JP2020050620A - 皮膚外用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】米発酵液とトラネキサム酸類を組み合わせると、経時で変色が生じ外観安定性に劣るという課題が生じた。【解決手段】1.米発酵液とトラネキサム酸類とルチングルコシドを含有する皮膚外用組成物。2.米発酵液が、サッカロミセス・ベローナによって発酵させた米発酵液であることを特徴とする前記1.に記載の皮膚外用組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、米発酵液、トラネキサム酸類及びルチングルコシドを配合した皮膚外用組成物に関する。
γ−アミノ酪酸を富化させた玄米の発酵液を化粧料に配合する技術が提案されている(特許文献1:特開2018−002607号公報)。トラネキサム酸類は抗プラスミン作用を有し、肌荒れ改善、美白等のための有効成分として様々な化粧品や皮膚外用剤に配合されている(特許文献2:特開平9−20611号公報)。皮膚外用剤が有するしわ、たるみ、美白、老化防止といった機能を向上するために、グリチルリチン酸2K、トラネキサム酸等から選択される抗炎症剤と、コメ発酵液、オウゴン等から選択される美白植物抽出物を含有する皮膚外用剤が検討されている(特許文献3:特開2002−212052号公報)。特許文献3において、トラネキサム酸、コメ発酵液は、それぞれ抗炎症剤、美白植物抽出物の選択肢の一つであるが、実際に組み合わせた例は記載されていない。発明者が、当該発明を完成させる過程において、米発酵液とトラネキサム酸類を含有する化粧料を検討したところ、長期保存すると経時的に外観の色が変化してしまうという問題を発見したが、上記文献にはその点については触れられていない。
ドネペジル含有貼付製剤の経時的な変色を抑制する方法として、アスコルビン酸またはその金属塩もしくはエステル、ルチン等からなる群より選択される少なくとも1種との組み合わせ等よりなる群から選択される少なくとも1種を添加する技術が検討されている(特許文献4:特許第5110712号公報)。米発酵エキスの経時的着色を防止する方法として、無機還元剤、含硫アミノ酸または含硫アミノ酸をアミノ酸残基として含有するペプチドを米発酵エキスに添加させることにより、米発酵エキスの着色を防止する方法が検討されている(特許文献5:特開平06−135819号公報)。ポリアクリル酸により、トラネキサム酸類配合によって生ずるべたつきやきしみを抑制するのみならず、経時での変色も生じない液状化粧料が検討されている(特許文献6:特開2013−147433号公報)。
化粧料の継時的な変臭・変色を抑制するために亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムといった還元剤を使用する技術が検討されている(特許文献7:特開2010−90113号公報)。しかしながら、米発酵液とトラネキサム酸の組合せによる継時的な変色を抑えるには、ピロ亜硫酸ナトリウムといった化粧料に一般的に使用されていた還元剤では不十分であった。本発明者は上述のような課題について鋭意検討を重ねた結果、米発酵液とトラネキサム酸類の組合せによる継時的な変色をルチングルコシドが抑えることを見出した。
特開2018−002607号公報 特開平9−20611号公報 特開2002−212052号公報 特許第5110712号公報 特開平06−135819号公報 特開2013−147433号公報 特開2010−90113号公報
米発酵液とトラネキサム酸類を組み合わせると、経時で変色が生じ外観安定性に劣るという課題が生じた。
本発明の主な構成は、次のとおりである。
1.米発酵液とトラネキサム酸類とルチングルコシドを含有する皮膚外用組成物。
2.米発酵液が、サッカロミセス・ベローナによって発酵させた米発酵液であることを特徴とする前記1.に記載の皮膚外用組成物。
