JP2020049905A - 低誘電基板材 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便に、工業的に量産でき、金属層を精度よくパターンニングできる低誘電基板材を提供すること。【解決手段】低誘電基板材1は、多孔質樹脂層4および第2金属層6を厚み方向に順に備える。10%の下記残存歪みSを与える圧力を10%歪み圧力Pとしたときに、その10%歪み圧力Pが180℃で4.5MPa以上である。残存歪みS:多孔質樹脂層4の初期厚みT0を測定し、続いて、圧力Pを低誘電基板材1に対して30分間、厚み方向にかけ、その後、圧力Pを解放し、多孔質樹脂層4の解放後厚みT1を測定する。その後、多孔質樹脂層4の初期厚みT0および解放後厚みT1を下記式(1)に代入して、残存歪みSが得られる。残存歪みS(%)=([T0−T1]/T0)×100【選択図】図1
Description
本発明は、低誘電基板材、詳しくは、高周波アンテナや高速伝送基板の製造に好適に用いられる低誘電基板材に関する。
従来、いわゆる「第三世代(3G)」や「第四世代(4G)」の規格の無線通信が広く利用されている。しかしながら、近年、画像データ等の通信容量がより一層増加する傾向(大容量化の傾向)にあり、上記した規格の無線通信では、大容量のデータを、実用レベルの速度で伝送できない。
そこで、いわゆる「第五世代(5G)」の規格の無線通信の開発が進められている。「第五世代(5G)」の規格の無線通信であれば、大容量のデータを伝送できる。しかも、この「第五世代(5G)」の規格の無線通信では、上記のデータを、高速で伝送することもでき、近年、ますます、「第五世代(5G)」の規格の利用が望まれている。
また、材料が多孔質体である基板も検討されている。多孔質体は、最も低い誘電率1である空気を孔内に有することから、多孔質体は誘電率が比較的低くなる。例えば、第1の銅箔の上に、絶縁材である樹脂多孔質層を形成し、さらに、第2の銅箔を接着層を介してプレスして得られる金属箔積層板が提案されている(例えば、下記特許文献1参照。)。
しかし、特許文献1を含む従来の多孔質体は、「第三世代(3G)」や「第四世代(4G)」の規格の無線通信や、従来の速度でデータを伝送するFPCの基板材として利用できるが、
第2の銅箔を樹脂多孔質層にプレスするときに、樹脂多孔質層が厚み方向に大きく歪み、しかも、その歪みが残存する場合には、第2の銅箔を精度よくパターンニングできないという不具合がある。
第2の銅箔を樹脂多孔質層にプレスするときに、樹脂多孔質層が厚み方向に大きく歪み、しかも、その歪みが残存する場合には、第2の銅箔を精度よくパターンニングできないという不具合がある。
しかし、多孔質体を備える金属箔積層板を、簡便、かつ、工業的に製造する方法は、これまでのところ、まだ確立されていない。
本発明は、簡便に、工業的に量産でき、金属層を精度よくパターンニングできる低誘電基板材を提供することにある。
そこで、本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討した結果、空孔率が顕著に高い多孔質樹脂層を使いこなして、簡便、工業的に量産でき、金属層を精度よくパターンニングできる低誘電基板材を発明するに至った。
本発明(1)は、多孔質樹脂層および金属層を厚み方向に順に備える低誘電基板材であり、10%の下記残存歪みSを与える圧力を10%歪み圧力Pとしたときに、その10%歪み圧力Pが180℃で4.5MPa以上である、低誘電基板材を含む。
前記残存歪みS:前記多孔質樹脂層の初期厚みT0を測定し、続いて、圧力Pを前記低誘電基板材に対して30分間、前記厚み方向にかけ、その後、圧力Pを解放し、前記多孔質樹脂層の解放後厚みT1を測定する。その後、初期厚みT0および解放後厚みT1を下記式(1)に代入して、前記残存歪みSが得られる。
残存歪みS(%)=([T0−T1]/T0)×100
本発明(2)は、前記多孔質樹脂層の空孔率が、60%以上である、(1)に記載の低誘電基板材を含む。
本発明(2)は、前記多孔質樹脂層の空孔率が、60%以上である、(1)に記載の低誘電基板材を含む。
本発明(3)は、前記多孔質樹脂層は、独立気泡を有する、(1)または(2)に記載の低誘電基板材を含む。
低誘電基板材は、金属層を備えるので、第五世代(5G)の規格に対応するアンテナや高速FPCの基板の配線としてパターンニングすることができる。具体的には、工業的に量産できるエッチング条件で、金属層をパターンニングしても、第五世代(5G)に適合できるアンテナや高速FPCの基板の配線を、優れた精度で形成できる。
また、多孔質樹脂層が独立気泡構造を高い割合で有する場合には、パターンニングで用いられるエッチング液の染み込みに起因するパターン精度の低下を抑制することができる。
すなわち、エッチング液が多孔質樹脂層に染み込むことで、金属層においてレジストで保護されている部分までもがエッチング液により除去されることを、抑制することができる。
さらに、低誘電基板材からアンテナ回路基板などを作製するため、本発明の低誘電基板材にドリルやレーザーなどで穴あけをした上でめっき処理をするときに、めっき液浸が抑制されるため、厚みが均一な金属層を穴の表面に形成することができる。ここでめっき液浸とは、前記穴あけにより露出した多孔質樹脂層からめっき液が侵入する現象である。
