JP2020048259A - 蓄電型光電池およびそれを用いた蓄電型光電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】小型化または軽量化が困難であり、また製造コストが低減された蓄電池と光電池が一体化された蓄電型光電池とそれを利用した蓄電型光電池システムの提供。【解決手段】光透過性基板と、複数の光電池セルが前記基板上に配置され、かつ電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する光電池モジュールと、複数の蓄電セルが電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する蓄電モジュールとが積層された構造を有する蓄電型光電池であって、前記光電池モジュールの外部接続端子と前記蓄電モジュールの外部接続端子とが異なる方向に導出され、前記光電池モジュールと前記蓄電モジュールとが電気的に接続されている蓄電型光電池、ならびに前記蓄電型光電池と、出力に応じた制御を行うスイッチとを具備した蓄電型光電池システム。【選択図】図1

Description

本発明は高効率かつ大面積で蓄電型光電池、およびそれを用いた蓄電型光電池システムに関するものである。
従来、太陽光発電素子に代表される光電変換素子が発生させることができる電気エネルギーは、受光したエネルギーに依存して変動することが一般的であった。太陽光発電素子の場合、太陽の動きや天候の変化に応じて発電量が変化するため、安定した電力供給が要求される社会基盤の電力インフラとして太陽光発電素子を用いるには、供給できるエネルギー量の安定化が大きな課題であった。
このような課題を解決するために、これまで太陽光発電素子に蓄電池を組み合わせて、電気エネルギーの平準化を図ろうとする試みはあった。しかし、蓄電池自体でもエネルギーロスがある。また太陽光発電素子と蓄電池との組み合わせには、インバーターをさらに組み合わせることが考えられるが、インバーターを介して蓄電と放電を繰り返すことにより、全体の電気エネルギーのロスが大きくなる傾向にあった。更に、蓄電池は高温条件下では劣化しやすく、太陽光発電素子と組み合わされて太陽光で温められた場合には劣化が加速されやすい。さらに、蓄電池は一般的に可燃性材料を含むため、高温条件で利用されると引火の危険性が高まる。
このようなリスクを回避するため、また一般的に蓄電池自体も発熱するため、蓄電池を利用する素子は温度管理可能な環境に設置することが多くのケースで行われる。これはすなわち、温度管理のために電気エネルギーを利用することを意味し、電気エネルギーの損失が発生してしまうという課題があった。
また、蓄電池またはその温度管理のための施設を設置した部分には、太陽光発電素子が設置できないので、受光面積が減少する。
蓄電池利用による受光面積の減少を防ぐために、光電変換素子と蓄電池を一体型とする試みもあるが、この場合も多くの課題がある。先に述べたように光電変換素子は太陽光を受ける為に温度上昇するので、一体化された蓄電池は熱により劣化しやすい。また、光電変換素子で発生する電気エネルギーの電圧値と電流値が、蓄電池の充電に適合せずにインバーターが必要となることが多く、デバイス構造にワイヤボンディングやビアホール等の立体配線が必要であって、小型化または軽量化が困難であり、また製造コストの低減が困難であった。
特許第2506829号
実験形態は、小型化または軽量化が困難であり、また製造コストの低減された蓄電型光電池およびそれを用いた蓄電型光電池システムを提供することにある。
実施形態による蓄電型光電池は、
光透過性基板と、
複数の光電池セルが前記基板上に並列に配置され、かつ電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する光電池モジュールと、
複数の蓄電セルが電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する蓄電モジュールと
が積層された構造を有し、
前記光電池モジュールの外部接続端子と前記蓄電モジュールの外部接続端子とが異なる方向に導出され、前記光電池モジュールと前記蓄電モジュールとが電気的に接続されているものである。
また実施形態による蓄電型光電池システムは、
前記蓄電型光電池と、
前記蓄電型光電池に含まれる前記光電池セルおよび蓄電セルの電気的な接続を変更するためのスイッチ素子と
を有し、前記光電池セル及び/又は前記蓄電セルからの負荷への出力、あるいは前記光電池セルから前記蓄電セルへの出力に応じて、前記スイッチ素子を制御するものである。
実施形態による蓄電型光電池の構造の一例を説明するための三面図。 光電池セルの概念断面図。 実施形態による蓄電型光電池の構造の一例を説明するための概念断面図。 実施形態による蓄電型光電池に適用される配線の一例を示す概念図。 実施形態による蓄電型光電池を利用した光電池システムの一例を示す配線図。 実施形態による蓄電型光電池を利用した他の光電池システムの一例を示す配線図。 実施形態による蓄電型光電池を利用したさらに他の光電池システムの一例を示す配線図。 実施形態による蓄電型光電池の製造過程を説明するための概念図。
以下、実施形態に蓄電型光電池の構成部材について、光電池セルを用いた場合を例に説明するが、実施形態の構成は共通の構造を有するその他の光電変換素子、例えばセンサーなどの受光装置や照明装置などの発光装置にも適用できるものである。
<<蓄電型光電池>>
実施形態による蓄電型光電池100の構造概念図を図1に示す。図1は、実施形態による蓄電型光電池の上面図(A)と縦方向および横方向の積層構造を示す図(BおよびC)である。実施形態による蓄電型光電池は、光透過性基板110と、光電池モジュール120と、蓄電モジュール130とが積層されたものである。積層順序は、図1に示すように、透明基板、光電池モジュール、および蓄電モジュールの順に積層することが、光電池が効率的に光を受光できるので好ましい。ただし、光電池モジュールと蓄電モジュールの順序を入れ替えることもできる。
図1に示される構造において、光電池モジュールと蓄電モジュールとの間は、絶縁のため離間している。なお、後述するように光電池モジュールと蓄電モジュールとの間には絶縁層が設けられていてもよい。これらは、それぞれ独立に構成された後に貼り合わされたものであっても、一つの透過性基板の上に、順次積層されて形成されたものであってもよい。
光電池モジュール120は、複数の光電池セル121が前記基板に略平行な方向に並列に配置されている。そして、例えば電気的に直列に接続され、高い電力を放出できるように構成されている。図1において、光電池セルは長辺が相互に接続され、内部抵抗が小さい接続となっている。なお、光電池は電気的直列だけでは無く、電気的並列にも接続されていてもよい。
そして、その光電池セルの電気的接続の両側末端に、外部接続端子122を具備している。ここで、外部接続端子とは、光電池セルから外部に電力を導出するためのものである。この外部接続端子122は基板に略平行な方向に導出されている。
蓄電モジュール130は、複数の蓄電セル131が電気的に接続された構造を有している。図1において蓄電セルは並列に結合された構造を示している。一般的に蓄電セルは並列に結合されて、蓄電容量を多くすることが好ましい。そして、図1に示されるように複数の蓄電セルが、一組の電極132で挟持されるようにして、複数の蓄電セルが電極132を共有する構造とすることで、構造を簡単にすることができる。一組の電極132の端部のそれぞれには、蓄電モジュールに電力を供給し、また蓄電モジュールから電力を取り出すための外部接続端子133が基板に略平行な方向に導出されている。なお、一つの光電池モジュールに対して、2つ以上の蓄電モジュールを組み合わせることもできる。さらに、一つの蓄電モジュールにおいて、蓄電セルを電気的直列に接続することもできる。
また、一般に光電池モジュールの外部接続端子のひとつと蓄電モジュールの外部接続端子のひとつは、リード111などにより電気的に接続されている。ただし、実施形態による光電池を用いるシステムの構造によって、光電池モジュールと蓄電モジュールとの間にスイッチやリレー等を組み込むことも可能である。
以下にこれらの各構成部材について詳細に説明する。
<光透過性基板>
光透過性基板110は、ほかの構成部材を支持するためのものである。そして製造過程においては、その上に光電池モジュールが形成される際支持材料としても利用される。したがって、その表面に光電池の電極が形成される場合に、熱や、接触する有機溶媒によって変質しにくいものであることが好ましい。光透過性基板の材料としては、例えば、(i)無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、(ii)ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム等の有機材料が挙げられる。また、そのほか、光透過性を発揮させるために開口を設けた、メッシュ構造を有する(iii)ステンレス鋼(SUS)、アルミニウム、チタン、シリコン等の金属材料等を用いることもできる。
基板の厚さは、その他の構成部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されない。
