JP2024057117A - 有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】発光効率が高く、長寿命の有機EL素子を提供する。【解決手段】第一の陽極側有機層61、第一の発光層51、第二の発光層52及び第一の陰極側有機層71がこの順で配置され、第一の発光層51は一般式(1)で表される第一のホスト材料及び第一の発光性化合物を含み、第二の発光層52は第二のホスト材料及び第二の発光性化合物を含み、第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物のそれぞれの三重項エネルギーT1(H1)、T1(H2)及びT1(D2)が数式(数1)の関係を満たす有機EL素子1。T1(H1)<T1(H2)<T1(D2)…(数1)A-L-B…(1)(一般式(1)中、Aはトリプレット構造部位であり、Bは正孔注入構造部位であり、Lは、単結合又は連結基であり、Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は-5.70eV以上である。)【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1においては、複数の発光層を積層させる技術について検討がなされている。また、特許文献2には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
特開2013-157552号公報 国際公開第2010/134350号
本発明の目的は、発光効率が高く、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、及び当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、陰極と、第一の陽極側有機層と、第一の発光層と、第二の発光層と、第一の陰極側有機層と、を有し、
前記陽極及び前記陰極の間において、前記第一の陽極側有機層、前記第一の発光層、前記第二の発光層及び前記第一の陰極側有機層が、この順で配置され、
前記第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含み、
前記第一の発光層は、下記一般式(1H)で表される第一のホスト材料を含み、
前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、
前記第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含み、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含み、
前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
(H1)<T(H2)<T(D2) …(数1)
A-L-B …(1H)
(前記一般式(1H)において、
Aは、トリプレット構造部位であり、
Bは、正孔注入構造部位であり、
Lは、単結合又は連結基であり、
前記正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。)
本発明の一態様によれば、本発明の一態様に係る有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器が提供される。
本発明の一態様によれば、発光効率が高く、長寿命の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することができる。本発明の一態様によれば、当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子の一例の概略構成を示す図である。
[定義]
本明細書において、水素原子とは、中性子数が異なる同位体、即ち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、及び三重水素(tritium)を包含する。
本明細書において、化学構造式中、「R」等の記号や重水素原子を表す「D」が明示されていない結合可能位置には、水素原子、即ち、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子が結合しているものとする。
本明細書において、環形成炭素数とは、原子が環状に結合した構造の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子のうちの炭素原子の数を表す。当該環が置換基によって置換される場合、置換基に含まれる炭素は環形成炭素数には含まない。以下で記される「環形成炭素数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ベンゼン環は環形成炭素数が6であり、ナフタレン環は環形成炭素数が10であり、ピリジン環は環形成炭素数5であり、フラン環は環形成炭素数4である。また、例えば、9,9-ジフェニルフルオレニル基の環形成炭素数は13であり、9,9’-スピロビフルオレニル基の環形成炭素数は25である。
また、ベンゼン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ベンゼン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているベンゼン環の環形成炭素数は、6である。また、ナフタレン環に置換基として、例えば、アルキル基が置換している場合、当該アルキル基の炭素数は、ナフタレン環の環形成炭素数に含めない。そのため、アルキル基が置換しているナフタレン環の環形成炭素数は、10である。
本明細書において、環形成原子数とは、原子が環状に結合した構造(例えば、単環、縮合環、及び環集合)の化合物(例えば、単環化合物、縮合環化合物、架橋化合物、炭素環化合物、及び複素環化合物)の当該環自体を構成する原子の数を表す。環を構成しない原子(例えば、環を構成する原子の結合を終端する水素原子)や、当該環が置換基によって置換される場合の置換基に含まれる原子は環形成原子数には含まない。以下で記される「環形成原子数」については、別途記載のない限り同様とする。例えば、ピリジン環の環形成原子数は6であり、キナゾリン環の環形成原子数は10であり、フラン環の環形成原子数は5である。例えば、ピリジン環に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子の数は、ピリジン環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているピリジン環の環形成原子数は、6である。また、例えば、キナゾリン環の炭素原子に結合している水素原子、又は置換基を構成する原子については、キナゾリン環の環形成原子数の数に含めない。そのため、水素原子、又は置換基が結合しているキナゾリン環の環形成原子数は10である。
本明細書において、「置換もしくは無置換の炭素数XX~YYのZZ基」という表現における「炭素数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の炭素数を表し、置換されている場合の置換基の炭素数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、「置換もしくは無置換の原子数XX~YYのZZ基」という表現における「原子数XX~YY」は、ZZ基が無置換である場合の原子数を表し、置換されている場合の置換基の原子数を含めない。ここで、「YY」は、「XX」よりも大きく、「XX」は、1以上の整数を意味し、「YY」は、2以上の整数を意味する。
本明細書において、無置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「無置換のZZ基」である場合を表し、置換のZZ基とは「置換もしくは無置換のZZ基」が「置換のZZ基」である場合を表す。
本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「無置換」とは、ZZ基における水素原子が置換基と置き換わっていないことを意味する。「無置換のZZ基」における水素原子は、軽水素原子、重水素原子、又は三重水素原子である。
また、本明細書において、「置換もしくは無置換のZZ基」という場合における「置換」とは、ZZ基における1つ以上の水素原子が、置換基と置き換わっていることを意味する。「AA基で置換されたBB基」という場合における「置換」も同様に、BB基における1つ以上の水素原子が、AA基と置き換わっていることを意味する。
「本明細書に記載の置換基」
以下、本明細書に記載の置換基について説明する。
本明細書に記載の「無置換のアリール基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルケニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のアルキニル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、2~50であり、好ましくは2~20、より好ましくは2~6である。
本明細書に記載の「無置換のシクロアルキル基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、3~50であり、好ましくは3~20、より好ましくは3~6である。
本明細書に記載の「無置換のアリーレン基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30、より好ましくは6~18である。
本明細書に記載の「無置換の2価の複素環基」の環形成原子数は、本明細書に別途記載のない限り、5~50であり、好ましくは5~30、より好ましくは5~18である。
本明細書に記載の「無置換のアルキレン基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアリール基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」の具体例(具体例群G1)としては、以下の無置換のアリール基(具体例群G1A)及び置換のアリール基(具体例群G1B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「無置換のアリール基」である場合を指し、置換のアリール基とは「置換もしくは無置換のアリール基」が「置換のアリール基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アリール基」という場合は、「無置換のアリール基」と「置換のアリール基」の両方を含む。
「置換のアリール基」は、「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアリール基」としては、例えば、下記具体例群G1Aの「無置換のアリール基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの置換のアリール基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアリール基」の例、及び「置換のアリール基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアリール基」には、下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」におけるアリール基自体の炭素原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び下記具体例群G1Bの「置換のアリール基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアリール基(具体例群G1A):
フェニル基、
p-ビフェニル基、
m-ビフェニル基、
o-ビフェニル基、
p-ターフェニル-4-イル基、
p-ターフェニル-3-イル基、
p-ターフェニル-2-イル基、
m-ターフェニル-4-イル基、
m-ターフェニル-3-イル基、
m-ターフェニル-2-イル基、
o-ターフェニル-4-イル基、
o-ターフェニル-3-イル基、
o-ターフェニル-2-イル基、
1-ナフチル基、
2-ナフチル基、
アントリル基、
ベンゾアントリル基、
フェナントリル基、
ベンゾフェナントリル基、
フェナレニル基、
ピレニル基、
クリセニル基、
ベンゾクリセニル基、
トリフェニレニル基、
ベンゾトリフェニレニル基、
テトラセニル基、
ペンタセニル基、
フルオレニル基、
9,9’-スピロビフルオレニル基、
ベンゾフルオレニル基、
ジベンゾフルオレニル基、
フルオランテニル基、
ベンゾフルオランテニル基、
ペリレニル基、及び
下記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価のアリール基。
・置換のアリール基(具体例群G1B):o-トリル基、
m-トリル基、
p-トリル基、
パラ-キシリル基、
メタ-キシリル基、
オルト-キシリル基、
パラ-イソプロピルフェニル基、
メタ-イソプロピルフェニル基、
オルト-イソプロピルフェニル基、
パラ-t-ブチルフェニル基、
メタ-t-ブチルフェニル基、
オルト-t-ブチルフェニル基、
3,4,5-トリメチルフェニル基、
9,9-ジメチルフルオレニル基、
9,9-ジフェニルフルオレニル基、
9,9-ビス(4-メチルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-イソプロピルフェニル)フルオレニル基、
9,9-ビス(4-t-ブチルフェニル)フルオレニル基、
シアノフェニル基、
トリフェニルシリルフェニル基、
トリメチルシリルフェニル基、
フェニルナフチル基、
ナフチルフェニル基、及び
前記一般式(TEMP-1)~(TEMP-15)で表される環構造から誘導される1価の基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基。
・「置換もしくは無置換の複素環基」
本明細書に記載の「複素環基」は、環形成原子にヘテロ原子を少なくとも1つ含む環状の基である。ヘテロ原子の具体例としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、及びホウ素原子が挙げられる。
本明細書に記載の「複素環基」は、単環の基であるか、又は縮合環の基である。
本明細書に記載の「複素環基」は、芳香族複素環基であるか、又は非芳香族複素環基である。
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」の具体例(具体例群G2)としては、以下の無置換の複素環基(具体例群G2A)、及び置換の複素環基(具体例群G2B)等が挙げられる。(ここで、無置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「無置換の複素環基」である場合を指し、置換の複素環基とは「置換もしくは無置換の複素環基」が「置換の複素環基」である場合を指す。)本明細書において、単に「複素環基」という場合は、「無置換の複素環基」と「置換の複素環基」の両方を含む。
「置換の複素環基」は、「無置換の複素環基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換の複素環基」の具体例は、下記具体例群G2Aの「無置換の複素環基」の水素原子が置き換わった基、及び下記具体例群G2Bの置換の複素環基の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換の複素環基」の例や「置換の複素環基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換の複素環基」には、具体例群G2Bの「置換の複素環基」における複素環基自体の環形成原子に結合する水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G2Bの「置換の複素環基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
具体例群G2Aは、例えば、以下の窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1)、酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2)、硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4)を含む。
具体例群G2Bは、例えば、以下の窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1)、酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2)、硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3)、及び下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4)を含む。
・窒素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A1):
ピロリル基、
イミダゾリル基、
ピラゾリル基、
トリアゾリル基、
テトラゾリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ピリジル基、
ピリダジニル基、
ピリミジニル基、
ピラジニル基、
トリアジニル基、
インドリル基、
イソインドリル基、
インドリジニル基、
キノリジニル基、
キノリル基、
イソキノリル基、
シンノリル基、
フタラジニル基、
キナゾリニル基、
キノキサリニル基、
ベンゾイミダゾリル基、
インダゾリル基、
フェナントロリニル基、
フェナントリジニル基、
アクリジニル基、
フェナジニル基、
カルバゾリル基、
ベンゾカルバゾリル基、
モルホリノ基、
フェノキサジニル基、
フェノチアジニル基、
アザカルバゾリル基、及びジアザカルバゾリル基。
・酸素原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A2):
フリル基、
オキサゾリル基、
イソオキサゾリル基、
オキサジアゾリル基、
キサンテニル基、
ベンゾフラニル基、
イソベンゾフラニル基、
ジベンゾフラニル基、
ナフトベンゾフラニル基、
ベンゾオキサゾリル基、
ベンゾイソキサゾリル基、
フェノキサジニル基、
モルホリノ基、
ジナフトフラニル基、
アザジベンゾフラニル基、
ジアザジベンゾフラニル基、
アザナフトベンゾフラニル基、及び
ジアザナフトベンゾフラニル基。
・硫黄原子を含む無置換の複素環基(具体例群G2A3):
チエニル基、
チアゾリル基、
イソチアゾリル基、
チアジアゾリル基、
ベンゾチオフェニル基(ベンゾチエニル基)、
イソベンゾチオフェニル基(イソベンゾチエニル基)、
ジベンゾチオフェニル基(ジベンゾチエニル基)、
ナフトベンゾチオフェニル基(ナフトベンゾチエニル基)、
ベンゾチアゾリル基、
ベンゾイソチアゾリル基、
フェノチアジニル基、
ジナフトチオフェニル基(ジナフトチエニル基)、
アザジベンゾチオフェニル基(アザジベンゾチエニル基)、
ジアザジベンゾチオフェニル基(ジアザジベンゾチエニル基)、
アザナフトベンゾチオフェニル基(アザナフトベンゾチエニル基)、及び
ジアザナフトベンゾチオフェニル基(ジアザナフトベンゾチエニル基)。
・下記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から1つの水素原子を除くことにより誘導される1価の複素環基(具体例群G2A4):
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、NH、又はCHである。ただし、X及びYのうち少なくとも1つは、酸素原子、硫黄原子、又はNHである。
前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)において、X及びYの少なくともいずれかがNH、又はCHである場合、前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基には、これらNH、又はCHから1つの水素原子を除いて得られる1価の基が含まれる。
・窒素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B1):
(9-フェニル)カルバゾリル基、
(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、
(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、
(9-ナフチル)カルバゾリル基、
ジフェニルカルバゾール-9-イル基、
フェニルカルバゾール-9-イル基、
メチルベンゾイミダゾリル基、
エチルベンゾイミダゾリル基、
フェニルトリアジニル基、
ビフェニリルトリアジニル基、
ジフェニルトリアジニル基、
フェニルキナゾリニル基、及びビフェニリルキナゾリニル基。
・酸素原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B2):
フェニルジベンゾフラニル基、
メチルジベンゾフラニル基、
t-ブチルジベンゾフラニル基、及び
スピロ[9H-キサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・硫黄原子を含む置換の複素環基(具体例群G2B3):
フェニルジベンゾチオフェニル基、
メチルジベンゾチオフェニル基、
t-ブチルジベンゾチオフェニル基、及び
スピロ[9H-チオキサンテン-9,9’-[9H]フルオレン]の1価の残基。
・前記一般式(TEMP-16)~(TEMP-33)で表される環構造から誘導される1価の複素環基の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基(具体例群G2B4):
前記「1価の複素環基の1つ以上の水素原子」とは、該1価の複素環基の環形成炭素原子に結合している水素原子、X及びYの少なくともいずれかがNHである場合の窒素原子に結合している水素原子、及びX及びYの一方がCHである場合のメチレン基の水素原子から選ばれる1つ以上の水素原子を意味する。
・「置換もしくは無置換のアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」の具体例(具体例群G3)としては、以下の無置換のアルキル基(具体例群G3A)及び置換のアルキル基(具体例群G3B)が挙げられる。(ここで、無置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「無置換のアルキル基」である場合を指し、置換のアルキル基とは「置換もしくは無置換のアルキル基」が「置換のアルキル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキル基」という場合は、「無置換のアルキル基」と「置換のアルキル基」の両方を含む。
「置換のアルキル基」は、「無置換のアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキル基」(具体例群G3A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のアルキル基(具体例群G3B)の例等が挙げられる。本明細書において、「無置換のアルキル基」におけるアルキル基は、鎖状のアルキル基を意味する。そのため、「無置換のアルキル基」は、直鎖である「無置換のアルキル基」、及び分岐状である「無置換のアルキル基」が含まれる。尚、ここに列挙した「無置換のアルキル基」の例や「置換のアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルキル基」には、具体例群G3Bの「置換のアルキル基」におけるアルキル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G3Bの「置換のアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルキル基(具体例群G3A):
メチル基、
エチル基、
n-プロピル基、
イソプロピル基、
n-ブチル基、
イソブチル基、
s-ブチル基、及びt-ブチル基。
・置換のアルキル基(具体例群G3B):
ヘプタフルオロプロピル基(異性体を含む)、
ペンタフルオロエチル基、
2,2,2-トリフルオロエチル基、及び
トリフルオロメチル基。
・「置換もしくは無置換のアルケニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルケニル基」の具体例(具体例群G4)としては、以下の無置換のアルケニル基(具体例群G4A)、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルケニル基とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「無置換のアルケニル基」である場合を指し、「置換のアルケニル基」とは「置換もしくは無置換のアルケニル基」が「置換のアルケニル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「アルケニル基」という場合は、「無置換のアルケニル基」と「置換のアルケニル基」の両方を含む。
「置換のアルケニル基」は、「無置換のアルケニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルケニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルケニル基」(具体例群G4A)が置換基を有する基、及び置換のアルケニル基(具体例群G4B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のアルケニル基」の例や「置換のアルケニル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のアルケニル基」には、具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」におけるアルケニル基自体の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び具体例群G4Bの「置換のアルケニル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のアルケニル基(具体例群G4A):
ビニル基、
アリル基、
1-ブテニル基、
2-ブテニル基、及び
3-ブテニル基。
・置換のアルケニル基(具体例群G4B):
1,3-ブタンジエニル基、
1-メチルビニル基、
1-メチルアリル基、
1,1-ジメチルアリル基、
2-メチルアリル基、及び
1,2-ジメチルアリル基。
・「置換もしくは無置換のアルキニル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキニル基」の具体例(具体例群G5)としては、以下の無置換のアルキニル基(具体例群G5A)等が挙げられる。(ここで、無置換のアルキニル基とは、「置換もしくは無置換のアルキニル基」が「無置換のアルキニル基」である場合を指す。)以下、単に「アルキニル基」という場合は、「無置換のアルキニル基」と「置換のアルキニル基」の両方を含む。
「置換のアルキニル基」は、「無置換のアルキニル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のアルキニル基」の具体例としては、下記の「無置換のアルキニル基」(具体例群G5A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基等が挙げられる。
・無置換のアルキニル基(具体例群G5A):
エチニル基。
・「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」の具体例(具体例群G6)としては、以下の無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A)、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)等が挙げられる。(ここで、無置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「無置換のシクロアルキル基」である場合を指し、置換のシクロアルキル基とは「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」が「置換のシクロアルキル基」である場合を指す。)本明細書において、単に「シクロアルキル基」という場合は、「無置換のシクロアルキル基」と「置換のシクロアルキル基」の両方を含む。
「置換のシクロアルキル基」は、「無置換のシクロアルキル基」における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。「置換のシクロアルキル基」の具体例としては、下記の「無置換のシクロアルキル基」(具体例群G6A)における1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び置換のシクロアルキル基(具体例群G6B)の例等が挙げられる。尚、ここに列挙した「無置換のシクロアルキル基」の例や「置換のシクロアルキル基」の例は、一例に過ぎず、本明細書に記載の「置換のシクロアルキル基」には、具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」におけるシクロアルキル基自体の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基、及び具体例群G6Bの「置換のシクロアルキル基」における置換基の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。
・無置換のシクロアルキル基(具体例群G6A):
シクロプロピル基、
シクロブチル基、
シクロペンチル基、
シクロヘキシル基、
1-アダマンチル基、
2-アダマンチル基、
1-ノルボルニル基、及び
2-ノルボルニル基。
・置換のシクロアルキル基(具体例群G6B):
4-メチルシクロヘキシル基。
・「-Si(R901)(R902)(R903)で表される基」
本明細書に記載の-Si(R901)(R902)(R903)で表される基の具体例(具体例群G7)としては、
-Si(G1)(G1)(G1)、
-Si(G1)(G2)(G2)、
-Si(G1)(G1)(G2)、
-Si(G2)(G2)(G2)、
-Si(G3)(G3)(G3)、及び
-Si(G6)(G6)(G6)
が挙げられる。ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-Si(G1)(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G1)(G1)(G2)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G2)(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-Si(G6)(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「-O-(R904)で表される基」
本明細書に記載の-O-(R904)で表される基の具体例(具体例群G8)としては、
-O(G1)、
-O(G2)、
-O(G3)、及び
-O(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-S-(R905)で表される基」
本明細書に記載の-S-(R905)で表される基の具体例(具体例群G9)としては、
-S(G1)、
-S(G2)、
-S(G3)、及び
-S(G6)
が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
・「-N(R906)(R907)で表される基」
本明細書に記載の-N(R906)(R907)で表される基の具体例(具体例群G10)としては、
-N(G1)(G1)、
-N(G2)(G2)、
-N(G1)(G2)、
-N(G3)(G3)、及び
-N(G6)(G6)が挙げられる。
ここで、
G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。
G2は、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」である。
G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。
G6は、具体例群G6に記載の「置換もしくは無置換のシクロアルキル基」である。
-N(G1)(G1)における複数のG1は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G2)(G2)における複数のG2は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。
-N(G6)(G6)における複数のG6は、互いに同一であるか、又は異なる。
・「ハロゲン原子」
本明細書に記載の「ハロゲン原子」の具体例(具体例群G11)としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のフルオロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がフッ素原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がフッ素原子で置き換わった基(パーフルオロ基)も含む。「無置換のフルオロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のフルオロアルキル基」は、「フルオロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のフルオロアルキル基」には、「置換のフルオロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のフルオロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のフルオロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がフッ素原子と置き換わった基の例等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のハロアルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のハロアルキル基」は、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子と置き換わった基を意味し、「置換もしくは無置換のアルキル基」におけるアルキル基を構成する炭素原子に結合している全ての水素原子がハロゲン原子で置き換わった基も含む。「無置換のハロアルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。「置換のハロアルキル基」は、「ハロアルキル基」の1つ以上の水素原子が置換基と置き換わった基を意味する。尚、本明細書に記載の「置換のハロアルキル基」には、「置換のハロアルキル基」におけるアルキル鎖の炭素原子に結合する1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基、及び「置換のハロアルキル基」における置換基の1つ以上の水素原子がさらに置換基と置き換わった基も含まれる。「無置換のハロアルキル基」の具体例としては、前記「アルキル基」(具体例群G3)における1つ以上の水素原子がハロゲン原子と置き換わった基の例等が挙げられる。ハロアルキル基をハロゲン化アルキル基と称する場合がある。
・「置換もしくは無置換のアルコキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルコキシ基」の具体例としては、-O(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルコキシ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキルチオ基」の具体例としては、-S(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。「無置換のアルキルチオ基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~30であり、より好ましくは1~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールオキシ基」の具体例としては、-O(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールオキシ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のアリールチオ基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリールチオ基」の具体例としては、-S(G1)で表される基であり、ここで、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。「無置換のアリールチオ基」の環形成炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、6~50であり、好ましくは6~30であり、より好ましくは6~18である。
・「置換もしくは無置換のトリアルキルシリル基」
本明細書に記載の「トリアルキルシリル基」の具体例としては、-Si(G3)(G3)(G3)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」である。-Si(G3)(G3)(G3)における複数のG3は、互いに同一であるか、又は異なる。「トリアルキルシリル基」の各アルキル基の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、1~50であり、好ましくは1~20であり、より好ましくは1~6である。
・「置換もしくは無置換のアラルキル基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、-(G3)-(G1)で表される基であり、ここで、G3は、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」であり、G1は、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」である。従って、「アラルキル基」は、「アルキル基」の水素原子が置換基としての「アリール基」と置き換わった基であり、「置換のアルキル基」の一態様である。「無置換のアラルキル基」は、「無置換のアリール基」が置換した「無置換のアルキル基」であり、「無置換のアラルキル基」の炭素数は、本明細書に別途記載のない限り、7~50であり、好ましくは7~30であり、より好ましくは7~18である。
「置換もしくは無置換のアラルキル基」の具体例としては、ベンジル基、1-フェニルエチル基、2-フェニルエチル基、1-フェニルイソプロピル基、2-フェニルイソプロピル基、フェニル-t-ブチル基、α-ナフチルメチル基、1-α-ナフチルエチル基、2-α-ナフチルエチル基、1-α-ナフチルイソプロピル基、2-α-ナフチルイソプロピル基、β-ナフチルメチル基、1-β-ナフチルエチル基、2-β-ナフチルエチル基、1-β-ナフチルイソプロピル基、及び2-β-ナフチルイソプロピル基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリール基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはフェニル基、p-ビフェニル基、m-ビフェニル基、o-ビフェニル基、p-ターフェニル-4-イル基、p-ターフェニル-3-イル基、p-ターフェニル-2-イル基、m-ターフェニル-4-イル基、m-ターフェニル-3-イル基、m-ターフェニル-2-イル基、o-ターフェニル-4-イル基、o-ターフェニル-3-イル基、o-ターフェニル-2-イル基、1-ナフチル基、2-ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、クリセニル基、トリフェニレニル基、フルオレニル基、9,9’-スピロビフルオレニル基、9,9-ジメチルフルオレニル基、及び9,9-ジフェニルフルオレニル基等である。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはピリジル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、キノリル基、イソキノリル基、キナゾリニル基、ベンゾイミダゾリル基、フェナントロリニル基、カルバゾリル基(1-カルバゾリル基、2-カルバゾリル基、3-カルバゾリル基、4-カルバゾリル基、又は9-カルバゾリル基)、ベンゾカルバゾリル基、アザカルバゾリル基、ジアザカルバゾリル基、ジベンゾフラニル基、ナフトベンゾフラニル基、アザジベンゾフラニル基、ジアザジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、ナフトベンゾチオフェニル基、アザジベンゾチオフェニル基、ジアザジベンゾチオフェニル基、(9-フェニル)カルバゾリル基((9-フェニル)カルバゾール-1-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-2-イル基、(9-フェニル)カルバゾール-3-イル基、又は(9-フェニル)カルバゾール-4-イル基)、(9-ビフェニリル)カルバゾリル基、(9-フェニル)フェニルカルバゾリル基、ジフェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルカルバゾール-9-イル基、フェニルトリアジニル基、ビフェニリルトリアジニル基、ジフェニルトリアジニル基、フェニルジベンゾフラニル基、及びフェニルジベンゾチオフェニル基等である。
本明細書において、カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
本明細書において、(9-フェニル)カルバゾリル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-Cz1)~(TEMP-Cz9)中、*は、結合位置を表す。
本明細書において、ジベンゾフラニル基、及びジベンゾチオフェニル基は、本明細書に別途記載のない限り、具体的には以下のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-34)~(TEMP-41)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアルキル基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、及びt-ブチル基等である。
・「置換もしくは無置換のアリーレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアリーレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアリーレン基」の具体例(具体例群G12)としては、具体例群G1に記載の「置換もしくは無置換のアリール基」からアリール環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換の2価の複素環基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換の2価の複素環基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換の2価の複素環基」の具体例(具体例群G13)としては、具体例群G2に記載の「置換もしくは無置換の複素環基」から複素環上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
・「置換もしくは無置換のアルキレン基」
本明細書に記載の「置換もしくは無置換のアルキレン基」は、別途記載のない限り、上記「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基である。「置換もしくは無置換のアルキレン基」の具体例(具体例群G14)としては、具体例群G3に記載の「置換もしくは無置換のアルキル基」からアルキル鎖上の1つの水素原子を除くことにより誘導される2価の基等が挙げられる。
本明細書に記載の置換もしくは無置換のアリーレン基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-42)~(TEMP-68)のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-42)~(TEMP-52)中、*は、結合位置を表す。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、Q~Q10は、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
式Q及びQ10は、単結合を介して互いに結合して環を形成してもよい。
前記一般式(TEMP-53)~(TEMP-62)中、*は、結合位置を表す。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-63)~(TEMP-68)中、*は、結合位置を表す。
本明細書に記載の置換もしくは無置換の2価の複素環基は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは下記一般式(TEMP-69)~(TEMP-102)のいずれかの基である。
前記一般式(TEMP-69)~(TEMP-82)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
前記一般式(TEMP-83)~(TEMP-102)中、Q~Qは、それぞれ独立に、水素原子、又は置換基である。
以上が、「本明細書に記載の置換基」についての説明である。
・「結合して環を形成する場合」
本明細書において、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず」という場合は、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合と、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合しない」場合と、を意味する。
本明細書における、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(以下、これらの場合をまとめて「結合して環を形成する場合」と称する場合がある。)について、以下、説明する。母骨格がアントラセン環である下記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物の場合を例として説明する。
例えば、R921~R930のうちの「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、環を形成する」場合において、1組となる隣接する2つからなる組とは、R921とR922との組、R922とR923との組、R923とR924との組、R924とR930との組、R930とR925との組、R925とR926との組、R926とR927との組、R927とR928との組、R928とR929との組、並びにR929とR921との組である。
上記「1組以上」とは、上記隣接する2つ以上からなる組の2組以上が同時に環を形成してもよいことを意味する。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、同時にR925とR926とが互いに結合して環Qを形成した場合は、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-104)で表される。
「隣接する2つ以上からなる組」が環を形成する場合とは、前述の例のように隣接する「2つ」からなる組が結合する場合だけではなく、隣接する「3つ以上」からなる組が結合する場合も含む。例えば、R921とR922とが互いに結合して環Qを形成し、かつ、R922とR923とが互いに結合して環Qを形成し、互いに隣接する3つ(R921、R922及びR923)からなる組が互いに結合して環を形成して、アントラセン母骨格に縮合する場合を意味し、この場合、前記一般式(TEMP-103)で表されるアントラセン化合物は、下記一般式(TEMP-105)で表される。下記一般式(TEMP-105)において、環Q及び環Qは、R922を共有する。
形成される「単環」、又は「縮合環」は、形成された環のみの構造として、飽和の環であっても不飽和の環であってもよい。「隣接する2つからなる組の1組」が「単環」、又は「縮合環」を形成する場合であっても、当該「単環」、又は「縮合環」は、飽和の環、又は不飽和の環を形成することができる。例えば、前記一般式(TEMP-104)において形成された環Q及び環Qは、それぞれ、「単環」又は「縮合環」である。また、前記一般式(TEMP-105)において形成された環Q、及び環Qは、「縮合環」である。前記一般式(TEMP-105)の環Qと環Qとは、環Qと環Qとが縮合することによって縮合環となっている。前記一般式(TMEP-104)の環Qがベンゼン環であれば、環Qは、単環である。前記一般式(TMEP-104)の環Qがナフタレン環であれば、環Qは、縮合環である。
「不飽和の環」とは、芳香族炭化水素環、又は芳香族複素環を意味する。「飽和の環」とは、脂肪族炭化水素環、又は非芳香族複素環を意味する。
芳香族炭化水素環の具体例としては、具体例群G1において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
芳香族複素環の具体例としては、具体例群G2において具体例として挙げられた芳香族複素環基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
脂肪族炭化水素環の具体例としては、具体例群G6において具体例として挙げられた基が水素原子によって終端された構造が挙げられる。
「環を形成する」とは、母骨格の複数の原子のみ、あるいは母骨格の複数の原子とさらに1以上の任意の元素で環を形成することを意味する。例えば、前記一般式(TEMP-104)に示す、R921とR922とが互いに結合して形成された環Qは、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、1以上の任意の元素とで形成する環を意味する。具体例としては、R921とR922とで環Qを形成する場合において、R921が結合するアントラセン骨格の炭素原子と、R922とが結合するアントラセン骨格の炭素原子と、4つの炭素原子とで単環の不飽和の環を形成する場合、R921とR922とで形成する環は、ベンゼン環である。
ここで、「任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素である。任意の元素において(例えば、炭素元素、又は窒素元素の場合)、環を形成しない結合は、水素原子等で終端されてもよいし、後述する「任意の置換基」で置換されてもよい。炭素元素以外の任意の元素を含む場合、形成される環は複素環である。
単環または縮合環を構成する「1以上の任意の元素」は、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは2個以上15個以下であり、より好ましくは3個以上12個以下であり、さらに好ましくは3個以上5個以下である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」、及び「縮合環」のうち、好ましくは「単環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「飽和の環」、及び「不飽和の環」のうち、好ましくは「不飽和の環」である。
本明細書に別途記載のない限り、「単環」は、好ましくはベンゼン環である。
本明細書に別途記載のない限り、「不飽和の環」は、好ましくはベンゼン環である。
「隣接する2つ以上からなる組の1組以上」が、「互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、又は「互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合、本明細書に別途記載のない限り、好ましくは、隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、母骨格の複数の原子と、1個以上15個以下の炭素元素、窒素元素、酸素元素、及び硫黄元素からなる群から選択される少なくとも1種の元素とからなる置換もしくは無置換の「不飽和の環」を形成する。
上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
上記の「飽和の環」、又は「不飽和の環」が置換基を有する場合の置換基は、例えば後述する「任意の置換基」である。上記の「単環」、又は「縮合環」が置換基を有する場合の置換基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基である。
以上が、「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成する」場合、及び「隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成する」場合(「結合して環を形成する場合」)についての説明である。
・「置換もしくは無置換の」という場合の置換基
本明細書における一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基(本明細書において、「任意の置換基」と呼ぶことがある。)は、例えば、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)、
-O-(R904)、
-S-(R905)、
-N(R906)(R907)、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、及び
無置換の環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基等であり、
ここで、R901~R907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
901が2個以上存在する場合、2個以上のR901は、互いに同一であるか、又は異なり、
902が2個以上存在する場合、2個以上のR902は、互いに同一であるか、又は異なり、
903が2個以上存在する場合、2個以上のR903は、互いに同一であるか、又は異なり、
904が2個以上存在する場合、2個以上のR904は、互いに同一であるか、又は異なり、
905が2個以上存在する場合、2個以上のR905は、互いに同一であるか、又は異なり、
906が2個以上存在する場合、2個以上のR906は、互いに同一であるか、又は異なり、
907が2個以上存在する場合、2個以上のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~50のアルキル基、
環形成炭素数6~50のアリール基、及び
環形成原子数5~50の複素環基
からなる群から選択される基である。
一実施形態においては、前記「置換もしくは無置換の」という場合の置換基は、
炭素数1~18のアルキル基、
環形成炭素数6~18のアリール基、及び
環形成原子数5~18の複素環基
からなる群から選択される基である。
上記任意の置換基の各基の具体例は、上述した「本明細書に記載の置換基」の項で説明した置換基の具体例である。
本明細書において別途記載のない限り、隣接する任意の置換基同士で、「飽和の環」、又は「不飽和の環」を形成してもよく、好ましくは、置換もしくは無置換の飽和の5員環、置換もしくは無置換の飽和の6員環、置換もしくは無置換の不飽和の5員環、又は置換もしくは無置換の不飽和の6員環を形成し、より好ましくは、ベンゼン環を形成する。
本明細書において別途記載のない限り、任意の置換基は、さらに置換基を有してもよい。任意の置換基がさらに有する置換基としては、上記任意の置換基と同様である。
本明細書において、「AA~BB」を用いて表される数値範囲は、「AA~BB」の前に記載される数値AAを下限値とし、「AA~BB」の後に記載される数値BBを上限値として含む範囲を意味する。
〔第一実施形態〕
(有機エレクトロルミネッセンス素子)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、陽極と、陰極と、第一の陽極側有機層と、第一の発光層と、第二の発光層と、第一の陰極側有機層と、を有し、前記陽極及び前記陰極の間において、前記第一の陽極側有機層、前記第一の発光層、前記第二の発光層及び前記第一の陰極側有機層が、この順で配置され、前記第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含み、前記第一の発光層は、下記一般式(1H)で表される第一のホスト材料を含み、前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、前記第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含み、前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含み、前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含み、前記第一の発光を示す化合物と前記第二の発光を示す化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数1)の関係を満たす。
(H1)<T(H2)<T(D2) …(数1)
A-L-B …(1H)
(前記一般式(1H)において、
Aは、トリプレット構造部位であり、
Bは、正孔注入構造部位であり、
Lは、単結合又は連結基であり、
前記正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。)
従来、有機エレクトロルミネッセンス素子の発光効率を向上させるための技術として、Tripret-Tripret-Annhilation(TTAと称する場合がある。)が知られている。TTAは、三重項励起子と三重項励起子とが衝突して、一重項励起子を生成するという機構(メカニズム)である。なお、TTAメカニズムは、特許文献2に記載のようにTTFメカニズムと称する場合もある。
TTF現象を説明する。陽極から注入された正孔と、陰極から注入された電子とは、発光層内で再結合し励起子を生成する。そのスピン状態は、従来から知られているように、一重項励起子が25%、三重項励起子が75%の比率である。従来知られている蛍光素子においては、25%の一重項励起子が基底状態に緩和するときに光を発するが、残りの75%の三重項励起子については光を発することなく熱的失活過程を経て基底状態に戻る。従って、従来の蛍光素子の内部量子効率の理論限界値は25%といわれていた。
一方、有機物内部で生成した三重項励起子の挙動が理論的に調べられている。S.M.Bachiloらによれば(J.Phys.Chem.A,104,7711(2000))、五重項等の高次の励起子がすぐに三重項に戻ると仮定すると、三重項励起子(以下、と記載する)の密度が上がってきたとき、三重項励起子同士が衝突し下記式のような反応が起きる。ここで、Aは、基底状態を表し、は、最低励起一重項励起子を表す。
→(4/9)A+(1/9)+(13/9)
即ち、5→4A+1Aとなり、当初生成した75%の三重項励起子のうち、1/5即ち20%が一重項励起子に変化することが予測されている。従って、光として寄与する一重項励起子は、当初生成する25%分に75%×(1/5)=15%を加えた40%ということになる。このとき、全発光強度中に占めるTTF由来の発光比率(TTF比率)は、15/40、すなわち37.5%となる。また、当初生成した75%の三重項励起子のお互いが衝突して一重項励起子が生成した(2つの三重項励起子から1つの一重項励起子が生成した)とすると、当初生成する一重項励起子25%分に75%×(1/2)=37.5%を加えた62.5%という非常に高い内部量子効率が得られる。このとき、TTF比率は、37.5/62.5=60%である。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子によれば、第二の発光層で正孔と電子との再結合によって生成した三重項励起子は、当該第二の発光層と直接に接する有機層との界面にキャリアが過剰に存在していても、第二の発光層と当該有機層との界面に存在する三重項励起子がクエンチされ難くなると考えられる。例えば、再結合領域が、第二の発光層と正孔輸送層又は電子障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な電子によるクエンチが考えられる。一方、再結合領域が、第二の発光層と電子輸送層又は正孔障壁層との界面に局所的に存在する場合には、過剰な正孔によるクエンチが考えられる。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、所定の関係を満たす、少なくとも2つの発光層(すなわち、第一の発光層及び第二の発光層)を備え、第一の発光層中の第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二の発光層中の第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、前記数式(数1)の関係を満たす。
前記数式(数1)の関係を満たすように第一の発光層及び第二の発光層を備えることで、第二の発光層で生成した三重項励起子は、過剰キャリアによってクエンチされずに第一の発光層へと移動し、また、第一の発光層から第二の発光層へ逆移動することを抑制できる。その結果、第一の発光層において、TTFメカニズムが発現して、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上する。
さらに、本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、T(H2)<T(D2)の関係を満たす。第二のホスト材料と第二の発光性化合物とが、T(H2)<T(D2)の関係を満たすことにより、第二の発光層内で生成した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを有する第二の発光性化合物ではなく、第二のホスト材料上を移動するため、第一の発光層へ移動し易くなる。
このように、有機エレクトロルミネッセンス素子が、三重項励起子を主に生成させる第二の発光層と、第二の発光層から移動してきた三重項励起子を活用してTTFメカニズムを主に発現させる第一の発光層と、を異なる領域として備え、第一の発光層中の第一のホスト材料として、第二の発光層中の第二のホスト材料よりも小さな三重項エネルギーを有する化合物を用いて、三重項エネルギーの差を設けることで、発光効率が向上する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料が、一般式(1)で表される構造を有するので、第一の陽極側有機層からの正孔の注入が促進され、また第二の発光層への正孔注入も促進されることで、第一の発光層での電荷の蓄積及び再結合を回避するとともに、第二の発光層での電荷再結合が促進され、有機EL素子は長寿命化する。
本明細書において、「ホスト材料」とは、例えば「層の50質量%以上」含まれる材料である。したがって、第一の発光層は、例えば、第一のホスト材料を、第一の発光層の全質量の50質量%以上、含有する。第二の発光層は、例えば、第二のホスト材料を、第二の発光層の全質量の50質量%以上、含有する。
(第一のホスト材料)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料は、第二のホスト材料とは、異なる化合物であって、一般式(1H)で表される化合物である。
A-L-B …(1H)
(前記一般式(1H)において、Aは、トリプレット構造部位であり、Bは、正孔注入構造部位であり、Lは、単結合又は連結基である。)
トリプレット構造部位とは、化合物全体として低い三重項エネルギーを実現するための化合物中の構造部位である。第一のホスト材料は、少なくとも1つのトリプレット構造部位を有する。
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)及び第一のホスト材料の正孔注入構造部位の三重項エネルギーの計算値T1C(B)は、下記数式(数2B)の関係を満たすことも好ましい。
1C(A)<T1C(B)…(数2B)
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)及び第二のホスト材料の三重項エネルギーの計算値T1C(H2)は、下記数式(数2)の関係を満たすことが好ましい。
1C(A)<T1C(H2) …(数2)
第一のホスト材料が、前記数式(数2)の関係を満たすトリプレット構造部位Aを有することにより、第一の発光層でTTFが効率的に起こり易くなる。
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)は、トリプレット構造部位Aの末端を水素で置換した構造、及びトリプレット構造部位Aの末端をフェニル基で置換した構造の双方の構造について三重項エネルギーを計算し、双方の構造の計算値の内、小さい方の計算値である。トリプレット構造部位Aの末端とは、第一のホスト材料のトリプレット構造部位の連結基と単結合を形成していた部分、あるいは正孔注入部位と単結合を形成していた部分である。
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)は、2.00eV未満であることが好ましく、1.90eV未満であることがより好ましい。
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)と、第一のホスト材料の正孔注入構造部位Bの三重項エネルギーの計算値T1C(B)とが、下記数式(数2A)の関係を満たすことが好ましい。
1C(A)<T1C(B) …(数2A)
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換のアントラセンであることが好ましい。
トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換のアントラセンの9位炭素原子又は10位炭素原子が、Lに結合することも好ましい。
トリプレット構造部位Aは、例えば、次に示す構造である。
Figure 2024057117000023
上記トリプレット構造部位Aの*は、Lとの結合位置である。
上記トリプレット構造部位Aの末端を水素で置換した構造の例は、次に示す構造である。
Figure 2024057117000024
上記トリプレット構造部位Aの末端をフェニル基で置換した構造の例は、次に示す構造である。
Figure 2024057117000025
正孔注入構造部位とは、化合物中に含まれ、トリプレット構造部位A及びLを除いた部位であって、化合物全体として注入に寄与するための化合物中の構造部位である。
正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。第一のホスト材料が、このようなHOMO(B)の計算値である正孔注入構造部位Bを有することで、第一の陽極側有機層から第一の発光層への正孔注入性が向上する。正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.60eV以上であることがより好ましく、-5.30eV以上であることがより好ましい。
正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、部位の計算において末端を水素で置換した構造を用いて計算して得られる値である。
正孔注入構造部位Bは、置換もしくは無置換のカルバゾールであることが好ましい。
正孔注入構造部位Bとしての置換もしくは無置換のカルバゾールの9位窒素原子が、Lに結合することも好ましい。
正孔注入構造部位Bは、例えば、次に示す構造である。
Figure 2024057117000026
上記正孔注入構造部位Bにおける*は、Lとの結合位置である。
上記正孔注入構造部位Bの末端を水素で置換した構造の例は、次に示す構造である。
Figure 2024057117000027
第一のホスト材料は、下記一般式(11H)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000028
(前記一般式(11H)において、
211~R218のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は互いに結合せず、
201~R209、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR211~R218は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Lは、単結合
