが窒素原子であるか、又はシアノ基と結合する炭素原子である。
置換基としてのR40x、置換基としてのR41x、及び置換基としてのR42xは、それぞれ独立に、
フッ素原子、
シアノ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜10のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数6〜30のアリールシリル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
前記一般式(1a)において、D〜Dのうちいずれか1つがL40と結合する炭素原子である場合、X40は、酸素原子、硫黄原子、又はR41xと結合する窒素原子である。
前記一般式(1a)において、X40がL40と結合する窒素原子である場合、D〜Dは、R40xと結合する炭素原子であり、R40xは、水素原子又は置換基であり、複数のR40xは、互いに同一であるか、又は異なる。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(1A)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(1A)において、
〜Dは、それぞれ独立に、R40xと結合する炭素原子である。
40xは、水素原子又は置換基である。
40は、1以上5以下の整数であり、
複数のR40xは、互いに同一であるか、又は異なる。
41〜A45は、窒素原子又はR42xと結合する炭素原子である。
42xは、水素原子又は置換基であり、
複数のR42xは、互いに同一であるか、又は異なる。
ただし、A41〜A45のうちいずれか1つは、窒素原子であるか、又はシアノ基と結合する炭素原子である。
置換基としてのR40x、及び置換基としてのR42xは、それぞれ独立に、前述と同義である。
40は、単結合又は連結基であり、連結基としてのL40は、前述と同義である。
本実施形態において、第一の化合物は、下記一般式(1B)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(1B)において、
〜Dは、それぞれ独立に、L40と結合する炭素原子又はR40xと結合する炭素原子であり、
ただし、D〜Dのうちいずれか1つがL40と結合する炭素原子であり、
〜Dは、それぞれ独立に、R40xと結合する炭素原子である。
40xは、水素原子又は置換基であり、
40は、1以上5以下の整数であり、
複数のR40xは、互いに同一であるか、又は異なる。
41〜A45は、窒素原子又はR42xと結合する炭素原子である。
42xは、水素原子又は置換基であり、
複数のR42xは、互いに同一であるか、又は異なる。
ただし、A41〜A45のうちいずれか1つは、窒素原子であるか、又はシアノ基と結合する炭素原子である。
置換基としてのR40x、及び置換基としてのR42xは、それぞれ独立に、前述と同義である。
40は、単結合又は連結基であり、連結基としてのL40は、前述と同義である。
40は、1以上3以下の整数であることが好ましく、1以上2以下の整数であることがより好ましい。
40は、連結基であることが好ましい。連結基としてのL40は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることが好ましく、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜10の芳香族炭化水素基であることがより好ましく、置換もしくは無置換のフェニレン基であることがさらに好ましい。
第一の化合物のエネルギーギャップが大きい場合、第一の化合物のLUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbital)に比べて、第二の化合物のLUMOは、深く(大きく)なる。その結果、発光層の内部で第一の化合物、及び第二の化合物が電子をトラップし易くなるため、発光層の電子輸送性が低下するおそれがある。その結果、発光層の内部では、正孔が多くなり、発光エリアは、発光層の電子注入層側に局在し、有機EL素子の寿命が短くなるおそれがある。
従って、第一の化合物は、エネルギーギャップが小さい化合物であることが好ましく、エネルギーギャップを小さくするという観点から、A40で表される構造とD40で表される構造とが、連結基としてのL40で連結されていることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(10)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(10)において、
11〜G18の少なくとも1つは窒素原子を表し、それ以外のうち1つはLと結合する炭素原子を表し、それ以外はC(R1x)を表す。
尚、本明細書の第一の化合物において、「C(R)」は、Rが結合する炭素原子を表す。
21〜G28のうち1つはLと結合する炭素原子を表し、それ以外はC(R2x)又は窒素原子を表す。
31〜G38のうち1つはLと結合する炭素原子を表し、それ以外はC(R3x)又は窒素原子を表す。
1x〜R3xは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR1x、置換基としてのR2x、及び置換基としてのR3xは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜30のシリル基、
フルオロ基、及び
シアノ基
からなる群から選択され、
複数のR1xは、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR2xは、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR3xは、互いに同一であるか、又は異なる。
1xが置換基を有する場合、R2xが置換基を有する場合、及びR3xが置換基を有する場合、R1xが有する当該置換基、R2xが有する当該置換基、及びR3xが有する当該置換基は、それぞれ独立に、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基、
環形成炭素数6〜18のアリールオキシ基、
炭素数0〜20のアミノ基、
炭素数0〜30のシリル基、
フルオロ基、及び
シアノ基
からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である。
21は、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R4x)−を表す。
4xは、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR4xは、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
炭素数1〜20のアルキレン基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキレン基、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基
からなる群から選択される。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
炭素数1〜20のアルキレン基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキレン基、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基、
窒素原子を含む2価の連結基、
酸素原子を含む2価の連結基、
ケイ素原子を含む2価の連結基、
リン原子を含む2価の連結基、及び
硫黄原子を含む2価の連結基
からなる群から選択される。
Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(−L−R5x)−を表す。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
炭素数1〜20のアルキレン基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキレン基、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基
からなる群から選択される。
5xは、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR5xは、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
ただし、X21が酸素原子又は硫黄原子である場合、G11〜G18のいずれか1つのみが窒素原子を表す。また、X21が−N(R4x)−である場合、Yは−N(−L−R5x)−を表し、かつ、R2X及びR3Xは水素原子を表す。
前記一般式(10)において、X21が酸素原子又は硫黄原子を表すことが好ましい。
前記一般式(10)において、X21が−N(R4x)−を表すことも好ましい。
前記一般式(10)において、G16がLと結合する炭素原子を表すことが好ましい。
前記一般式(10)において、G26及びG33がLと結合する炭素原子を表すことが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(10A)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(10A)において、
11〜G14のうち1つは窒素原子を表し、それ以外はC(R1x)を表す。
21〜G24は、C(R2x)又は窒素原子を表す。
35〜G38は、C(R3x)又は窒素原子を表す。
1x〜R3xは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR1x、置換基としてのR2x、及び置換基としてのR3xは、それぞれ独立に、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基
からなる群から選択される。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基、
窒素原子を含む2価の連結基、
酸素原子を含む2価の連結基、
ケイ素原子を含む2価の連結基、
リン原子を含む2価の連結基、及び
硫黄原子を含む2価の連結基
からなる群から選択される。
Yは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(−L−R5x)−を表す。
は、単結合又は連結基であり、
連結基としてのLは、
環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基
からなる群から選択される。
5xは、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR5xは、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
窒素原子を含む2価の連結基としては、下記一般式(11a)で表される基が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、下記一般式(11b)で表される基が挙げられる。
ケイ素原子を含む2価の連結基としては、下記一般式(11c)で表される基が挙げられる。
リン原子を含む2価の連結基としては、下記一般式(11d)で表される基、及び下記一般式(11e)で表される基が挙げられる。
硫黄原子を含む2価の連結基としては、下記一般式(11f)で表される基、及び下記一般式(11g)で表される基が挙げられる。
Figure 2020053667
前記一般式(11a)〜(11g)において、
、R、及びRは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR、置換基としてのR、及び置換基としてのRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜30のシリル基、
フルオロ基、及び
シアノ基
からなる群から選択される。
前記一般式(11e)におけるR’は、酸素原子である。
は、前記一般式(11d)、前記一般式(11f)、又は前記一般式(11e)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(10)、又は前記一般式(10A)で表される化合物において、少なくとも1つのR2xは、置換もしくは無置換のカルバゾリル基、置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基、又は置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基を表すことが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、G14が窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Yが−N(−L−R5x)−を表し、かつR5xが下記一般式(11)で表されるヘテロアリール基を表すことが好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(11)において、
41〜G48のうち1つはLと結合する炭素原子を表し、それ以外は窒素原子又はC(R6x)を表す。
6xは、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR6xは、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜20のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜20のアミノ基、
置換もしくは無置換の炭素数0〜30のシリル基、
フルオロ基、及び
シアノ基
からなる群から選択され、
複数のR6xは、互いに同一であるか、又は異なる。
6xが置換基を有する場合、R6xが有する当該置換基は、それぞれ独立に、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
炭素数1〜20のアルコキシ基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルコキシ基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基、
環形成炭素数6〜18のアリールオキシ基、
炭素数0〜20のアミノ基、
炭素数0〜20のシリル基、
フルオロ基、及び
シアノ基
からなる群から選択される少なくとも一種の置換基である。
32は、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R7x)−を表す。
7xは、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR7xは、
炭素数1〜20のアルキル基、
環形成炭素数3〜20のシクロアルキル基、
環形成炭素数6〜18のアリール基、及び
環形成原子数5〜18のヘテロアリール基
からなる群から選択される。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Yが酸素原子又は硫黄原子であることが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Lが単結合であるか、あるいは環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基からなる群から選択される連結基を表すことが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Lが環形成炭素数6〜18のアリーレン基、及び環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基からなる群から選択される連結基を表すことが好ましい。
前記一般式(10)又は前記一般式(10A)のLにおける環形成原子数5〜18のヘテロアリーレン基は、ジベンゾフランの2価基、及びジベンゾチオフェンの2価基ではないことが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Lがフェニレン基を表すことが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Lが炭素数1〜20のアルキレン基、環形成炭素数3〜20のシクロアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基、ケイ素原子を含む2価の連結基、リン原子を含む2価の連結基、及び硫黄原子を含む2価の連結基からなる群から選択されることが好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Lが単結合を表すことも好ましい。
前記一般式(10)及び前記一般式(10A)において、Yが−N(−L−R5x)−を表し、かつR5xが前記一般式(11)で表されるヘテロアリール基を表す場合、G31〜G38及びG41〜G48のうち、少なくとも1つが窒素原子を表すことが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(100)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(100)において、
Arは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、及び
下記一般式(12a)〜(12j)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
ArEWGは、
シアノ基、
環内に窒素原子を1個以上含む置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、及び
1個以上のシアノ基で置換されている環形成炭素数6〜30のアリール基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
Arは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのArは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
下記一般式(12a)で表される基、
下記一般式(12b)で表される基、
下記一般式(12c)で表される基、
下記一般式(12d)で表される基、
下記一般式(12e)で表される基、
下記一般式(12f)で表される基、
下記一般式(12g)で表される基、
下記一般式(12h)で表される基、
下記一般式(12i)で表される基、及び
下記一般式(12j)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
nは、0以上5以下の整数を表し、
nが2以上である場合は、複数のArは、互いに同一、又は異なっていてもよい。
環(A)は、5員環、6員環、又は7員環である。
ただし、Ar及びArの少なくともいずれかは、下記一般式(12a)〜(12j)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基である。
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
前記一般式(12a)〜(12j)において、
〜X20は、それぞれ独立に、窒素原子又はC−R300であり、
ただし、前記一般式(12b)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(12c)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12、X13〜X16及びAを含む縮合環における6員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(12e)において、X〜X及びX18のいずれかは、X〜X12のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12のいずれかは、X〜X及びX18のいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(12f)において、X〜X及びX18のいずれかは、X〜X12及びX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12及びX19のいずれかは、X〜X及びX18のいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(12g)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12及びX19のいずれかと結合する炭素原子であり、X〜X12及びX19のいずれかは、X〜Xのいずれかと結合する炭素原子であり、前記一般式(12h)において、X〜X及びX18のいずれかは、X〜X12、X13〜X16及びAを含む縮合環における6員環中の窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(12i)において、X〜X及びX18のいずれかは、X〜X12及びX19を含む環とX13〜X16及びX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子であり、前記一般式(12j)において、X〜Xのいずれかは、X〜X12及びX19を含む環とX13〜X16及びX20を含む環とを連結する窒素原子と結合する炭素原子である。
300は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR300は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、及び
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基であり、
置換基としての複数のR300は、互いに同一であるか、又は異なり、
置換基としての複数のR300は、互いに直接結合して環を形成するか、ヘテロ原子を介して環を形成するか、又は結合しない。