すなわち、エッチング液が多孔質樹脂層に染み込むことで、金属層においてレジストで保護されている部分までもがエッチング液により除去されることを、抑制することができる。
さらに、低誘電基板材からアンテナ回路基板などを作製するため、本発明の低誘電基板材にドリルやレーザーなどで穴あけをした上でめっき処理をするときに、めっき液浸が抑制されるため、厚みが均一な金属層を穴の表面に形成することができる。ここでめっき液浸とは、前記穴あけにより露出した多孔質樹脂層からめっき液が侵入する現象である。
そこで、低誘電基板材の作製工程において、加圧により、接着層を介して金属層を多孔質樹脂層に接着する際に、多孔質樹脂層の空孔が潰れない程度の圧力をかける必要がある。しかしながら、加圧する圧力が低すぎると、金属層と多孔質樹脂層とが充分に接着されない。そこで、発明者は、多孔質樹脂層の空孔の維持と、金属層および多孔質樹脂層の接着とを両立できる圧力を見出した。
しかるに、10%の残存歪みSを与える圧力Pが180℃で4.5MPa未満と低い場合には、金属層を多孔質樹脂層に対して低圧で加圧したときでも、比較的大きな残存歪みS(少なくとも10%超過の残存歪みS)を多孔質樹脂層に与える。その場合、第五世代(5G)の規格の無線通信や、高速FPCに十分かつ確実に対応できる基板材として不適である。
一方、この低誘電基板材では、10%の残存歪みSを与える圧力Pが180℃で4.5MPa以上と高いので、3MPa程度の一般的な圧力で金属層を多孔質樹脂層に対して積層する場合には、残存歪みSが多くても10%(10%以内)の小さな残存歪みSのみを多孔質樹脂層に与える。結果として、加圧によって多孔質樹脂層の空孔がほとんど破壊されないため、金属層を精度よく配線にパターンニングすることができる。
<一実施形態>
本発明の多孔質樹脂層の一実施形態を備える低誘電基板材を、図1〜図2を参照して説明する。
本発明の多孔質樹脂層の一実施形態を備える低誘電基板材を、図1〜図2を参照して説明する。
[基本態様]
まず、この低誘電基板材1の基本態様である層構成、製造方法および使用方法等を順に説明する。
まず、この低誘電基板材1の基本態様である層構成、製造方法および使用方法等を順に説明する。
〔低誘電基板材およびその層構成〕
図1に示すように、低誘電基板材1は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、厚み方向に直交する面方向に延びる形状を有する。
図1に示すように、低誘電基板材1は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、厚み方向に直交する面方向に延びる形状を有する。
この低誘電基板材1は、第1金属層3と、第1金属層3の厚み方向一方面に配置される多孔質樹脂層4と、多孔質樹脂層4の厚み方向一方面に配置される接着層5と、接着層5の厚み方向一方面に配置される金属層の一例としての第2金属層6とを備える。つまり、低誘電基板材1は、第1金属層3と、多孔質樹脂層4と、接着層5と、第2金属層6とを厚み方向他方側から一方側に向かって順に備える。好ましくは、低誘電基板材1は、第1金属層3と、多孔質樹脂層4と、接着層5と、第2金属層6とのみを備える。
〔第1金属層〕
第1金属層3は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びるシート(板)形状を有する。第1金属層3は、低誘電基板材1の厚み方向他方面を形成する。第1金属層3の材料は、特に限定されず、例えば、銅、鉄、銀、金、アルミニウム、ニッケル、それらの合金(ステンレス、青銅)などが挙げられる。好ましくは、銅が挙げられる。第1金属層3の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
第1金属層3は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びるシート(板)形状を有する。第1金属層3は、低誘電基板材1の厚み方向他方面を形成する。第1金属層3の材料は、特に限定されず、例えば、銅、鉄、銀、金、アルミニウム、ニッケル、それらの合金(ステンレス、青銅)などが挙げられる。好ましくは、銅が挙げられる。第1金属層3の厚みは、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、100μm以下、好ましくは、50μm以下である。
〔多孔質樹脂層〕
多孔質樹脂層4は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。多孔質樹脂層4の他方面は、第1金属層3の一方面に接触(密着)している。多孔質樹脂層4の一方面は、接着層5を介して第2金属層6に接着している。
多孔質樹脂層4は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びる略板(シート)形状を有する。多孔質樹脂層4の他方面は、第1金属層3の一方面に接触(密着)している。多孔質樹脂層4の一方面は、接着層5を介して第2金属層6に接着している。