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
<化合物の正孔注入構造部位及びトリプレット構造部位のHOMO及びTの計算値>
化合物の正孔注入構造部位及びトリプレット構造部位のHOMOの計算値及びTの計算値は、量子化学計算プログラム(Gaussian 16, Revision B (Gaussian Inc.);計算手法:B3LYP/6-31G(理論にはB3LYPを使用し、基底関数に6-31Gを使用することを意味する))を用いて、算出する。
第一のホスト材料のLは、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換のビフェニレン基であることも好ましい。
第一のホスト材料のトリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンであり、Lは、単結合であることも好ましい。
トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンの9位炭素原子及び10位炭素原子に、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基が結合しており、いずれかの置換もしくは無置換のフェニル基に正孔注入構造部位Bが結合していることも好ましい。
第一のホスト材料のイオン化ポテンシャルは、5.90eV以下であることが好ましく、5.80eV以下であることがより好ましい。
(第一のホスト材料の製造方法)
第一のホスト材料としての化合物は、公知の方法により製造できる。また、第一のホスト材料としての化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第一のホスト材料としての化合物の具体例)
第一のホスト材料としての化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
Figure 2024057117000029
(第二の発光層)
第二の発光層は、第二のホスト材料を含む。第二のホスト材料は、第一の発光層が含有する第一のホスト材料とは、異なる化合物である。
第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含む。第二の発光性化合物と第一の発光性化合物とは、互いに同一でも異なっていてもよいが、互いに同一であることが好ましい。
第二の発光性化合物は、蛍光発光性化合物であることが好ましい。
第二の発光性化合物の最大ピーク波長が500nm以下であることが好ましい。第二の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第二の発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、金属錯体を含有しないことが好ましい。また、本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、ホウ素含有錯体を含有しないことも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
また、第二の発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
化合物の最大ピーク波長の測定方法は、次の通りである。測定対象となる化合物の5μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の発光スペクトル(縦軸:発光強度、横軸:波長とする。)を測定する。発光スペクトルは、株式会社日立ハイテクサイエンス製の分光蛍光光度計(装置名:F-7000)により測定できる。なお、発光スペクトル測定装置は、ここで用いた装置に限定されない。
発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を最大ピーク波長とする。なお、本明細書において、最大ピーク波長を蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)と称する場合がある。また、測定した発光スペクトルから、化合物の最大ピークの半値幅FWHM(単位:nm)を測定することができる。
第二の発光性化合物の発光スペクトルにおいて、発光強度が最大となるピークを最大ピークとし、当該最大ピークの高さを1としたとき、当該発光スペクトルに現れる他のピークの高さは、0.6未満であることが好ましい。なお、発光スペクトルにおけるピークは、極大値とする。
また、第二の発光性化合物の発光スペクトルにおいて、ピークの数が3つ未満であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、素子駆動時に最大ピーク波長が500nm以下の光を放射することが好ましい。
素子駆動時に発光層が放射する光の最大ピーク波長の測定は、次に記載の方法で行うことができる。
・素子駆動時に発光層から放射される光の最大ピーク波長λEML
素子駆動時に第一の発光層から放射される光の最大ピーク波長λEML1は、第二の発光層を第一の発光層と同じ材料を用いて有機EL素子を作製し、有機EL素子の電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルから、最大ピーク波長λEML1(単位:nm)を算出する。
素子駆動時に第二の発光層から放射される光の最大ピーク波長λEML2は、第一の発光層を第二の発光層と同じ材料を用いて有機EL素子を作製し、有機EL素子の電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルから、最大ピーク波長λEML2(単位:nm)を算出する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の一重項エネルギーS(H2)と第二の発光性化合物の一重項エネルギーS(D2)とが、下記数式(数7)の関係を満たすことが好ましい。一重項エネルギーSとは、最低励起一重項状態と基底状態とのエネルギー差を意味する。
(H2)>S(D2) …(数7)
第二のホスト材料と第二の発光性化合物とが、前記数式(数7)の関係を満たすことにより、第二のホスト材料上で生成された一重項励起子は、第二のホスト材料から第二の発光性化合物へエネルギー移動し易くなり、第二の発光性化合物の蛍光性発光に寄与する。
(三重項エネルギーT
三重項エネルギーTの測定方法としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、10-5mol/L以上10-4mol/L以下となるように溶解し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とする。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとする。
換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いることができる。なお、測定装置はこの限りではなく、冷却装置、及び低温用容器と、励起光源と、受光装置とを組み合わせることにより、測定してもよい。
(一重項エネルギーS
溶液を用いた一重項エネルギーSの測定方法(溶液法と称する場合がある。)としては、下記の方法が挙げられる。
測定対象となる化合物の10-5mol/L以上10-4mol/L以下のトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定する。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出する。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、例えば、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)が挙げられるが、これに限定されない。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、第二の発光性化合物を、第二の発光層の全質量の0.5質量%以上、含有することが好ましい。第二の発光層は、第二の発光性化合物を、第二の発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第二の発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第二の発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層は、第二のホスト材料を、第二の発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第二の発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第二の発光層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、第二の発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第二の発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
第二の発光層は、第二のホスト材料を、第二の発光層の全質量の99.5質量%以下、含有することが好ましい。
ただし、第二の発光層が第二のホスト材料と第二の発光性化合物とを含有する場合、第二のホスト材料及び第二の発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、第二の発光層に、第二のホスト材料と第二の発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
第二の発光層は、第二のホスト材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第二の発光層は、第二の発光性化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層の膜厚は、3nm以上であることが好ましい。第二の発光層の膜厚が3nm以上であれば、第二の発光層において、正孔と電子との再結合を起こすのに充分な膜厚である。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層の膜厚は、15nm以下であることが好ましく、10nm以下であることがより好ましい。第二の発光層の膜厚が15nm以下であれば、第一の発光層へ三重項励起子が移動するのに充分に薄い膜厚である。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層の膜厚は、3nm以上、15nm以下であることがより好ましい。
(第一の発光層)
第一の発光層は、第一のホスト材料を含む。第一のホスト材料は、第二の発光層が含有する第二のホスト材料とは、異なる化合物である。
第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含む。第一の発光性化合物は、蛍光発光性化合物であることが好ましい。
第一の発光性化合物の最大ピーク波長が500nm以下であることが好ましい。第一の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることが好ましい。化合物の最大ピーク波長の測定方法は、前述の通りである。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、素子駆動時に最大ピーク波長が500nm以下の光を放射することが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の最大ピークの半値幅FWHMが、1nm以上、30nm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物のストークスシフトは、7nmを超えることが好ましい。
第一の発光性化合物のストークスシフトが7nmを越えていれば、自己吸収による発光効率の低下を防止し易くなる。
自己吸収とは、放出した光を同一化合物が吸収する現象であり、発光効率の低下を引き起こす現象である。自己吸収は、ストークスシフトの小さい(すなわち、吸収スペクトルと蛍光スペクトルの重なりが大きい)化合物で顕著に観測されるため、自己吸収を抑制するには、ストークスシフトの大きい(吸収スペクトルと蛍光スペクトルの重なりが小さい)化合物を用いることが好ましい。
ストークスシフトは、次に記載する方法で測定できる。測定対象となる化合物を2.0×10-5mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で紫外-可視領域の連続光を照射し、吸収スペクトル(縦軸:吸光度、横軸:波長)を測定する。吸収スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光光度計U-3900/3900H形を用いることができる。また、測定対象となる化合物を4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、測定用試料を調製する。石英セルへ入れた測定用試料に室温(300K)で励起光を照射し、蛍光スペクトル(縦軸:蛍光強度、横軸:波長)を測定した。蛍光スペクトル測定には、分光光度計を用いることができ、例えば、日立ハイテクサイエンス社の分光蛍光光度計F-7000形を用いることができる。
これらの吸収スペクトルと蛍光スペクトルから、吸収極大波長と蛍光極大波長の差を算出し、ストークスシフト(SS)を求める。ストークスシフトSSの単位は、nmである。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)とが下記数式(数6)の関係を満たすことが好ましい。
(D1)>T(H1) …(数6)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物と、第一のホスト材料とが、前記数式(数6)の関係を満たすことにより、第二の発光層で生成した三重項励起子は、第一の発光層に移動する際、より高い三重項エネルギーを有する第一の発光性化合物ではなく、第一のホスト材料の分子にエネルギー移動する。また、第一のホスト材料上で正孔及び電子が再結合して発生した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを持つ第一の発光性化合物には移動しない。第一の発光性化合物の分子上で再結合し発生した三重項励起子は、速やかに第一のホスト材料の分子にエネルギー移動する。
第一のホスト材料の三重項励起子が第一の発光性化合物に移動することなく、TTF現象によって第一のホスト材料上で三重項励起子同士が効率的に衝突することで、一重項励起子が生成される。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の一重項エネルギーS(H1)と、第一の発光性化合物の一重項エネルギーS(D1)とが下記数式(数5)の関係を満たすことが好ましい。
(H1)>S(D1) …(数5)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物と、第一のホスト材料とが、前記数式(数5)の関係を満たすことにより、第一の発光性化合物の一重項エネルギーは、第一のホスト材料の一重項エネルギーより小さいため、TTF現象によって生成された一重項励起子は、第一のホスト材料から第一の発光性化合物へエネルギー移動し、第一の発光性化合物の蛍光性発光に寄与する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物は、分子中にアジン環構造を含まない化合物であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物は、ホウ素含有錯体ではないことが好ましく、第一の発光性化合物は、錯体ではないことがより好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、金属錯体を含有しないことが好ましい。また、本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、ホウ素含有錯体を含有しないことも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、燐光発光性材料(ドーパント材料)を含まないことが好ましい。
また、第一の発光層は、重金属錯体及び燐光発光性の希土類金属錯体を含まないことが好ましい。ここで、重金属錯体としては、例えば、イリジウム錯体、オスミウム錯体、及び白金錯体等が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層は、第一の発光性化合物を、第一の発光層の全質量の0.5質量%以上、含有することが好ましい。第一の発光層は、第一の発光性化合物を、第一の発光層の全質量の10質量%以下、含有することが好ましく、第一の発光層の全質量の7質量%以下、含有することがより好ましく、第一の発光層の全質量の5質量%以下、含有することがさらに好ましい。
第一の発光層は、第一のホスト材料を、第一の発光層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、第一の発光層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、第一の発光層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、第一の発光層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、第一の発光層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
第一の発光層は、第一のホスト材料を、第一の発光層の全質量の99質量%以下、含有することが好ましい。
第一の発光層が第一のホスト材料と第一の発光性化合物とを含有する場合、第一のホスト材料及び第一の発光性化合物の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、第一の発光層に、第一のホスト材料と第一の発光性化合物以外の材料が含まれることを除外しない。
第一の発光層は、第一のホスト材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。第一の発光層は、第一の発光性化合物を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
第一の発光層の膜厚は、第二の発光層の膜厚よりも厚いことが好ましい。
第二の発光層の膜厚が、第一の発光層の膜厚より薄い方が、第二の発光層で発生した三重項励起子は、第二の発光層中に留まらず、第一の発光層へ効率的に拡散することができる。そのため、第二の発光層の膜厚は、第一の発光層の膜厚よりも薄いことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層の膜厚は、5nm以上であることが好ましく、15nm以上であることがより好ましい。第一の発光層の膜厚が5nm以上であれば、第二の発光層から第一の発光層へ移動してきた三重項励起子が、再び第二の発光層に戻ることを抑制し易い。また、第一の発光層の膜厚が5nm以上であれば、第二の発光層における再結合部分から三重項励起子を充分離すことができる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層の膜厚は、25nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。第一の発光層の膜厚が25nm以下であれば、第一の発光層中の三重項励起子の密度を向上させて、TTF現象をさらに起こり易くすることができる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層の膜厚は、5nm以上、25nm以下であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数9)の関係を満たすことが好ましい。
(H2)-T(H1)>0.03eV …(数9)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物又は第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(DX)と、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数10)の関係を満たすことが好ましい。
2.6eV>T(DX)>T(H2)>T(H1) …(数10)
第一の発光層が第一の発光性化合物を含有する場合、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)は、下記数式(数10A)の関係を満たすことが好ましい。
2.6eV>T(D1)>T(H2)>T(H1) …(数10A)
第二の発光層が第二の発光性化合物を含有する場合、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数10B)の関係を満たすことが好ましい。
2.6eV>T(D2)>T(H2)>T(H1) …(数10B)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物又は第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(DX)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数11)の関係を満たすことが好ましい。
0eV<T(DX)-T(H2)<0.6eV …(数11)
第二の発光層が第二の発光性化合物を含有する場合、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)は、下記数式(数11A)の関係を満たすことが好ましい。
0eV<T(D2)-T(H2)<0.6eV …(数11A)
第一の発光層が第一の発光性化合物を含有する場合、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)は、下記数式(数11B)の関係を満たすことが好ましい。
0eV<T(D1)-T(H1)<0.8eV …(数11B)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12)の関係を満たすことが好ましい。
(H2)>2.0eV …(数12)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12A)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数12B)の関係を満たすことも好ましい。
(H2)>2.10eV …(数12A)
(H2)>2.15eV …(数12B)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、前記数式(数12A)又は前記数式(数12B)の関係を満たすことにより、第二の発光層で生成した三重項励起子は、第一の発光層へと移動し易くなり、また、第一の発光層から第二の発光層へ逆移動することを抑制し易くなる。その結果、第一の発光層において、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12C)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数12D)の関係を満たすことも好ましい。
2.08eV>T(H2)>1.87eV …(数12C)
2.05eV>T(H2)>1.90eV …(数12D)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、前記数式(数12C)又は前記数式(数12D)の関係を満たすことにより、第二の発光層で生成した三重項励起子のエネルギーが小さくなり、有機EL素子の長寿命化が期待できる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数14C)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数14D)の関係を満たすことも好ましい。
2.60eV>T(D2) …(数14C)
2.50eV>T(D2) …(数14D)
第二の発光層が、前記数式(数14C)又は(数14D)の関係を満たす化合物を含有することにより、有機EL素子が長寿命化する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)が、下記数式(数14A)の関係を満たすことも好ましく、下記数式(数14B)の関係を満たすことも好ましい。
2.60eV>T(D1) …(数14A)
2.50eV>T(D1) …(数14B)
第一の発光層が、前記数式(数14A)又は(数14B)の関係を満たす化合物を含有することにより、有機EL素子が長寿命化する。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数13)の関係を満たすことも好ましい。
(H1)≧1.9eV …(数13)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数13A)の関係を満たすことも好ましい。
1.9eV>T(H1)≧1.8eV …(数13A)
(第一の陽極側有機層)
第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含む。
第一の陽極側有機材料の三重項エネルギーT(EBL)及び第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数1B)の関係を満たすことが好ましい。
(EBL)>T(H1) …(数1B)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の陽極側有機材料が、前記数式(数1B)の関係を満たすことにより、第一の発光層へ移動した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを有する第一の陽極側有機層の第一の陽極側有機材料へ移動し難くなり、第一の発光層において、より効率的にTTFメカニズムが発現し、一重項励起子が効率良く生成され、発光効率が向上し易くなる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の陽極側有機材料の最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(EBL)の計算値HOMOc(EBL)及び正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値HOMOc(B)が、下記数式(数1C)の関係を満たすことも好ましい。
|HOMO(EBL)|<|HOMO(B)| …(数1C)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層と第一の陽極側有機層とが、直接、接していることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の陽極側有機層は、電子障壁層又は正孔輸送層であることが好ましく、電子障壁層であることがより好ましい。電子障壁層は、例えば、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層又は正孔注入層)に到達することを阻止する層である。また、電子障壁層は、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出すのを阻止する層であってもよい。この場合、電子障壁層は、発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層又は正孔注入層)に移動することを阻止する。
(第一の陰極側有機層)
第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含む。
第一の陰極側有機材料の三重項エネルギーT(HBL)、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)及び第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数1A)の関係を満たすことが好ましい。
(H1)<T(H2)<T(D2)<T(HBL) …(数1A)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の陰極側有機材料が、前記数式(数1A)の関係を満たすことにより、第二の発光層内で生成した三重項励起子は、より高い三重項エネルギーを有する第一の陰極側有機層の第一の陰極側有機材料ではなく、第二のホスト材料上を移動するため、第一の発光層へ移動し易くなる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層と第一の陰極側有機層とが、直接、接していることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の陰極側有機層は、正孔障壁層又は電子輸送層であることが好ましく、正孔障壁層であることがより好ましい。正孔障壁層は、例えば、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層又は電子注入層)に到達することを阻止する層である。また、正孔障壁層は、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出すのを阻止する層であってもよい。この場合、正孔障壁層は、発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層又は電子注入層)に移動することを阻止する。
(有機EL素子のその他の層)
本実施形態に係る有機EL素子は、第一の発光層及び第二の発光層以外に、1以上の有機層を有していてもよい。有機層としては、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層及び電子障壁層からなる群から選択される少なくともいずれかの層が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層及び第二の発光層だけで構成されていてもよいが、例えば、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、及び電子障壁層等からなる群から選択される少なくともいずれかの層をさらに有していてもよい。
本実施形態に係る有機EL素子において、陽極と第一の発光層との間に正孔輸送層を含むことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、第二の発光層と陰極との間に電子輸送層を含むことが好ましい。
図1に、本実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す。
有機EL素子1は、透光性の基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機層10と、を含む。有機層10は、陽極3側から順に、正孔注入層63、正孔輸送層62、第一の陽極側有機層61、第一の発光層51、第二の発光層52、第一の陰極側有機層71、電子輸送層72、及び電子注入層73が、この順番で積層されて構成される。
本発明は、図1に示す有機EL素子の構成に限定されない。別の構成の有機EL素子としては、例えば、有機層が、陽極側から順に、正孔注入層、第一の陽極側有機層、第一の発光層、第二の発光層、第一の陰極側有機層、電子輸送層、及び電子注入層が、この順番で積層されて構成される態様が挙げられる。
本実施形態に係る有機EL素子は、第三の発光層をさらに含んでいてもよい。
第三の発光層は、第三のホスト材料を含み、第一のホスト材料と第二のホスト材料と第三のホスト材料とは、互いに異なり、第三の発光層は、第三の発光性化合物を少なくとも含み、第一の発光性化合物と、第二の発光性化合物と、第三の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数40)の関係を満たすことが好ましい。
(H2)>T(H3) …(数40)
第三の発光性化合物は、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物であることが好ましく、最大ピーク波長が500nm以下の蛍光発光を示す化合物であることがより好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と第三のホスト材料の三重項エネルギーT(H3)とが、下記数式(数41)の関係を満たすことが好ましい。
(H1)>T(H3) …(数41)
本実施形態に係る有機EL素子において、第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接していることが好ましい。
本明細書において、「第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接している」層構造は、例えば、以下の態様(LS1)、(LS2)及び(LS3)のいずれかの態様も含み得る。
(LS1)第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第一のホスト材料及び第二のホスト材料の両方が混在する領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
(LS2)第一の発光層及び第二の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第一のホスト材料、第二のホスト材料及び発光性の化合物が混在する領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
(LS3)第一の発光層及び第二の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第一の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で当該発光性の化合物からなる領域、第一のホスト材料からなる領域、又は第二のホスト材料からなる領域が生じ、当該領域が第一の発光層と第二の発光層との界面に存在する態様。
本実施形態に係る有機EL素子が第三の発光層を含んでいる場合、第一の発光層と第二の発光層とが、直接、接しており、第二の発光層と第三の発光層とが、直接、接していることが好ましい。