本発明の皮膚外用組成物は、ルチングルコシドを加えることにより、米発酵液とトラネキサム酸類の組合せによる経時的な変色が抑制され、外観安定性に優れる。
実施例1、比較例2,3のb*値の経時変化。 実施例2,4,5、比較例4,5のb*値の経時変化。
本発明は、米発酵液とトラネキサム酸類とルチングルコシドを含有する皮膚外用組成物である。
本発明に用いる米発酵液は、米を、発酵の過程においてアルコールを産生しない酵母により発酵して得られる発酵液である。発酵の原料となる米は、特に限定されるものではなく、玄米、白米いずれでも良い。玄米は、収穫した稲穂を脱穀して得た種子から籾殻を取り去ったものをいい、糠層5〜6%、胚芽2〜12%、胚乳84〜93%である。白米とは、前記玄米から糠層と胚芽を取り去ったものをいう。玄米を発芽させるとγ−アミノ酪酸が増加することが知られている。本発明で用いる米は、米の生理作用によってγ−アミノ酪酸を富化させた米でもよい。米の品種は、特に限定されず、例えば、金のいぶき、ななつぼし、あきたこまち、ひとめぼれ、ほしのゆめ、はいごころ、カミアカリ、はいみのり、ゆめぴりか、コシヒカリ、キヌヒカリ、ヒノヒカリ、ササニシキ、つながるロマン、日本晴、ミルキークイーンなどを使用できる。本発明において米は、1種又は2種以上を組み合わせ使用することができる。
玄米のγ−アミノ酪酸を富化させる製造方法としては、例えば、玄米を5〜50℃、好ましくは20〜40℃の温水に適当な時間浸漬することにより発芽させ、この発芽した玄米を常圧下又は加圧下で蒸煮する方法が挙げられる。
また、水に浸漬する発芽方法では、栄養成分の流出や、菌の繁殖の恐れがあるため、水に浸漬せず、緩慢な加水により発芽させる方法でも良い。あらかじめ水分10〜15%に調整した玄米を、水分20〜30%の範囲となるように0.5〜2.0質量%/hの加水速度で緩慢な加水を行い(加水工程)、次いでこの玄米をタンクに投入して通気条件下で2〜10時間の調質(テンパリング)を行い(調質工程)、玄米を発芽させた(発芽工程)後、100℃の蒸気で5〜30分間蒸煮し(蒸煮工程)、さらに送風乾燥させる(乾燥工程)方法により、γ−アミノ酪酸が富化される。
さらに、あらかじめ水分10〜15%に調整した玄米を、0.5〜2.0質量%/hの加水速度で水分を16〜20質量%になるまで加水し(加水工程)、さらに通気条件下で調質(テンパリング)を行い(調質・発芽工程)、玄米を発芽させた後、玄米の中心品温が40〜60℃になるように加温設定し(加温工程)、98〜100℃の蒸気で蒸煮し(蒸煮工程)、さらに乾燥させる(乾燥工程)方法により、玄米のγ−アミノ酪酸を富化しても良い。この方法を用いると乾燥時間の短縮が可能となる。
これらの製造方法により、玄米に生物学的な作用が生じ、γ−アミノ酪酸が富化される。一般的な玄米100g中のγ−アミノ酪酸量は通常1〜9mgであり、γ−アミノ酪酸を富化すると、10〜35mgに増大する。
本発明に用いる米発酵液の発酵法は、米を粉砕し、米10重量部以上100重量部以下に対して、100重量部以上10000重量部以下の水を加え、110℃5分間加熱滅菌する。その後、1.0重量部以上10重量部以下のアミラーゼを加えた後、1.0重量部以上10重量部以下のサッカロミセス・ベローナを加え、16時間以上48時間以下発酵させる。さらに、110℃5分間加熱して殺菌し、発酵を停止させ、5℃3日間オリ引きを行った後、得られた発酵物をメンブランろ過し、発酵液を得る。 本発明の発酵に用いるサッカロミセス・ベローナ(Saccharomyces Veronae)は、アルコールを産生せず、乳酸を産生する酵母であり、セラミドを産生することも知られている。サッカロミセス・ベローナは樹液から分離された野性酵母であり、乳酸生産能が高いことが特長である。サッカロミセス・ベローナの増殖適温は20〜35℃、好ましくは30℃前後であり、室温に近い温度で発酵が可能である。サッカロミセス・ベローナはサッカロミセス・セレビシエ等の一般的に知られる他の酵母と比較して発酵特性に優れている。さらに、ベローナで発酵させた米発酵液に含まれる蒸発残分は、セレビシエと比較して倍量程度含まれるため、保湿性や肌なじみに優れた発酵液が得られる。