及びAは、それぞれ独立に、単結合、酸素原子、硫黄原子、C(R301)(R302)、Si(R303)(R304)、C(=O)、S(=O)、SO、又はN(R305)である。
301〜R305は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR301〜R305は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、及び
カルボキシ基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
Araは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、及び
置換シリル基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(101)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(101)において、
〜Yは、それぞれ独立に、窒素原子、C−CN、又はC−R310であり、
ただし、Y〜Yのうち、少なくとも1つは、窒素原子又はC−CNである。
310は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR310は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、及び
カルボキシ基
からなる群から選択される基である。
Arは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
前記一般式(12a)で表される基、
前記一般式(12b)で表される基、及び
前記一般式(12c)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
Arは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのArは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
前記一般式(12a)で表される基、
前記一般式(12b)で表される基、及び
前記一般式(12c)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
nは、0以上5以下の整数を表し、
nが2以上である場合は、複数のArは、互いに同一であるか、又は異なる。
環(A)は、5員環、6員環、又は7員環である。
ただし、Ar及びArの少なくともいずれかは、前記一般式(12a)〜(12c)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基である。
前記一般式(101)において、Y、Y、及びYのうち、少なくともいずれかは、窒素原子であることが好ましい。
前記一般式(101)において、Y、Y、及びYは、窒素原子であり、かつY及びYは、C−R310であることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(102)で表されることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(102)において、
21〜Y25は、それぞれ独立に、窒素原子、C−CN、又はC−R310であり、
ただし、Y21〜Y25のうち、少なくとも1つは、窒素原子又はC−CNである。
310は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR310は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、及び
カルボキシ基
からなる群から選択される基である。
Arは、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
前記一般式(12a)で表される基、
前記一般式(12b)で表される基、及び
前記一般式(12c)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのAr〜Arは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換ホスフォリル基、
置換シリル基、
シアノ基、
ニトロ基、
カルボキシ基、
前記一般式(12a)で表される基、
前記一般式(12b)で表される基、及び
前記一般式(12c)で表される基
からなる群から選択されるいずれかの基である。
ただし、Ar〜Arのうち少なくとも一つは、前記一般式(12a)〜(12c)で表される基からなる群から選択されるいずれかの基である。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(103)、下記一般式(104)、又は下記一般式(105)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(103)〜(105)において、
21〜Y25、Ar〜Ar、X〜X16、A、A、及びAraは、それぞれ前述したY21〜Y25、Ar〜Ar、X〜X16、A、A、及びAraと同じ意味を表す。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(106)、下記一般式(107)、又は下記一般式(108)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(106)〜(108)において、Y21〜Y25、Ar〜Ar、X〜X16、及びAraは、それぞれ前述したY21〜Y25、Ar〜Ar、X〜X16、及びAraと同じ意味を表す。
21、Y23、及びY25のうち、少なくともいずれかは、窒素原子であることも好ましい。
21、Y23、及びY25は、窒素原子であり、かつY22及びY24は、C−R310であることも好ましい。
21及びY23は、窒素原子であり、かつY22、Y24、及びY25は、C−R310であることも好ましい。
21及びY25は、窒素原子であり、かつY22、Y23、及びY24は、C−R310であることも好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(120)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(120)において、Ar、Ar、及びnは、前記一般式(100)におけるAr、Ar、及びnとそれぞれ同義である。
前記一般式(120)において、Ar及びArは、前記一般式(12a)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(120)において、nは、3であることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子において、第一の化合物は、下記一般式(121)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(121)において、Ar及びArは、前記一般式(100)におけるAr及びArとそれぞれ同義である。
前記一般式(120)及び前記一般式(121)において、Ar及びArは、前記一般式(12a)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(121)において、Ar及びArは、前記一般式(12a)で表される基であり、かつ前記一般式(12a)におけるAが単結合であることが好ましい。
本実施形態に係る第一の化合物は、フルオランテン誘導体であることも好ましい。
・遅延蛍光性
遅延蛍光(熱活性化遅延蛍光)については、「有機半導体のデバイス物性」(安達千波矢編、講談社発行)の261〜268ページで解説されている。その文献の中で、蛍光発光材料の励起一重項状態と励起三重項状態のエネルギー差ΔE13を小さくすることができれば、通常は遷移確率が低い励起三重項状態から励起一重項状態への逆エネルギー移動が高効率で生じ、熱活性化遅延蛍光(Thermally Activated delayed Fluorescence, TADF)が発現すると説明されている。さらに、当該文献中の図10.38で、遅延蛍光の発生メカニズムが説明されている。本実施形態における第一の化合物は、このようなメカニズムで発生する熱活性化遅延蛍光を示す化合物である。
遅延蛍光の発光は過渡PL(Photo Luminescence)測定により確認できる。
過渡PL測定から得た減衰曲線に基づいて遅延蛍光の挙動を解析することもできる。過渡PL測定とは、試料にパルスレーザーを照射して励起させ、照射を止めた後のPL発光の減衰挙動(過渡特性)を測定する手法である。TADF材料におけるPL発光は、最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光成分と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光成分に分類される。最初のPL励起で生成する一重項励起子の寿命は、ナノ秒オーダーであり、非常に短い。そのため、当該一重項励起子からの発光は、パルスレーザーを照射後、速やかに減衰する。
一方、遅延蛍光は、寿命の長い三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光のため、ゆるやかに減衰する。このように最初のPL励起で生成する一重項励起子からの発光と、三重項励起子を経由して生成する一重項励起子からの発光とでは、時間的に大きな差がある。そのため、遅延蛍光由来の発光強度を求めることができる。
図2には、過渡PLを測定するための例示的装置の概略図が示されている。
本実施形態の過渡PL測定装置100は、所定波長の光を照射可能なパルスレーザー部101と、測定試料を収容する試料室102と、測定試料から放射された光を分光する分光器103と、2次元像を結像するためのストリークカメラ104と、2次元像を取り込んで解析するパーソナルコンピュータ105とを備える。尚、過渡PLの測定は、本実施形態で説明する装置に限定されない。
試料室102に収容される試料は、マトリックス材料に対し、ドーピング材料が12質量%の濃度でドープされた薄膜を石英基板に成膜することで得られる。
試料室102に収容された薄膜試料に対し、パルスレーザー部101からパルスレーザーを照射して、ドーピング材料を励起させる。励起光の照射方向に対して90度の方向へ発光を取り出し、取り出した光を分光器103で分光し、ストリークカメラ104内で2次元像を結像する。その結果、縦軸が時間に対応し、横軸が波長に対応し、輝点が発光強度に対応する2次元画像を得ることができる。この2次元画像を所定の時間軸で切り出すと、縦軸が発光強度であり、横軸が波長である発光スペクトルを得ることができる。また、当該2次元画像を波長軸で切り出すと、縦軸が発光強度の対数であり、横軸が時間である減衰曲線(過渡PL)を得ることができる。
例えば、マトリックス材料として、下記参考化合物H1を用い、ドーピング材料として下記参考化合物D1を用いて上述のようにして薄膜試料Aを作製し、過渡PL測定を行った。
Figure 2020053667
ここでは、前述の薄膜試料A及び薄膜試料Bを用いて減衰曲線を解析した。薄膜試料Bは、マトリックス材料として下記参考化合物H2を用い、ドーピング材料として前記参考化合物D1を用いて、上述のようにして薄膜試料を作製した。
図3には、薄膜試料A及び薄膜試料Bについて測定した過渡PLから得た減衰曲線が示されている。
Figure 2020053667
上記したように過渡PL測定によって、縦軸を発光強度とし、横軸を時間とする発光減衰曲線を得ることができる。この発光減衰曲線に基づいて、光励起により生成した一重項励起状態から発光する蛍光と、三重項励起状態を経由し、逆エネルギー移動により生成する一重項励起状態から発光する遅延蛍光との、蛍光強度比を見積もることができる。遅延蛍光性の材料では、素早く減衰する蛍光の強度に対し、緩やかに減衰する遅延蛍光の強度の割合が、ある程度大きい。
本実施形態における遅延蛍光発光量は、図2の装置を用いて求めることができる。前記第一の化合物は、当該第一の化合物が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施形態においては、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上であることが好ましい。具体的には、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることが好ましい。
Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”に記載された方法と同様の方法により求めることができる。尚、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、前記の文献に記載の装置に限定されない。
また、遅延蛍光性の測定に用いられる試料は、例えば、第一の化合物と下記化合物TH−2とを、第一の化合物の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成した試料を使用することができる。
Figure 2020053667
本実施形態に係る第一の化合物の具体的な例を以下に示す。尚、本発明に係る第一の化合物は、これらの例に限定されない。
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
<第二の化合物>
第二の化合物は、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(1−1)、前記式(1−2)及び前記式(1−3)中、
環Aは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環、又は下記式(2)で表されるベンゼン環である。
前記式(1−1)の2つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
前記式(1−2)の3つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
Figure 2020053667
(前記式(2)中、
2つの*の環形成炭素原子の一方で、前記式(1−1)又は前記式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で前記式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
nは1又は2の整数である。nが2である場合、2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
式(1−1)、式(1−2)及び式(1−3)において、縮合アリール環とは、複数の芳香族環が縮合した環である。従って、例えば、2つの芳香族環が単結合で結合したビフェニルは縮合アリール環に含まれない。
式(1−1)、式(1−2)及び式(1−3)において、縮合複素環とは、複数の複素環が縮合した環、又は複素環と芳香族環が縮合した環である。
「R〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」について説明する。
「R〜R16のうち隣接する2つ以上の1組」は、例えば、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRとR等の組合せである。
上記飽和又は不飽和の環に対する「置換もしくは無置換の」の「置換」のときの置換基は、後述する「置換もしくは無置換の」という場合における置換基と同様である。
「飽和又は不飽和の環」とは、例えばRとRで環を形成する場合には、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体的には、RとRで環を形成する場合において、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、4つの炭素原子とで不飽和の環を形成する場合、RとRとで形成する環はベンゼン環となる。
「任意の元素」は、好ましくは、C元素、N元素、O元素、S元素である。任意の元素において(例えばC元素又はN元素の場合)、環を形成しない結合手は、水素原子等で終端されてもよい。
「1以上の任意の元素」は、好ましくは2個以上15個以下、より好ましくは3個以上12個以下、さらに好ましくは、3個以上5個以下の任意の元素である。
以下、「X〜Yのうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」という表現は、Xを上記Rに,Yを上記R16に置き換えたときと同じ意味である。
以下、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物について説明する。
式(1−1)中の「*」(アスタリスク)は、式(1−3)の環Aと結合する結合手である。式(1−1)には、2つの「*」があるが、2つの「*」は、それぞれ、環Aの縮合アリール環の環形成炭素原子、縮合複素環の環形成原子、又は式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合して、化合物を構成する。
式(1−2)中の「*」(アスタリスク)も、式(1−3)の環Aと結合する結合手である。式(1−2)には、3つの「*」があるが、3つの「*」は、それぞれ、環Aの縮合アリール環の環形成炭素原子、縮合複素環の環形成原子、又は式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合して、化合物を構成する。
式(2)中の「*」(アスタリスク)は、結合位置を示す。2つの*の環形成炭素原子の一方で、式(1−1)又は式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(3)、式(4)又は式(5)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(式(3)、式(4)及び式(5)中、
環A’は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環である。
〜R及びR10〜R17は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)及び式(2)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環は、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のフルオレン環である。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環の環形成炭素数は、例えば、10〜30、10〜20又は10〜14であってもよく、当該縮合アリール環の具体例としては、置換もしくは無置換のナフタレン環、置換もしくは無置換のアントラセン環、又は置換もしくは無置換のフルオレン環が挙げられる。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環は、置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環は、置換もしくは無置換のジベンゾフラン骨格含有構造(例えば、置換もしくは無置換のジベンゾフラン、置換もしくは無置換のナフトベンゾフラン、置換もしくは無置換のジナフトフラン等)、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン骨格含有構造(例えば、置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のナフトベンゾチオフェン、置換もしくは無置換のジナフトチオフェン等)である。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環は、置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環は、置換のカルバゾール骨格含有構造(例えば置換のカルバゾール環)であり、置換基は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。上記置換基のアリール基又は1価の複素環基は上記カルバゾール環と結合しない。
一実施形態においては、式(1−3)の環A及び式(5)の環A’の置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環は、置換のカルバゾール骨格含有構造(例えば置換のカルバゾール環)であり、当該カルバゾール骨格含有構造はカルバゾール環の9位に置換基を有し、当該置換基は置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基であり、当該置換基が無置換のフェニル基である場合、当該無置換のフェニル基が当該カルバゾール骨格含有構造と結合することはない。
一実施形態においては、式(5)で表される化合物において、RとR、RとR、R14とR15、及びR15とR16のうち少なくとも1組が置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。当該形成される環構造としては、環B又は環Cを一端とする置換もしくは無置換のフルオレン環構造、又は環B又は環Cを一端とする置換もしくは無置換のナフタレン環構造等が挙げられる。
一実施形態においては、式(5)で表される化合物において、RとR、RとR、RとR、R10とR11、R11とR12、及びR12とR13のうち少なくとも1組が置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。当該形成される環構造としては、R〜Rが結合するベンゼン環又はR10〜R13が結合するベンゼン環を一端とする置換もしくは無置換のフルオレン環構造、又はR〜Rが結合するベンゼン環又はR10〜R13が結合するベンゼン環を一端とする置換もしくは無置換のナフタレン環構造等が挙げられる。
一実施形態においては、式(5)で表される化合物は下記式(5−1)〜(5−3)のいずれかで表される化合物である。
Figure 2020053667