光透過性基板の光入射面には、例えばモスアイ構造の反射防止膜を設置することができる。このような構造とすることで、光を効率的に取り込み、光電池のエネルギー変換効率を向上させることが可能である。モスアイ構造は表面に100nm程度の規則的な突起配列を有する構造をしており、この突起構造により厚み方向の屈折率が連続的に変化するため、無反射フィルムを媒介させることで屈折率の不連続的な変化面がなくなるため光の反射が減少し、セル効率が向上する。
光透過性基板は単一材料からなるものであっても、または二種類以上の材料からなる積層構造体であってもよい。さらには、他の半導体素子と組み合わせることで、例えば光電変換素子の機能を発現するものでもよい。具体的には、既に完成されたシリコン光電池、または化合物光電池等を光透過性基板とすることができる。このような基板を用いることで、実施形態における光電池モジュールをタンデム型構造を有するものにできる。
なお、実施形態による蓄電型光電池は、独立した光透過性電極を具備していなくてもよい。すなわち、後述する光電池モジュールを構成する透明電極が、実施形態による蓄電型光電池の光透過性基板の機能を発揮したり、光透過性基板が、光電池セルまたは光電池モジュールの電極の機能を発揮することもある。
<光電池モジュール>
実施形態において、光電池モジュール120は複数の光電池セル121を含む。この光電池セルの基本的構造は特に限定されない。図2は、実施形態に用いることができる光電池セル121の構成の一例を示す模式断面図である。このような光電池セルは、光透過性基板217上に、第一の電極211、第一のバッファー層212、活性層(光電変換層)213、第二のバッファー層214、バリア層215、第二の電極216が積層している。光電池セル121は、光透過性基板217を有していなくてもよいし、また前記の光透過性基板110が、光透過基板217の機能を有していてもよい。
第一の電極211と第二の電極216は、陽極または陰極となり、光電池から電気を取り出すための外部接続端子(詳細後記)に接続される。活性層213は、基板217と第一の電極211と第一のバッファー層212、または第二の電極216と第二のバッファー層214を通して入射した光によって励起され第一の電極211と第二の電極216に電子または正孔を生じる材料である。さらに、第一の電極211と第二の電極216から電子とホールが注入された後、光を生じる材料である。
図2において、第一のバッファー層212と第二のバッファー層214は、活性層と第一の電極または第二の電極との間に存在する層である。図2では、第一のバッファー層と第二のバッファー層は、活性層の両側表面にそれぞれ配置されている構造が示されている。以下、このような構造である光電池セルについて説明をする。ただし、このような構造に限定されず、活性層213の一片側表面に、第一の電極211および第一のバッファー層212と、第二のバッファー層214および第二の電極216との両方が、相互に離間して配置された、いわゆるバックコンタクト方式の構造を有していてもよい。
なお、第二のバッファー層は、2層以上の積層構造を有することもできる。図21には、第2のバッファー層が214Aと214Bの2つの層で構成された構造が開示されているが、例えば活性層側バッファー層214Aが有機物半導体を含む層であり、第2の電極側バッファー層214Bが金属酸化物を含む層であることができる。
活性層側バッファー層214Aと第二の電極側バッファー層214Bは電子または正孔を輸送できる材料である。第二の電極側バッファー層214Bは、バリア層215を成膜する時のダメージから活性層213、第一のバッファー層212、活性層側バッファー層214Aを保護する機能を奏する。
バリア層215は、第2の電極の劣化を抑制する効果を奏する(詳細後述)。このような効果を十分に発揮するために、バリア層215は、第二の電極側バッファー層214Bよりも緻密な層であることが好ましい。
以下、実施形態に用いることができる光電池セルを構成する各層について説明する。
(光透過性基板)
光透過性基板217は、存在する場合には、ほかの構成部材を支持するためのものである。この光透過性基板17は、その表面に電極を形成することができることが好ましい。このため、電極形成時にかかる熱や、接触する有機溶媒によって変質しにくいものであることが好ましい。光透過性基板217の材料としては、光透過性基板110の材料に挙げたものを用いることができる。
(第一の電極と第二の電極)
第一の電極211は導電性を有するものであれば、従来知られている任意のものから選択することができる。本実施形態においては、第一の電極は光入射面側に配置される。したがって、第一の電極の材料は、透明または半透明の導電性を有する材料から選択すべきである。透明または半透明の電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等が挙げられる。第一の電極211は、複数の材料が積層された構造を有していてもよい。
具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム・亜鉛・オキサイド等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、アルミニウム、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、第一の電極には、ITOまたはFTOなどの金属酸化物が好ましい。このような金属酸化物からなる透明電極は、一般に知られている方法で形成させることができる。具体的には、酸素等の反応ガスに富む雰囲気下でスパッタリングにより形成される。このような場合、雰囲気中に含まれる酸素等の反応ガスの含有率は0.5%以上であり、その結果、結晶性が高く、導電性の高い金属酸化膜が形成される。
第一の電極の厚さは、電極の材料がITOの場合には、30〜300nmであることが好ましい。電極の厚さが30nmより薄いと導電性が低下して抵抗が高くなる傾向にある。抵抗が高くなると光電変換効率低下の原因となることがある。一方、電極の厚さが300nmよりも厚いと、ITO膜の可撓性が低くなる傾向にある。この結果、膜厚が厚い場合には応力が作用するとひび割れてしまうことがある。なお、電極のシート抵抗は可能な限り低いことが好ましく、10Ω/□以下であることが好ましい。電極は単層構造であっても、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層した複層構造であってもよい。
第一の電極を電子輸送層に隣接して形成させる場合は、電極材料として仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、リチウム、インジウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、サマリウム、テルビウム、イッテルビウム、ジルコニウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、バリウムおよびこれらの合金を挙げることができる。また、前記した仕事関数の低い材料から選択される金属と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫などから選択される仕事関数が相対的に高い金属との合金であってもよい。電極材料に用いることができる合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、カルシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。このような金属材料を用いる場合、電極の膜厚は、1nm〜500nmであることが好ましく、10nm〜300nmであることがより好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなり過ぎ、発生した電荷を十分に外部回路へ伝達できないことがある。膜厚が厚い場合には、電極の成膜に長時間を要するため材料温度が上昇し、他の材料にダメージを与えて性能が劣化してしまうことがある。さらに、材料を大量に使用するため、成膜装置の占有時間が長くなり、コストアップに繋がることもある。
第一の電極材料として有機材料を用いることもできる。例えばポリエチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTということがある)などの導電性高分子化合物などが好ましい。このような導電性高分子化合物は市販されており、たとえばClevios P H 500、Clevios P H、Clevios P VP Al 4083、Clevios HIL 1,1(いずれも商品名、スタルク社製)などが挙げられる。PEDOTの仕事関数(またはイオンン化ポテンシャル)は4.4eVであるが、これに別の材料を組み合わせて電極の仕事関数を調整することができる。例えば、PEDOTにポリスチレンスルホン酸塩(以下、PSSということがある)を混合することで、仕事関数を5.0〜5.8eVの範囲で調製することができる。ただし、導電性高分子化合物と別の材料の組み合わせから形成された層は、導電性高分子化合物の比率が相対的に減少するため、キャリア輸送性が低下する可能性がある。ゆえにこのような場合の電極の膜厚は50nm以下であることが好ましく、15nm以下であることがより好ましい。また、導電性高分子化合物の比率が相対的に減少すると、表面エネルギーの影響で、活性層の塗布液をはじきやすいため、活性層にピンホールが発生しやすい傾向がある。このような場合には、窒素ガス等を吹きつけることで、塗布液がはじかれる前に溶媒の乾燥を完了させることが好ましい。なお、導電性高分子化合物としてはポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンが好ましい。
