JP2020053471A - 熱電変換モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間使用しても、接合部の劣化が少なく、耐久性が良好な熱電変換モジュールおよびその製造方法を提供すること。【解決手段】構成元素Aと、それよりも熱による拡散性が高い構成元素Bとを含む化合物を含む熱電変換素子と、構成元素Cを含む電極と、それらの間に配置されたバリア層とを有する熱電変換モジュールであって、前記バリア層は、前記構成元素A(Mn)、前記構成元素B(Si)、および前記構成元素C(Ni)を含み、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)は、電極側領域のほうが、素子側領域よりも低い、熱電変換モジュール。【選択図】図2

Description

本発明は、熱電変換モジュールおよびその製造方法に関する。
排熱から電気エネルギーを取り出す熱発電は、自動車や船舶の燃費向上や工場の電気代を削減できることから、注目を集めている。
熱発電の原理は、異なる2種の金属を接合、またはp型半導体とn型半導体とを接合した熱電変換素子に温度差を与えると、両端に熱起電力が発生するゼーベック効果を利用して、熱エネルギーを直接電力に変換するものである。熱電変換素子に与える温度差が大きいほど、得られる電気エネルギーを大きくすることができる。
そのような熱発電を行う熱電変換モジュールとしては、例えば特許文献1では、熱電変換体と、電極と、それらの間に配置された中間層とを有し、中間層が、熱電変換体を構成するMn、Siなどの構成元素(構成元素A、B)と、電極を構成するNiなどの構成元素(構成元素C)とを含み、Mn(構成元素A)の含有比率は、素子側領域のほうが電極側領域よりも高く、Ni(構成元素C)の含有比率は、電極側領域のほうが素子側領域よりも高い熱電変換装置が開示されている。
特許文献2では、熱電素子と、第一電極と、それらの間に配置された混合層とを有し、混合層が、熱電素子を構成するMn、Siなどの構成元素(構成元素A、B)と、第一電極を構成するNiなどの元素(構成元素C)とを含む熱電変換モジュールが開示されている。なお、混合層は、熱電素子との接合界面付近では、当該熱電素子を構成するMn、Si(構成元素A、B)が拡散し、第一電極との接合界面付近では、当該第一電極を構成するNi(構成元素C)が拡散していることが示唆されている。
特許文献3では、マンガンシリサイトからなる熱電変換素子と、Niからなる電極と、それらの間に配置された応力緩和層と、熱電変換素子と応力緩和層との間に配置され、Niからなる拡散防止層とを含む熱電変換モジュールが開示されている。
特願2016−157843号公報 特願2017−76744号公報 特願2013−201382号公報
しかしながら、特許文献1〜3に示されるような、シリサイドを含む熱電変換素子を有する熱電変換モジュールは、長期間の使用において出力が低下しやすく、耐久性が低いという問題があった。出力が低下する理由の一つとして、電極と熱電変換素子との間の接合部の劣化が挙げられる。
すなわち、熱電変換モジュールでは、前述の通り、電極と熱電変換素子とは、接合材によって接合させている。特に高温側の電極と熱電変換素子との接合部においては、接合部と電極との界面、または接合部と熱電変換素子との接合界面付近でボイド形成や脆い化合物の析出などによりクラックが生じやすい。また、接合部と電極との間の熱膨張係数の差や、接合部と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差が大きいため、それにより、接合部と電極との接合界面、あるいは接合部と熱電変換素子との接合界面付近でクラックなどが生じやすい。これらの結果、熱電変換モジュールの内部抵抗が増大し、熱電変換モジュールの出力が低下しやすくなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、長期間使用しても、接合部の劣化が少なく、耐久性が良好な熱電変換モジュールおよびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の構成によって解決することができる。
本発明の熱電変換モジュールは、構成元素A、およびそれよりも熱拡散性が高い構成元素Bを含む化合物を含む熱電変換素子と、構成元素Cを含む電極と、前記熱電変換素子と前記電極との間に配置されたバリア層とを有する熱電変換モジュールであって、前記バリア層は、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含み、前記バリア層の厚み方向において、前記電極との界面(ただし、前記バリア層の前記電極との界面に前記構成元素Cの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)から前記バリア層の厚みの10%以下の領域を電極側領域、前記熱電変換素子との界面(ただし、前記バリア層の前記熱電変換素子との界面に前記構成元素Bの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)から前記バリア層の厚みの10%以下の領域を素子側領域としたとき、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)は、前記電極側領域のほうが、前記素子側領域よりも低い。