多孔質樹脂層4は、微細な空孔(気孔)10を多数有している。多孔質樹脂層4は、例えば、独立気泡構造および連続気泡構造のいずれかを有し、好ましくは、独立気泡構造を主として有している。多孔質樹脂層4が独立気泡構造を有することは、JISに規定されている浸透探傷試験(JIS Z 2343−1等)で用いられるような浸透液を使用して、確認することができる。好ましくは、ポリマー表面に対する接触角が25°以下、粘度が2.4mm2/s(37.8℃)である浸透液を使用する。すなわち、多孔質樹脂層4を表面に対してほぼ垂直に切断して断面を露出させ、この断面を赤色浸透液などの浸透液に5分間浸漬後、液浸長(断面から浸透液が浸透した距離)を測定する。低誘電基板材1における多孔質樹脂層4は、この液浸長が500μm以下であるのが望ましく、300μm以下であるのがさらに望ましい。この場合の独立気泡の割合は、例えば、50%超過、好ましくは、80%以上、より好ましくは、90%以上であり、また、例えば、100%未満である。液浸長が上記した上限を以下であれば、多孔質樹脂層4の厚み方向一方側に配置される第2金属層6の不均一になることを防止し、また、第2金属層6が不連続になることを防止することができる。
独立気泡の割合が上記した下限を上回れば、第1金属層3および第2金属層6のパターンニングで用いられるエッチング液の多孔質樹脂層4への染み込みに起因するパターン精度の低下を抑制することができる。
さらに、独立気泡の割合が上記した下限を上回れば、第1金属層3を多孔質樹脂層4に対してプレスして積層する場合に、残存歪みS10%を与えるときの10%歪み圧力Pを高くすることができる。換言すれば、プレス時における残存歪みSを低減することができる。
多孔質樹脂層4における空孔率は、例えば、60%以上、より好ましくは、70%以上、さらに好ましくは、80%以上、とりわけ好ましくは、85%以上である。なお、多孔質樹脂層4の空孔率は、例えば、100%未満、さらには、99%以下である。空孔率は、例えば、多孔質樹脂層4の断面SEM写真の画像解析により求められる。あるいは、空孔率は、下記式に基づく計算により求められる。
空孔率(%)=(1−無孔樹脂層の比重/多孔質樹脂層の比重)×100
なお、式中、無孔樹脂層は、多孔質樹脂層4の材料からなるが、多孔質ではなく、緻密質を有するフィルムである。
なお、式中、無孔樹脂層は、多孔質樹脂層4の材料からなるが、多孔質ではなく、緻密質を有するフィルムである。
多孔質樹脂層4の空孔率が上記した下限以上であれば、多孔質樹脂層4が、第五世代(5G)の規格や高速FPCに十分に対応できる低い誘電率を有することができる。具体的には、低誘電基板材1が、上記したように、第五世代(5G)の規格や高速FPCに十分に対応できる基板材として有用となる。
一方で、空孔率が上記した下限以上であれば、後述するが、残存歪みS10%を与えるときの10%歪み圧力Pが低くなる傾向にある。換言すれば、プレス時における残存歪みSが増大する傾向にある。しかし、この低誘電基板材1では、多孔質樹脂層4を、残存歪みS10%を与えるときの10%歪み圧力Pが低くなるように構成しているので、上記傾向を抑制することができる。その結果、プレス後においても、第1金属層3および第2金属層6を精度よくパターンニングすることができる。
多孔質樹脂層4における空孔10の平均径(つまり、平均孔径)は、例えば、10μm以下であり、また、例えば、0.1μm以上である。平均孔径は、多孔質樹脂層4の断面SEM写真の画像解析により求められる。画像解析は、SEM像に2値化を施し、空孔10を識別後、孔径を算出し、ヒストグラム化される。画像解析では、解析ソフトとして、ImageJが用いられる。
多孔質樹脂層4の周波数60GHzにおける誘電率は、空孔率および次に述べる樹脂の種類によって適宜調整され、具体的には、例えば、2.5以下、好ましくは、2.0以下であり、また、例えば、1.0超過である。多孔質樹脂層4の誘電率は、周波数の60GHzを用いる共振器法により、実測される。
多孔質樹脂層4の誘電率が上記した上限以下であれば、低誘電基板材1が低誘電率を有することとなるので、第五世代(5G)の規格や高速FPCの基板材として有用に用いることができる。
多孔質樹脂層4の材料としては、特に限定されず、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂などの樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱硬化性フッ化ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、フッ素樹脂(含フッ素オレフィンの重合体(具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)など))、液晶ポリマー(LCP)などが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
熱可塑性樹脂としては、例えば、オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、マレイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリルスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性フッ化ポリイミド樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、セルロース樹脂、液晶ポリマー、アイオノマーなどが挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