(式(5−1)〜(5−3)中、
環A’は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環である。
〜R、R、R10〜R14、R16は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)及び式(2)で定義した通りである。
21〜R26、及びR31〜R36は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)及び式(2)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(6−1)〜式(6−7)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure 2020053667
(式(6−1)〜(6−7)中、
〜R17は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)及び式(2)で定義した通りである。
Xは、O、NR25、又はC(R26)(R27)である。
21〜R27のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR21〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(6−8)〜式(6−10)で表される化合物からなる群から選択される。
Figure 2020053667
(式(6−8)〜(6−10)中、
〜R及びR10〜R16は、式(1−1)、式(1−2)、式(1−3)及び式(2)で定義した通りである。
21〜R26のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR21〜R26は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(3−2)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(式(3−2)中、
、R、R、R10、R12及びR13は、式(1−1)及び式(1−3)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(7)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(式(7)中、
、R、R、R12、R14及びR15は、式(1−2)及び式(1−3)で定義した通りである。)
一実施形態においては、R〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、R〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基からなる群から選択される。
式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数1〜50のハロアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R41)(R42)(R43)、−C(=O)R44、−COOR45、−S(=O)46、−P(=O)(R47)(R48)、−Ge(R49)(R50)(R51)、−N(R52)(R53)(ここで、R41〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。R41〜R53が2以上存在する場合、2以上のR41〜R53のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物における「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物における「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、及び環形成原子数5〜18の1価の複素環基からなる群から選択される。
式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物の各置換基、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基及びハロゲン原子の具体例は、それぞれ前述したものと同様である。
式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2020053667
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Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、及び式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、例えば、後述する実施例の反応に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応や原料を用いて合成することができる。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(3−11)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−11)中、
〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。但し、R〜R及びR10〜R16の少なくとも1つは−N(R36)(R37)である。
17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
「R〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」について説明する。
「R〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組」は、例えば、RとR、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRとR等の組合せである。
上記飽和又は不飽和の環に対する「置換もしくは無置換の」の「置換」のときの置換基は、後述する「置換もしくは無置換の」という場合における置換基と同様である。
「飽和又は不飽和の環」とは、例えばRとRで環を形成する場合には、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体的には、RとRで環を形成する場合において、Rが結合する炭素原子と、Rが結合する炭素原子と、4つの炭素原子とで不飽和の環を形成する場合、RとRとで形成する環はベンゼン環となる。
「任意の元素」は、好ましくは、C元素、N元素、O元素、S元素である。任意の元素において(例えばC元素又はN元素の場合)、環を形成しない結合手は、水素原子等で終端されてもよい。
「1以上の任意の元素」は、好ましくは2個以上15個以下、より好ましくは3個以上12個以下、さらに好ましくは、3個以上5個以下の任意の元素である。
以下、「X〜Yのうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」という表現は、Xを上記Rに,Yを上記R16に置き換えたときと同じ意味である。
一実施形態においては、式(3−11)で表される化合物は、下記式(3−12)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−12)中、R〜R及びR10〜R16は、式(3−12)で定義した通りである。但し、R〜R及びR10〜R16のいずれか2つは−N(R36)(R37)である。)
一実施形態においては、R〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、R〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基からなる群から選択される。
式(3−11)で表される化合物における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数1〜50のハロアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R41)(R42)(R43)、−C(=O)R44、−COOR45、−S(=O)46、−P(=O)(R47)(R48)、−Ge(R49)(R50)(R51)、−N(R52)(R53)(ここで、R41〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の複素環基である。R41〜R53が2以上存在する場合、2以上のR41〜R53のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−11)で表される化合物における「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
一実施形態においては、式(3−11)で表される化合物における「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、及び環形成原子数5〜18の1価の複素環基からなる群から選択される。
式(3−11)で表される化合物の各置換基、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基及びハロゲン原子の具体例は、それぞれ前述したものと同様である。
一実施形態においては、式(3−11)で表される化合物は、下記式(3−13)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−13)中、
〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R13、並びにR17は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数6〜18の1価の複素環基である。2つのR17は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数6〜18の1価の複素環基である。)
「R〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」について説明する。
「R〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組」は、例えば、RとR、RとR、RとR、RとRとR等の組合せである。
上記飽和又は不飽和の環に対する「置換もしくは無置換の」の「置換」のときの置換基は、後述する「置換もしくは無置換の」という場合における置換基と同様である。
「飽和又は不飽和の環」は、上記式(3−11)で説明した通りである。
式(3−13)で表される化合物では、R〜R、R10〜R13及びR17のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよく、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しなくてもよい。式(3−13)で表される化合物では、R〜R、R10〜R13及びR17のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないと好ましい。
一実施形態においては、式(3−13)で表される化合物は、下記式(3−14)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−14)中、R17、R、R、R及びRは、前記式(3−13)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物のR、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基である。
一実施形態においては、式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物のR、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物の2つのR17は、それぞれ水素原子である。
式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、及び環形成原子数5〜18の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、炭素数1〜5のアルキル基である。
式(3−13)で表される化合物及び式(3−14)で表される化合物の各置換基及び「置換もしくは無置換の」という場合における置換基の具体例は、それぞれ前述したものと同様である。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物は、下記式(3−21)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−21)中、
〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R13、並びにR17は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜20の1価の複素環基である。2つのR17は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基である。)
「R〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」については、上記式(3−13)で説明した通りである。
上記飽和又は不飽和の環に対する「置換もしくは無置換の」の「置換」のときの置換基は、後述する、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基と同様である。
「飽和又は不飽和の環」は、上記式(3−11)で説明した通りである。
式(3−21)で表される化合物では、R〜R、R10〜R13及びR17のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよく、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しなくてもよい。式(3−21)で表される化合物では、R〜R、R10〜R13及びR17のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないと好ましい。
一実施形態においては、式(3−21)で表される化合物は下記式(3−22)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(3−22)中、R17、R、R、R及びRは、前記式(3−21)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、2つのR17が、それぞれ水素原子である。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜20のアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、及び環形成原子数5〜20の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、2つのR17が、それぞれ水素原子である。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、2つのR17が、それぞれ水素原子であり、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜20のアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、及び環形成原子数5〜20の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−21)及び式(3−22)で表される化合物において、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、前記2つのR17が、それぞれ水素原子であり、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である。
一実施形態においては、式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(3−31)又は(3−32)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(式(3−31)及び(3−32)中、
〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
17、及び前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜20の1価の複素環基である。
2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
Ar〜Arは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基である。)
「R〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい」について説明する。
「R〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組」は、式(3−31)においては、例えば、RとR、RとR、RとR、RとRとR等の組合せであり、式(3−32)においては、例えば、RとR、RとR、RとR、RとR、RとRとR等の組合せである。
上記飽和又は不飽和の環に対する「置換もしくは無置換の」の「置換」のときの置換基は、後述する「置換もしくは無置換の」という場合における置換基と同様である。
「飽和又は不飽和の環」は、上記式(3−11)で説明した通りである。
式(3−31)又は(3−32)で表される化合物は、R〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しなくてもよい。
一実施形態においては、式(3−31)又は(3−32)で表される化合物は、下記式(3−33)又は(3−34)で表される。
Figure 2020053667
(式(3−33)及び(3−34)中、R〜R、R14〜R17及びAr〜Arは、前記式(3−31)及び(3−32)で定義した通りである。)
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、2つのR17が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、2つのR17が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、2つのR17が水素原子である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、R〜R及びR14〜R16が水素原子である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜20のアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、及び環形成原子数5〜20の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、2つのR17が水素原子である。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、2つのR17が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜20のアリール基であり、R〜R及びR14〜R16が水素原子であり、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜20のアルキル基、環形成炭素数6〜20のアリール基、及び環形成原子数5〜20の1価の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、式(3−31)〜(3−34)で表される化合物において、Ar〜Arが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、2つのR17が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基であり、R〜R及びR14〜R16が水素原子であり、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である。
式(3−31)〜(3−34)で表される化合物の各置換基及び「置換もしくは無置換の」という場合における置換基の具体例は、それぞれ前述したものと同様である。
式(3−11)〜(3−14)、(3−21)、(3−22)、(3−31)〜(3−34)で表される化合物の具体例としては、例えば、以下に示す化合物が挙げられる。
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
Figure 2020053667
(第二の化合物のさらなる態様A)
一実施形態においては、第二の化合物は、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物である。
Figure 2020053667
(前記式(1−1)、前記式(1−2)及び前記式(1−3)中、
環Aは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環、又は下記式(2)で表されるベンゼン環である。
前記式(1−1)の2つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
前記式(1−2)の3つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
但し、前記環Aが前記式(2)で表されるベンゼン環である場合には、R〜R17のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である;又は、R〜R16のうち隣接する2つ以上の少なくとも1組が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