実施形態において、第二の電極216は、均一な金属層からなるものであることが好ましい。ここで、均一な金属層とは、光透過性を改善するための開口部などの構造を有さない、連続した被膜構造を有するものをいう。しかしながら、第二の電極はそれに限定されるものではなく、金属薄膜に複数の貫通孔を有する構造、金属繊維の織物状構造、金属細線を組み合わせた櫛形構造などを用いることもできる。第二の電極の厚さは、10〜60nmであることが好ましい。これにより、第二の電極の表面に光を照射した場合、光を第二バッファー層や活性層へ透過させることができる。また、第一の電極の表面に光を照射した場合には、活性層で吸収されず、第二の電極まで透過した光を反射し、再び活性層で吸収させることが可能となる。このとき、貫通孔を有する構造では、全ての光を反射すうることができないので、均一な金属層を用いることが有利である。
均一な金属層を形成させるための材料としては、アルミニウム、銀、金、白金、銅等が用いられるが、アルミニウムまたは銀が好ましい。特にアルミニウムは光反射性とコストの面から好ましく用いられる。
(活性層)
実施形態の方法により形成される活性層(光電変換層)213を構成する材料は特に限定されないが、例えばペロブスカイト構造を少なくとも一部に有することが好ましい。このペロブスカイト構造とは、結晶構造のひとつであり、ペロブスカイトと同じ結晶構造をいう。典型的には、ペロブスカイト構造はイオンA、B、およびXからなり、イオンBがイオンAに比べて小さい場合にペロブスカイト構造をとる場合がある。この結晶構造の化学組成は、下記一般式(1)で表すことができる。
ABX (1)
ここで、Aは1級アンモニウムイオンを利用できる。具体的にはCHNH3+、CNH3+、CNH3+、CNH3+、およびHC(NH2+などが挙げられ、CHNH3+が好ましいがこれに限定されるものではない。また、AはCs、1,1,1−trifluoro−ethyl ammonium iodide(FEAI)も好ましいがこれに限定されるものではない。また、Bは2価の金属イオンであり、Pb2−またはSn2−、が好ましいがこれに限定されるものではない。 また、Xはハロゲンイオンが好ましい。例えばF、Cl、Br、I、およびAtから選択され、Cl、BrまたはIが好ましいがこれに限定されるものではない。イオンA、B、またはXを構成する材料は、それぞれ単一であっても混合であってもよい。構成するイオンはABXの比率と必ずしも一致しなくても機能できる。
この結晶構造は、立方晶、正方晶、直方晶等の単位格子をもち、各頂点にAが、体心にB、これを中心として立方晶の各面心にXが配置している。この結晶構造において、単位格子に包含される、一つのBと6つのXとからなる八面体は、Aとの相互作用により容易にひずみ、対称性の結晶に相転移する。この相転移が結晶の物性を劇的に変化させ、電子または正孔が結晶外に放出され、発電が起こるものと推定されている。
活性層の膜厚を厚くすると光吸収量が増えて短絡電流密度(Jsc)が増えるが、キャリア輸送距離が増える分、失活によるロスが増える傾向にある。このため最大効率を得るためには最適な膜厚があり、膜厚は30nm〜1000nmが好ましく、60〜600nmがさらに好ましい。
例えば活性層の厚みを個々に調整すれば、実施形態による素子と、その他の一般的な素子を太陽光照射条件では同じ変換効率になるように調整が可能である。しかし、膜質が異なるため200luxなどの低照度条件では、実施形態による素子は一般的な素子より高い変換効率を実現できる。
(第一のバッファー層および第二のバッファー層)
第一のバッファー層212と第二のバッファー層214は、活性層と第一の電極または第二の電極に挟まれている。これらの層は、存在する場合には、いずれかが正孔輸送層として機能し、他方が電子輸送層として機能する。光電池セルが、より優れた変換効率を達成するためには、これらの層を具備することが好ましいが、実施形態においては必ずしも必須ではなく、これらのいずれか、または両方が具備されていなくてもよい。また、第一のバッファー層212と第二のバッファー層214の両方または一方が、異なる材料が積層された構造を有していてもよい。
電子輸送層は、電子を効率的に輸送する機能を有するものである。バッファー層が電子輸送層として機能する場合、この層はハロゲン化合物または金属酸化物のいずれかを含むことが好ましい。ハロゲン化合物としてはLiF、LiCl、LiBr、LiI、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、またはCsFが好適な例として挙げられる。これらのうち、LiFが特に好ましい。
金属酸化物を構成する元素は、チタン、モリブデン、バナジウム、亜鉛、ニッケル、リチウム、カリウム、セシウム、アルミニウム、ニオブ、スズ、バリウムが好適な例としてあげられる。複数の金属元素が含まれる複合酸化物も好ましい。例えばアルミニウムでドープされた酸化亜鉛(AZO)、ニオブでドープされた酸化チタン等が好ましい。これら金属酸化物では酸化チタンがより好ましい。酸化チタンとしては、ゾルゲル法によりチタンアルコキシドを加水分解することによって得られたアモルファス性酸化チタンが好ましい。
電子輸送層には、金属カルシウムなどの無機材料を用いることもできる。
実施態様による光電変換素子に電子輸送層を設ける場合、電子輸送層の厚さは20nm以下であることが好ましい。これは電子輸送層の膜抵抗を低くし、変換効率を高めることができるからである。一方で、電子輸送層の厚さは5nm以上とすることができる。電子輸送層を設け、一定以上の厚さとすることで、正孔ブロック効果を十分に発揮させることができ、発生した励起子が電子と正孔とを放出する前に失活することを防止することができる。この結果、効率的に電流を取り出すことができる。
n型有機半導体としては、フラーレンおよびその誘導体が好ましいが、特に限定されるものではない。具体的には、C60、C70、C76、C78、C84等を基本骨格として構成される誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体は、フラーレン骨格における炭素原子が任意の官能基で修飾されていてもよく、この官能基同士が互いに結合して環を形成していてもよい。フラーレン誘導体には、フラーレン結合ポリマーが含まれる。溶媒に親和性の高い官能基を有し、溶媒への可溶性が高いフラーレン誘導体が好ましい。
フラーレン誘導体における官能基としては、例えば、水素原子;水酸基;フッ素原子、塩素原子等のハロゲン原子;メチル基、エチル基等のアルキル基;ビニル基等のアルケニル基;シアノ基;メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基;フェニル基、ナフチル基等の芳香族炭化水素基、チエニル基、ピリジル基等の芳香族複素環基等が挙げられる。具体的には、C60H36、C70H36等の水素化フラーレン、C60、C70等のオキサイドフラーレン、フラーレン金属錯体等が挙げられる。
上述した中でも、フラーレン誘導体として、[60]PCBM([6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル)または[70]PCBM([6,6]−フェニルC71酪酸メチルエステル)を使用することが特に好ましい。
また、n型有機半導体として、蒸着で成膜することが可能な低分子化合物を用いることができる。ここでいう低分子化合物とは、数平均分子量Mnと質量平均分子量Mwが一致するものである。いずれかが1万以下である。BCP(bathocuproine)、 Bphen(4,7−diphenyl−1,10−phenanthroline)、 TpPyPB(1,3,5−tri(p−pyrid−3−yl−phenyl)benzene)、DPPS(diphenyl bis(4−pyridin−3−yl)phenyl)silane)がより好ましい。
正孔輸送層は、正孔を効率的に輸送する機能を有するものである。バッファー層が正孔輸送層として機能する場合、この層はp型有機半導体材料やn型有機半導体材料を含むことができる。ここでいうp型有機半導体材料とn型有機半導体材料とは、ヘテロ接合、バルクヘテロ接合を形成したときに、電子ドナー材料、電子アクセプター材料として機能できる材料である。