上記した樹脂のうち、機械強度の観点から、好ましくは、ポリイミド樹脂(熱硬化性ポリイミド樹脂および熱可塑性ポリイミド樹脂を含む)、フッ化ポリイミド樹脂(熱硬化性フッ化ポリイミド樹脂および熱可塑性フッ化ポリイミド樹脂)、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂が挙げられる。なお、上記した好適な樹脂の物性および製造方法等の詳細は、例えば、特開2018−021171号公報、特開2018−021172号公報などに記載されている。
多孔質樹脂層4は、その厚み方向一方面および他方面に形成されるスキン層(図示せず)を有することができる。
多孔質樹脂層4の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、1,000μm以下、好ましくは、500μm以下である。
また、多孔質樹脂層4の厚みの、低誘電基板材1の厚みに対する割合は、例えば、0.05以上、好ましくは、0.10以上、より好ましくは、0.2以上、さらに好ましくは、0.5超過、とりわけ好ましくは、0.6以上であり、また、例えば、0.95以下、好ましくは、0.9以下、より好ましくは、0.85以下である。
多孔質樹脂層4の厚みは、低誘電基板材1の総厚みから、多孔質樹脂層4以外の層(具体的には、第1金属層3、接着層5、第2金属層6)の厚みを差し引いた値として算出される。
なお、多孔質樹脂層4以外の層、具体的には、第1金属層3、接着層5(後述)、および、第2金属層6(後述)は、いずれも、多孔質樹脂層4と異なり、例えば、無孔であり、つまり、微細な空孔を実質的に有さず、緻密である。
[接着層]
接着層5は、多孔質樹脂層4の厚み方向一方面において、面方向に沿うシート形状を有する。
接着層5は、多孔質樹脂層4の厚み方向一方面において、面方向に沿うシート形状を有する。
接着層5の材料としては、特に限定されず、ホットメルト型接着剤、熱硬化型接着剤など、種々の型の接着剤が挙げられ、具体的には、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤などが挙げられる。好ましくは、アクリル系接着剤が挙げられる。接着層5の厚みは、例えば、2μm以上、好ましくは、5μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、25μm以下である。
〔第2金属層〕
第2金属層6は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びるシート(板)形状を有する。第2金属層6は、低誘電基板材1の厚み方向一方面を形成している。第2金属層6の他方面は、接着層5を介して、多孔質樹脂層4の一方面に接着している。第2金属層6の材料および厚みは、第1金属層3のそれらと同様である。
第2金属層6は、厚み方向に対向する一方面および他方面を有しており、面方向に延びるシート(板)形状を有する。第2金属層6は、低誘電基板材1の厚み方向一方面を形成している。第2金属層6の他方面は、接着層5を介して、多孔質樹脂層4の一方面に接着している。第2金属層6の材料および厚みは、第1金属層3のそれらと同様である。
低誘電基板材1の厚みは、第1金属層3、多孔質樹脂層4、接着層5および第2金属層6の総厚みであって、例えば、10μm以上、好ましくは、20μm以上であり、また、例えば、5,000μm以下、好ましくは、2,000μm以下である。
〔低誘電基板材の製造方法〕
次に、低誘電基板材1の製造方法を説明する。
次に、低誘電基板材1の製造方法を説明する。
なお、一実施形態における低誘電基板材1の製造では、例えば、ロールトゥロール法によって、各部材を、搬送しながら積層(形成)する。
具体的には、まず、第1金属層3を準備する。例えば、上記した材料から成る箔(金属箔)を第1金属層3として準備する。
次いで、多孔質樹脂層4を第1金属層3の一方面に形成する。例えば、多孔質樹脂層4を、第1金属層3の一方面で作製する(作り込む)。
具体的には、まず、上記した樹脂の前駆体と、多孔化剤と、核剤と、溶媒とを含むワニスを調製し、次いで、ワニスを第1金属層3の一方面に塗布して塗膜を形成する。ワニスにおける多孔化剤、核剤および溶媒の、種類および配合割合等は、例えば、特開2018−021171号公報、特開2018−021172号公報などに記載されている。
とりわけ、多孔化剤の質量部数(配合割合)は、前駆体100質量部に対して、好ましくは、20質量部以上、より好ましくは、50質量部以上であり、また、好ましくは、300質量部以下、より好ましくは、250質量部以下である。
核剤は、前駆体を発泡(多孔化)させるときに核となる発泡核剤(気泡調整剤)である。また、核剤として、上記公報に記載の核剤(PTFEなど)の他に、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)などのフッ素樹脂(含フッ素オレフィンの重合体)、さらには、モノマー単位として、(メタ)アクリル酸エステルおよび上記した含フッ素オレフィンを含有する共重合体なども挙げられる。
