JP2020049529A - 溶接方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな板厚比の板組みからなるものが溶接対象とされた場合であっても、チリの発生を抑制しつつ、薄板への溶け込み率及びナゲット径の向上を図りうる溶接方法の提供を目的とする。【解決手段】溶接装置1は、薄板を最外層に配しつつ複数の金属板を重ね合わせた板組みからなる溶接対象Wを電極2,4により挟んで通電することにより溶接することができる。溶接対象Wをなす金属板のうち、薄板に接する電極2として、凸形状であって、先端側に位置する中心側領域と、中心側領域よりも外周側に位置する外周側領域と、中心側領域及び外周側領域の境界に設けられた溝とを有するものを用いる。【選択図】図1

Description

本発明は、薄板を最外層に配しつつ複数の金属板を重ね合わせた板組みを複数の電極により挟んで通電することにより溶接するための溶接方法に関する。
従来、板厚比の大きな板組みにおいても必要サイズのナゲットをチリを発生させることなく形成できるようにすべく、例えば下記特許文献1に開示されているような抵抗スポット溶接方法が提供されている。かかる目的を達成すべく、この溶接方法では、溶接時に薄板に接触する薄板側電極として、厚板側に接触する厚板側電極よりも曲率半径の小さなものを採用しつつ、加圧力を制御することとしている。
特開2006−055898号公報
しかしながら、近年、自動車用のスポット溶接等の分野においては、いわゆるハイテン材や超ハイテン材だけでなく、軟鋼板を複数枚の金属板からなる板組みの溶接においても溶接品質の確保が求められている。さらには、最外層をなす金属板がますます薄肉化し、板厚比(板厚比=総板厚/最外層をなす薄板の厚み)が大きくなる傾向にある。その結果、例えば上記特許文献1に開示されているような溶接方法を採用しただけでは、最外層をなす薄板への溶け込みとナゲット径の確保が困難であり、十分な溶接品質が確保できないという問題がある。また、上記特許文献1に開示されている従来技術の溶接方法では、加圧力の制御が必要であったり、薄板側においてチリが生じることについて依然として十分な対応ができていなかったりするという問題があった。
そこで本発明は、大きな板厚比の板組みからなるものが溶接対象とされた場合であっても、チリの発生を抑制しつつ、薄板への溶け込み率及びナゲット径の向上を図りうる溶接方法の提供を目的とした。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の溶接方法は、薄板を最外層に配しつつ複数の金属板を重ね合わせた板組みを複数の電極により挟んで通電することにより溶接する方法であって、前記板組みをなす前記金属板のうち、前記薄板に接する電極として、凸形状であって、先端側に位置する中心側領域と、中心側領域よりも外周側に位置する外周側領域と、前記中心側領域及び前記外周側領域の境界に設けられた溝とを有するものを用いることを特徴とするものである。
本発明の溶接方法では、薄板に接する電極として、凸形状であって溝を介して先端側にある中心側領域と、外周側に位置する外周側領域とに分けられたものを用いている。このような電極を用いることにより、最外層に設けられた薄板と接触して通電を開始する際に高い電流密度で通電することができる。また、本発明の溶接方法で用いられる電極は、通電開始後、中心側領域が薄板に接触して通電している段階において、溝にある空気による断熱効果等により中心側領域において保温効果が生じると想定される。そのため、通電開始後、外周側領域が薄板に接触するまで溶接を継続する段階においては、電流密度が大きいうち、すなわち電極と板間の接触面積や、板間同士の接触面積が小さいうちに、ナゲットが板組みの厚み方向(縦方向)に成長し、最外薄板への溶け込み率が向上するのを促進させることができる。
また、上述したようにして通電初期において主として薄板側に接触している電極の中心側領域近傍において溶接が開始されると、やがて、中心側領域の近傍において軟化した金属板が溝内に食い込んでくることが想定される。このようにして溝内に軟化した金属板が食い込むと、その分だけ電極と金属板との接触面積が増大する。これにより、電極との接触部分が過剰に発熱し、チリが発生してしまうのを抑制できる。