本発明の皮膚外用剤に配合する米発酵液の配合量は、米発酵液由来の蒸発残分が0.05質量%以上の配合となることが好ましく、特に好ましくは、0.05質量%以上6.0質量%以下である。
本発明に用いるトラネキサム酸類は、医薬品、医薬部外品、化粧品で通常用いられているものであれば特に制限されず用いることができる。本発明におけるトラネキサム酸はトランス−4−アミノメチルシクロヘキサン−1−カルボン酸の略称であり、主に美白剤や抗炎症剤として一般的に配合されている。市販品としては「日本薬局方トラネキサム酸」(丸善製薬株式会社)等が挙げられる。トラネキサム酸類とは、トラネキサム酸塩(マグネシウム塩,カルシウム塩,ナトリウム塩,カリウム塩等の金属塩類、リン酸塩、塩酸塩,臭化水素塩、硫酸塩等)、トラネキサム酸エステル(ビタミンAエステル、ビタミンEエステル、ビタミンCエステル等のビタミンエステル、アルキルエステル)、トラネキサム酸アミド、トラネキサム酸の二量体等が挙げられる。
本発明の皮膚外用組成物中のトラネキサム酸類の配合量は特に限定されないが、皮膚外用組成物全体の重量を基準として、通常は0.0001〜30質量%、好ましくは0.01〜10質量%、特に好ましくは0.2〜3質量%である。
本発明の皮膚外用組成物に含有されるルチングルコシドは、糖を付加して水溶性を高めたルチンであり、特に限定されるものではないが、市販品では東洋精糖株式会社の製品「αGルチンPS−C」製)が例示できる。例えば東洋精糖株式会社の製品「αGルチンPS」、「αGルチンP」、「αGルチンH」などにルチングルコシドが主成分として含まれている。
本発明の皮膚外用組成物中のルチングルコシドの配合量は特に限定されないが、皮膚外用組成物全体の重量を基準として、通常は0.0001〜5.0質量%、好ましくは0.001〜0.5質量%、特に好ましくは0.01〜0.1質量%である。
本発明の皮膚外用組成物は化粧料、医薬部外品、医薬品を含むものであって、化粧水、乳液、クリーム、ジェル等の、溶液状、乳化物状、高分子ゲル状製剤とすることができる。また、泡状製剤、多層状製剤、スプレー製剤、不織布等に含浸させたシートあるいはゲルパック製剤であってもよい。
本発明の皮膚外用組成物には、目的に応じて任意成分として保湿剤、界面活性剤、増粘剤、抗炎症剤、ビタミン類、抗酸化剤、血行促進剤、創傷治癒剤、抗菌性物質、皮膚賦活剤、常在菌コントロール剤、活性酸素消去剤、美白剤等の薬効成分を含有させることができる。
薬効成分としては、従来、医薬品、医薬部外品、化粧品、衛生材料等で使用されていて、水中に溶解、または分散可能なものであれば特に限定されることなく使用することができる。具体的には、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。
また、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール、アミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、トリメチルグリシン等の保湿剤;フェノキシエタノール、エチルヘキシルグリセリン、安息香酸、安息香酸塩等の抗菌性物質;スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質等の油性成分;ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等の抗炎症剤;ビタミンA,B2,B6,D,E、パントテン酸カルシウム、ビオチン、ニコチン酸アミド等のビタミン類;トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等の抗酸化剤;γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等の血行促進剤;レチノール、レチノール誘導体等の創傷治癒剤;デオキシリボ核酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等の生体高分子;アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等の活性成分;セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カルプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン等も挙げられる。
[製造例(玄米のγ−アミノ酪酸富化)]
あらかじめ水分14%前後に調整したななつぼし(品種登録番号:第12272号)、金のいぶき(品種登録番号:24378号)を用い、これに水分20〜30%の範囲となるように緩慢な加水を行った。この緩慢な加水処理は胴割れを生じさせないように、徐々に行った。具体的には、横形ドラム内にて玄米を撹拌しながら、ドラム内側に設置された2流体式噴霧ノズルによって、水が垂れ落ちないようにして加水した。水温は水道水の温度で、pH調整は行なわなかった。ノズルからの噴霧は、水が玄米から垂れ落ちないように霧状の水滴として玄米の表面に付着させた。玄米は撹拌されながらこの霧状の水滴に接触することによって均一に加水されるようにした。加水に使用する水としては、水道水を用いた。加水終了後はタンクに移し換えて調質(テンパリング)を行った。このテンパリング時の最適環境温度は16〜24℃とし、タンク内に外気を取り入れて換気を行った。一連の工程は20℃程度の室温で行い、テンパリング終了後は、玄米を、蒸気処理した。蒸気処理は、連続蒸米機を用いて2kg/h、100℃の蒸気中にて所定時間蒸煮することにより行った。さらに、この蒸煮終了後の玄米を常温の送風温度で乾燥し、水分約15%の発芽玄米を得た。発芽玄米に含まれるγ−アミノ酪酸の濃度は約12〜18mg/100g(ななつぼし)、約19〜36mg/100g(金のいぶき)であった。
[製造例(米発酵液の製造)]
白米(あきたこまち)および、前記製造方法によりγ−アミノ酪酸が富化された玄米(ななつぼし、金のいぶき)を粉砕し、玄米10重量部に対して、1000重量部の水を加え、110℃5分間加熱滅菌した。その後、1.0重量部のアミラーゼと1.0重量部のサッカロミセス・ベローナを加え、30℃に加温して、20時間発酵させた。その後、110℃で加熱して殺菌し、発酵を停止した。得られた発酵物をろ過し、米発酵液(以下、白米発酵液(あきたこまち)、玄米発酵液(ななつぼし)、玄米発酵液(金のいぶき)という。)を得た。
[保存安定性試験]
下記、表1の処方で実施例1〜5、比較例1〜5を調製した。調製した試料は、胴径40.5mm、高さ74.0mm、口内径24.7mmの透明なガラス軽量規格6K瓶に入れ、50℃恒温槽で60日間保存した。
Figure 2020050620
[測色試験]
測色試験は、日本電色工業株式会社の分光変角色差計(GC5000)を用いた。実施例及び比較例の試料を直径3.1cmの石英製シャーレに5g加えて光路長約6mmにて透過測定を行い、b*を求めた。試料を調製した直後に分光変角色差計でb*を求め、初期値とした。表1について、試料作成後、50℃恒温槽で30、60日経過後の試料について分光変角色差計にて透過測定するとともに、試料の入った規格6K瓶の外観を目視確認した。
表1の結果を図1、2に示す。
[結果(白米発酵液)]