核剤は、常温(23℃)で、例えば、固体状、液体状、半固体状のいずれであってよく、好ましくは、固体状である。核剤が常温で固体状であれば、核剤の形状としては、例えば、略球形状、略板形状、略針形状、不定形状(塊状を含む)が挙げられ、好ましくは、略球形状が挙げられる。
核剤が常温で固体状であれば、核剤の最大長さの平均値(略球形状であれば、平均粒子径)は、例えば、5,000nm未満、好ましくは、2,000nm以下、より好ましくは、1,000nm未満であり、また、例えば、1nm以上である。
また、核剤は、予め溶媒(PTFE)に分散したスラリーとして調製されていてもよい。
その後、塗膜を加熱により乾燥することにより、溶媒の除去が進行しつつ、核剤を核とした、前駆体と多孔化剤との相分離構造が形成される。
その後、例えば、超臨界二酸化炭素を溶媒として用いる超臨界抽出法により、多孔化剤を前駆体から抽出する(引き抜く、あるいは、除去する)。
その後、前駆体を加熱により硬化させて、多孔を有する樹脂、具体的には、多孔質樹脂層4を形成する。
その後、接着層5を、多孔質樹脂層4の一方面に配置する。例えば、接着剤を多孔質樹脂層4の一方面に塗布したり、あるいは、接着剤から予めシート状に形成した接着層5を多孔質樹脂層4の一方面に貼る。
続いて、第2金属層6を、接着層5の一方面に配置する。例えば、上記した材料から成る箔(金属箔)を接着層5の一方面に貼り付ける。
これにより、低誘電基板材1を製造する。
この低誘電基板材1の用途は、例えば、各種用途に用いられ、好ましくは、第五世代(5G)の規格に適合する高周波アンテナや高速伝送基板(高速伝送FPCなど)の製造に用いられる。具体的には、低誘電基板材1は、高周波アンテナや高速FPCの基板材として用いられる。
低誘電基板材1を上記の用途で使用する場合には、第2金属層6を、フォトリソグラフィ(例えば、サブトラクティブ法)によって、図2に示すように、パターンニングして、例えば、信号配線(差動配線など)やアンテナ配線などの一方側配線17を形成する。
続いて、第1金属層3を、フォトリソグラフィによって、パターンニングして、例えば、グランド配線などの他方側配線18を形成する。
これにより、他方側配線18、多孔質樹脂層4、接着層5および一方側配線17を厚み方向一方側に向かって順に備えるパターン積層材13を製造し、このパターン積層材13を、第五世代(5G)の規格に適合する高周波アンテナや高速伝送基板に備える。
そして、この低誘電基板材1は、多孔質樹脂層4を有し、多孔質樹脂層4が、60%以上、より好ましくは、70%以上、さらに好ましくは、80%以上、とりわけ好ましくは、85%以上の高い空孔率を有する場合には、十分に低い低誘電率を有することができる。具体的には、低誘電率が、例えば、2.5以下、好ましくは、2.0以下である。従って、低誘電基板材1が、第五世代(5G)の規格の無線通信のアンテナ基板や、高速FPCに対応できる低い誘電率を有することができる。
また、低誘電基板材1は、第1金属層3および第2金属層6を備えるので、第五世代(5G)の規格に対応するアンテナや高速FPCの基板の配線としてパターンニングすることができる。具体的には、工業的なエッチング条件で、第1金属層3および第2金属層6をパターンニングしても、第五世代(5G)に適合できるアンテナや高速FPCの基板の配線を、優れた精度で形成できる。
また、多孔質樹脂層4が独立気泡構造を有する場合であって、独立気泡の割合が、50%超過、さらには、80%以上、さらには、90%以上と高い場合には、パターンニングで用いられるエッチング液の染み込みに起因するパターン精度の低下を抑制することができる。そのため、低誘電基板材1は、第1金属層3および第2金属層6から他方側配線18および一方側配線17を精度よく形成することができる。
<顕著な特徴点>
次いで、この低誘電基板材1における多孔質樹脂層4の顕著な特徴点を、図3A〜図4を参照して説明する。
次いで、この低誘電基板材1における多孔質樹脂層4の顕著な特徴点を、図3A〜図4を参照して説明する。
なお、図3A〜図3C中、低誘電基板材1の厚み等は、残存歪みSを視覚的に認識するために、その寸法は、誇張して描画されており、実寸に則さない態様を含む。
低誘電基板材1では、10%の下記残存歪みSを与える圧力を10%歪み圧力Pとしたときに、その10%歪み圧力Pが180℃で4.5MPa以上である。
残存歪みS:図1および図3Aに示すように、まず、低誘電基板材1における多孔質樹脂層4の初期厚みT0を測定し、続いて、図3Bに示すように、圧力Pを低誘電基板材1に対して30分間、厚み方向にかけ、図3Cに示すように、その後、圧力Pを解放し、その低誘電基板材1における多孔質樹脂層4の解放後厚みT1を測定する。その後、多孔質樹脂層4の初期厚みT0および解放後厚みT1を下記式に代入して、残存歪みSが得られる。
残存歪みS(%)=([T0−T1]/T0)×100
上記した圧力の付与および解放は、180℃で実施される。
上記した圧力の付与および解放は、180℃で実施される。
10%歪み圧力Pの低誘電基板材1への付与は、図3Bに示すように、例えば、2枚の平板を備えるプレス2によって実施される。このとき、低誘電基板材1における各層のうち、主として、多孔質樹脂層4の厚みが著しく薄くなる。一方、多孔質樹脂層4以外の層、具体的には、第1金属層3、接着層5および第2金属層6は、常温(23℃)で硬質であることから、10%歪み圧力Pの低誘電基板材1への付与後も、付与前から、実質的に変動しない(薄くならない)(略同一厚みとなる)。