本発明の溶接方法では、上述したようにして電極の中心側領域と薄板との接触部分において溶接が開始された後、さらに溶接が進むと、やがて外周側領域が薄板に接触するまで溶接が進んだ状態になる。この状態まで溶接が進むと、電極と薄板との接触面積がさらに大きくなり、電流密度が一層低下する。これにより、チリの発生を抑制しつつ、ナゲットを幅方向(横方向)に成長させることができる。このように、上述したような電極を用いつつ段階を経て溶接を行うことにより、薄板への溶け込み率及びナゲット径が大きく、高品質な溶接品質を得ることができる。
上述したように、本発明の溶接方法は、前記中心側領域が前記薄板に接触しつつ、前記外周側領域が前記薄板に対して非接触の状態で通電することにより溶接を開始し、前記外周側領域が前記薄板に接触するまで溶接を継続する段階と、前記外周側領域を前記薄板に接触させた状態で溶接を行う段階とを含むものであることが望ましい。
かかる方法によれば、大きな板厚比の板組みからなるものが溶接対象とされた場合であっても、チリの発生をより一層抑制しつつ、薄板への溶け込み率及びナゲット径を一層向上させることができる。
上述した本発明の溶接方法は、溶接のための通電時間内に、溶接対象となる金属板に対してナゲットを成長させる程度の高い高電流値を維持する時間帯と、スパッタを発生させずに金属板を軟化させる程度の低電流値を維持する時間帯を交互に繰り返すように、前記電極に通電するものであると良い。
上述した溶接方法では、溶接のための通電時間内に、溶接する金属板に対してナゲットを成長させる程度に高い電流値を維持する時間帯の間に、スパッタを発生させずに金属板を軟化させる程度の低い電流値を挟んでいる。そのため、上述した溶接方法によれば、電極と金属板との接触面積を徐々に広くしながら、段階的にナゲットを成長させることができる。これにより、ナゲットが急成長するのを抑え、スパッタが発生するのを抑えることができる。
上述した本発明の溶接方法は、前記高電流値を維持する時間帯では、前記高電流値を維持する時間帯と前記低電流値を維持する時間帯を交互に繰り返すにつれて、各時間帯毎に維持する電流値を徐々に高くするものであると良い。
本発明によれば、大きな板厚比の板組みからなるものが溶接対象とされた場合であっても、チリの発生を抑制しつつ、薄板への溶け込み率及びナゲット径の向上を図りうる溶接方法を提供できる。
本発明の一実施形態における溶接方法に用いられる溶接装置を示す概念図である。 (a),(b)はそれぞれ、本発明の一実施形態における溶接方法に用いられる電極を示した断面図、及び斜視図である。 本発明の一実施形態における溶接方法における通電パターンを示すグラフである。 図2に示した電極を用いた場合における溶接の進行状況を模式的に示した説明図である。
以下、本発明の一実施形態に係る溶接方法について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、溶接方法の説明に先立って、溶接に用いる溶接装置1の構成について簡単に説明する。
図1に例示するように、溶接装置1は、一対の電極2,4、ガン6、ロボット8、トランス10、タイマー12、冷却装置14,及び制御装置16等を備えている。溶接装置1は、溶接対象Wをガン6に設けられた電極2,4間に挟持しつつ加圧した状態で通電することにより溶接を行うものである。溶接対象Wは、薄板W1を最外層に配しつつ複数(本実施形態では3枚)の厚板W2〜W4を重ね合わせた複数枚(本実施形態では合計4枚)の板組みからなる金属板からなる。
電極2,4は、それぞれ銅等の導電性を有する金属等から構成される。電極2,4は、それぞれ電源線を介してトランス10に接続されている。そのため、電極2,4には、トランス10を介して電流を供給することができる。電極2,4は、それぞれ中空構造とされており、冷却装置14により冷却水を内部に供給することにより冷却可能とされている。