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、構成元素Aと、それよりも熱拡散性が高い構成元素Bとを含む化合物を含む熱電変換素子と、構成元素Cを含む電極と、前記熱電変換素子と前記電極との間に配置され、前記構成元素A、前記構成元素B、および前記構成元素Cの化合物を含むバリア層とを有する熱電変換モジュールの製造方法であって、前記電極と、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含む第1層と、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含む第2層と、前記熱電変換素子とをこの順に含む積層物を得る工程と、前記積層物を熱処理して、接合する工程と、を含み、前記第1層における、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)は、前記第2層における、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)よりも低い。
本発明によれば、長期間の使用において、接合部の劣化が少なく、耐久性が良好な熱電変換モジュールおよびその製造方法を提供することができる。
図1は、本実施の形態に係る熱電変換モジュールの構成を示す断面図である。 図2は、図1のバリア層の部分拡大断面図である。 図3は、バリア層の電極側領域および素子側領域の一例を示す断面模式図である。
前述の通り、接合部の劣化は、主に2つの原因によって生じると考えられる。以下、電極の構成材料がNi、熱電変換素子の構成材料がMn−Si系化合物である例で説明する。
第1の原因としては、電極を構成するNi(構成元素C)と、熱電変換素子を構成するMn(構成元素A)の相互拡散が挙げられる。すなわち、熱電変換モジュールの運転時などにおいて、高温の熱(例えば500℃)が加わると、電極側から接合部へ向かって、電極を構成するNi(構成元素C)の拡散が生じやすく;熱電変換素子側から接合部へ向かって、熱電変換素子を構成するSi(構成元素B)の拡散が生じやすい。その結果、接合部と電極との界面付近や、接合部と熱電変換素子との界面付近にボイド(穴)の形成や脆い化合物の析出が生じやすく、クラックを生じやすい。
第2の原因としては、接合部と電極との間、および接合部と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差が大きいため、応力が生じやすい。それにより、接合部にクラックが生じやすい。
第1の原因(元素の相互拡散)に対しては、接合部(以下、「バリア層」という)に、MnSiとNiとを含有させることで、(焼結性を損なうことなく)元素の相互拡散を良好に防止できる。なお、元素の相互拡散を防止しやすくするためには、MnSiの含有比率ができるだけ多いこと、すなわち、Niの含有比率ができるだけ少ないことが望まれる。
ここで本発明者らは、熱膨張係数について、以下の新たな知見を得た。すなわち、MnSiとNiの混合物(MnSiとNiが反応していない混合物)における熱膨張係数と、MnSiとNiの化合物(MnSiとNiが反応した化合物)における熱膨張係数とは、組成比によって逆の傾向を示すことを新たに見出した。具体的には、MnSiとNiの混合物(反応していない混合物)では、Niの含有比率が増えるほど、混合物の熱膨張係数は高くなるのに対し;MnSiとNiの化合物(反応した化合物)では、Niの含有比率が増えるほど、化合物の熱膨張係数は低くなることを見出した。
すなわち、MnSiとNiの化合物では、Niの含有比率が少ないほど、熱膨張係数は大きくなる。電極(Ni)の熱膨張係数は、通常、熱電変換素子(MnSi)の熱膨張係数よりも高いことから、バリア層の電極側の領域におけるNiの含有比率を少なくすることで、バリア層と電極との間の熱膨張係数の差は小さくすることができる。一方で、バリア層と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差は、依然として大きいままである。
そこで、第2の原因(熱膨張係数の差)に対して、バリア層の熱電変換素子側の領域では、Niの含有比率を高くする。それにより、接合部と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差を小さくすることができる。
すなわち、本発明の熱電変換モジュールは、熱電変換素子と、電極と、それらの間に配置されるバリア層とを有し、
バリア層が、熱電変換素子の構成元素A(Mn)およびB(Si)、ならびに電極の構成元素C(Ni)を反応させた化合物を含み、かつ