Figure 2020053667
(前記式(2)中、
2つの*の環形成炭素原子の一方で、前記式(1−1)又は前記式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で前記式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
nは1又は2の整数である。nが2である場合、2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
上記第二の化合物のさらなる態様Aでは、環Aが式(2)で表されるベンゼン環である場合には、R〜R17のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である;又は、R〜R16のうち隣接する2つ以上の少なくとも1組が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。
<発光層における第一の化合物及び第二の化合物の関係>
本実施形態の有機EL素子1において、遅延蛍光性を示す化合物である第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、第二の化合物の一重項エネルギーS(M2)とが、下記数式(数1)の関係を満たすことが好ましい。
(M1)>S(M2) …(数1)
第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)は、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)よりも大きいことが好ましい。即ち、下記数式(数4)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M1)>T77K(M2) …(数4)
本実施形態の有機EL素子1を発光させたときに、発光層5において、主に第二の化合物が発光していることが好ましい。
本実施形態の有機EL素子1において、第二の化合物の主ピーク波長の範囲は、430nm以上480nm以下であることが好ましく、445nm以上480nm以下であることがより好ましい。
本明細書において、主ピーク波長とは、測定対象化合物が10−6モル/リットル以上10−5モル/リットル以下の濃度で溶解しているトルエン溶液について、測定した発光スペクトルにおける発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長をいう。
第二の化合物は、青色の蛍光発光を示すことが好ましい。
第二の化合物は、発光量子収率の高い材料であることが好ましい。
・三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係
ここで、三重項エネルギーと77[K]におけるエネルギーギャップとの関係について説明する。本実施形態では、77[K]におけるエネルギーギャップは、通常定義される三重項エネルギーとは異なる点がある。
三重項エネルギーの測定は、次のようにして行われる。まず、測定対象となる化合物を適切な溶媒中に溶解した溶液を石英ガラス管内に封入した試料を作製する。この試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値に基づいて、所定の換算式から三重項エネルギーを算出する。
ここで、本実施形態に用いる遅延蛍光性化合物としては、ΔSTが小さい化合物であることが好ましい。ΔSTが小さいと、低温(77[K])状態でも、項間交差、及び逆項間交差が起こりやすく、励起一重項状態と励起三重項状態とが混在する。その結果、上記と同様にして測定されるスペクトルは、励起一重項状態及び励起三重項状態の両者からの発光を含んでおり、いずれの状態から発光したのかについて峻別することは困難であるが、基本的には三重項エネルギーの値が支配的と考えられる。
そのため、本実施形態では、通常の三重項エネルギーTと測定手法は同じであるが、その厳密な意味において異なることを区別するため、次のようにして測定される値をエネルギーギャップT77Kと称する。測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を77[K]におけるエネルギーギャップT77Kとする。
換算式(F1):T77K[eV]=1239.85/λedge
このようにしてエネルギーギャップT77Kを測定する方法を溶液法と称する場合がある。
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(即ち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
尚、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF−4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。尚、測定装置はこの限りではなく、冷却装置及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
本実施形態の有機EL素子1において、第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、前記第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)との差ΔST(M1)が下記数式(数10)の関係を満たすことが好ましく、下記数式(10A)の関係を満たすことがより好ましく、下記数式(10B)の関係を満たすことがさらに好ましく、下記数式(10C)の関係を満たすことがよりさらに好ましい。
ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)<0.3[eV]…(数10)
ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)<0.2[eV]…(数10A)
ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)<0.1[eV]…(数10B)
ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)≦0.03[eV]…(数10C)
・一重項エネルギーS
溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
尚、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
・発光層における化合物の含有率
発光層5に含まれている第一の化合物及び第二の化合物の含有率は、例えば、以下の範囲であることが好ましい。
第一の化合物の含有率は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%以下であることがさらに好ましい。
第二の化合物の含有率は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがさらに好ましい。
尚、本実施形態は、発光層5に、第一の化合物及び第二の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
・発光層の膜厚
発光層5の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、さらに好ましくは10nm以上50nm以下である。発光層5の膜厚が5nm以上であれば発光層5を形成し易く、色度を調整し易い。また、発光層5の膜厚が50nm以下であれば、駆動電圧の上昇を抑制できる。
・TADF機構
図4は、発光層における第一の化合物及び第二の化合物のエネルギー準位の関係の一例を示す図である。図4において、S0は、基底状態を表す。S(M1)は、第一の化合物の最低励起一重項状態を表す。T1(M1)は、第一の化合物の最低励起三重項状態を表す。S(M2)は、第二の化合物の最低励起一重項状態を表す。T1(M2)は、第二の化合物の最低励起三重項状態を表す。
図4中のS(M1)からS(M2)へ向かう破線の矢印は、第一の化合物の最低励起一重項状態から第二の化合物へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図4に示すように、第一の化合物としてΔST(M1)の小さな化合物を用いると、最低励起三重項状態T1(M1)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S(M1)に逆項間交差が可能である。そして、第一の化合物の最低励起一重項状態S(M1)から第二の化合物へのフェルスター型エネルギー移動が生じ、最低励起一重項状態S(M2)が生成する。この結果、第二の化合物の最低励起一重項状態S(M2)からの蛍光発光を観測することができる。このTADF機構による遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
(基板)
基板2は、有機EL素子1の支持体として用いられる。基板2としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板2上に形成される陽極3には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム−酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素又は酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ、酸化インジウム−酸化亜鉛、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、並びにグラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、及びこれら金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム−酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、及びスピンコート法等により作製してもよい。
陽極3上に形成される有機層のうち、陽極3に接して形成される正孔注入層6は、陽極3の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成される。そのため、その他電極材料として使用可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族又は第2族に属する元素も含む)を陽極3として用いることもできる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族に属する元素、元素周期表の第2族に属する元素、希土類金属、及びこれらを含む合金等を陽極3として用いることもできる。元素周期表の第1族に属する元素としては、アルカリ金属が挙げられる。元素周期表の第2族に属する元素としては、アルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)及びセシウム(Cs)等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等が挙げられる。希土類金属としては、例えば、ユーロピウム(Eu)、及びイッテルビウム(Yb)等が挙げられる。これらの金属を含む合金としては、例えば、MgAg、及びAlLi等が挙げられる。
尚、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む合金を用いて陽極3を形成する場合には、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法等を用いることができる。さらに、銀ペースト等を用いる場合には、例えば、塗布法及びインクジェット法等を用いることができる。
(正孔注入層)
正孔注入層6は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、及びマンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、例えば、低分子の有機化合物である4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’−ビス(N−{4−[N’−(3−メチルフェニル)−N’−フェニルアミノ]フェニル}−N−フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5−トリス[N−(4−ジフェニルアミノフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、及び3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等、並びにジピラジノ[2,3−f:20,30−h]キノキサリン−2,3,6,7,10,11−ヘキサカルボニトリル(HAT−CN)等も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物を用いることもできる。高分子化合物としては、例えば、オリゴマー、デンドリマー、及びポリマー等が挙げられる。具体的には、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、及びポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)等の高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、及びポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層7は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層7には、例えば、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、及びアントラセン誘導体等を使用することができる。具体的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、及び4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)等の芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層7には、CBP、9−[4−(N−カルバゾリル)]フェニル−10−フェニルアントラセン(CzPA)、及び9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体、並びにt−BuDNA、DNA、及びDPAnthのようなアントラセン誘導体等を用いてもよい。ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、及びポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外の物質を用いてもよい。尚、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
正孔輸送層を二層以上配置する場合、エネルギーギャップのより大きい材料を含む層を、発光層5に近い側に配置することが好ましい。
(電子輸送層)
電子輸送層8は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層8には、(1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、及び亜鉛錯体等の金属錯体、(2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、及びフェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、並びに(3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、及びZnBTZ等の金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(ptert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、及び4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)等の複素芳香族化合物も用いることができる。本実施形態においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。尚、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層8として用いてもよい。また、電子輸送層8は、単層だけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層した層としてもよい。
また、電子輸送層8には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、及びポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)等を用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層9は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層9には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、及びリチウム酸化物(LiOx)等のような、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、又はそれらの化合物を含有させた物質、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させた物質等を用いてもよい。尚、この場合には、陰極4からの電子注入をより効率よく行うことができる。
あるいは、電子注入層9に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性、及び電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層8を構成する物質(例えば、金属錯体及び複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、又は希土類金属が好ましく、例えば、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、及びイッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物、又はアルカリ土類金属酸化物を電子供与体として用いることも好ましく、例えば、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、及びバリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(陰極)
陰極4には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、及びこれらの混合物等を用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族に属する元素、元素周期表の第2族に属する元素、希土類金属、及びこれらを含む合金等が挙げられる。元素周期表の第1族に属する元素としては、アルカリ金属が挙げられる。元素周期表の第2族に属する元素としては、アルカリ土類金属が挙げられる。アルカリ金属としては、例えば、リチウム(Li)、及びセシウム(Cs)等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、例えば、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、及びストロンチウム(Sr)等が挙げられる。希土類金属としては、例えば、ユーロピウム(Eu)、及びイッテルビウム(Yb)等が挙げられる。これらの金属を含む合金としては、例えば、MgAg、及びAlLi等が挙げられる。
尚、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらを含む合金を用いて陰極4を形成する場合には、例えば、真空蒸着法及びスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペースト等を用いる場合には、例えば、塗布法及びインクジェット法等を用いることができる。
尚、電子注入層9を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、及び珪素又は酸化珪素を含有した酸化インジウム−酸化スズ等、様々な導電性材料を用いて陰極4を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法、インクジェット法、及びスピンコート法等を用いて成膜することができる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子1の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されず、乾式成膜法、及び湿式成膜法等の公知の方法を採用できる。乾式成膜法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、及びイオンプレーティング法等が挙げられる。湿式成膜法としては、例えば、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、及びインクジェット法等が挙げられる。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子1の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した以外には制限されない。一般に、ピンホール等の欠陥を生じ難くするため、かつ高い印加電圧が必要となることによる効率の悪化を防止するため、通常、膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
