本発明は、mTOR阻害剤を含むナノ粒子を含む組成物(以下、「mTORナノ粒子組成物」とも称する)を投与することにより、膀胱がんを処置するための方法および組成物を提供する。一部の実施形態において、組成物は、リムス系薬物およびアルブミンを含む(以下、「リムスナノ粒子組成物」とも称する)。また、本明細書において記載する方法のために有用な組成物(例えば医薬組成物など)、薬、キット、および単位用量を提供する。
定義
本明細書において使用する場合、「処置」または「処置すること」は、有益なまたは所望の結果(臨床結果を含む)を得るためのアプローチである。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果は、非限定的に、以下の1種または複数を含む:疾患に起因する1種または複数の症状の軽減、疾患の程度の減弱、疾患の安定化(例えば、疾患の悪化の防止または遅延)、疾患の拡大(例えば、転移)の防止または遅延、疾患の再発の防止または遅延、疾患の再発率の低下、疾患の進行の遅延または減速、疾患状態の寛解、疾患の(部分的または全体的)緩和の提供、疾患を処置するために要求される1種または複数の他の医薬品の用量の減少、疾患の進行の遅延、生活の質の増加、および/または生存の延長。また、膀胱がんの病理学的結果の低下が、「処置」により包含される。本発明の方法では、処置のこれらの態様のいずれか1種または複数を検討する。
用語「個体」は、哺乳動物を指し、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類を含むが、これらに限定されない。
本明細書において使用する場合、「リスクがある」個体は、膀胱がんを発症するリスクがある個体である。「リスクがある」個体は、検出可能な疾患を有する場合、有さない場合があり、また本明細書において記載する処置方法の前に検出可能な疾患を呈していた場合、呈していなかった場合がある。「リスクがある」は、個体が、本明細書において記載する膀胱がんの発生と相関する測定可能パラメータである1つまたは複数のいわゆる危険因子を有することを表す。これらの危険因子の1種または複数を有する個体は、これらの危険因子を伴わない個体よりもがんを発生するより高い確率を有する。
「アジュバント設定」は、個体が、膀胱がんの病歴を有し、一般的に(必ずしもそうではない)治療に応答性であった臨床設定を指し、手術(例えば、外科切除)、放射線治療、および化学療法を含むが、これらに限定されない。しかし、それらの膀胱がんの病歴のため、これらの個体は、疾患の発生のリスクがあると考えられる。「アジュバント設定」における処置または投与は、その後の処置様式を指す。リスクの程度(例えば、アジュバント設定において個体が「高リスク」または「低リスク」として考えられる場合)、いくつかの因子、最も一般的には、最初に処置される疾患の程度に依存する。
「ネオアジュバント設定」は、方法が一次/根治的治療の前に行われる臨床設定を指す。
本明細書において使用する場合、膀胱がんの発生を「遅延する」は、疾患の発生を延ばす、妨げる、減速する、遅らせる、安定化する、および/または延期することを意味する。この遅延は、処置される疾患および/または個体の病歴に依存し、時間長が変動しうる。当業者に明らかである通り、十分または有意な遅延は、実際には、個体が疾患を発症しないという点で、防止を包含しうる。膀胱がんの発生を「遅延させる」方法は、本方法を使用しない場合と比較した場合、所定の時間枠において疾患発症の可能性を低下させ、および/または所与の時間枠において疾患の程度を低下させる方法である。そのような比較は、典型的には、統計学的に有意な数の対象を使用した臨床試験に基づく。膀胱がんの発生は、標準的な方法(コンピュータ体軸断層撮影(CATスキャン)、磁気(Magentic)共鳴イメージング(MRI)、超音波検査、血液凝固検査、動脈造影、生検、尿細胞診、および膀胱鏡検査を含むが、これらに限定されない)を使用して検出可能でありうる。発生は、また、最初は検出不能でありうるが、出現、再発、および発症を含む膀胱がんの進行を指しうる。
本明細書において使用する場合、「組合せ治療」により、最初の薬剤が別の薬剤との併用において投与されることを意味する。「との併用において」は、別の処置様式に加えた、1つの処置様式の投与、例えば、同じ個体への他の薬剤の投与に加えた、本明細書において記載するナノ粒子組成物の投与を指す。そのようなものとして、「との併用において」は、個体への他の処置様式の送達前、中、または後での1つの処置様式の投与を指す。
本明細書において使用する用語「有効量」は、特定障害、状態、または疾患を治療する、例えば、その症状の1種または複数を寛解、緩和、縮小、および/または遅延させるのに十分な化合物または組成物の量を指す。膀胱がんに関して、有効量は、腫瘍を縮小させる、および/または腫瘍の増殖速度を減少させる(例えば、腫瘍増殖を抑制する)または膀胱がんにおける他の望ましくない細胞増殖を予防または遅延させるための十分な量を含む。一部の実施形態において、有効量は、膀胱がんの進行を遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態において、有効量は、再発を防止または遅延させるのに十分な量である。一部の実施形態において、有効量は、個体において再発率を低下させるのに十分な量である。有効量は、1種または複数の投与において投与することができる。膀胱がんの場合において、薬物または組成物の有効量は:(i)膀胱がん細胞の数を低下させ;(ii)腫瘍サイズを低下させ;(iii)末梢器官中への膀胱がん細胞侵襲を、ある程度まで阻害し、遅らせ、減速させ、好ましくは停止させ;(iv)腫瘍転移を阻害し(即ち、ある程度まで減速させ、好ましくは停止させ);(v)腫瘍増殖を阻害し;(vi)腫瘍の出現および/または再発を防止または遅延させ;(vii)腫瘍の再発率を低下させ;ならびに/あるいは(viii)膀胱がんに関連する症状の1種または複数をある程度まで軽減しうる。
用語「同時投与」は、本明細書において使用する場合、組合せ治療における第1の治療薬および第2の治療薬が、約15分間以下、例えば、約10、5、または1分間以下のいずれかの時間間隔で投与されることを意味する。第1および第2の治療薬が同時に投与される場合、第1および第2の治療は、同じ組成物(例えば、第1および第2の治療薬の両方を含む組成物)中に、または別々の組成物中に含まれてもよい(例えば、第1の治療薬が1つの組成物中に、第2の治療が別の組成物中に含まれる)。
本明細書において使用する場合、用語「連続投与」は、組合せ治療における第1の治療薬および第2の治療薬が、約15分間超、例えば約20、30、40、50、60分間超またはそれ超の時間間隔で投与されることを意味する。第1の治療薬または第2の治療薬のいずれかが、最初に投与されてもよい。第1および第2の治療薬は、別々の組成物中に含まれ、それらは、同一または異なるパッケージまたはキット中に含まれてもよい。
本明細書において使用する場合、用語「同時投与」は、組合せ治療における第1の治療薬の投与と第2の治療薬の投与が、互いに重複することを意味する。
本明細書において使用する場合、「薬学的に許容される」または「薬理学的に適合性がある」により、生物学的に、またはその他の点で望ましくないことはない材料を意味し、例えば、本材料は、任意の有意な望ましくない生物学的な効果を起こす、またはそれが含まれる組成物の他の成分のいずれかと有害な様式で相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物中に組み入れられてもよい。薬学的に許容される担体または賦形剤は、好ましくは、毒性学的および製造テストの要求基準を満たす、ならびに/あるいは米国食品医薬品局により作成されたInactive Ingredient Guideに含まれる。
本明細書において記載する本発明の態様および実施形態が、態様および実施形態「からなる」および/または「から本質的になる」を含むことが理解される。
「約」への言及では、本明細書における値またはパラメータが、その値またはパラメータ自体に関する変動を含む(および記載する)。例えば、「約X」に言及する記載は、「X」の記載を含む。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する単数形「a」、「または」、および「the」は、文脈が他の意味を明確に示さない限り、複数の言及を含む。
膀胱がんを処置する方法
本発明は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法を提供する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
本明細書において使用する「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/Akt(プロテインキナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼであり、細胞の生存、増殖、ストレス、および代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節異常は、多くのヒト癌腫において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に実質的な阻害効果を産生した。本明細書において記載するmTOR阻害剤は、BEZ235(NVP−BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、Certican、およびAfinitorとしても公知である)、ラパマイシン(シロリムスまたはRapamuneとしても公知である)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779およびToriselとしても公知である)、PI−103、Ku−0063794、INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、PF−04691502、CH5132799、GDC−0980(RG7422)、Torin 1、WAY−600、WYE−125132、WYE−687、GSK2126458、PF−05212384(PKI−587)、PP−121、OSI−027、Palomid 529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE−354、およびエフォロリムス(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとしても公知である)を含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤はリムス系薬物であり、これはシロリムスおよびその類似体を含む。リムス系薬物の例は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、リムス系薬物は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)からなる群から選択される。
一部の実施形態において、膀胱がんは、低悪性度膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんは、高悪性度膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんは浸潤性である。一部の実施形態において、膀胱がんは非浸潤性である。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性である。
一部の実施形態において、膀胱がんは、非限定的に乳頭状腫瘍および扁平癌を含む、移行細胞癌または尿路上皮癌(例えば転移性尿路上皮癌など)である。一部の実施形態において、膀胱がんは転移性尿路上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは、膀胱の尿路上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは、尿管の尿路上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは、尿道の尿路上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは、腎盂の尿路上皮癌である。
一部の実施形態において、膀胱がんは扁平上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは非扁平上皮癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは腺癌である。一部の実施形態において、膀胱がんは小細胞癌である。
一部の実施形態において、膀胱がんは、早期膀胱がん、非転移性膀胱がん、非浸潤性膀胱がん、筋層非浸潤性膀胱がん、原発性膀胱がん、進行性膀胱がん、局所進行膀胱がん(例えば切除不能な局所進行性膀胱がんなど)、転移性膀胱がん、または寛解中の膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんは、局所切除可能、局所切除不能、または切除不能である。一部の実施形態において、膀胱がんは、標準的な膀胱内部注入(膀胱内)治療に抵抗性の高悪性度の筋層非浸潤がんである。
本明細書に提供する方法は、膀胱がんを有すると診断された、またはそれが疑われる個体(例えば、ヒト)を処置するために使用することができる。一部の実施形態において、個体はヒトである。一部の実施形態において、個体は、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、または85歳のいずれかである。一部の実施形態において、個体は男性である。一部の実施形態において、個体は女性である。一部の実施形態において、個体は腫瘍切除を受けている。一部の実施形態において、個体は手術を拒否している。一部の実施形態において、個体は医学的に手術不能である。一部の実施形態において、個体は、Ta、Tis、T1、T2、T3a、T3b、またはT4の膀胱がんの臨床段階にある。一部の実施形態において、個体は、Tis、CIS、Ta、またはT1の臨床段階にある。
一部の実施形態において、個体は、膀胱がんに関連する1種または複数の症状を示すヒトである。一部の実施形態において、個体は、膀胱がんの初期段階にある。一部の実施形態において、個体は、膀胱がんの進行段階にある。実施形態の一部において、個体は、遺伝的に、または他の素因(例えば、危険因子を有する)で膀胱がんを発生する。膀胱がんのリスクがある個体は、例えば、膀胱がんを経験した親族、およびそのリスクが遺伝的または生化学的マーカーの分析により決定された親族を有する個体を含む。一部の実施形態において、個体は、(例えば、IHC基準に基づき)SPARC発現について陽性である。一部の実施形態において、個体は、SPARC発現について陰性である。一部の実施形態において、個体は、FGFR2において変異を有する。一部の実施形態において、個体は、p53において変異を有する。一部の実施形態において、個体は、MIB−1において変異を有する。一部の実施形態において、個体は、FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2、またはNF1の1種または複数において変異を有する。一部の実施形態において、個体は、p53およびPTENの両方において変異を有する。
本発明は、例えば、一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんを処置する方法を提供し、処置は、FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2、またはNF1の1種または複数の変異状態に基づく。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんを処置する方法が提供され、個体は、FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2、またはNF1の1種または複数の変異状態に基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物で治療するための膀胱がんを有する個体を選択(特定を含む)する方法が提供され、本方法は、FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2、またはNF1の1種または複数の変異状態を決定することを含む。FEZ1/LZTS1、PTEN、CDKN2A/MTS1/P6、CDKN2B/INK4B/P15、TSC1、DBCCR1、HRAS1、ERBB2、またはNF1の1種または複数の変異状態は、また、以下のいずれかを決定するために有用であり得る:(a)個体が最初に処置を受ける可能性のある、または可能性が高い適合性;(b)個体が最初に処置を受ける可能性のある、または可能性が高い不適合性;(c)処置への応答性;(d)個体が処置を受け続ける可能性のある、または可能性が高い適合性;(e)個体が処置を受け続ける可能性のある、または可能性が高い不適合性;(f)投与量の調整;(g)臨床的利益の可能性の予測。
一部の実施形態において、個体は、部分的または完全モノソミー(例えばモノソミー9など)を有する。一部の実施形態において、個体は、染色体11pにおいて欠失を有する。一部の実施形態において、個体は、染色体13pにおいて欠失を有する。一部の実施形態において、個体は、染色体17pにおいて欠失を有する。一部の実施形態において、個体は、染色体1pにおいて欠失を有する。一部の実施形態において、個体は、8p12−22の染色体欠損を有する。
一部の実施形態において、個体は、p73、c−myc、またはサイクリンD1を過剰発現する。
本明細書で提供する方法は、アジュバント設定において実行されうる。一部の実施形態において、本方法は、ネオアジュバント設定において実行され、即ち、本方法は、一次/根治的治療の前に行ってもよい。一部の実施形態において、本方法は、以前に処置された個体を処置するために使用される。一部の実施形態において、個体は、以前に処置されていない。一部の実施形態において、本方法は、第1の選択治療として使用される。一部の実施形態において、本方法は、第2の選択治療として使用される。
一部の実施形態において、個体は、以前に膀胱がんの処置を受けている(「先行治療」とも称される)。一部の実施形態において、個体は、以前に、膀胱がんのための標準治療で処置されている。一部の実施形態において、先行する標準治療は、BCGでの処置である。一部の実施形態において、先行する標準治療は、マイトマイシンCでの処置である。一部の実施形態において、先行する標準治療は、インターフェロン(例えばインターフェロン−αなど)での処置である。一部の実施形態において、個体は、寛解中の膀胱がん、進行性膀胱がん、または再発性膀胱がんを有する。一部の実施形態において、個体は、他の薬剤(例えば白金系薬剤、BCG、マイトマイシンC、またはインターフェロンなど)での膀胱がんの処置に耐性である。一部の実施形態において、個体は、他の薬剤(例えば白金系薬剤またはBCGなど)での膀胱がんの処置に最初は応答するが、処置後に進行した。
一部の実施形態において、個体は、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)後、再発性膀胱がん(例えばTa、Tis、T1、T2、T3a、T3b、またはT4の臨床段階の膀胱がんなど)を有する。例えば、個体は、先行治療での処置に最初は応答しうるが、先行治療の中止時に、約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、または60カ月のいずれかの後に膀胱がんを発生する。
一部の実施形態において、個体は、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)に抵抗性である。
一部の実施形態において、個体は、処置時、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)時に進行している。例えば、個体は、先行治療での処置時に、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月のいずれかの内に進行している。
一部の実施形態において、個体は、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)に耐性である。
一部の実施形態において、個体は、例えば、応答不全に起因して、および/または毒性に起因して、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)を続けることが不適である。
一部の実施形態において、個体は、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)に非応答性である。
一部の実施形態において、個体は、先行治療(例えば先行する標準治療など、例えば、BCGでの処置)に部分的に応答性である、または、それほど望ましくない程度の応答性を示す。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)の重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(即ち、mTORナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤)は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mg、例えば約100mgなどを含む)の用量で投与される。一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物は、毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを治療する方法が提供され、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物(即ち、リムスナノ粒子組成物中のリムス系薬物)は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mg、例えば約100mgなどを含む)の用量で投与される。一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物は毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。一部の実施形態において、組成物は、約30分間から約4時間(例えば膀胱における約1時間から約2時間の保持など)で投与される。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において筋層非浸潤性膀胱がんを治療する方法が提供される。一部の実施形態においてリムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mg、例えば約100mgなどを含む)の用量で投与される。一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物は毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mg、例えば約100mgなどを含む)の用量で投与される。一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物は毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供され、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)投与することを含む、個体(例えば、ヒト)においてBCG抵抗性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mg、例えば約100mgなどを含む)の用量で投与される。一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物は毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む、約200nm以下の平均直径を有する組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む、約200nm以下の平均直径を有する組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含む、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有する組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を治療する方法が提供され、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に静脈内に投与することを含む、個体において転移性膀胱がん(例えば転移性尿路上皮癌など)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、処置は第2の選択処置である。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む、約200nm以下の平均直径を有する組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む、約200nm以下の平均直径を有する組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含む、約200nm以下の平均直径を有する組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供され、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、Nab−シロリムスを含む組成物の有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、Nab−シロリムスの有効量を個体に投与すること(例えば静脈内に投与すること)を含む、個体において白金抵抗性膀胱がん(例えば転移性白金抵抗性膀胱がんなど、例えば、転移性白金抵抗性尿路上皮癌)を処置する方法が提供される。
