JP2020046531A - 光導波路、光学式濃度測定装置、および製造方法 - Google Patents

光導波路、光学式濃度測定装置、および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部分毎に適した膜厚をコア層に有させながら、伝搬ロスの増大を抑制する。【解決手段】光導波路10は光を伝搬可能なコア層11を有する。コア層11は互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。コア層11の膜厚方向から見た外縁の膜厚は最大膜厚より薄い。【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路、光学式濃度測定装置、および製造方法に関する。
結晶などで形成された薄膜などの構造体の中を伝搬する光は、構造体を形成する材料の屈折率が、構造体の外部の材料の屈折率よりも大きい場合、構造体の外部との界面で全反射を繰り返しながら進行していく。構造体を伝搬する光は、この界面で全反射するとき、屈折率の小さい外部側に染出している。この染出しは、エバネッセント波(図28参照)と呼ばれている。エバネッセント波E2は、光Lが伝搬していく過程で構造体51に隣接している物質53により吸収されうる。このため、構造体51を伝搬している光Lの強度変化から、構造体51に接している物質53の検出や同定などが可能になる。上述したエバネッセント波E2の原理を利用した分析法は、全反射吸収分光法(ATR:Attenuated Total Reflection法)と呼ばれ、物質53の化学組成分析などに利用されている。伝搬させる光としては赤外線を用いることが一般的である。物質には特定の波長の赤外線を選択的に吸収する特性があるため、被測定物質の吸収スペクトルに合わせた赤外線を伝搬させることで、物質の分析やセンシングを行うことが出来る。
特許文献1には、ATR法をセンサに応用した光導波路型センサが提案されている。この光導波路型センサは、基板の上にコア層を形成して光を通し、エバネッセント波を利用してコア層に接する物質を検出するようになっている。
ATR法を利用したセンサでは、エバネッセント波と被測定物質を相互作用させる量を多くさせることによりセンサ感度を向上させることができる。エバネッセント波を増やすには、光が伝搬するコア層の膜厚を薄くすることが求められる。
一方、図28に示したように、ATR法を利用したセンサでは、光源(不図示)からの光Lを光導波路のコア層となる構造体51に導入する箇所と、構造体51から光検出器(不図示)に向けて取出す箇所が必要になる。そのため、光源と光導波路の間、光検出器と光導波路との間のそれぞれには、光Lの光軸を曲げるために回折格子(グレーティング)が設けられることが多い。その際、回折格子での光の損失が少ないほど、光検出器で検出される信号の強度が大きく取れてセンサとしては感度が上がる。
非特許文献1および特許文献2には、回折格子における光の取出し効率を向上させるための、回折格子の設計方針が開示されている。非特許文献1には、回折格子を構成するコア層の厚さを、コア層を構成する材料中での光の波長の1/2の整数倍にすることによって、回折格子における光の取出し効率を上げることが開示されている。このようにコア層の膜厚を設計することによって、コア層表面の凹凸によって直接上方に散乱される光の位相と、下方に散乱されてからコア層の裏面で反射されて戻ってくる光の位相とが揃うため、回折格子における光の取出し効率が向上する。また、特許文献2には、回折格子の溝の周期および溝の深さについて、最適値があることが開示されている。回折格子の溝の周期を導波路を伝搬する光の真空波長の0.4倍とし、溝の深さを導波路を伝搬する光の真空波長の0.097倍とすることにより、TEモードおよびTMモード共に最も効率良く光の取出しが行える。
特開2005−300212号公報 特開2011−43699号公報
R.M.Emmons and D.G.Hall,"Buried−Oxide Silicon−on−Insulatores II:Waveguide Grating Couplers", JOURNAL OF QUANTUM ELECTRONICS, Vol.28, NO.1, JULY 1992, pp. 164−175.
本発明の目的は、コア層が部分毎に適した膜厚を有しながら、伝搬ロスの増大を抑制し得る光導波路、光学式濃度測定装置、および光導波路の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の一態様による光導波路は、互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含み、膜厚方向から見た外縁の膜厚は最大膜厚より薄く、光を伝搬可能なコア層を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の他の態様による光導波路は、回折格子が形成された回折格子部を有し、光を伝搬可能なコア層を備え、前記回折格子部は互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含み、膜厚方向から見た該回折格子部の外縁の膜厚は当該回折格子部の最大膜厚より薄いことを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様による光学式濃度測定装置は、上記本発明の各態様のいずれかに記載の光導波路と、前記コア層に光を入射可能な光源と、前記コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、を備えることを特徴とする。
また、上記目的を達成するために、本発明の一態様による光導波路の製造方法は、エッチングによりコア層の膜厚方向から見た当該コア層の外縁を形成させるためのマスクを、膜厚方向から見た該マスクの外縁が前記コア層の最大膜厚の領域から外れるように、前記コア層に被せる工程を備えることを特徴とする。
本発明によれば、コア層が部分毎に適した膜厚を有しながら、伝搬ロスの増大を抑制し得る。
本発明の一実施形態による光導波路ならびに光学式濃度測定装置の概略構成と、光学式測定装置1を利用したATR法によるセンシングを示す図である。 膜厚の異なるコア層の膜厚方向から見た外縁をエッチングにより形成する際にコア層にノッチングが発生する原理を説明するための図である。 図1の光導波路のグレーティングカプラ付近の部分を基板の主面に対して光源側または光検出器側から見た平面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その1)である。 図4のSOI基板をA−A線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その2)である。 図6のSOI基板をB−B線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その3)である。 図8のSOI基板をC−C線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その4)である。 図10のSOI基板をD−D線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その5)である。 図12のSOI基板をE−E線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その6)である。 