正孔輸送層の材料としてp形有機半導体を用いることができる。p形有機半導体は、例えば、ドナーユニットとアクセプタユニットからなる共重合体を含むものが好ましい。ドナーユニットとしては、フルオレンやチオフェンなどを用いることができる。アクセプタユニットとしては、ベンゾチアジアゾールなどを用いることができる。具体的には、ポリチオフェンおよびその誘導体、ポリピロールおよびその誘導体、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体、オリゴチオフェンおよびその誘導体、ポリビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリシランおよびその誘導体、側鎖または主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリンおよびその誘導体、フタロシアニン誘導体、ポルフィリンおよびその誘導体、ポリフェニレンビニレンおよびその誘導体、ポリチエニレンビニレンおよびその誘導体、ベンゾジチオフェン誘導体、チエノ[3,2−b]チオフェン誘導体等を用いることができる。正孔輸送層には、これらの材料を併用してもよいし、これらの材料を構成する共単量体からなる共重合体を用いてもよい。これらのうちポリチオフェンおよびその誘導体は、優れた立体規則性を有し、また溶媒への溶解性は、比較的高いので好ましい。
このほか、正孔輸送層の材料として、カルバゾール、ベンゾチアジアゾールおよびチオフェンを含む共重合体であるポリ[N−9’−ヘプタデカニル−2,7−カルバゾール−アルト−5,5−(4’,7’−ジ−2−チエニル−2’,1’,3’−ベンゾチアジアゾール)](以下、PCDTBT(ということがある)などの誘導体を用いてもよい。さらにベンゾジチオフェン(BDT)誘導体とチエノ[3,2−b]チオフェン誘導体の共重重合体も好ましい。例えばポリ[[4,8−ビス[(2−エチルヘキシル)オキシ]ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル][3−フルオロ−2−[(2−エチルヘキシル)カルボニル]チエノ[3,4−b]チオフェンジイル]](以下PTB7ということがある)、PTB7のアルコキシ基よりも電子供与性が弱いチエニル基を導入したPTB7−Th(PCE10、またはPBDTTT−EFTと呼ばれることもある)等も好ましい。さらに、正孔輸送層の材料として、金属酸化物を用いることもできる。金属酸化物の好適な例としては、酸化チタン、酸化モリブデン、酸化バナジウム、酸化亜鉛、酸化ニッケル、酸化リチウム、酸化カルシウム、酸化セシウム、酸化アルミニウムが挙げられる。これらの材料は、安価であるという利点を有する。さらに正孔輸送層の材料として、チオシアン酸銅などのチオシアン酸塩を用いてもよい。
また、spiro−OMeTADなどの輸送材料や前記p型有機半導体に対してドーパントを使用することができる。ドーパントとしては、酸素、4−tert−ブチルピリジン、リチウム−ビス(トリフルオロメタンスルフォニル)イミド (Li−TFSI)、アセトニトリル、トリス[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリジン]コバルト(III)トリス(ヘキサフルオロリン酸)塩(商品名「FK102」で市販)、トリス[2−(1H−ピラゾール−1−イル)ピリミジン]コバルト(III)トリス[ビス(トリスフルオロメチルスルフォニル)イミド](MY11)などを使用できる。
正孔輸送層としてポリエチレンジオキシチオフェンなどの導電性高分子化合物を利用することができる。このような導電性高分子化合物は電極の項に挙げたものを用いることができる。正孔輸送層においても、PEDOTなどのポリチオフェン系ポリマーに別の材料を組み合わせて、正孔輸送等として適切な仕事関数を有する材料に調整することが可能である。ここで、正孔輸送層の仕事関数が前記活性層の価電子帯よりも低くなるように調整することが好ましい。
前記第二のバッファー層は、電子輸送層であることが好ましい。さらに、亜鉛、チタン、アルミニウム、およびタングステンからなる群から選択される金属の酸化物層であることが好ましい。この酸化物層は、2種類以上の金属を含む複合酸化物層であってもよい。これらはライトソーキング効果により電気伝導性が向上するため、活性層で発生する電力を効率的に取り出すことが可能となるからである。この層を活性層の第二の電極側に配置することで、前記バリア層と第二のバッファー層を通過した光、特にUV光でライトソーキングが可能になる。また、基板にポリマー基板のようにUV光を遮断するようの材料が使われた場合であっても、第二の電極側からライトソーキングできる特徴を有する。長期間電気伝導性を維持できる場合、ライトソーキング後に非透過性、または低透過性の材料で隠蔽しても問題ない。
なお、第二のバッファー層は、図2に示されるように複数の層が積層された構造であることが好ましい。このような場合、バリア層に隣接する層が、前記の金属の酸化物層であることが好ましい。そのような構造とすることで、バリア層をスパッタリングにより形成させる場合には、活性層や活性層に隣接する第二のバッファー層がスパッタによるダメージを受けにくくなる。
また、第二のバッファー層は、空隙を含む構造を有することが好ましい。より具体的には、ナノ粒子の堆積体からなり、そのナノ粒子の間に空隙を有する構造、ナノ粒子の結合体からなり、結合されたナノ粒子の間に空隙を有する構造などを有するバッファー層が好ましい。バリア層は他の層から浸透してくる物質による第二の電極の腐食を抑制するため、第二の電極と第二のバッファー層との間に設けられる。一方でペロブスカイト層を構成する材料は高温時には蒸気圧が高い傾向にある。このため、ペロブスカイト層にハロゲンガス、ハロゲン化水素ガス、メチルアンモニウムガスが発生しやすい。これらのガスがバリア層によって閉じ込められると、素子が内圧上昇により内部からダメージを受ける可能性がある。このような場合、特に層界面の剥離が起こりやすくなる。このため、第二のバッファー層が空隙を含むことによって内圧上昇が緩和され、高い耐久性を提供することが可能になる。
(バリア層)
実施形態に用いることができる光電池セルは、活性層と第二の電極との間にバリア層をさらに具備していることが好ましい。このバリア層は、光透過性である金属酸化物からなることが好ましい。
このバリア層により、第二の電極、すなわち金属層は構造的に活性層と隔絶される。この結果、第二の電極が、他の層から浸透してくる物質により腐食されにくくなる。特に活性層がペロブスカイト半導体である場合、活性層からヨウ素や臭素などのハロゲンイオンが素子内部に拡散して、金属電極に到達した成分が腐食の原因となることが知られている。バリア層は、このような物質の拡散を効率的に遮断することができると考えられる。光電池セルが第二のバッファー層を具備する場合には、第二のバッファー層と第二の電極との間にバリア層を設けることが好ましい。このような層構成にすることで、第二のバッファー層から放出される物質の拡散も遮断することができるからである。
バリア層はインジウム・スズ・オキサイド(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)を含むことが好ましい。また、バリア層の厚みは5〜100nmが好ましく、10〜70nmであることがより好ましい。このような構造とすると、第二の電極側から光りを照射した場合、光が活性層や第二バッファー層まで透過するので、特にUV光を第二の電極側から照射することでライトソーキング効果により、電気伝導性を向上させ、活性層で発電した電力を効率的に取り出すことも可能になる。
なお、バリア層の材料は、一般的に電極に用いられる金属酸化物と同様のものを用いることができるが、バリア層の性質は、電極に利用される一般的な金属酸化物層とは異なることが好ましい。すなわち、バリア層は単純に構成する材料のみによって特徴付けられるものではなく、その結晶性または酸素含有率にも特徴を有している。定性的には、その結晶性または酸素含有率は、一般的に電極として利用される、スパッタリングにより形成される金属酸化物層よりも低い。具体的には、バリア層の酸素含有率は、62.1〜62.3原子%であることが好ましい。また、この酸素含有率はバッファー層に用いられる金属酸化物層よりも高い。一般に、金属酸化物層をバッファー層として利用する場合、そのバッファー層の形成時に隣接する活性層に対してダメージを与えないように、塗布法が採用される。この場合、形成される金属酸化物層の緻密性は低く、例えばその密度は1.2〜5となるが、実施形態におけるバリア層の密度は7以上となる。実施形態の構成ではバリア層が受光面と反対側に位置する場合、光触媒作用を有する金属酸化物であっても、活性層やバッファー層が分解される心配がない。なお、ここで受光面とは、素子が主に光を受ける面をいう。