本明細書において記載する方法は、膀胱がんの処置の種々の態様について有用である。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がん細胞増殖(例えば膀胱がん腫瘍増殖など)を阻害する方法が提供される。一部の実施形態において、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)細胞増殖が阻害される。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNabシロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNabシロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、膀胱がんを有する個体において局所再発(例えば、切除後の腫瘍の再発)を防止する方法が提供される。一部の実施形態において、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんの腫瘍転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態において、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が阻害される。一部の実施形態において、リンパ節への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態において、肺への転移を阻害する方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において既存の膀胱がんの腫瘍転移(例えば肺転移またはリンパ節への転移など)を低下させる(例えば放射する)方法が提供される。一部の実施形態において、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)の転移が低下される。一部の実施形態において、リンパ節への転移を低下させる方法が提供される。一部の実施形態において、肺への転移を低下させる方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において既存の膀胱がんの腫瘍転移(例えば肺転移またはリンパ節への転移など)の発生率または負担を低下させる方法が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんの腫瘍サイズを低下させる方法が提供される。一部の実施形態において、腫瘍サイズは、少なくとも約10%(例えば、少なくとも約20%、30%、40%、60%、70%、80%、90%、または100%のいずれかを含む)低下する。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんの疾患進行までの時間を延長する方法が提供される。一部の実施形態において、本方法は、疾患進行までの時間を、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12週間のいずれかだけ延長する。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、膀胱がんを有する個体の生存を延長する方法が提供される。一部の実施形態において、本方法は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、または24カ月間のいずれかだけ個体の生存を延長させる。一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、膀胱がんを有する個体において1種または複数の症状を軽減する方法が提供される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、膀胱がんを有する個体においてCIS(上皮内癌腫)病変の進行を抑制する方法が提供される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、静脈内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子中のリムス系薬物は、膀胱内投与により投与される。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、約200nm以下の平均直径を有するナノ粒子を含む。一部の実施形態において、組成物は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。
本明細書において記載する膀胱がんを処置する方法のいずれかでの使用のためのmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む医薬組成物も提供される。一部の実施形態において、組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンなど)を含むナノ粒子を含む。
組合せ治療の方法
本発明は、また、膀胱がんを処置するための組合せ治療の方法を提供する。このように、一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物で処置されている個体は、第2の治療に供される。一部の実施形態において、第2の治療は、手術、放射線、免疫療法、および/または化学療法である。上の膀胱がんを処置する方法の参照および記載は、例示的であり、本記載が等しく適用され、組合せ治療を使用して膀胱がんを処置する方法を含むことが理解される。
一部の実施形態において、本方法は、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)および少なくとも別の薬剤を投与することを含む。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤(本明細書において記載する特定の治療薬剤を含む)は、同時に投与される。薬物が同時に投与される場合、ナノ粒子中の薬物および他の薬剤は、同じ組成物(例えば、ナノ粒子および他の薬剤の両方を含む組成物)中または別々の組成物(例えば、ナノ粒子は1つの組成物中に含まれ、他の薬剤は別の組成物中に含まれる)中に含まれていてもよい。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤は、連続的に投与される。ナノ粒子組成物または他の薬剤のいずれかが最初に投与されてもよい。ナノ粒子組成物および他の薬剤は、別々の組成物中に含まれ、これは、同一または異なるパッケージに含まれてもよい。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は同時であり、即ち、ナノ粒子組成物の投与期間と他の薬剤の投与期間は互いに重複する。
一部の実施形態において、本方法は、免疫療法(例えば免疫療法剤の投与など)との組合せにおける、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の投与を含む。mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)と組み合わせることができる適切な免疫療法剤は、BCG、インターフェロン、および他の免疫刺激性サイトカインを含むが、これらに限定されない。
このように、本願は、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。このように、本願は、一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)免疫療法剤を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、他の薬剤は、BCG(カルメット−ゲラン桿菌)、Mycobacterium bovisの弱毒生の形態である。一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)BCGの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して)を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされており、組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有し、組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有し、組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子はヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である、組成物中のリムスの用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば、約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば、約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)であり、組成物中のシロリムスの用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば約80mg)である)を膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg)である);および(b)BCGの有効量(BCGの用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約85mgなど、例えば約80mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/またはBCGは、約20〜150ml(例えば約50mlなど)の容積で提供される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/またはBCGは、約30分間から約4時間(例えば約30分など)にわたり膀胱中に保持される。
一部の実施形態において、本明細書において記載する組合せ治療の方法は、BCGを伴うまたは伴わないインターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の投与を含む。
このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;(b)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;(b)BCGの有効量;および(c)インターフェロン(例えばインターフェロンαなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、a)少なくとも別の治療薬剤の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、他の治療薬剤は、アルキル化剤、アントラサイクリン抗生物質、DNA架橋剤、代謝拮抗物質、インドールキノン、タキサン、または白金系薬剤からなる群から選択される。一部の実施形態において、他の治療薬剤は、マイトマイシン、エピルビシン、ドキソルビシン、バルルビシン、ゲムシタビン、アパジクオン、ドセタキセル、パクリタキセル、およびシスプラチンからなる群から選択される。
一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)との組合せにおいて投与される他の薬剤は、アルキル化剤である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)との組合せにおいて投与される他の薬剤は、DNA架橋剤である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)DNA架橋剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)であり、組成物中のシロリムスの用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg)である);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量(アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約50mgなど、例えば約40mg)である)を膀胱内に(例えば、尿道カテーテルを介して)個体に投与することを含む、個体(例えば、ヒト)において筋層非浸潤性膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg)である);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量(アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約50mgなど、例えば約40mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量(組成物中のリムス系薬物の用量は、週に約5mgから約500mg(例えば約30から約400mgなど、例えば約100mg)である);および(b)アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の有効量(アルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)の用量は、週に約8mgから約100mg(例えば約25mgから約50mgなど、例えば約40mg)である)を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がん(例えば筋層非浸潤性膀胱がんなど)を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/またはアルキル化剤(例えばマイトマイシンなど)は、約20〜150ml(例えば約50mlなど)の容積で提供される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/またはBCGは、約30分間から約4時間(例えば約30分間など)にわたり膀胱中に保持される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、他の薬剤はアントラサイクリン抗生物質である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例、ヒト)において膀胱がんを治療する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)アントラサイクリン(例えばエピルビシンおよび/またはドキソルビシン、あるいはバルルビシンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、他の薬剤は代謝拮抗剤である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)は、例えば、毎週の膀胱内投与により、50ml中の2グラムの用量で、各々が約30分間から約4時間で、例えば、膀胱中での約1から約2時間の保持時間で毎週投与される。一部の実施形態において、代謝拮抗剤(例えばゲムシタビンなど)は、ナノ粒子組成物の投与の直前または直後に投与される。
一部の実施形態において、他の薬剤はタキサンである。適切なタキサンは、パクリタキセルおよびドセタキセルを含むが、これらに限定されない。タキサンは、ナノ粒子の形態で提供することができる。一部の実施形態において、第2の薬剤はAbraxane(登録商標)である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)タキサン(例えばパクリタキセルまたはドセタキセルなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
一部の実施形態において、他の薬剤は、白金系薬剤である。このように、例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;および(b)白金系薬剤(例えばカルボプラチンまたはシスプラチンなど)の有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
本明細書において記載する方法は、2つまたはそれ超の他の薬剤との組合せにおけるリムスナノ粒子組成物の投与を含んでもよい。これらの2つまたはそれ超の他の薬剤は、同じまたは異なるクラスのものでありうる。例えば、一部の実施形態において、(a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている);(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、アルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する);(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量(ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm))の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である);(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスを含む組成物の有効量;(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、(a)Nab−シロリムスの有効量;(b)BCGの有効量;および(c)マイトマイシンの有効量を個体に投与すること(例えば膀胱内に投与すること(例えば、尿道カテーテルを介して))を含む、個体(例えば、ヒト)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性膀胱がんである。一部の実施形態において、膀胱がんはBCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がんである。
バイオマーカーの使用
本出願は、さらに、1種または複数のバイオマーカーの発現に基づく、処置方法(例えば、上記の処置方法のいずれかなど)を提供する。本明細書において記載する方法のために有用なバイオマーカーは、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、バイオマーカーは、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、TSC1、およびサイクリンD1からなる群から選択される。
PS6kは、セリン/スレオニンキナーゼのRSK(リボソームs6キナーゼ)ファミリーのメンバーをコードする。このキナーゼは、2つの非同一キナーゼ触媒ドメインを含み、S6リボソームタンパク質のいくつかの残基をリン酸化する。このタンパク質のキナーゼ活性は、タンパク質合成および細胞増殖における増加に導く。
AKTは、プロテインキナーゼB(PKB)としても公知であり、複数の細胞プロセス(例えば、グルコース代謝、アポトーシス、細胞増殖、転写、および細胞遊走を含む)において重要な役割を果たすセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼである。
p4EBP1は、翻訳リプレッサータンパク質のファミリーのメンバーである。p4EBP1は、40SリボソームサブユニットをmRNAの5’末端に動員するマルチサブユニット複合体の制限成分である、真核生物の転写開始因子4E(eIF4E)と直接的に相互作用する。このタンパク質とeIF4Eとの相互作用は、複合体の集合を阻害し、翻訳を抑制する。mTORは、少なくともS6K1および4EBP1/eIF4Eの下流にシグナル伝達することが示されており、それらは翻訳制御においてそれ自体が機能し、哺乳動物細胞サイズを調節する(Fingarら、(2002年) Genes Dev. 16巻:14
72〜1487頁)。
Ki−67タンパク質(MKI67としても公知である)は、増殖のための細胞マーカーである(Wuら、(2003年)、Dev. Cell 5巻:723〜34頁)。間期の間に、Ki−67は細胞核内で専ら検出することができるのに対し、有糸分裂において、タンパク質の大半が、染色体の表面に再配置される。Ki−67は、細胞周期(G1、S、G2、および有糸分裂)の全ての活性段階の間に存在するが、休止細胞(G0)には存在しない。
p53(タンパク質53または腫瘍タンパク質53としても公知である)は、ヒトにおいて、TP53遺伝子によりコードされる腫瘍抑制タンパク質である。p53は、多細胞生物において非常に重要な転写因子であり、それは細胞周期を調節し、このように、がんの予防に含まれる腫瘍抑制因子として機能する。p63(TP63としても公知である)は、転写因子のp53ファミリーのメンバーである。p63−/−マウスは、四肢および他の組織(例えば歯および乳腺など)の欠損を含むいくつかの発生障害を有し、これらは、間葉と上皮の間での相互作用の結果として発生する。ヒトにおいて、TP63遺伝子中の変異は、欠指−外胚葉形成不全−口唇口蓋裂症候群、ヘイ・ウェルズ症候群、唇裂口蓋裂症候群3(EEC3)、欠指(裂手/裂足奇形4(SHFM4)としても公知である);眼瞼縁癒着−外胚葉欠陥−口唇裂/口蓋、ADULT症候群(肢端−皮膚−爪−涙管−歯症候群)、尺骨−乳房症候群、ラップホジキン症候群(RHS)、および口唇口蓋裂8に関連付けられる。p73(またはTP73)が、p53のホモログとして最初に同定された。p73のタンパク質産物は、細胞周期停止またはアポトーシスを誘導する。したがって、p73は、腫瘍抑制因子として分類される。しかし、p53とは異なり、p73はがんにおいて稀に変異している。
スタスミン1/腫瘍性タンパク質18(STMN1としても公知である)は、微小管動力学を調節する高度に保存された17kDaのタンパク質である。スタスミンは二量体α、βチューブリンと複合体を形成し、T2S複合体と呼ばれる三元複合体を形成する。スタスミンがT2S複合体中にチューブリンを隔離する場合、チューブリンは非重合性となる。その結果、微小管集合が阻害される。この機構を介して、スタスミンは、微小管の分解を促進する。
タウタンパク質は、高度に可溶性の微小管結合タンパク質(MAP)である。ヒトにおいては、これらのタンパク質は、非神経細胞と比較して、神経細胞において大半が見出される。例えば、タウタンパク質は、中枢神経系の星状細胞および乏突起膠細胞において発現される。タウの主な機能の1つは、軸索微小管の安定性を調節し、微小管へのチューブリン集合を促進することである。6つのタウアイソフォームが、ヒトの脳組織中に存在する。
Myc(c−Myc)遺伝子は、エンハンサーボックス配列(Eボックス)に結合し、ヒストンアセチルトランスフェラーゼ(HAT)を動員することを介して、多くの遺伝子の発現を活性化する転写因子をコードする。したがって、Mycは、全体的なクロマチン構造を調節するように機能する。Mycは、種々の分裂促進シグナル、例えばWnt、Shh、およびEGF(MAPK/ERK経路を介する)などにより活性化される。その標的遺伝子の発現を修飾することにより、Mycの活性化は、多数の生物学的効果をもたらす。Mycは、細胞増殖を駆動し、細胞増殖およびアポトーシスを調節し、分化および幹細胞自己再生を調節する際に役割を果たす。
サイクリンD1は、網膜芽細胞腫タンパク質をリン酸化および不活性化し、細胞周期のG1−S期を通した進行を促進するホロ酵素の調節サブユニットをコードする。サイクリンD1の増幅または過剰発現は、副甲状腺腺腫、乳がん、大腸がん、リンパ腫、メラノーマ、および前立腺がんを含むヒトがんのサブセットの発生において重要な役割を果たす。各々がサイクリン依存性キナーゼ(CDK)に結合する、3つのD型サイクリンのうち、ヒト腫瘍形成および細胞転移と主に関連付けられるのは、サイクリンD1の過剰発現である。
SPARC(分泌タンパク質、酸性およびシステインリッチ)は、いくつかの侵襲性がんにおいて上方制御されるマトリクス細胞タンパク質である。Porterら、J. Histochem.