図14のSOI基板をF−F線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その7)である。 図16のSOI基板をG−G線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その8)である。 図18のSOI基板をH−H線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その9)である。 図20のSOI基板をI−I線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その10)である。 図22のSOI基板をJ−J線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その11)である。 図24のSOI基板をK−K線で切断した断面を示す断面図である。 図1の光導波路の製造方法を説明するためのSOI基板の一部の平面図(その12)である。 図26のSOI基板をL−L線で切断した断面を示す断面図である。 光導波路を伝搬する光のエバネッセント波を説明するための図である。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
<光導波路>
本発明の第1実施態様に係る光導波路は、光を伝搬可能なコア層を備えている。コア層は、互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。膜厚方向から見たコア層の外縁の膜厚は、コア層の最大膜厚より薄い。なお、コア層の外縁とは、膜厚方向から見た外縁を画定するコア層の端である。
本発明の第1実施態様に係る光導波路によれば、コア層が互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。これにより、第1実施態様に係る光導波路では、コア層の部分毎の機能に適した異なる膜厚を有し得る。
ただし、膜厚の異なる領域を含むコア層を有する光導波路では、均等な膜厚を有する構成に比べて、コア層の表面ラフネスが悪化することがある。表面ラフネスの悪化は、コア層の外縁の形成に際し、外縁の中で最大膜厚の部分も含めて形成できるようにエッチングを行うため、最大膜厚未満の領域においてはオーバーエッチによるノッチングにより引起こされると考えられる。
また、第1実施態様に係る光導波路では、膜厚方向から見たコア層の外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚より薄い。これにより、第1実施態様に係る光導波路によれば、コア層の外縁における膜厚の高低差が、コア層全体の膜厚の高低差未満となる。したがって、第1実施態様に係る光導波路によれば、コア層の異なる部分それぞれの膜厚が異なっていても、コア層の外縁における膜厚の高低差を低減し得る。その結果、第1実施態様に係る光導波路によれば、部分毎に膜厚を相違させたコア層の外縁の形成に際するオーバーエッチを低減し得るので、表面ラフネスの悪化が抑制される。表面ラフネスの悪化が抑制されるので、第1実施態様に係る光導波路は、表面ラフネスに影響される伝搬ロスを低減させ得る。なお、コア層の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよい。また、第1実施態様に係る光導波路においてより好ましくは、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚より薄い。また、第1実施態様に係る光導波路において最も好ましくは、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚よりも薄く、かつ均一である。
本発明の第2実施態様に係る光導波路は、光を伝搬可能なコア層を備えている。コア層は、回折格子が形成された回折格子部を有している。回折格子部において、コア層は互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。膜厚方向から見た回折格子部の外縁の膜厚は、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄い。なお、回折格子部の外縁とは、膜厚方向から見たコア層の外縁を画定するコア層の端のうち、回折格子部を確定するコア層の端である。
本発明の第2実施態様に係る光導波路によれば、コア層は回折格子が形成された回折格子部を有する。これにより、第2実施態様に係る光導波路は、回折格子を用いて光を入出力させ得る。
また、第2実施態様に係る光導波路によれば、回折格子部において、コア層が互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。これにより、第2実施態様に係る光導波路では、回折格子部において、コア層が部分毎の機能に適した異なる膜厚を有し得る。
また、第2実施態様に係る光導波路では、膜厚方向から見た回折格子部の外縁の膜厚が、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄い。これにより、第2実施態様に係る光導波路によれば、回折格子部内部の領域おけるコア層の膜厚が、回折格子部以外の領域におけるコア層の膜厚よりも厚く形成された構成においても、回折格子部の外縁の膜厚と、回折格子部以外の領域におけるコア層の外縁の膜厚との差が、コア層全体の膜厚の高低差未満となる。すなわち、回折格子部および他の領域の外縁における膜厚の高低差を低減し得る。なお、回折格子部の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよい。また、第2実施態様に係る光導波路においてより好ましくは、膜厚方向から見た回折格子部の全ての外縁の膜厚が、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄い。また、第2実施態様に係る光導波路において更に好ましくは、膜厚方向から見た回折格子部の全ての外縁の膜厚が、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄く、かつ均一である。さらに、第2実施態様に係る光導波路では、コア層の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよい。また、膜厚方向から見たコア層の外縁の膜厚は、コア層の最大膜厚よりも薄くてよい。第2実施態様に係る光導波路において最も好ましくは、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚より薄く、かつ均一である。これにより、第2実施態様に係る光導波路によれば、コア層の外縁における膜厚の高低差が、コア層全体の膜厚の高低差未満となる。その結果、第2実施態様に係る光導波路によれば、回折格子部および他の部分毎に膜厚を相違させたコア層の形成に際するオーバーエッチを低減し得るので、表面ラフネスの悪化が抑制される。表面ラフネスの悪化が抑制されるので、第2実施態様に係る光導波路は、表面ラフネスに影響される伝搬ロスを低減させ得る。
以下、光導波路を構成する各構成要件について、具体例を挙げて説明する。
<コア層>
第1実施態様および第2実施態様において、コア層は、光が伝搬可能であれば特に制限されない。具体的には、シリコン(Si)やガリウムひ素(GaAs)、ゲルマニウム(Ge)等で形成されたコア層が挙げられる。