構成元素A(Mn)と構成元素C(Ni)の合計に対する構成元素C(Ni)のモル比C/(A+C)は、電極側領域のほうが素子側領域よりも低い。すなわち、構成元素A(Mn)と構成元素C(Ni)の合計に対する構成元素A(Mn)のモル比は、素子側領域のほうが電極側領域よりも低く;構成元素A(Mn)と構成元素C(Ni)の合計に対する構成元素C(Ni)のモル比は、電極側領域のほうが素子側領域よりも低い。なお、構成元素B(Si)は、構成元素A(Mn)よりも熱拡散性が高い元素である。
それにより、バリア層は、元素の相互拡散を良好に抑制できるため、バリア層と電極との接合界面およびバリア層と熱電変換素子との接合界面付近でボイドの形成や脆い化合物の析出を抑制することができる。また、バリア層と電極との間の熱膨張係数の差、およびバリア層と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差をいずれも小さくしうるため、熱膨張係数差に起因する応力の発生を抑制することができる。これらの結果、バリア層にクラックが生じるのを抑制することができる。それにより、長期間使用しても、熱電変換モジュールの内部抵抗の増大を少なくすることができ、熱電変換モジュールの耐久性を高めることができる。
1.熱電変換モジュール
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(熱電変換モジュールの構成)
図1は、本実施の形態に係る熱電変換モジュール100の構成を示す断面図である。図2は、図1のバリア層150の部分拡大断面図である。図3は、バリア層150の電極側領域および素子側領域の一例を示す断面模式図である。
図1に示されるように、本実施の形態に係る熱電変換モジュール100は、p型熱電変換素子110、n型熱電変換素子120、これらの熱電変換素子110および120を挟んで一方に配置された高温側電極130、他方に配置された低温側電極140、熱電変換素子110および120と高温側電極130との間に配置されたバリア層150、および熱電変換素子110および120と低温側電極140との間に配置されたバリア層160を有する。
p型熱電変換素子110およびn型熱電変換素子120を構成する熱電変換材料は、特に制限されず、例えばBi−Te系化合物、Pb−Te系化合物、Ag−Sb−Te系化合物、シリサイド系化合物(例えばSi−Ge系化合物、Fe−Si系化合物、Mn−Si系化合物、Cr−Si系化合物、Mg−Si系化合物)、スクッテルダイト系化合物、酸化物、有機物化合物などを用いることができる。
中でも、300〜600℃の中温域において良好に使用できる観点などから、p型熱電変換素子110を構成する熱電変換材料は、Mn−Si系化合物(構成元素AとしてMn、構成元素BとしてSiを含む化合物)であることが好ましく、MnSi1.75であることがより好ましい。n型熱電変換素子120を構成する熱電変換材料は、Mg−Si系化合物であることが好ましく、MgSiであることがより好ましい。
高温側電極130および低温側電極140を構成する電極材料は、導電性の材料であればよく、特に制限されないが、例えばFeおよびその合金、Coおよびその合金、Niおよびその合金、Auおよびその合金、Agおよびその合金、Cuおよびその合金、Crおよびその合金、Tiおよびその合金、Alおよびその合金などの金属系材料を用いることができる。
中でも、Niまたはその合金、Agまたはその合金、あるいはCuまたはその合金が好ましい。本実施の形態では、高温側電極130を構成する電極材料は、Niまたはその合金であることが好ましく、低温側電極140を構成する電極材料は、Agまたはその合金であることが好ましい。
バリア層150(またはバリア層160)は、熱電変換体110および120と高温側電極130(または低温側電極140)との間にそれぞれ配置された接合部である。
本実施の形態では、p型熱電変換素子110を構成する熱電変換材料がMn−Si系化合物であることが好ましく、高温側電極130を構成する電極材料がNiであることが好ましいことから、少なくとも高温側電極130に配置されるバリア層150は、Mn(構成元素A)、Si(構成元素B)およびNi(構成元素C)を含む化合物(固溶体)を含むことが好ましい。
そして、バリア層150の厚み方向において、高温側電極130との界面(ただし、バリア層150の高温側電極130との界面に構成元素Cの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)からバリア層の厚みの10%以下の領域を電極側領域a、p型熱電変換素子110との界面(ただし、バリア層150のp型熱電変換素子110との界面に構成元素Bの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)からバリア層150の厚みの10%以下の領域を素子側領域bとしたとき(図3参照)、Mn(構成元素A)とNi(構成元素C)の合計に対するNi(構成元素C)のモル比Ni/(Mn+Ni)は、電極側領域aのほうが素子側領域bよりも低い。
すなわち、MnとNiの合計に対するMnのモル比Mn/(Mn+Ni)は、素子側領域bのほうが電極側領域aよりも低く;MnとNiの合計に対するNiのモル比Ni/(Mn+Ni)は、電極側領域aのほうが素子側領域bよりも低い。