Cytochem. 1995年;43巻:791頁を参照のこと。ヒトSPARC遺伝子は、
303アミノ酸のSPARCタンパク質をコードし、成熟SPARCは、285アミノ酸の糖タンパク質である。シグナル配列の切断後、32kDの分泌型が産生され、これは、グリコシル化のため、SDA−PAGEで43kDに移動する。
TSC1(Hamartinまたは結節硬化症1とも称される)は、腫瘍抑制因子として関与する末梢膜タンパク質である。それは、mTORC1シグナル伝達を調節し、また、小胞輸送およびドッキングに含まれるTSC2と複合体を形成する。
このように、本発明は、一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法を提供し、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数のレベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67の1種または複数のレベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法が提供され、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、TSC1、およびサイクリンD1の1種または複数のレベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、個体は、TSC1のレベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNabシロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
本明細書において使用する場合、「に基づき(based upon)」または「に基づき(based on)」は、本明細書において記載する通り、個体の特性を評価、決定、または測定する(および、好ましくは、処置を受けるのに適切な個体を選択する)ことを含む。バイオマーカーは、本明細書において記載する通り、処置の方法を選択、評価(または評価の補助)、測定、または決定するための基礎として使用される場合、バイオマーカーは、処置の前および/または中に測定され、得られた値は、以下のいずれかを評価する際に、臨床医により使用される:(a)個体が最初に処置を受ける可能性のある、または可能性が高い適合性;(b)個体が最初に処置を受ける可能性のある、または可能性が高い不適合性;(c)処置への応答性;(d)個体が処置を受け続ける可能性のある、または可能性が高い適合性;(e)個体が処置を受け続ける可能性のある、または可能性が高い不適合性;(f)投与量の調整;または(g)臨床的利益の可能性の予測。
このように、本発明は、一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法を提供し、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数の高レベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67の1種または複数の高レベルに基づき、処置のために選択される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法が提供され、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数の高レベルを有する。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67の1種または複数の高レベルを有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、a)個体においてp−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを決定すること;ならびにb)バイオマーカーの1種または複数の高レベルを有する個体に基づき、処置のために個体を選択すること(処置方法は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む)を含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの高レベルを有する個体に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、a)個体においてp−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択されるバイオマーカーの1種または複数の高レベルを有する個体に基づき、処置のために個体を選択すること;b)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を選択された個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを治療する方法が提供される。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの高レベルを有する個体に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、a)個体においてp−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを決定すること;ならびにb)バイオマーカーの1種または複数の高レベルを有する個体に基づき、処置のために個体を選択すること、c)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を選択された個体に投与することを含む、個体(例えばヒトなど)において膀胱がんを処置する方法が提供される。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの高レベルを有する個体に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、膀胱がんを伴う個体が、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を、選択された個体に投与することを含む処置に応答する可能性が高いか否かを評価する方法が提供され、方法が、個体において、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを評価することを含み;バイオマーカーの1種または複数の低レベルが、個体が、処置に応答する可能性がより低いことを示し、バイオマーカーの1種または複数の高レベルが、個体が、処置に応答する可能性がより高いことを示す。一部の実施形態において、本方法は、さらに、バイオマーカーの1種または複数の高レベルを有する個体に基づいて、処置のために個体を選択することを含む。一部の実施形態において、本方法は、さらに、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を選択された個体に投与することを含む。一部の実施形態において、個体は、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される1つまたは複数のバイオマーカーの高レベルを有する個体に基づいて、処置のために選択される。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本処置方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、膀胱がんを伴う個体が、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を、選択された個体に投与することを含む処置に応答したか否かを決定する方法が提供され、方法が、処置の前後に、個体において、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを評価することを含み;処置後のバイオマーカーの1種または複数のレベルの減少が、個体が処置に応答したことを示す。一部の実施形態において、本方法は、さらに、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を、処置に応答した個体に投与し続けることを含む。一部の実施形態において、本方法は、mTORナノ粒子組成物の投与量を調節すること含む。一部の実施形態において、バイオマーカーは、p−S6K、pAKT、P−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本処置方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、(i)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与すること、(ii)処置後の個体において、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを評価すること;(iii)1種または複数のバイオマーカーのレベルを、処理前のバイオマーカーのレベルと比較すること、および(iv)個体が、処置後にバイオマーカーの1種または複数の減少レベルを有する場合、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与し続けることを含む、膀胱がんを有する個体を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、本方法は、mTORナノ粒子組成物の投与量を調節すること含む。一部の実施形態において、バイオマーカーは、p−S6K、pAKT、P−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本処置方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
一部の実施形態において、(i)処置前の個体において、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを評価すること;(ii)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与すること、(iii)処置後の個体において、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーのレベルを評価すること;(iv)1種または複数のバイオマーカーのレベルを、処理前のバイオマーカーのレベルと比較すること、および(v)個体が、処置後にバイオマーカーの1種または複数の減少レベルを有する場合、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)を含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与し続けることを含む、膀胱がんを有する個体を処置する方法が提供される。一部の実施形態において、本方法は、mTORナノ粒子組成物の投与量を調節することを含む。一部の実施形態において、バイオマーカーは、p−S6K、pAKT、P−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子はアルブミンでコーティングされたリムス系薬物を含み、ナノ粒子は約200nm以下(例えば約150nm以下など)の平均粒径を有する。一部の実施形態において、本処置方法は、シロリムスおよびヒトアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含み、ナノ粒子は、ヒトアルブミンでコーティングされたシロリムスを含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば約120nm以下など、例えば約100nm)の平均粒径を有し、組成物中のヒトアルブミンおよびシロリムスの重量比は、約9:1またはそれ未満(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスを含む。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、組成物はNab−シロリムスである。一部の実施形態において、本処置方法は、さらに、個体に別の薬剤(例えばBCGおよび/またはマイトマイシンなど)の有効量を投与することを含む。
本明細書において記載する方法は、一部の実施形態において、個体において1種または複数のバイオマーカーのレベルを決定することを含む。一部の実施形態において、レベルは、試料中のバイオマーカーの活性レベルである。一部の実施形態において、レベルは発現レベルである。一部の実施形態において、レベルは、細胞(例えば、細胞の表面)、試料、または腫瘍中に存在するタンパク質の測定値である。一部の実施形態において、レベルは、バイオマーカーのタンパク質レベルまたはmRNAレベルと相関するバイオマーカー遺伝子における変異または多型に基づく。一部の実施形態において、レベルはタンパク質発現レベルである。一部の実施形態において、レベルはmRNAレベルである。
個体におけるバイオマーカーのレベルは、試料(例えば、個体からの試料または参照試料)に基づいて決定されうる。一部の実施形態において、試料は、組織、器官、細胞、または腫瘍からである。一部の実施形態において、試料は生物学的試料である。一部の実施形態において、生物学的試料は、生物学的液体試料または生物学的組織試料である。さらなる実施形態において、生物学的液体試料は体液である。体液は、血液、尿、リンパ液、唾液、精液、腹水、脳脊髄液、母乳、および胸水を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、試料は、例えば、血小板、リンパ球、多形核細胞、マクロファージ、および赤血球を含む血液試料である。一部の実施形態において、試料は尿試料である。
一部の実施形態において、試料は、腫瘍組織、前記腫瘍に隣接する正常組織、前記腫瘍から遠位の正常組織、血液試料、または他の生物学的試料である。一部の実施形態において、試料は固定試料である。固定試料は、ホルマリン固定試料、パラフィン包埋試料、または凍結試料を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、試料は、がん細胞を含む生検である。一部の実施形態において、試料は、膀胱鏡検査から得られた生検試料である。一部の実施形態において、試料は、膀胱腫瘍の経尿道切除(TURBT)から得られた生検試料である。さらなる実施形態において、生検は、膀胱がん細胞の細針吸引である。さらなる実施形態において、生検は、腹腔鏡検査で得られた膀胱がん細胞である。一部の実施形態において、生検細胞は、ペレットに遠心分離し、固定し、パラフィンに包埋される。一部の実施形態において、生検細胞は急速凍結される。一部の実施形態において、生検細胞は、バイオマーカーを認識する抗体と混合される。一部の実施形態において、生検は、個体ががんを有するか否かを決定するために採取され、次に、試料として使用される。一部の実施形態において、試料は、外科的に得られた腫瘍細胞を含む。一部の実施形態において、試料は、バイオマーカーレベルを決定する時とは異なる時点で得られてもよい。
一部の実施形態において、試料は、循環する転移性膀胱がん細胞を含む。一部の実施形態において、試料は、血液から膀胱の循環腫瘍細胞(CTC)を選別することにより得られる。さらなる実施形態において、CTCは、原発腫瘍から剥離し、体液中を循環する。さらなる実施形態において、CTCは、原発腫瘍から剥離し、血流中を循環する。さらなる実施形態において、CTCは転移の指標である。
一部の実施形態において、1つのバイオマーカー(例えばp−S6Kなど)のレベルを決定する。一部の実施形態において、2つまたはそれ超のバイオマーカーのレベルを決定する;例えば、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、およびKi67からなる群から選択される1種または複数のバイオマーカーを決定することができる。1種または複数のバイオマーカーは、例えば、本明細書において記載する少なくとも2つまたはそれ超のバイオマーカー、少なくとも3つまたはそれ超のバイオマーカー、少なくとも4つまたはそれ超のバイオマーカー、少なくとも5つまたはそれ超のバイオマーカー、または少なくとも6つまたはそれ超のバイオマーカーを含む。一部の実施形態において、1種または複数のバイオマーカーは、p−S6Kを含む。
一部の実施形態において、バイオマーカーのタンパク質発現レベルを決定する。一部の実施形態において、バイオマーカーのmRNAレベルを決定する。一部の実施形態において、バイオマーカーのレベルを免疫組織化学法により決定する。
バイオマーカーのレベルは、対照試料と比較して高レベルまたは低レベルでありうる。一部の実施形態において、個体におけるバイオマーカーのレベルを、対照試料中のバイオマーカーのレベルと比較する。一部の実施形態において、対象におけるバイオマーカーのレベルを、複数の対照試料中のバイオマーカーのレベルと比較する。一部の実施形態において、複数の対照試料を使用し、がんを伴う個体においてバイオマーカーのレベルを分類するために使用される統計値を生成する。
一部の実施形態において、DNAコピー数を決定し、バイオマーカーをコードする遺伝子についての高いDNAのコピー数(例えば、対照試料と比較して高いDNAコピー数)は、高レベルのバイオマーカーを示している。
バイオマーカーレベルの分類またはランク付け(即ち、高または低)を、対照レベルの統計分布と比較して決定することができる。一部の実施形態において、分類またはランク付けは、個体から得られた対照試料と比べている。一部の実施形態において、バイオマーカー(例えばp−S6Kなど)のレベルは、対照レベルの統計的分布と比べて分類またはランク付けされる。一部の実施形態において、バイオマーカー(例えばp−S6K1など)のレベルは、対象から得られた対照試料からのレベルと比べて分類またはランク付けされる。
対照試料は、非対照試料と同じ供給源および方法を使用して得ることができる。一部の実施形態において、対照試料は、異なる個体(例えば、がんを有していない個体および/または同様の民族、年齢、および性同一性を共有する個体)から得られる。一部の実施形態において、試料が腫瘍組織試料である場合、対照試料は、同じ個体からの非癌性試料でありうる。一部の実施形態において、複数の対照試料(例えば、異なる個体から)を使用し、特定の組織、器官、または細胞集団においてバイオマーカーのレベルの範囲を決定する。一部の実施形態において、対照は、適した対照であると決定された培養組織または細胞である。一部の実施形態において、対照は、バイオマーカーを発現しない細胞である。一部の実施形態において、標準化テストにおける臨床的に受け入れられた正常レベルは、バイオマーカーレベルを決定するための対照レベルとして使用される。一部の実施形態において、対象におけるバイオマーカー(例えば、p−S6K1)の参照レベルは、スコアリングシステム(例えば免疫組織化学ベースのスコアリングシステムなど)に従い、高、中、低として分類される。一部の実施形態において、対象におけるバイオマーカー(例えば、p−S6K1)の参照レベルは、スコアが全体の中央値スコア未満である、またはそれと等しい場合、低試料として分類される。
一部の実施形態において、バイオマーカーレベルは、個体におけるバイオマーカーのレベルを測定し、対照または参照(例えば、所与の患者集団についての中央値レベルまたは第2の個体のレベル)と比較することにより決定される。例えば、単一の個体についてのバイオマーカー(例えば、p−S6K1)のレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定された場合、その個体は、バイオマーカーの高レベルを有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのバイオマーカーのレベルが、患者集団の中央値レベルを下回り決定された場合、その個体は、バイオマーカーの低レベルを有すると決定される。一部の実施形態において、個体は、処置に応答性である第2の個体および/または患者集団と比較される。一部の実施形態において、個体は、処置に応答性ではない第2の個体および/または患者集団と比較される。本明細書における実施形態のいずれにおいても、レベルは、バイオマーカー(例えば、p−S6K1)をコードする核酸のレベルを測定することにより決定することができる。例えば、単一の個体についてのバイオマーカーをコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを上回ると決定された場合、その個体は、バイオマーカーをコードするmRNAの高レベルを有すると決定される。あるいは、単一の個体についてのバイオマーカーをコードするmRNAのレベルが、患者集団の中央値レベルを下回ると決定された場合、その個体は、バイオマーカーをコードするmRNAの低レベルを有すると決定される。