また、電極2は、上述した溶接対象Wをなす薄板W1に接触させるためのものである。図2に示すように、電極2は、凸形状とされており、中心側領域2a、外周側領域2b、及び溝2cを有する。中心側領域2aは、電極2の先端部に設けられた領域である。中心側領域2aは、電極2の略軸心位置にある。外周側領域2bは、中心側領域2aよりも電極2の外周側に設けられた円環状の領域である。外周側領域2bは、中心側領域2aと略同心状に形成されている。溝2cは、中心側領域2a及び外周側領域2bの境界部分に環状に形成されている。
電極4は、上述した電極2と対極をなすものである。電極4は、電極2と同様に凸形状とされたものであるが、電極2の溝2cのような溝等を有していない。そのため、電極4の表面は、上述した電極2の中心側領域2aや外周側領域2bのような領域に分かれることなく、略平滑な面とされている。
ガン6は、離間して向かい合うように設けられた2つの先端部6a,6bを有する。先端部6aには、上述した電極2が取り付けられており、先端部6bには電極4が取り付けられている。ガン6は、電極2,4が互いに近接・離反するように駆動させつつ、電極2,4をそれぞれ突出及び没入させることができるものとされている。そのため、ガン6を作動させることにより、電極2,4間に配置された溶接対象Wを挟持しつつ、加圧することができる。ガン6は、ロボット8のアーム20に連結されている。そのため、ロボット8の制御のもとアーム20を作動させることにより、ガン6及びこれに取り付けられた電極2,4を所望の位置に移動させることができる。
トランス10は、タイマー12を介して印加された電流を、所定の電流値に変換することができる。また、タイマー12は、トランス10を介して電極2,4に電流を流すタイミングを制御するためのものである。上述したように、トランス10は、電源線を介して電極2,4に対して接続されている。そのため、溶接装置1は、タイマー12により通電タイミングを調整しつつ、トランス10により電流値を調整された電流を電極2,4を介して供給し、溶接対象Wに対して通電することができる。
冷却装置14は、電極2,4を冷却するための装置である。冷却装置14は、電極2,4を冷却できるものであればいかなるものであっても良いが、例えば電極2,4の内部に冷却水を流通させることにより、電極2,4の冷却を行うものとすることができる。
制御装置16は、ロボット8やタイマー12、冷却装置14等、溶接装置1の各部の動作制御を行うことにより、溶接装置1の動作を制御するためのものである。制御装置16は、以下に詳述する溶接方法により溶接対象Wを溶接できるよう、溶接装置1の各部を動作させるための制御を行えるような構成とされている。
続いて、溶接装置1による溶接対象Wの溶接方法について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、本実施形態の溶接方法に特徴的な部分について詳細に言及する一方、例えば冷却に関する方法等については説明を省略しつつ説明するものとする。
溶接装置1は、図3に示すように、多段階(図示例では7段階)に亘って電流値を変動させる通電パターンに則って電極2,4間に電流を流すことにより、溶接対象Wの溶接を行うことができる。図3に示した通電パターンによる溶接は、溶接に要する全体の通電時間の内に、高い電流値を維持する時間帯Ha〜Hdと、低い電流値を維持する時間帯La〜Lcを交互に繰り返すパターンとなるように通電制御を行うことにより実現される。
高い電流値を維持する時間帯Ha〜Hdは、主に、溶接対象Wをなす鋼板に対してナゲットNを成長させることを目的として設けられている。すなわち、この時間帯Ha〜Hdでは、溶接する鋼板の内部に形成されたナゲットNを成長させる程度に発熱を生じさせるような電流値で通電を行なう。ただし、このような電流値をあまり長く維持しつづけると、ナゲットNが急成長し、スパッタが発生する可能性がある。このため、本実施形態で例示するスポット抵抗溶接の通電制御方法では、溶接する鋼板に対してナゲットNを成長させるような高い電流値を維持しつづけることなく、スパッタが発生するよりも前に電流値を低くしている。