本明細書の第一の化合物において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表しり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。
また、本明細書の第一の化合物において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。
本明細書の第一の化合物において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
また、本明細書の第一の化合物において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
また、本明細書の第一の化合物において、「水素原子」とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書の第一の化合物において、「ヘテロアリール基」、「ヘテロアリーレン基」及び「複素環基」は、環形成原子として、少なくとも1つのヘテロ原子を含む基であり、該へテロ原子としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子から選ばれる1種以上であることが好ましい。
本明細書の第一の化合物において、「置換もしくは無置換のカルバゾリル基」は、下記のカルバゾリル基、
Figure 2020053667
及び上記の基に対して、さらに任意の置換基を有する置換カルバゾリル基を表す。
尚、当該置換カルバゾリル基は、任意の置換基同士が互いに結合して縮環してもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子等のヘテロ原子を含んでもよく、また、結合位置は1位〜9位のいずれであってもよい。このような置換カルバゾリル基の具体例として、例えば、下記に示す基が挙げられる。
Figure 2020053667
本明細書の第一の化合物において、「置換もしくは無置換のジベンゾフラニル基」及び「置換もしくは無置換のジベンゾチエニル基」は、下記のジベンゾフラニル基及びジベンゾチエニル基、
Figure 2020053667
及び上記の基に対して、さらに任意の置換基を有する置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチエニル基を表す。
尚、当該置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチエニル基は、任意の置換基同士が互いに結合して縮環してもよく、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子及びセレン原子等のヘテロ原子を含んでもよく、また、結合位置は1位〜8位のいずれであってもよい。
このような置換ジベンゾフラニル基及び置換ジベンゾチエニル基の具体例として、例えば、下記に示す基が挙げられる。
Figure 2020053667
上記式中、XA1〜XA6は酸素原子又は硫黄原子を表し、YA1〜YA6は酸素原子、硫黄原子、NH、NR(Rはアルキル基又はアリール基である。)、CH、又はCR (Rはアルキル基又はアリール基である。)を表す。
また、本明細書の第一の化合物において「置換基」、又は「置換もしくは無置換」との記載における置換基(置換基Rと称する場合がある。)としては、別段の定めのない限り、炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基;環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有する炭素数7〜51(好ましくは7〜30、より好ましくは7〜20)のアラルキル基;アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基を有するアルコキシ基;環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基を有するアリールオキシ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基;環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のハロアルキル基;ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子);シアノ基;ニトロ基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するスルホニル基;炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基;アルキルスルホニルオキシ基;アリールスルホニルオキシ基;アルキルカルボニルオキシ基;アリールカルボニルオキシ基;ホウ素含有基;亜鉛含有基;スズ含有基;ケイ素含有基;マグネシウム含有基;リチウム含有基;ヒドロキシ基;アルキル置換又はアリール置換カルボニル基;カルボキシル基;ビニル基;(メタ)アクリロイル基;エポキシ基;並びにオキセタニル基からなる群より選ばれる少なくとも1つが好ましいが、特にこれらに制限されない。
これらの置換基Rは、さらに上述の任意の置換基Rにより置換されていてもよい。また、複数の置換基Rは、互いに結合して環を形成していてもよい。
本明細書の第一の化合物において「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは、前記置換基Rで置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
本明細書の第一の化合物において、上記置換基Rの中でも、より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜10、より好ましくは3〜8、さらに好ましくは5又は6)のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50(好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8)のアルキル基及び置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜25、より好ましくは6〜18)のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50(好ましくは5〜24、より好ましくは5〜13)のヘテロアリール基、ハロゲン原子、及びシアノ基である。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基(異性体基を含む)、ヘキシル基(異性体基を含む)、ヘプチル基(異性体基を含む)、オクチル基(異性体基を含む)、ノニル基(異性体基を含む)、デシル基(異性体基を含む)、ウンデシル基(異性体基を含む)、及びドデシル基(異性体基を含む)等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基及びペンチル基(異性体基を含む)が好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基及びt−ブチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
本明細書の第一の化合物において、前記環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、及びアダマンチル基等が挙げられる。これらの中でも、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基が好ましい。
本明細書の第一の化合物において、前記環形成炭素数6〜50のアリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アセナフチレニル基、アントリル基、ベンゾアントリル基、アセアントリル基、フェナントリル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、フェナレニル基、フルオレニル基、ピセニル基、ペンタフェニル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[g]クリセニル基、s−インダセニル基、as−インダセニル基、フルオランテニル基、ベンゾ[k]フルオランテニル基、トリフェニレニル基、ベンゾ[b]トリフェニレニル基及びペリレニル基等が挙げられる。これらの中でも、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、ピレニル基、及びフルオランテニル基が好ましく、フェニル基、ビフェニリル基、及びターフェニリル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
本明細書の第一の化合物において、前記環形成炭素数6〜50のアリール基を有する炭素数7〜51のアラルキル基の具体例としては、アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の具体例である基が挙げられ、アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の具体例である基が挙げられる。前記炭素数7〜51のアラルキル基の好ましい例としては、前記アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の好ましい例である基が挙げられ、前記アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基の具体例としては、アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の具体例である基が挙げられ、アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の具体例である基が挙げられる。前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換又はジ置換アミノ基の好ましい例としては、前記アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の好ましい例である基が挙げられ、前記アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例、特に好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のアルキル基を有するアルコキシ基の具体例としては、アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の具体例である基が挙げられる。前記炭素数1〜50のアルキル基を有するアルコキシ基の好ましい例としては、前記アルキル基部位が前記炭素数1〜50のアルキル基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例、特に好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記環形成炭素数6〜50のアリール基を有するアリールオキシ基の具体例としては、アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の具体例である基が挙げられる。前記環形成炭素数6〜50のアリール基を有するアリールオキシ基の好ましい例としては、前記アリール基部位が前記環形成炭素数6〜50のアリール基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基としては、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基;モノアリールシリル基、ジアリールシリル基、トリアリールシリル基;モノアルキルジアリールシリル基、ジアルキルモノアリールシリル基が挙げられ、これらのアルキル基部位及びアリール基部位を、それぞれ、前記炭素数1〜50のアルキル基、及び環形成炭素数6〜50のアリール基の具体例とした例が挙げられる。また、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するモノ置換、ジ置換又はトリ置換シリル基の好ましい例としては、モノアルキルシリル基、ジアルキルシリル基、トリアルキルシリル基;モノアリールシリル基、ジアリールシリル基、トリアリールシリル基;モノアルキルジアリールシリル基、ジアルキルモノアリールシリル基のアルキル基部位及びアリール基部位が、それぞれ、前記炭素数1〜50のアルキル基、及び環形成炭素数6〜50のアリール基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例、特に好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記環形成原子数5〜50のヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピリジル基、イミダゾピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、ピラゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ベンゾチエニル基、イソベンゾチエニル基、インドリジニル基、キノリジニル基、キノリル基、イソキノリル基、シンノリル基、フタラジニル基、キナゾリニル基、キノキサリニル基、ベンズイミダゾリル基、ベンズオキサゾリル基、ベンズチアゾリル基、インダゾリル基、ベンズイソキサゾリル基、ベンズイソチアゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、9−フェニルカルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基及びキサンテニル基等が挙げられる。これらの中でも、ピリジル基、イミダゾピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ベンズイミダゾリル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、9−フェニルカルバゾリル基、フェナントロリニル基、及びキナゾリニル基が好ましい。
本明細書の第一の化合物において、前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のハロアルキル基の具体例としては、前記炭素数1〜50のアルキル基の水素原子が前記ハロゲン原子で置換された例が挙げられ、その場合の好ましいアルキル基は、前記炭素数1〜50のアルキル基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例、特に好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第一の化合物において、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルホニル基、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基の例としては、それぞれのアリール基部位とアルキル基部位を、それぞれ、前記環形成炭素数6〜50のアリール基、及び炭素数1〜50のアルキル基の具体例とした例が挙げられる。また、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するスルホニル基、前記炭素数1〜50のアルキル基及び環形成炭素数6〜50のアリール基から選ばれる置換基を有するジ置換ホスフォリル基、アルキルスルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルキル置換又はアリール置換カルボニル基の好ましい例としては、それぞれのアリール基部位とアルキル基部位が、それぞれ、前記環形成炭素数6〜50のアリール基、及び炭素数1〜50のアルキル基の好ましい例である基が挙げられる。より好ましい具体例、さらに好ましい具体例、特に好ましい具体例についても同様である。
本明細書の第二の化合物において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)、を包含する。
本明細書の第二の化合物において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジニル基は環形成炭素数5であり、フラニル基は環形成炭素数4である。また、ベンゼン環やナフタレン環に置換基として例えばアルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、環形成炭素数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の炭素数は環形成炭素数の数に含めない。
本明細書の第二の化合物において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば単環、縮合環、環集合)の化合物(例えば単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば環を構成する原子の結合手を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、特筆しない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環は環形成原子数が10であり、フラン環の環形成原子数が5である。ピリジン環やキナゾリン環の炭素原子にそれぞれ結合している水素原子や置換基を構成する原子については、環形成原子数の数に含めない。また、フルオレン環に置換基として例えばフルオレン環が結合している場合(スピロフルオレン環を含む)、置換基としてのフルオレン環の原子数は環形成原子数の数に含めない。
本明細書の第二の化合物において、「置換もしくは無置換の炭素数XX〜YYのZZ基」という表現における「炭素数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表すものであり、置換されている場合の置換基の炭素数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書の第二の化合物において、「置換もしくは無置換の原子数XX〜YYのZZ基」という表現における「原子数XX〜YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表すものであり、置換されている場合の置換基の原子数は含めない。ここで、「YY」は「XX」よりも大きく、「XX」と「YY」はそれぞれ1以上の整数を意味する。
本明細書の第二の化合物において、「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
本明細書の第二の化合物において各置換基の具体例としては、以下のものが挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数1〜50(好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、置換された炭素数1〜50(好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜5)のアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基は、上記アルキル基の水素原子の1つ以上がハロゲン原子で置換された基である。置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基としては、上記置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基において、1つ以上のハロゲン原子が置換した基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数2〜50(好ましくは2〜30、より好ましくは2〜18)のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタンジエニル基、1−メチルビニル基、1−メチルアリル基、1,1−ジメチルアリル基、2−メチルアリル基、1,2−ジメチルアリル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数2〜50(好ましくは2〜30、より好ましくは2〜18)のアルキニル基としては、エチニル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成炭素数3〜50(好ましくは3〜30、より好ましくは3〜18、さらに好ましくは3〜6)のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数1〜50(好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18)のアルコキシ基は−OXで表され、Xとしては、例えば、上記の炭素数1〜50のアルキル基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数1〜50の(好ましくは1〜30、より好ましくは1〜18)のアルキルチオ基は−SXで表され、Xとしては、例えば、上記の炭素数1〜50のアルキル基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18)のアリール基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−テルフェニル4−イル基、p−テルフェニル3−イル基、p−テルフェニル2−イル基、m−テルフェニル4−イル基、m−テルフェニル3−イル基、m−テルフェニル2−イル基、フルオレニル基等が挙げられる。