一部の実施形態において、バイオマーカーの参照レベルは、バイオマーカーレベルの統計的分布を得ることにより決定される。
一部の実施形態において、バイオインフォマティクス方法は、バイオマーカーのレベルの決定および分類のために使用される。多数の代替バイオインフォマティクスアプローチが、遺伝子発現プロファイリングデータを使用して遺伝子セット発現プロファイルを評価するために開発されてきた。方法は、Segal, E.ら、Nat. Genet. 34巻:66〜176頁 (2003年);Segal, E.ら、Nat. Genet. 36巻:1090〜1098頁(2004年);Barry, W. T.ら、Bioinformatics 21巻:1943〜1949頁(2005年);Tian, L.ら、Proc Nat’l Acad Sci USA 102巻:13544〜1
3549頁 (2005年);Novak B A and Jain A N. Bioinformatics 22
巻:233〜41頁 (2006年);Maglietta Rら、Bioinformatics 23巻:2063〜72頁(2007年);Bussemaker H J, BMC Bioinformatics 8巻 Suppl 6:S6(2007年)に記載される方法を含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、mRNAレベルが決定され、低レベルは、臨床的に正常として考えられるレベルに対し、または対照から得られたレベルに対し、約1.1、1.2、1.3、1.5、1.7、2、2.2、2.5、2.7、3、5、7、10、20、50、70、100、200、500、1000倍を下回る、または1000倍未満のmRNAレベルである。一部の実施形態において、高レベルは、臨床的に正常として考えられるレベルに対し、または対照から得られたレベルに対し、約1.1、1.2、1.3、1.5、1.7、2、2.2、2.5、2.7、3、5、7、10、20、50、70、100、200、500、1000倍を上回る、あるいは1000倍を上回るmRNAレベルである。
一部の実施形態において、タンパク質発現レベルは、例えば、免疫組織化学により決定される。例えば、低または高レベルについての基準は、例えば、バイオマーカータンパク質(例えば、p−S6K)を特異的に認識する抗体を使用して、陽性染色細胞の数および/または染色の強度に基づいて作成することができる。一部の実施形態において、約1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%未満の細胞が陽性染色である場合、レベルは低い。一部の実施形態において、染色が、陽性対照染色よりも1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%少ない強度である場合、レベルは低い。
一部の実施形態において、約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%より多い細胞が陽性染色である場合、レベルは高い。一部の実施形態において、染色が陽性対照染色と同じ強度である場合、レベルは高い。一部の実施形態において、染色が陽性対照染色の80%、85%、または90%の強度である場合、レベルは高い。
一部の実施形態において、強染色、中程度染色、および弱染色は、染色の較正レベルであり、範囲が確立され、染色の強度は範囲内でビニングされる。一部の実施形態において、強染色は、強度範囲の75パーセンタイルを上回る染色であり、中等度染色は、強度範囲の25から75パーセンタイルまでの染色であり、低染色は、強度範囲の25パーセンタイルを下回る染色である。一部の態様において、特定の染色技術に精通している当業者は、ビンサイズを調整し、染色カテゴリーを定義する。
さらに、バイオマーカーレベルの決定のために診断実験室に試料を送達すること;バイオマーカーの既知のレベルを伴う対照試料を提供すること;バイオマーカー(例えば、p−S6K1抗体)に対する抗体を提供すること;試料および対照試料を抗体による結合に供すること;および/または、抗体結合の相対量を検出することにより、膀胱がんの処置を導く方法を本明細書においてさらに提供し、試料のレベルを使用し、患者が、本明細書において記載する方法のいずれかでの処置を受けるべきであるという結論を提供する。
また、疾患の処置を指示する方法が本明細書において提供され、試料中のバイオマーカー(例えば、p−S6K1)の存在(またはレベル)に関連するデータを再検討または分析すること;および、個体が処置に応答する可能性または適合性について個人(ヘルスケア提供者またはヘルスケアマネージャー)に結論を提供することをさらに含み、結論は、データの再検討または分析に基づく。本発明の一態様において、結論は、ネットワーク上でのデータの送信である。
ナノ粒子組成物を投与する投薬および方法
個体(例えばヒトなど)に投与するmTORナノ粒子(例えばリムスナノ粒子組成物など)の用量は、特定の組成物、投与の様式、および処置されている膀胱がんの型によって決まりうる。一部の実施形態において、組成物の量は、客観的反応(例えば部分的応答または完全応答など)をもたらすために効果的である。一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、個体において完全応答をもたらすために十分である。一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、個体において部分的応答をもたらすために十分である。一部の実施形態において、投与される(例えば、単独で投与された場合)mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)で処置された個体の集団の間で、約20%、30%、40%、50%、60%、または64%のいずれかを上回る全体的な応答率を産生するために十分である。本明細書において記載する方法の処置に対する個体の応答は、例えば、RECISTレベル、膀胱鏡検査(生検を伴うまたは伴わない)、生検、細胞診、およびCT画像に基づいて決定することができる。
一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、個体において陰性生検を産生するために十分である。一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、尿細胞診に基づいて応答(部分的または完全)を産生するために十分である。一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、尿細胞診に基づいて陰性生検および応答(部分的または完全)の両方を産生するために十分である。
一部の実施形態において、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)の量は、全身毒性、例えば膀胱炎、血尿、排尿障害、尿リテンション、頻尿/緊急性、または膀胱痙攣などを起こすために十分ではない。
一部の実施形態において、組成物の量は、個体の無進行生存を延長するために十分である。一部の実施形態において、組成物の量は、個体の全生存を延長するために十分である。一部の実施形態において、組成物(例えば、単独で投与された場合)の量は、mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)で処置された個体の集団の間の約50%、60%、70%、または77%のいずれかを上回る臨床的利益を産生するために十分である。
一部の実施形態において、組成物の量は、処置前の同じ対象における対応する腫瘍サイズ、膀胱がん細胞数、もしくは腫瘍増殖速度と比較し、または処置を受けていない他の対象における対応する活性と比較し、少なくとも約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、または100%のいずれかだけ、腫瘍の大きさを減少させる、がん細胞の数を減少させる、または腫瘍の増殖速度を減少させるために十分な量である。標準的な方法を使用し、この効果の大きさを測定することができる(例えば精製酵素でのin vitroアッセイ、細胞ベースアッセイ、動物モデル、またはヒトテストなど)。
一部の実施形態において、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は、毒物学的効果(即ち、毒性の臨床的に許容されるレベルを上回る効果)を誘導するレベルを下回る、または組成物を個体に投与した場合に潜在的な副作用を制御もしくは許容することができるレベルである。
一部の実施形態において、組成物の量は、同じ投薬レジメンに従った組成物の最大耐用量(MTD)に近い。一部の実施形態において、組成物の量は、MTDの約80%、90%、95%、または98%のいずれか超である。
一部の実施形態において、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は、以下の範囲のいずれかに含まれる:約0.1mgから約1000mg、約0.1mgから約2.5mg、約0.5から約5mg、約5から約10mg、約10から約15mg、約15から約20mg、約20から約25mg、約20から約50mg、約25から約50mg、約50から約75mg、約50から約100mg、約75から約100mg、約100から約125mg、約125から約150mg、約150から約175mg、約175から約200mg、約200から約225mg、約225から約250mg、約250から約300mg、約300から約350mg、約350から約400mg、約400から約450mg、または約450から約500mg、約500mgから約600mg、約600mgから約700mg、約700mgから約800mg、約800mgから約900mg、または約900mgから約1000mg。一部の実施形態において、組成物の有効量中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量(例えば、単位投与形態)は、約5mgから約500mgの範囲中(例えば約30から約400mg、30mgから約300mg、または約50mgから約200mgなど)である。一部の実施形態において、組成物の有効量中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量(例えば、単位投与形態)は、約150mgから約500mgの範囲中(例えば、約150mg、約225mg、約250mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mg、または約500mgを含む)である。一部の実施形態において、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の濃度は、希釈(約0.1mg/ml)または濃縮(約100mg/ml)されており、例えば、約0.1から約50mg/ml、約0.1から約20mg/ml、約1から約10mg/ml、約2mg/mlから約8mg/ml、約4から約6mg/ml、または約5mg/mlのいずれかを含む。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の濃度は、少なくとも約0.5mg/ml、1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、または50mg/mlのいずれかである。
上の態様のいずれかの一部の実施形態において、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は、少なくとも約1mg/kg、2.5mg/kg、3.5mg/kg、5mg/kg、6.5mg/kg、7.5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、または60mg/kgのいずれかを含む。種々の実施形態において、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の有効量は、約350mg/kg、300mg/kg、250mg/kg、200mg/kg、150mg/kg、100mg/kg、50mg/kg、25mg/kg、20mg/kg、10mg/kg、7.5mg/kg、6.5mg/kg、5mg/kg、3.5mg/kg、2.5mg/kg、または1mg/kgのいずれか未満のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含む。
ナノ粒子組成物の投与のための例示的な投薬頻度は、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、中断なしで毎週、4週間のうち3週間、3週間毎に1回、2週間毎に1回、または3週間のうち2週間を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、組成物は、およそ2週間毎に1回、3週間毎に1回、4週間毎に1回、6週間毎に1回、または8週間毎に1回投与される。一部の実施形態において、組成物は、週に少なくとも約1×、2×、3×、4×、5×、6×、または7×(即ち、毎日)のいずれかで投与される。一部の実施形態において、各投与の間隔は、約6カ月間、3カ月間、1カ月間、20日、15日、14日、13日、12日、11日、10日、9日、8日、7日、6日、5日、4日、3日、2日、または1日未満のいずれかである。一部の実施形態において、各投与の間隔は、約1カ月間、2カ月間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、6カ月間、8カ月間、または12カ月間超のいずれかである。一部の実施形態において、投薬スケジュールにおいて中断はない。一部の実施形態において、各投与の間隔は、約1週間以下である。一部の実施形態において、組成物は毎週投与される。一部の実施形態において、組成物は毎週2回投与される。
組成物の投与は、長期間(例えば約1カ月から約7年間)にわたり延長することができる。一部の実施形態において、組成物は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、18、24、30、36、48、60、72、または84カ月間のいずれかの期間にわたり投与される。一部の実施形態において、組成物は6週間にわたり毎週投与され、任意選択で、その後の毎月の維持が続く。
一部の実施形態において、個体は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10の処置サイクルのいずれかにわたり処置される。
mTORナノ粒子組成物(例えばリムスナノ粒子組成物など)は、種々の経路(例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、経粘膜、および経皮を含む)を介して個体(例えばヒトなど)に投与することができる。一部の実施形態において、組成物の持続性継続放出製剤を使用してもよい。一部の実施形態において、組成物は静脈内投与される。一部の実施形態において、組成物は膀胱内投与される。一部の実施形態において、組成物は動脈内に投与される。一部の実施形態において、組成物は腹腔内に投与される。
一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物が膀胱内に投与される場合、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の投与量は、約20から約150mlの容積中で約30mgから約400mgの範囲中にあり、例えば、膀胱において約30分間から約4時間にわたり保持される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、約30分間から約4時間(例えば、約30分間から約1時間、約1時間から約2時間、約2時間から約3時間、または約3時間から約4時間を含む)にわたり膀胱中に保持される。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の投与量は、約100から約400mg、例えば約100mg、約200mg、約300mg、または約400mgである。一部の実施形態において、リムス系薬物は、毎週約100mg、毎週約200mg、毎週約300mg、週2回約100mg、または週2回約200mgで投与される。一部の実施形態において、投与は、さらに、毎月の維持用量(毎週の用量と同じまたは異なりうる)が続く。
一部の実施形態において、リムスナノ粒子組成物を静脈内投与する場合、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の投与量は、約30mgから約400mgの範囲中でありうる。本明細書において記載する組成物は、約24時間よりも短い注入時間にわたる個体への組成物の注入を可能にする。例えば、一部の実施形態において、組成物は、約24時間、12時間、8時間、5時間、3時間、2時間、1時間、30分、20分、または10分間未満のいずれかの注入期間にわたり投与される。一部の実施形態において、組成物は、約30分間から約40分間の注入期間にわたり投与される。
組合せ治療の投与様式
上のセクションに記載する投薬レジメンは、単独治療および組合せ治療の両方の設定に適用される。組合せ治療法のための投与様式を、以下にさらに記載する。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤(本明細書において記載する特定の化学療法薬を含む)は、同時に投与される。薬物が同時に投与される場合、ナノ粒子中の薬物および他の薬剤は、同じ組成物(例えば、ナノ粒子および他の薬剤の両方を含む組成物)中または別々の組成物(例えば、ナノ粒子は1つの組成物中に含まれ、他の薬剤は別の組成物中に含まれる)中に含まれていてもよい。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤は、連続的に投与される。ナノ粒子組成物または他の薬剤のいずれかを、最初に投与してもよい。ナノ粒子組成物および他の薬剤は、別々の組成物に含まれ、これは、同一または異なるパッケージ中に含まれてもよい。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、同時であり、即ち、ナノ粒子組成物の投与期間と他の薬剤の投与期間は、互いに重複する。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、他の薬剤の投与の前の少なくとも1サイクル(例えば、少なくとも2、3、または4サイクルのいずれか)の間に投与される。一部の実施形態において、他の薬剤は、少なくとも1、2、3、または4週間のいずれかにわたり投与される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日間のいずれかの内に)開始される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、ほぼ同時に(例えば、1、2、3、4、5、6、または7日間のいずれかの内に)終了される。一部の実施形態において、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の終了後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月間のいずれかにわたり)継続される。一部の実施形態において、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与開始後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月間のいずれかの後)開始される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、ほぼ同じ時間に開始および終了される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、ほぼ同時に開始され、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の終了後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月間のいずれかにわたり)継続される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、ほぼ同時に停止し、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物の投与の開始後(例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月間のいずれか1つの後)に開始される。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および他の薬剤の投与は、非同時である。例えば、一部の実施形態において、ナノ粒子組成物の投与は、他の薬剤が投与される前に終了される。一部の実施形態において、他の薬剤の投与は、ナノ粒子組成物が投与される前に終了される。これら2つの非同時投与の間の時間は、約2〜8週間の範囲、例えば約4週間などでありうる。