第1実施態様において、コア層は、互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。膜厚方向から見たコア層の外縁の膜厚は、コア層の最大膜厚より薄い。言換えると、コア層は、膜厚方向から見たコア層の外縁の内部に、最大膜厚である領域を有する。これにより、コア層の外縁を形成するエッチング時におけるコア層の表面ラフネスの悪化が抑制されるので、表面ラフネスに影響される伝搬ロスが低減され得る。また、より好ましい態様としては、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚は、コア層の最大膜厚より薄くてよい。また、コア層の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよく、最良の態様としては、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚よりも薄く、かつ均一な構成である。また、コア層は、回折格子が形成された回折格子部を有してよい。さらに、コア層は、光を伝搬する光伝搬部を有してよい。
または、第2実施時態様において、コア層は、回折格子が形成された回折格子部を有する。回折格子部において、コア層は互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。膜厚方向から見た回折格子部の外縁の膜厚は、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄い。好ましくは、膜厚方向から見た回折格子部の全ての外縁の膜厚は、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄い。また、回折格子部の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよく、更に好ましくは、膜厚方向から見た回折格子部の全ての外縁の膜厚が、回折格子部におけるコア層の最大膜厚より薄く、かつ均一である。さらに、膜厚方向から見たコア層の外縁の膜厚はコア層の最大膜厚より薄くてよく、好ましくは膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚は、コア層の最大膜厚より薄くてよい。また、コア層の外縁の膜厚は均一であっても、均一でなくてもよく、最も好ましくは、膜厚方向から見たコア層の全ての外縁の膜厚が、コア層の最大膜厚より薄く、かつ均一である。また、コア層は、光を伝搬する光伝搬部を有してよい。
また、第1実施態様および第2実施態様において、回折格子部とは、回折格子を有していて、膜厚方向から見た回折格子の周囲の領域および光伝搬部等への接続領域も含む部分である。なお、接続領域とは、回折格子から光伝搬部等までの間の領域であって、接続領域の一部において回折格子から光伝搬部に向かうに連れて、膜厚と膜厚方向から見た幅との少なくとも一方が変化する領域であってよい。なお、回折格子部は複数の種類が存在してもよい。回折格子は、外部からの光をコア層に取込ませる、あるいはコア層の外部へ光を取出させるように、コア層の表面に特定の周期(周期は複数であっても可)で凹凸が形成されている部分であってよい。または、回折格子は、凹部と凸部を含む平面で光導波路を断面視した場合に、凹凸の凹部の溝が深くなり、コア層を切り離す構成であってもよい。そのような構成において、凸部は不連続で島状に形成されていることになる。これにより、膜厚の薄いコア層であっても、回折格子部を用いて光が入出力され得る。また、回折格子を形成する凹凸パターンにおけるコア層の膜厚に関しては、凸部の膜厚をコア層の膜厚とみなし、凹部の膜厚はコア層の膜厚とはみなさないものとする。また、回折格子を形成する凹凸の凹部の溝が深くなり、コア層を切り離す構成については、当該凹部を画定するコア層の端はコア層の外縁とはみなさないものとする。また、回折格子部の少なくとも一部は、コア層における最大膜厚を有してよい。
また、第1実施態様および第2実施態様において、光伝搬部とは、長手方向に光を伝搬させ、長手方向に膜厚が略均一な領域である。略均一な膜厚とは、例えば膜厚の高低差が200nm以下である。なお、光伝搬部は複数の種類が存在してもよい。また、光伝搬部の全領域において、コア層の膜厚は均一であってもよく、均一でなくてもよい。
また、第1実施態様および第2実施態様において、回折格子部の凸部の膜厚または凹部の溝の深さは光伝搬部の膜厚より大きくてよい。その理由は、コア層からエバネッセント波を効率的に染出させるためには、光伝搬部の膜厚はコア層を形成する材料中での光の波長よりも十分小さいことが好ましいが、光を曲げる回折格子部では、波長に近いオーダーの寸法(ここでは凸部の膜厚または凹部の溝の深さ)で回折格子が存在していることで、効率良く光を回折させ得るからである。つまり、回折格子部の凸部の膜厚または凹部の溝の深さを光伝搬部の膜厚よりも大きくすることは、エバネッセント波を用いたセンサのセンサ感度を向上させることに繋がる。したがって、光伝搬部と回折格子部は、互いに異なるコア層の膜厚を有し、回折格子部の少なくとも一部は、コア層における最大の膜厚を有していてもよい。
また、第1実施態様および第2実施態様において、膜厚方向から見た、回折格子部の外縁の膜厚は、光伝搬部の外縁の膜厚以下であってよい。これにより、膜厚方向から見たコア層の外縁をエッチングにより形成するに際し、光伝搬部におけるオーバーエッチの発生が防がれる。したがって、光の伝搬に大きく寄与する光伝搬部における表面ラフネスの悪化が防がれ、光伝搬部における伝搬ロスの悪化が低減される。
また、第1実施態様および第2実施態様において、回折格子部の少なくとも一部のコア層の膜厚は、カットオフ膜厚tco以上、または光伝搬部の少なくとも一部のコア層の膜厚はカットオフ膜厚tco未満であってよい。なお、カットオフ膜厚tcoは、(1)式により定められている。好ましくは、回折格子部の少なくとも一部のコア層の膜厚はカットオフ膜厚tco以上且つ光伝搬部の少なくとも一部のコア層の膜厚はカットオフ膜厚tco未満であってよい。更に好ましくは、回折格子部の少なくとも一部のコア層の膜厚はカットオフ膜厚tco以上且つ光伝搬部のコア層の最大膜厚はカットオフ膜厚tco未満であってよい。これにより、回折格子部において、光の入出力効率が上がり、また光伝搬部において、エバネッセント波と被測定物質を相互作用させる量を多くさせることができ、センサ感度を向上させることができる。
Figure 2020046531
(1)式において、λ0は、真空波長であり、ncoreはコア層の屈折率であり、ncladは、クラッド層の屈折率である。クラッド層とは、コア層よりも低屈折率の材料で構成され、コア層に接しながらコア層の周囲に存在する層である。コア層をSiで構成した場合、クラッド層としては、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、等が挙げられる。屈折率はそれぞれ、シリコン酸化膜:約1.4、シリコン窒化膜:約2.0である。なお、クラッド層が層として設けられず、コア層の周囲に被測定物質が直接存在する構成においては、被測定物質の存在する媒質をクラッド層とみなし、その媒質の屈折率をncladとして扱う。例えば、被測定物質が空気中の成分であればncladは約1.0(空気の屈折率)であり、水中の成分であればncladは約1.3(水の屈折率)である。また、クラッド層が複数の材料で構成される場合は、実効的なクラッド層の屈折率をncladとして扱うことが最も好ましいが、実効的なクラッド層の屈折率が不明の場合、クラッド層を構成する材料の中で、屈折率が最も小さい材料の屈折率をncladとして扱ってよい。