バリア層が劣化の原因となる物質の拡散抑制の機能を発揮しているかは、耐久性試験後の断面方向の元素分布を分析することで確認することができる。この目的のために、例えば飛行時間型二次イオン質量分析法(以下、TOF−SIMS法という)等が利用できる。TOF−SIMS法によって実施形態による素子を分析すると、第2の電極側の表面からの距離(深さ)に対する、各種元素の分布が測定できる。バリア層がない素子においては、例えばヨウ素などの劣化物質が、相対的に自由に拡散できるが、バリア層がある素子においては、劣化物質の拡散がバリア層によって遮蔽される。実施形態による素子においては、劣化物質が例えば活性層から拡散する場合、バリア層によって劣化物質が第2の電極に到達することが抑制される。したがって、実施形態による素子をTOF−SIMSによって分析した場合、そのチャートでは典型的には、バリア層に対応する材料、例えば酸化インジウム、のピーク位置を挟むように、劣化物質のピークが2つもしくはそれ以上に分かれて検出される。このうち、バリア層の第2電極側に観察されるピークは、バリア層で遮蔽しきれなかった、劣化物質のピークである。したがって、バリア層が劣化物質の拡散抑制の機能を発揮している場合、第2の電極側のピーク面積が、それ以外のピークの総面積よりも小さくなり、完全に遮蔽できた場合には、第2の電極側のピークは確認することができなくなる。したがって、第2の電極側の劣化物質のピークは小さいことが好ましい。ただし、バリア層で大部分の劣化物質が遮蔽されれば、耐久性は大きく改善される。つまり、バリア層を通過した劣化物質がわずかであれば、第2の電極の極く一部が劣化したとしても、第2の電極の電気抵抗等の特性が大きく変化しないため、光電池の変換効率には大きな変化が現れない。一方、バリア層がない場合、第2の電極が劣化物質によって著しく劣化して、光電池の変換効率が著しく低下することがある。具体的には、第2の電極側の劣化物質のピーク面積は、それ以外の劣化物質に対応するピークの総面積に対して0.007になることが好ましく、ほとんどゼロになることが好ましい。
このようなバリア層は、特定条件下にスパッタリングによって形成させることができる(詳細後述)。
アルミニウムや銀を含む第二の電極をバリア層と組み合わせて用いることにより、電極材料として光電池セルの耐久性を改善するために一般的に利用される金を用いる必要がなくなる。金電極のコストはおおよそ15,000円/mであるのに対して、ITO、アルミニウム、および銀のコストは、それぞれ100〜1000円/m、約1円/m、約200円/mである。つまり安価に耐久性を有する光電池を提供することが可能になる。
(下地層)
実施形態に用いられる光電池セルは、第一または第二のバッファー層と活性層との間に、第一または第二のバッファー層の代わりに、下地層を含んでいてもよい。
下地層は、低分子化合物からなることが好ましい。ここでいう低分子化合物とは、数平均分子量Mnと質量平均分子量Mwが一致するものであり1万以下である。例えば有機硫黄分子、有機セレン・テルル分子、ニトリル化合物、モノアルキルシラン、カルボン酸、ホスホン酸、リン酸エステル、有機シラン分子、不飽和炭化水素、アルコール、アルデヒド、臭化アルキル、ジアゾ化合物、ヨウ化アルキル等の低分子化合物を含むものが用いられる。例えば4−フルオロ安息香酸(FBA)が好ましい。
このような下地層により、ダイポールによる真空準位シフトを利用してペロブスカイト層から電極へのキャリアの収集効率を向上させたり、ペロブスカイト層の結晶性の改善、ペロブスカイト層のピンホール生成の抑制効果、受光面側の光透過量の増加などの効果が得られる。これにより電流密度の増加、フィルファクターの改善の効果があり、光電変換効率や発光効率を改良することができる。特に酸化チタンと酸化アルミニウム以外の格子不整合の大きな結晶系のバッファー層や電極上にペロブスカイト構造を形成させる際に、下地層を設けることにより、下地層自体が応力緩和層となったり、下地層に近接したペロブスカイト構造の一部に応力緩和の機能をもたせることができる。下地層によってペロブスカイト層の結晶性の改善だけでなく、結晶成長に伴う内部応力を緩和し、ピンホールの生成抑制や、良好な界面接合の形成を実現できる。
以上、実施形態に用いることができる光電池セルの構造について説明した。ここで、例えばペロブスカイト半導体を含む活性層は発光層としても機能しえる。このため、実施形態による、光電池セルを有する光電池は、光電変換素子だけでなく発光素子としても機能する。
なお、実施形態において、光電池モジュールは複数の光電池セルを含む。この複数の光電池セルは、それぞれの電極を介して相互に直列に結合される。そして、その光電池セルの集合体から電力を取り出すための外部接続端子122が結合される。実施形態においては、この外部接続端子の導出方向に特徴がある。すなわち、光電池セルは基板上に配置され、好ましくは基板に略平行な方向に並列に配置される。そして、外部接続端子は基板に略平行な方向に導出される。このような構造とすることで、光電池の上面からみたときに、後述する蓄電モジュールから導出される外部接続端子と重ならない構造とすることができる。その結果、複雑なワイヤボンディングやビアホールなどの複雑な立体構造の形成が不要となり、また上下に貫通するホール構造を形成させるときに、短絡の原因となる欠陥の発生を抑制することができる。なお、実施形態において略平行とは、完全な平行ではないが、実質的に平行と考えられる構造を意味する。例えば、2つの平面が10度程度の角度をなす場合には、略平行であるという。
<光電池セルの製造方法>
光電池セルは一般的な光電池と同様の方法で製造することができる。基板、第一の電極、第二の電極、活性層、必要に応じて形成させるバッファー層については、材料や製造方法に制限は無い。化合物半導体材、酸化物半導体、有機半導体、ペロブスカイト結晶材料のいずれか一つが少なくとも含まれる。以下に実施形態における光電池セルの製造方法について説明する。
まず、基材上に第一の電極を形成させる。電極は任意の方法で形成させることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等から選択される方法が用いられる。
次に、必要に応じてバッファー層または下地層を形成させる。バッファー層も真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等から選択される方法で形成させることができる。下地層(詳細後述)は、通常、塗布法により形成される。
次に、電極上に直接、または電極上に、バッファー層または下地層を介して、活性層を形成させる。
実施形態による方法において、活性層は任意の方法により形成させることができる。ただし、活性層を塗布法で形成させることはコストの観点から有利である。例えば、ペロブスカイト半導体を含む活性層は塗布法によって形成させることができるので好ましい。すなわち、ペロブスカイト構造の前駆体化合物と前記前駆体化合物を溶解し得る有機溶媒とを含む塗布液を、第一の電極または第一のバッファー層の上に塗布して塗膜を形成させる。
塗布液に用いられる溶媒は、例えばN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、γ−ブチロラクトン、ジメチルスルホキシド(DMSO)などが用いられる。溶媒は材料を溶解できるものであれば制約されず、混合してもよい。塗布液は、ペロブスカイト構造を形成する複数の原材料を1つの溶液に溶かしたものでもよい。また、ペロブスカイト構造を形成する複数の原材料を個々に溶液に調整して順次、スピンコーター、スリットコーター、バーコーター、ディップコーターなどで塗布してもかまわない。
塗布液は添加剤をさらに含んでいても良い。このような添加剤としては、1,8−diiodooctane (DIO)、N−cyclohexyl−2−pyrrolid
one(CHP)が好ましい。
なお、一般的に素子構造にメソポーラス構造体が含まれる場合、活性層にピンホール、亀裂、ボイドなどが発生しても、電極間の漏れ電流が抑えられることが知られている。素子構造がメソポーラス構造を有しない場合には、そのような効果が得られにくい。しかし、実施形態において塗布液にペロブスカイト構造の複数の原料が含まれる場合、活性層形成時の体積収縮が少ないため、よりピンホール、亀裂、ボイドが少ない膜が得られやすい。さらに、塗布液の塗布後に、ヨウ化メチルアンモニウム(MAI)、金属ハロゲン化合物等を含む溶液を塗布すると、未反応の金属ハロゲン化合物との反応が進み、さらにピンホール、亀裂、ボイドが少ない膜が得られやすい。したがって、塗布液の塗布後に、活性層の表面にMAIを含む溶液を塗布することが好ましい。
ペロブスカイト構造の前駆体を含む塗布液を2回以上塗布してもよい。このような場合には、最初の塗布で形成される活性層は格子不整合層となりやすいので比較的薄い厚さとなる様に塗布されることが好ましい。2回目以降の塗布の条件は、具体的には、スピンコーターの回転数が相対的に早い、スリットコーターやバーコーターのスリット幅が相対的に狭い、ディップコーターの引き上げ速度が相対的に速い、塗布溶液中の溶質濃度が相対的に薄い等の膜厚を薄くするような条件であることが好ましい。
ペロブスカイト構造形成反応の完了後、溶媒を乾燥させるためにアニールを行うことが好ましい。このアニールはペロブスカイト層に含まれる溶媒を取り除くために行われるため、バッファー層の形成前に行うことが好ましい。アニール温度は50℃以上、さらに好ましくは90℃以上であること、上限は200℃以下、さらに好ましくは150℃以下で実施される。アニール温度が低いと溶媒が十分に除去できない問題があり、アニール温度が高過ぎると、ペロブスカイト層表面が荒れて、平滑面が得られなくなる問題がある。
活性層を形成するのに先だって、第一または第二のバッファー層に加えて、またはそれらの代わりに、下地層を形成させておくことができる。