すなわち、バリア層150は、(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)を含み、かつ電極側領域aのxが、素子側領域bのxよりも低いことが好ましい。具体的には、電極側領域aにおけるxは、0.2以下、好ましくは0.1以下であり、素子側領域bにおけるxは、0.2超0.6以下、好ましくは0.4〜0.6である。なお、xは、上記Ni/(Mn+Ni)と同義である。xが0.6以下であるのは、Niの固溶限界がx=0.6超0.7以下の範囲であるからである。
電極側領域aおよび素子側領域bにおける、MnとNiの合計モル数に対するNiのモル比Ni/(Mn+Ni)やMnのモル比Mn/(Mn+Ni)は、バリア層150の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)−EDX(エネルギー分散型X線分析)観察により測定することができる。
具体的には、熱電変換モジュールのうち、バリア層を含む領域の断面をSEM観察する。次いで、バリア層の電極側領域aおよび素子側領域bについて、それぞれEDXにより元素分析を行い、Niの元素比(NiとMnの合計モル数に対するNiのモル比)を算出する。
なお、電極側領域aの定義において、「(バリア層150の高温側電極130との界面に形成される)構成元素Cの拡散領域」は、SEM−EDX観察により確認することができる。具体的には、構成元素Cの拡散領域とは、(バリア層150のうち)高温側電極130との界面付近において、構成元素Cの含有モル比が相対的に高い領域であり、その厚みは、通常、15〜20μm、好ましくは15μmである。つまり、電極側領域aは、バリア層150の厚み方向において、高温側電極130との界面から15μmの位置(構成元素Cの拡散領域との界面)を起点として、少なくともバリア層150の厚みの10%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは20%以下の領域である。
同様に、素子側領域bの定義において、「(バリア層150のp型熱電変換素子110との界面に形成される)構成元素Bの拡散領域」は、SEM−EDX観察により確認することができる。具体的には、構成元素Bの拡散領域とは、(バリア層150のうち)p型熱電変換素子110との界面付近において、構成元素Bの含有モル比が相対的に高い領域であり、その厚みは10〜20μm、好ましくは10μmである。つまり、素子側領域bは、バリア層150の厚み方向において、p型熱電変換素子110との界面から10μmの位置を起点として、バリア層150の厚みの10%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは20%以下の領域である。
バリア層150は、各領域のNiのモル比(またはMnのモル比)が上記範囲を満たしていればよく、単層であってもよいし、複数の層の積層物であってもよい。本実施の形態では、バリア層150は、高温側電極130側から、第1バリア層150Aと、第2バリア層150Bとが積層された積層物でありうる(図2参照)。
第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bは、それぞれ(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)を含む。そして、第1バリア層150Aにおけるxは、第2バリア層150Bにおけるxよりも小さい。具体的には、前述の通り、第1バリア層150Aにおけるxは、0.2以下、好ましくは0.1以下であり、第2バリア層150Bにおけるxは、0.2超0.6以下、好ましくは0.4〜0.6である。本実施の形態では、例えば第1バリア層150Aにおけるxを0.1、第2バリア層150Bにおけるxを0.5としうる。
第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bに含まれる(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)は、それぞれ1種類であってもよいし、2種類以上あってもよい。例えば、第1バリア層150Aが、(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)で表される化合物を2種類以上含む場合、第1バリア層150Aにおけるx(NiとMnの合計に対するNiのモル比)は、当該2種類以上の化合物のxの平均値としうる。本実施の形態では、第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bに含まれる(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)は、それぞれ1種類である。
