JP2020045813A - シリンダーヘッドの構造および内燃機関 - Google Patents

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本間 伸一
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Abstract

【課題】高圧縮比に適したシリンダーヘッドの構造および内燃機関を提供する。【解決手段】シリンダーヘッドの構造は、内燃機関のシリンダーブロックに装着され、シリンダーブロックに設けられたシリンダー内をシリンダーの軸線に沿って摺動するピストンの頭頂面側に配置されるシリンダーヘッドの構造において、シリンダーヘッドを前記シリンダーブロックに固定する複数の固定部と、複数の固定部を互いに連結する連結部材と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、シリンダーヘッドの構造および内燃機関に関する。
たとえば、内燃機関において、シリンダーブロックは、シリンダーが設けられている。シリンダー内にはシリンダーの軸線に沿ってピストンが摺動する。シリンダーヘッドは、ピストンの頭頂面側に配置され、シリンダーブロックに装着されている。たとえば、ピストンとシリンダーとシリンダーヘッドとにより区画された燃焼室が形成されている。
特表平9−503274号公報
しかしながら、燃焼室での爆発により、シリンダーヘッドの中央部(ピストンやシリンダーの軸線の延長線上)において膨らもうとする一方、固定部(たとえば、締結ボルト)でそれを抑え込もうとする現象が生じる。換言すれば、シリンダーヘッドには、シリンダーブロックとの固定部を支点としてシリンダーブロック側とは反対の方向へ変形する変形モードが生じるという問題点があった。
そこで、この変形モードに対するポテンシャルを高めることで、シリンダーヘッドの強度を向上させ、高圧縮比に適した内燃機関を提供したいという要請がある。
本開示の目的は、高圧縮比に適したシリンダーヘッドの構造および内燃機関を提供することである。
上記の目的を達成するため、本開示におけるシリンダーヘッドの構造は、
内燃機関のシリンダーブロックに装着され、前記シリンダーブロックに設けられたシリンダー内を前記シリンダーの軸線に沿って摺動するピストンの頭頂面側に配置されるシリンダーヘッドの構造において、
前記シリンダーヘッドを前記シリンダーブロックに固定する複数の固定部と、
前記複数の固定部を互いに連結する連結部材と、
を備える。
また、本開示における内燃機関は、
上記のシリンダーヘッドの構造を備える。
本開示によれば、高圧縮比に適することができる。
本開示の実施の形態に係る内燃機関を概念的に示す部分分解斜視図である。 図1のA−A線断面図である。 本実施の形態の変形例1に係る連結部材を示す斜視図である。 本実施の形態の変形例2に係る連結部材を示す説明図である。 本実施の形態の変形例3に係る連結部材を示す説明図である。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本開示の実施の形態に係るシリンダーヘッドの構造は、たとえば、シリンダー内を摺動するピストンによって圧縮加熱した空気に燃料を噴射することで着火させるディーゼルエンジンに適用される。なお、シリンダーヘッドの構造は、これに限らず、ガソリンエンジンに適用されてもよい。
図1は、ディーゼルエンジン100を概念的に示す部分分解斜視図である。図1に示すように、ディーゼルエンジン100は、シリンダーブロック1と、シリンダーヘッド2と、ヘッドカバー(不図示)とを備える。ディーゼルエンジン100は、シリンダー11が1列に4本配列された直列4気筒エンジンである。なお、図1にはX軸、Y軸及びZ軸が描かれている。シリンダー11の配列方向を「前後方向」又はX方向という。また、シリンダー11の軸線方向を「上下方向」又はZ方向という。また、X方向およびZ方向にそれに直交する方向を「左右方向」又はY方向という。
シリンダーブロック1の上面12(ピストン14の頭頂面14a側の面)には複数の雌ネジ部13が設けられている。二つで一組の雌ネジ部13は、左右方向(Y方向)に対向配置されている。上面12には、合計で五組の雌ネジ部13が前後方向(X方向)に配列されている。シリンダー11には、軸線方向に摺動するピストン14が設置されている。なお、シリンダー11とピストン14とシリンダーヘッド2とにより画成された燃焼室(不図示)が形成される。