本明細書において、「第二の発光層と第三の発光層とが、直接、接している」層構造は、例えば、以下の態様(LS4)、(LS5)及び(LS6)のいずれかの態様も含み得る。
(LS4)第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第二のホスト材料及び第三のホスト材料の両方が混在する領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
(LS5)第二の発光層及び第三の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で第二のホスト材料、第三のホスト材料及び発光性の化合物が混在する領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
(LS6)第二の発光層及び第三の発光層が発光性の化合物を含む場合に、第二の発光層に係る化合物の蒸着の工程と第三の発光層に係る化合物の蒸着の工程を経る過程で当該発光性の化合物からなる領域、第二のホスト材料からなる領域、又は第三のホスト材料からなる領域が生じ、当該領域が第二の発光層と第三の発光層との界面に存在する態様。
(介在層)
本実施形態に係る有機EL素子は、第一の発光層と第二の発光層との間に配置される有機層として、介在層を有することもできる。
本実施形態において、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重ならない様にする為、それを実現できる程度に介在層は発光性化合物を含まない。
例えば、発光性化合物の介在層における含有率が、0質量%だけでなく、例えば、製造の工程で意図せずに混入した成分、又は原材料に不純物として含まれる成分が発光性化合物である場合、介在層がこれらの成分を含むことは、許容される。
例えば、介在層を構成する全ての材料が、材料A、材料B及び材料Cである場合、材料A、材料B及び材料Cの介在層における各々の含有率は、いずれも10質量%以上であり、材料A、材料B及び材料Cの合計含有率は100質量%である。
以下では、介在層を「ノンドープ層」と称することがある。また、発光性化合物を含む層を「ドープ層」と称することがある。
一般的に、発光層を積層構成とした場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが分離され易くなるため、発光効率を改善できるとされている。
本実施形態の有機EL素子において、発光領域中の第一の発光層と第二の発光層との間に介在層(ノンドープ層)が配置されている場合、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なる領域が低減し、三重項励起子とキャリアとの衝突に起因するTTF効率の低下が抑制されることが期待される。つまり、発光層間への介在層(ノンドープ層)の挿入は、TTF発光の効率向上に寄与すると考えられる。
介在層は、ノンドープ層である。
介在層は、金属原子を含まない。そのため、介在層は、金属錯体を含有しない。
介在層は、介在層材料を含む。介在層材料は、発光性化合物ではない。
介在層材料としては、発光性化合物以外の材料であれば、特に限定されない。
介在層材料としては、例えば、1)オキサジアゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、若しくはフェナントロリン誘導体等の複素環化合物、2)カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、ピレン誘導体、若しくはクリセン誘導体等の縮合芳香族化合物、3)トリアリールアミン誘導体、若しくは縮合多環芳香族アミン誘導体等の芳香族アミン化合物が挙げられる。
介在層材料は、第一のホスト材料及び第二のホスト材料の一方、又は両方のホスト材料を用いる事もできるが、Singlet発光領域とTTF発光領域とを離間させ、Singlet発光とTTF発光とを阻害しない材料であれば、特に制限されない。
本実施形態に係る有機EL素子において、介在層は、当該介在層を構成する全ての材料の前記介在層における各々の含有率が、いずれも10質量%以上である。
介在層は、当該介在層を構成する材料として前記介在層材料を含む。
介在層は、前記介在層材料を、介在層の全質量の60質量%以上、含有することが好ましく、介在層の全質量の70質量%以上、含有することがより好ましく、介在層の全質量の80質量%以上、含有することがさらに好ましく、介在層の全質量の90質量%以上、含有することがよりさらに好ましく、介在層の全質量の95質量%以上、含有することがさらになお好ましい。
介在層は、介在層材料を1種のみ含んでもよいし、2種以上含んでもよい。
介在層が介在層材料を2種以上含有する場合、2種以上の介在層材料の合計含有率の上限は、100質量%である。
なお、本実施形態は、介在層に、介在層材料以外の材料が含まれることを除外しない。
介在層は単層で構成されていてもよいし、二層以上積層されて構成されていてもよい。
介在層の膜厚は、Singlet発光領域とTTF発光領域とが重なることを抑制できる形態であれば特に制限は無いが、1層あたり、3nm以上15nm以下であることが好ましく、5nm以上10nm以下であることがより好ましい。
介在層の膜厚が3nm以上であれば、Singlet発光領域とTTF由来の発光領域とを分離しやすくなる。
介在層の膜厚が15nm以下であれば、介在層のホスト材料が発光してしまう現象を抑制しやすくなる。
介在層は、当該介在層を構成する材料として介在層材料を含み、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、少なくとも1つの介在層材料の三重項エネルギーT(Mmid)が、下記数式(数21)の関係を満たすことが好ましい。
(H2)≧T(Mmid)≧T(H1) …(数21)
介在層が、当該介在層を構成する材料として介在層材料を2以上含む場合、第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)と、各々の介在層材料の三重項エネルギーT(MEA)とが、下記数式(数21A)の関係を満たすことがより好ましい。
(H2)≧T(MEA)≧T(H1) …(数21A)
有機EL素子の構成についてさらに説明する。以下、符号の記載は省略することがある。
(基板)
基板は、有機EL素子の支持体として用いられる。基板としては、例えば、ガラス、石英、及びプラスチック等を用いることができる。また、可撓性基板を用いてもよい。可撓性基板とは、折り曲げることができる(フレキシブル)基板のことであり、例えば、プラスチック基板等が挙げられる。プラスチック基板を形成する材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルスルフォン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリフッ化ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、及びポリエチレンナフタレート等が挙げられる。また、無機蒸着フィルムを用いることもできる。
(陽極)
基板上に形成される陽極には、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、酸化インジウム-酸化スズ(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ、酸化インジウム-酸化亜鉛、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウム、グラフェン等が挙げられる。この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン)等が挙げられる。
これらの材料は、通常、スパッタリング法により成膜される。例えば、酸化インジウム-酸化亜鉛は、酸化インジウムに対し1質量%以上10質量%以下の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。また、例えば、酸化タングステン、および酸化亜鉛を含有した酸化インジウムは、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5質量%以上5質量%以下、酸化亜鉛を0.1質量%以上1質量%以下含有したターゲットを用いることにより、スパッタリング法で形成することができる。その他、真空蒸着法、塗布法、インクジェット法、スピンコート法などにより作製してもよい。
陽極上に形成されるEL層のうち、陽極に接して形成される正孔注入層は、陽極の仕事関数に関係なく正孔(ホール)注入が容易である複合材料を用いて形成されるため、電極材料として可能な材料(例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物、その他、元素周期表の第1族または第2族に属する元素も含む)を用いることができる。
仕事関数の小さい材料である、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等を用いることもできる。なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらを含む合金を用いて陽極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。さらに、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
(陰極)
陰極には、仕事関数の小さい(具体的には3.8eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。このような陰極材料の具体例としては、元素周期表の第1族または第2族に属する元素、すなわちリチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、およびマグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)等のアルカリ土類金属、およびこれらを含む合金(例えば、MgAg、AlLi)、ユーロピウム(Eu)、イッテルビウム(Yb)等の希土類金属およびこれらを含む合金等が挙げられる。
なお、アルカリ金属、アルカリ土類金属、これらを含む合金を用いて陰極を形成する場合には、真空蒸着法やスパッタリング法を用いることができる。また、銀ペーストなどを用いる場合には、塗布法やインクジェット法などを用いることができる。
なお、電子注入層を設けることにより、仕事関数の大小に関わらず、Al、Ag、ITO、グラフェン、珪素もしくは酸化珪素を含有した酸化インジウム-酸化スズ等様々な導電性材料を用いて陰極を形成することができる。これらの導電性材料は、スパッタリング法やインクジェット法、スピンコート法等を用いて成膜することができる。
(正孔注入層)
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、モリブデン酸化物、チタン酸化物、バナジウム酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物、クロム酸化物、ジルコニウム酸化物、ハフニウム酸化物、タンタル酸化物、銀酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。
また、正孔注入性の高い物質としては、低分子の有機化合物である4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DPAB)、4,4’-ビス(N-{4-[N’-(3-メチルフェニル)-N’-フェニルアミノ]フェニル}-N-フェニルアミノ)ビフェニル(略称:DNTPD)、1,3,5-トリス[N-(4-ジフェニルアミノフェニル)-N-フェニルアミノ]ベンゼン(略称:DPA3B)、3-[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6-ビス[N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)-N-フェニルアミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3-[N-(1-ナフチル)-N-(9-フェニルカルバゾール-3-イル)アミノ]-9-フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等の芳香族アミン化合物等やジピラジノ[2,3-f:20,30-h]キノキサリン-2,3,6,7,10,11-ヘキサカルボニトリル(HAT-CN)も挙げられる。
また、正孔注入性の高い物質としては、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)を用いることもできる。例えば、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N-(4-{N’-[4-(4-ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル-N’-フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’-ビス(4-ブチルフェニル)-N,N’-ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly-TPD)などの高分子化合物が挙げられる。また、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の酸を添加した高分子化合物を用いることもできる。
(正孔輸送層)
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送層には、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、アントラセン誘導体等を使用する事ができる。具体的には、4,4’-ビス[N-(1-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)やN,N’-ビス(3-メチルフェニル)-N,N’-ジフェニル-[1,1’-ビフェニル]-4,4’-ジアミン(略称:TPD)、4-フェニル-4’-(9-フェニルフルオレン-9-イル)トリフェニルアミン(略称:BAFLP)、4,4’-ビス[N-(9,9-ジメチルフルオレン-2-イル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’-トリス(N,N-ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’-トリス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’-ビス[N-(スピロ-9,9’-ビフルオレン-2-イル)-N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の正孔移動度を有する物質である。
正孔輸送層には、CBP、9-[4-(N-カルバゾリル)]フェニル-10-フェニルアントラセン(CzPA)、9-フェニル-3-[4-(10-フェニル-9-アントリル)フェニル]-9H-カルバゾール(PCzPA)のようなカルバゾール誘導体や、t-BuDNA、DNA、DPAnthのようなアントラセン誘導体を用いても良い。ポリ(N-ビニルカルバゾール)(略称:PVK)やポリ(4-ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)等の高分子化合物を用いることもできる。
但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
(電子輸送層)
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送層には、1)アルミニウム錯体、ベリリウム錯体、亜鉛錯体等の金属錯体、2)イミダゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、アジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントロリン誘導体等の複素芳香族化合物、3)高分子化合物を使用することができる。具体的には低分子の有機化合物として、Alq、トリス(4-メチル-8-キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10-ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、BAlq、Znq、ZnPBO、ZnBTZなどの金属錯体等を用いることができる。また、金属錯体以外にも、2-(4-ビフェニリル)-5-(4-tert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3-ビス[5-(ptert-ブチルフェニル)-1,3,4-オキサジアゾール-2-イル]ベンゼン(略称:OXD-7)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-フェニル-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:TAZ)、3-(4-tert-ブチルフェニル)-4-(4-エチルフェニル)-5-(4-ビフェニリル)-1,2,4-トリアゾール(略称:p-EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’-ビス(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。本実施態様においては、ベンゾイミダゾール化合物を好適に用いることができる。ここに述べた物質は、主に10-6cm/(V・s)以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔輸送性よりも電子輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いてもよい。また、電子輸送層は、単層で構成されていてもよいし、上記物質からなる層が二層以上積層されて構成されていてもよい。
また、電子輸送層には、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9-ジヘキシルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(ピリジン-3,5-ジイル)](略称:PF-Py)、ポリ[(9,9-ジオクチルフルオレン-2,7-ジイル)-co-(2,2’-ビピリジン-6,6’-ジイル)](略称:PF-BPy)などを用いることができる。
(電子注入層)
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入層には、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)、リチウム酸化物(LiOx)等のようなアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を用いることができる。その他、電子輸送性を有する物質にアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはそれらの化合物を含有させたもの、具体的にはAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いてもよい。なお、この場合には、陰極からの電子注入をより効率良く行うことができる。
あるいは、電子注入層に、有機化合物と電子供与体(ドナー)とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
(層形成方法)
本実施形態の有機EL素子の各層の形成方法としては、上記で特に言及した以外には制限されないが、真空蒸着法、スパッタリング法、プラズマ法、イオンプレーティング法などの乾式成膜法や、スピンコーティング法、ディッピング法、フローコーティング法、インクジェット法などの湿式成膜法などの公知の方法を採用することができる。
(膜厚)
本実施形態の有機EL素子の各有機層の膜厚は、上記で特に言及した場合を除いて限定されない。一般に、膜厚が薄すぎるとピンホール等の欠陥が生じやすく、膜厚が厚すぎると高い印加電圧が必要となり効率が悪くなるため、通常、有機EL素子の各有機層の膜厚は、数nmから1μmの範囲が好ましい。
(有機EL素子の発光波長)
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、素子駆動時に最大ピーク波長が500nm以下の光を放射することが好ましい。
本実施形態に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、素子駆動時に最大ピーク波長が、430nm以上480nm以下の光を放射することがより好ましい。
素子駆動時に有機EL素子が放射する光の最大ピーク波長の測定は、以下のようにして行う。電流密度が10mA/cmとなるように有機EL素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ社製)で計測する。得られた分光放射輝度スペクトルにおいて、発光強度が最大となる発光スペクトルのピーク波長を測定し、これを最大ピーク波長(単位:nm)とする。
(第二のホスト材料及び第三のホスト材料)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、第一のホスト材料とは、異なる化合物であって、前記数式(数1)の関係を満たす化合物であれば特に限定されない。
本実施形態に係る有機EL素子において、第三のホスト材料は、前記数式(数40)の関係を満たす化合物であれば特に限定されない。
第二のホスト材料及び第三のホスト材料は、それぞれ独立に、例えば、下記一般式(1)、一般式(1X)、一般式(12X)、一般式(13X)、一般式(14X)、一般式(15X)及び一般式(16X)で表される化合物からなる群から選択されるいずれかの化合物であることも好ましい。
(一般式(1)で表される化合物)
本実施形態において、第二のホスト材料は、例えば、下記一般式(1)で表される化合物であることも好ましい。
(前記一般式(1)において、
101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11)で表される基であり、
ただし、R101~R110の少なくとも1つは、前記一般式(11)で表される基であり、
前記一般式(11)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(11)中の*は、前記一般式(1)中のピレン環との結合位置を示す。)
(第一のホスト材料に係る化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906、R907、R801及びR802は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なる。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基は、下記一般式(111)で表される基であることが好ましい。
(前記一般式(111)において、
は、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
111及びL112は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
maは、0、1、2、3又は4であり、
mbは、0、1、2、3又は4であり、
ma+mbは、0、1、2、3又は4であり、
Ar101は、前記一般式(11)におけるAr101と同義であり、
121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mcは、3であり、
3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
mdは、3であり、
3つのR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(111)で表される基における下記一般式(111a)で表される環構造中の炭素原子*1~*8の位置のうち、*1~*4のいずれか1つの位置にL111が結合し、*1~*4の残りの3つの位置にR121が結合し、*5~*8のいずれか1つの位置にL112が結合し、*5~*8の残りの3つの位置にR122が結合する。
例えば、前記一般式(111)で表される基において、L111が前記一般式(111a)で表される環構造中の*2の炭素原子の位置に結合し、L112が前記一般式(111a)で表される環構造中の*7の炭素原子の位置に結合する場合、前記一般式(111)で表される基は、下記一般式(111b)で表される。
(前記一般式(111b)において、
、L111、L112、ma、mb、Ar101、R121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、前記一般式(111)におけるX、L111、L112、ma、mb、Ar101、R121、R122、R123、R124及びR125と同義であり、
複数のR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(111)で表される基は、前記一般式(111b)で表される基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、maは、0、1又は2であり、mbは、0、1又は2である、ことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、maは、0又は1であり、mbは、0又は1であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換のフェニル基、置換もしくは無置換のナフチル基、置換もしくは無置換のビフェニル基、置換もしくは無置換のターフェニル基、置換もしくは無置換のピレニル基、置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、下記一般式(12)、一般式(13)又は一般式(14)で表される基であることも好ましい。
(前記一般式(12)、一般式(13)及び一般式(14)において、
111~R120は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R124で表される基、
-COOR125で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(12)、一般式(13)及び一般式(14)中の*は、前記一般式(11)中のL101との結合位置、又は前記一般式(111)もしくは一般式(111b)中のL112との結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(101)で表されることが好ましい。
(前記一般式(101)において、
101~R120は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
ただし、R101~R110のうち1つがL101との結合位置を示し、R111~R120のうち1つがL101との結合位置を示し、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
mxは、0、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
本実施形態に係る有機EL素子において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記第一の化合物は、下記一般式(102)で表されることが好ましい。
(前記一般式(102)において、
101~R120は、それぞれ独立に、前記一般式(101)におけるR101~R120と同義であり、
ただし、R101~R110のうち1つがL111との結合位置を示し、R111~R120のうち1つがL112との結合位置を示し、
は、CR123124、酸素原子、硫黄原子、又はNR125であり、
111及びL112は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
maは、0、1、2、3又は4であり、
mbは、0、1、2、3又は4であり、
ma+mbは、0、1、2、3又は4であり、
121、R122、R123、R124及びR125は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mcは、3であり、
3つのR121は、互いに同一であるか、又は異なり、
mdは、3であり、
3つのR122は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(102)で表される化合物において、maは、0、1又は2であり、
mbは、0、1又は2であることが好ましい。
前記一般式(102)で表される化合物において、maは、0又は1であり、mbは、0又は1であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、R101~R110のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であり、かつ、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、Ar101は、置換もしくは無置換のピレニル基ではなく、L101は、置換もしくは無置換のピレニレン基ではなく、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のピレニル基ではないことが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、
前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11)で表される基ではないR101~R110は、水素原子であることが好ましい。
(一般式(1X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(1X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000037
(前記一般式(1X)において、
101~R112は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(11X)で表される基であり、
ただし、R101~R112の少なくとも1つは、前記一般式(11X)で表される基であり、
前記一般式(11X)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11X)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar101は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mxは、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar101が2以上存在する場合、2以上のAr101は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(11X)中の*は、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(111X)で表される基であることが好ましい。
Figure 2024057117000038
(前記一般式(111X)において、
は、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
111及びL112は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
maは、1、2、3又は4であり、
mbは、1、2、3又は4であり、
ma+mbは、2、3又は4であり、
Ar101は、前記一般式(11X)におけるAr101と同義であり、
141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mcは、3であり、
3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
mdは、3であり、
3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(111X)で表される基における下記一般式(111aX)で表される環構造中の炭素原子*1~*8の位置のうち、*1~*4のいずれか1つの位置にL111が結合し、*1~*4の残りの3つの位置にR141が結合し、*5~*8のいずれか1つの位置にL112が結合し、*5~*8の残りの3つの位置にR142が結合する。
Figure 2024057117000039
例えば、前記一般式(111X)で表される基において、L111が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*2の炭素原子の位置に結合し、L112が前記一般式(111aX)で表される環構造中の*7の炭素原子の位置に結合する場合、前記一般式(111X)で表される基は、下記一般式(111bX)で表される。
Figure 2024057117000040
(前記一般式(111bX)において、
、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、前記一般式(111X)におけるX、L111、L112、ma、mb、Ar101、R141、R142、R143、R144及びR145と同義であり、
複数のR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(111X)で表される基は、前記一般式(111bX)で表される基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、maは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、Ar101は、
置換もしくは無置換のフェニル基、
置換もしくは無置換のナフチル基、
置換もしくは無置換のビフェニル基、
置換もしくは無置換のターフェニル基、
置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基、
置換もしくは無置換のピレニル基、
置換もしくは無置換のフェナントリル基、又は
置換もしくは無置換のフルオレニル基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(101X)で表されることも好ましい。