下地層は、前記した様な低分子化合物を含む溶液を塗布し、乾燥することにより形成させることができる。
バリア層を形成させる場合には、スパッタリング、真空蒸着、物理的気相法(PVD)、化学的気相法(CVD)、塗布、スピンコート、スプレーなどを用いることができる。しかし、いずれの方法においても光電変換層やバッファー層にダメージを与える可能性がある。ダメージを受けた場合、完成した光電変換素子において、変換効率が低下、または、不安定になることがある。ダメージの原因としては、酸素、熱、UV、劣化原因物質(イオン、化合物、ガス等)等が揚げられ、優れた特性の半導体素子を得るためにはこれらを排除することが重要となる。
実施形態において、バリア層の形成はスパッタリングにより行うことが好ましい。そしてスパッタリングの場合、
(1)ターゲットから反射したアルゴン等の入射イオンによる逆スパッタ、
(2)放電現象に伴い発生するγ電子の入射、
(3)反応ガスとして導入した酸素から放射される紫外線の入射、
(4)反応ガスから発生した酸素ラジカル等のラジカル種との反応、
が主要なダメージ原因となりうる。(1)と(2)に関しては、投入する電力量を必要最小限とすることで抑制できる。具体的には、投入する電力量を1200W以下とすることが好ましい。さらに好ましくはDC電源で200〜300Wとすることが好ましい。特に電圧400V、電流0.6Aのように、電流量を小さく、具体的には1A未満に設定すると良い。酸素のような反応ガスが少なくい分、ターゲットからの酸素供給を増やすことができる。
また、マグネトロンスパッタや対向ターゲットのように、磁力線でγ電子の閉じ込めを行って、γ線によるダメージを抑制することが可能である。(3)および(4)については反応ガスを使用しない、または反応ガスの量を少なくすることで抑制可能である。この結果得られるバリア層は、反応ガスが少ないため、元素比率において酸素含有率が少ない特徴を有する。具体的には、バリア層中に含まれる酸素含有率が62.1〜62.3原子%であることが好ましい。このような酸素含有率は、光受光面側に電極として用いられる金属酸化膜より少ない。したがって、第一の電極としてITOを用いた場合、第一の電極の元素比率における酸素比よりもバリア層の酸素比が少なくなる。酸素比が少なくなることで電気抵抗と透過率は悪化する傾向にあるため、バリア層の膜厚は薄いことが好ましい。その膜厚は100nm以下、さらに好ましくは10〜50nmである。膜厚が厚くなるほど成膜時間が長くなり、単位面積当たりの成膜コストが上昇するので、薄膜を用いることができることは、安価な耐久性素子を提供する上で有利である。
<蓄電モジュール>
実施形態における蓄電モジュールは、複数の蓄電セルが電気的に、直列または並列に接続されたものである。蓄電セルは特に限定されず、正極、負極、および電解液を具備し、酸化還元反応を利用したものが一般的に用いられる。以下に実施形態に用いることができる蓄電セルについて説明する。
(負極)
負極は、一般的に、負極集電体と、負極集電体の片面もしくは両面に担持され、負極活物質、導電剤および結着剤を含む負極活物質含有層とを含む。
負極集電体には、例えばアルミニウムを含む負極集電体をもちいることができる。アルミニウムは例えば、アルミニウム箔、またはアルミニウム合金箔の形態で含まれている。アルミニウムの純度は、9〜100質量%(純アルミニウム)以下にすることができる。より好ましいアルミニウム純度は98.0〜99.95質量%の範囲である。アルミニウム合金を構成するアルミニウム以外の金属の例には、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン及びケイ素よりなる群から選択される1種類以上の元素が含まれる。例えば、Al−Fe合金、Al−Mn系合金およびAl−Mg系合金は、アルミニウムよりさらに高い強度を得ることが可能である。一方、アルミニウムおよびアルミニウム合金中のニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は、100質量ppm以下(0質量ppmを含む)にすることが好ましい。例えば、Al−Cu系合金は、強度は高まるが、耐食性は低下する。
負極活物質含有層内の電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤として、炭素材料を用いることができる。炭素材料の例には、アセチレンブラック、カーボンブラック、コークス、炭素繊維、黒鉛等を挙げることができる。
活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジェンゴム、ポリアクリル酸などが挙げられる。
負極は、負極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を負極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。負極製造時のプレス圧力は、0.1ton/mm〜0.2ton/mmの範囲が好ましい。この範囲であると、二次粒子の解砕が抑制され、かつ負極集電体の伸び率が10%以下となり好ましい。
(正極)
この正極は、正極集電体と、正極集電体の片面もしくは両面に担持され、正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極活物質含有層とを含む。
正極活物質は、不対電子を有する化合物または、ジスルフィド化合物のいずれか1つが少なくとも含まれることが好ましいが、特に制約を受けるものではない。
Alを含む正極集電体の例には、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔が含まれる。アルミニウムの純度は、99質量%以上100質量%(純アルミニウム)以下の範囲にすることができる。アルミニウム合金としては、アルミニウムの他に、鉄、マグネシウム、亜鉛、マンガン及びケイ素よりなる群から選択される1種類以上の元素を含む合金が好ましい。例えば、Al−Fe合金、Al−Mn系合金およびAl−Mg系合金は、アルミニウムよりさらに高い強度を得ることが可能である。一方、アルミニウムおよびアルミニウム合金中のニッケル、クロムなどの遷移金属の含有量は100質量ppm以下(0質量ppmを含む)にすることが好ましい。例えば、Al−Cu系合金は、強度は高まるが、耐食性は低下する。より好ましいアルミニウム純度は99.0〜99.99質量%の範囲である。この範囲であると不純物元素の溶解による高温サイクル寿命劣化を軽減することができる。電体と正極活物質含有層間の電子抵抗が大きくなる。この範囲より小さいと、正極集電体
の電極抵抗が大きくなる。
電子伝導性を高め、集電体との接触抵抗を抑えるための導電剤としては、例えば、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができる。
活物質と導電剤を結着させるための結着剤としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴムなどが挙げられる。
正極は、例えば、正極活物質、導電剤及び結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁物を正極集電体に塗布し、乾燥し、プレスを施すことにより作製される。プレス圧力は、0.15ton/mm〜0.3ton/mmの範囲が好ましい。この範囲であると、正極活物質含有層と正極集電体との密着性(剥離強度)を高めることができ、かつ正極集電体の伸び率を20%以下にすることができる。
(非水電解質)
非水電解質の例には、電解質を有機溶媒に溶解することにより調製される液状非水電解質、液状電解質と高分子材料を複合化したゲル状非水電解質、またはリチウム塩電解質と高分子材料を複合化した固体非水電解質が含まれる。また、リチウムイオンを含有した常温溶融塩(イオン性融体)を非水電解質として使用してもよい。
液状非水電解質は、例えば、電解質を0.5〜2mol/Lの濃度で有機溶媒に溶解す
ることにより調製される。
電解質の例には、例えば、LiBF、LiPF、LiAsF、LiClO、LiCFSO、LiN(FSO、LiN(CFSO、LiN(CSO、Li(CFSOC、LiB[(OCO)などが含まれる。使用する電解質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
有機溶媒の例には、例えば、プロピレンカーボネート(PC)やエチレンカーボネート(EC)などの環状カーボネート、ジエチルカーボネート(DEC)やジメチルカーボネート(DMC)あるいはメチルエチルカーボネート(MEC)などの鎖状カーボネート、ジメトキシエタン(DME)やジエトキシエタン(DEE)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジオキソラン(DOX)などの環状エーテル、γ−ブチロラクトン(GBL)、α−メチル−γ−ブチルラクトン(MGBL)、アセトニトリル(AN)、スルホラン(SL)などを挙げることができる。これらの有機溶媒は、単独または2種以上の混合物の形態で用いることができる。