図2は、図1のA−A線断面図である。図1および図2に示すように、シリンダーヘッド2は、シリンダーブロック1の上面12に載置される。シリンダーヘッド2の材料には、たとえば、アルミニウム合金が用いられている。シリンダーヘッド2には、雌ネジ部13に対応して挿通孔21が設けられている。つまり、二つで一組の挿通孔21は、左右方向(Y方向)に対向配置されている。挿通孔21は、シリンダーヘッド2を上下方向(Z方向)に貫通する。
締結ボルト5(本開示の「固定部」に対応する)は、雌ネジ部13に対応して設けられている。つまり、二つで一組の締結ボルト5は、左右方向(Y方向)に対向配置されている。締結ボルト5は、頭部51および雄ネジ部52を有している。雄ネジ部52は、挿通孔21を貫通して、雌ネジ部13に螺合している。締結ボルト5は、回して締め付けた際に発生する上下方向(Z方向)の軸力によって、シリンダーヘッド2をシリンダーブロック1に締結する。なお、固定部は、シリンダーヘッド2をシリンダーブロック1に固定するものであればよい。ここでは、固定部は、締結ボルト5におけるシリンダーヘッド2の上面側に位置する部分(たとえば、頭部51)を含む。
燃焼室での爆発により、シリンダーヘッド2の中央部(シリンダー11やピストン14の軸線の延長線上)において膨らもうとする一方、締結ボルト5でそれを抑え込もうとする現象が生じる。換言すれば、シリンダーヘッド2には、X方向から見た場合、締結ボルト5の位置を支点として上方向へ変形する変形モード(YZ平面における変形モード)が生じる。この変形モードに対するポテンシャルを高めることで、シリンダーヘッド2の強度を向上させたいという要請がある。
本実施の形態では、挿通孔21は、大径孔22および小径孔23を有している。大径孔22は、挿通孔21の上端部に設けられている。小径孔23は、挿通孔21における大径孔22以外の部分である。小径孔23は、大径孔22の径よりも小さい径を有する。
図2にカラー部材3(本発明の「拘束部材」に対応する)を示す。カラー部材3は、円筒形状を有する。カラー部材3は、外径部31および内径部32を有する。外径部31は、大径孔22に堅く嵌め込まれている。
図1に示すように、連結部材4は、左右方向(Y方向)に延在している。連結部材4は、カラー部材3を介して、左右方向(Y方向)に対向配置された締結ボルト5を連結する。具体的には、図2に示すように、連結部材4は、所定の厚さを有する平板状の材料を用いて、たとえば、プレスの打ち抜き加工により成形される。連結部材4の左右方向両端部には、貫通孔41が設けられている。貫通孔41は、外径部31に堅く外嵌している。なお、連結部材4の材料の強度は、シリンダーヘッド2の材料の強度より高いことが好ましい。
図2に示すように、雄ネジ部52は、内径部32に貫通する。上述したように、締結ボルト5を回して締め付けた際に上下方向(Z方向)の軸力が発生する。締結ボルト5は、軸力によって、連結部材4をシリンダーヘッド2と共締めする。
次に、カラー部材3および連結部材4の作用について図2を参照して説明する。なお、図2における左方向をY1方向といい、右方向をY2方向という。
燃焼室での爆発により、シリンダーヘッド2は、シリンダーブロック1との締結ボルト5の位置を支点として上方向へ変形しようとする(YZ平面における変形モード)。ところが、連結部材4は、左右方向(Y方向)に対向配置された締結ボルト5を連結しているため、連結部材4には、シリンダーヘッド2の上記変形に対する抗力が生じる。これにより、連結部材4は、シリンダーヘッド2の上記変形を抑える。
また、シリンダーヘッド2および連結部材4が燃焼室の熱による影響を受けた場合に、シリンダーヘッド2および連結部材4の材料の熱膨張係数が互いに異なることにより、シリンダーヘッド2および連結部材4のY方向の伸縮量が互いに異なる場合がある。
たとえば、図2に示すように、シリンダーヘッド2のY1方向の伸び量δaが連結部材4のY1方向の伸び量δbより大きい場合がある。仮に、カラー部材3が設けられていない場合、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りが生じるため、シリンダーヘッド2の上記変形を抑える効果が下がる。
本実施の形態では、カラー部材3が設けられている。カラー部材3は、シリンダーヘッド2のY1方向の伸び量δaを減少させ、かつ、連結部材4のY1方向の伸び量δbを増大させるため、伸び量δa,δbは、同一となる。これにより、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りが生じない。