Figure 2024057117000041
(前記一般式(101X)において、
111及びR112のうち1つがL101との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL101との結合位置を示し、
101~R110、R121~R130、L101との結合位置ではないR111又はR112、並びにL101との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
101は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
mxは、1、2、3、4又は5であり、
101が2以上存在する場合、2以上のL101は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(1X)で表される化合物において、L101は、単結合、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(102X)で表されることも好ましい。
Figure 2024057117000042
(前記一般式(102X)において、
111及びR112のうち1つがL111との結合位置を示し、R133及びR134のうち1つがL112との結合位置を示し、
101~R110、R121~R130、L111との結合位置ではないR111又はR112並びにL112との結合位置ではないR133又はR134は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
は、CR143144、酸素原子、硫黄原子、又はNR145であり、
111及びL112は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
maは、1、2、3又は4であり、
mbは、1、2、3又は4であり、
ma+mbは、2、3、4又は5であり、
141、R142、R143、R144及びR145は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mcは、3であり、
3つのR141は、互いに同一であるか、又は異なり、
mdは、3であり、
3つのR142は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1又は2であり、mbは、1又は2であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(102X)中のmaは、1であり、mbは、1であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基は、下記一般式(11AX)で表される基、又は下記一般式(11BX)で表される基であることも好ましい。
Figure 2024057117000043
(前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)において、
121~R131は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(11AX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11AX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
前記一般式(11BX)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(11BX)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
131及びL132は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
前記一般式(11AX)及び前記一般式(11BX)中の*は、それぞれ、前記一般式(1X)中のベンズ[a]アントラセン環との結合位置を示す。)
前記一般式(1X)で表される化合物は、下記一般式(103X)で表されることも好ましい。
Figure 2024057117000044
(前記一般式(103X)において、
101~R110並びにR112は、それぞれ、前記一般式(1X)におけるR101~R110並びにR112と同義であり、
121~R131、L131及びL132は、それぞれ、前記一般式(11BX)におけるR121~R131、L131及びL132と同義である。)
前記一般式(1X)で表される化合物において、L131は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、L132は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基であることも好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11)で表される基であることも好ましい。
本前記一般式(1X)で表される化合物において、R101~R112のうち2つ以上が、前記一般式(11X)で表される基であり、一般式(11X)中のAr101は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、
Ar101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではなく、
101は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリレン基ではなく、
前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R110としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基は、置換もしくは無置換のベンズ[a]アントリル基ではないことも好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基であることが好ましい。
前記一般式(1X)で表される化合物において、前記一般式(11X)で表される基ではないR101~R112は、水素原子であることが好ましい。
(一般式(12X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(12X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000045
(前記一般式(12X)において、
1201~R1210のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ及び前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR1201~R1210は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(121)で表される基であり、
ただし、前記置換もしくは無置換の単環が置換基を有する場合の当該置換基、前記置換もしくは無置換の縮合環が置換基を有する場合の当該置換基、並びにR1201~R1210の少なくとも1つが、前記一般式(121)で表される基であり、
前記一般式(121)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(121)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
1201は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar1201は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx2は、0、1、2、3、4又は5であり、
1201が2以上存在する場合、2以上のL1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar1201が2以上存在する場合、2以上のAr1201は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(121)中の*は、前記一般式(12X)で表される環との結合位置を示す。)
前記一般式(12X)において、R1201~R1210のうちの隣接する2つからなる組とは、R1201とR1202との組、R1202とR1203との組、R1203とR1204との組、R1204とR1205との組、R1205とR1206との組、R1207とR1208との組、R1208とR1209との組、並びにR1209とR1210との組である。
(一般式(13X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(13X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000046
(前記一般式(13X)において、
1301~R1310は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(131)で表される基であり、
ただし、R1301~R1310の少なくとも1つは、前記一般式(131)で表される基であり、
前記一般式(131)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(131)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
1301は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar1301は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx3は、0、1、2、3、4又は5であり、
1301が2以上存在する場合、2以上のL1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar1301が2以上存在する場合、2以上のAr1301は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(131)中の*は、前記一般式(13X)中のフルオランテン環との結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、前記一般式(131)で表される基ではないR1301~R1310のうち隣接する2つ以上からなる組は、いずれも、互いに結合しない。前記一般式(13X)において隣接する2つからなる組とは、R1301とR1302との組、R1302とR1303との組、R1303とR1304との組、R1304とR1305との組、R1305とR1306との組、R1307とR1308との組、R1308とR1309との組、並びにR1309とR1310との組である。
(一般式(14X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(14X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000047
(前記一般式(14X)において、
1401~R1410は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(141)で表される基であり、
ただし、R1401~R1410の少なくとも1つは、前記一般式(141)で表される基であり、
前記一般式(141)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(141)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
1401は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar1401は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx4は、0、1、2、3、4又は5であり、
1401が2以上存在する場合、2以上のL1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar1401が2以上存在する場合、2以上のAr1401は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(141)中の*は、前記一般式(14X)で表される環との結合位置を示す。)
(一般式(15X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(15X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000048
(前記一般式(15X)において、
1501~R1514は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(151)で表される基であり、
ただし、R1501~R1514の少なくとも1つは、前記一般式(151)で表される基であり、
前記一般式(151)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(151)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
1501は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar1501は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx5は、0、1、2、3、4又は5であり、
1501が2以上存在する場合、2以上のL1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar1501が2以上存在する場合、2以上のAr1501は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(151)中の*は、前記一般式(15X)で表される環との結合位置を示す。)
(一般式(16X)で表される化合物)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、下記一般式(16X)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000049
(前記一般式(16X)において、
1601~R1614は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
置換もしくは無置換の炭素数7~50のアラルキル基、
-C(=O)R801で表される基、
-COOR802で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(161)で表される基であり、
ただし、R1601~R1614の少なくとも1つは、前記一般式(161)で表される基であり、
前記一般式(161)で表される基が複数存在する場合、複数の前記一般式(161)で表される基は、互いに同一であるか又は異なり、
1601は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
Ar1601は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx6は、0、1、2、3、4又は5であり、
1601が2以上存在する場合、2以上のL1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar1601が2以上存在する場合、2以上のAr1601は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記一般式(161)中の*は、前記一般式(16X)で表される環との結合位置を示す。)
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、分子中に、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、当該連結構造中のベンゼン環及びナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、当該連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、当該単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
第二のホスト材料が、このような架橋を含んだ連結構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
この場合の第二のホスト材料は、分子中に、下記式(X1)又は式(X2)で表されるような、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造(ベンゼン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)を最小単位として有していればよく、当該ベンゼン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよいし、当該ナフタレン環にさらに単環又は縮合環が縮合していてもよい。例えば、第二のホスト材料が、分子中に、下記式(X3)、式(X4)、又は式(X5)で表されるような、単結合で連結されたナフタレン環とナフタレン環とを含む連結構造(ナフタレン-ナフタレン連結構造と称する場合がある。)においても、一方のナフタレン環は、ベンゼン環を含んでいるため、ベンゼン-ナフタレン連結構造を含んでいることになる。
Figure 2024057117000050
本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。すなわち、前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋構造によりさらに連結した構造を有することも好ましい。
ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X11)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X3)の場合、下記式(X31)で表される連結構造(縮合環)になる。
ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の部分において二重結合を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X12)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X2)の場合、下記式(X21)又は式(X22)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X4)の場合、下記式(X41)で表される連結構造(縮合環)になり、前記式(X5)の場合、下記式(X51)で表される連結構造(縮合環)になる。
ベンゼン-ナフタレン連結構造中のベンゼン環とナフタレン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分においてヘテロ原子(例えば、酸素原子)を含む架橋によりさらに連結すると、例えば、前記式(X1)の場合、下記式(X13)で表される連結構造(縮合環)になる。
Figure 2024057117000051
本実施形態に係る有機EL素子において、第二のホスト材料は、分子中に、第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、当該ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、当該単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結していることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結していることも好ましい。第二のホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含むことも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。
前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結していることも好ましい。
本実施形態に係る有機EL素子において、前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、前記架橋が二重結合を含まないことも好ましい。第二のホスト材料が、このような架橋を含んだビフェニル構造を有していることにより、有機EL素子の色度悪化の抑制が期待できる。
例えば、下記式(BP1)で表される前記ビフェニル構造中の第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが、単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結すると、当該ビフェニル構造は、下記式(BP11)~(BP15)等の連結構造(縮合環)になる。
Figure 2024057117000052
前記式(BP11)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
前記式(BP12)は、前記単結合以外の1つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
前記式(BP13)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含まない架橋によって連結した構造である。
前記式(BP14)は、前記単結合以外の2つの部分の一方において二重結合を含まない架橋によって連結し、前記単結合以外の2つの部分の他方において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
前記式(BP15)は、前記単結合以外の2つの部分において二重結合を含む架橋によって連結した構造である。
第一のホスト材料及び第二のホスト材料において、「置換もしくは無置換」と記載された基は、いずれも「無置換」の基であることが好ましい。
(第二のホスト材料及び第三のホスト材料の製造方法)
第二のホスト材料及び第三のホスト材料としての化合物は、公知の方法により製造できる。また、第二のホスト材料及び第三のホスト材料としての化合物は、公知の方法に倣い、目的物に合わせた既知の代替反応及び原料を用いることによっても、製造できる。
(第二のホスト材料及び第三のホスト材料としての化合物の具体例)
第二のホスト材料及び第三のホスト材料としての化合物の具体例としては、例えば、以下の化合物挙げられる。ただし、本発明は、これら化合物の具体例に限定されない。
本明細書において、化合物の具体例中、Dは、重水素原子を示し、Meは、メチル基を示し、tBuは、tert-ブチル基を示す。
Figure 2024057117000071
Figure 2024057117000072
Figure 2024057117000073
Figure 2024057117000074
Figure 2024057117000075
Figure 2024057117000076
Figure 2024057117000077
Figure 2024057117000078
Figure 2024057117000079
Figure 2024057117000080
Figure 2024057117000081
Figure 2024057117000082
Figure 2024057117000083
Figure 2024057117000084
Figure 2024057117000085
Figure 2024057117000086
Figure 2024057117000087
Figure 2024057117000088
Figure 2024057117000089
Figure 2024057117000090
Figure 2024057117000091
Figure 2024057117000092
Figure 2024057117000093
Figure 2024057117000094
Figure 2024057117000095
Figure 2024057117000096
Figure 2024057117000097
Figure 2024057117000098
Figure 2024057117000099
Figure 2024057117000100
Figure 2024057117000101
Figure 2024057117000102
Figure 2024057117000103
Figure 2024057117000104
Figure 2024057117000105
Figure 2024057117000106
Figure 2024057117000107
Figure 2024057117000108
Figure 2024057117000109
Figure 2024057117000110
Figure 2024057117000111
Figure 2024057117000112
Figure 2024057117000113
Figure 2024057117000114
Figure 2024057117000115
Figure 2024057117000116
Figure 2024057117000117
Figure 2024057117000118
Figure 2024057117000119
Figure 2024057117000120
Figure 2024057117000121
Figure 2024057117000122
Figure 2024057117000123
Figure 2024057117000124
Figure 2024057117000125
Figure 2024057117000126
Figure 2024057117000127
Figure 2024057117000128
Figure 2024057117000129
Figure 2024057117000130
Figure 2024057117000131
Figure 2024057117000132
Figure 2024057117000133
Figure 2024057117000134
Figure 2024057117000135
Figure 2024057117000136
Figure 2024057117000137
Figure 2024057117000138
Figure 2024057117000139
Figure 2024057117000140
Figure 2024057117000141
Figure 2024057117000142
Figure 2024057117000143
(第一の発光性化合物、第二の発光性化合物、及び第三の発光性化合物)
第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物としては、例えば、
下記一般式(3)で表される化合物、
下記一般式(4)で表される化合物、
下記一般式(5)で表される化合物、
下記一般式(6)で表される化合物、
下記一般式(7)で表される化合物、
下記一般式(8)で表される化合物、
下記一般式(9)で表される化合物、
下記一般式(10)で表される化合物、並びに
下記一般式(50)で表される化合物
からなる群から選択される1以上の化合物を好適に使用し得る。
(一般式(3)で表される化合物)
一般式(3)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(3)において、
301~R310のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
301~R310の少なくとも1つは下記一般式(31)で表される1価の基であり、
前記単環を形成せず、前記縮合環を形成せず、かつ下記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(前記一般式(31)において、
Ar301及びAr302は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
301~L303は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
*は、前記一般式(3)中のピレン環における結合位置を示す。)
第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物中、R901、R902、R903、R904、R905、R906及びR907は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
901が複数存在する場合、複数のR901は、互いに同一であるか又は異なり、
902が複数存在する場合、複数のR902は、互いに同一であるか又は異なり、
903が複数存在する場合、複数のR903は、互いに同一であるか又は異なり、
904が複数存在する場合、複数のR904は、互いに同一であるか又は異なり、
905が複数存在する場合、複数のR905は、互いに同一であるか又は異なり、
906が複数存在する場合、複数のR906は、互いに同一であるか又は異なり、
907が複数存在する場合、複数のR907は、互いに同一であるか又は異なる。
前記一般式(3)において、R301~R310のうち2つが前記一般式(31)で表される基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(33)で表される化合物である。
(前記一般式(33)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
311~L316は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(31)において、L301は、単結合であることが好ましく、L302及びL303は単結合であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(34)又は一般式(35)で表される。
(前記一般式(34)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
312、L313、L315及びL316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるL312、L313、L315及びL316と同義であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
(前記一般式(35)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
Ar312、Ar313、Ar315及びAr316は、それぞれ独立に、前記一般式(33)におけるAr312、Ar313、Ar315及びAr316と同義である。)
前記一般式(31)において、好ましくは、Ar301及びAr302のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar312及びAr313のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
前記一般式(33)~一般式(35)において、好ましくは、Ar315及びAr316のうち少なくとも1つが下記一般式(36)で表される基である。
(前記一般式(36)において、
は、酸素原子又は硫黄原子を示し、
321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR321~R327は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
*は、L302、L303、L312、L313、L315又はL316との結合位置を示す。)
は、酸素原子であることが好ましい。
321~R327のうち少なくとも1つは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
前記一般式(31)において、Ar301が前記一般式(36)で表される基であり、Ar302が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar312が前記一般式(36)で表される基であり、Ar313が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
前記一般式(33)~一般式(35)において、Ar315が前記一般式(36)で表される基であり、Ar316が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(3)で表される化合物は、下記一般式(37)で表される。
(前記一般式(37)において、
311~R318は、それぞれ独立に、前記一般式(3)における、前記一般式(31)で表される1価の基ではないR301~R310と同義であり、
321~R327のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
341~R347のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR321~R327並びにR341~R347は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
331~R335並びにR351~R355は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(3)で表される化合物の具体例)
前記一般式(3)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
(一般式(4)で表される化合物)
一般式(4)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(4)において、
Zは、それぞれ独立に、CRa又は窒素原子であり、
A1環及びA2環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
Raが複数存在する場合、複数のRaのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
n21及びn22は、それぞれ独立に、0、1、2、3又は4であり、
Rbが複数存在する場合、複数のRbのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
