JP2020046033A - シール材付き筐体および気密構造および気密構造の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
図1は、第1の実施形態のシール材付き筐体を示す斜視図である。シール材付き筐体100は、筐体10と、シール材20とを有する。筐体10は、内部空間を囲う環状のシール部11を有し、このシール部11に少なくとも1つの一対の隆起部12を有する。図1の例では、シール部11に、第1の隆起部12aと第2の隆起部12bとからなる一対の隆起部が設けられている。図1では、第1の隆起部12aと第2の隆起部12bとが三角屋根型である例を示しているが、他の形状、例えば半円筒型や、側面が多角形の形状などであっても良い。
図2は、シール材付き筐体100を用いて形成した気密構造を示す斜視図である。筐体10は、第1の実施形態と同じものである。筐体10と第2の筐体40とが重ね合わされ、両者の間はシール材20によって接着されている。シール材20は、一対の隆起部12の間の部分も含めて、筐体10と第2の筐体40との間を隙間なく埋めて、気密構造を形成している。
2ΔL≧g (1)
である。
S=S1+S2
=1/2*(1/2*W*h)+(d−t)*L
1/4*W*h+(d−t)*L (2)
Sは左右にあるので、この面積Sの2倍が、埋めるべき空間の面積S0以上であれば良い。
ここで、gを用いると、S0は次式で表すことができる。
S0=g*t (3)
したがってSの満たすべき条件として次式を得る。
2S≧g*t (4)
なお図4(a)より
D=2L+g (5)
である。
次に、具体的な数値を用いて、一例を計算してみる。ここでは、一般的な電気機器を想定して、各部の寸法の目安は下記のような方針で定めるものとする。
・塗布厚dは、主に筐体反り量に応じて設定するが、一般的な電気機器の筐体では、d=0.2〜2mm程度である。例えば、筐体の反りが0.2mmであれば、塗布量dは少なくとも0.2mmを超えないとシール材で筐体の隙間を埋めることができない。
・隆起部の高さhは塗布厚dを超えてはならない(シールができなくなる)。したがって、h≦t<dである。また、低すぎると展延量が十分得られないため、1/3*d≦h<dが好ましい。
・隆起部は頂点でシール材を左右に分ける機能を果たすため、隆起部のすそ野の傾斜は30〜60度程度が好ましい。傾斜が小さすぎるとシール材を左右に分ける機能が十分に発揮されず、傾斜が大き過ぎると、隆起部上シール材が載り難くなり、十分な展延量が得られないためである。この条件を満たすために、隆起部の底部の幅Wと高さhとは、
2/√3*h<W<2*√3*hの条件を満たすように定めることが好ましい。
・必要な展延量を得るためシール材は、少なくとも隆起部をまたぐように塗布されている必要がある。展延を効果的に行うには、隆起部の展延側をカバーしていることが望ましい。一方Lが長すぎると、シール材の端部と隆起部とが遠く離れてしまうため、展延量の制御効果が弱まってしまう。このような理由から、LとWの関係を、
1/2*W≦L≦1.5*Wとすることが好ましい。
S=1/4*1.2*0.4+(1−0.5)*1
=0,62mm2 (6)
となる。またS0は次式で表せる。
S0=g*0.5 (7)
(6)、(7)式を、式(4)に代入してgの条件として次式が得られる。
これから次式を得る。
g≦2.48mm (8)
この結果に(5)式を代入して、Dの条件式として次式が得られる。
D≦4.48 (9)
(実施例2)
実施例1に示した設計方針を用いて、隆起部対の間隔Dの最大値の目安を見積もった。実施例1から次式を引用する。
h≦t<d (10)
1/3*d≦h<d (11)
2/√3*h<W<2*√3*h (12)
1/2*W≦L≦1.5*W (13)
Dは展延量ΔLが大きいほど大きくできるが、dが同じであればシール材の潰し量が大きいほど展延量が増える。このため、dとhの差が最大の時にDが最大になる。したがって式(12)から、この時
t=h=1/3d (14)
である。またWが大きいほど隆起部に載るシール材の量が増すためDが大きくなる。式(13)から
W=2*√3*h (15)
である。すなわち、隆起部の傾斜角は30°である。またLが大きいほどDは大きいので式(14)から
L=1.5*W (16)
である。また式(2)、(4)から次式を引用する。
S=1/4*W*h+(d−t)*L (17)
g≦2S/t(18)
ここでd=2.00mmを代入すると、それぞれの寸法は、h=t=0.67mm、W=2.31mm、L=3.46mm、S=5.00mm2、g=15.01mmであるから、式(6)より、D=g+2L=21.94mmとなる。以上から、本実施例では、塗布厚dを基準とすると、隆起部対の間隔Dは最大でdの3.5倍程度、隆起部対の幅は1.2倍程度、高さは0.67倍程度見積もられた。以上の見積もりは、隆起部対が三角屋根型の2つの隆起部で行った場合であり、他の形状とした時のマージンを考慮しても、Dは10倍以内程度に設定しておけば良いと考えられる。