これらの中で、好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニルイル基、テルフェニル基、ピレニル基、フェナントリル基及びフルオレニル基であり、より好ましくはフェニル基、ナフチル基、ビフェニルイル基、テルフェニル基、ピレニル基及びフルオレニル基である。
本明細書の第二の化合物において、置換された環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18)のアリール基としては、例えば、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、パラ−イソプロピルフェニル基、メタ−イソプロピルフェニル基、オルト−イソプロピルフェニル基、p−t−ブチルフェニル基、メタ−t−ブチルフェニル基、オルト−t−ブチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、4−フェノキシフェニル基、4−メトキシフェニル基、3,4−ジメトキシフェニル基、3,4,5−トリメトキシフェニル基、4−(フェニルスルファニル)フェニル基、4−(メチルスルファニル)フェニル基、N',N'−ジメチル−N−フェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−テルフェニル4−イル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、9,9−ジフェニルフルオレニル基、9,9’−スピロビフルオレニル基、9,9−ジ(4−メチルフェニル)フルオレニル基、9,9−ジ(4−イソプロピルフェニル)フルオレニル基、9,9−ジ(4−tブチルフェニル)フルオレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18)のアリーレン基としては、例えば、上記に例示された環形成炭素数6〜50のアリール基を構成する芳香族炭化水素環から形成される2価の基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18)のアリールオキシ基は−OYで表され、Yとしては、例えば、上記の環形成炭素数6〜50のアリール基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成炭素数6〜50(好ましくは6〜30、より好ましくは6〜18)のアリールチオ基は−SYで表され、Yとしては、例えば、上記の環形成炭素数6〜50のアリール基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の炭素数7〜50(好ましくは7〜30、より好ましくは7〜18)のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、置換された炭素数7〜50(好ましくは7〜30、より好ましくは7〜18)のアラルキル基としては、例えば、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基等が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成原子数5〜50(好ましくは5〜30、より好ましくは5〜18)の1価の複素環基としては、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、及びチエニル基等、並びにピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環、ベンゾ[a]ジベンゾフラン環、ベンゾ[b]ジベンゾフラン環及びベンゾ[c]ジベンゾフラン環、1,3−ベンゾジオキソール環、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン環、フェナントロ[4,5−bcd]フラン環、ベンゾフェノキサジン環等から形成される1価の基が挙げられる。
尚、複素環基を構成するヘテロ原子としては、S、O及びN等のヘテロ原子の他、Si、Ge及びSe等のヘテロ原子も挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、無置換の環形成原子数5〜50(好ましくは5〜30、より好ましくは5〜18)の2価の複素環基としては、上記に例示された基及び1価の複素環等から形成される2価の基が挙げられる。
本明細書の第二の化合物において、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基としては、以下の基も含まれる。また、環形成原子数5〜50の2価の複素環基としては、以下の基を2価の基にした基も含まれる。
Figure 2020053667
Figure 2020053667
(式中、X1A〜X6A,Y1A〜Y6Aはそれぞれ酸素原子、硫黄原子、−NZ−基、又は−NH−基である。Zは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基、又は置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基である。Zが2以上存在する場合、2以上のZは同一でもよく、異なっていてもよい。)
本明細書の第二の化合物において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
本明細書中、好ましいとする態様(例えば、化合物、各種基、数値範囲等)は、他のあらゆる態様(例えば、化合物、各種基、数値範囲等)と任意に組み合わせることができ、また、好ましいとする態様(より好ましい態様、さらに好ましい態様、特に好ましい態様を含む。)の組み合わせはより好ましいと言える。
従来、TADF機構を利用した有機EL素子において、発光半値幅を細くすることは難しかった。本実施形態に係る有機EL素子によれば、有機EL素子の発光半値幅を従来と比べて細くすることができる。また、その結果、有機EL素子の色純度を向上させることができる。
さらに本実施形態に係る有機EL素子によれば、青色の波長領域において、有機EL素子の発光半値幅を従来と比べて細くすることができる。
[電子機器]
本実施形態の電子機器は、本実施形態の有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
〔第二実施形態〕
第二実施形態に係る有機EL素子の構成について説明する。第二実施形態の説明において第一実施形態と同一の構成要素は、同一符号及び名称を付す等して説明を省略もしくは簡略化する。また、第二実施形態では、特に言及されない材料及び化合物については、第一実施形態で説明した材料及び化合物と同様の材料及び化合物を用いることができる。
第二実施形態に係る有機EL素子は、発光層が、第三の化合物をさらに含んでいる点で、第一実施形態に係る有機EL素子と異なる。その他の点については第一実施形態と同様である。
<第三の化合物>
第三の化合物の一重項エネルギーS(M3)と、前記第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)とが、下記数式(数2)の関係を満たすことが好ましい。
(M3)>S(M1) …(数2)
第三の化合物は、遅延蛍光性の化合物でもよいし、遅延蛍光性を示さない化合物でもよい。
第三の化合物は、ホスト材料(マトリックス材料と称する場合もある。)であることも好ましい。第一の化合物及び第三の化合物がホスト材料である場合、例えば、一方を第一のホスト材料と称し、他方を第二のホスト材料と称する場合もある。
第三の化合物としては、特に限定されないが、アミン化合物以外の化合物であることが好ましい。また、例えば、第三の化合物としては、カルバゾール誘導体、ジベンゾフラン誘導体、又はジベンゾチオフェン誘導体を用いることができるが、これら誘導体に限定されない。
第三の化合物は、一つの分子中に下記一般式(31)で表される部分構造、及び下記一般式(32)で表される部分構造のうち少なくともいずれかを含む化合物であることも好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(31)において、
31〜Y36は、それぞれ独立に、窒素原子、又は第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
ただし、Y31〜Y36のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
前記一般式(32)において、
41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子、又は第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
ただし、Y41〜Y48のうち少なくともいずれかは、第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
30は、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子である。
前記一般式(32)において、Y41〜Y48のうち少なくとも2つが第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、当該炭素原子を含む環構造が構築されていることも好ましい。
例えば、前記一般式(32)で表される部分構造が、下記一般式(321)、一般式(322)、一般式(323)、一般式(324)、一般式(325)、及び一般式(326)で表される部分構造からなる群から選択されるいずれかの部分構造であることが好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(321)〜(326)において、
30は、それぞれ独立に、窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子であり、
41〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子、又は第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子であり、
31は、それぞれ独立に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、又は炭素原子であり、
61〜Y64は、それぞれ独立に、窒素原子、又は第三の化合物の分子中における他の原子と結合する炭素原子である。
本実施形態においては、第三の化合物は、前記一般式(321)〜(326)のうち前記一般式(323)で表される部分構造を有することが好ましい。
前記一般式(31)で表される部分構造は、下記一般式(33)で表される基及び下記一般式(34)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として第三の化合物に含まれることが好ましい。
第三の化合物は、下記一般式(33)及び下記一般式(34)で表される部分構造のうち少なくともいずれかの部分構造を有することも好ましい。下記一般式(33)及び下記一般式(34)で表される部分構造のように結合箇所が互いにメタ位に位置するため、第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)を高く保つことができる。
Figure 2020053667
前記一般式(33)において、Y31、Y32、Y34、及びY36は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR31である。
前記一般式(34)において、Y32、Y34、及びY36は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR31である。
前記一般式(33)及び(34)において、
31は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR31は、それぞれ独立に、
置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換又は無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換又は無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換又は無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換又は無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、及び
置換又は無置換のカルボキシ基
からなる群から選択される。
ただし、前記R31における置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基は、非縮合環であることが好ましい。
前記一般式(33)及び前記一般式(34)において、*は、第三の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所を表す。
前記一般式(33)において、Y31、Y32、Y34及びY36は、それぞれ独立に、CR31であることが好ましく、複数のR31は、互いに同一であるか、又は異なる。
また、前記一般式(34)において、Y32、Y34及びY36は、それぞれ独立に、CR31であることが好ましく、複数のR31は、互いに同一であるか、又は異なる。
置換ゲルマニウム基は、−Ge(R301で表されることが好ましい。R301は、それぞれ独立に、置換基である。置換基R301は、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、又は置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基であることが好ましい。複数のR301は、互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(32)で表される部分構造は、下記一般式(35)〜(39)及び下記一般式(30a)で表される基からなる群から選択される少なくともいずれかの基として第三の化合物に含まれることが好ましい。
Figure 2020053667
前記一般式(35)において、Y41乃至Y48は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR32である。
前記一般式(36)及び(37)において、Y41〜Y45、Y47、及びY48は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR32である。
前記一般式(38)において、Y41、Y42、Y44、Y45、Y47、及びY48は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR32である。
前記一般式(39)において、Y42〜Y48は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR32である。
前記一般式(30a)において、Y42〜Y47は、それぞれ独立に、窒素原子又はCR32である。
前記一般式(35)〜(39),及び(30a)において、
32は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であり、
置換基としてのR32は、
置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換又は無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換又は無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換又は無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換又は無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、及び
置換又は無置換のカルボキシ基
からなる群から選択され、
複数のR32は、互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(37)〜(39),及び(30a)において、X30は、NR33、酸素原子、又は硫黄原子であり、
33は、
置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、
置換又は無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、
置換又は無置換の炭素数1〜30のフルオロアルキル基、
置換又は無置換の環形成炭素数3〜30のシクロアルキル基、
置換又は無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換又は無置換のシリル基、
置換ゲルマニウム基、
置換ホスフィンオキシド基、
フッ素原子、
シアノ基、
ニトロ基、及び
置換又は無置換のカルボキシ基
からなる群から選択され、
複数のR33は、互いに同一であるか又は異なる。
ただし、前記R33における置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基は、非縮合環であることが好ましい。
前記一般式(35)〜(39),(30a)において、*は、第三の化合物の分子中における他の原子又は他の構造との結合箇所を表す。
前記一般式(35)において、Y41〜Y48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(36)及び前記一般式(37)において、Y41〜Y45,Y47及びY48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(38)において、Y41,Y42,Y44,Y45,Y47及びY48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(39)において、Y42〜Y48は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、前記一般式(30a)において、Y42〜Y47は、それぞれ独立に、CR32であることが好ましく、複数のR32は、互いに同一であるか又は異なる。
第三の化合物において、X30は、酸素原子又は硫黄原子であることが好ましく、酸素原子であることがより好ましい。
第三の化合物において、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子又は置換基であって、置換基としてのR31及び置換基としてのR32は、それぞれ独立に、フッ素原子、シアノ基、置換又は無置換の炭素数1〜30のアルキル基、置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、及び置換又は無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基からなる群から選択されるいずれかの基であることが好ましい。R31及びR32は、水素原子、シアノ基、置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基、又は置換又は無置換の環形成原子数5〜30のヘテロアリール基であることがより好ましい。ただし、置換基としてのR31及び置換基としてのR32が置換又は無置換の環形成炭素数6〜30のアリール基である場合、当該アリール基は、非縮合環であることが好ましい。
第三の化合物は、芳香族炭化水素化合物、又は芳香族複素環化合物であることも好ましい。また、第三の化合物は、分子中に縮合芳香族炭化水素環を有していないことが好ましい。
・第三の化合物の製造方法
第三の化合物は、例えば、国際公開第2012/153780号及び国際公開第2013/038650号等に記載の方法により製造することができる。また、例えば、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることで、第三の化合物を製造できる。
第三の化合物における置換基の例は、例えば、以下のとおりであるが、本発明は、これらの例に限定されない。
アリ−ル基(芳香族炭化水素基と称する場合がある。)の具体例としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、ベンゾ[g]クリセニル基、ベンゾアントリル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9−ジメチルフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、フルオランテニル基等が挙げられ、好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、及びフルオレニル基等を挙げることができる。
置換基を有するアリ−ル基としては、トリル基、キシリル基、及び9,9−ジメチルフルオレニル基等を挙げることができる。
具体例が示すように、アリール基は、縮合アリール基及び非縮合アリール基の両方を含む。
アリ−ル基としては、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、クォーターフェニル基、ナフチル基、トリフェニレニル基、及びフルオレニル基が好ましい。
ヘテロアリール基(複素環基、ヘテロ芳香族環基、又は芳香族複素環基と称する場合がある。)の具体例としては、ピロリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピリジル基、トリアジニル基、インドリル基、イソインドリル基、イミダゾリル基、ベンズイミダゾリル基、インダゾリル基、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、アザジベンゾチエニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、ナフチリジニル基、カルバゾリル基、アザカルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、フラザニル基、ベンズオキサゾリル基、チエニル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、ベンズチアゾリル基、トリアゾリル基、及びテトラゾリル基等が挙げられ、好ましくは、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、アザジベンゾフラニル基、及びアザジベンゾチエニル基等を挙げることができる。