薬物含有ナノ粒子組成物および他の薬剤の投薬頻度は、投与する医師の判断に基づき、処置の経過にわたり調整されうる。別々に投与される場合、薬物含有ナノ粒子組成物および他の薬剤は、異なる投薬頻度または間隔で投与することができる。例えば、薬物含有ナノ粒子組成物は、毎週投与することができ、化学療法剤は、多かれ少なかれ頻繁に投与することができる。一部の実施形態において、薬物を含むナノ粒子および/または化学療法剤の持続性連続放出製剤を使用してもよい。持続放出を達成するための種々の製剤およびデバイスは、当技術分野において公知である。本明細書において記載する投与構成の組合せを使用することもできる。
ナノ粒子組成物および他の薬剤は、同じ投与経路または異なる投与経路を使用して投与することができる。(同時および連続投与の両方のための)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物と他の薬剤は、所定の比率で投与される。例えば、一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物と他の薬剤の重量比は約1:1である。一部の実施形態において、重量比は、約0.001から約1と約1000から約1の間、または約0.01から約1と100から約1の間でありうる。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物と他の薬剤の重量比は、約100:1、50:1、30:1、10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、および1:1のいずれか未満である。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物と他の薬剤の重量比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、30:1、50:1、100:1のいずれかを上回る。他の比率も検討される。
リムス系薬物および/または他の薬剤のために要求される用量は、各薬剤が単独で投与される場合に通常要求されるものよりも低くてもよい(しかし、必ずしもそうではない)。このように、一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/または他の薬剤中の薬物の治療量以下の量が投与される。「治療量以下の量」または「治療量以下のレベル」は、治療量よりも少ない量を指し、すなわち、ナノ粒子組成物中の薬物および/または他の薬剤が単独で投与される場合に通常使用される量よりも少ない。低下は、所与の投与で投与される量および/または所与の期間にわたり投与される量に関して反映されうる(頻度の低下)。
一部の実施形態において、十分な化学療法剤が、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ超のいずれかだけ、処置と同程度の効果をもたらすために要求されるナノ粒子組成物中の薬物の通常用量の低下を可能にするように投与される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中の十分な薬物が、少なくとも約5%、10%、20%、30%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ超のいずれかだけ、処置と同程度の効果をもたらすために要求される他の薬剤の通常用量の低下を可能にするように投与される。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物および他の薬剤の両方の用量が、単独で投与した場合、各々の対応する通常用量と比較して低下する。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物および他の薬剤の両方が、治療量以下、即ち、低下レベルで投与される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物および/または他の薬剤の用量は、確立された最大毒性用量(MTD)よりも実質的に少ない。例えば、ナノ粒子組成物および/または他の薬剤の用量は、MTDの約50%、40%、30%、20%、または10%未満である。
本明細書に記載される投与構成の組合せを使用することができる。本明細書において記載する組合せ治療の方法は、単独で、または別の治療(例えば化学療法、放射線治療、手術、ホルモン治療、遺伝子治療、免疫療法、化学免疫療法、肝動脈ベースの治療、寒冷療法、超音波療法、肝移植、局所切除治療、ラジオ波焼灼治療、光力学治療など)との併用において実施してもよい。加えて、膀胱がんを発症するより大きなリスクを有する者は、疾患の発症を阻害および/または遅延させるための処置を受けてもよい。
本明細書において記載する他の薬剤は、種々の経路を介して、例えば非経口的に(静脈内、動脈内、腹腔内、肺内、経口、吸入、膀胱内、筋肉内、気管内、皮下、眼内、髄腔内、または経皮を含む)個体(例えばヒト)に投与することができる。一部の実施形態において、他の薬剤は、静脈内に投与される。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、経口投与される。
他の薬剤の投薬頻度は、ナノ粒子組成物のそれと同じでも異なっていてもよい。例示的の頻度を上に提供する。さらなる例として、他の薬剤は、1日3回、1日2回、毎日、週6回、週5回、週4回、週3回、週2回、毎週投与することができる。一部の実施形態において、他の薬剤は、1日2回または1日3回投与される。他の薬剤の例示的な量は、非限定的に、以下の範囲のいずれかを含む:約0.5から約5mg、約5から約10mg、約10から約15mg、約15から約20mg、約20から約25mg、約20から約50mg、約25から約50mg、約50から約75mg、約50から約100mg、約75から約100mg、約100から約125mg、約125から約150mg、約150から約175mg、約175から約200mg、約200から約225mg、約225から約250mg、約250から約300mg、約300から約350mg、約350から約400mg、約400から約450mg、または約450から約500mg。例えば、他の薬剤は、約1mg/kgから約200mg/kg(例えば、約1mg/kgから約20mg/kg、約20mg/kgから約40mg/kg、約40mg/kgから約60mg/kg、約60mg/kgから約80mg/kg、約80mg/kgから約100mg/kg、約100mg/kgから約120mg/kg、約120mg/kgから約140mg/kg、約140mg/kgから約200mg/kgを含む)の用量で投与することができる。
一部の実施形態において、他の薬剤はBCGである。一部の実施形態において、BCGの用量は、約1mgから約5mg、約5mgから約10mg、約10mgから約20mg、約20mgから約30mg、約30mgから約40mg、約40mgから約50mg、約50mgから約60mg、約60mgから約70mg、約70mgから約80mg、約80mgから約90mgである。一部の実施形態において、BCGの用量は、約1×105から約1×107CFU/ml(例えば、約1〜8×106CFU/mlを含み、例えば約2×106、約3×106、約4×106、約5×106、約6×106、約7×106、または約8×106CFU/mlなど)である。一部の実施形態において、BCGは膀胱内に投与される。一部の実施形態において、BCGは毎週投与される。一部の実施形態において、BCGとの組合せのために有用なリムス系薬物の量は、約5mgから約500mg(例えば、約30mgから約400mgを含み、例えば約100mgから約200mgなど)である。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は約5mgから約500mgであり、他の薬剤の量は約1mg/kgから約200mg/kg(例えば、約1mg/kgから約20mg/kg、約20mg/kgから約40mg/kg、約40mg/kgから約60mg/kg、約60mg/kgから約80mg/kg、約80mg/kgから約100mg/kg、約100mg/kgから約120mg/kg、約120mg/kgから約140mg/kg、約140mg/kgから約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は約30mgから約400mgであり、他の薬剤の量は約1mg/kgから約200mg/kg(例えば、約1mg/kgから約20mg/kg、約20mg/kgから約40mg/kg、約40mg/kgから約60mg/kg、約60mg/kgから約80mg/kg、約80mg/kgから約100mg/kg、約100mg/kgから約120mg/kg,約120mg/kgから約140mg/kg、約140mg/kgから約200mg/kgを含む)である。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の量は約100mgから約200mgであり、他の薬剤の量は約1mg/kgから約200mg/kg(例えば、約1mg/kgから約20mg/kg、約20mg/kgから約40mg/kg、約40mg/kgから約60mg/kg、約60mg/kgから約80mg/kg、約80mg/kgから約100mg/kg、約100mg/kgから約120mg/kg、約120mg/kgから約140mg/kg、約140mg/kgから約200mg/kgを含む)である。
一部の実施形態において、他の薬剤の適当な用量は、臨床治療において既に用いられている用量程度であり、他の薬剤は、単独でまたは他の薬剤との組合せにおいて投与される。
ナノ粒子組成物
本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)(から本質的になる種々の実施形態において)を含むナノ粒子を含む。ナノ粒子は、さらに、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)を含みうる。難水溶性薬物のナノ粒子が、例えば、米国特許第5,916,596号;第6,506,405号;第6,749,868号、第6,537,579号、第7,820,788号において、また、米国特許公開第2006/0263434号および第2007/0082838号;PCT特許出願WO08/137148において開示されており、これらの各々が、それらの全体において、参照により組み入れられる。
一部の実施形態において、組成物は、約1000ナノメートル(nm)以下、例えば約900、800、700、600、500、400、300、200、および100nm以下(またはそれ未満)のいずれかなどの平均または平均直径を伴うナノ粒子を含む。一部の実施形態において、ナノ粒子の平均または平均直径は、約200nm以下(例えば約150nm以下など)である。一部の実施形態において、ナノ粒子の平均または平均直径は、約150nm以下である。一部の実施形態において、ナノ粒子の平均または平均直径は、約100nm以下である。一部の実施形態において、ナノ粒子の平均または平均直径は、約20から約400nmである。一部の実施形態において、ナノ粒子の平均または平均直径は、約40nmから約200nmである。一部の実施形態において、ナノ粒子は滅菌濾過可能である。
一部の実施形態において、本明細書において記載する組成物中のナノ粒子は、約200nm以下(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のいずれか1つを含む)平均直径を有する。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つ)が、約200nm以下(例えば、約190、180、170、160、150、140、130、120、110、100、90、80、70、または60nm以下のいずれか1つを含む)の直径を有する。一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子の少なくとも約50%(例えば、少なくとも約60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか1つ)が、約20nmから約400nm(例えば、約20nmから約200nm、約40nmから約200nm、約30nmから約180nm、約40nmから約150nm、約50nmから約120nm、および約60nmから約100nm)の範囲内に入る。
一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン)は、ジスルフィド結合を形成することができるスルフヒドリル基を有する。一部の実施形態において、組成物のナノ粒子部分中の担体タンパク質(例えば、アルブミン)の少なくとも約5%(例えば、少なくとも約10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%のいずれか1つを含む)が、架橋される(例えば、1種または複数のジスルフィド結合により架橋される)。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子が、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされている。一部の実施形態において、組成物が、ナノ粒子および非ナノ粒子の両方の形態において(例えば、溶液の形態において、または可溶性担体タンパク質/ナノ粒子複合体の形態において)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含み、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%がナノ粒子の形態である。一部の実施形態において、ナノ粒子中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)は、重量でナノ粒子の約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%のいずれか超を構成する。一部の実施形態において、ナノ粒子は非ポリマーマトリックスを有する。一部の実施形態において、ナノ粒子は、ポリマー材料(例えばポリマーマトリックスなど)を実質的に含まないmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)のコアを含む。
一部の実施形態において、組成物が、組成物のナノ粒子および非ナノ粒子の両方の部分において担体タンパク質(例えばアルブミンなど)を含み、組成物中の担体タンパク質(例えば、アルブミン)の少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%、または99%が、組成物の非ナノ粒子部分中にある。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比は、約18:1またはそれ未満、例えば約15:1またはそれ未満など、例えば、約10:1またはそれ未満である。一部の実施形態において、組成物中のアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の重量比は、約1:1から約18:1、約2:1から約15:1、約3:1から約13:1、約4:1から約12:1、約5:1から約10:1のいずれか1つの範囲内に入る。一部の実施形態において、組成物のナノ粒子部分中のアルブミンとmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の重量比は、約1:2、1:3、1:4、1:5、1:9、1:10、1:15またはそれ未満のいずれか1つである。一部の実施形態において、組成物中のアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の重量比は、以下のいずれか1つである:約1:1から約18:1、約1:1から約15:1、約1:1から約12:1、約1:1から約10:1、約1:1から約9:1、約1:1から約8:1、約1:1から約7:1、約1:1から約6:1、約1:1から約5:1,約1:1から約4:1、約1:1から約3:1、約1:1から約2:1、約1:1から約1:1。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、上の特徴の1種または複数を含む。
本明細書において記載するナノ粒子は、乾燥製剤(例えば凍結乾燥組成物など)中に存在しうる、または生体適合性培地中で懸濁されうる。適切な生体適合性媒質は、水、緩衝水性培地、生理食塩水、緩衝食塩水、任意選択でアミノ酸の緩衝溶液、任意選択でタンパク質の緩衝溶液、任意選択で糖の緩衝溶液、任意選択でビタミンの緩衝溶液、任意選択で合成ポリマーの緩衝溶液、脂質含有乳剤などを含むが、これらに限定されない。
一部の実施形態において、薬学的に許容される担体は、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含む。適切な担体タンパク質の例としては、血液または血漿中に通常見出されるタンパク質を含むが、これらは、非限定的に、アルブミン、免疫グロブリン(IgAを含む)、リポタンパク質、アポリポタンパク質B、α酸糖タンパク質、β−2−マクログロブリン、サイログロブリン、トランスフェリン、フィブロネクチン、第VII因子、第VIII因子、第IX因子、第X因子などを含む。一部の実施形態において、担体タンパク質は、非血液タンパク質、例えばカゼイン、αラクトアルブミン、βラクトグロブリンなどである。タンパク質は、起源が天然でありうる、または合成的に調製されうる。一部の実施形態において、タンパク質は、アルブミン、例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなどである。一部の実施形態において、アルブミンは組換えアルブミンである。
ヒト血清アルブミン(HSA)は、Mr 65Kの高度に可溶性の球状タンパク質であり、585アミノ酸からなる。HSAは血漿中で最も豊富なタンパク質であり、ヒト血漿のコロイド浸透圧の70〜80%を占める。HSAのアミノ酸配列は、合計17のジスルフィド架橋、1つの遊離チオール(Cys34)、および単一のトリプトファン(Trp214)を含む。HSA溶液の静脈内使用は、血液量減少性ショックの防止および処置のために(例えば、Tullis、JAMA、237巻:355〜360頁、460〜463頁(1977年))およびHouserら、Surgery, Gynecology and Obstetrics、150巻:81
1〜816頁(1980年)を参照のこと)および新生児高ビリルビン血症の処置における交換輸血との併用において(例えば、Finlayson、Seminars in Thrombosis and Hemostasis、6巻、85〜120頁(1980年)を参照のこと)示されてきた。他のアルブミン、例えばウシ血清アルブミンなどが検討される。そのような非ヒトアルブミンの使用は、非ヒト哺乳動物、例えば獣医(家庭用ペットおよび農業関連を含む)におけるこれらの組成物の使用との関連で適当であろう。ヒト血清アルブミン(HSA)は、複数の疎水性結合部位(脂肪酸、HSAの内因性リガンドについて合計8)を有し、薬物の多様なセット、特に中性および負に荷電した疎水性化合物に結合する(Goodmanら、The Pharmacological Basis of Therapeutics、第9版、McGraw-Hill New York(1996年))。2つの高親和性結合部位が、HSAのサブドメインIIAおよびIIIAにおいて提示されており、それらは、極性リガンド特徴についての付着点として機能する表面近くの荷電リジンおよびアルギニン残基を伴う、高度に伸長した疎水性ポケットである(例えば、Fehskeら、Biochem. Pharmcol.、30巻、687〜92頁(198a)、Vorum, Dan. Med. Bull.、46巻、379〜99頁(1999年)、Kragh-Hansen, Dan. Med.