さらに、十分にncore>ncladである構成では、カットオフ膜厚tcoは近似的に、(2)式により定められるみなしカットオフ膜厚t’ coとみなせ得る。
Figure 2020046531
また、第1実施態様および第2実施態様では、コア層において、光伝搬部の少なくとも一部の膜厚が最小の膜厚であってよい。これにより、コア層の光伝搬部以外の部分の機能を確保しながら、エバネッセント波の染出し効率が向上され得る。
また、第1実施態様および第2実施態様では、コア層において、コア層の外縁の膜厚が最小の膜厚であってよい。これにより、コア層の外縁を形成するエッチングにおいて、エッチングする膜厚を最小化し得る。コア層の外縁を形成するエッチングでは、製造上のエッチングレートにばらつき等が存在することにより、多少なりともオーバーエッチが必要となる。オーバーエッチ量(時間)は被エッチング膜の膜厚を基準にした比率で考えるのが一般的であるため、エッチング膜厚を小さくすることで、製造上必要なオーバーエッチ量(時間)を少なくすることができる。その結果、光の伝搬に大きく寄与する光伝搬部における表面ラフネスの悪化が防がれ、光伝搬部における伝搬ロスの悪化が低減される。
また、第1実施態様および第2実施態様において、コア層は、単結晶で形成されていてよい。これによりコア層内の結晶欠陥を低減させ、さらに表面のラフネスも小さくなるため、伝搬光のコア層内部での散乱を抑制し、伝搬損失を小さくできる。また、コア層は、単一の層であってもよいし、複数の膜による積層構造を有していてもよい。
また、第1実施態様および第2実施態様において、コア層の少なくとも一部は、露出することにより被測定気体または被測定液体と直接接触可能に設けられていてもよい。また、コア層の少なくとも一部は、コア層を伝搬する光の真空波長の1/4よりも膜厚が薄い薄膜に被覆されることにより当該薄膜を介して被測定気体または被測定液体と接触可能に設けられていてもよい。これにより、エバネッセント波と被測定気体または被測定液体を相互作用させ、被測定気体または被測定液体の濃度を測定することが可能となる。
また、第1実施態様および第2実施態様において、コア層を伝搬する光はアナログ信号としての赤外線であってもよい。ここでアナログ信号としての赤外線とは、光のエネルギーの変化を0(低レベル)および1(高レベル)の2値で判定するのではなく、光のエネルギーの変化量を扱う信号であることを意味する。これにより、各実施態様に係る光導波路をセンサや分析装置に適用することができる。またこの場合、赤外線の真空波長は2μm以上12μm以下であってもよい。この波長帯は環境に代表的に浮遊するガス(CO2、CO、NO、N2O、SO2、CH4、H2O、C26O等)が吸収する波長帯である。これにより各実施態様に係る光導波路をガスセンサとして利用することができる。
<基板>
第1実施態様および第2実施態様において、基板は、基板上に支持部及びコア層を形成可能であれば特に制限されない。具体的には、シリコン基板やGaAs基板等が挙げられる。
<支持部>
第1実施態様および第2実施態様において、支持部は、基板の少なくとも一部とコア層の少なくとも一部とを接続する。支持部は、基板およびコア層を接合可能であれば特に制限されないが、好ましくは任意の波長の光またはコア層を伝搬する光に対してコア層よりも屈折率が小さい材料である。一例として、支持部の形成材料として、SiO2などが挙げられる。本発明において、支持部は必須の構成ではない。コア層は支持部によって基板と接合されてもよく、基板上に直接コア層が形成されていてもよい。 また、支持部が部分的に存在してもよく、コア層の少なくとも一部は、支持部に接合されておらず浮遊していてもよい。すなわち、このような構成の光導波路では、支持部が設けられた領域を除き、基板およびコア層の間には空間が形成されている。コア層の一部を浮遊させることで、エバネッセント波と被測定物質を相互作用させる量を多くさせることができ、センサ感度を向上させることができる。
第1実施態様および第2実施態様において、支持部の形成方法の一例としては、SOI(Silicon On Insulator)基板の埋め込み酸化膜(BOX:Buried Oxide)層(SiO2層)をエッチングすることで、コア層(Si層)と基板(Si層)をBOX層で支持する構造を形成することができる。
<光学式濃度測定装置>
本発明の一実施態様に係る光学式濃度測定装置は、本発明の第1実施態様または第2実施態様に係る光導波路と、コア層に光を入射可能な光源と、コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、を備える。
以下、光学式濃度測定装置を構成する各構成要件について、具体例を挙げて説明する。
<光源>
光源は、コア層に光を入射可能であれば特に制限されない。ガスの測定に赤外線を用いる場合には光源として、白熱電球やセラミックヒータ、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)ヒータや赤外線LED(Light Emitting Diode)などを用いることができる。光源は光導波路と光接続可能な形態であればどのような配置でもよい。例えば、光源は、光導波路と同じ個体内に光導波路に隣接して配置してもよいし、別の個体として光導波路から一定の距離を置いて配置してもよい。また、ガスの測定に紫外線を用いる場合には光源として、水銀ランプや紫外線LEDなどを用いることができる。また、ガスの測定にX線を用いる場合には光源として、電子ビームや電子レーザーなどを用いることができる。
光学式濃度測定装置に備えられる光導波路のコア層を伝搬する光は、アナログ信号としての赤外線であってもよい。ここで、アナログ信号としての赤外線とは、光のエネルギーの変化を0(低レベル)および1(高レベル)の2値で判定するのではなく、光のエネルギーの変化量を扱う信号であることを意味する。これにより、光学式濃度測定装置をセンサや分析装置に適用することができる。またこの場合、赤外線の真空波長は2μm以上12μm以下であってもよい。この波長帯は環境に代表的に浮遊するガス(CO2、CO、NO、N2O、SO2、CH4、H2O、C26Oなど)が吸収する波長帯である。これにより本実施態様に係る光学式濃度測定装置をガスセンサとして利用することができる。
<検出部>
検出部は、光導波路のコア層を伝搬した光を受光可能であれば特に制限されない。ガスの測定に赤外線を用いる場合には検出部として、焦電センサ(Pyroelectric sensor)、サーモパイル(Thermopile)あるいはボロメータ(Bolometer)などの熱型赤外線センサや、ダイオードあるいはフォトトランジスタなどの量子型赤外線センサなどを用いることができる。また、ガスの測定に紫外線を用いる場合には検出部として、ダイオードやフォトトランジスタ等の量子型紫外線センサなどを用いることができる。また、ガスの測定にX線を用いる場合には検出部として、各種半導体センサを用いることができる。
<光導波路の製造方法>
本発明の一実施態様に係る光導波路の製造方法は、エッチングによりコア層の膜厚方向から見た当該コア層の外縁を形成させるためのマスクを、膜厚方向から見た該マスクの外縁がコア層の最大膜厚の領域から外れるように、コア層に被せる工程を備える。これにより、コア層を、膜厚方向から見た外縁の膜厚は最大膜厚より薄く形成することが可能となる。具体的な製造方法については、後述する。