(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)の含有量は、第1バリア層150Aまたは第2バリア層150Bに対して、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、95質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であってもよい。
第1バリア層150Aは、相対的にxが低い層(Niが相対的に少ない層)であり、拡散防止層として機能しうる。すなわち、高温側電極130を構成するNiやp型熱電変換素子110を構成するSi(特に高温側電極130を構成するNi)は、中温〜高温域で長期間晒されると、バリア層150に拡散しやすい。第1バリア層150Aは、MnSi(Mn:Si=1:1)に近い組成を有することから、高温側電極130からバリア層150へのNiの拡散や、p型熱電変換素子110からバリア層150へのSiの拡散(特に、高温側電極130からバリア層150へのNiの拡散)を防止できる。
第2バリア層150Bは、相対的にxが高い層(Niが相対的に多い層)であり、応力緩和層として機能しうる。すなわち、第1バリア層150Aとp型熱電変換素子110との間の熱膨張係数(平均線膨脹係数)の差が大きいため、その応力によるクラックを生じやすい。これに対し、第2バリア層150Bと第1バリア層150Aとの間の熱膨張係数の差は小さく、かつ第2バリア層150Bとp型熱電変換素子110との間の熱膨張係数も小さい。それにより、第1バリア層150Aとp型熱電変換素子110との間、および第2バリア層150Bとp型熱電変換素子110との間で生じる応力を少なくすることができるため、クラックを防止しやすい。
第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bの厚みは、目的に応じて設定されればよい。例えば、第1バリア層150Aとp型熱電変換素子110の熱膨張係数差によるクラックを確実に抑制する観点では、第1バリア層150Aの厚みは、第2バリア層150Bの厚みよりも薄くすることが好ましい。具体的には、第1バリア層150Aの厚み/第2バリア層150Bの厚みは、0.25〜0.8の範囲としうる。あるいは、本発明では、バリア層150全体の熱膨張係数差を従来よりも小さくしうる観点では、第2バリア層150Bの厚みを、第1バリア層150Aよりも薄くすることもできる。
バリア層150の厚みは、p型熱電変換素子110と高温側電極130との間を良好に接合し、かつ高温下でのp型熱電変換素子110または高温側電極130からの元素の拡散を防止しうる程度であればよく、特に制限されないが、例えば50〜200μmであることが好ましく、80〜160μmであることがより好ましい。
また、低温側電極140に配置されるバリア層160は、バリア層150と同様に構成されてよいし、異なる組成または構成で構成されてもよい。
(作用)
前述の通り、本実施の形態に係る熱電変換モジュール100では、第1バリア層150Aは、元素の相互拡散を良好に抑制しうるだけでなく、高温側電極130との熱膨張係数の差が小さい。また、第2バリア層150Bは、第1バリア層150Aとの熱膨張係数の差、および熱電変換素子との熱膨張係数の差がいずれも小さい。その結果、バリア層150は、元素の相互拡散を良好に抑制しつつ、電極との熱膨張係数の差および熱電変換素子との熱膨張係数の差をいずれも小さくすることができる。それにより、バリア層150と高温側電極130との接合界面、およびバリア層150とp型熱電変換素子110との接合界面付近で(元素の相互拡散による)ボイドの形成や脆い化合物の析出を抑制し、かつ(熱膨張係数差による)応力の発生を抑制できる。それにより、バリア層150におけるクラックを抑制でき、熱電変換モジュールの耐久性を高めることができる。
2.熱電変換モジュールの製造方法
本発明の熱電変換モジュールの製造方法は、特に制限されないが、例えば1)高温側電極130、第1層(焼結後は図2の第1バリア層150Aに対応)、第2層(焼結後は図2の第2バリア層150Bに対応)、およびp型熱電変換素子110をこの順に含む積層物を得る工程と、2)得られた積層物を熱処理して、接合する工程とを含む。
1)の工程について
高温側電極130、第1層、第2層、およびp型熱電変換素子110をこの順に含む積層物を得る。
第1層および第2層は、それぞれ、Mn(構成元素A)、Si(構成元素B)、およびNi(構成元素C)を含む化合物、好ましくは(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)(固溶体)を含む。ただし、第1層における、Mn(構成元素A)とNi(構成元素C)の合計に対するNi(構成元素C)のモル比Ni/(Ni+Mn)は、第2層における当該Niのモル比Ni/(Ni+Mn)よりも低い。なお、各層が上記化合物を2種類以上含む場合、各層のNi/(Ni+Mn)は、各層におけるNi/(Ni+Mn)の平均値としうる。
(Mn1―xNi)Siで表される化合物(固溶体)は、例えばMn、Si、Niの粉末を混合した後、例えば放電プラズマ焼結法(SPS:Spark Plasma Sintering)などにより熱処理(焼結)して得てもよいし、市販品を用いてもよい。熱処理温度(焼結温度)は、例えば800〜1100℃としうる。