低い電流値を維持する時間帯La〜Lcは、主として、スパッタが発生する危険性を緩和するとともに、金属板の表面を軟化させて押し当てた電極を鋼板になじませることを目的として設けている。この時間帯La〜Lcでは、スパッタが発生せず、金属板の表面が軟化する程度の発熱を生じさせるのに必要な程度の大きさに調整した電流値で通電を行なっている。これにより、溶接対象Wの内部に形成されるナゲットNの急成長が抑制され、スパッタの発生が抑えられる。また、時間帯La〜Lcにおいては、金属板が軟化されるため、電極2,4により溶接対象Wに付与される加圧力により、電極2,4が金属板になじんでいき、徐々に金属板と電極2,4との接触面積が増える。これにより、低い電流値を維持する時間帯La〜Lcでは、スパッタが発生する危険性が緩和される。
なお、上述した低い電流値を維持する時間帯La〜Lcでは、スパッタが発生する状況が緩和されればよい。そのため、効率良くナゲットNを形成すべく、時間帯La〜Lcにおいて電極2,4間に流す電流値は、スパッタの発生を緩和できる限りにおいて電流値を高くすると良い。
本実施形態の溶接方法においては、上述したような多段階(図示例では7段階)に亘って電流値を変動させる通電パターンで通電する際に、溶接対象Wの薄板W1側に上述したような構成の電極2を用いて溶接を行う。このような電極2を薄板W1側に用いた場合には、図4に模式的に示すように電極2の各部と薄板W1との接触状況が変化しつつ、溶接が進む。以下、図4を参照しつつ、さらに詳細に説明する。
電極2を薄板W1に接触させる電極として溶接を行う場合、通電開始からしばらく経過するまでの間(以下、「初期通電期間」とも称す)は、図4(a)に示すように中心側領域2aが薄板W1に対して接触する一方、外周側領域2bについては薄板W1に対して非接触の状態で溶接が進められる。
ここで、初期通電期間においては、電極2のうち、中心側領域2aのみにおいて薄板W1に接触しているため、薄板W1に対する電極2の接触面積が小さい。そのため、初期通電段階においては、電流密度の高い状態で電極2,4間に電流が流れる。また、中心側領域2aを取り囲むように設けられた溝2c内には、空気が含まれている。そのため、初期通電段階においては、溝2cにある空気による保温効果が期待でき、溶接に伴い中心側領域2aにおいて発生した熱を効率良く溶接のために活用できる可能性が高い。従って、初期通電期間においては、ナゲットNを溶接対象Wをなす板組みの厚み方向(縦方向)に成長させ、最外層をなす薄板W1への溶け込み率の向上を促進させることができる。
また、初期通電期間において溶接を進めると、電極2の中心側領域2aの近傍において薄板W1が軟化した状態になる。これにより、図4(b)に示すように、薄板W1の一部が溝2c内に食い込んだ状態になりうる。このようにして溝2c内に軟化した薄板W1が食い込んだ状態になると、その分だけ電極2と薄板W1との接触面積が増大する。これにより、電極2と薄板W1との接触部分が過剰に発熱するのを回避し、チリが発生してしまうのを抑制できる。
また、上述した状態からさらに溶接が進むと、やがて図4(c)に示すように外周側領域2bが薄板W1に接触するまで溶接が進んだ状態になる。この状態まで溶接が進むと、外周側領域2bと薄板W1との接触領域分だけ電極2と薄板W1との接触面積が大きくなり、電極2,4間における電流密度が低下する。これにより、チリの発生を抑制しつつ、ナゲットNを幅方向(横方向)に成長させることができる。このように、上述したような段階を経て溶接を行うことにより、薄板W1への溶け込み率の向上、及びナゲットNの径方向への拡大を図り、高い溶接品質での溶接が可能となる。
上述したように、本実施形態で例示した溶接方法においては、薄板W1側に用いられる電極2として環状の溝2cを設けたものを用いている。このような電極2を用いることにより、溝2cより内側の中心側領域2aにおいて先ず電流密度の高い状態で溶接を行い、ナゲットNを溶接対象Wの厚み方向に成長させることができる。また、電極2を用いて溶接を行う場合には、溝2cに薄板W1が食い込みはじめた頃から電極2と薄板W1との接触面積が増加し始め、やがて外周側領域2bが薄板W1に接触した頃には電極2と薄板W1とが当初よりも大きな接触面積で接触した状態になる。これにより、ナゲットNが溶接対象の厚み方向に成長するのを抑制し、溶接対象Wの幅方向に成長させることができる。このように、電極2を用いれば、溶接時におけるナゲットNの成長を最適化し、薄板W1への溶け込み率の向上、及びナゲット径の拡大を図ることができる。