<実施形態>
本発明の一実施形態に係る光導波路について図1から図3を用いて説明する。まず、本実施形態に係る光導波路10および光導波路10を備える光学式濃度測定装置1並びにこれらを用いたATR法による被測定物質の検出方法について図1から図3を用いて説明する。
図1は、本実施形態による光学式濃度測定装置1の概略構成を示す図であるとともに、本実施形態による光導波路10を利用したATR法の概念図でもある。図1に示すように、光学式濃度測定装置1は、濃度などを検出するガスが存在する外部空間2に設置されて使用される。光学式濃度測定装置1は、本実施形態による光導波路10と、光導波路10に備えられたコア層11に光(本実施形態では赤外線IR)を入射可能な光源20と、コア層11を伝搬した赤外線IRを受光可能な光検出器(検出部の一例)40とを備えている。
光導波路10は、基板15と、赤外線IR(光の一例)が伝搬可能なコア層11と、基板15の少なくとも一部とコア層11の少なくとも一部を接続し基板15に対してコア層11を支持する支持部17とを備えている。コア層11および基板15は例えばシリコン(Si)で形成され、支持部17は例えば二酸化ケイ素(SiO2)で形成されている。基板15および支持部17は例えば板状を有している。
コア層11は、長手方向の一端に形成されたグレーティングカプラ(回折格子部の一例)118、および他端に形成されたグレーティングカプラ(回折格子部の一例)119を有している。また、コア層11は、長手方向の両端のグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の間に光伝搬部117を有している。本実施形態に係る光導波路10において、光伝搬部117のコア層11の膜厚は均一である。なお、長手方向とは、少なくとも1方向に沿って延伸している形状の三次元構造物における、最も長く延びている方向であって、直線状の方向だけでなく、曲線状の方向を含む。また、本実施形態に係る光導波路10において、光伝搬部117の幅は均一である。なお、幅方向とは、長手方向および膜厚方向に垂直な方向である。また、膜厚方向とは、基板15、支持部17、および、コア層11を積層させた積層方向に平行な方向である。
グレーティングカプラ118は、光源20の出射方向に配置されている。なお、本実施形態では、光導波路10は、積層方向が鉛直方向に平行であり、基板15の主面が鉛直下方と直交するように設置されている。基板の主面とは、基板の板厚方向に垂直な表面であって、さらに言換えると、本実施態様において、基板を形成する6面の中で、面積が最大である面である。すなわち、光源20の出射方向とは、このように光導波路10が設置された状態における、光源20の鉛直下方である。この回折格子部は、光源20から入射する赤外線IRをコア層11に結合するようになっている。したがって、グレーティングカプラ118の膜厚方向から、コア層11を伝搬する光が入力される。グレーティングカプラ119は、光検出器40に対向する方向に配置されている。なお、光検出器40に対向する方向とは、上述のように光導波路10が設置された状態における、光検出器40の鉛直下方である。この回折格子部は、コア層11を伝搬する赤外線IRを取出して光検出器40に向けて出射するようになっている。したがって、グレーティングカプラ119の膜厚方向に、コア層11を伝搬する光が出力される。
このように、光源20側(光入射側)に配置されるコア層11は一端に、グレーティングカプラ118を有し、光検出器40側(光出射側)に配置されるコア層11は他端に、グレーティングカプラ119を有している。また、コア層11は長手方向の中央から両端までの間に、グレーティングカプラ118から入射してグレーティングカプラ119から出射される赤外線IRが伝搬する光伝搬部117を有している。コア層11から染出すエバネッセント波EWは主に、光伝搬部117において外部空間2に存在する被測定物質に吸収される。
ここで、コア層11についてより詳細に説明する。本実施形態に係る光導波路10を適用したATR法を用いたセンサでは、エバネッセント波を被測定物質と相互作用させる領域は、膜厚の薄いコア層を形成して、コア層の周りに染出すエバネッセント波の量を増やすことが望ましい。一方、光をコア層に導入したり、コア層から取出したりする場合には、コア層に回折格子を形成する必要があるが、中赤外領域の光を効率良く曲げる場合、回折格子を形成する領域のコア層の膜厚や回折格子の溝の深さは、ある程度の厚みが必要である。
そこで、図1に示すように、本実施形態に係る光導波路10では、コア層11における、エバネッセント波EWを染出させて外部空間2に存在する被測定物質と相互作用させることを目的とした光伝搬部117では、膜厚が薄く形成されている。さらに、本実施形態において、光伝搬部117の少なくとも一部の膜厚は、コア層11全体の中で最小の膜厚であってよい。一方、コア層11における、光(本実施形態では赤外線IR)を導入することを目的としたグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119では、膜厚が光伝搬部117より厚く形成されている。したがって、コア層11は、互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含む。
ところで、ATR法を用いた従来の光導波路を備える光学式濃度測定装置は、本実施形態による光学式濃度測定装置1と同様に、一方のグレーティングカプラから赤外線を光導波路のコア層に導入し、コア層を伝搬させて、もう一方のグレーティングカプラ側から取出し、その先にある光検出器で赤外線の量を検出するという構成を有している。ATR法を用いたセンサでは中赤外領域の波長を取り扱うことが多く、中赤外領域の赤外線に対しては、エバネッセント波を染出させることを目的としたコア層と、回折格子により光を取出すことを目的としたコア層とでは、最適なコア層膜厚が大きく異なる。
具体的には、例えばシリコンをコア層として用いる光導波路では、エバネッセント波を効率的に染出させるために、コア層の膜厚を200nm程度に薄く形成することがある。一方、膜厚200nmは、中赤外領域の赤外線を効率よく取出すための回折格子の膜厚としては薄すぎる。例えばシリコンコア層の屈折率が3.4とし、コア層を伝搬させる赤外線の真空波長が4μmの場合、非特許文献1に記載の方法で回折格子を設計すると、回折格子を形成する領域のコア層の膜厚は約590nmが最適膜厚となる。膜厚590nmは、エバネッセント波を効率的に染出させるコア層膜厚と大きく異なる。すなわち、エバネッセント波を染出させることを目的とした薄膜のコア層に、そのまま回折格子を形成すると、光の取出し効率が悪くなってしまう。
また、例えば伝搬させる赤外線の真空波長が4μmとし、特許文献2に記載の方法で回折格子の溝の深さを設計すると、約390nmの溝の深さが最適値となる。この値は、上述のとおり、エバネッセント波を効率的に染出させるためのコア層膜厚である200nmよりも大きくなる。このため、上述の条件では、エバネッセント波を染出させることを目的とした薄膜のコア層に、光取出し効率が最適となる溝の深さの回折格子を形成することが出来ない。