積層物は、高温側電極130上に、第1層、第2層、およびp型熱電変換素子110を順に積層して得てもよいし、p型熱電変換素子110上に、第2層、第1層、および高温側電極130を順に積層して得てもよい。
第1層および第2層は、任意の方法、例えば蒸着法、CVD法、スパッタ法などの薄膜成膜法や塗布法で形成することができる。本実施の形態では、塗布法で形成することができる。
具体的には、(Mn1―xNi)Siなどの化合物を粉末状(または粒子状)にした後、溶媒に分散させて、それぞれペーストを得る。当該化合物の平均粒子径は、焼結により緻密な層を形成できる程度であればよく、例えば3〜25μm程度としうる。溶媒は、当該化合物を分散させうるものであればよく、特に制限されないが、例えばアルコール類や有機エステル類などの有機溶媒でありうる。
次いで、得られたペーストを、p型熱電変換素子110または高温側電極130に、塗布した後、乾燥させて、第1層または第2層を形成する。
塗布法は、特に制限されず、スクリーン印刷法やスピンコート法などでありうる。乾燥温度は、上記化合物が焼結しない範囲で、溶媒を揮発させる温度であればよく、例えば100℃以下でありうる。
2)の工程について
得られた積層物を、一括焼結させる。それにより、第1層は、第1バリア層150Aとなり、第2層は、第2バリア層150Bとなる。
一括焼結は、任意の方法、例えば放電プラズマ焼結により加熱する方法で行うことができる。焼結温度は、上記積層物を十分に焼結させうる温度であればよく、例えば第1層および第2層を構成する材料が、それぞれ(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の数)である場合、例えば800〜850℃でありうる。
このように、本発明の熱電変換モジュールの製造方法では、まず、バリア層150(第1バリア層150Aおよび第2バリア層150B)の原料として、Mn(構成元素A)、Si(構成元素B)およびNi(構成元素C)が所定の比率で固溶した化合物をそれぞれ用いる。それにより、得られる第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bの化合物の組成は、第1層および第2層の化合物の組成とほとんど変わらないため、設計通りの熱膨張係数が得られやすい。
また、前述の通り、MnSiは、Ni拡散防止効果は高いものの、焼結性が低く、Ni電極との接合温度(800〜850℃)では、十分に焼結せず、割れることがある。これに対して、本発明の熱電変換モジュールの製造方法では、高温側電極130側の第1層を構成する化合物が、少量のNiを含む。それにより、第1層の焼結性を高めることができるため、焼結温度を高くしなくても(例えばNi電極との接合温度800〜850℃でも)、十分に焼結させることができる。
なお、本実施の形態では、バリア層150が、第1バリア層150Aおよび第2バリア層150Bの2層で構成される例を示したが、これに限定されず、単層で構成あってもよいし、3層以上の複数の層で構成されてもよい。
例えば、3層以上の複数の層で構成される態様の例には、第1バリア層150Aと第2バリア層150Bとの間に、1以上のバリア層(当該バリア層のxは、第1バリア層のxよりも大きく、第2バリア層のxよりも小さい)がさらに配置される態様や;第2バリア層150Bとp型熱電変換素子110との間に、1以上のバリア層(当該バリア層のxは、第2バリア層のxよりも大きい)がさらに配置される態様が含まれる。
また、本実施の形態では、バリア層150が、構成元素AとしてMn、構成元素BとしてSi、構成元素CとしてNiを含む化合物(好ましくは(Mn1―xNi)Si)を含む例を示したが、これに限定されず、バリア層150に含まれる化合物は、高温側電極130やp型熱電変換素子110に含まれる構成元素の種類に応じて、適宜、設定されうる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.バリア層用サンプルの作製・評価
(1)バリア層用ペーストの調製
<バリア層用ペースト1〜4の調製>
表1に示されるMnとNiの比率となるように、MnSi粉末とNi粉末とを混合し、
SPS法により900℃で熱処理(焼結)して、MnSiとNiの固溶体(Mn1―xNi)Si(x=0〜0.5)の粉末(平均粒子径10μm)を得た。
得られたMnSiとNiの固溶体(Mn1―xNi)Si(x=0〜0.5)の粉末を、アクリル系溶剤に入れて撹拌し、バリア層用ペースト1〜4を得た。
Figure 2020053471
(2)バリア層サンプルの熱膨張係数の測定
(バリア層サンプルの作製)
支持体上に、上記調製したバリア層用ペースト1〜4をそれぞれ塗布した後、乾燥させた。得られた塗膜を支持体から剥離し、厚み100μmのバリア層サンプル1〜4を得た。
(熱膨張係数の測定)
得られた試料片の平均線膨脹係数(×10−6/K)をTMA測定により測定した。測定条件は、以下の通りとした。
(測定条件)
雰囲気:大気中
温度範囲:0〜550℃に50℃毎に測定