ヘテロアリール基としては、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、カルバゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、アザジベンゾフラニル基、及びアザジベンゾチエニル基が好ましく、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチエニル基、アザジベンゾフラニル基、及びアザジベンゾチエニル基がさらに好ましい。
第三の化合物において、置換シリル基は、置換又は無置換のトリアルキルシリル基、置換又は無置換のアリールアルキルシリル基、及び置換又は無置換のトリアリールシリル基からなる群から選択されることも好ましい。
置換又は無置換のトリアルキルシリル基の具体例としては、トリメチルシリル基、及びトリエチルシリル基を挙げることができる。
置換若しくは無置換のアリールアルキルシリル基の具体例としては、ジフェニルメチルシリル基、ジトリルメチルシリル基、及びフェニルジメチルシリル基等を挙げることができる。
置換又は無置換のトリアリールシリル基の具体例としては、トリフェニルシリル基、及びトリトリルシリル基等を挙げることができる。
第三の化合物において、置換ホスフィンオキシド基は、置換又は無置換のジアリールホスフィンオキシド基であることも好ましい。
置換又は無置換のジアリールホスフィンオキシド基の具体例としては、ジフェニルホスフィンオキシド基、及びジトリルホスフィンオキシド基等を挙げることができる。
第三の化合物において、置換カルボキシ基としては、例えば、ベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
第三の化合物において、これまでに規定しない置換基については、第一の化合物について規定した置換基の例による。ここで「例による」とは、第三の化合物の置換基の好ましい炭素数・原子数や具体例、好ましい具体例等は、第一の化合物の置換基についての規定を参照するという意味である。
また、第三の化合物において、「置換又は無置換」との記載における置換基についても、第一の化合物における「置換もしくは無置換」との記載の例による。
<発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の関係>
発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物は、前記数式(数1)及び前記数式(数2)の関係を満たすことが好ましい。即ち、下記数式(数3)の関係を満たすことが好ましい。
(M3)>S(M1)>S(M2) …(数3)
第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)よりも大きいことが好ましい。即ち、下記数式(数5)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M3)>T77K(M1) …(数5)
第三の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M3)は、第二の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M2)よりも大きいことが好ましい。即ち、下記数式(数6)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M3)>T77K(M2) …(数6)
発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物は、前記数式(数4)及び前記数式(数5)の関係を満たすことが好ましい。即ち、下記数式(数7)の関係を満たすことが好ましい。
77K(M3)>T77K(M1)>T77K(M2) …(数7)
本実施形態の有機EL素子を発光させたときに、発光層において、主に第二の化合物が発光していることが好ましい。
・発光層における化合物の含有率
発光層に含まれている第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の含有率は、例えば、以下の範囲であることが好ましい。
第一の化合物の含有率は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましく、10質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上60質量%であることがさらに好ましい。
第二の化合物の含有率は、0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上5質量%以下であることがより好ましく、0.01質量%以上1質量%以下であることがさらに好ましい。
第三の化合物の含有率は、10質量%以上80質量%以下であることが好ましい。
発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。尚、本実施形態は、発光層に、第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
図5は、発光層における第一の化合物、第二の化合物、及び第三の化合物のエネルギー準位の関係の一例を示す図である。図5において、S0は、基底状態を表す。S(M1)は、第一の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M1)は、第一の化合物の最低励起三重項状態を表す。S(M2)は、第二の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M2)は、第二の化合物の最低励起三重項状態を表す。S(M3)は、第三の化合物の最低励起一重項状態を表し、T1(M3)は、第三の化合物の最低励起三重項状態を表す。図5中のS(M1)からS(M2)へ向かう破線の矢印は、第一の化合物の最低励起一重項状態から第二の化合物の最低励起一重項状態へのフェルスター型エネルギー移動を表す。
図5に示すように、第一の化合物としてΔST(M1)の小さな化合物を用いると、最低励起三重項状態T1(M1)は、熱エネルギーにより、最低励起一重項状態S(M1)に逆項間交差が可能である。そして、第一の化合物の最低励起一重項状態S(M1)から第二の化合物へのフェルスター型エネルギー移動が生じ、最低励起一重項状態S(M2)が生成する。この結果、第二の化合物の最低励起一重項状態S(M2)からの蛍光発光を観測することができる。このTADF機構による遅延蛍光を利用することによっても、理論的に内部効率を100%まで高めることができると考えられている。
第二実施形態に係る有機EL素子によれば、有機EL素子の発光半値幅を従来と比べて細くすることができる。また、その結果、有機EL素子の色純度を向上させることができる。
さらに、第二実施形態に係る有機EL素子によれば、青色の波長領域において、有機EL素子の発光半値幅を従来と比べて細くすることができる。
第二実施形態に係る有機EL素子は、第一の実施形態に係る有機EL素子と同様に、表示装置及び発光装置等の電子機器に使用できる。
〔実施形態の変形〕
尚、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更及び改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
その他、本発明の実施における具体的な構造及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、本発明に係る実施例を説明する。本発明は、これらの実施例によって何ら限定されない。
<化合物>
有機EL素子の製造に用いた化合物を以下に示す。
Figure 2020053667
Figure 2020053667
<化合物の合成>
(合成例1:化合物BD−4の合成)
下記合成経路で、化合物BD−4を合成した。
Figure 2020053667
中間体1の合成
アルゴン雰囲気下、2−ヨードニトロベンゼン(9.7g、39mmol)、5−ブロモ−2−メトキシフェニルボロン酸(9.2g、40mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(Pd(PPh、1.1g、0.975mmol)、KPO(21g、97mmol)をエタノール(95mL)に溶解させ、8時間還流した。反応終了後、溶媒を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィで精製して黄色固体(8.8g、収率73%)を得た。得られた固体は目的物である中間体1であり、マススペクトル分析の結果、分子量308に対し、m/e=308であった。
中間体2の合成
中間体1(7.00g、22.7mmol)をo−ジクロロベンゼン(80mL)に溶解させ、トリフェニルホスフィン(14.9g、56.8mmol)を加え、12時間還流した。反応終了後、溶媒を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィで精製して白色固体(5.7g、収率78%)を得た。得られた固体は目的物である中間体2であり、マススペクトル分析の結果、分子量276に対し、m/e=276であった。
中間体3の合成
アルゴン雰囲気下、中間体2(5.7g、21mmol)、ピナコールボラン(7.9g、62mmol)、ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルフォスフィノ)フェロセン]パラジウム(PdCl(dppf)、1.5g、2.0mmol)をジオキサン(250mL)に溶解させ、トリエチルアミン(11.5mL、83mmol)を加え、5時間還流した。反応終了後、溶媒を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィで精製して黄色固体(5.0g、収率75%)を得た。得られた固体は目的物である中間体3であり、マススペクトル分析の結果、分子量323に対し、m/e=323であった。
中間体4の合成
アルゴン雰囲気下、ジブロモジヨードベンゼン(2.5g、5.1mmol)、中間体3(4.97g、15.4mmol)、Pd(PPh(237mg、0.205mmol)をトルエン(250mL)とジメチルスルホキシド(DMSO、50mL)に溶解し、これに2M NaCO水溶液(13mL)を加え90℃で24時間加熱撹拌した。反応終了後、減圧下トルエンを除去し沈殿した固体をろ別した。この固体をメタノールと酢酸エチルで洗浄し白色固体(2.5g、収率75%)を得た。得られた固体は目的物である中間体4であり、マススペクトル分析の結果、分子量626に対し、m/e=626であった。
中間体5の合成
アルゴン雰囲気下、中間体4(2.5g、3.99mmol)、CuI(76mg、0.40mmol)、L−プロリン(92mg、0.80mmol)、KCO(1.38g、10mmol)をDMSO(80mL)に懸濁し、150℃で6時間加熱撹拌した。反応終了後、沈殿した固体をろ別した。この固体をメタノールと酢酸エチルで洗浄し茶色固体(1.4g、収率75%)を得た。得られた固体は目的物である化合物5であり、マススペクトル分析の結果、分子量464に対し、m/e=464であった。
中間体6の合成
中間体5(1.4g、3.0mmol)をジクロロメタン(150mL)に溶解させ、1MのBBrのジクロロメタン溶液(15mL、15mmol)を加え、8時間還流した。反応終了後、氷水(50mL)を加え、沈殿をろ別した。この固体をメタノールで洗浄し白色固体(1.4g)を得た。得られた固体は目的物である中間体6であり、マススペクトル分析の結果、分子量436に対し、m/e=436であった。
中間体7の合成
中間体6(1.4g、3.2mmol)をジクロロメタン(75mL)とピリジン(75mL)に懸濁させ、無水トリフラート(3.8mL、22.5mmol)を加え室温で8時間撹拌した。反応終了後、水(50mL)を加え、沈殿をろ別した。この固体をメタノールと酢酸エチルで洗浄し白色固体(1.8g、収率72%)を得た。得られた固体は目的物である中間体7であり、マススペクトル分析の結果、分子量700に対し、m/e=700であった。
BD−4の合成
アルゴン雰囲気下、中間体7(1.00g、1.43mmol)、4−iPr−N−フェニルアニリン(754mg、3.57mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba)、26mg、0.029mmol)、ジ−tert−ブチル(1−メチル−2,2−ジフェニルシクロプロピル)ホスフィン(40mg、0.11mmol)をキシレン(120mL)に溶解し、1Mのリチウムビス(トリメチルシリル)アミドのテトラヒドロフラン溶液(3.6mL、3.6mmol)を加え、8時間還流した。反応終了後セライトろ過し、溶媒を留去して得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し黄色固体(300mg、収率26%)を得た。得られた固体は目的物であるBD−4であり、マススペクトル分析の結果、分子量823に対し、m/e=823であった。
(合成例2:化合物BD−14の合成)
下記合成経路で、化合物BD−14を合成した。
Figure 2020053667
中間体32の合成
3,6−ジ−tert−ブチル−9H−カルバゾール(11.6g、41.5mmol)と1−ブロモ−2−フルオロ−4−ヨードベンゼン(25g、83mmol)と炭酸セシウム(27g、83mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(145mL)に懸濁させ、150℃で22時間加熱撹拌した。反応終了後、水を加え、固体を濾別した。この固体をカラムクロマトグラフィで精製し、白色固体(21.5g、収率92%)を得た。得られた固体は目的物である中間体32であり、マススペクトル分析の結果、分子量560.3に対し、m/e=561であった。
中間体33の合成
アルゴン雰囲気下、中間体32(5.00g、8.92mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(3.40g、13.4mmol)、酢酸パラジウム(40mg、0.18mmol)、トリフェニルホスフィン(50mg、0.19mmol)、ヨウ化銅(0.34g、1.79mmol)、炭酸セシウム(4.4g、13.5mmol)をアセトニトリル(50mL)に懸濁させ、室温で20時間撹拌した。反応終了後、セライトろ過し、溶媒を濃縮した。得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し白色固体(3.84g、収率77%)を得た。得られた固体は目的物である中間体33であり、マススペクトル分析の結果、分子量560.4に対し、m/e=561であった。
中間体34の合成
アルゴン雰囲気下、ヨウ素中間体32(3.49g、6.23mmol)、ボロン酸中間体33(3.84g、6.85mmol)、Pd(PPh(360mg、0.312mmol)、炭酸カリウム(2.60g、18.8mmol)をテトラヒドロフラン(90mL)と水(20mL)に溶解し、80℃で10時間加熱撹拌した。反応終了後、塩化メチレンで抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた。固体をろ過で除き、溶媒を留去して得られた残渣をカラムクロマトグラフィで精製し、白色固体(5.33g、収率99%)を得た。得られた固体は目的物である中間体34であり、マススペクトル分析の結果、分子量866.8に対し、m/e=867であった。
中間体35の合成
アルゴン雰囲気下、中間体34(5.33g、6.15mmol)、アリル[1,3−ビス(2,6−ジイソプロピルフェニル)イミダゾール−2−イリデン]クロロパラジウム(140mg、0.245mmol)、炭酸カリウム(3.40g、24.6mmol)をN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)に懸濁させ、130℃で11時間加熱撹拌した。反応終了後、水を加え固体を濾別した。得られた固体をカラムクロマトグラフィで精製し、黄色固体(3.0g、収率69%)を得た。得られた固体は目的物である中間体35であり、マススペクトル分析の結果、分子量705.0に対し、m/e=706であった。
中間体36の合成
中間体35(3.00g、4.26mmol)をN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)と塩化メチレン(150mL)に溶解させ、撹拌しながらN−ブロモスクシンイミド(1.67g、9.38mmol)を加え、室温で11時間撹拌した。反応終了後、塩化メチレンを留去し、残った有機相に水を加え、沈殿を濾別した。この固体をカラムクロマトグラフィで精製し、白色固体(3.51g、収率95%)を得た。得られた固体は目的物である中間体36であり、マススペクトル分析の結果、分子量862.8に対し、m/e=863であった。
BD−14の合成
アルゴン雰囲気下、中間体36(3.50g、4.06mmol)、Pd(dba)(190mg、0.207mmol)、トリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(240mg、0.828mmol)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.56g、16.3mmol)をトルエン(40mL)に懸濁させ、アニリン(0.37mL、4.1mmol)を加えた。80℃で22時間加熱撹拌した。反応終了後、析出した固体をろ過し、トルエン、メタノールで洗浄した結果、黄色固体(2.46g、収率76%)を得た。得られた固体は目的物であるBD−14であり、マススペクトル分析の結果、分子量794.1に対し、m/e=795であった。
<化合物の評価>
化合物の性質を測定する方法を以下に示す。
・遅延蛍光性
遅延蛍光性は図2に示す装置を利用して過渡PLを測定することにより確認した。前記化合物TADF−1と前記化合物TH−2とを、化合物TADF−1の割合が12質量%となるように石英基板上に共蒸着し、膜厚100nmの薄膜を形成して試料を作製した。前記化合物TADF−1が吸収する波長のパルス光(パルスレーザーから照射される光)で励起された後、当該励起状態から即座に観察されるPrompt発光(即時発光)と、当該励起後、即座には観察されず、その後観察されるDelay発光(遅延発光)とが存在する。本実施例における遅延蛍光発光とは、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上を意味する。具体的には、Prompt発光(即時発光)の量をXとし、Delay発光(遅延発光)の量をXとしたときに、X/Xの値が0.05以上であることを意味する。
化合物TADF−1について、Delay発光(遅延発光)の量がPrompt発光(即時発光)の量に対して5%以上あることが確認された。具体的には、化合物TADF−1について、X/Xの値が0.05以上であることが確認された。
Prompt発光とDelay発光の量は、“Nature 492, 234−238, 2012”に記載された方法と同様の方法により求めることができる。尚、Prompt発光とDelay発光の量の算出に使用される装置は、図2の装置や文献に記載された装置に限定されない。
・一重項エネルギーS
化合物TADF−1、化合物BD−4、化合物BD−14、及び化合物D−1の一重項エネルギーSは、前述の溶液法により測定した。
化合物TADF−1の一重項エネルギーSは、2.90eVであった。
化合物BD−4の一重項エネルギーSは、2.8eVであった。
化合物BD−14の一重項エネルギーSは、2.8eVであった。
化合物D−1の一重項エネルギーSは、3.54eVであった。
・77[K]におけるエネルギーギャップT77K
化合物TADF−1のT77Kは、前述の溶液法により測定した。
化合物TADF−1のT77Kは、2.87eVであった。従って、化合物TADF−1のΔSTは0.03eVであった。
<有機EL素子の作製>
有機EL素子を以下のように作製し、評価した。
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)を、イソプロピルアルコール中で5分間超音波洗浄を行った後、UVオゾン洗浄を30分間行った。ITOの膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付き前記ガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして化合物HI−1を蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
次に、正孔注入層上に、化合物HT−1を蒸着し、HI−1膜上に膜厚80nmの第一正孔輸送層を形成した。
次に、この第一正孔輸送層上に、化合物HT−2を蒸着し、膜厚10nmの第二正孔輸送層を形成した。
次に、この第二正孔輸送層上に、化合物mCPを蒸着し、膜厚5nmの第三正孔輸送層を形成した。
次に、この第三正孔輸送層上に、化合物D−1と、化合物TADF−1と、化合物BD−4とを共蒸着し、膜厚25nmの発光層を形成した。発光層における化合物D−1の濃度を75質量%とし、化合物TADF−1の濃度を24質量%とし、化合物BD−4の濃度を1質量%とした。
次に、この発光層上に、化合物ET−1を蒸着し、膜厚5nmの第一電子輸送層を形成した。
次に、この第一電子輸送層上に、化合物ET−2を蒸着し、膜厚20nmの第二電子輸送層を形成した。
次に、この第二電子輸送層上に、フッ化リチウム(LiF)を蒸着し、膜厚1nmの電子注入性電極(陰極)を形成した。
そして、この電子注入性電極上に、金属アルミニウム(Al)を蒸着し、膜厚80nmの金属Al陰極を形成した。