Rcが複数存在する場合、複数のRcのうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないRa、Rb及びRcは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
A1環及びA2環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
A1環及びA2環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
A1環及びA2環の「複素環」は、前記一般式(4)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
Rbは、A1環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A1環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
Rcは、A2環としての芳香族炭化水素環を形成する炭素原子のいずれか、又は、A2環としての複素環を形成する原子のいずれかに結合する。
Ra、Rb及びRcのうち、少なくとも1つが、下記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つが、下記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
(前記一般式(4a)において、
401は、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar401は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
下記一般式(4b)で表される基である。)
(前記一般式(4b)において、
402及びL403は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基であり、
Ar402及びAr403からなる組は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないAr402及びAr403は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は下記一般式(42)で表される。
(前記一般式(42)において、
401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR401~R411は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
401~R411のうち、少なくとも1つが、前記一般式(4a)で表される基であることが好ましく、少なくとも2つ前記一般式(4a)で表される基であることがより好ましい。
404及びR411が前記一般式(4a)で表される基であることが好ましい。
一実施形態において、前記一般式(4)で表される化合物は、A1環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
また、一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R404~R407が結合する環に下記一般式(4-1)又は一般式(4-2)で表される構造が結合した化合物である。
(前記一般式(4-1)において、2つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
前記一般式(4-2)の3つの*は、それぞれ独立に、前記一般式(4)のA1環としての芳香族炭化水素環の環形成炭素原子もしくは複素環の環形成原子と結合するか、又は前記一般式(42)のR404~R407のいずれかと結合し、
421~R427のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
431~R438のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427並びにR431~R438は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物は、下記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物である。
(前記一般式(41-3)、式(41-4)及び式(41-5)中、
A1環は、前記一般式(4)で定義した通りであり、
421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環は、
置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-5)のA1環としての置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環は、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(4)又は前記一般式(42)で表される化合物は、下記一般式(461)~一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
(前記一般式(461)、一般式(462)、一般式(463)、一般式(464)、一般式(465)、一般式(466)及び一般式(467)中、
421~R427は、それぞれ独立に、前記一般式(4-1)におけるR421~R427と同義であり、
431~R438は、それぞれ独立に、前記一般式(4-2)におけるR431~R438と同義であり、
440~R448並びにR451~R454は、それぞれ独立に、前記一般式(42)におけるR401~R411と同義であり、
は、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態において、前記一般式(42)で表される化合物は、R401~R411のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成し、当該実施形態について、以下一般式(45)で表される化合物として詳述する。
(一般式(45)で表される化合物)
一般式(45)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(45)において、
461とR462とからなる組、R462とR463とからなる組、R464とR465とからなる組、R465とR466とからなる組、R466とR467とからなる組、R468とR469とからなる組、R469とR470とからなる組、及び、R470とR471とからなる組からなる群から選択される組のうち2以上は、互いに結合して、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成し、
ただし、
461とR462とからなる組及びR462とR463とからなる組;
464とR465とからなる組及びR465とR466とからなる組;
465とR466とからなる組及びR466とR467とからなる組;
468とR469とからなる組及びR469とR470とからなる組;並びに
469とR470とからなる組及びR470とR471とからなる組が、同時に環を形成することはなく、
461~R471が形成する2つ以上の環は、互いに同一であるか、又は異なり、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR461~R471は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)、-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(45)において、RとRn+1(nは461、462、464~466、及び468~470から選ばれる整数を表す)は互いに結合して、RとRn+1が結合する2つの環形成炭素原子と共に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環を形成する。当該環は、好ましくは、炭素原子、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子からなる群から選択される原子で構成され、当該環の原子数は、好ましくは3~7であり、より好ましくは5又は6である。
前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造の数は、例えば、2つ、3つ、又は4つである。2つ以上の環構造は、それぞれ前記一般式(45)の母骨格上の同一のベンゼン環上に存在してもよいし、異なるベンゼン環上に存在してもよい。例えば、環構造を3つ有する場合、前記一般式(45)の3つのベンゼン環のそれぞれに1つずつ環構造が存在してもよい。
前記一般式(45)で表される化合物における上記の環構造としては、例えば、下記一般式(451)~(460)で表される構造等が挙げられる。
(前記一般式(451)~(457)において、
*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
が結合する環形成炭素原子は、*1と*2、*3と*4、*5と*6、*7と*8、*9と*10、*11と*12及び*13と*14が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
4501~R4506及びR4512~R4513のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4501~R4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
(前記一般式(458)~(460)において、
*1と*2、及び*3と*4のそれぞれは、RとRn+1が結合する前記2つの環形成炭素原子を表し、
が結合する環形成炭素原子は、*1と*2、又は*3と*4が表す2つの環形成炭素原子のどちらであってもよく、
45は、C(R4512)(R4513)、NR4514、酸素原子又は硫黄原子であり、
4512~R4513及びR4515~R4525のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR4512~R4513、R4515~R4521及びR4522~R4525、並びにR4514は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
前記一般式(45)において、R462、R464、R465、R470及びR471の少なくとも1つ(好ましくは、R462、R465及びR470の少なくとも1つ、さらに好ましくはR462)が、環構造を形成しない基であると好ましい。
(i)前記一般式(45)において、RとRn+1により形成される環構造が置換基を有する場合の置換基、
(ii)前記一般式(45)において、環構造を形成しないR461~R471、及び
(iii)式(451)~(460)におけるR4501~R4514、R4515~R4525は、好ましくは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
下記一般式(461)~一般式(464)で表される基からなる群から選択される基のいずれかである。
(前記一般式(461)~(464)中、
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なり、
p1は、5であり、
p2は、4であり、
p3は、3であり、
p4は、7であり、
前記一般式(461)~(464)中の*は、それぞれ独立に、環構造との結合位置を示す。)
第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物において、R901~R907は、前述のように定義した通りである。
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-1)~(45-6)のいずれかで表される。
Figure 2024057117000173
(前記一般式(45-1)~(45-6)において、
環d~iは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-7)~(45-12)のいずれかで表される。
(前記一般式(45-7)~(45-12)において、
環d~f、k、jは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-13)~(45-21)のいずれかで表される。
(前記一般式(45-13)~(45-21)において、
環d~kは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の単環又は置換もしくは無置換の縮合環であり、
461~R471は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。)
前記環g又は前記環hがさらに置換基を有する場合の置換基としては、例えば、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
前記一般式(461)で表される基、
前記一般式(463)で表される基、又は
前記一般式(464)で表される基が挙げられる。
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-22)~(45-25)のいずれかで表される。
(前記一般式(45-22)~(45-25)において、
46及びX47は、それぞれ独立に、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
461~R471並びにR481~R488は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態において、前記一般式(45)で表される化合物は、下記一般式(45-26)で表される。
(前記一般式(45-26)において、
46は、C(R801)(R802)、NR803、酸素原子又は硫黄原子であり、
463、R464、R467、R468、R471、及びR481~R492は、それぞれ独立に、前記一般式(45)におけるR461~R471と同義である。
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
(一般式(4)で表される化合物の具体例)
前記一般式(4)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。下記具体例中、Phは、フェニル基を示し、Dは、重水素原子を示す。
(一般式(5)で表される化合物)
一般式(5)で表される化合物について説明する。一般式(5)で表される化合物は、上述した一般式(41-3)で表される化合物に対応する化合物である。
(前記一般式(5)において、
501~R507及びR511~R517のうち隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
521及びR522は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
「R501~R507及びR511~R517のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組」は、例えば、R501とR502からなる組、R502とR503からなる組、R503とR504からなる組、R505とR506からなる組、R506とR507からなる組、R501とR502とR503からなる組等の組合せである。
一実施形態において、R501~R507及びR511~R517の少なくとも1つ、好ましくは2つが-N(R906)(R907)で表される基である。
一実施形態においては、R501~R507及びR511~R517は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(52)で表される化合物である。
(前記一般式(52)において、
531~R534及びR541~R544のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR531~R534、R541~R544、並びにR551及びR552は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
561~R564は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(5)で表される化合物は、下記一般式(53)で表される化合物である。
(前記一般式(53)において、R551、R552及びR561~R564は、それぞれ独立に、前記一般式(52)におけるR551、R552及びR561~R564と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR561~R564は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基(好ましくはフェニル基)である。
一実施形態においては、前記一般式(5)におけるR521及びR522、前記一般式(52)及び一般式(53)におけるR551及びR552は、水素原子である。
一実施形態においては、前記一般式(5)、一般式(52)及び一般式(53)における、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基は、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(5)で表される化合物の具体例)
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2024057117000203
Figure 2024057117000204
Figure 2024057117000205
(一般式(6)で表される化合物)
一般式(6)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(6)において、
a環、b環及びc環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
601及びR602は、それぞれ独立に、前記a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601及びR602は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
a環、b環及びc環は、ホウ素原子及び2つの窒素原子から構成される前記一般式(6)中央の縮合2環構造に縮合する環(置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環)である。
a環、b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、上述した「アリール基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
a環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。
b環及びc環の「芳香族炭化水素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。
「置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環」の具体例としては、具体例群G1に記載の「アリール基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
a環、b環及びc環の「複素環」は、上述した「複素環基」に水素原子を導入した化合物と同じ構造である。
a環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子3つを環形成原子として含む。b環及びc環の「複素環」は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の炭素原子2つを環形成原子として含む。「置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環」の具体例としては、具体例群G2に記載の「複素環基」に水素原子を導入した化合物等が挙げられる。
601及びR602は、それぞれ独立に、a環、b環又はc環と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。この場合における複素環は、前記一般式(6)中央の縮合2環構造上の窒素原子を含む。この場合における複素環は、窒素原子以外のヘテロ原子を含んでいてもよい。R601及びR602がa環、b環又はc環と結合するとは、具体的には、a環、b環又はc環を構成する原子とR601及びR602を構成する原子が結合することを意味する。例えば、R601がa環と結合して、R601を含む環とa環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。
601がb環と結合する場合、R602がa環と結合する場合、及びR602がc環と結合する場合も上記と同じである。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環である。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるa環、b環及びc環は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のベンゼン環又はナフタレン環である。
一実施形態において、前記一般式(6)におけるR601及びR602は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
好ましくは置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、前記一般式(6)で表される化合物は下記一般式(62)で表される化合物である。
(前記一般式(62)において、
601Aは、R611及びR621からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
602Aは、R613及びR614からなる群から選択される1以上と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成しないR601A及びR602Aは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
前記一般式(62)のR601A及びR602Aは、それぞれ、前記一般式(6)のR601及びR602に対応する基である。
例えば、R601AとR611が結合して、これらを含む環とa環に対応するベンゼン環が縮合した2環縮合(又は3環縮合以上)の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む2環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R601AとR621が結合する場合、R602AとR613が結合する場合、及びR602AとR614が結合する場合も上記と同じである。
611~R621のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、又は
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成してもよい。
例えば、R611とR612が結合して、これらが結合する6員環に対して、ベンゼン環、インドール環、ピロール環、ベンゾフラン環又はベンゾチオフェン環等が縮合した構造を形成してもよく、形成された縮合環は、ナフタレン環、カルバゾール環、インドール環、ジベンゾフラン環又はジベンゾチオフェン環となる。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR611~R621は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
611~R621のうち少なくとも1つは、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(62)で表される化合物は、下記一般式(63)で表される化合物である。
(前記一般式(63)において、
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成せず、
631~R651のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成してもよい。例えば、R631とR646が結合して、R646が結合するベンゼン環と、Nを含む環と、a環に対応するベンゼン環とが縮合した3環縮合以上の含窒素複素環を形成してもよい。当該含窒素複素環の具体例としては、具体例群G2のうち、窒素を含む3環縮合以上の複素環基に対応する化合物等が挙げられる。R633とR647が結合する場合、R634とR651が結合する場合、及びR641とR642が結合する場合も上記と同じである。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、環形成に寄与しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、又は
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基であり、
631~R651のうち少なくとも1つは置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63A)で表される化合物である。
(前記一般式(63A)において、
661は、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
662~R665は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R661~R665は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B)で表される化合物である。
(前記一般式(63B)において、
671及びR672は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
673~R675は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63B’)で表される化合物である。
(前記一般式(63B’)において、R672~R675は、それぞれ独立に、前記一般式(63B)におけるR672~R675と同義である。)
一実施形態において、R671~R675のうち少なくとも1つは、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、
672は、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
671及びR673~R675は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
-N(R906)(R907)で表される基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C)で表される化合物である。
(前記一般式(63C)において、
681及びR682は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
683~R686は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。)
一実施形態において、前記一般式(63)で表される化合物は、下記一般式(63C’)で表される化合物である。
(前記一般式(63C’)において、R683~R686は、それぞれ独立に、前記一般式(63C)におけるR683~R686と同義である。)
一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R681~R686は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
前記一般式(6)で表される化合物は、まずa環、b環及びc環を連結基(N-R601を含む基及びN-R602を含む基)で結合させることで中間体を製造し(第1反応)、a環、b環及びc環を連結基(ホウ素原子を含む基)で結合させることで最終生成物を製造することができる(第2反応)。第1反応ではバッハブルト-ハートウィッグ反応等のアミノ化反応を適用できる。第2反応では、タンデムヘテロフリーデルクラフツ反応等を適用できる。
(一般式(6)で表される化合物の具体例)
以下に、前記一般式(6)で表される化合物の具体例を記載するが、これらは例示に過ぎず、前記一般式(6)で表される化合物は下記具体例に限定されない。
(一般式(7)で表される化合物)
一般式(7)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(7)において、
r環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(72)又は一般式(73)で表される環であり、
q環及びs環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(74)で表される環であり、
p環及びt環は、それぞれ独立に、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(75)又は一般式(76)で表される構造であり、
は、酸素原子、硫黄原子、又はNR702である。
701が複数存在する場合、隣接する複数のR701は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR701及びR702は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Ar701及びAr702は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
701は、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキレン基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニレン基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニレン基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキレン基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリーレン基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の2価の複素環基であり、
m1は、0、1又は2であり、
m2は、0、1、2、3又は4であり、
m3は、それぞれ独立に、0、1、2又は3であり、
m4は、それぞれ独立に、0、1、2、3、4又は5であり、
701が複数存在する場合、複数のR701は、互いに同一であるか、又は異なり、
が複数存在する場合、複数のXは、互いに同一であるか、又は異なり、
702が複数存在する場合、複数のR702は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar701が複数存在する場合、複数のAr701は、互いに同一であるか、又は異なり、
Ar702が複数存在する場合、複数のAr702は、互いに同一であるか、又は異なり、
701が複数存在する場合、複数のL701は、互いに同一であるか、又は異なる。)
前記一般式(7)において、p環、q環、r環、s環及びt環の各環は、隣接環と炭素原子2つを共有して縮合する。縮合する位置及び向きは限定されず、任意の位置及び向きで縮合可能である。
一実施形態において、r環としての前記一般式(72)又は一般式(73)において、m1=0又はm2=0である。
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は、下記一般式(71-1)~(71-6)のいずれかで表される。
(前記一般式(71-1)~一般式(71-6)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm3と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-11)~一般式(71-13)のいずれかで表される。
(前記一般式(71-11)~一般式(71-13)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1、m3及びm4と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-21)~(71-25)のいずれかで表される。
(前記一般式(71-21)~一般式(71-25)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m1及びm4と同義である。)
一実施形態において、前記一般式(7)で表される化合物は下記一般式(71-31)~一般式(71-33)のいずれかで表される。
(前記一般式(71-31)~一般式(71-33)において、R701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4は、それぞれ、前記一般式(7)におけるR701、X、Ar701、Ar702、L701、m2~m4と同義である。)
一実施形態においては、Ar701及びAr702が、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態においては、Ar701及びAr702の一方が置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、Ar701及びAr702の他方が置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
(一般式(7)で表される化合物の具体例)
前記一般式(7)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
(一般式(8)で表される化合物)
一般式(8)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(8)において、
801とR802、R802とR803、及びR803とR804の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(82)で示される2価の基を形成し、