具体的には、圧力解放後の低誘電基板材1の残存歪みSが10%とならず、例えば、10%未満となる場合には、その後、前回の圧力P1より高い圧力P2で加圧および解放を実施し、10%となるように試験(再試験)する。また、図4に示すように、圧力P2での再試験が10%超過となる場合(矢印の流れ)には、10%未満の圧力(1回目試験時の圧力)P1およびそれに対応する歪み(黒丸の点)と、10%超過の圧力(2回目試験時の圧力)P2およびそれに対応する歪み(白抜きの点)とを通過する近似線(検量線)Lを取得し、これから、残存歪みS10%となる10%歪み圧力Pを推算する。
逆に、圧力解放後の低誘電基板材1の残存歪みSが10%を超過する場合には、その後、前回の圧力P2より低い圧力P1で加圧および解放を実施し、10%となるように試験(再試験)する。また、圧力P1での再試験が10%未満となる場合(破線矢印の流れ)には、10%超過となる圧力(1回目試験時の圧力)P2およびそれに対応する歪み(白抜きの点)と、10%未満となる圧力(2回目試験時の圧力)P1およびそれに対応する歪み(黒丸の点)とを通過する近似線(検量線)Lを取得し、これから、残存歪みS10%となる10%歪み圧力Pを推算する。
そして、低誘電基板材1に10%の残存歪みSを与えるときの10%歪み圧力Pが、180℃で4.5MPa以上であれば、本発明の低誘電基板材として選択される。逆に、4.5MPa未満であれば、本発明の低誘電基板材から除外される。
低誘電基板材1に10%の残存歪みSを与える10%歪み圧力Pが4.5MPa未満であれば、通常、低誘電基板材1がその工程(具体的には、第2金属層6をラミネート加工により積層する工程)中に負荷される圧力(想定圧力)が4.5MPa程度であることから、比較例の低誘電基板材1を上記想定圧力Pを超える圧力で負荷すれば、低誘電基板材1に与える残存歪みSが10%を超過してしまう。つまり、大きな残存歪みSを低誘電基板材1に与えてしまう。そのため、下記の課題を生じる。
つまり、10%を超える残存歪みSを多孔質樹脂層4が有する場合には、多孔質樹脂層4の厚み方向両側に配置される第1金属層3および第2金属層6を精度よくパターンニングできない。
ここで、残存歪みSの10%という数値は、多孔質樹脂層4の厚み方向両側に配置される第1金属層3および第2金属層6から他方側配線18および一方側配線17に精度よく形成(パターンニング)できる限界値を意味する。
詳しくは、10%の残存歪みSを与える10%歪み圧力Pが4.5MPa未満と低い場合には、第2金属層6を多孔質樹脂層4に対して低圧で加圧したときに、比較的大きな残存歪みS(少なくとも10%の残存歪みS)を多孔質樹脂層4が有する。そのため、第1金属層3および第2金属層6から他方側配線18および一方側配線17に精度よくパターンニングできない。かかる多孔質樹脂層4を備える低誘電基板材1は、第五世代(5G)の規格の無線通信や、高速FPCに十分かつ確実に対応できる基板材として不適である。一方、低圧で加圧すれば、第1金属層3および多孔質樹脂層4間の接着力や、多孔質樹脂層4および第2金属層6間の接着力が低減し、やはり、基板材として不適である。
しかし、この低誘電基板材1では、10%の残存歪みSを与える10%歪み圧力Pが180℃4.5MPa以上と高いので、第2金属層6を多孔質樹脂層4に対して一般的な圧力(3MPa程度)で加圧した場合、多くて10%(10%以内)の残存歪みSのみを多孔質樹脂層4に与えるため、加圧によって多孔質樹脂層の空孔がほとんど破壊されず低誘電性が維持され、結果として、第五世代(5G)の規格の無線通信や、高速FPCに十分かつ確実に対応できる低誘電の基板材として有用である。
また、低誘電基板材1は、残存歪みS10%を与える10%歪み圧力Pが4.5MPaと高いので、第2金属層6を多孔質樹脂層4に対して高圧で、例えば、プレスして形成して、第2金属層6が多孔質樹脂層4に密着する低誘電基板材1を簡便に製造することができる。その結果、低誘電基板材1を簡便に工業的に量産することができる。
また、この低誘電基板材1は、180℃で、好ましくは、4.5MPa超過、より好ましくは、4.6MPa以上、さらに好ましくは、4.7MPa以上の10%歪み圧力Pで厚み方向に加圧されたときに、残存歪みSが10%となる。
このような残存歪みS10%を与える10%歪み圧力Pが4.5MPa以上である低誘電基板材1とするための構成(方法)は、特に限定されず、当業者において通常用いるあらゆる手法が採用される。一例を挙げれば、上記したように、多孔質樹脂層4が独立気泡構造である空孔10を有し、独立気泡の割合を、例えば、50%超過、好ましくは、80%以上、より好ましくは、90%以上に設定する。上記に加え、または、上記に代えて、多孔質樹脂層4の材料として、例えば、ポリイミド樹脂、フッ化ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂から選択することができ、特にポリイミド樹脂が高い耐熱性、機械強度を有する観点からより好ましい。ポリイミド樹脂は、独立気泡構造を有する多孔質樹脂層4を含む低誘電基板材1の作製工程に含まれる、加圧よる積層(圧着)に最も適した材料である。
なお、この低誘電基板材1では、例えば、10%の残存歪みSを与える10%歪み圧力Pが10.0MPa以下である。
<変形例>