上述した電極2は、環状に形成された溝2cの直径を適宜変更することにより、溶け込み率や、ナゲットNの縦方向(厚み方向)への成長度合いを適宜調整することができる。具体的には、溝2cの直径を小さくすると、初期通電期間において溝2cに含まれる空気による蓄熱効果(保温効果)が高まり、高い溶け込み率を確保しつつ、ナゲットNの縦方向(厚み方向)への成長を促進できる。溝2cの直径を大小相違する異なる電極2を準備した場合、同等の溶け込み率が得られる条件で溶接を行ったとしても、溝2cの直径を小さくしたものの方が、ナゲットNが縦方向(厚み方向)に大きく成長する傾向にある。かかる知見に基づいて溝2cの直径等を調整すれば、溶け込み率や、ナゲットNの縦方向(厚み方向)への成長度合いを適宜調整することができる。
また、本実施形態で示した溶接方法は、薄板W1側に配置される電極として、電極4のように表面が平坦な従来型の電極に変えて、溝2c等を備えた電極2を用いることにより実現できる。そのため、上述した溶接方法によれば、特殊な設備を別途必要とせず、既存の溶接装置1を溶接対象Wの溶接に活用できる。
また、本実施形態で例示した溶接方法では、高い電流値を維持し続けることなく、高い電流値を維持する時間帯Ha〜Hdの間に、低い電流値を維持する時間帯La〜Lcを挟むことにより電流値を多段階に変化させる通電パターンで溶接を行うこととしている。そのため、電極2を用いつつ、上述したような通電パターンにより溶接を行うこととすれば、ナゲットNの急成長によりスパッタが発生する可能性をより一層低減することができる。また、上述したように低い電流値を維持する時間帯La〜Lcを設けることとすれば、溶接対象Wと電極2との接触面積が広くなり、ナゲットNが形成されている溶接対象Wの内部において、スパッタが発生する状況が緩和されるので、再び電流値を高くしてもすぐにスパッタが発生しにくい。
なお、本実施形態では、電流値を7段階に変化させつつ電極2,4間に通電する通電パターンで溶接を行う例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、電流値を変化させる段階数を3段階や5段階など、上述したものとは異なる段階数としたり、電流値を段階的に変動させることなく溶接を行うこととしても良い。
本実施形態では、4枚の金属板からなる板組みについて溶接を行う例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、2枚、3枚、あるいは5枚以上の金属板を重ね合わせた板組みを溶接対象Wとしても良い。また、本実施形態では、本発明の溶接方法をダイレクトスポット抵抗溶接に適用した実施例を例示したが、本発明はダイレクトスポット抵抗溶接に限定されず、例えばシリーズスポット抵抗溶接、インダイレクトスポット抵抗溶接など、種々のスポット抵抗溶接等においても好適に適用することができる。
なお、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
本発明は、薄板を最外層に配しつつ複数の金属板を重ね合わせた板組みの溶接全般において好適に利用できる。
2 :電極
2a :中心側領域
2b :外周側領域
2c :溝
Ha :時間帯
La :時間帯
W :溶接対象
W1 :薄板
N :ナゲット

Claims (2)

  1. 薄板を最外層に配しつつ複数の金属板を重ね合わせた板組みを複数の電極により挟んで通電することにより溶接する溶接方法であって、
    前記板組みをなす前記金属板のうち、前記薄板に接する電極として、凸形状であって、先端側に位置する中心側領域と、中心側領域よりも外周側に位置する外周側領域と、前記中心側領域及び前記外周側領域の境界に設けられた溝とを有するものを用ることを特徴とする溶接方法。
  2. 前記中心側領域が前記薄板に接触しつつ、前記外周側領域が前記薄板に対して非接触の状態で通電することにより溶接を開始し、前記外周側領域が前記薄板に接触するまで溶接を継続する段階と、
    前記外周側領域を前記薄板に接触させた状態で溶接を行う段階とを有することを特徴とする請求項1に記載の溶接方法。
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