805とR806、R806とR807、及びR807とR808の少なくとも一組は、互いに結合して下記一般式(83)で示される2価の基を形成する。)
(前記一般式(82)で示される2価の基を形成しないR801~R804、及びR811~R814の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
前記一般式(83)で示される2価の基を形成しないR805~R808、及びR821~R824の少なくとも1つは下記一般式(84)で表される1価の基であり、
は、酸素原子、硫黄原子、又はNR809であり、
前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824、並びにR809は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(84)において、
Ar801及びAr802は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
801~L803は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個の基が結合して形成される2価の連結基であり、
前記一般式(84)中の*は、前記一般式(8)で表される環構造、一般式(82)又は一般式(83)で表される基との結合位置を示す。)
前記一般式(8)において、前記一般式(82)で示される2価の基及び一般式(83)で示される2価の基が形成される位置は特に限定されず、R801~R808の可能な位置において当該基を形成し得る。
一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-1)~(81-6)のいずれかで表される。
(前記一般式(81-1)~一般式(81-6)において、
は、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
801~R824のうち少なくとも2つは、前記一般式(84)で表される1価の基であり、
前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態において、前記一般式(8)で表される化合物は、下記一般式(81-7)~(81-18)のいずれかで表される。
Figure 2024057117000267
(前記一般式(81-7)~一般式(81-18)において、
は、前記一般式(8)におけるXと同義であり、
*は、前記一般式(84)で表される1価の基と結合する単結合であり、
801~R824は、それぞれ独立に、前記一般式(81-1)~一般式(81-6)における前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R824と同義である。)
前記一般式(82)及び一般式(83)で表される2価の基を形成せず、かつ、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR801~R808、及び、前記一般式(84)で表される1価の基ではないR811~R814及びR821~R824は、好ましくは、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
前記一般式(84)で表される1価の基は、好ましくは下記一般式(85)又は一般式(86)で表される。
(前記一般式(85)において、
831~R840は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
前記一般式(85)中の*は、前記一般式(84)中の*と同義である。)
(前記一般式(86)において、
Ar801、L801及びL803は、前記一般式(84)におけるAr801、L801及びL803と同義であり、
HAr801は、下記一般式(87)で表される構造である。)
(前記一般式(87)において、
81は、酸素原子又は硫黄原子であり、
841~R848のいずれか1つは、L803に結合する単結合であり、
単結合ではないR841~R848は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(一般式(8)で表される化合物の具体例)
前記一般式(8)で表される化合物としては、国際公開第2014/104144号に記載の化合物の他、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
(一般式(9)で表される化合物)
一般式(9)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(9)において、
91環及びA92環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、
下記一般式(92)で表される構造の*と結合する。)
(前記一般式(92)において、
93環は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
は、NR93、C(R94)(R95)、Si(R96)(R97)、Ge(R98)(R99)、酸素原子、硫黄原子又はセレン原子であり、
91及びR92は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR91及びR92、並びにR93~R99は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
91環及びA92環からなる群から選択される1以上の環は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。即ち、一実施形態において、A91環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。また、一実施形態において、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。
一実施形態において、A91環及びA92環のいずれか又は両方に下記一般式(93)で表される基が結合する。
(前記一般式(93)において、
Ar91及びAr92は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
91~L93は、それぞれ独立に、
単結合、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリーレン基及び置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の2価の複素環基からなる群から選択される2~4個結合して形成される2価の連結基であり、
前記一般式(93)中の*は、A91環及びA92環のいずれかとの結合位置を示す。)
一実施形態において、A91環に加えて、A92環の前記芳香族炭化水素環の環形成炭素原子、又は前記複素環の環形成原子は、前記一般式(92)で表される構造の*と結合する。この場合、前記一般式(92)で表される構造は、互いに同一でもよいし異なってもよい。
一実施形態において、R91及びR92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、R91及びR92は、互いに結合してフルオレン構造を形成する。
一実施形態において、環A91及び環A92は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
一実施形態において、環A93は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環である。
一実施形態において、Xは、酸素原子又は硫黄原子である。
(一般式(9)で表される化合物の具体例)
前記一般式(9)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
(一般式(10)で表される化合物)
一般式(10)で表される化合物について説明する。
(前記一般式(10)において、
Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10a)で表される環であり、
Ax環は、隣接環の任意の位置で縮合する前記一般式(10b)で表される環であり、
前記一般式(10b)中の2つの*は、Ax環の任意の位置と結合し、
及びXは、それぞれ独立に、C(R1003)(R1004)、Si(R1005)(R1006)、酸素原子又は硫黄原子であり、
Ax環は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
Ar1001は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
1001~R1006は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
mx1は、3であり、mx2は、2であり、
複数のR1001は、互いに同一であるか、又は異なり、
複数のR1002は、互いに同一であるか、又は異なり、
axは、0、1又は2であり、
axが0又は1の場合、「3-ax」で示されるカッコ内の構造は、互いに同一であるか、又は異なり、
axが2の場合、複数のAr1001は、互いに同一であるか、又は異なる。)
一実施形態において、Ar1001は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基である。
一実施形態において、Ax環は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環であり、例えば、置換もしくは無置換のベンゼン環、置換もしくは無置換のナフタレン環、又は置換もしくは無置換のアントラセン環である。
一実施形態において、R1003及びR1004は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基である。
一実施形態において、axは1である。
(一般式(10)で表される化合物の具体例)
前記一般式(10)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
一実施形態においては、前記発光層が、第一の発光性化合物、第二の発光性化合物及び第三の発光性化合物の少なくともいずれかの化合物として、
前記一般式(4)で表される化合物、
前記一般式(5)で表される化合物、
前記一般式(7)で表される化合物、
前記一般式(8)で表される化合物、
前記一般式(9)で表される化合物及び
下記一般式(63a)で表される化合物からなる群から選択される1以上の化合物を含有する。
(前記一般式(63a)において、
631は、R646と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
633は、R647と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
634は、R651と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
641は、R642と結合して、置換もしくは無置換の複素環を形成するか、あるいは置換もしくは無置換の複素環を形成しない。
631~R651のうちの隣接する2つ以上の1組以上は、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
但し、前記置換もしくは無置換の複素環を形成せず、前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR631~R651のうちの少なくとも1つは、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)で表される化合物であり、前記一般式(41-5)中のA1環が、置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環、又は置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)、及び一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
置換もしくは無置換のナフタレン環、
置換もしくは無置換のアントラセン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)、一般式(41-4)又は一般式(41-5)における、前記置換もしくは無置換の環形成炭素数10~50の縮合芳香族炭化水素環が、
置換もしくは無置換のナフタレン環、又は
置換もしくは無置換のフルオレン環であり、
前記置換もしくは無置換の環形成原子数8~50の縮合複素環が、
置換もしくは無置換のジベンゾフラン環、
置換もしくは無置換のカルバゾール環、又は
置換もしくは無置換のジベンゾチオフェン環である。
一実施形態においては、前記一般式(4)で表される化合物が、
下記一般式(461)で表される化合物、
下記一般式(462)で表される化合物、
下記一般式(463)で表される化合物、
下記一般式(464)で表される化合物、
下記一般式(465)で表される化合物、
下記一般式(466)で表される化合物、及び
下記一般式(467)で表される化合物からなる群から選択される。
(前記一般式(461)~(467)中、
421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
437、R438、並びに前記単環を形成せず、かつ前記縮合環を形成しないR421~R427、R431~R436、R440~R448及びR451~R454は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901)(R902)(R903)で表される基、
-O-(R904)で表される基、
-S-(R905)で表される基、
-N(R906)(R907)で表される基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
は、酸素原子、NR801、又はC(R802)(R803)であり、
801、R802及びR803は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基であり、
801が複数存在する場合、複数のR801は、互いに同一であるか又は異なり、
802が複数存在する場合、複数のR802は、互いに同一であるか又は異なり、
803が複数存在する場合、複数のR803は、互いに同一であるか又は異なる。)
一実施形態においては、R421~R427及びR440~R448が、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、R421~R427及びR440~R447が、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、及び
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基からなる群から選択される。
一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-1)で表される化合物である。
(前記一般式(41-3-1)中、R423、R425、R426、R442、R444及びR445は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR423、R425、R426、R442、R444及びR445と同義である。)
一実施形態においては、前記一般式(41-3)で表される化合物が、下記一般式(41-3-2)で表される化合物である。
(前記一般式(41-3-2)中、R421~R427及びR440~R448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R427及びR440~R448と同義であり、
但し、R421~R427及びR440~R446の少なくとも1つは、-N(R906)(R907)で表される基である。)
一実施形態においては、前記式(41-3-2)における、R421~R427及びR440~R446のいずれか2つが、-N(R906)(R907)で表される基である。
一実施形態においては、前記式(41-3-2)で表される化合物が、下記式(41-3-3)で表される化合物である。
(前記一般式(41-3-3)中、R421~R424、R440~R443、R447及びR448は、それぞれ独立に、前記一般式(41-3)におけるR421~R424、R440~R443、R447及びR448と同義であり、
、R、R及びRは、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。)
一実施形態においては、前記式(41-3-3)で表される化合物が、下記式(41-3-4)で表される化合物である。
(前記一般式(41-3-4)中、R447、R448、R、R、R及びRは、それぞれ独立に、前記式(41-3-3)におけるR447、R448、R、R、R及びRと同義である。)
一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~18のアリール基である。
一実施形態においては、R、R、R及びRが、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基である。
一実施形態においては、R447及びR448が、水素原子である。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R901a)(R902a)(R903a)、
-O-(R904a)、
-S-(R905a)、
-N(R906a)(R907a)、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ニトロ基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901a~R907aは、それぞれ独立に、
水素原子、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
901aが2以上存在する場合、2以上のR901aは、互いに同一であるか、又は異なり、
902aが2以上存在する場合、2以上のR902aは、互いに同一であるか、又は異なり、
903aが2以上存在する場合、2以上のR903aは、互いに同一であるか、又は異なり、
904aが2以上存在する場合、2以上のR904aは、互いに同一であるか、又は異なり、
905aが2以上存在する場合、2以上のR905aは、互いに同一であるか、又は異なり、
906aが2以上存在する場合、2以上のR906aは、互いに同一であるか、又は異なり、
907aが2以上存在する場合、2以上のR907aは、互いに同一であるか、又は異なる。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~50のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。
一実施形態においては、前記各式中の「置換もしくは無置換の」という場合における置換基が、
無置換の炭素数1~18のアルキル基、
無置換の環形成炭素数6~18のアリール基、又は
無置換の環形成原子数5~18の複素環基である。
(一般式(50)で表される化合物)
一般式(50)で表される化合物について説明する。
第一の発光性化合物及び第二の発光性化合物は、下記一般式(50)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000297
Figure 2024057117000298
(前記一般式(50)において、
Ax環、Dx環及びEx環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環であり、
は、CR55又は窒素原子であり、
から延びる破線は、Zと結合する単結合であるか、又はZと結合する単結合であり、
は、
前記破線で示される単結合でXと結合している場合は炭素原子であり、
前記破線で示される単結合でXと結合していない場合は、CRX9又は窒素原子であり、
は、
前記破線で示される単結合でXと結合している場合は炭素原子であり、
前記破線で示される単結合でXと結合していない場合は、CRX8又は窒素原子であり、
54及びR55からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR54及びR55は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R581)(R582)(R583)で表される基、
-O-(R584)で表される基、
-S-(R585)で表される基、
-N(R586)(R587)で表される基、
-C(=O)R588で表される基、
-COOR589で表される基、
-C(=O)-N(R590)(R591)で表される基、
-P(=O)(R592)(R593)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
Yは、NR51、酸素原子、硫黄原子もしくはC(R523)(R524)であるか、又は前記一般式(51A)で表され、
51は、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基、又は
前記一般式(52A)で表される基であり、
51は、
Ax環と結合するか、
Ex環と結合するか、又は
Ax環及びEx環とは結合せず、
前記一般式(52A)中の、X51は、CR574又は窒素原子であり、
前記一般式(52A)中のR573及びR574からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR573及びR574は、それぞれ独立に、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR54及びR55と同義であり、
前記一般式(52A)中の2つの破線のうち、
51から延びる破線は、Zと結合する単結合であるか、又はZと結合する単結合であり、
他方の破線は、NR51で表される基の窒素原子との結合位置を示し、
は、
前記破線で示される単結合でX51と結合している場合は炭素原子であり、
前記破線で示される単結合でX51と結合していない場合は、CRX6A又は窒素原子であり、
は、
前記破線で示される単結合でX51と結合している場合は炭素原子であり、
前記破線で示される単結合でX51と結合していない場合は、CRX8A又は窒素原子であり、
523及びR524からなる組が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
571、R572、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR523及びR524は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R581)(R582)(R583)で表される基、
-O-(R584)で表される基、
-S-(R585)で表される基、
-N(R586)(R587)で表される基、
-C(=O)R588で表される基、
-COOR589で表される基、
-C(=O)-N(R590)(R591)で表される基、
-P(=O)(R592)(R593)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
571及びR572の一方が、Ax環と結合するか、Ex環と結合するか、又は
571及びR572の両方が、Ax環及びEx環とは結合せず、
qは、0又は1であり、
p及びrは、それぞれ独立に、0、1、2又は3であり、
複数のR56のうちの隣接する2つ以上からなる組、
複数のR58のうちの隣接する2つ以上からなる組、
複数のR59のうちの隣接する2つ以上からなる組、
X6Aと、RX6Aに隣接するR56と、からなる組、
X9と、RX9に隣接するR59と、からなる組、
X8と、RX8に隣接するR58と、からなる組、並びに
X8Aと、RX8Aに隣接するR58と、からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR56、R58、R59、RX6A、RX8A、RX8及びRX9は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R581)(R582)(R583)で表される基、
-O-(R584)で表される基、
-S-(R585)で表される基、
-N(R586)(R587)で表される基、
-C(=O)R588で表される基、
-COOR589で表される基、
-C(=O)-N(R590)(R591)で表される基、
-P(=O)(R592)(R593)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である。)
(前記一般式(50)で表される化合物中、R581~R593は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
581が複数存在する場合、複数のR581は、互いに同一であるか又は異なり、
582が複数存在する場合、複数のR582は、互いに同一であるか又は異なり、
583が複数存在する場合、複数のR583は、互いに同一であるか又は異なり、
584が複数存在する場合、複数のR584は、互いに同一であるか又は異なり、
585が複数存在する場合、複数のR585は、互いに同一であるか又は異なり、
586が複数存在する場合、複数のR586は、互いに同一であるか又は異なり、
587が複数存在する場合、複数のR587は、互いに同一であるか又は異なり、
588が複数存在する場合、複数のR588は、互いに同一であるか又は異なり、
589が複数存在する場合、複数のR589は、互いに同一であるか又は異なり、
590が複数存在する場合、複数のR590は、互いに同一であるか又は異なり、
591が複数存在する場合、複数のR591は、互いに同一であるか又は異なり、
592が複数存在する場合、複数のR592は、互いに同一であるか又は異なり、
593が複数存在する場合、複数のR593は、互いに同一であるか又は異なる。)
前記一般式(50)において、Ax環、Dx環及びEx環は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30の芳香族炭化水素環、又は、
置換もしくは無置換の環形成原子数5~30の複素環であることも好ましい。
前記一般式(50)において、R54及びR55からなる組が、置換もしくは無置換の脂肪族環を形成することも好ましい。
前記一般式(50)で表される化合物は、下記一般式(53)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000299
(前記一般式(53)において、
X1及びRX8Aからなる組、
X1及びRX8からなる組、
X2及びRX3からなる組、
X3及びRX4からなる組、
X5及びRX6からなる組、並びに
X6及びRX7からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないRX1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6、RX7、RX8A及びRX8は、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のフルオロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2~50のアルキニル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
-Si(R581)(R582)(R583)で表される基、
-O-(R584)で表される基、
-S-(R585)で表される基、
-N(R586)(R587)で表される基、
-C(=O)R588で表される基、
-COOR589で表される基、
-C(=O)-N(R590)(R591)で表される基、
-P(=O)(R592)(R593)で表される基、
シアノ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であり、
は、前記一般式(50)におけるXと同義であり、
54は、前記一般式(50)におけるR54と同義であり、
51は、前記一般式(52A)におけるX51と同義であり、
573は、前記一般式(52A)におけるR573と同義である。)
前記一般式(50)で表される化合物は、下記一般式(531)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000300
(前記一般式(531)において、
X1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6、RX7、RX8A及びRX8は、それぞれ独立に、前記一般式(53)におけるRX1、RX2、RX3、RX4、RX5、RX6、RX7、RX8A及びRX8と同義であり、
54は、前記一般式(50)におけるR54と同義であり、
573は、前記一般式(52A)におけるR573と同義である。)
(前記一般式(531)において、
X1及びRX8Aからなる組、
X1及びRX8からなる組、
X2及びRX3からなる組、
X3及びRX4からなる組、
X5及びRX6からなる組、並びに
X6及びRX7からなる組の1組以上が、下記一般式(532)で表される環構造又は下記一般式(533)で表される環構造を形成することも好ましい。
Figure 2024057117000301
(前記一般式(532)及び(533)において、
V1~RV8は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基(好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~8のアルキル基、より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~4のアルキル基)、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~10のアリール基、より好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6のアリール基)であり、
Wは、C(RV9)(RV10)、酸素原子、硫黄原子、又はNRV11であり、
V9及びRV10は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基(好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~8のアルキル基、より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~4のアルキル基)であり、
V11は、置換もしくは無置換の炭素数1~25のアルキル基(好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~8のアルキル基であり、より好ましくは、置換もしくは無置換の炭素数1~4のアルキル基)、又は置換もしくは無置換の環形成炭素数6~30のアリール基(好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6~10のアリール基、より好ましくは、置換もしくは無置換の環形成炭素数6のアリール基)であり、
*は、それぞれ、Ax環、Dx環及びEx環との結合位置を示す。)
前記一般式(531)において、R54及びR573は、それぞれ独立に、メチル基、tert-ブチル基、-CF、無置換のフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、キシリル基又はメシチル基であることが好ましい。
前記一般式(531)において、RX2、RX3、RX6及びRX7は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、sec-プロピル基、n-ブチル基、tert-ブチル基、-C(Me)、無置換のフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、メシチル基、キシリル基、o-メチルフェニル基又は置換もしくは無置換のビフェニル基(好ましくは、無置換のビフェニル基)であることが好ましい。
前記一般式(531)において、RX1、RX8A及びRX8は、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、n-ブチル基、無置換のフェニル基、-O-フェニル基、-NPh、N-カルバゾリル基又は-N(C Bu)であることが好ましい。Phは、無置換のフェニル基を示し、Buは、tert-ブチル基を示す。
前記一般式(531)において、RX4及びRX5は、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(531)において、RX4、RX5、RX8A及びRX8は、水素原子であることが好ましい。
前記一般式(50)で表される化合物は、下記一般式(534)で表される化合物であることも好ましい。
Figure 2024057117000302
(前記一般式(534)において、RX1、RX2、RX3、RX6及びRX7は、それぞれ独立に、前記一般式(53)におけるRX1、RX2、RX3、RX6及びRX7と同義であり、R54は、前記一般式(50)におけるR54と同義であり、R573は、前記一般式(52A)におけるR573と同義である。)
前記一般式(50)で表される化合物中、R581~R593は、それぞれ独立に、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数3~50のシクロアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基であることが好ましい。
(一般式(50)で表される化合物の具体例)
前記一般式(50)で表される化合物としては、例えば、以下に示す化合物が具体例として挙げられる。
Figure 2024057117000303
Figure 2024057117000304
Figure 2024057117000305
Figure 2024057117000306
Figure 2024057117000307
Figure 2024057117000308
Figure 2024057117000309
Figure 2024057117000310
Figure 2024057117000311
Figure 2024057117000312
Figure 2024057117000313
Figure 2024057117000314
Figure 2024057117000315
Figure 2024057117000316