次に、一実施形態の変形例を説明する。以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、一実施形態および各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
次に、一実施形態の変形例を説明する。以下の各変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。また、一実施形態および各変形例を適宜組み合わせることができる。さらに、各変形例は、特記する以外、一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
上記した説明では、低誘電基板材1をロールトゥロールで製造したが、これに限定されず、例えば、バッチ法(枚葉式)で低誘電基板材1を製造することもできる。
また、一実施形態では、図1に示すように、低誘電基板材1が第1金属層3を備えるが、例えば、図5に示すように、第1金属層3を備えなくてもよい。具体的には、低誘電基板材1は、多孔質樹脂層4、接着層5および第2金属層6を厚み方向一方側に向かって順に備える。
図5に示す多孔質樹脂層4は、低誘電基板材1の厚み方向他方面を形成する。多孔質樹脂層4の厚み方向他方面は、厚み方向他方側に向かって露出する。
図5に示す低誘電基板材1において残存歪みSを求めるときに測定される初期厚みT0および解放後厚みT1は、いずれも、多孔質樹脂層4の厚みである。
また、図6に示すように、低誘電基板材1は、接着層5を備えなくてもよい。
図6に示すように、低誘電基板材1は、第1金属層3、多孔質樹脂層4および第2金属層6を厚み方向一方側を厚み方向一方側に向かって順に備える。
図6に示す多孔質樹脂層4の厚み方向一方面は、第2金属層6の厚み方向他方側と直接接触(密着)している。
図6に示す低誘電基板材1において残存歪みSを求めるときに測定される初期厚みT0および解放後厚みT1は、いずれも、多孔質樹脂層4の厚みである。
さらに、図7に示すように、低誘電基板材1は、第1金属層3および接着層5を備えず、多孔質樹脂層4および第2金属層6を厚み方向一方側に向かって順に備えることができる。
図7に示す低誘電基板材1において残存歪みSを求めるときに測定される初期厚みT0および解放後厚みT1は、いずれも、多孔質樹脂層4の厚みである。
図1の一実施形態では、金属層の一例として第2金属層6を挙げているが、図8に示すように、第2金属層6に代えて、金属層の一例として第1金属層3を挙げることもできる。
図8の変形例では、低誘電基板材1は、第1金属層3および多孔質樹脂層4を厚み方向一方側を厚み方向一方側に向かって順に備える。
図8に示す多孔質樹脂層4の厚み方向一方面は、低誘電基板材1の厚み方向一方面を形成する。多孔質樹脂層4の厚み方向一方面は、厚み方向一方側に露出する。
図8に示す低誘電基板材1において残存歪みSを求めるときに測定される初期厚みT0および解放後厚みT1は、いずれも、多孔質樹脂層4の厚みである。
図8に示す低誘電基板材1を得る方法として、一実施形態で例示した、第1金属層3の厚み方向一方面における作り込みに限定されず、例えば、第1金属層3および多孔質樹脂層4を互いに貼り合わせてもよい。この場合には、多孔質樹脂層4は、残存歪みSが10%となる10%歪み圧力Pが180℃で4.5MPa以上と高いので、第1金属層3および多孔質樹脂層4を高圧のプレスで貼り合わせても、多孔質樹脂層4の残存歪みSを低くでき、その後、第1金属層3から他方側配線18(図2参照)を精度よくパターンニングでき、第五世代(5G)の規格の無線通信や、高速FPCに十分かつ確実に対応できる低誘電の基板材として有用である。そのため、このような低誘電基板材1を、簡便に工業的に量産することができる。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は、何ら実施例および比較例に限定されない。また、以下の記載において用いられる配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなどの具体的数値は、上記の「発明を実施するための形態」において記載されている、それらに対応する配合割合(含有割合)、物性値、パラメータなど該当記載の上限(「以下」、「未満」として定義されている数値)または下限(「以上」、「超過」として定義されている数値)に代替することができる。
実施例1
まず、銅からなる厚み12μmの第1金属層3を準備した。
まず、銅からなる厚み12μmの第1金属層3を準備した。
次いで、特開2018−021172号公報の参考例に記載のポリイミド前駆体溶液100質量部に、イミド化触媒(2−メチルイミダゾール)4.2質量部、ポリオキシエチレンジメチルエーテル(日油社製 グレード:MM400、重量平均分子量400)からなる多孔化剤200質量部、PTFEからなる平均粒子径1,000nm以下の核剤3質量部、および、NMP(N−メチルピロリドン)を配合して、ワニスを調製した。核剤は、予めNMPに分散されたスラリーとして調製したものを、ポリイミド前駆体に対して配合した。なお、ワニスにおけるNMPの総配合部数は、上記したスラリー中に含まれるものを併せて、ポリイミド前駆体100質量部に対して、150質量部となるように、調整した。