製造例の白米発酵液(あきたこまち)とトラネキサム酸を含有し、ルチングルコシドを含有しない比較例2と、化粧料の褐変を抑制するために一般的に用いる還元剤であるピロ亜硫酸ナトリウムを含有する比較例3について、調製直後において、b*は約ゼロであり、目視確認では無色透明だった。しかし、保存60日後においては、b*が約50にまで増大し、目視確認においても、茶褐色に変色した。化粧料の変色抑制に広く用いられるピロ亜硫酸ナトリウムでは、製造例の白米発酵液とトラネキサム酸を組み合わせたときの変色を抑制するには不十分だった。一方、製造例の白米発酵液(あきたこまち)、トラネキサム酸とルチングルコシドを含有する実施例1では、保存60日後においても、b*が約30であり、少し増大したが、目視確認においては、その着色の程度は、かすかに黄色味をおびる程度で軽微であり、経時安定性に優れていた。なお、調製直後において、b*が約7だったことについて、精製水とルチングルコシドを添加した比較例1の調製直後においても、b*は約7であり、これは、ルチングルコシドに由来する極めて軽微な黄色味の着色があるためである。
[結果(玄米発酵液)]
製造例の玄米発酵液(ななつぼし、金のいぶき)とトラネキサム酸を含有し、ルチングルコシドを含有しない比較例4と、ピロ亜硫酸ナトリウムを含有する比較例5について、調製直後において、b*は約ゼロであり、目視確認では無色透明だった。しかし、保存60日後においては、b*が約60にまで増大し、目視確認においても、茶褐色に変色した。ピロ亜硫酸ナトリウムでは、製造例の玄米発酵液とトラネキサム酸を組み合わせたときの変色を抑制するには不十分だった。一方、製造例の玄米発酵液(ななつぼし、金のいぶき)、トラネキサム酸と、ルチングルコシドを含有する実施例2,3、5と、さらにピロ亜硫酸ナトリウムを含有する実施例4では、保存60日後においても、b*が約10〜25であり、少し増大したが、目視確認においては、その着色の程度は、かすかに黄色味をおびる程度で軽微であり、経時安定性に優れていた。実施例3と実施例4のb*は殆んど変わらず、ピロ亜流酸ナトリウムの効果は認められなかった。
処方例
(化粧水)
1.製造例の米発酵液(蒸発残分0.5%) 90.46%
2.トラネキサム酸 2.0%
3.グリセリン 5.0%
4.フェノキシエタノール 0.5%
5.αGルチン PS-C 0.04%
1〜5を撹拌混合し、化粧水をxせw得た。

(とろみ化粧水)
1.製造例の米発酵液(蒸発残分0.2%) 60.0%
2.トラネキサム酸 1.0%
3.ジグリセリン 7.0%
4.1,3−ブチレングリコール 10.0%
5.キサンタンガム 0.2%
6.ヒアルロン酸Na 0.001%
7.αGルチン PS-C 0.01%
8.精製水 残余
4に5を添加し分散させる。2と6をそれぞれ8の一部で溶解させ、残りを添加し混合する。

(美容ジェル)
1.製造例の米発酵液(蒸発残分5.58%) 2.0%
2.トラネキサム酸 2.0%
3.ジプロピレングリコール 6.0%
4.ペンチレングリコール 1.0%
5.PEG−75 0.5%
6.トリメチルグリシン 2.0%
7.スクワラン 3.0%
8.キサンタンガム 0.1%
9.SIMULGEL NS 2.5%
10.αGルチン PS-C 0.1%
11.精製水 残余
3に8を分散させる(分散物)。7と9を混合する(混合物)。2を11の一部で溶解させる(溶解物)。溶解物以外の残りを溶解させたものに、徐々に分散物を添加し溶解させ、その後徐々に混合物を加え、ホモミクサーで撹拌する。最後に溶解物を加えた後、再度ホモミクサーで撹拌させる。
※SIMULGEL NS(SEPPIC社製;(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンNa)コポリマー、スクワラン、ポリソルベート60、水、イソステアリン酸ソルビタンの混合物)

Claims (2)

  1. 米発酵液とトラネキサム酸類とルチングルコシドを含有する皮膚外用組成物。
  2. 米発酵液が、サッカロミセス・ベローナによって発酵させた米発酵液であることを特徴とする請求項1記載の皮膚外用組成物。
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