これに対して、たとえば、シリンダーヘッド2のY1方向の伸び量δaが連結部材4のY1方向の伸び量δbより小さい場合がある。この場合でも、カラー部材3は、シリンダーヘッド2のY1方向の伸び量δaを増大させ、かつ、連結部材4のY1方向の伸び量δbを減少させるため、伸び量δa,δbは、同一となる。これにより、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りが生じない。
また、たとえば、シリンダーヘッド2のY2方向の縮み量と連結部材4のY2方向の縮み量とが異なる場合がある。この場合でも、カラー部材3は、両方の縮み量が同一になるように、シリンダーヘッド2および連結部材4に作用する。これにより、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りが生じない。
以上により、カラー部材3は、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りを生じさせないため、シリンダーヘッド2の上方向の変形を抑える効果が下がるのを防止することができる。
上記実施の形態に係るシリンダーヘッド2の構造によれば、内燃機関のシリンダーブロック1に装着され、シリンダーブロック1に設けられたシリンダー11内をシリンダー11の軸線に沿って摺動するピストン14の頭頂面14a側に配置されるシリンダーヘッド2の構造において、シリンダーヘッド2をシリンダーブロック1に固定する複数の締結ボルト5と、左右方向(Y方向)に対向配置される締結ボルト5を互いに連結する連結部材4と、を備える。これにより、YZ平面における変形モードに対するポテンシャルを高めることが可能となる。その結果、シリンダーヘッド2の強度を向上させ、高圧縮比に適した内燃機関となる。
また、上記実施の形態によれば、締結ボルト5は、軸力によって、連結部材4をシリンダーヘッド2と共締めする。これにより、燃焼室での爆発によるシリンダーヘッド2のYZ平面における変形モードにおいて、連結部材4とシリンダーヘッド2とが一体的に変形するようになるため、連結部材4は、シリンダーヘッド2の上記変形を抑えることが可能となる。
また、上記実施の形態によれば、連結部材4がシリンダーヘッド2に対して左右方向(Y方向)へ相対移動するのを拘束するカラー部材3を備えている。シリンダーヘッド2および連結部材4の材料の熱膨張係数が互いに異なる場合でも、燃焼室での爆発によるシリンダーヘッド2のYZ平面における変形モードにおいて、シリンダーヘッド2に対する連結部材4の滑りが生じないため、シリンダーヘッド2の上記変形を抑える効果が下がるのを防止することができる。
また、上記実施の形態によれば、連結部材4は、プレスの打ち抜き加工により形成されているため、成形性に優れている。また、連結部材4は、上下方向(Z方向)に嵩張らずに、シリンダーヘッド2とヘッドカバー(不図示)との間において広い設置スペースをとらないため、レイアウト性に優れている。また、複数の連結部材4は一体的に形成されているため、成形性にさらに優れている。
なお、上記実施の形態においては、連結部材4は、左右方向(Y方向)に対向配置される締結ボルト5を互いに連結したが、本開示はこれに限らず、例えば、連結部材4は、前後方向(X方向)に対向配置される締結ボルト5を互いに連結してもよい。これにより、XZ平面における変形モードに対するポテンシャルを高めることが可能となる。
また、上記実施の形態では、連結部材4は、締結ボルト5によりシリンダーヘッド2と共締めされたが、本開示はこれに限らず、たとえば、連結部材4の左右方向両端部に凹部を設け、凹部を締結ボルト5の頭部51に嵌合させることにより、複数の締結ボルト5を互いに連結するようにしてもよい。
次に、本実施の形態の変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記実施の形態と異なる構成について主に説明し、同じ構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
<変形例1>
次に、変形例1について図3を参照して説明する。図3は、本実施の形態の変形例1に係る連結部材4を示す斜視図である。
上記実施の形態においては、前後方向(X方向)に配列される複数の連結部材4は、互いに独立して形成されている。