第1、第2の実施形態では、一対の隆起部の内側に設ける低位部を、シール材が未塗布の領域を設けて作成する例について説明した。しかしながら、低位部を他の構成により形成しても良い。
第1から第3の実施形態では、一対の隆起部をシール部に1つだけ設ける例について説明したが、複数設けても良い。図9は、一対の隆起部を4つ設けたシール材付き筐体200の例を示す平面図である。矩形の筐体210は、内部空間を囲うシール部211を有している。そして、シール部211の各辺には、それぞれ1つの一対の隆起部212a、212b、212c、212dが設けられている。シール材220は、一対の隆起部の一方の隆起部と、隣接する一対の隆起部の1つとを結ぶように塗布されている。例えば、一対の隆起部212aの第1の隆起部212aaから1つの隆起部から、一対の隆起部212の第2の隆起部212dbにかけて、連続するシール材20が塗布されている。そして、シール材20の端部は、それぞれが212aa、212dbの頂部を乗り越えて、一対の隆起部の内側まで延伸している。それぞれのシール材20連続部の切れ目は、それぞれの一対の隆起部の内側にあり、低位部、231a、231b、231c、231dが形成されている。
11、211 シール部
12、212 一対の隆起部
20、220 シール材
30 環状部
31 低位部
40 第2の筐体
100、200 シール材付き筐体
Claims (10)
- 内部空間を囲う環状のシール部を有する筐体と、
前記シール部上に形成されたシール材と
を有し、
前記シール部は、一対の隆起部を有し、
前記シール部と前記シール材とで形成される環状部は、
前記一対の隆起部の間に、前記隆起部の外側の周囲の前記環状部の上面より低い低位部を有している
ことを特徴とするシール材付き筐体。 - 前記低位部が、
前記シール材が未塗布の前記シール部を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のシール材付き筐体。
前記環状部の - 前記一対の隆起部の間の前記シール部が、
前記一対の隆起部の外側の前記シール部より低くなっている
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか一項に記載のシール材付き筐体。 - 前記一対の隆起部が第1の隆起部と第2の隆起部とで構成され、
前記第1の隆起部の頂部と前記第2の隆起部の頂部との間隔が、
前記第1の隆起部の底部の幅の1倍から10倍である
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のシール材付き筐体。 - 前記一対の隆起部が三角屋根型または半円筒型の隆起部で構成されている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のシール材付き筐体。 - 内部空間を囲う環状の第1のシール部を有する第1の筐体と、
前記第1のシール部に対向する第2のシール部を有する第2の筐体と、
前記第1のシール部と前記第2のシール部とを気密に接着するシール材とを有し、
前記第1のシール部は、一対の隆起部を有する
ことを特徴とする気密構造。 - 前記一対の隆起部が第1の隆起部と第2の隆起部とで構成され、
前記第1の隆起部の頂部と前記第2の隆起部の頂部との間隔が、
前記第1の隆起部の底部の幅の1倍から10倍である
ことを特徴とする請求項6に記載の気密構造。 - 前記一対の隆起部の間の前記第1のシール部が、
前記一対の隆起部の外側の前記第1のシール部より低くなっている
ことを特徴とする請求項6または7のいずれかに記載の気密構造。 - 内部空間を囲う環状の第1のシール部を有し、前記第1のシール部に一対の隆起部を有する第1の筐体の、前記第1のシール部にシール材を塗布し、
前記塗布は、前記一対の隆起部の間に、前記一対の隆起部の外側の周囲のシール材の上面より低い低位部が形成されるように行い、
前記第1のシール部に対向する第2のシール部を有する第2の筐体を重ね、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが近づく方向の力を加えて、前記低位部に前記シール材を展延し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とを気密に接着する、
ことを特徴とする気密構造の製造方法。 - 前記低位部に、前記シール材を塗布しない未塗布部を設ける
ことを特徴とする請求項9に記載の気密構造の製造方法。
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