温度プロファイル:10℃/分で580℃まで連続的に昇温
得られたバリア層サンプル1〜4について、0〜550℃の平均線膨脹係数(0℃と550℃の測定値の平均値)と、300〜550℃の平均線膨脹係数(300℃と550℃の測定値の平均値)を算出した。なお、対比のために、Ni単体の平均線膨脹係数およびHMS単体の平均線膨脹係数も測定した。
バリア層サンプル1〜4、Ni単体、およびHMS単体の熱膨張係数の測定結果を、表2に示す。
Figure 2020053471
表2に示されるように、(Mn1−xNi)Siの化合物においては、Niのモル比Ni/(Ni+Mn)が多いほど、熱膨張係数は小さくなることがわかる。これに対して、Ni単体は、HMS(MnSi1.75)単体よりも熱膨張係数が大きいことがわかる。これらのことから、(Mn1−xNi)Siの化合物における熱膨張係数は、元素単体の熱膨張係数から予測される結果とは逆であることがわかる。
2.熱電変換モジュールサンプルの作製・評価
(1)熱電変換モジュールサンプルの作製
<熱電変換モジュールサンプル1の作製>
(熱電変換素子の準備)
p型の熱電変換素子として、MnSi1.75(HMS)の角柱状の焼結体を準備した。
(電極の準備)
高温側電極として、Ni電極を準備した。
(熱電変換モジュールサンプルの作製)
上記準備したp型の熱電変換素子上に、上記調製したバリア層用ペースト4(Mn:Ni=0.5:0.5;x=0.5)を塗布して、焼結後厚みが70μmとなるように第2層を形成した。この第2層上に、さらにバリア層用ペースト2(Mn:Ni=0.9:0.1;x=0.1)を塗布して、焼結後厚みが30μmとなるように第1層を形成した。その後、第1層の上に、上記準備したNi電極を積層し、放電プラズマ焼結法により加圧成型して、積層物を得た。得られた積層物を、850℃で10分間焼結(一体焼結)させた。焼結後の積層物のNi電極上に、アルミナ基板をセラミックスボンドで貼り付けた後、乾燥させて、p型の熱電変換素子/第2バリア層/第1バリア層/Ni電極/アルミナ基板の積層構造を有する、熱電変換モジュールサンプル1を得た。
<熱電変換モジュールサンプル2、3および6の作製>
第1層(または第1バリア層)および第2層(または第2バリア層)の組成を、表3に示されるように変更した以外は熱電変換モジュールサンプル1と同様にして熱電変換モジュールサンプル2、3および6を作製した。
<熱電変換モジュールサンプル4の作製>
バリア層を設けず、Ni電極と熱電変換素子とを、直接、一体焼結させて、熱電変換モジュールサンプル4を作製した。
<熱電変換モジュールサンプル5の作製>
表3に示される組成のバリア層を1層だけ形成した以外は熱電変換モジュールサンプル1と同様にして熱電変換モジュールサンプル5を作製した。
(2)熱電変換モジュールサンプルの評価
得られた熱電変換モジュールサンプル1〜6のヒートサイクル試験におけるNi拡散およびクラックの有無を、以下の方法で評価した。
(ヒートサイクル試験)
得られた熱電変換モジュールのヒートサイクル試験を行った。ヒートサイクル試験は、熱電変換モジュールを、100℃で1分間保持した後、2時間で500℃まで昇温して1分間保持し、その後、2時間で100℃まで降温させる操作を1サイクル(100℃、1分保持→昇温→500℃1分間保持→100℃まで降温)とし、これを合計10サイクル行った。
(Ni拡散)
ヒートサイクル試験後の熱電変換モジュールの断面の、Ni電極と第1バリア層との界面付近をSEMにより観察した。そして、Ni拡散の有無を、以下の基準で評価した。
◎:Ni拡散層が5μm未満であり、ほとんど拡散していない
○:Ni拡散層が5μm以上15μm未満であり、ごくわずかに拡散している
△:Ni拡散層が15μm以上25μm未満であり、わずかに拡散しているが、実用上問題ないレベル
×:Ni拡散層が25μm以上であり、実用上問題となるレベル
△以上であれば、良好と判断した。
(クラック)
ヒートサイクル試験後の熱電変換モジュールのバリア層を光学顕微鏡により観察し、クラックの有無を、以下の基準で評価した。
◎:クラック無し
○:エッジ部にのみクラックあり
×:全体的にクラックあり
○以上であれば、良好と判断した。
得られた熱電変換モジュール1〜6のNi拡散およびクラックの評価結果を、表3に示す。
なお、本例においては、バリア層の電極または素子との熱膨張係数の差は、表2の平均線膨脹係数の値(0〜550℃)に基づいて、以下の基準で評価した。
◎:電極との熱膨張係数の差および素子との熱膨張係数の差が3×10−6/K以下かつ両方の差の合計が3×10−6/K以下
○:電極との熱膨張係数の差および素子との熱膨張係数の差が4×10−6/K以下かつ両方の差の合計が3×10−6/K超4×10−6/K以下
×:電極との熱膨張係数の差および素子との熱膨張係数の差が4×10−6/K超かつ両方の差の合計が4×10−6/K超
Figure 2020053471
表3に示されるように、本発明の構成を満たすサンプル1〜3は、バリア層と電極との間の熱膨張係数の差、およびバリア層と熱電変換素子との間の熱膨張係数の差がいずれも小さいことがわかる。また、本発明のサンプル1〜3は、ヒートサイクル試験において、Ni拡散およびクラックを良好に抑制できることがわかる。