これに対して、変形例1に係る複数の連結部材4は、図3に示すように、所定の厚さを有する平板状の材料を用いて、たとえば、プレスの打ち抜き加工により、一体的に形成されている。これにより、連結部材4は、成形性に優れている。複数の連結部材4は、接続部4aにより一体化される。接続部4aは、複数の連結部材4の左右方向(Y方向)中央部を相互に接続している。なお、接続部4aは、複数の連結部材4の左側端部および/または右側端部を相互に接続してもよい。
<変形例2>
次に、変形例2について図4を参照して説明する。図4は、本実施の形態の変形例2に係る連結部材4を示す説明図である。
上記実施の形態に係る複数の連結部材4は、締結ボルト5の配置に合わせて、前後方向(X方向)に配列される。
これに対して、変形例2においては、締結ボルト5は、図4に示すように、六角形の頂点の位置、および、六角形の中心位置に配置されている。これにより、変形例2に係る複数の連結部材4は、六角形の中心位置を間にして対向配置される締結ボルト5を連結する。さらに、変形例2に係る複数の連結部材4は、たとえば、プレスの打ち抜き加工により一体的に形成されている。これにより、連結部材4は成形性に優れている。
<変形例3>
次に、変形例3について図5を参照して説明する。図5は、本実施の形態の変形例3に係る連結部材4を示す説明図である。
上記実施の形態においては、連結部材4は、左右方向(Y方向)に真っ直ぐに延在するものである。
これに対して、変形例3に係る連結部材4の左右方向(Y方向)中央部4bは、上方向にアーチ状に湾曲している。このようなアーチ状の連結部材4は、たとえば、左右方向中央部4bの下方向に他の部品6がある場合に採用される。
その他、上記実施の形態は、何れも本開示の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本開示の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本開示はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本開示は、高圧縮比に適することが要求される内燃機関を搭載する車両に利用される。
1 シリンダーブロック
2 シリンダーヘッド
3 カラー部材
4 連結部材
4a 接続部
4b 中央部
5 締結ボルト
6 部品
11 シリンダー
12 上面
13 雌ネジ部
14 ピストン
14a 頭頂面
21 挿通孔
22 大径孔
23 小径孔
31 外径部
32 内径部
41 貫通孔
51 頭部
52 雄ネジ部
100 ディーゼルエンジン

Claims (6)

  1. 内燃機関のシリンダーブロックに装着され、前記シリンダーブロックに設けられたシリンダー内を前記シリンダーの軸線に沿って摺動するピストンの頭頂面側に配置されるシリンダーヘッドの構造において、
    前記シリンダーヘッドを前記シリンダーブロックに固定する複数の固定部と、
    前記複数の固定部を互いに連結する連結部材と、
    を備える、
    シリンダーヘッドの構造。
  2. 前記固定部は、前記連結部材をシリンダーヘッドと共締めする締結ボルトを有する、
    請求項1に記載のシリンダーヘッドの構造。
  3. 前記連結部材の材料の強度は、前記シリンダーヘッドの材料の強度より高い、
    請求項1または2に記載のシリンダーヘッドの構造。
  4. 前記複数の固定部を複数の前記連結部材により互いに連結する場合において、前記複数の連結部材は、一体化されている、
    請求項1から3のいずれか一項に記載のシリンダーヘッドの構造。
  5. 前記連結部材が前記シリンダーヘッドに対して前記軸線に直交する方向へ相対移動するのを拘束する拘束部材をさらに備える、
    請求項1から4のいずれか一項に記載のシリンダーヘッドの構造。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載のシリンダーヘッドの構造を備えた内燃機関。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN118423194A (zh) * 2024-05-28 2024-08-02 济南格蓝压缩机有限公司 一种燃气发动机用气缸盖

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