上述の2つのいずれの例においても、エバネッセント波を染出させることを目的とした薄膜のコア層に、光取出し効率が最適となる回折格子を形成することができないという問題がある。一方、光取出し効率が最適となる回折格子が形成できるコア層では、エバネッセント波を効率的に染出させることができないという問題がある。このように、従来の光導波路では、エバネッセント波の染出し効率と、回折格子の光取出し効率とはトレードオフの関係にあり、両立させることが困難であるという問題がある。
これに対して、本実施形態による光導波路10は、赤外線IRの伝搬に適した膜厚を有する光伝搬部117と、赤外線IRの入出力に適した膜厚および溝の深さのグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119とを有するコア層11を備えている。これにより、光導波路10は、従来の光導波路の上記問題を解決し、伝搬光のエバネッセント波の染出し効率および光の取出し効率の向上を図ることが可能となる。
ここで、光伝搬部117における膜厚について説明する。光を伝搬し且つエバネッセント波を被測定物質と相互作用させる領域(すなわち光伝搬部)では、空間へ染み出すエバネッセント波の量を多くさせるために、膜厚を薄くする必要がある。具体的には、TEモードにおける三層対称スラブ導波路においては、コア層11の膜厚を上記(1)式で与えられるカットオフ膜厚値tco未満とすることで、コア層11の膜厚は光波の山ひとつ分のサイズより小さくなり、膜厚方向には光波を閉じ込めることができなくなる。その結果、空間に多くのエバネッセント波を染み出させることができる。
特に(1)式において、十分にncore>ncladである構成において、近似的に(2)式が成り立ち、これは、みなしカットオフ膜厚t’coがコア中の波長の半分の長さ、つまり波の山ひとつ分の大きさである物理描像をあらわす。
また、このように膜厚をカットオフ膜厚tco未満にする構成では、光波はコア層11内に許容されるスペースが山ひとつ分未満の大きさしかないため、必然的に膜厚方向には山がひとつの状態、つまり膜厚方向にシングルモード(0次モード)となる。
本実施形態に係る光導波路10が三層対称スラブ導波路でない一般的な構成では、上記の膜厚を解析的に明示するのは困難である。しかし、有限要素法、FDTD法などの種々の数値解法を用いることによって、シングルモード伝播からマルチモード伝播へ遷移する膜厚は判然と求めることができる。この遷移する膜厚未満のコア層膜厚であることにより、空間に多くのエバネッセント波を染み出させることができる。
一方、光をコア層11に入出力する領域(回折格子部)においては、光が膜厚方向にマルチモードで伝搬できる膜厚(膜厚方向に複数の伝搬モードが存在できる膜厚)以上とすることで、光の入出力効率が上がっていく。すなわち、回折格子部においては、コア層11の膜厚が(1)式または(2)式でそれぞれ与えられるカットオフ膜厚tcoまたはみなしカットオフ膜厚t’co以上であることが好ましい。つまり、回折格子部の少なくとも一部のコア層11の膜厚をカットオフ膜厚tcoまたはみなしカットオフ膜厚t’co以上、光伝搬部の少なくとも一部のコア層11の膜厚をカットオフ膜厚tcoまたはみなしカットオフ膜厚t’co未満とすることで、回折格子部において光の入出力効率が上がり、また光伝搬部117においてエバネッセント波と被測定物質を相互作用させる量を多くさせることができ、センサ感度を向上させることができる。
以上説明したように、本実施形態による光導波路10では、回折格子部の少なくとも一部のコア層11の膜厚をカットオフ膜厚tcoまたはみなしカットオフ膜厚t’co以上、光伝搬部の少なくとも一部のコア層の膜厚をカットオフ膜厚tcoまたはみなしカットオフ膜厚t’co未満である。これにより、光導波路10は、光の入出力効率および感度の高い光学式濃度測定装置を実現できる。
また、後述するように、膜厚方向、本実施形態においては、光導波路10の積層方向から見た、コア層11の外縁は、ドライエッチングにより形成されることが一般的である。膜厚の異なるパターンを一度にエッチングする際には、エッチングされる膜厚が最大となる領域に合わせてエッチング量を決め、そのエッチング量にて膜厚のより薄い領域もエッチングされる。図2に示すように、最小膜厚の部分におけるパターンPthinの形成に必要なエッチングが終わった後にも、最大膜厚の部分におけるパターンPthickの形成に更なるエッチングが必要であるため、最大膜厚の部分におけるパターンPthickの形成に必要なエッチングが完了するまでの間、最小膜厚の部分におけるパターンPthinでは過剰なオーバーエッチが適用される。この過剰なオーバーエッチングにより異常なパターン形状、すなわちノッチングNcが発生し得る。コア層11で発生したノッチングNcはコア層11の表面ラフネスを悪化させる。表面ラフネスが悪化した表面部分からは伝搬する光が漏れやすく、光導波路の伝搬ロスを増大させ得る。それゆえ、膜厚が互いに異なる少なくとも2つの領域を有しながらも、表面ラフネスの悪化を低減させることが求められる。
そこで、本実施形態の光導波路10では、膜厚方向から見たコア層11の外縁の膜厚の高低差を低減すべく、図1、図3に示すように膜厚方向から見たグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の外縁edの膜厚は、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の最大膜厚領域Atより薄く形成されている。なお、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の最大膜厚領域Atとは、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の外縁edと、光伝搬部117に囲まれる領域の中で最大膜厚となる領域であり、本実施形態において、コア層11の最大膜厚である。また、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の最大膜厚領域Atのコア層11の膜厚とは、凹凸により形成される回折格子の最大膜厚を含んでいる。さらには、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の外縁edを含む、コア層11の全ての外縁の膜厚は、コア層11の最大膜厚である当該最大膜厚領域Atより薄くなるように、形成されている。なお、本実施形態の光導波路10では、コア層11の外縁の膜厚は均一である。
したがって、本実施形態の光導波路10では、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119ならびにコア層11の他の部分である光伝搬部117それぞれの外縁の膜厚の高低差は、コア層11全体の膜厚の高低差より小さい。なお、本実施形態において、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119ならびに光伝搬部117それぞれの外縁の膜厚の高低差は、コア層11の外縁全体の高低差である。したがって、本実施形態の光導波路10では、コア層11の各部分の外縁と、当該外縁が囲繞する内部領域とが同じ膜厚である光導波路に比べて、オーバーエッチによるノッチングの影響が小さい。それゆえ、本実施形態の光導波路10では、互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を有するコア層11でありながら、表面ラフネスの悪化が抑制され、伝搬ロスが低減され得る。