このワニスを、第1金属層3の一方面に塗布し、100℃で15分間、続いて、120℃で15分間、加熱により乾燥して、NMPを除去し、続いて、超臨界抽出法により、多孔化剤を除去し、その後、真空下、380℃で2時間加熱して、イミド化させて、ポリイミドからなる多孔質樹脂層4を、第1金属層3の一方面で作り込んだ。
多孔質樹脂層4の厚みが、120μmであった。多孔質樹脂層4における空孔率が、80%、平均孔径が、7μmであった。また、多孔質樹脂層4の周波数60GHzにおける誘電率が、1.5であった。
次いで、アクリル系接着剤からなり、厚み5μmの接着層5を、多孔質樹脂層4の一方面に形成した。
次いで、銅からなる厚み12μmの第2金属層6を、接着層5の厚み方向一方面に接着した。
これにより、図1に示すように、第1金属層3と、多孔質樹脂層4と、接着層5と、第2金属層6とを厚み方向一方側に順に備える低誘電基板材1を製造した。
低誘電基板材1の厚みは、第1金属層3、多孔質樹脂層4、接着層5および第2金属層6の総厚みとして、149μmであった。
一方、多孔質樹脂層4の厚みT0は、上記した低誘電基板材1の厚みから、第1金属層3、接着層5および第2金属層6の総厚みから差し引いた値として、120μmを取得した。
実施例2
図8に示すように、接着層5と、第2金属層6とを配線回路基板1に設けなかった以外は、実施例1と同様に処理して、低誘電基板材1を製造した。つまり、この配線回路基板1は、厚み12μmの第1金属層3と、厚み120μmの多孔質樹脂層4とを順に備える。
図8に示すように、接着層5と、第2金属層6とを配線回路基板1に設けなかった以外は、実施例1と同様に処理して、低誘電基板材1を製造した。つまり、この配線回路基板1は、厚み12μmの第1金属層3と、厚み120μmの多孔質樹脂層4とを順に備える。
低誘電基板材1の厚みは、132μmであった。
一方、多孔質樹脂層4の厚みT0は、低誘電基板材1の厚みから、第1金属層3の厚みを差し引いた値として、120μmを取得した。
比較例1
多孔化剤として、ポリオキシエチレンジメチルエーテルからポリプロピレングリコール(日油社製 グレード:D400、重量平均分子量400)を変更した以外は、実施例2と同様に処理して、低誘電基板材1を製造した。
多孔化剤として、ポリオキシエチレンジメチルエーテルからポリプロピレングリコール(日油社製 グレード:D400、重量平均分子量400)を変更した以外は、実施例2と同様に処理して、低誘電基板材1を製造した。
評価
<10%歪み圧力P>
低誘電基板材1に残存歪み10%を与えるときの10%歪み圧力Pを求めた。10%歪み圧力Pは、一実施形態において図4を用いて説明した方法に基づいて、求めた。その結果を表1に示す。
<液侵長の測定>
(液浸性の評価)
多孔質樹脂層4の断面を剃刀にて切断して、露出させた。赤色浸透液(太洋物産(株)製NRC−ALII)に5分間浸漬後、表面に付着した浸透液をふき取った。多孔質樹脂層4をさらに露出断面に対し垂直に切断し、液浸長を光学顕微鏡により測定した。その結果を表1に示す。また、図9に、実施例1の低誘電基板材の断面を光学顕微鏡で観察した画像処理図を示す
<10%歪み圧力P>
低誘電基板材1に残存歪み10%を与えるときの10%歪み圧力Pを求めた。10%歪み圧力Pは、一実施形態において図4を用いて説明した方法に基づいて、求めた。その結果を表1に示す。
<液侵長の測定>
(液浸性の評価)
多孔質樹脂層4の断面を剃刀にて切断して、露出させた。赤色浸透液(太洋物産(株)製NRC−ALII)に5分間浸漬後、表面に付着した浸透液をふき取った。多孔質樹脂層4をさらに露出断面に対し垂直に切断し、液浸長を光学顕微鏡により測定した。その結果を表1に示す。また、図9に、実施例1の低誘電基板材の断面を光学顕微鏡で観察した画像処理図を示す
1 低誘電基板材
3 第1金属層
4 多孔質樹脂層
6 第2金属層
S 残存歪み
T1 解放後厚み(多孔質樹脂層)
T0 初期厚み(多孔質樹脂層)
P 10%歪み圧力
3 第1金属層
4 多孔質樹脂層
6 第2金属層
S 残存歪み
T1 解放後厚み(多孔質樹脂層)
T0 初期厚み(多孔質樹脂層)
P 10%歪み圧力
Claims (3)
- 多孔質樹脂層および金属層を厚み方向に順に備える低誘電基板材であり、
10%の下記残存歪みSを与える圧力を10%歪み圧力Pとしたときに、その10%歪み圧力Pが180℃で4.5MPa以上であることを特徴とする、低誘電基板材。
前記残存歪みS:前記多孔質樹脂層の初期厚みT0を測定し、続いて、圧力Pを前記低誘電基板材に対して30分間、前記厚み方向にかけ、その後、圧力Pを解放し、前記多孔質樹脂層の解放後厚みT1を測定する。その後、初期厚みT0および解放後厚みT1を下記式(1)に代入して、前記残存歪みSが得られる。
残存歪みS(%)=([T0−T1]/T0)×100 - 前記多孔質樹脂層の空孔率が、60%以上であることを特徴とする、請求項1に記載の低誘電基板材。
- 前記多孔質樹脂層は、独立気泡を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の低誘電基板材。
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20220208 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20220802 |