Bull.、1441巻、131〜40頁(1990年)、Curryら、Nat. Struct. Biol.、5巻、827〜35頁(1998年)、Sugioら、Protein. Eng.、12巻、439〜
46頁(1999年)、Heら、Nature、358巻、209〜15頁(199b)、およびCarterら、Adv. Protein. Chem.、45巻、153〜203頁(1994年)を参照の
こと)。シロリムスおよびプロポフォールは、HSAに結合することが示されている(例えば、Paalら、Eur. J. Biochem.、268巻(7号)、2187〜91頁(200a)、Purcellら、Biochim. Biophys. Acta、1478巻(a)、61〜8頁(2000年
)、Altmayerら、Arzneimittelforschung、45巻、1053〜6頁(1995年)、お
よびGarridoら、Rev. Esp. Anestestiol. Reanim.、41巻、308〜12頁(1994年)を参照のこと)。また、ドセタキセルは、ヒト血漿タンパク質に結合することが示されている(例えば、Urienら、Invest. New Drugs、14巻(b)、147〜51頁(1996年)を参照のこと)。
組成物中の担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)は、一般的に、mTOR阻害剤のための担体として機能し、即ち、組成物中のアルブミンは、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を水性媒質中でより容易に懸濁可能にし、または担体タンパク質を含まない組成物と比較して、この懸濁液を維持するのを助ける。これによって、mTOR阻害剤を可溶化するために毒性溶媒(または界面活性剤)の使用を避けることができ、それにより、個体(例えばヒトなど)中へのmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の投与の1種または複数の副作用を低下させることができる。このように、一部の実施形態において、本明細書において記載する組成物は、界面活性剤、例えばクレモフォールなど(またはポリオキシエチル化ヒマシ油、Cremophor EL(登録商標)(BASF)を含む)を実質的に含まない(例えば不含など)。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、界面活性剤を実質的に含まない(例えば不含)。ナノ粒子組成物が個体に投与される場合に、組成物中のクレモフォールまたは界面活性剤の量が、個体において1種または複数の副作用を起こすために十分でない場合、組成物は「界面活性剤を実質的に含まない」、「クレモフォアを実質的に含まない」。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、約20%、15%、10%、7.5%、5%、2.5%、または1%未満のいずれか1つの有機溶剤または界面活性剤を含む。一部の実施形態において、担体タンパク質はアルブミンである。一部の実施形態において、アルブミンは、ヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンである。一部の実施形態において、アルブミンは組換えアルブミンである。
本明細書において記載する組成物中の担体タンパク質、例えばアルブミンなどの量は、組成物中の他の成分に依存して変動する。一部の実施形態において、組成物は、水性懸濁液中で、例えば、安定なコロイド懸濁液(例えば、ナノ粒子の安定な懸濁液など)の形態で、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を安定化するために十分な量で担体タンパク質(例えばアルブミンなど)を含む。一部の実施形態において、担体タンパク質(例えばアルブミンなど)は、水性媒質中でmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の沈降速度を低下させる量である。粒子含有組成物について、担体タンパク質(例えばアルブミンなど)の量は、また、mTOR阻害剤のナノ粒子のサイズおよび密度に依存する。
mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)は、それが長時間(例えば、少なくとも約0.1、0.2、0.25、0.5、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、24、36、48、60、または約72時間のいずれか)にわたり(例えば可視沈殿または沈降を伴わず)水性媒質中に懸濁したままであれば、水性懸濁液中で「安定化」されている。懸濁液は、一般的に、個体(例えばヒトなど)への投与のために適切であるが、必ずしもそうではない。懸濁液の安定性は、一般的に(必ずしもではない)、保存温度(例えば室温など(例えば20〜25℃など)または冷蔵状態(例えば4℃など)など)で評価される。例えば、肉眼で、または懸濁液の調製から約15分後に光学顕微鏡下で、1000倍で見た場合、目に見える凝集または粒子凝集を示さない場合、懸濁液は保存温度で安定である。安定性は、また、加速テスト条件下で、例えば、約40℃より高い温度で評価することができる。
一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン)は、水性懸濁液中で、特定の濃度で、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を安定化するために十分な量で存在する。例えば、組成物中のmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の濃度は、約0.1から約100mg/ml(例えば、約0.1から約50mg/ml、約0.1から約20mg/ml、約1から約10mg/ml、約2mg/mlから約8mg/ml、約4から約6mg/ml、または約5mg/mlのいずれかを含む)である。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の濃度は、少なくとも約1.3mg/ml、1.5mg/ml、2mg/ml、3mg/ml、4mg/ml、5mg/ml、6mg/ml、7mg/ml、8mg/ml、9mg/ml、10mg/ml、15mg/ml、20mg/ml、25mg/ml、30mg/ml、40mg/ml、および50mg/mlのいずれかである。一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン)は、界面活性剤(例えばクレモフォールなど)の使用を回避する量で存在し、組成物が、界面活性剤(例えばクレモフォールなど)を含まない、または実質的に含まないようにする。
一部の実施形態において、組成物は、液体形態中で、約0.1%から約50%(w/v)(例えば、約0.5%(w/v)、約5%(w/v)、約10%(w/v)、約15%(w/v)、約20%(w/v)、約30%(w/v)、約40%(w/v)、または約50%(w/v))の担体タンパク質(例えば、アルブミン)を含む。一部の実施形態において、組成物は、液体形態中で、約0.5%から約5%(w/v)の担体タンパク質(例えば、アルブミン)を含む。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中の担体タンパク質(例えば、アルブミン)とmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の重量比は、十分な量のmTOR阻害剤が細胞に結合する、または、細胞により輸送されるようにする。担体タンパク質(例えば、アルブミン)とmTOR阻害剤の重量比を、異なる担体タンパク質(例えば、アルブミン)およびmTOR阻害剤の組合せについて最適化しなければならず、一般的に、担体タンパク質(例えば、アルブミン)とmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の重量比(w/w)は、約0.01:1から約100:1、約0.02:1から約50:1、約0.05:1から約20:1、約0.1:1から約20:1、約1:1から約18:1、約2:1から約15:1、約3:1から約12:1、約4:1から約10:1、約5:1から約9:1、または約9:1である。一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン)とmTOR阻害剤の重量比は、約18:1またはそれ未満、15:1またはそれ未満、14:1またはそれ未満、13:1またはそれ未満、12:1またはそれ未満、11:1またはそれ未満、10:1またはそれ未満、9:1またはそれ未満、8:1またはそれ未満、7:1またはそれ未満、6:1またはそれ未満、5:1またはそれ未満、4:1またはそれ未満、および3:1またはそれ未満のいずれかである。一部の実施形態において、担体タンパク質はアルブミンである。一部の実施形態において、組成物中のアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)とmTOR阻害剤の重量比は、以下のいずれか1つである:約1:1から約18:1、約1:1から約15:1、約1:1から約12:1、約1:1から約10:1、約1:1から約9:1、約1:1から約8:1、約1:1から約7:1、約1:1から約6:1、約1:1から約5:1、約1:1から約4:1、約1:1から約3:1、約1:1から約2:1、約1:1から約1:1。
一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン)は、組成物が、有意な副作用を伴わずに、個体(例えば、ヒト)に投与されることを可能にする。一部の実施形態において、担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)は、ヒトへのmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の投与の1種または複数の副作用を低下させるために有効な量である。mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物、例えば、シロリムス)の投与の「1種または複数の副作用を低下させる」という用語は、mTOR阻害剤により起こされる1種または複数の望ましくない効果、ならびにmTOR阻害剤を送達するために使用される送達賦形剤(例えば注射のために適切なリムス系薬物を与える溶媒など)による副作用の低下、軽減、除去、または回避を指す。そのような副作用は、例えば、骨髄抑制、神経毒性、過敏症、炎症、静脈刺激、静脈炎、疼痛、皮膚刺激、末梢神経障害、好中球減少性発熱、アナフィラキシー反応、静脈血栓症、血管外漏出、およびそれらの組合せを含む。これらの副作用は、しかし、単に例示的であり、他の副作用、またはリムス系薬物(例えばシロリムスなど)に関連する副作用の組合せを低下させることができる。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)およびアルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、シロリムスおよびヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとシロリムス阻害剤の重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)でコーティングされたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとシロリムスの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含む。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)により安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有する。
一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、アルブミン(例えばヒトアルブミンまたはヒト血清アルブミンなど)により安定化されたmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nmの平均直径を有し、組成物中のアルブミンとmTOR阻害剤の重量比は、約9:1以下(例えば約9:1または約8:1など)である。一部の実施形態において、本明細書において記載するナノ粒子組成物は、ヒトアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)により安定化されたシロリムスを含むナノ粒子を含み、ナノ粒子は、約150nm以下(例えば、約100nm)の平均直径を有し、組成物中のアルブミンとシロリムスの重量比は、約9:1または約8:1である。
一部の実施形態において、ナノ粒子組成物はNabシロリムスを含む。一部の実施形態において、ナノ粒子組成物はNabシロリムスである。Nab−シロリムスは、直接的に注射可能な生理学的溶液中に分散させることができる、ヒトアルブミンUSPにより安定化されたシロリムスの製剤である。ヒトアルブミンとシロリムスの重量比は、約8:1から約9:1である。適切な水性媒質(例えば0.9%塩化ナトリウム注射液または5%デキストロース注射など)中に分散させた場合、Nab−シロリムスは、シロリムスの安定なコロイド懸濁液を形成する。コロイド懸濁液中のナノ粒子の平均粒径は約100ナノメートルである。HSAは、水に溶けやすいため、Nab−シロリムスは、希釈(0.1mg/mlシロリムス)から濃縮(20mg/mlシロリムス)までの範囲の広範囲の濃度(例えば、約2mg/mlから約8mg/mlを含む、または約5mg/ml)で再構成することができる。
ナノ粒子組成物を作製する方法は、当技術分野において公知である。例えば、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)および担体タンパク質(例えば、アルブミン、例えばヒト血清アルブミンまたはヒトアルブミンなど)を含むナノ粒子は、高剪断力の条件(例えば、超音波処理、高圧均質化など)下で調製することができる。これらの方法は、例えば、米国特許第5,916,596号;第6,506,405号;第6,749,868号、第6,537,579号、および第7,820,788号ならびに、また、米国特許公開第2007/0082838号、第2006/0263434号、およびPCT出願WO08/137148に開示される。
簡単には、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)を有機溶媒中に溶解し、その溶液を、担体タンパク質溶液(例えばアルブミン溶液など)に加えることができる。この混合物を高圧均質化に供する。有機溶媒は、次に、蒸発により除去することができる。得られた分散液は、さらに、凍結乾燥することができる。好適な有機溶媒としては、例えば、ケトン、エステル、エーテル、塩素化溶媒、および当技術分野において公知の他の溶媒を含む。例えば、有機溶媒は、塩化メチレンまたはクロロホルム/エタノールでありうる(例えば、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、または9:1の比率を伴う)。
mTOR阻害剤
本明細書において記載する方法は、一部の実施形態において、mTOR阻害剤のナノ粒子組成物の投与を含む。本明細書において使用する「mTOR阻害剤」は、mTORの阻害剤を指す。mTORは、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3K)/Akt(プロテインキナーゼB)経路の下流のセリン/スレオニン特異的タンパク質キナーゼ、ならびに細胞生存、増殖、ストレス、および代謝の重要な調節因子である。mTOR経路の調節異常は、多くのヒト癌腫において見出されており、mTOR阻害は、腫瘍進行に対して実質的な阻害効果を産生する。
ラパマイシンの哺乳類標的(mTOR)(ラパマイシンの機械的標的またはFK506結合タンパク質12ラパマイシン関連タンパク質1(FRAP1)としても公知である)は、2つの別個の複合体、mTOR複合体1(mTORC1)およびmTOR複合体2(mTORC2)中に存在する非定型セリン/スレオニンタンパク質キナーゼである。mTORC1は、mTORの、mTORの調節関連タンパク質(Raptor)、mammalian lethal with SEC13 protein 8(MLST8)、PRAS40およびDEPTORで構成される(Kimら、(2002年)、Cell、110
巻:163〜75頁;Fangら、(2001年)、Science、294巻(5548号):1
942〜5頁)。mTORC1は、4つの主要なシグナル入力を統合する:栄養素(例えばアミノ酸およびホスファチジン酸など)、増殖因子(インスリン)、エネルギーおよびストレス(例えば低酸素症およびDNA損傷など)。アミノ酸の可用性は、RagおよびRagulator(LAMTOR1〜3)を含む経路を介してmTORC1へシグナル伝達される。増殖因子およびホルモン(例えば、インシュリン)は、Aktを介してmTORC1へシグナル伝達され、TSC2を不活化し、mTORC1の阻害を防止する。あるいは、低ATPレベルは、TSC2のAMPK依存的活性化および猛禽類のリン酸化に導き、mTORC1シグナル伝達タンパク質を低下させる。
活性mTORC1は、下流標的(4E−BP1およびP70 S6キナーゼ)のリン酸化を介したmRNAの翻訳、オートファジーの抑制(Atg13、ULK1)、リボソーム生合成、およびミトコンドリア代謝または脂肪生成に導く転写の活性化を含む多数の下流の生物学的効果を有する。したがって、mTORC1活性は、条件が好ましい場合には細胞増殖を、あるいは、ストレス時または条件が好ましくない場合には異化プロセスを促進する。
mTORC2は、mTOR、mTORのラパマイシン非感受性コンパニオン(RICTOR)、GβL、および哺乳動物のストレス活性化プロテインキナーゼ相互作用タンパク質1(mSIN1)で構成されている。多くの上流シグナルおよび細胞機能が定義されている(上記参照)mTORC1とは対照的に、mTORC2の生物学について公知であることは比較的少ない。mTORC2は、Fアクチンストレスファイバー、パキシリン、RhoA、Rac1、Cdc42、およびプロテインキナーゼCα(PKCα)のその刺激を介して細胞骨格組織を調節する。mTORC2成分をノックダウンすることによって、アクチン重合に影響を与え、細胞形態を乱すことが観察されている(Jacintoら、(20