より好ましい電解質として、LiPF、LiBF、LiN(FSOまたはLiB[(OCO)が挙げられる。より好ましい有機溶媒として、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、γ−ブチロラクトン(GBL)又はα−メチル−γ−ブチルラクトン(MGBL)の単独または2種以上の混合物が挙げられる。
ポリマーの例には、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(PEO)等が含まれる。ポリマーと液状非水電解質を含むポリマーゲル電解質からなることが好ましい。ポリマーゲル電解質は、イオン電導度が液状非水電解質よりも低い。しかし、30度以上になると、液状非水電解質と同等の性能になる。この特性は、太陽光による発電層と、ポリマーゲル電解質を含む蓄電層が一体となるデバイスの場合には好ましい材料である。発電層は太陽の熱で30度以上に温まるので、この熱を蓄電層に伝達して、ポリマーゲル電解質を温めることができる。また、ポリマーゲル電解質は、液状非水電解質に比べて可燃性が低くなるため、引火の危険性が低い利点が得られる。
また、常温溶融塩(イオン性融体)は、リチウムイオン、有機物カチオンおよび有機物アニオンを含むことが好ましい。また、常温溶融塩は、100℃以下、好ましくは室温以下で液体状であることが望ましい。
(外装部材)
外装部材は容器として機能するものである。その例には、ラミネートフィルム製容器、金属製容器が含まれる。容器の形状は非水電解質電池の形態に応じたものにする。非水電解質電池の形態としては、扁平型、角型、円筒型、コイン型、ボタン型、シート型、積層型、電気自動車等に積載される大型電池等が挙げられる。
容器を構成するラミネートフィルムの厚さは0.5mm以下にすることが望ましく、より好ましい範囲は0.2mm以下である。また、ラミネートフィルムの厚さの下限値は、0.01mmにすることが望ましい。
一方、金属製容器の板厚のより好ましい範囲は、0.5mm以下である。また、金属製容器の板厚の下限値は、0.05mmにすることが望ましい。
ラミネートフィルムの例には、例えば、金属層と金属層を被覆する樹脂層とを含む多層フィルムを挙げることができる。軽量化のために、金属層はアルミニウム箔もしくはアルミニウム合金箔であることが好ましい。樹脂層は、金属層を補強するか、絶縁のために設けられる。樹脂層は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子から形成することができる。
ラミネートフィルム製容器は、例えば、ラミネートフィルムを熱融着により貼り合わせることで得られる。
金属製容器は、アルミニウムまたはアルミニウム合金から形成されていることが望ましい。アルミニウム合金製容器は、強度が高いため、容器の肉厚を薄くしても十分な機械的強度を確保することができる。これにより、容器の放熱性を向上させることができるため、電池温度の上昇を抑制することができる。また、エネルギー密度の向上により電池の軽量化および小型化も可能となる。これらの特徴は、高温条件、高エネルギー密度等が求められる電池、例えば、車載用二次電池に好適である。アルミニウム合金としては、マグネシウム、亜鉛及びケイ素よりなる群から選択される1種以上の元素を含む合金が好ましい。一方、アルミニウム及びアルミニウム合金は、それぞれ、鉄、銅、ニッケル又はクロムなどの遷移金属の含有量を100質量ppm以下にすることが好ましい。
金属製容器の封口は、レーザーにより行うことができる。このため、ラミネートフィルム製容器に比べて封止部の体積を少なくすることができ、エネルギー密度を向上することができる。
(セパレータ)
前記非水電解質電池は、正極及び負極の間に配置されるセパレータをさらに備えることができる。
セパレータの例には、例えば、セルロース製不織布、合成樹脂製不織布、ポリエチレン多孔質フィルム、ポリプロピレン多孔質フィルムなどが含まれる。セパレータの厚さは、5〜30μmの範囲にすることができる。
以上、実施形態に用いることができる蓄電セルの構造について説明した。実施形態において、蓄電モジュールは、このような蓄電セルを複数含む。この複数の蓄電セルは、それぞれの電極を介して相互に直列または並列に結合されるが、一般に並列に結合されることが好ましい。そして、その蓄電セルの集合体に電力を導入し、また蓄電セルの集合体から電力を取り出すための外部接続端子133が結合される。実施形態においては、この外部接続端子の導出方向に特徴がある。すなわち、外部接続端子133は基板に略平行な方向で、かつ光電池モジュールから導出される外部接続端子122とは異なる方向に導出される。
<蓄電型光電池の構造>
一般に、製造の容易性や、形成される電子素子の形状の制限から、光電池は多角形、特に矩形に形成されることが多く、実施形態においても光電池の平面形状は矩形であることが好ましい。このため、光電池モジュールおよび蓄電モジュールも矩形に形成されることが好ましい。そして、光電池モジュールおよび蓄電モジュールの外部接続端子を異なる方向に導出されるように組み合わせることが好ましい。具体的には、図1に示された通り、基板に垂直な方向から見た場合に、光電池モジュールおよび蓄電モジュールの辺が略平行になるように配置され、光電池モジュールから導出される外部端子122と、前記蓄電モジュールから導出される外部端子133とが、基板に垂直な方向、例えば上面から見た場合に異なる辺より導出されているように配置されることが好ましい。
実施形態による蓄電型光電池は、光電池モジュールと蓄電モジュールの間に、絶縁層をさらに具備することが好ましい。絶縁層の材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)などの高分子が挙げられる。絶縁層の厚さは特に限定されないが、一般に10〜1000μmの範囲で選択される。
図3に絶縁層を具備する蓄電型光電池の模式断面図を示す。この蓄電型光電池は、基板110の上に光電池モジュール120、絶縁層300、および蓄電モジュール130を具備している。図3において、光電池モジュールおよび蓄電モジュールについては、電極以外の構造は省略されている。
絶縁層300は、光電池モジュールと蓄電モジュールの間に設けられるが、さらにその外周にまで延伸し、光電池モジュールの外縁部も被覆することが好ましい。図3において、光電池モジュールは、蓄電モジュールとの間だけでなく、外縁部まで絶縁層に被覆され、封止されている構造となっている。そして、その上に積層された蓄電モジュールの電極から導出された外部接続端子133は、その外縁部を超えて導出されている。図3においては、外部接続端子133は、さらに絶縁層の側面を経て基板110条に伸びている。このような構造を採用すると、蓄電モジュールの外部接続端子133の直下には光電池モジュールが存在しない。この結果、蓄電モジュールの外部接続端子133に結線のための加工等をする際に、その直下には光電池の部材が無いので損傷を受けにくく、その結果短絡などを生じにくくなる。したがって、高い生産効率で蓄電型光電池を製造することが可能となる。
<<システム>>
実施形態による光電池システムは、光電池と蓄電池とを組み合わせて、光電池での発電と蓄電池による充放電との効率を高めることができるものである。この光電池システムには、前記した蓄電型光電池を組み合わせることで効率的な電力供給および蓄電が可能となる。ここでは、蓄電型光電池を組み合わせた場合について説明する。
まず、実施形態による蓄電型光電池を充放電を可能とするための回路を図4を参照しながら説明する。実施形態による電池は、図1に示した通り、光電池モジュール120と蓄電モジュール130とが積層されている。光電池モジュールは外部接続端子122Aおよび122Bを具備し、蓄電モジュールは外部接続端子133Aと133Bを具備する。図4において、光電池モジュールの外部接続端子122Aと蓄電モジュールの外部接続端子133Bはリード401で接続されている。
この蓄電型光電池を効率よく運用するためには、図4に示すように結線することが好ましい。光電モジュールの外部接続端子122Aおよび122Bにはリード402および404が接続され、蓄電モジュールの外部接続端子133Aにはリード403が接続されている。そして、リード402と404はスイッチ411により、リード402と403はスイッチ412により、リード403と404はスイッチ413によって接続および切断できるように結線されている。また、リード402上には、この蓄電型光電池によって駆動される負荷420が接続される。
そして、スイッチ411は光電モジュールにより負荷420を直接駆動する時に接続する。スイッチ412は蓄電モジュールによって負荷420を駆動するときに接続する。また、スイッチ413は光電モジュールで発電した電力を蓄電モジュールに蓄電するときに接続される。
これらのスイッチは、いずれかひとつが接続される場合だけで無く、発電量、負荷による電力使用量などを考慮して、複数のスイッチを同時に接続することもできる。言い換えれば、これらの組み合わせによって、接続回路の組み合わせだけによって蓄電型光電池の出力を変更することができる。
さらには、光電池モジュールや蓄電モジュールを直列または並列に接続し、その間のスイッチを適切に設けることで、さらに出力の調整範囲を広くすることができる。