特に、本実施形態の光導波路10では、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の外縁edは、光伝搬部117の中の最小膜厚の領域と同じ膜厚になるように形成されている。したがって、コア層11の形成に際し、コア層11へのオーバーエッチが最小化され、表面ラフネスの悪化が最小化され得る。
また、本実施形態の光導波路10では、グレーティングカプラ118は回折格子部分118aおよび接続部分118bを有している。なお、グレーティングカプラ119の構造も、グレーティングカプラ118と同様である。回折格子部分118aには、凹凸が形成された回折格子が設けられている。回折格子部分118aの凸部はグレーティングカプラ118の最大膜厚であり、かつコア層11全体でも最大膜厚である。すなわち、回折格子部分118aは、膜厚方向から見て最大膜厚領域Atに位置する。接続部分118bは、長手方向において、回折格子部分118aから光伝搬部117の間を接続する部分である。接続部分118bは、膜厚方向から見て接続領域に位置する。接続部分118bの最小膜厚は光伝搬部117の膜厚以上である。接続部分118bの最大膜厚は、最大膜厚領域Atの膜厚以下である。光伝搬部117から回折格子部分118aに向かう間の一部において、接続部分118bの膜厚は、漸次増加している。
また、本実施形態に係る光導波路10では、コア層11は結晶欠陥の少ない単結晶であってもよい。結晶欠陥の少ない単結晶であることで、コア層11の内部での伝搬光の散乱が抑えられ、さらに表面のラフネスも小さくなるため、コア層11の伝搬損失を小さく出来る。また、本実施形態に係る光導波路10では、コア層11は単一の層としているが、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119ならびに光伝搬部117などの領域において、コア層11は複数の膜による積層構造を有していてもよい。
<光導波路および光学式濃度測定装置の製造方法>
次に、本実施形態に係る光導波路および光学式濃度測定装置の製造方法について、図1を参照しつつ、図4から図27を用いて説明する。図4から図27は、光導波路10の製造工程断面図を示している。光導波路10は、1枚の支持基板150に同時に複数の光導波路主要部を形成した後に個片化して製造される。図4から図27では、形成される複数の光導波路のうちの1つの光導波路のみの製造工程が図示されている。
まず、シリコンで形成され最終的に基板15となる支持基板150と、シリコンで形成されコア層11が形成される活性基板110のいずれか一方、または両方にSiO2膜を形成し、このSiO2膜を挟むようにして支持基板150および活性基板110を貼り合わせて熱処理して結合する。その後、活性基板110を所定の厚さまで研削・研磨するなどして活性基板110の膜厚を調整する。これにより、図4、図5に示すように、支持基板150と、支持基板150上に形成されたBOX層170と、BOX層170上に形成された活性基板110とを有し、「シリコン−絶縁層−シリコン」構造を有するSOI基板100が形成される。
次に、図6、図7に示すように、SOI基板100の表面に酸化膜60を形成し、酸化膜60の表面にシリコン窒化膜70を形成する。
次に、酸化膜60上に形成されたシリコン窒化膜70に対して、リソグラフィ技術、エッチング技術およびアッシング技術を施して、図8、図9に示すように、第一ハードマスク80を形成する。第一ハードマスク80が形成される領域は、最終的にコア層11のグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119において最大膜厚となる領域が含まれる。
次に、図10、図11に示すように、例えば800℃以上の水蒸気を含む酸素雰囲気下で、第一ハードマスク80が形成されたSOI基板100を熱酸化する。このとき、第一ハードマスク80のかかっていない領域から、第一ハードマスク80のかかっている領域に向かって、熱酸化膜60の膜厚が漸次小さくなるように(活性基板110の膜厚が漸次増加するように)、第一ハードマスク80の境界付近にバーズビーク65が形成される。バーズビーク65の形状は、第一ハードマスク80として用いるシリコン窒化膜の膜厚によってある程度制御できる。当該シリコン窒化膜の膜厚を薄くすると、バーズビーク65の底面の傾斜角を緩やかにすることが出来る。
次に、熱リン酸により、第一ハードマスク80を除去する。その後、フッ酸などを用いて酸化膜60を除去する。酸化膜60を除去することにより、図12、図13に示すように、一部が隆起した活性基板110を有するSOI基板100が形成される。
酸化膜60の除去後、図14、図15に示すように、再び、SOI基板100の表面に酸化膜61を形成し、酸化膜61の表面にシリコン窒化膜71を形成する。
次に、酸化膜61上に形成されたシリコン窒化膜に対して、リソグラフィ技術、エッチング技術およびアッシング技術を施して、図16、図17に示すように、第二ハードマスク81を形成する。第二ハードマスク81が形成される領域は、最終的にコア層11のグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の最大膜厚領域Atとなる領域およびその周辺の領域と、最終的にコア層11のグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の光伝搬部117との接続部分118bとなる領域とが含まれる。
次に、図18、図19に示すように、例えば800℃以上の水蒸気を含む酸素雰囲気下で、第二ハードマスク81が形成されたSOI基板100を熱酸化する。このとき、第一ハードマスク80が形成された状態におけるSOI基板の熱酸化と同様、バーズビーク65が形成される。バーズビーク65の形状の制御に関しては、第一ハードマスク80が形成されたSOI基板100の熱酸化の工程と同じである。
次に、熱リン酸により、第二ハードマスク81を除去する。その後、フッ酸などを用いて酸化膜61を除去する。酸化膜61を除去する。このようにして、図20、図21に示すように、SOI基板100のTOPシリコン層の表面、すなわち活性基板110の表面には、最大膜厚である第一平坦面fs1、最小膜厚である第二平坦面fs2、第一平坦面fs1より膜厚が薄く且つ第二平坦面fs2より膜厚が厚い第三平坦面fs3、第一平坦面fs1および第三平坦面fs3の間で緩やかに傾斜する第一傾斜面is1、および第二平坦面fs2および第三平坦面fs3の間で緩やかに傾斜する第二傾斜面is2が形成される。
その後、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の凹部となる領域のみを開口させたマスク(不図示)を用いてリソグラフィ、エッチングおよびアッシングを行い、図22、図23に示すように、SOI基板100のTOPシリコン層の第一平坦面fs1にグレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の溝を形成する。
次に、図24、図25に示すように、SOI基板100のTOPシリコン層の表面、すなわち活性基板110の表面に、膜厚方向から見たレジストマスク82の外縁が最終的にコア層11となる活性基板110の最大膜厚の領域(本実施形態における第一平坦面fs1)から外れるように、レジストマスク82を形成する。さらに具体的には、膜厚方向から見たレジストマスク82の外縁が最終的にコア層11となる活性基板110の最小膜厚の領域(本実施形態における第二平坦面fs2)と重なるように、レジストマスク82を被せてよい。レジストマスク82は、以後のエッチング工程において、膜厚方向から見たコア層11の外縁を形成するためのマスクである。