04年)、Nat. Cell Biol.、6巻、1122〜1128頁;Sarbassovら、(2004年)、Curr. Biol. 14、1296〜1302頁)。これは、mTORC2が、プロテインキナーゼCα(PKCα)リン酸化、パキシリンのリン酸化、局所接着へのその再局在、ならびにRhoAおよびRac1のGTP負荷を促進することによりアクチン細胞骨格を制御していることを示唆する。mTORC2がこれらのプロセスを調節する分子メカニズムは決定されていない。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤は、mTORC1の阻害剤である。一部の実施形態において、mTOR阻害剤は、mTORC2の阻害剤である。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤はリムス系薬物であり、これはシロリムスおよびその類似体を含む。リムス系薬物の例は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)を含むが、これらに限定されない。一部の実施形態において、リムス系薬物は、テムシロリムス(CCI−779)、エベロリムス(RAD001)、リダフォロリムス(AP−23573)、デフォロリムス(MK−8669)、ゾタロリムス(ABT−578)、ピメクロリムス、およびタクロリムス(FK−506)からなる群から選択される。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤は、シロリムスである。シロリムスは、FKBP−12と複合体化し、mTORC1に結合することによりmTOR経路を阻害するマクロライド系抗生物質である。
一部の実施形態において、mTOR阻害剤は、シロリムス(ラパマイシン)、BEZ235(NVP−BEZ235)、エベロリムス(RAD001、Zortress、サーティカン、およびアフィニトールとしても公知である)、AZD8055、テムシロリムス(CCI−779およびToriselとしても公知である)、PI−103、Ku−0063794、INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、PF−04691502、CH5132799、GDC−0980(RG7422)、Torin 1、WAY−600、WYE−125132、WYE−687、GSK2126458、PF−05212384(PKI−587)、PP−121、OSI−027、Palomid529、PP242、XL765、GSK1059615、WYE−354、およびエフォロリムス(リダフォロリムスまたはデフォロリムスとして公知である)からなる群から選択される。
BEZ235(NVP−BEZ235)は、mTORC1触媒阻害剤であるイミダゾキノリン(imidazoquilonine)誘導体である(Roper Jら、PLoS One、2011年、6巻
(9号)、e25132)。エベロリムスは、ラパマイシンの40−O−(2−ヒドロキシエチル)誘導体であり、シクロフィリンFKBP−12およびこの複合体であるmTORC1にも結合する。AZD8055は、mTORC1(p70S6Kおよび4E−BP1)のリン酸化を阻害する小分子である。テムシロリムスは、FK506結合タンパク質と複合体を形成し、それがmTORC1複合体中に存在する場合、mTORの活性化を禁止する小分子である。PI−103は、ラパマイシン感受性(mTORC1)複合体の活性化を阻害する小分子である(Knightら、(2006年)Cell.、125巻:733〜47頁)。KU−0063794は、用量依存的および時間依存的な様式で、Ser2448でmTORC1のリン酸化を阻害する小分子である。INK 128、AZD2014、NVP−BGT226、CH5132799、WYE−687は、各々、mTORC1の小分子阻害剤である。PF−04691502は、mTORC1活性を阻害する。GDC−0980は、クラスI PI3キナーゼおよびTORC1を阻害する経口的に利用可能な小分子である。Torin 1は、mTORの強力な小分子阻害剤である。WAY−600は、mTORの強力なATP競合性の選択的阻害剤である。WYE−125132は、mTORC1のATP競合性の小分子阻害剤である。GSK2126458は、mTORC1の阻害剤である。PKI−587は、PI3Kα、PI3Kγ、およびmTORの高度に強力な二重阻害剤である。PP−121は、PDGFR、Hck、mTOR、VEGFR2、Src、およびAblのマルチ標的阻害剤である。OSI−027は、mTORC1およびmTORC2の選択的かつ強力な二重阻害剤であり、IC50はそれぞれ22nMおよび65nMである。Palomid529は、ABCB1/ABCG2に対する親和性を欠き、良好な脳透過性を有するmTORC1の小分子阻害剤である(Linら
、(2013年) Int J Cancer DOI:10.1002/ijc.28126(印刷
前の電子出版))。PP242は、選択的なmTOR阻害剤である。XL765は、mTOR、p110α、p110β、p110γ、およびp110δについてのmTOR/PI3kの二重阻害剤である。GSK1059615は、PI3Kα、PI3Kβ、PI3Kδ、PI3Kγ、およびmTORの新規の二重阻害剤である。WYE−354は、HEK293細胞(0.2μM〜5μM)においておよびHUVEC細胞(10nM〜1μM)においてmTORC1を阻害する。WYE−354は、mTORの強力で特異的なATP競合性阻害剤である。デフォロリムス(リダフォロリムス、AP23573、MK−8669)は、選択的mTOR阻害剤である。
ナノ粒子組成物中の他の成分
本明細書において記載するナノ粒子は、他の薬剤、賦形剤、または安定剤を含む組成物中に存在することができる。例えば、ナノ粒子の負のゼータ電位を増加させることにより安定性を増大させるために、特定の負に荷電した成分を加えてもよい。そのような負に荷電した成分は、グリココール酸、コール酸、ケノデオキシコール酸、タウロコール酸、グリコケノデオキシコール酸、タウロケノデオキシコール酸、リトコール酸(litocholic acid)、ウルソデオキシコール酸、デヒドロコール酸、およびその他からなる胆汁酸の胆汁塩;以下のホスファチジルコリンを含むレシチン(卵黄)ベースのリン脂質を含むリン脂質:パルミトイルオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルリノレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン、ステアロイルアラキドイルホスファチジルコリン、およびジパルミトイルホスファチジルコリンを含むが、これらに限定されない。L−α−ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(distearyolphosphatidylcholine)(DS
PC)、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、および他の関連化合物を含む他のリン脂質。負に荷電した界面活性剤または乳化剤も、添加剤(例えば、コレステリル硫酸ナトリウムなど)として適切である。
一部の実施形態において、組成物は、ヒトへの投与のために適切である。一部の実施形態において、組成物は、哺乳動物への、例えば獣医学的状況、家庭用ペット、および農業動物における投与のために適切である。ナノ粒子組成物の多種多様な適切な製剤がある(例えば、米国特許第5,916,596号および第6,096,331号を参照のこと)。以下の製剤および方法は、単に例示的であり、決して限定的ではない。経口投与のために適切な製剤は、(a)液体溶液、例えば希釈剤(例えば水、生理食塩水、またはオレンジジュースなど)中に溶解された化合物の有効量など;(b)カプセル、サッシェまたは錠剤(各々が、固体または顆粒として、所定量の活性成分を含む);(c)適当な液体中の懸濁液;および(d)適切な乳剤から成りうる。錠剤形態は、ラクトース、マンニトール、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、微結晶性セルロース、アカシア、ゼラチン、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸および他の賦形剤、着色剤、希釈剤、緩衝剤、湿潤剤、保存剤、香味剤、ならびに薬理学的に適合性のある賦形剤の1種または複数を含むことができる。ロゼンジ形態は、香料中の活性成分、通常は、スクロースおよびアカシアまたはトラガカント、ならびに不活性基剤中の活性成分を含むパステル剤、活性成分に加えて、当技術分野において公知の賦形剤などを含む、ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアカシア、乳剤、ゲルなどを含むことができる。
適切な担体、賦形剤、および希釈剤の例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、デンプン、アカシアゴム、リン酸カルシウム、アルギネート、トラガカント、ゼラチン、ケイ酸カルシウム、微結晶性セルロース、ポリビニルピロリドン、セルロース、水、生理食塩水、シロップ、メチルセルロース、メチルおよびヒドロキシ安息香酸プロピル、タルク、ステアリン酸マグネシウム、および鉱油を含むが、これらに限定されない。製剤は、加えて、潤滑剤、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、保存剤、甘味剤または香味剤を含んでもよい。
非経口投与のために適切である製剤は、水性および非水性の等張滅菌注射溶液を含み、これらは、製剤を、意図されたレシピエントの血液と適合させる、抗酸化物質、緩衝剤、静菌剤、および溶質、ならびに懸濁化剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、および保存剤を含むことができる水性および非水性滅菌懸濁液を含むことができる。製剤は単回用量または複数回用量の密封容器(例えばアンプルおよびバイアルなど)中で提供することができ、使用直前に、滅菌液体賦形剤、例えば、注射用水の添加だけを要求するフリーズドライ(凍結乾燥)条件において保存することができる。即時の注射溶液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒、および以前に記載された種類の錠剤から調製することができる。注射可能な製剤が好ましい。
一部の実施形態において、組成物は、約4.5から約9.0のpH範囲(例えば、約5.0から約8.0、約6.5から約7.5、および約6.5から約7.0のいずれかのpH範囲を含む)を有するように製剤化される。一部の実施形態において、組成物のpHは、約6以上(例えば、約6.5、7、または8以上(例えば約8など)のいずれかを含む)に製剤化される。組成物は、また、適切な等張化修飾剤(例えばグリセロールなど)の添加により血液と等張にすることができる。
キット、薬、および組成物
本発明は、また、本明細書において記載する方法のいずれかにおける使用のためのキット、薬、組成物、および単位投与形態を提供する。
本発明のキットは、リムス系薬物含有ナノ粒子組成物(あるいは単位投与形態および/または製造品)および/または別の薬剤(例えば本明細書において記載する薬剤など)を含む1種または複数の容器を含み、一部の実施形態において、さらに、本明細書において記載する方法のいずれかに従った使用のための指示を含む。キットは、さらに、個々の適切な処置の選択の説明を含みうる。本発明のキットにおいて供給される指示は、典型的には、ラベルまたは添付文書(例えば、キットに含まれる紙シート)に書かれた指示であるが、機械読み取り可能な指示(例えば、磁気または光学記憶ディスク上で伝えられる指示)も許容される。
例えば、一部の実施形態において、このキットは、a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物、ならびにb)膀胱がんの処置のためのナノ粒子組成物を投与するための指示を含む。一部の実施形態において、このキットは、a)mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む組成物、b)別の薬剤の有効量(他の薬剤が、微小管分解を阻害する)、およびc)膀胱がんの処置のためのナノ粒子組成物および他の薬剤を投与する(例えば、静脈内または膀胱内に投与する)ための指示を含む。ナノ粒子および他の薬剤は、別々の容器中にまたは単一の容器中に存在しうる。例えば、キットは、1つの別個の組成物または2つもしくはそれ超の組成物を含んでもよく、1つの組成物は、ナノ粒子を含み、1つの組成物は、他の薬剤を含む。
本発明のキットは、適切なパッケージング中にある。適切なパッケージングは、バイアル、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージング(例えば、密封マイラーまたはプラスチックバッグ)などを含むが、これらに限定されない。キットは、任意選択で、追加の構成要素、例えば緩衝液および解釈情報などを提供しうる。本出願は、このように、バイアル(例えば密封バイアルなど)、ボトル、ジャー、柔軟なパッケージングなどを含む製造品を提供する。
ナノ粒子組成物の使用に関する指示は、一般的に、意図された処置のための投与量、投薬スケジュール、および投与経路に関する情報を含む。容器は、単位用量、バルクパッケージ(例えば、複数用量パッケージ)、またはサブユニット用量でありうる。例えば、長期間、例えば1週間、8日間、9日間、10日間、11日間、12日間、13日間、2週間、3週間、4週間、6週間、8週間、3カ月間、4カ月間、5カ月間、7カ月間、8カ月間、9カ月間またはそれ超のいずれかにわたり個体の有効な治療を提供するために、本明細書に開示するmTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など、例えば、シロリムス)の十分な投与量を含むキットを提供しうる。キットは、また、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)の複数の単位用量および医薬組成物および使用のための指示を含み、薬局、例えば病院の薬局および調合薬局などでの保存および使用のために十分な量でパッケージされうる。
また、本明細書において記載する方法のために有用な薬、組成物、および単位投薬形態を提供する。一部の実施形態において、mTOR阻害剤(例えばリムス系薬物など)およびアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む、膀胱がんを処置する際での使用のための薬(または組成物)が提供される。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含み、別の薬剤との併用において、膀胱がんを処置する際での使用のための薬(または組成物もしくは単位投与形態)が提供され、他の薬剤は、微小管分解を阻害する。一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミン(例えばヒト血清アルブミンなど)を含むナノ粒子を含む、膀胱がんを処置する際での使用のための薬(または組成物もしくは単位投与形態)が提供され、他の薬剤は、微小管分解を阻害する。
例示的な実施形態
本願は、一部の実施形態において、リムス系薬物およびアルブミンを含むナノ粒子を含む組成物の有効量を個体に投与することを含む、個体において膀胱がんを処置する方法を提供する。
上の方法に従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は膀胱内に投与される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、膀胱がんは筋層非浸潤性膀胱がんである。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、膀胱がんは、BCG、マイトマイシンC、またはインターフェロンでの処置に抵抗性である。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、少なくとも週1回で投与される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物中のリムス系薬物の用量は、約5から約500mg(例えば約30から約400mgなど)である。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は、約20から約150mlの容積で投与される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子組成物は膀胱内に投与され、組成物は、約30分間から約4時間にわたり膀胱内に保持される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、第2の治療薬剤の有効量を投与することをさらに含む。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、第2の治療薬剤は、免疫療法剤(例えばBCGなど)である。一部の実施形態において、BCGは、膀胱内に、例えば、約8mgから約100mgの用量で投与される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、本方法は、さらに、治療薬剤を個体に投与することを含む。一部の実施形態において、治療薬剤は、アルキル化剤、アントラサイクリン抗生物質、代謝拮抗物質、インドールキノン、タキサン、および白金系薬剤からなる群から選択される。一部の実施形態において、治療薬剤は、マイトマイシン、エピルビシン、ドキソルビシン、バルルビシン、ゲムシタビン、アパジクオン、ドセタキセル、パクリタキセル、およびシスプラチンからなる群から選択される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、リムス系薬物はシロリムスである。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、組成物中のナノ粒子は、約200nm以下の平均直径を有する。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、ナノ粒子中のリムス系薬物は、アルブミンでコーティングされている。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、膀胱がんは尿路上皮癌である。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、膀胱がんは、高悪性度膀胱がんである。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、個体はヒトである。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、個体が、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数のレベルに基づいて、処置のために選択される。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、処置の前に、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数のレベルを決定することをさらに含む。一部の実施形態において、本方法は、さらに、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数の高レベルに基づいて、処置のための個体を選択することを含む。