実施例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI-1(5)/HT-1(80)/HT-2(10)/mCP(5)/D-1:TADF-1:化合物BD-4(25, 75%:24%:1%)/ET-1(5)/ET-2(20)/LiF(1)/Al(80)
尚、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。また、同じく括弧内において、パーセント表示された数字は、発光層における各化合物の割合(質量%)を示す。
(実施例2)
実施例2の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−4に代えて、化合物BD−14を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
実施例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI-1(5)/HT-1(80)/HT-2(10)/mCP(5)/D-1:TADF-1:化合物BD-14(25, 75%:24%:1%)/ET-1(5)/ET-2(20)/LiF(1)/Al(80)
(比較例1)
比較例1の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−4に代えて、比較化合物1を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
比較例1の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI-1(5)/HT-1(80)/HT-2(10)/mCP(5)/D-1:TADF-1:比較化合物1(25, 75%:24%:1%)/ET-1(5)/ET-2(20)/LiF(1)/Al(80)
(比較例2)
比較例2の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−4に代えて、比較化合物2を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
比較例2の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI-1(5)/HT-1(80)/HT-2(10)/mCP(5)/D-1:TADF-1:比較化合物2(25, 75%:24%:1%)/ET-1(5)/ET-2(20)/LiF(1)/Al(80)
(比較例3)
比較例3の有機EL素子は、実施例1の発光層における化合物BD−4に代えて、比較化合物3を用いたこと以外、実施例1と同様にして作製した。
比較例3の有機EL素子の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HI-1(5)/HT-1(80)/HT-2(10)/mCP(5)/D-1:TADF-1:比較化合物3(25, 75%:24%:1%)/ET-1(5)/ET-2(20)/LiF(1)/Al(80)
<有機EL素子の評価>
実施例1及び2、並びに比較例1〜3において作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
・EQE相対値
電流密度が0.1mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)で計測した。
得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し、電流密度が0.1mA/cmの時の外部量子効率EQE(EQE(0.1))を算出した。
また、電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)で計測した。
得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し、電流密度が10mA/cmの時の外部量子効率EQE(EQE(10))を算出した。
電流密度が0.1mA/cmの時の外部量子効率EQE(EQE(0.1))に対する電流密度が10mA/cmの時の外部量子効率EQE(EQE(10))の比から、EQE相対値(EQE(10)/EQE(0.1))を求めた。
・主ピーク波長λp及び発光半値幅FWHM
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)で計測した。
得られた分光放射輝度スペクトルから、主ピーク波長λ(単位:nm)を求めた。
また、得られた分光放射輝度スペクトルから、発光半値幅FWHM(単位:nm)を測定した。
Figure 2020053667
実施例1〜2の有機EL素子によれば、比較例1〜3の有機EL素子と比べて、発光半値幅FWHMを細くすることができる。尚、実施例1〜2の有機EL素子は、比較例1〜3の有機EL素子とEQE相対値及び発光波長λpが同等であった。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…発光層、6…正孔注入層、7…正孔輸送層、8…電子輸送層、9…電子注入層、10…有機層。
100…過渡PL測定装置、101…パルスレーザー部、102…試料室、103…分光器、104…ストリークカメラ、105…パーソナルコンピュータ。

Claims (28)

  1. 陽極と、発光層と、陰極と、を有し、
    前記発光層は、第一の化合物、及び第二の化合物を含み、
    前記第一の化合物は、遅延蛍光性の化合物であり、
    前記第二の化合物は、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物である、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(1−1)、前記式(1−2)及び前記式(1−3)中、
    環Aは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環、又は下記式(2)で表されるベンゼン環である。
    前記式(1−1)の2つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
    前記式(1−2)の3つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
    〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよく、異なっていてもよい。)
    Figure 2020053667
    (前記式(2)中、
    2つの*の環形成炭素原子の一方で、前記式(1−1)又は前記式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で前記式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
    17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
    nは1又は2の整数である。nが2である場合、2つのR17は同じであってもよいし、異なってもよい。)
  2. 前記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は前記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(3)、式(4)又は式(5)で表される化合物である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3)、前記式(4)及び前記式(5)中、
    環A’は、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環である。
    〜R及びR10〜R17は、前記式(1−1)、前記式(1−2)、前記式(1−3)及び前記式(2)で定義した通りである。)
  3. 前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環が、置換もしくは無置換のナフタレン環、置換もしくは無置換のアントラセン環、又は置換もしくは無置換のフルオレン環であり、前記置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環が、置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環が、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のフルオレン環であり、前記置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環が、置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である請求項1〜3のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は前記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(6−1)〜式(6−6)で表される化合物からなる群から選択される請求項1〜4のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(6−1)〜(6−6)中、
    〜R17は、前記式(1−1)、前記式(1−2)、前記式(1−3)及び前記式(2)で定義した通りである。
    Xは、O、NR25、又はC(R26)(R27)である。
    21〜R27のうち隣接する2つ以上の1組以上は、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR21〜R27は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
  6. 〜R17が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の複素環基からなる群から選択される請求項1〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 〜R17が、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、及び置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の複素環基からなる群から選択される請求項1〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は前記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(3−2)で表される化合物である請求項1〜7のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3−2)中、R、R、R、R10、R12及びR13は、前記式(1−1)及び前記式(1−3)で定義した通りである。)
  9. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜50のアルキル基、炭素数1〜50のハロアルキル基、炭素数2〜50のアルケニル基、炭素数2〜50のアルキニル基、環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、炭素数1〜50のアルコキシ基、炭素数1〜50のアルキルチオ基、環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R41)(R42)(R43)、−C(=O)R44、−COOR45、−S(=O)46、−P(=O)(R47)(R48)、−Ge(R49)(R50)(R51)、−N(R52)(R53)(ここで、R41〜R53は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。R41〜R53が2以上存在する場合、2以上のR41〜R53のそれぞれは同一でもよく、異なっていてもよい。)、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、環形成炭素数6〜50のアリール基、及び環形成原子数5〜50の1価の複素環基からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜50のアルキル基、環形成炭素数6〜50のアリール基、又は環形成原子数5〜50の1価の複素環基である請求項1〜9のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、又は環形成原子数5〜18の1価の複素環基である請求項1〜10のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は前記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物が、下記式(3−11)で表される化合物である請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3−11)中、
    〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。但し、R〜R及びR10〜R16の少なくとも1つは−N(R36)(R37)である。
    17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
  13. 前記式(3−11)で表される化合物が、下記式(3−12)で表される化合物である請求項12に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3−12)中、
    〜R及びR10〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。但し、R〜R及びR10〜R16のいずれか2つは−N(R36)(R37)である。
    17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
  14. 前記式(3−11)で表される化合物が、下記式(3−13)で表される化合物である請求項12又は13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3−13)中、
    〜R及びR10〜R13のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R及びR10〜R13、並びにR17は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の1価の複素環基である。2つのR17は互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。
    、R、R及びRは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜18の1価の複素環基である。)
  15. 前記式(3−13)で表される化合物が、下記式(3−14)で表される化合物である請求項14に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(3−14)中、R17、R、R、R及びRは、前記式(3−13)で定義した通りである。)
  16. 、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜18のアリール基である請求項14又は15に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  17. 、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である請求項14〜16のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  18. 前記2つのR17が、それぞれ水素原子である請求項12〜17のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜18のアルキル基、環形成炭素数6〜18のアリール基、及び環形成原子数5〜18の1価の複素環基からなる群から選択される、請求項12〜18のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、炭素数1〜5のアルキル基である請求項12〜19のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記第二の化合物が、下記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は下記式(1−2)及び(1−3)で表される化合物である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2020053667
    (前記式(1−1)、前記式(1−2)及び前記式(1−3)中、
    環Aは、置換もしくは無置換の環形成炭素数10〜50の縮合アリール環、置換もしくは無置換の環形成原子数8〜50の縮合複素環、又は下記式(2)で表されるベンゼン環である。
    前記式(1−1)の2つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
    前記式(1−2)の3つの結合手*は、それぞれ、前記環Aの前記縮合アリール環の環形成炭素原子、前記縮合複素環の環形成原子、又は前記式(2)で表されるベンゼン環の環形成炭素原子と結合する。
    〜R16のうち隣接する2つ以上の1組以上が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成してもよい。
    前記置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成しないR〜R16は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
    但し、前記環Aが前記式(2)で表されるベンゼン環である場合には、R〜R17のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である;又は、R〜R16のうち隣接する2つ以上の少なくとも1組が、置換もしくは無置換の飽和又は不飽和の環を形成する。)
    Figure 2020053667
    (前記式(2)中、
    2つの*の環形成炭素原子の一方で、前記式(1−1)又は前記式(1−2)のベンゼン環Bから延びる結合手が結合し、他方で前記式(1−3)のベンゼン環Cから延びる結合手が結合する。
    17は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルケニル基、置換もしくは無置換の炭素数2〜50のアルキニル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキルチオ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜50のアラルキル基、−Si(R31)(R32)(R33)、−C(=O)R34、−COOR35、−N(R36)(R37)、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5〜50の1価の複素環基である。
    31〜R37のそれぞれが複数存在する場合、複数存在するR31〜R37のそれぞれは、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
    nは1又は2の整数である。nが2である場合、2つのR17は同じであってもよいし、異なっていてもよい。)
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が、前記式(1−1)及び(1−3)で表される化合物、又は前記式(1−2)及び(1−3)で表される前記第二の化合物を0.01質量%以上10質量%以下含有する、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  23. 請求項1〜22のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記第一の化合物の一重項エネルギーS(M1)と、前記第一の化合物の77[K]におけるエネルギーギャップT77K(M1)との差ΔST(M1)が下記数式(数10)の関係を満たす、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    ΔST(M1)=S(M1)−T77K(M1)<0.3[eV]…(数10)
  24. 請求項1〜23のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が、重金属錯体を含まない、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  25. 請求項1〜24のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層は、さらに第三の化合物を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  26. 請求項1〜25のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記陽極と前記発光層との間に正孔輸送層を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  27. 請求項1〜26のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記陰極と前記発光層との間に電子輸送層を含む、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  28. 請求項1〜27のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器。
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