次に、一部がレジストマスク82で覆われたSOI基板100のTOPシリコン層に、エッチング技術を施して膜厚方向から見たコア層の外縁を形成する。その後、アッシング技術によりレジストマスク82を除去することにより、図26、図27に示すように、BOX層170上で、膜厚方向から見たコア層11の外縁を形成することにより、コア層11は個別化される。
次に、支持基板150、BOX層170を所定領域で切断してSOI基板100を個片化する。これにより、光導波路10(図1参照)が完成する。
さらに、図1に示すように、光導波路10のグレーティングカプラ118に赤外線を入射できるように光源20を設置し、光導波路10のグレーティングカプラ119から出射する赤外線を受光できるように光検出器40を配置することにより、光学式濃度測定装置1が完成する。
なお、コア層11を個別化した後に、グレーティングカプラ118およびグレーティングカプラ119の溝を形成する製造工程順としても良い。また、SOI基板100の一部を浮かせたいわゆるペデスタル構造のコア層を形成する場合は、コア層11を個別化した後に、SOI基板のBOX層170を等方エッチングする工程を追加してもよい。さらに、コア層11の表面に保護膜を形成してもよい。
なお、膜厚方向から見た活性基板110の各領域の膜厚を所望の膜厚に合わせるように形成する工程は、上述の工程に限定されない。膜厚方向から見た活性基板110の各領域の膜厚を所望の膜厚に合わせた後に、膜厚方向から見たレジストマスク82の外縁が最終的にコア層11となる活性基板110の最大膜厚の領域から外れるように、レジストマスク82を形成し、エッチング技術を施すことにより、本実施形態に係る光導波路10は製造され得る。
以上説明したように、本実施形態による光導波路の製造方法および光学式濃度測定装置の製造方法によれば、コア層が部分毎に適した膜厚を有しながら、コア層の製造時に発生しうるノッチングによる表面ラフネスの悪化が低減され得る。これにより、本実施形態による光導波路の製造方法および光学式濃度測定装置の製造方法によれば、コア層が部分毎に適した膜厚を有しながら、伝搬ロスの増大を抑制し得る光導波路および光学式濃度測定装置を製造することができる。
1 光学式濃度測定装置
2 外部空間
10 光導波路
11 コア層
15 基板
17 支持部
20 光源
40 光検出器
51 構造体
53 物質
60,61 酸化膜
65 バーズビーク
70、71 窒化膜
80、81、82 第一ハードマスク、第二ハードマスク、レジストマスク
100 SOI基板
110 活性基板
117 光伝搬部
118、119 グレーティングカプラ
118a 回折格子部分
118b 接続部分
150 支持基板
170 BOX層
At グレーティングカプラの最大膜厚領域
ed グレーティングカプラの外縁
EW エバネッセント波
fs1、fs2、fs3 第一平坦面、第二平坦面、第三平坦面
IR 赤外線
is1、is2 第一傾斜面、第二傾斜面
L 光
Nc ノッチング
thick 最大膜厚の部分におけるパターン
thin 最小膜厚の部分におけるパターン

Claims (19)

  1. 互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含み、膜厚方向から見た外縁の膜厚は最大膜厚より薄く、光を伝搬可能なコア層を備える
    光導波路。
  2. 回折格子が形成された回折格子部を有し、光を伝搬可能なコア層を備え、
    前記回折格子部は互いに膜厚の異なる少なくとも2つの領域を含み、膜厚方向から見た該回折格子部の外縁の膜厚は該回折格子部の最大膜厚より薄い
    光導波路。
  3. 前記コア層の、膜厚方向から見た外縁の膜厚は、前記コア層の最大膜厚より薄い
    請求項2に記載の光導波路。
  4. 前記コア層は、回折格子が形成された回折格子部と、光伝搬部とを有する
    請求項1に記載の光導波路。
  5. 前記コア層は、光伝搬部を有する
    請求項2または3に記載の光導波路。
  6. 前記回折格子部の少なくとも一部は、前記コア層における最大膜厚を有する
    請求項2から5のいずれか1項に記載の光導波路。
  7. 前記回折格子部の凸部の膜厚は、前記光伝搬部の膜厚より大きい
    請求項4または5に記載の光導波路。
  8. 前記回折格子部の凹部の溝の深さは、前記光伝搬部の膜厚より大きい
    請求項4、5および7のいずれか1項に記載の光導波路。
  9. (1)式によって定義されるカットオフ膜厚tcoが、(2)式または(3)式の少なくとも一つを満たす
    請求項4、5、7、8のいずれか1項に記載の光導波路。
    Figure 2020046531
    (1)式において、λ0は真空波長であり、ncoreはコア層の屈折率であり、ncladはクラッド層の屈折率である。
    前記回折格子部の少なくとも一部のコア層の膜厚≧tco (2)
    前記光伝搬部の少なくとも一部のコア層の膜厚<tco (3)
  10. (4)式によって定義される、みなしカットオフ膜厚t’coが、(5)式または(6)式の少なくとも一つを満たす
    請求項4、5、7、8のいずれか1項に記載の光導波路。
    Figure 2020046531
    (4)式において、λ0は真空波長であり、ncoreはコア層の屈折率である。
    前記回折格子部の少なくとも一部のコア層の膜厚≧t’co (5)
    前記光伝搬部の少なくとも一部のコア層の膜厚<t’co (6)
  11. 膜厚方向から見た、前記回折格子部の外縁の膜厚は、前記光伝搬部の外縁の膜厚以下である
    請求項4、5、および、7から10のいずれか1項に記載の光導波路。
  12. 前記コア層において、前記光伝搬部の少なくとも一部の膜厚は最小の膜厚である
    請求項4、5、および7から11のいずれか1項に記載の光導波路。
  13. 前記コア層において、外縁の領域の膜厚は最小の膜厚である
    請求項1から12のいずれか1項に記載の光導波路。
  14. 前記コア層は単結晶で形成されている
    請求項1から13のいずれか1項に記載の光導波路。
  15. 前記コア層の少なくとも一部は、露出、または、薄膜により被覆されている、
    請求項1から14までのいずれか1項に記載の光導波路。
  16. 前記コア層を伝搬する光はアナログ信号としての赤外線である
    請求項1から15までのいずれか1項に記載の光導波路。
  17. 請求項1から16のいずれか1項に記載の光導波路と、
    前記コア層に光を入射可能な光源と、
    前記コア層を伝搬した光を受光可能な検出部と、
    を備える光学式濃度測定装置。
  18. 前記光源は真空波長が2μm以上12μm未満の赤外線を前記コア層に入射する
    請求項17に記載の光学式濃度測定装置。
  19. エッチングによりコア層の膜厚方向から見た該コア層の外縁を形成させるためのマスクを、膜厚方向から見た該マスクの外縁が前記コア層の最大膜厚の領域から外れるように、前記コア層に被せる工程を備える
    光導波路の製造方法。
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