図5は、実施形態による蓄電型光電池を接続した、光電池システムの回路図の例である。ここでは回路図中の光電池セルおよび蓄電セルは、単一の蓄電型光電池に組み込まれた場合のシステムを説明しているが、それらはそれぞれ独立したセルであってもよい。
この回路には、複数の光電池セルおよび複数の蓄電セルが含まれており、それらが、直列、並列、または直列および並列に、電気的に接続されている。そして、さらに複数のスイッチ素子が接続され、光電池セルおよび蓄電セルの電気的な接続を変更するためのスイッチ素子を有し、光電池セル及び/又は蓄電セルからの負荷への出力、あるいは光電池セルから蓄電セルへの蓄電に応じて、それらのスイッチ素子を制御することができる。実施形態においては、そのようなスイッチ素子の制御部をさらに組み合わせることができる。制御部は、光電池システムの運用状況に応じて、回路の接続を変更し、蓄電セルに印加される電圧などを適切に制御ずるものである。
例えば図5においては、3組の光電モジュールと蓄電モジュールの組み合わせが示されている。これらの各組み合わせは実施形態による蓄電型光電池100と考えることができる。そして、これらの回路図には、ダイオード501や負荷420も示されている。図5において、スイッチ素子群511は光電池モジュールと蓄電モジュールの切替を行うものであり、スイッチ素子群512は光電池モジュールからの電力の配分先を蓄電モジュールにするか負荷にするかの切替を行うものである。
このようなシステムとすることで、インバーターを介さずに、複数の発電セルを直列接続した回路を、蓄電池に直接接続して蓄電することで、インバーター由来の電気的ロスを回避できる効果がある。
そして、図6における光電池システムにおいては、図5に示されたシステムに対して、さらに蓄電モジュールの直列と並列とを切り替えるスイッチ群513を備えている。このようなシステムとすることで複数の蓄電モジュールが充電される際に、それぞれの蓄電モジュールまたは蓄電セルに印加される電圧を所定範囲とすることが容易になる。電気エネルギーは、負荷420に給電することができる。
このように制御部が、前記蓄電セルが充電される際に、複数の前記蓄電セルに印加される電圧を所定の充電電圧の範囲とするための制御を行うことが好ましい。このような制御は、具体的には、
(i)前記蓄電セル間の電気的接続を分割すること、および
(ii)前記光電池の接続を直列または並列に切り替えること
を行うことである。すなわち、制御部は、蓄電セルに印加される電圧が過大である場合には、蓄電セルを並列接続にし、電圧が過小である場合には光電池を直接接続にすることができることが好ましい。
これらのシステムに対してインバーターを組み合わせることもできる。この場合には、インバーターが最もエネルギーロスが少ない電圧に組み合わせることで、インバーターによる電気的ロスを最小限に抑える駆動条件に合わせることができる。インバーターを介した電力は送電網に逆潮流するときに最も適している。
インバーターを組み合わせた場合の回路の一例を図7に示した。図7の回路は、図5に示した回路に対してインバーター回路701を組み合わせたものである。インバーターのエネルギー変換効率は一定ではなく、入力電力条件によって変化するのが一般的である。したがって、インバーターの入力側に実施形態による光電池システムを組み合わせることは、インバーターの特性に起因する電気的ロスを最小限に抑えることができるので好ましい。
[実施例]
図8(A)〜(F)に、実施形態による蓄電型光電池の製造過程を示した。光透過性基板110には、四辺に位置する4か所に端子801が設けられる(図8(A))。発電層は、光透過性基板の中央に塗布で形成される。この発電層は複数の光電池セル121が電気的に直列接続されている構造を有している。発電セルは、後述する蓄電モジュールの充電に必要な電圧が出力できるように、直列接続するセルの数を調整することが好ましい。
光電池セルから構成される光電池モジュールの正極と負極に、それぞれ外部接続端子122Aおよび122Bが接続され、基板と略平行な方向に導出される。この外部接続端子は4か所の端子の内の2か所に接続される(図8(B))。なお、外部接続端子は、電極と一体成形されてもよい。
次に発電層のセルは、塗布法で形成される絶縁層300で被覆される(図8(C))。絶縁層は、光電池モジュールの上面だけでなく、外縁部も被覆するように形成させることで、短絡などの素子の欠陥を防ぐことができる。
次に、絶縁層300の上に蓄電セルの片方の電極132Aが塗布法で形成され、それに接続する外部接続端子133Aが、端子の内、光電池モジュールに接続されていないものに接続される(図8(D))。
次いで、電極132A上に非水電解液層802が形成される(図8(E))。さらにその上に蓄電セル(蓄電モジュール)の対向電極132Bが貼り付けられる。この電極に外部接続端子133Bが結合され基板と略平行な方向に導出され、未接続の端子に接続される(図8(F))。なお、蓄電モジュールにおいても、外部接続端子は、蓄電セル(蓄電モジュール)の電極と一体成形されてもよい。
このように製造された蓄電型光電池は、基板の一方向の面に発電層と蓄電層が配置できるので、光透過性の基板を使い、効率良く、光を発電層に取り入れることができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施し得るものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
100…蓄電型光電池
110…光透過性基板
120…光電池モジュール、
122…光電池モジュールの外部接続端子、
130…蓄電モジュール
133…蓄電モジュールの外部接続端子
211、216…電極
212、214…バッファー層
215…バリア層
213…活性層
217…光透過性基板
300…絶縁層、
401、402、403…リード
411、412、413…スイッチ

Claims (10)

  1. 光透過性基板と、
    複数の光電池セルが前記基板上に配置され、かつ電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する光電池モジュールと、
    複数の蓄電セルが電気的に接続された構造を有し、前記基板に略平行な方向に導出された外部接続端子を具備する蓄電モジュールと
    が積層された構造を有する蓄電型光電池であって、
    前記光電池モジュールの外部接続端子と前記蓄電モジュールの外部接続端子とが異なる方向に導出され、前記光電池モジュールと前記蓄電モジュールとが電気的に接続されている蓄電型光電池。
  2. 前記光電池モジュールと前記蓄電モジュールの間に、絶縁層をさらに具備する、請求項1に記載の蓄電型光電池。
  3. 前記光電池モジュールおよび前記蓄電モジュールはそれぞれ平面形状が矩形であって、前記基板に垂直な方向から見た場合に、それぞれの辺が略平行になるように配置され、前記光電池モジュールから導出される外部端子と、前記蓄電モジュールから導出される外部端子とが、前記基板に垂直な方向から見た場合に異なる辺より導出されている、請求項1または2に記載の蓄電型光電池。
  4. 前記絶縁層により、前記光電池モジュールの外部端子が導出されていない辺の外縁部が、さらに被覆され、前記蓄電モジュールの外部接続端子が、前記外縁部を被覆する絶縁層を超えて導出されている、請求項3に記載の蓄電型光電池。
  5. 前記光電池セルが、化合物半導体材、酸化物半導体、有機半導体、およびペロブスカイト結晶材料からなる群から選ばれる剤用を含む発電層を具備した、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電型光電池。
  6. 前記蓄電セルがポリマーゲル電解質を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の蓄電型光電池。
  7. 前記蓄電セルが、不対電子を有する正極活物質またはジスルフィド化合物を含む正極活物質を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の蓄電型光電池。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の蓄電型光電池と、
    前記蓄電型光電池に含まれる前記光電池セルおよび蓄電セルの電気的な接続を変更するためのスイッチ素子と
    を有し、前記光電池セル及び/又は前記蓄電セルからの負荷への出力、あるいは前記光電池セルから前記蓄電セルへの出力に応じて、前記スイッチ素子を制御する、蓄電型光電池システム。
  9. 前記スイッチ素子を制御するための制御部をさらに具備する、請求項8に記載の蓄電型光電池システム。
  10. 前記制御部が、前記蓄電セルが充電される際に、複数の前記蓄電セルに印加される電圧を所定の充電電圧の範囲とするために、
    (i)前記蓄電セル間の電気的接続を分割すること、および
    (ii)前記光電池の接続を直列または並列に切り替えること
    を行う、請求項8または9に記載の蓄電型光電池システム。
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