一方、熱電変換モジュール4では、ヒートサイクル試験においてNi拡散が顕著であり、それによりクラックも生じることがわかる。熱電変換モジュール5では、ヒートサイクル試験においてNi拡散をある程度抑制できるものの、熱電変換素子との熱膨張係数の差が大きいため、応力差によりクラックを生じることがわかる。熱電変換モジュール6では、ヒートサイクル試験においてNi拡散が抑制できないだけでなく、熱膨張係数の差も大きいことから、クラックを生じることがわかる。
本発明によれば、長期間使用しても、接合部の劣化が少なく、耐久性が良好な熱電変換モジュールおよびその製造方法を提供することができる。
100 熱電変換モジュール
110 p型熱電変換素子
120 n型熱電変換素子
130 高温側電極
140 低温側電極
150、160 バリア層
150A 第1バリア層
150B 第2バリア層
a 電極側領域
b 素子側領域

Claims (8)

  1. 構成元素A、およびそれよりも熱拡散性が高い構成元素Bを含む化合物を含む熱電変換素子と、
    構成元素Cを含む電極と、
    前記熱電変換素子と前記電極との間に配置されたバリア層と
    を有する熱電変換モジュールであって、
    前記バリア層は、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含み、
    前記バリア層の厚み方向において、前記電極との界面(ただし、前記バリア層の前記電極との界面に前記構成元素Cの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)から前記バリア層の厚みの10%以下の領域を電極側領域、前記熱電変換素子との界面(ただし、前記バリア層の前記熱電変換素子との界面に前記構成元素Bの拡散領域がある場合は、当該拡散領域との界面)から前記バリア層の厚みの10%以下の領域を素子側領域としたとき、
    前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)は、前記電極側領域のほうが、前記素子側領域よりも低い、
    熱電変換モジュール。
  2. 前記バリア層の厚みは、50μm以上であり、
    前記バリア層の厚み方向において、
    前記電極側領域は、前記電極との界面から15μmの位置を起点として、前記バリア層の厚みの10%以下の領域であり、
    前記素子側領域は、前記熱電変換素子との界面から10μmの位置を起点として、前記バリア層の厚みの10%以下の領域である、
    請求項1に記載の熱電変換モジュール。
  3. 前記構成元素Aは、Mnであり、
    前記構成元素Bは、Siであり、
    前記構成元素Cは、Niである、
    請求項1または2に記載の熱電変換モジュール。
  4. 前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物は、(Mn1―xNi)Si(xは、0以上1未満の値)であり、
    前記電極側領域におけるxは、前記素子側領域におけるxよりも低い、
    請求項3に記載の熱電変換モジュール。
  5. 前記電極側領域におけるxは、0.2以下であり、
    前記素子側領域におけるxは、0.2超0.6以下である、
    請求項4に記載の熱電変換モジュール。
  6. 前記バリア層は、前記電極側から、(Mn1―xNi)Siを含む第1バリア層と、(Mn1―xNi)Siを含む第2バリア層とをこの順に含み、
    前記第1バリア層におけるxは、前記第2バリア層におけるxよりも小さい、
    請求項3〜5のいずれか一項に記載の熱電変換モジュール。
  7. 前記第1バリア層の厚みは、前記第2バリア層の厚みよりも薄い、
    請求項6に記載の熱電変換モジュール。
  8. 構成元素Aと、それよりも熱拡散性が高い構成元素Bとを含む化合物を含む熱電変換素子と、構成元素Cを含む電極と、前記熱電変換素子と前記電極との間に配置され、前記構成元素A、前記構成元素B、および前記構成元素Cの化合物を含むバリア層とを有する熱電変換モジュールの製造方法であって、
    前記電極と、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含む第1層と、前記構成元素A、前記構成元素Bおよび前記構成元素Cを含む化合物を含む第2層と、前記熱電変換素子とをこの順に含む積層物を得る工程と、
    前記積層物を熱処理して、接合する工程と、
    を含み、
    前記第1層における、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)は、前記第2層における、前記構成元素Aと前記構成元素Cの合計に対する前記構成元素Cのモル比C/(A+C)よりも低い、
    熱電変換モジュールの製造方法。
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