Figure 2024057117000317
Figure 2024057117000318
Figure 2024057117000319
Figure 2024057117000320
Figure 2024057117000321
Figure 2024057117000322
Figure 2024057117000323
Figure 2024057117000324
Figure 2024057117000325
Figure 2024057117000326
Figure 2024057117000327
Figure 2024057117000328
Figure 2024057117000329
Figure 2024057117000330
〔第二実施形態〕
(電子機器)
本実施形態に係る電子機器は、上述の実施形態のいずれかの有機EL素子を搭載している。電子機器としては、例えば、表示装置及び発光装置等が挙げられる。表示装置としては、例えば、表示部品(例えば、有機ELパネルモジュール等)、テレビ、携帯電話、タブレット、及びパーソナルコンピュータ等が挙げられる。発光装置としては、例えば、照明及び車両用灯具等が挙げられる。
〔実施形態の変形〕
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良等は、本発明に含まれる。
例えば、発光層は、2層に限られず、2を超える複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が2を超える複数の発光層を有する場合、少なくとも2つの発光層が上記実施形態で説明した条件を満たしていればよい。例えば、その他の発光層が、蛍光発光型の発光層であっても、三重項励起状態から直接基底状態への電子遷移による発光を利用した燐光発光型の発光層であってもよい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、中間層を介して複数の発光ユニットが積層された、いわゆるタンデム型の有機EL素子であってもよい。
また、例えば、発光層の陽極側、及び陰極側の少なくとも一方に障壁層を隣接させて設けてもよい。障壁層は、発光層に接して配置され、正孔、電子、及び励起子の少なくともいずれかを阻止することが好ましい。
例えば、発光層の陰極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、電子を輸送し、かつ正孔が当該障壁層よりも陰極側の層(例えば、電子輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、電子輸送層を含む場合は、発光層と電子輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、発光層の陽極側で接して障壁層が配置された場合、当該障壁層は、正孔を輸送し、かつ電子が当該障壁層よりも陽極側の層(例えば、正孔輸送層)に到達することを阻止する。有機EL素子が、正孔輸送層を含む場合は、発光層と正孔輸送層との間に当該障壁層を含むことが好ましい。
また、励起エネルギーが発光層からその周辺層に漏れ出さないように、障壁層を発光層に隣接させて設けてもよい。発光層で生成した励起子が、当該障壁層よりも電極側の層(例えば、電子輸送層及び正孔輸送層等)に移動することを阻止する。
発光層と障壁層とは接合していることが好ましい。
その他、本発明の実施における具体的な構造、及び形状等は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等としてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明は、これら実施例に何ら限定されない。
<化合物>
実施例1~4に係る有機EL素子の製造に用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024057117000331
比較例1~3に係る有機EL素子の製造に用いた化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024057117000332
実施例1~4及び比較例1~3に係る有機EL素子の製造に用いたその他の化合物の構造を以下に示す。
Figure 2024057117000333
Figure 2024057117000334
Figure 2024057117000335
<有機EL素子の作製>
(実施例1)
25mm×75mm×1.1mm厚のITO(Indium Tin Oxide)透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマテック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行なった。ITO透明電極の膜厚は、130nmとした。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に透明電極を覆うようにして、化合物HAを蒸着し、膜厚5nmの正孔注入層を形成した。
正孔注入層の上に化合物HT-aを蒸着し、膜厚120nmの正孔輸送層を形成した。
正孔輸送層の上に化合物HT-bを蒸着し、膜厚5nmの電子障壁層(EBL)を形成した。
電子障壁層の上に化合物BH1-a(第一のホスト材料(BH))及び化合物BD1(第一の発光性化合物(BD))を、化合物BD1の割合が1質量%となるように共蒸着し、膜厚12.5nmの第一の発光層を形成した。
第一の発光層上に化合物BH2-a(第二のホスト材料(BH))及び化合物BD1(第二の発光性化合物(BD))を、化合物BD1の割合が1質量%となるように共蒸着し、膜厚12.5nmの第二の発光層を形成した。
第二の発光層の上に化合物HB-aを蒸着し、膜厚5nmの正孔障壁層(HBL)を形成した。
正孔障壁層の上に化合物ET-aを蒸着し、膜厚20nmの電子輸送層(ET)を形成した。
電子輸送層の上にフッ化リチウム(LiF)を蒸着して膜厚1nmの電子注入層を形成した。
電子注入層の上に金属Alを蒸着して膜厚80nmの陰極を形成した。
実施例1の素子構成を略式的に示すと、次のとおりである。
ITO(130)/HA(5)/HT-a(120)/HT-b(5)/BH1-a:BD1(12.5,99%:1%)/BH2-a:BD1(12.5,99%:1%)/HB-a(5)/ET-a(20)/LiF(1)/Al(80)
なお、括弧内の数字は、膜厚(単位:nm)を示す。
同じく括弧内において、パーセント表示された数字(99%:1%)は、第一の発光層又は第二の発光層におけるホスト材料(化合物BH1-a又はBH2-a)及び発光性化合物(化合物BD1)の割合(質量%)を示す。
(実施例2)
実施例2の有機EL素子は、実施例1の第二の発光層で用いた化合物BH2-a(第二のホスト材料)を表1に示す化合物に変更した以外、実施例1と同様に作製した。
(実施例3)
実施例3の有機EL素子は、実施例1の第一の発光層で用いた化合物BH1-a(第一のホスト材料)を表1に示す化合物に変更した以外、実施例1と同様に作製した。
(実施例4)
実施例4の有機EL素子は、実施例1の電子障壁層で用いた化合物HT-bを表1に示す化合物に変更した以外、実施例1と同様に作製した。
(比較例1~3)
比較例1~3の有機EL素子は、それぞれ、実施例1の第一の発光層で用いた化合物BH1-a(第一のホスト材料)を表1に示す化合物に変更した以外、実施例1と同様に作製した。
<有機EL素子の評価>
作製した有機EL素子について、以下の評価を行った。評価結果を表1に示す。
・外部量子効率EQE
電流密度が10mA/cmとなるように素子に電圧を印加した時の分光放射輝度スペクトルを分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)で計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行ったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
各例のEQEの測定値、並びに下記数式(数1X)により、「EQE(相対値)」(単位:%)を算出した。
EQE(相対値)=(各例のEQE/実施例1のEQE)×100…(数1X)
・寿命LT95
作製した有機EL素子に、電流密度が50mA/cmとなるように電圧を印加し、初期輝度に対して輝度が95%となるまでの時間(LT95(単位:時間))を測定した。輝度は、分光放射輝度計CS-2000(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。
各例のLT95の測定値、並びに下記数式(数2X)により、「LT95(相対値)」(単位:%)を算出した。
LT95(相対値)=(各例のLT95/実施例1のLT95)×100…(数2X)
Figure 2024057117000336
実施例1~4の有機EL素子は、発光効率が高く、長寿命であった。
<化合物の評価方法>
化合物の評価方法を以下に示す。化合物の評価結果は、表1~表4に示す。表1に示す三重項エネルギーTの値は、実測値である。
(三重項エネルギーT
測定対象となる化合物をEPA(ジエチルエーテル:イソペンタン:エタノール=5:5:2(容積比))中に、濃度が10μmol/Lとなるように溶解し、この溶液を石英セル中に入れて測定試料とした。この測定試料について、低温(77[K])で燐光スペクトル(縦軸:燐光発光強度、横軸:波長とする。)を測定し、この燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]に基づいて、次の換算式(F1)から算出されるエネルギー量を三重項エネルギーTとした。なお、三重項エネルギーTは、測定条件によっては上下0.02eV程度の誤差が生じ得る。
換算式(F1):T[eV]=1239.85/λedge
燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線は以下のように引く。燐光スペクトルの短波長側から、スペクトルの極大値のうち、最も短波長側の極大値までスペクトル曲線上を移動する際に、長波長側に向けて曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち上がるにつれ(つまり縦軸が増加するにつれ)、傾きが増加する。この傾きの値が極大値をとる点において引いた接線(すなわち変曲点における接線)が、当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
なお、スペクトルの最大ピーク強度の15%以下のピーク強度をもつ極大点は、上述の最も短波長側の極大値には含めず、最も短波長側の極大値に最も近い、傾きの値が極大値をとる点において引いた接線を当該燐光スペクトルの短波長側の立ち上がりに対する接線とする。
燐光の測定には、(株)日立ハイテクノロジー製のF-4500形分光蛍光光度計本体を用いた。
(一重項エネルギーS
測定対象となる化合物の10μmol/Lトルエン溶液を調製して石英セルに入れ、常温(300K)でこの試料の吸収スペクトル(縦軸:吸収強度、横軸:波長とする。)を測定した。この吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対して接線を引き、その接線と横軸との交点の波長値λedge[nm]を次に示す換算式(F2)に代入して一重項エネルギーを算出した。
換算式(F2):S[eV]=1239.85/λedge
吸収スペクトル測定装置としては、日立社製の分光光度計(装置名:U3310)を用いた。
吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線は以下のように引く。吸収スペクトルの極大値のうち、最も長波長側の極大値から長波長方向にスペクトル曲線上を移動する際に、曲線上の各点における接線を考える。この接線は、曲線が立ち下がるにつれ(つまり縦軸の値が減少するにつれ)、傾きが減少しその後増加することを繰り返す。傾きの値が最も長波長側(ただし、吸光度が0.1以下となる場合は除く)で極小値をとる点において引いた接線を当該吸収スペクトルの長波長側の立ち下がりに対する接線とする。
なお、吸光度の値が0.2以下の極大点は、上記最も長波長側の極大値には含めない。
(化合物の正孔注入構造部位及びトリプレット構造部位のHOMO及びTの計算値)
化合物の正孔注入構造部位及びトリプレット構造部位のHOMOの計算値及びTの計算値は、量子化学計算プログラム(Gaussian 16, Revision B (Gaussian Inc.);計算手法:B3LYP/6-31G(理論にはB3LYPを使用し、基底関数に6-31Gを使用したことを意味する))を用いて、算出した。
(イオン化ポテンシャル)
化合物のイオン化ポテンシャルは、大気下で、光電子分光装置(理研計器株式会社製、「AC-3」)を用いて測定した。具体的には、材料に光を照射し、その際に電荷分離によって生じる電子量を測定することにより、化合物のイオン化ポテンシャルを測定した。表中のIpは、イオン化ポテンシャルの略称である。
(蛍光発光最大ピーク波長(FL-peak)の測定)
測定対象となる化合物を、4.9×10-6mol/Lの濃度でトルエンに溶解し、トルエン溶液を調製した。蛍光スペクトル測定装置(分光蛍光光度計F-7000(株式会社日立ハイテクサイエンス製))を用いて、トルエン溶液を390nmで励起した場合の蛍光発光最大ピーク波長λ(単位:nm)を測定した。
化合物BD1の蛍光発光最大ピーク波長λは、457nmであった。
表2及び表3に、第一のホスト材料の各構造部位及び化合物全体のイオン化ポテンシャル、HOMO及び三重項エネルギーの値を示す。表4に、実施例及び比較例で用いたその他の化合物全体のイオン化ポテンシャル、HOMO及び三重項エネルギーの値を示す。
Figure 2024057117000337
Figure 2024057117000338
Figure 2024057117000339
<合成例>
(化合物BD1の合成)
・中間体1-1の合成
Figure 2024057117000340
1-ブロモ-2-フルオロ―3ニトロベンゼン(87.8g、399mmol)を130mLのトリフルオロメタンスルホン酸に加え、溶液を0℃に冷却した。そこにN-ヨードスクシンイミド(116.5g、517mmol)を加え、室温で19時間攪拌させた。反応溶液を400mLの水に注ぎ、40%の水酸化ナトリウム水溶液にて反応溶液を中和させ、ヘプタンで抽出した。集めた有機層を無色なるまで10%の亜硫酸ナトリウム水溶液で洗い、飽和食塩水で洗浄後、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。固体を濾過で取り除き、濾液を濃縮した。得られた油状物を蒸留して精製し黄色の油状物(102.5g、収率71%)を得た。得られた油状物は目的物ある中間体1-1であり、マススペクトル分析の結果、分子量346に対し、m/z=346であった。
・中間体1-2の合成
Figure 2024057117000341
窒素雰囲気下、中間体1-1(70.0g、202mmol)、3-t-ブチルフェニルボロン酸(39.6g、223mmol)およびリン酸カリウム(107g、506mmol)を280mLのトルエン、210mLの1,4-ジオキサンおよび140mLの水の混合溶媒に懸濁させた。さらにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.68g、4.05mmol)を加えて、その混合物を80℃で24時間攪拌させた。室温に冷却後、水層をトルエンで抽出し集めた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。固体を濾別した後、濃縮し茶色の油状物を得た。その油状物にメタノールを注ぎ結晶化させ、得られた結晶をろ取し、メタノールで洗浄することで白色の固体(43g、収率60%)を得た。得られた固体は目的物である中間体1-2であり、マススペクトルの結果、分子量352に対し、m/z=352であった。
・中間体1-3の合成
Figure 2024057117000342
窒素雰囲気下、中間体1-2(35.2g、100mmol)、1,3-ジアミノベンゼン(4.5g、41.6 mmol)および炭酸水素ナトリウム(7.7g、92mmol)を60mLのジメチルスルホキシドに加えて、100 ℃にて48時間攪拌させた。反応溶液を室温に冷却し、30mLのメタノールおよび15mLの水を加えた。得られた固体をろ取し、メタノールおよび水で洗浄した。その固体を80mLのエタノールに加えて加熱攪拌させ、溶け残りの固体をろ取することで赤色の固体(26.7g、収率83%)を得た。得られた固体は目的物である中間体1-3であり、マススペクトルの結果、分子量828に対し、m/z=828であった。
・中間体1-4の合成
Figure 2024057117000343
中間体1-3(17.7g、22.9mmol)を650mLのテトラヒドロフランに溶解させ、60mLのメタノールを加えた後に50℃に加熱し、塩化アンモニウム(73.5g、1.375mol)を加えた。そして、亜鉛粉末(33.7g、412mmol)を徐々に加えて、2時間攪拌させた。さらに、塩化アンモニウム(35.0g、654mmol)および亜鉛粉末(17.5g、267mmol)を加え、50℃で18時間攪拌させた。室温に冷却後、固体を濾別し、濾液を濃縮した。残渣に200mLの水を加えて酢酸エチルで抽出した。集めた有機層を水および飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。その溶液を濃縮することで桃色の固体(14.3g、収率87%)を得た。得られた固体は目的物である中間体1-4であり、マススペクトルの結果、分子量768に対し、m/z=768であった。
・中間体1-5の合成
Figure 2024057117000344
亜硫酸水素ナトリウム(31.5g、303mmol)を30mLのジメチルアセトアミド(DMA)に懸濁させ120℃で攪拌させた。そこに、30mLのジメチルアセトアミドに溶かした中間体1-4(9.69g、12.6mmol)を加え、30mLのジメチルアセトアミドに溶かした1-ナフチルアルデヒド(7.89g、50.5mmol)を滴下した、その混合物を130℃で24時間攪拌させた。室温に冷却後、反応混合物を500mLのメタノールに注ぎ、攪拌しながら500mLの水および500mLのメタノールを加えた。生成した固体をろ取し、メタノールで洗浄した。その固体を250mLの塩化メチレンおよび100mLのヘプタンを用いて結晶化させた。得られた固体をろ取し、ヘプタンで洗浄することで白色の固体(9.71g、収率74%)を得た。得られた固体は目的物である中間体1-5であり、マススペクトルの結果、分子量1040に対し、m/z=1040であった。
・化合物BD1の合成
Figure 2024057117000345
中間体1-5(6.62g、6.36mmol)を400mLのt-ブチルベンゼンに溶解させ、-50℃に冷却し、1.7Mのt-ブチルリチウム(t-BuLi)ペンタン溶液(15mL、25.4mmol)を滴下した。室温で45分攪拌した後、再度-50℃に冷却し、三臭化ホウ素(6.38g、25.4mmol)を滴下した。室温に昇温して2時間攪拌し、反応溶液をキャヌラーを用いて、1200mLの氷水と200mLの1M水酸化ナトリウムに加えた。その後、酢酸エチルで抽出し、集めた有機層を飽和食塩水で洗い、硫酸マグネシウムにて乾燥させた。得られた溶液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製し黄色固体(0.34g、6%の収率)を得た。得られた固体は目的物である化合物BD1であり、マススペクトルの結果、分子量890に対し、m/z=890であった。
1…有機EL素子、10…有機層、2…基板、3…陽極、4…陰極、51…第一の発光層、52…第二の発光層、61…第一の陽極側有機層、62…正孔輸送層、63…正孔注入層、71…第一の陰極側有機層、72…電子輸送層、73…電子注入層。

Claims (36)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    陽極と、陰極と、第一の陽極側有機層と、第一の発光層と、第二の発光層と、第一の陰極側有機層と、を有し、
    前記陽極及び前記陰極の間において、前記第一の陽極側有機層、前記第一の発光層、前記第二の発光層及び前記第一の陰極側有機層が、この順で配置され、
    前記第一の陽極側有機層は、第一の陽極側有機材料を含み、
    前記第一の発光層は、下記一般式(1H)で表される第一のホスト材料を含み、
    前記第二の発光層は、第二のホスト材料を含み、
    前記第一の陰極側有機層は、第一の陰極側有機材料を含み、
    前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは互いに異なり、
    前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を少なくとも含み、
    前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を少なくとも含み、
    前記第一の発光性化合物と前記第二の発光性化合物とが、互いに同一であるか、又は異なり、
    前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数1)の関係を満たす、
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H1)<T(H2)<T(D2) …(数1)
    A-L-B …(1H)
    (前記一般式(1H)において、
    Aは、トリプレット構造部位であり、
    Bは、正孔注入構造部位であり、
    Lは、単結合又は連結基であり、
    前記正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値は、-5.70eV以上である。)
  2. 前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)及び前記第一のホスト材料の前記正孔注入構造部位の三重項エネルギーの計算値T1C(B)は、下記数式(数2B)の関係を満たす、
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    1C(A)<T1C(B)…(数2B)
  3. 前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aの三重項エネルギーの計算値T1C(A)及び前記第二のホスト材料の三重項エネルギーの計算値T1C(H2)は、下記数式(数2)の関係を満たす、
    請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    1C(A)<T1C(H2)…(数2)
  4. 前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換のアントラセンである、
    請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換のアントラセンの9位炭素原子又は10位炭素原子が、Lに結合する、
    請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第一のホスト材料のLは、置換もしくは無置換のフェニレン基又は置換もしくは無置換のビフェニレン基である、
    請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記第一のホスト材料の前記トリプレット構造部位Aは、置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンであり、Lは、単結合である、
    請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記トリプレット構造部位Aとしての置換もしくは無置換の9,10-ジフェニルアントラセンの9位炭素原子及び10位炭素原子に、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニル基が結合しており、いずれかの置換もしくは無置換のフェニル基に前記正孔注入構造部位Bが結合している、
    請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記第一の陰極側有機材料の三重項エネルギーT(HBL)、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)及び前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数1A)の関係を満たす、
    請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H1)<T(H2)<T(D2)<T(HBL) …(数1A)
  10. 前記第一の陽極側有機材料の三重項エネルギーT(EBL)及び前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数1B)の関係を満たす、
    請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (EBL)>T(H1) …(数1B)
  11. 前記第一の陽極側有機材料の最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(EBL)の計算値HOMOc(EBL)及び正孔注入構造部位Bの最高被占軌道のエネルギー準位のHOMO(B)の計算値HOMOc(B)が、下記数式(数1C)の関係を満たす、
    請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    |HOMO(EBL)|<|HOMO(B)| …(数1C)
  12. 前記第一の発光性化合物の最大ピーク波長が500nm以下である、
    請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記第二の発光性化合物の最大ピーク波長が500nm以下である、
    請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記第一のホスト材料の一重項エネルギーS(H1)と、前記第一の発光性化合物の一重項エネルギーS(D1)とが下記数式(数5)の関係を満たす、
    請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H1)>S(D1) …(数5)
  15. 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と、前記第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)とが下記数式(数6)の関係を満たす、
    請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (D1)>T(H1) …(数6)
  16. 前記第二のホスト材料の一重項エネルギーS(H2)と前記第二の発光性化合物の一重項エネルギーS(D2)とが、下記数式(数7)の関係を満たす、
    請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H2)>S(D2) …(数7)
  17. 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数9)の関係を満たす、
    請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H2)-T(H1)>0.03eV …(数9)
  18. 前記第一の発光層と前記第二の発光層とが、直接、接している、
    請求項1から請求項17のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  19. 前記第一の発光層と前記第一の陽極側有機層とが、直接、接している、
    請求項1から請求項18のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  20. 前記第二の発光層と前記第一の陰極側有機層とが、直接、接している、
    請求項1から請求項19のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  21. 前記第一の発光性化合物又は前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(DX)と、前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)と前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数10)の関係を満たす、
    請求項1から請求項20のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    2.6eV>T(DX)>T(H2)>T(H1) …(数10)
  22. 前記第一の発光性化合物又は前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(DX)と、前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)とが、下記数式(数11)の関係を満たす、
    請求項1から請求項21のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    0eV<T(DX)-T(H2)<0.6eV …(数11)
  23. 前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12)の関係を満たす、
    請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H2)>2.0eV …(数12)
  24. 前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12A)の関係を満たす、
    請求項1から請求項23のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H2)>2.10eV …(数12A)
  25. 前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT(H2)が、下記数式(数12C)の関係を満たす、
    請求項1から請求項22のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    2.08eV>T(H2)>1.87eV …(数12C)
  26. 前記第一の発光性化合物の三重項エネルギーT(D1)が、下記数式(数14A)の関係を満たす、
    請求項1から請求項25のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    2.60eV>T(D1) …(数14A)
  27. 前記第二の発光性化合物の三重項エネルギーT(D2)が、下記数式(数14C)の関係を満たす、
    請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    2.60eV>T(D2) …(数14C)
  28. 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数13)の関係を満たす、
    請求項1から請求項27のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    (H1)≧1.9eV …(数13)
  29. 前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT(H1)が、下記数式(数13A)の関係を満たす、
    請求項1から請求項26のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    1.9eV>T(H2)≧1.8eV …(数13A)
  30. 前記第二のホスト材料は、分子中に、単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む連結構造を有し、
    前記連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、
    前記連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している、
    請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  31. 前記架橋が二重結合を含む、
    請求項30に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  32. 前記第二のホスト材料は、分子中に、第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、
    前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している、
    請求項1から請求項29のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  33. 前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の1つの部分において前記架橋によりさらに連結している、
    請求項32に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  34. 前記架橋が二重結合を含む、
    請求項32又は請求項33に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  35. 前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の2つの部分において前記架橋によりさらに連結し、
    前記架橋が二重結合を含まない、
    請求項33に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  36. 請求項1から請求項35のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した、電子機器。
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