上の方法のいずれか1つに従った(例えば、それに適用される際の)一部の実施形態において、処置後に、p−S6K、pAKT、p−4EBP1、Ki67、p53、p63、スタスミン、タウ、SPARC、p73、c−myc、およびサイクリンD1の1種または複数のレベルを決定することをさらに含む。
当業者は、いくつかの実施形態が、本発明の範囲および精神内で可能であることを認識するであろう。本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することにより、より詳細に記載される。以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、勿論、その範囲を限定するものとして解釈すべきではない。
(実施例1)
BCG抵抗性の筋層非浸潤性膀胱がん(NMIBC)の膀胱内処置のためのNabシロリムス(mTOR阻害剤)の最大送達用量(MDD)および安全性を確立するための第1相臨床治験。
BCG抵抗性NMIBCを伴う患者は、膀胱鏡検査の間での目に見える腫瘍の切除に続き、滅菌尿道カテーテルにより膀胱内にNabシロリムスを受ける。本試験では、15人の患者、1コホート当たり3人を登録する:100mg/週、100mg 2×/週(合計用量週200mg)、300mg/週、200mg 2×/週(合計用量週400mg)、および400mg/週の6週間にわたる処置。各々の処置のために、nabシロリムスを100mlの0.9%塩化ナトリウムで再構成する。患者は、排尿前に2時間にわたり膀胱内に薬物を保つように指示される。国立がん研究所の共通毒性基準(NCI CTC)V3.0グレード2の局所毒性が発生した場合、処置は1用量について遅延され、毒性がグレード1またはそれ未満に消散される場合に再開する。DLT(用量限定毒性)は、任意のグレード3または4の事象と考えられ、患者は治験から直ぐに除去される。用量漸増は、MDDを確立するために、3+3規則に従う。最後の処置の6週間後、患者は、膀胱鏡検査および生検を受ける。完全応答(CR)は、処置の6週間後のがん陰性生検として定義される。
患者がCRを有する場合、患者は、特定の患者が受けた最大用量で追加の毎月の維持滴下注入を受ける。膀胱鏡検査は3カ月毎であり、患者は、疾患進行まで、最大6回の追加の滴下注入のために治療を受ける。
全身的および局所的な膀胱毒性は、処置および維持治療を通してモニターされる。
試料の回収およびプロセッシング:身体検査ならびに尿および血液試料の回収を、登録時、処置日、処置の終了時、および6週間の追跡調査時に実施する。腫瘍および正常膀胱組織の生検は、前処置、14日目の投薬の前の処置の間に1回、および6週間の治療後での膀胱鏡検査時に採取する。
分析:各々の訪問時、患者は、NCI CTCv3.0により定義される通り、局所の膀胱毒性についてモニターされる。各々の訪問時、患者の生存指標(体重、血圧、および脈拍)および更新病歴が得られる。尿試料は、pHについて、ディップスティックによりチェックされ、分析のために実験室に送られる。nabシロリムス処置から4時間後、血液試料を、血清シロリムスレベルの分析のために採取する。完全な血球数、基礎代謝パネル、肝機能性パネル、脂質パネル、および凝固プロファイルを、全身毒性の徴候についてチェックする。
(実施例2)
膀胱がんの遺伝子操作マウスモデルにおける膀胱内NabシロリムスおよびBCGの組合せの有効性
この前臨床試験では、進行性膀胱がんの動物モデルが使用される。これらの遺伝子操作されたマウスは、膀胱上皮においてp53およびPTENの標的化欠失を有する。アデノ−Creの送達後での膀胱上皮におけるp53およびPTENのこの組み合わせの欠失は、注射後約6週目までにCIS発生をもたらし、ヒト疾患に似ている。このように、本発明者らは、アデノ−Cre注射後6週間目に処置を開始する。本発明者らは、本発明者らの試験において雌マウスだけを使用する。なぜなら、その尿道がより複雑である雄マウスと比較して、血管カテーテルが尿道を簡単に通過することができるからである。
手術:十分な鎮静を吸入麻酔で達成した後、潤滑血管カテーテル(24G)を尿道に通す。膀胱は、滅菌PBSで灌注し、尿の戻り、このように、膀胱における適した位置決めを確実にする。尿を除去し、廃棄する。処置は、血管カテーテルを介して、膀胱中に送達される。絹縫合糸(5−0)を尿道の周りに固定し、膀胱内処置が排出されるのを防止する。縫合糸は、2時間の処置時間が達成されるまでその場所に残る。
用量:予備のin vitro試験によって、Nabシロリムスが、BCG生存率に対して任意の影響を有するか否かを決定する。パイロット試験を実施して、単一の薬剤および組合せ治療の許容用量を決定する。本発明者らは、臨床的に使用される用量(1〜8×106CFU/ml)、およびBCGベースの組合せ治療を用いた以前の前臨床試験において使用された用量に基づいて、2×106CFU/mlのBCG用量で開始する。Nabシロリムスについては、本発明者らは、15mg/kgの初期膀胱内用量で始める。パイロット試験の終了後、本発明者らは、マウス(n=15匹/群)における特定の試験用量を確立する。処置期間は6週間である。単剤コホートは、2時間の全留置時間で、BCGまたはnabシロリムスのいずれかの週1回の処置を受ける。組合せコホートは、BCGを月曜日に、次にNabシロリムスを木曜日に受ける。対照群は、週1回、賦形剤を受ける。隔週の体重が、薬物毒性を評価するために利用される。10〜15%の体重喪失または疾患の外観を伴うマウスは、人道的な理由で安楽死させる。エンドポイントで、腫瘍が1.5cmよりも大きい場合、マウスを安楽死させる。
試料の回収およびプロセッシング:定期的な超音波検査を、処置の前に、その後は2週間毎に実施し、腫瘍の存在および腫瘍サイズをモニターする。前臨床治験の経過を通して、本発明者らは、毒性または感染を示しうる、苦痛または体重の喪失(10〜15%)の任意の身体的徴候についてマウスを観察する。
分析:全ての生存マウスを、膀胱サイズ、体重、および免疫組織化学(IHC)分析の評価のために、6週間の膀胱内処置後に屠殺する。IHC分析は、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色、mTOR経路のマーカー(pS6、p−AKT、p−4EBP1)、および免疫細胞のマーカー(マクロファージ、樹状細胞、T細胞などを同定する)を含む。
(実施例3)
NMIBCを伴う患者における膀胱内nabシロリムスの全身および標的組織薬物暴露の評価
第1/2相臨床治験の間に、血液試料を、nabシロリムス投与から4時間後に採取し、EDTA処理チューブ中に採取し、分析まで−80℃で保存した。シロリムスレベルを測定するための膀胱組織の生検試料(患者1人当たり5試料)を、14日目の投薬直前に膀胱鏡検査を介して採取する。組織試料を、15mlのクリオバイアル中に回収し、ドライアイス上で急速冷凍し、分析まで−80℃で保存した。
分析:血清中および膀胱組織試料中のシロリムスレベルを、液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)により測定する。標的膀胱組織におけるシロリムスの濃度は、臨床有効性データ、および効果的な生物学的用量を確立することを助けるための薬力学的バイオマーカーと相関する。
(実施例4)
患者の組織試料中での標的バイオマーカー抑制および他の関連分子マーカーの評価
本発明者らは、ベースライン時および処置6週間後の活性化mTORレベルを評価し、それは、患者集団の処置前スクリーニングのために臨床値を決定することを助ける。処置に続くmTOR経路抑制の実証は、nabシロリムスの特異性および有効性の明確な指標を提供し、臨床応答を潜在的に予測することができる。いくつかのバイオマーカーは、mTOR経路(p−S6K、p−AKT、p−4EBP1)に特に関連し、膀胱がん(Ki67)を検証する。P−S6は、mTOR経路の活性化のバイオマーカーであり、mTOR活性が阻害された場合に低下することが予想される。Ki67は、増殖についての細胞マーカーであり、膀胱がんにおいて上昇する。シロリムスおよびその類似体によるmTORC1の阻害に続き、p−Aktは、mTORC2を伴うフィードバック活性化を介して増加され、これは、シロリムス処置の副作用および耐性をもたらしうる。他の潜在的な分子マーカーは、p53、P63、スタスミン、タウ、Ki67、およびSPARCを含むであろう。
試料の回収およびプロセッシング:処理の前に、腫瘍および正常組織試料を、膀胱鏡検査の間に目に見える腫瘍の切除により回収する。追加の正常組織試料(および、利用可能な場合、腫瘍試料)を、14日間の処置の前に、および6週間の処置後の膀胱鏡検査で回収する。試料を直ちに凍結し、切片化する。
分析:試料は、免疫組織化学(H&E染色、およびp−S6K、p−AKT、p−4EBP1などに対する抗体を用いて)により分析する。スライドは、異なるバイオマーカーの染色強度について、病理学者によりスコア化される。増殖細胞の定量化は、以前に記載された通りに行われる。ベースライン時および処置の間でのバイオマーカーの状態は、膀胱内Nab−シロリムス治療で処置されたNMIBC患者について、これらのバイオマーカーの予測値を調べるためのフィッシャーの正確確率検定を用いた臨床応答と相関する。
(実施例5)
BCG抵抗性NMIBCにおいて膀胱内NABシロリムスの有効性、安全性、および潜在能を予測可能なバイオマーカーを評価するための第2相臨床試験
研究デザイン:臨床第1相用量漸増試験は、完全な応答者の割合により測定される通り、BCG抵抗性NMIBCの処置におけるnabシロリムスの有用性を評価するために、MDDで登録された29人までの患者での、この臨床第2相試験中に拡大される。本発明者らは、第1の段階(サイモン2段階法)において10人の患者を登録する。2人またはそれ超の患者が応答した場合、本発明者らは、第2の段階において追加の19人を登録する。1つだけまたは無応答が第1の段階において観察された場合、本発明者らは、有効性の欠如のために試験を終了する。5%のI型誤差および20%のII型誤差の本発明者らの動作特性に基づき、登録されると予想される患者の数は、試験を十分に出力させるために、平均15、最大合計29となりうる。患者の処置プロトコールは、第1相試験と同じである。患者がCRを有する場合、患者は、MDDでの追加の毎月の維持滴下注入を受ける。膀胱鏡検査は、3カ月毎に実施され、患者は、疾患進行まで、または最大6回の追加の滴下注入のために、治療を続ける。患者は、試験および維持治療を通して、局所および全身毒性についてモニターされる。
試料の回収およびプロセッシング:患者の腫瘍および正常膀胱組織試料を、処置の前に、その間に、およびその後に採取する。血液および尿試料は、以前に記載された通りに、複数の時間点で採取される。
分析:患者の試料は、上に記載する手順に従って評価される。CRは、処置6週間後の膀胱鏡検査時のがん陰性生検として定義される。安全性評価は、標準的なNCI基準毎である。
(実施例6)
BCG抵抗性NMIBCにおける膀胱内NABシロリムス+BCGの有効性、安全性、および潜在能を予測可能なバイオマーカーを評価するための第2相臨床試験
研究デザイン:BCGを、50ml生理食塩水中の臨床的に使用される毎週の膀胱内用量である81mgのBCGで投与される。BCGは、また、標準的な81mg用量の半分または三分の一で使用することができる。Nabシロリムスの確立されたMDDを用いて、20人までの患者が、膀胱内nabシロリムス+BCGの組合せで処置される。患者登録および統計的な考慮は、上の試験と同様であり、2段階の登録を伴う。組合せ処置(一緒にまたは連続的に与えられた薬物)のスケジュールは、実施例2から決定される。
試料の回収およびプロセッシング:患者の腫瘍および膀胱組織試料を、処置の前に、その間に、およびその後に採取する。血液および尿試料(局所免疫応答の指標としてのサイトカインレベルのために)は、複数の時間点で採取される。
分析:患者の試料は、上に列挙する手順に従って評価される。患者は、処置6週間後に、膀胱鏡検査および生検により、有効性について評価される。CRは、処置6週間後の膀胱鏡検査でのがん陰性生検として定義される。
(実施例7)
BCG抵抗性NMIBCにおける膀胱内nabシロリムスおよびマイトマイシンCの組合せの有効性および安全性を評価するための第2相臨床試験
デザイン:nabシロリムスの適当な用量を、80〜100mLの生理食塩水中で再構成し、6週間の週1〜2時間の処置のために膀胱内カテーテルを介して投与する。マイトマイシンCは、注射用滅菌水40mL中の40mgで、6週間にわたり週1回、膀胱内に投与する。20人までの患者が、膀胱内nabシロリムスおよびマイトマイシンCの組合せで処置される。組合せ処置のスケジュールは、目的1および3の転帰から決定される。薬物は、同じ日に連続的に与えられ、各々が、膀胱内で2時間保持される。患者がCRを有する場合、患者は、NabシロリムスおよびマイトマイシンCの追加の毎月の維持滴下注入を受ける。膀胱鏡検査は、3カ月毎に実施され、患者は、疾患進行まで、または最大6回の追加の滴下注入のために、治療を続ける。患者は、局所的および全身的な毒性について、試験および維持治療を通してモニターされる。
試料の回収およびプロセッシング:身体検査ならびに尿および血液試料の回収を、登録時、処置日、処置の終了時、および6週間の追跡調査時に実施する。腫瘍および正常膀胱組織の生検は、前処置、14日目の投薬の前の処置の間に1回、および6週間の治療後に、膀胱鏡検査により採取する。
分析:患者の試料は、上の手順に従って評価される。患者は、処置6週間後に膀胱鏡検査と生検により、有効性について評価される。
(実施例8)
膀胱がんの異種移植モデル(T24)でのNabシロリムスと種々の薬剤の組合せの有効性
T24ヒト膀胱がん細胞を、37℃および5%CO2で、10%FBS、100U/mLペニシリンおよび100μg/mLストレプトマイシン、800mg/L NaHCO3、ならびに3.6g HEPESを添加したRPMI1640中で培養する。雄のNCr nu/nuヌードマウスを使用する。本試験は、5から6週齢のマウス100匹を要求する。動物の体重は、移植の日に20〜30グラムでありうる。動物は、ケージ番号および耳パンチにより識別される。一度、平均腫瘍体積が約100mm
3に達した場合、約100匹のマウスを試験のために使用する。マウスを、投薬の前に、各群に10匹の動物を伴う10の試験群に無作為に割り当てる。試験群および処置スケジュールを、以下の表に列挙する。
単剤対組合せ処置の抗腫瘍活性を比較するために、T24ヒト膀胱がん異種移植片を持つマウスを伴う10の処置群を使用する(生理食塩水対照、nab−シロリムス、マイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、バルルビシン、およびマイトマイシンC、シスプラチン、ゲムシタビン、またはバルルビシンの組合せ処置群(各々をnabシロリムスと組み合わせる)を含む)。マウスを4週間にわたり処置し、腫瘍を、試験の終了まで週2回デジタルキャリパーを用いて測定する。動物の体重を週2回測定し、動物を、苦痛の任意の物理的徴候または体重の有意な損失(10〜15%)についてモニターする。
分析:腫瘍サイズのデータを、各々の処置レジメンごとに腫瘍増殖阻害について分析する。腫瘍増殖曲線の統計分析を、ANOVAを使用して実施する。
(実施例9)
BCG抵抗性NMIBCにおける膀胱内nabシロリムスおよびゲムシタビンの組合せの有効性および安全性を評価するための第2相臨床試験
デザイン:nab−シロリムスの適当な用量を、100mL生理食塩水中で再構成し、6週間の処置のために膀胱内カテーテルを介して投与する。ゲムシタビンは、6週間にわたり週1回、1〜2時間にわたり約50ml中の2gの用量で膀胱内に投与する。20人までの患者が、膀胱内nab−シロリムスおよびマイトマイシンCの組合せで処置される。薬物は、同じ日に連続的に与えられ、各々が、膀胱内で2時間保持される。患者がCRを有する場合、患者は、Nab−シロリムスおよびマイトマイシンCの追加の毎月の維持滴下注入を受ける。膀胱鏡検査は、3カ月毎に実施され、患者は、疾患進行まで、または最大6回の追加の滴下注入のために、治療を続ける。患者は、局所的および全身的な毒性について、試験および維持治療を通してモニターされる。
試料の回収およびプロセッシング:身体検査ならびに尿および血液試料の回収を、登録時、処置日、処置の終了時、および6週間の追跡調査時に実施する。腫瘍および正常膀胱組織の生検は、前処置、14日目の投薬の前の処置の間に1回、および6週間の治療後に、膀胱鏡検査により採取する。
分析:患者の試料は、上の手順に従って評価される。患者は、処置6週間後に、膀胱鏡検査および生検により、有効性について評価される。